JP2013091783A - 導電性樹脂組成物及びこれを用いた導電性塗料並びに導電性接着剤 - Google Patents

導電性樹脂組成物及びこれを用いた導電性塗料並びに導電性接着剤 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性、耐熱性、耐水性、基材との密着性及び熱伝導性に優れる導電性樹脂組成物を提供する。
【解決手段】フェノール樹脂(A)及び溶解性パラメーターが9〜12である有機化合物(B)を含む樹脂成分と、アスペクト比が10〜15,000であるカーボンナノチューブ(C)、及び平均繊維径がカーボンナノチューブ(C)の3分の2以下であるカーボンナノチューブ(D)を含む炭素成分とを含有する導電性樹脂組成物であって、前記樹脂成分中のフェノール樹脂(A)の含有量が30〜95質量%であり、前記樹脂成分100質量部に対してカーボンナノチューブ(C)を20〜70質量部、カーボンナノチューブ(D)を1〜15質量部それぞれ含有することを特徴とする導電性樹脂組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、導電性樹脂組成物及びこの導電性樹脂組成物を含む導電性塗料並びに導電性接着剤に関する。
近年、製品の軽量化、環境への配慮、及び製造コスト抑制の観点から、導電性樹脂組成物を使用した導電性塗料及び導電性接着剤等が増加している。前記導電性塗料は、例えば、基材フィルムに対してスクリーン印刷され、キーボードやスイッチ等を構成するメンブレン回路として広く用いられている。また、前記導電性接着剤は、ハンダの代替品として用いられている。このような用途に用いられる導電性樹脂組成物は、例えば、溶剤に対し、バインダー又はマトリックス材料としての樹脂を溶解させて、その後、導電性材料を分散させることにより製造される。
前記導電性樹脂組成物においては、導電性を付与するためのフィラー(導電性材料)として、金、銀、白金、パラジウム等の金属が用いられているが、導電性材料として金属を用いた場合には、高湿条件下でのデンドライト発生による導電性樹脂組成物としての信頼性の低下、金属表面酸化による導電性の低下、及び製造コストの上昇という問題が生じる。
このような問題を解決することを目的として、炭素系導電性材料を用いた導電性樹脂組成物の研究が行われている。
例えば、特許文献1には、気相成長炭素繊維と、カーボンブラックと、熱可塑性樹脂及び/又は熱硬化性樹脂とを含有する導電性組成物が記載されている。
また、特許文献2には、特定の構造を有する気相法炭素繊維と、黒鉛質粒子及び/又は非晶質炭素粒子とを含む導電性組成物用炭素質材料を樹脂成分に配合した導電性組成物が記載されている。
特開平6−122785号公報 特開2004−221071号公報
前記特許文献1,2に記載された導電性樹脂組成物は、酸化や腐食に対して安定であり、また、金属系導電性材料を用いる場合に比べてコストを低く抑えることが可能である。しかしながら、炭素系導電性材料は熱硬化性樹脂への分散性、及び分散後の安定性が低いため、これを用いた導電性樹脂組成物は、導電性、耐熱性、耐水性、基材との密着性、及び熱伝導性が低下する傾向があり、改善が望まれている。
本発明は、上記問題点に鑑み、導電性、耐熱性、耐水性、基材との密着性、及び熱伝導性に優れる導電性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、前記導電性樹脂組成物を含む導電性塗料及び導電性接着剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行ったところ、フェノール樹脂及び溶解性パラメーターが特定の範囲にある有機化合物を含む樹脂成分と、特定のアスペクト比を有するカーボンナノチューブ及び特定の平均繊維径を有するカーボンナノチューブを含む炭素成分とを特定の割合で含有する樹脂組成物が、導電性、耐熱性、耐水性、基材との密着性、及び熱伝導性の全てに優れることを見出した。
すなわち、本発明は、下記の[1]〜[9]を提供する。
[1]フェノール樹脂(A)及び溶解性パラメーターが9〜12である有機化合物(B)を含む樹脂成分と、アスペクト比が10〜15,000であるカーボンナノチューブ(C)及び平均繊維径がカーボンナノチューブ(C)の3分の2以下であるカーボンナノチューブ(D)を含む炭素成分とを含有する導電性樹脂組成物であって、前記樹脂成分中のフェノール樹脂(A)の含有量が30〜95質量%であり、前記樹脂成分100質量部に対してカーボンナノチューブ(C)を20〜70質量部、カーボンナノチューブ(D)を1〜15質量部それぞれ含有することを特徴とする導電性樹脂組成物。
[2]前記有機化合物(B)がフェノール樹脂(A)との反応性を有する有機化合物である、[1]に記載の導電性樹脂組成物。
[3]前記有機化合物(B)がエポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、及び4,4’−メチレンビス[N,N−ビス(オキシラニルメチル)アニリン]からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]又は[2]に記載の導電性樹脂組成物。
[4]前記カーボンナノチューブ(C)の平均繊維径が1〜500nmである、[1]〜[3]のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
