JPH08222025A - 導電性材料 - Google Patents

導電性材料

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JPH08222025A
JPH08222025A JP5048395A JP5048395A JPH08222025A JP H08222025 A JPH08222025 A JP H08222025A JP 5048395 A JP5048395 A JP 5048395A JP 5048395 A JP5048395 A JP 5048395A JP H08222025 A JPH08222025 A JP H08222025A
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graphite fine
graphite
conductive material
fine fibers
fibers
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JP5048395A
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English (en)
Inventor
Yasunobu Roppongi
康伸 六本木
Taiichi Ono
泰一 小野
Haruyoshi Satou
春悦 佐藤
Motonobu Takeya
元伸 竹谷
Takehiro Takojima
武広 蛸島
Yoshinobu Kakihara
良亘 柿原
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スイッチの接点にディップされるなどして使
用される導電性材料を、耐摩耗性に優れ且つ低抵抗のも
のとする。 【構成】 円筒状に配列する炭素網目平面が円筒の半径
方向へ積層されもので、異なる直径の第1と第2のグラ
ファイト微細繊維が樹脂バインダに混入される。第1の
グラファイト微細繊維は直径D1が0.3μm以上で
1.0μm以下、長さLが5μm以上で100μm以
下、第2のグラファイト微細繊維は直径D1が50オン
グストローム以上で200オングストローム以下、長さ
Lは1μm以上で30μm以下のものが使用される。さ
らに好ましくはこれにカーボンブラックが添加される。
この導電性材料は体積抵抗値が小さく、また耐摩耗性に
優れたものとなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リーフスイッチの接点
や可変抵抗器の抵抗体層などとして用いられる導電性材
料(導電性組成物)に係り、特にグラファイト微細繊維
を混入して、耐久性を高めまた体積抵抗値を低下させる
ことができる導電性材料(導電性組成物)に関する。
【0002】
【従来の技術】スイッチの接点や可変抵抗器の抵抗体層
として、炭素材料を含む導電性材料が使用されている。
炭素材料を含む導電性材料は、金や銀などの貴金属粉を
使用したもののような酸化や硫化の問題がなく、また貴
金属粉末を使用したものに比べて安価に製造できる。
【0003】この種の導電性材料としては、フェノール
系樹脂などの熱硬化性樹脂にカーボンブラック(微粉炭
素)が混入されたものがある。しかしカーボンブラック
のみが混入された導電性材料では、導電性材料の電気抵
抗値が高く、また耐摩耗性の点でも劣るものとなる。そ
こで、前記樹脂バインダに、カーボンブラックと、結晶
層が積層された板状グラファイトの微小片とが混入され
たものが一般的に使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のカーボンブラッ
クと板状グラファイトの微小片が混入された導電性材料
では、カーボンブラック単体が混入されたものに比べて
初期の抵抗値は低くなる。しかし、例えばスイッチの接
点に上記導電性材料が塗布されたものを用い、接点の接
触を繰返すと、接点の接触回数が多くなるにしたがって
導通抵抗が増大していく。
【0005】図5は、カーボンブラックと板状グラファ
イトの微小片とが混入された導電性材料が接点に塗布さ
れたリーフスイッチを用いて、接点の接触の繰返し回数
と、接点間の導通抵抗の変化との関係を示したものであ
る。図5において横軸は、リーフスイッチの接点の繰返
し回数を示し、縦軸は接点間の導通抵抗(Ω)を示して
いる。すなわち、リーフスイッチの接点の接触を0回、
10000回、30000回、50000回繰返したそ
れぞれのリーフスイッチについて接点間の導通抵抗を測
定し、各接触回数での導通抵抗の測定値の平均を「○」
印でプロットしたものである。
【0006】図5では、接点の接触の回数が増えていく
と、接点間の導通抵抗が増大していくことが明らかにな
っている。これは、カーボンブラックと板状グラファイ
トの微小片が混入された導電性材料では、初期抵抗値を
下げることはできるが、耐摩耗性あるいは機械的強度を
あまり向上させることができず、接点の接触による機械
的な衝撃や摩擦により、樹脂バインダあるいはカーボン
ブラックさらには板状グラファイトが削れ、その削れ粉
が接点に付着しさらには凝固して、高抵抗のサードボデ
ィが形成されるからであると予測される。
【0007】また、スイッチの接点の抵抗値であるが、
単に接点間で電流を流しONとOFFの検出のみを行う