[5]前記樹脂成分100質量部に対して前記炭素成分を25〜70質量部含有する、[1]〜[4]のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
[6]前記カーボンナノチューブ(C)が黒鉛化触媒による熱処理を行ったものである、[1]〜[5]のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
[7]前記カーボンナノチューブ(D)が黒鉛化触媒による熱処理を行ったものである、[1]〜[6]のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
[8][1]〜[7]のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を含む導電性塗料。
[9][1]〜[7]のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を含む導電性接着剤。
本発明によれば、導電性、耐熱性、耐水性、基材との密着性及び熱伝導性に優れる導電性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、前記特性を備える導電性塗料及び導電性接着剤を提供することができる。
[導電性樹脂組成物]
<樹脂成分>
本発明の導電性樹脂組成物は、樹脂成分としてフェノール樹脂(A)と、溶解性パラメーターが9〜12である有機化合物(B)との少なくとも2成分を含むものである。
(フェノール樹脂(A))
前記フェノール樹脂(A)としては、フェノール類とアルデヒド類とを塩基性触媒を用いて反応させたレゾール型フェノール樹脂、酸性触媒を用いて反応させたノボラック型フェノール樹脂、又はそれらの混合物を挙げることができる。それらのフェノール樹脂は、それぞれ所定の触媒存在下、所定の温度で加熱反応させた後、常圧濃縮や真空濃縮を行い取り出すことにより、またそれらを混合することにより得ることができる。
フェノール樹脂(A)の合成に用いるフェノール類としては、例えば、フェノール、各種アルキルフェノール(例えば、各種ブチルフェノール、各種クレゾール、各種キシレノール)、各種フェニルフェノール、各種メトキシフェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン、ビスフェノールA、及びビスフェノールF等を挙げることができ、これらの中ではフェノールが好ましい。ここで、「各種」とは各種構造異性体を意味する。
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、アセトアルデヒド、及びベンズアルデヒド等を挙げることができ、これらの中では、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒドが好ましい。
前記フェノール類、アルデヒド類は、1種を単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
フェノール樹脂(A)の合成に用いる塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム等の金属水酸化物、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ナトリウム、及び酸化カリウム等の金属酸化物、塩基性酢酸銅、塩基性酢酸亜鉛、及び塩基性酢酸鉛のような塩基性酢酸金属塩及びトリエチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジメチルエタノールアミン、及びアンモニア等のアミン系化合物等を用いることができる。
また、酸性触媒としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、シュウ酸、トルエンスルホン酸等の有機酸を用いることができる。
本発明の導電性樹脂組成物においては、フェノール樹脂(A)として分子内にカルボキシ基及び/又はグリシジル基を有する変性レゾール型フェノール樹脂を用いてもよい。変性方法としては、特に制限はなく公知の方法を採用することができる。例えば、フェノール樹脂中のフェノール性水酸基やメチロール基の一部に、カルボキシ基含有化合物及び/又はグリシジル基含有化合物を反応させて変性する方法を挙げることができる。
フェノール樹脂(A)の市販品としては、例えば、昭和電工株式会社製「ショウノール(登録商標) BKS−3823A」(レゾール型)、「ショウノール(登録商標) BRG−556」(ノボラック型)、日立化成工業株式会社製「ヒタノール(登録商標)」(レゾール型)等を挙げることができる。
本発明において用いることができるフェノール樹脂(A)の重量平均分子量は、各種材料に対する濡れ性、作業性の観点から、300〜10,000が好ましく、700〜8,000がより好ましく、800〜7,000が更に好ましく、900〜6,800がより更に好ましい。
また、フェノール樹脂(A)の溶解性パラメーターは、7〜15が好ましく、7.5〜14がより好ましく、8〜12が更に好ましく、8.5〜12がより更に好ましい。溶解性パラメーターが前記範囲内であると後述のカーボンナノチューブの分散性が向上する。
なお、本発明における溶解性パラメーター(Solubility Parameter:SP値)とは、ヒルデブラント(Hildebrand)によって導入された正則溶液論により定義された値であり、化学物質の構造や物理特性から公知の方法で求めることができる。例えば、「接着百科(上) 高分子刊行会 1995」第24〜34頁に記載されたSmall式等により求めることができる。溶解性パラメーターは、溶剤や有機化合物の溶解性や相溶性の指標として用いられる。
(有機化合物(B))
本発明においては、有機化合物(B)として溶解性パラメーター(SP値)が9〜12であるフェノール樹脂(A)とは異なる有機化合物を用いる。
有機化合物(B)のSP値が9未満、又は12を超えると、後述のカーボンナノチューブの分散が不十分になる。また、SP値が12を超えると、親水性が高くなるため耐水性が著しく低下する。すなわち、有機化合物(B)のSP値が9〜12であると、耐水性が向上すると共に、カーボンナノチューブの分散性が良好になる。有機化合物(B)のSP値は、9.5〜11.0であることがより好ましい。
前記溶解性パラメーターを満たす有機化合物(B)としては、エポキシ樹脂(SP値=9.7〜10.9)、ポリビニルブチラール樹脂(SP値=9.9)、ポリメチルメタクリレート樹脂(SP値=9.2)、クロロプレンゴム(SP値=9.2)、ニトリルブタジエンゴム(SP値=9.4〜9.5)、ポリ酢酸ビニル(SP値=9.4)、ニトロセルロース(SP値=10.1)、4,4’−メチレンビス[N,N−ビス(オキシラニルメチル)アニリン](SP値=10.8)等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
前記有機化合物(B)の中では、フェノール樹脂(A)と反応性を有する有機化合物が好ましい。具体的には、フェノール性水酸基との反応性を有するエポキシ基を分子構造中に含むエポキシ樹脂及び4,4’−メチレンビス[N,N−ビス(オキシラニルメチル)アニリン]等のエポキシ系化合物、メチロール基との反応性を有する水酸基を分子構造中に含むポリビニルブチラール樹脂がより好ましい。前記フェノール樹脂(A)と反応する樹脂を用いると、本発明の導電性樹脂組成物を使用した導電性塗料及び導電性接着剤において、より均一な硬化膜を形成することができる。
本発明において用いることができる有機化合物(B)の重量平均分子量は、相溶性、溶液粘度等の観点から、300〜1,000,000が好ましく、7,000〜500,000がより好ましく、10,000〜200,000が更に好ましい。
また、有機化合物がエポキシ系化合物である場合そのエポキシ当量(エポキシ基1個あたりの化合物の分子量)は、90〜4000g/eqが好ましく、95〜1000g/eqがより好ましい。
本発明における樹脂成分は、フェノール樹脂(A)と有機化合物(B)とを少なくとも含むものであればよく、必要に応じて他の樹脂を含んでいてもよい。ただし、樹脂成分中への炭素成分の分散性、及び硬化膜の導電性、耐熱性、耐水性、基材との密着性及び熱伝導性のバランスの点から、樹脂成分全体に含まれるフェノール樹脂(A)と有機化合物(B)との合計が85質量%以上であることが好ましい。
本発明におけるフェノール樹脂(A)及び有機化合物(B)の含有比[(A)/(B)]は、30/70〜95/5であり、35/65〜90/10がより好ましい。
<炭素成分>
本発明における炭素成分は、主要な導電経路を形成する第1のカーボンナノチューブ(C)と、このカーボンナノチューブ(C)との間を繋ぎ、確実な導電ネットワークを形成するための、カーボンナノチューブ(C)より平均繊維径が小さい第2のカーボンナノチューブ(D)を含む。
(カーボンナノチューブ(C))
カーボンナノチューブ(C)としては、アスペクト比(繊維径に対する繊維長さの比)が10〜15,000であるカーボンナノチューブを用いる。このアスペクト比が10未満であるとマトリックス内での導電パスが形成されにくくなり、導電性を向上させることが難しくなる。また、前記アスペクト比が15,000を超えると、繊維同士の凝集力が強くなり樹脂成分に対する分散性が低下する。このカーボンナノチューブ(C)のアスペクト比は、20〜1,000がより好ましく、30〜500が更に好ましく、35〜200がより更に好ましい。
前記カーボンナノチューブ(C)の平均繊維径としては、1〜500nmが好ましく、5〜300nmがより好ましく、10〜180nmが更に好ましく、20〜160nmがより好ましく、30〜150nmが最も好ましい。平均繊維径が前記範囲内であると、樹脂成分に対してカーボンナノチューブ(C)がより一層分散しやすくなり、優れた導電性を備える導電性樹脂組成物を得ることができる。
平均繊維径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によりカーボンナノチューブのサンプルを無作為に100〜1,000個選択し、各サンプルの繊維径を測定し、数平均を算出することにより求めることができる。アスペクト比についても同様に、走査型電子顕微鏡(SEM)により、カーボンナノチューブのサンプルを100〜1,000個選択して平均繊維径及び平均繊維長さを算出し、これらの値から計算により求めることができる。
本発明の導電性樹脂組成物は、前記樹脂成分100質量部に対してカーボンナノチューブ(C)を20〜70質量部含有する。カーボンナノチューブ(C)の含有量が20質量部未満であると十分な導電性を得ることができず、また、含有量が70質量部を超えると導電性樹脂組成物の粘度が高くるためフィラーの分散性が低下する。このカーボンナノチューブ(C)の含有量は、樹脂成分100質量部に対して20〜65質量部が好ましく、25〜60質量部がより好ましく、25〜50質量部がより更に好ましい。
カーボンナノチューブ(C)は、後述するように化学的気相成長法(CVD法)やアーク放電法等によって製造することができる。カーボンナノチューブ(C)としては、炭素原子が六角形状に規則正しく並んだグラフェンシートが円筒形に丸まったものが好ましい。
なお、本明細書においては、グラフェンシートの筒が一重であり、直径が1〜数nm、長さが1〜数μm程度であるものを単層カーボンナノチューブと称し、グラフェンシートの筒が同心状に何重も重なっており、直径が数nm〜百数十nmであるものを多層カーボンナノチューブと称す。また、グラフェンシートが略円錐状に丸まったものをカーボンナノホーンと称し、単層カーボンナノホーン及び多層カーボンナノホーンがある。本明細書においては、これらをカーボンナノチューブと総称する。
カーボンナノチューブ(C)としては、気相成長法で作製された気相成長炭素繊維が好ましく、直線状の繊維形態を有し、屈曲指数の平均値が5〜15の剛直な繊維であることがより好ましい。屈曲指数は、気相成長炭素繊維の剛直性を示すものであって、顕微鏡等で撮影した多数の気相成長炭素繊維の屈曲していない直線部分の長さ(Lx)と直径(D)とからLx/Dで定義される。したがって、屈曲指数が小さい気相成長炭素繊維は短い間隔で折れ曲がることを示し、屈曲指数が大きい気相成長炭素繊維は直線部分が長く、屈曲していないことを示す。
また、炭素六角網面のグラファイトの1枚面(グラフェンシート)を巻いて筒状にした形状を有する多層カーボンナノチューブの中でも、屈曲部分の少ない剛直なマルチウォール気相成長炭素繊維を用いることが好ましい。
このような性質を備えるカーボンナノチューブの製造方法としては、特に制限はなく、アーク放電法、気相成長法、レーザー・アブレーション法等を挙げることができ、これらの中では、気相成長法が好ましい。
気相成長法は、ベンゼンやトルエン等の炭化水素を気相で熱分解し、気相成長炭素繊維を合成するもので、より具体的には、流動触媒法やゼオライト担持触媒法等が例示できる。気相成長炭素繊維は、例えばベンゼン、トルエン、天然ガス等の有機化合物を原料に、フェロセン等の遷移金属触媒の存在下で、水素ガスとともに800〜1,300℃程度で熱分解反応させることによって得ることができる。
なお、本発明に用いることができるカーボンナノチューブ(C)の市販品としては、例えば、昭和電工株式会社製「VGCF(登録商標)」、「VGNT(登録商標)」等を挙げることができる。本発明の導電性樹脂組成物は、前記カーボンナノチューブの1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
前記方法により製造したカーボンナノチューブは、熱処理を行わずにそのまま樹脂成分に分散させてもよく、また、熱処理を行った後、樹脂成分に分散させてもよい。
熱処理の方法としては、不活性ガス雰囲気下、低温度(800〜1,500℃)で処理する方法、又は不活性ガス雰囲気下、高温度(2,000〜3,000℃)で黒鉛化処理する方法を挙げることができるが、導電性樹脂組成物の導電性を向上させる観点から、黒鉛化処理を行う方法が好ましい。
前記カーボンナノチューブ(C)に対しては、樹脂への濡れ性、及び樹脂への分散性を向上させる観点から、硝酸、硫酸、塩酸又はこれらの混合酸等による酸処理を行ってもよく、空気存在下での熱処理による表面酸化処理を行ってもよい。
本発明においては、導電性を向上させることを目的として、黒鉛化触媒の存在下、熱処理を行いカーボンナノチューブの結晶性(黒鉛化度)を向上させてもよい。黒鉛化触媒による熱処理の方法としては、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下、2,000〜3,300℃でカーボンナノチューブに黒鉛化触媒を作用させる方法を挙げることができる。
黒鉛化触媒としては、例えば、ホウ素、ホウ素酸化物(例えば、B22、B23、B43、B45等)、ホウ素オキソ酸(例えば、オルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸等)及びその塩、ホウ素炭化物(例えば、B4C、B6C等)、窒化ホウ素(BN)、その他のホウ素化合物を使用することができ、これらの中では、B4C、B6C等のホウ素炭化物、元素状ホウ素が好ましい。これらの黒鉛化触媒は、カーボンナノチューブに直接添加又は混合してもよく、黒鉛化触媒とカーボンナノチューブとを直接接触させずに、黒鉛化触媒を加熱して発生させた蒸気をカーボンナノチューブと接触させてもよい。黒鉛化触媒の添加量は、カーボンナノチューブ100質量部に対して1〜20質量部が好ましく、1〜10質量部がより好ましく、1〜8質量部が更に好ましい。
(カーボンナノチューブ(D))
本発明において用いるカーボンナノチューブ(D)は、平均繊維径がカーボンナノチューブ(C)の平均繊維径の3分の2以下のものである。平均繊維径が3分の2より大きいと、カーボンナノチューブ(C)との平均繊維径の差が小さくなりカーボンナノチューブ(C)間を繋ぐ導電パスとしての効果を得ることができない。このカーボンナノチューブ(D)の平均繊維径は0.5nm以上、かつ、カーボンナノチューブ(C)の平均繊維径の2分の1以下がより好ましく、カーボンナノチューブ(C)の平均繊維径の5分の1以下が更に好ましい。なお、生産コストの観点から、カーボンナノチューブ(D)の平均繊維径は0.5nm以上、かつ、カーボンナノチューブ(C)の平均繊維径の1/50以上が好ましい。
カーボンナノチューブ(C)の平均繊維径が20nm以上であり、かつカーボンナノチューブ(C)の平均繊維径とカーボンナノチューブ(D)の平均繊維径との差が10nm以上であるとより好ましい。
カーボンナノチューブ(D)の配合量は、樹脂成分100質量部に対して1〜15質量部である。カーボンナノチューブ(D)の配合量が樹脂成分100質量部に対して1質量部未満であると、導電性の観点でカーボンナノチューブ(D)を配合する効果が現れず、15質量部を超えると、塗布性が悪くなる。導電性及び塗布性を向上させる観点から、カーボンナノチューブ(D)の配合量は、樹脂成分100質量部に対して2〜10質量部がより好ましい。
カーボンナノチューブ(D)は、触媒担持法により生成されるカーボンナノチューブが好ましく、屈曲した繊維形状を有していることがより好ましい。屈曲して絡まったカーボンナノチューブ同士は樹脂分散時の導電ネットワーク形成能に優れ、樹脂へ少量添加しただけでも高導電性を発現することが可能である。したがって、カーボンナノチューブ(D)をカーボンナノチューブ(C)と共に用いることにより、さらなる高導電性発現が可能となる。
本発明に用いることができるカーボンナノチューブ(D)としては、昭和電工株式会社製「VGCF−X(登録商標)」等を挙げることができる。また、導電性向上、及び塗膜強度向上の観点から、前記カーボンナノチューブ(C)と同様の黒鉛化触媒による熱処理を行うことが好ましい。
本発明の導電性樹脂組成物は、カーボンナノチューブ(C)とカーボンナノチューブ(D)とは異なる炭素化合物をその他の炭素成分として含有していてもよい。その他の炭素成分を含有する場合の含有量は、樹脂成分100質量部に対して10質量部以下が好ましい。その他の炭素成分は、例えば、カーボンブラック、ケッチェンブラック等の粒子状炭素、ミルドカーボンファイバーなどの炭素繊維を用いることができる。
<樹脂成分と炭素成分との含有比>
本発明の導電性樹脂組成物における樹脂成分と炭素成分との含有比は、樹脂成分100質量部に対して炭素成分を25〜70質量部とすることが好ましく、30〜65質量部とすることがより好ましく、35〜60質量部とすることが更に好ましい。樹脂成分に対する炭素成分の含有量を前記範囲内とすることにより、導電性樹脂組成物の導電性をより一層向上させることができ、また、導電性塗料等の粘度が高くなり過ぎないため、フィラーを十分に分散させることができる。
本発明の導電性樹脂組成物は、主要な導電経路を平均繊維径が大きいカーボンナノチューブ(C)が担い、その間を平均繊維径が小さいカーボンナノチューブ(D)が繋ぐため、高導電性を実現することが可能である。
なお、本発明においては、各カーボンナノチューブの極性に近い樹脂を組み合わせて用いる、又は混合時の混合熱因子が小さい(溶解性パラメーターが近い)樹脂を組み合わせて用いるため、導電性樹脂組成物中でカーボンナノチューブが均一に分散されて導電パスを形成するため、前記各特性を高い水準で兼ね備えるようになる。
<その他の成分>
本発明の導電性樹脂組成物は、前記樹脂成分、炭素成分の他に、必要に応じてカップリング剤、レベリング剤、分散剤、レオロジーコントロール剤、消泡剤、酸化防止剤、及び可塑剤等の各種添加剤を含有していてもよい。また、後述の導電性塗料、及び導電性接着剤の製造に使用する溶剤を含有してもよい。
<導電性樹脂組成物の製造方法>
本発明の導電性樹脂組成物は、フェノール樹脂(A)及び有機化合物(B)を含む樹脂成分と、カーボンナノチューブ(C)及びカーボンナノチューブ(D)を含む炭素成分とを所定の混合比で混合し、さらに必要に応じてその他の成分を加え、これらを混合・混練することにより製造することができる。混合・混練に際しては公知の混合・混練装置を使用することができる。各成分の配合順序に特に制限はない。
[導電性塗料、導電性接着剤]
本発明の導電性塗料及び導電性接着剤は、前記本発明の導電性樹脂組成物を含むものであり、例えば、本発明の導電性樹脂組成物と溶剤と、必要に応じて各種添加剤とを混合することにより製造することができる。
導電性塗料及び導電性接着剤の製造に用いる溶剤としては、一般的な溶剤を用いることができ、例えば、メチルエチルケトン、N−メチルピロリドン、グリコールエーテル、グリコールエステル、及びテルペン化合物等を用いることができる。これらの溶剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の導電性塗料、導電性接着剤の製造に用いる添加剤としては、可塑剤、乾燥調整剤、及び界面活性剤等を挙げることができる。
導電性塗料及び導電性接着剤の具体的製造法としては、例えば、高速撹拌機を使用して樹脂成分を溶剤に溶解させてワニスを製造し、大ロットの場合には前記ワニスと炭素成分とを配合してタンクミキサーでプレミキシングを行い、これをサンドミルで連続的に混合、解砕して粘度を調整することにより製造することができる。また、小ロットの場合には、例えば、アトライターに炭素成分と前記ワニスとを直接に仕込んで混合、解砕し、粘度の調整をすることにより製造することができる。なお、前記サンドミル(流通槽式ミル)やアトライター(撹拌槽式ミル)等の媒体攪拌式ミルの代わりにボールミル等の容器駆動媒体ミルや3本ロールミルを使用することもできる。
導電性塗料及び導電性接着剤の基材への塗布方法としては、スクリーン印刷法、ディスペンサー法、ディッピング法、転写法、アプリケーター法、ハケ塗り法及びスプレー法がある。また、基板や電子素子に塗布する方法としては、スクリーン印刷法、ディッピング法、及び転写法がある。前記各塗布方法に応じて、導電性樹脂組成物と溶剤との比率を変化させ、導電性塗料及び導電性接着剤の粘度等を調整することが好ましい。
以下に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例及び比較例で使用した材料は以下のとおりである。なお、各材料の物性は以下の方法により測定した。
(重量平均分子量)
ゲル浸透クロマトグラフィーにより測定を行った。測定装置としては、昭和電工株式会社製「Shodex(登録商標) GPC System−21(カラム:KF−802,KF−803、KF−805)」を用いた。測定条件は、カラム温度を40℃、溶出液をテトラヒドロフラン、溶出速度を1ml/分とした。重量平均分子量は、標準ポリスチレン換算分子量(Mw)で表示した。
(水酸基当量)
JIS K 0070に準拠して測定した。
(エポキシ当量)
JIS K 7236に準拠して測定した。
<フェノール樹脂(A)>
(a−1)レゾール型フェノール樹脂
昭和電工株式会社製「ショウノール BKS−3823A」
重量平均分子量 :6,500
溶解性パラメーター:11.5
(a−2)レゾール型フェノール樹脂
日立化成工業株式会社製「ヒタノール 2181」
重量平均分子量 :3,900
溶解性パラメーター:9.3
(a−3)ノボラック型フェノール樹脂
昭和電工株式会社製「ショウノール BRG−556」
重量平均分子量 :1,200
水酸基当量 :108g/eq
溶解性パラメーター:10.3
<有機化合物(B)>
(b−1)ポリビニルブチラール樹脂
電気化学工業株式会社製「デンカブチラール #3000」
重量平均分子量 :130,000
溶解性パラメーター:9.9
(b−2)ビスフェノール型エポキシ樹脂
三菱化学株式会社製「JER 828」
重量平均分子量 :331
エポキシ当量 :189g/eq
溶解性パラメーター:10.3
(b−3)4,4’−メチレンビス[N,N−ビス(オキシラニルメチル)アニリン]
大連斉化化工有限公司社製「DTP−777」
重量平均分子量 :1,535
エポキシ当量 :110g/eq
溶解性パラメーター:10.8
<その他の樹脂(X)>
(x−1)天然ゴム
扶桑ゴム工業株式会社製「上質アメゴム」
溶解性パラメーター:8.1
(x−2)ナイロン
帝中株式会社製、6ナイロン「J3200N」
溶解性パラメーター:12.7
<カーボンナノチューブ(C)>
(c−1)気相成長炭素繊維(多層カーボンナノチューブ)
昭和電工株式会社製「VGCF」
平均繊維径 :150nm
平均繊維長 :8μm
アスペクト比:53
(c−2)以下の手順で製造した触媒黒鉛化処理気相成長炭素繊維
未処理の気相成長炭素繊維(c−1)を1,300℃で熱処理したものを原料とし、黒鉛化触媒(B4C)を気相成長炭素繊維100質量部に対し4質量部添加してアブソリュートミル(大阪ケミカル株式会社製)で1分間(回転数15,000r/min)混合した。混合物を黒鉛製のるつぼに入れ、抵抗加熱型触媒添加黒鉛化炉(株式会社倉田技研製)を用いて2800℃で30分間黒鉛化処理を行った。形状は(c−1)とほぼ同じである。
(c−3)気相成長炭素繊維(多層カーボンナノチューブ)
昭和電工株式会社製「VGCF−H」
平均繊維径 :150nm
平均繊維長 :6μm
アスペクト比:40
(c−4)気相成長炭素繊維(多層カーボンナノチューブ)
(c−4)は、以下の手順にしたがって製造した多層カーボンナノチューブである。
すなわち、縦型管状加熱炉(内径60mm,長さ1000mm)の炉内温度を1300℃に昇温させた後、前記温度を維持し、3質量%のフェロセン及びチオフェンを1.5質量%含有するトルエン(液体原料)を超音波で霧化し、水素ガスと共に供給した。水素ガスの流量は10L/分、液体原料の供給量は1.5g/分とした。
この条件の下においては、フェロセンが熱分解することにより鉄微粒子となり、これが種となってトルエンの熱分解を促進し、トルエンに起因する炭素によって多層カーボンナノチューブが成長する。このようにして得られた多層カーボンナノチューブ(As−grown多層カーボンナノチューブ)をアルゴン雰囲気下1000℃で熱処理したものを黒鉛製のるつぼに入れ、抵抗加熱型黒鉛化炉((株)倉田技研製)を用いて2500℃で30分間黒鉛化処理を行った。
平均繊維径 :50nm
平均繊維長 :8μm
アスペクト比:160
(c−5)以下の手順で製造した触媒黒鉛化処理多層カーボンナノチューブ
(c−5)は、以下の手順にしたがって製造した黒鉛化処理多層カーボンナノチューブである。すなわち、(c−4)のAs−grown多層カーボンナノチューブをアルゴン雰囲気下1000℃で熱処理したものを原料とし、黒鉛化触媒(B4C)を多層カーボンナノチューブ100質量部に対し4質量部添加して混合した。混合物を黒鉛製のるつぼに入れ、抵抗加熱型黒鉛化炉((株)倉田技研製)を用いて2800℃で30分間黒鉛化処理を行った。形状は(c−4)と同様であった。
<カーボンナノチューブ(D)>
(d−1)マルチウォールカーボンナノチューブ
昭和電工株式会社製「VGCF−X」
平均繊維径 :15nm
平均繊維長 :3μm
アスペクト比:200
(d−2)以下の手順で作製した触媒黒鉛化処理マルチウォールカーボンナノチューブ
未処理の(d−1)に対して黒鉛化触媒として炭化ホウ素(B4C)を(d−1)96質量部に対して、4質量部添加して、アブソリュートミル(大阪ケミカル株式会社製)で1分間(回転数15,000r/min)混合した。混合物を黒鉛化製のルツボに入れ、抵抗加熱型触媒添加黒鉛化炉(株式会社倉田技研製)を用いて2800℃の温度条件下にて30分間黒鉛化処理を行った。形状は(d−1)とほぼ同じである。
<その他の炭素成分(Y)>
(y−1)ミルドカーボンファイバー
東レ株式会社製「MLD−30」
平均繊維径 :7μm
平均繊維長 :30μm
アスペクト比:4.3
(y−2)粉末状炭素
ケッチェンブラック
ライオン株式会社製「ECP 600JD」
粒度:目開き75μmパス 100%
:目開き44μmパス 99.8%
一次粒子径:34.0nm
(カーボンナノチューブ(C),(D)及びその他の炭素成分(Y)の形状はカタログ値である。)
<溶剤>
(e−1)ブチルセルソルブ
日本乳化剤株式会社製「ブチルグリコール」
(e−2)メタノール
和光純薬工業株式会社製「メタノール」
(e−3)トルエン
和光純薬工業株式会社製「トルエン」
(e−4)メチルエチルケトン
和光純薬工業株式会社製「メチルエチルケトン」
(e−5)蟻酸
和光純薬工業株式会社製「蟻酸」
<硬化触媒>
(f−1)2−エチル−4−メチルイミダゾール
四国化成工業株式会社製「2E4MZ」
[実施例1〜13、比較例1〜13]
各実施例及び比較例で用いた試料は、以下の方法により作製した。
すなわち、表1〜2に記載の組成に従い、混合物の合計質量が30gになるように各原料を混合し、混合物を自転・公転ミキサー「あわとり練太郎ARE−310」(株式会社シンキー製)を用いて2,000rpm(自転・公転)で30秒間撹拌した後、2,200rpm(公転)で30秒間撹拌した。この撹拌操作を4回実施し、得られた導電性樹脂組成物をガラス板上に膜厚が100μmとなるように塗布し、80℃で30分間加熱乾燥処理を行った後、さらに、180℃で30分間加熱して硬化塗膜を得た。得られた硬化塗膜の物性を下記方法により測定した。
なお、表1〜2における組成は「質量部」で示してあり、(a)成分の含有割合は「質量%」で示してある。
(導電性試験)
「ロレスタ−EP」(MCP−T360:株式会社ダイアインスツルメンツ製)、及びASPプローブを用いて4端針法により測定した。なお、この試験においては、比抵抗値が5.0×10-2Ω・cm以下である場合を合格とした。
(密着性試験)
硬化塗膜の表面に碁盤目状に切れ目を入れ、1mm2の切れ目領域を100個設けた。この100個の切れ目領域上にセロハンテープを貼り付けた後、セロハンテープを引き剥がし、セロハンテープに付着せず基材から剥がれなかった切れ目領域の数を計測した。なお、この試験においては基材から剥がれなかった切れ目領域の数が95個以上である場合を合格とした。
(接着性試験)
幅14mm×長さ28mm×厚み9mmの銅/銅(C100P)基材を2枚用意し、接着面をそれぞれ#240研磨処理(JIS R6010によるP240まで研磨して仕上げたもの)を行った。2枚の基材について、それぞれ膜厚が100μmになるように導電性樹脂組成物を塗布し、80℃で60分間乾燥させ、2枚の基材の塗布面を重ねるように張り合わせ、2kg/cm2の加重をかけて180℃で30分間接着を行った。この貼り合わせた2枚の銅基材をCAVER PRESS MODEL−C(株式会社離合社製)により圧縮せん断強度を測定した。なお、この試験においては、圧縮せん断強度が25MPa以上である場合を合格とした。
(熱伝導性試験)
導電性樹脂組成物をテトラフロロエチレンシート上に厚さが200μmになるように塗布し、80℃で60分間加熱乾燥させて溶剤を除去し、次いで、テトラフロロエチレンシートから剥がすことにより、導電性樹脂組成物の乾燥物を得た。さらに、この乾燥物を10mm×200mm×2mmの平板用金型内に10枚積層して入れ、180℃で30分間加熱加圧硬化することにより厚さ2mmの成形板を作製した。この成形板を京都電子工業株式会社製、ホットディスク法熱物性測定装置「TPS−2500s」を用いて熱伝導率の測定を行った。なお、この試験においては、熱伝導率が8.0W/k・m以上である場合を合格とした。
(耐熱性試験)
200℃雰囲気下において、前記接着性試験と同様の方法で圧縮せん断強度の測定を行い、5MPa以上の強度を有しているもの合格(P)とし、そうでないものを不合格(F)とした。
(耐水性試験)
ガラス板上に膜厚が100μmとなるように導電性樹脂組成物を塗布し、80℃で30分間加熱乾燥処理を行った後、さらに、180℃で30分間加熱して硬化塗膜を得た。この硬化塗膜を100℃の蒸留水に96時間浸漬し、変色、変形(膨れ、剥離等)、及び溶出物の有無を確認し、変色、変形(膨れ、剥離等)及び溶出物がないものを合格(P)とし、そうでないものを不合格(F)とした。
(塗膜外観試験)
硬化後の塗膜の外観を目視にて観察した。クラック、ス、膨れ、剥がれ等が生じていないものを合格(P)とし、そうでないものを不合格(F)とした。
(総合評価)
前記導電性試験、密着性試験、接着性試験、熱伝導性試験、耐熱性試験、耐水性試験、及び塗膜外観試験の全てにおいて合格基準を満たしたものを(P)、そうでないものを(F)として評価した。
各測定結果を表1〜2に示す。
Figure 2013091783
Figure 2013091783
実施例1〜13の導電性樹脂組成物の硬化塗膜は、いずれも比抵抗値が5×10-2Ω・cm以下であり、圧縮せん断強度が25MPa以上であることから、優れた導電性、及び優れた基材との密着性を有していることがわかる。また、信頼性試験としての耐熱性試験、耐水性試験、塗膜外観試験においても不具合は見られなかった。
比較例1では、樹脂成分中のポリビニルアセタール樹脂の量が4.5質量%と少なく、炭素成分の分散が不十分であったため、抵抗値が高くなると共に、硬化後の塗膜にス、クラックが生じたものと考えられる。
比較例2、3では、カーボンナノチューブ(D)の代わりに粉状炭素を使用したため、抵抗値が9.2×10-2Ω・cm、6.8×10-2Ω・cmと高い。
比較例4では、有機化合物(B)として天然ゴムを用いたため、繊維状炭素成分の分散が不十分になり抵抗値が高くなったものと考えられる。
比較例5では、有機化合物(B)としてナイロンを用いたため、繊維状炭素成分が凝集し均一な分散が得られず、抵抗値が高くなると共に硬化後の樹脂成分の硬化度が低下し耐水性が不合格になったと考えられる。
比較例6、12では、ポリビニルブチラール樹脂の含有量が多いため、耐熱性が低下したものと考えられる。
比較例7では、繊維状炭素としてアスペクト比が4.3であるミルドファイバーを使用したため抵抗値が9×10-1Ω・cmと高くなった。
比較例8,9では、カーボンナノチューブ(D)の含有量が多いため、導電性樹脂組成物の粘度が高くなり、塗布による塗膜の形成が困難であった。
比較例10、11では、カーボンナノチューブ(C)の含有量が多いため、導電性樹脂組成物の粘度が高くなり、塗布による塗膜の形成が困難であった。
比較例13はカーボンナノチューブ(C)の配合量が少ないため、抵抗値が高くなり、熱伝導率も低下している。
本発明の導電性樹脂組成物は、導電性、耐熱性、耐水性、基材との密着性及び熱伝導性に優れるため、導電性塗料、導電性接着剤として好適に用いることができる。また、本発明の導電性塗料及び導電性接着剤は、家電用、産業用等、車両用、通信情報用、航空船舶用、宇宙・兵器用、時計・写真用、及び玩具用等の印刷配線電気回路、各種機器の帯電防止材料、電磁波シールド、静電塗装等に好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. フェノール樹脂(A)及び溶解性パラメーターが9〜12である有機化合物(B)を含む樹脂成分と、アスペクト比が10〜15,000であるカーボンナノチューブ(C)及び平均繊維径がカーボンナノチューブ(C)の3分の2以下であるカーボンナノチューブ(D)を含む炭素成分とを含有する導電性樹脂組成物であって、前記樹脂成分中のフェノール樹脂(A)の含有量が30〜95質量%であり、前記樹脂成分100質量部に対してカーボンナノチューブ(C)を20〜70質量部、カーボンナノチューブ(D)を1〜15質量部それぞれ含有することを特徴とする導電性樹脂組成物。
  2. 前記有機化合物(B)がフェノール樹脂(A)との反応性を有する有機化合物である、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
  3. 前記有機化合物(B)がエポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、クロロプレンゴム、ニトリルブタジエンゴム、ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、及び4,4’−メチレンビス[N,N−ビス(オキシラニルメチル)アニリン]からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の導電性樹脂組成物。
  4. 前記カーボンナノチューブ(C)の平均繊維径が1〜500nmである、請求項1〜3のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  5. 前記樹脂成分100質量部に対して前記炭素成分を25〜70質量部含有する、請求項1〜4のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  6. 前記カーボンナノチューブ(C)が黒鉛化触媒による熱処理を行ったものである、請求項1〜5のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  7. 前記カーボンナノチューブ(D)が黒鉛化触媒による熱処理を行ったものである、請求項1〜6のいずれかに記載の導電性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を含む導電性塗料。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の導電性樹脂組成物を含む導電性接着剤。
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