場合には、上記導電性材料の抵抗の増大はあまり問題に
ならない。しかし最近では、スイッチと抵抗器とが直列
に接続されたものが複数組並列に接続され、回路に流れ
る電流を検出するなどして、いずれの抵抗器に対応する
スイッチの接点が閉じられたかを検知するものがある。
このようなスイッチの使い方では、スイッチの接点の導
通抵抗が増大すると、正確なスイッチ検出ができなくな
る。したがって、図5に示すように導通抵抗が増大する
導電性材料はこの種のスイッチに使用することができな
い。
【0008】また、機械的強度の高い導電性材料とし
て、樹脂バインダに、直径が80μm程度の太いカーボ
ン繊維を数百μm程度に切断して混入したものがある。
この導電性材料では、カーボン繊維が混入されることに
より、耐摩耗性をある程度は改善できる。しかし、樹脂
バインダ内に太く短いカーボン繊維が混入されたものと
なり、樹脂バインダ内でのカーボンどうしの接触状態に
柔軟性がなく、よって体積抵抗値が比較的高いものとな
る。また、この導電性材料は硬化前の混合体の状態でイ
ンク状またはペースト状になりにくく、また、伸延性に
劣るものとなって、パターン形成や印刷などにより導電
体層または抵抗体層を形成することが困難となる。また
ペースト状にならないため、スイッチの接点にディップ
することも難しくなる。
【0009】本発明は上記従来の課題を解決するもので
あり、低い体積抵抗値を実現でき且つ耐摩耗性などの機
械強度を高くできる導電性材料を提供することを目的と
している。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の導電性材料は、
樹脂バインダ内に、円筒状に配列する炭素網目平面が円
筒の半径方向へ積層されたもので異なる直径の第1と第
2のグラファイト微細繊維が混入されていることを特徴
とするものである。
【0011】上記において、樹脂バインダ内に混入され
るものは、直径が0.3μm以上で1.0μm以下の第
1のグラファイト微細繊維と、直径が50オングストロ
ーム以上で200オングストローム以下の第2のグラフ
ァイト微細繊維である。
【0012】上記において、樹脂バインダ内に、上記第
1と第2のグラファイト微細繊維と共にカーボンブラッ
ク(微粉炭素)が添加されることが好ましい。
【0013】第1と第2のグラファイト微細繊維が前記
直径寸法の組み合せである場合に、第1のグラファイト
微細繊維1gに対し、第2のグラファイト微細繊維が
0.3g以上で1.0g以下の比で混入されることが好
ましく、さらに第1のグラファイト微細繊維の体積分率
が、10体積%以上で50体積%以下であることが好ま
しい。
【0014】また、第1と第2のグラファイト微細繊維
にカーボンブラックが添加される場合に、第1のグラフ
ァイト微細繊維1gに対し、カーボンブラックが0.2
g以上で0.3g以下混入されていることが好ましい。
この場合、第2のグラファイト微細繊維が0.3g以上
で0.4g以下の比率が好ましい。
【0015】本発明の導電性材料(導電性組成物)で
は、円筒状に配列する炭素網目平面が円筒の半径方向へ
積層された第1と第2のグラファイト微細繊維が使用さ
れている。この第1と第2のグラファイト微細繊維は、
ベンゼン環が円周状に網目状に連続してつながったもの
である。
【0016】図1は、第1と第2のグラファイト微細繊
維の結晶構造を説明する斜視図である。このグラファイ
ト微細繊維は、気相成長炭素繊維であり、炭化水素の蒸
気中に浮遊する超微粒子を中心として炭素の素繊維を気
相成長させたものである。図1に示すように、グラファ
イト微細繊維の結晶構造は、炭素の六角網目平面が円筒
状につながって配列し、且つ六角網目平面がつながった
層が円筒の半径方向へ積層されたグラファイト構造であ
る。また繊維の中心部には中空のコアが形成される。
【0017】本発明の導電性材料に使用される第1のグ
ラファイト微細繊維は、従来のカーボン繊維(直径80
μm程度)に比べて充分に細長いものであり、直径D1
は0.3μm以上で1.0μm以下である。また長さL
は、5μm以上で100μm以下である。よってアスペ
クト比(直径D1と長さLの比)は1:50〜1:33
3.3である。また第2のグラファイト微細繊維は、第
1のグラファイト繊維よりもさらに細長いものであり、
直径D1は50オングストローム以上で200オングス
トローム以下である。また長さLは1μm以上で30μ
m以下であり、アスペクト比は、1:50〜1:600
0である。すなわち本発明の導電性材料に使用される第
1と第2のグラファイト微細繊維は、共にアスペクト比
が1:50以上の細長いものが使用される。
【0018】従来使用されていたカーボン繊維と上記の
グラファイト微細繊維とを比較すると、従来のカーボン
繊維は直径が約80μm程度であり、第1のグラファイ
ト微細繊維の直径はカーボン繊維の1/80以下、第2
のグラファイト微細繊維の直径はカーボン繊維の1/4
000以下である。また従来のカーボン繊維が導電性材
料に混入されるときには、アスペクト比が1:10程度
以下の太く短いものであったのに対し、本発明の導電性
材料に使用される第1と第2のグラファイト微細繊維の
アスペクト比は前記のように1:50以上であり、きわ
めて細長いものである。
【0019】第1と第2のグラファイト微細繊維は、従
来のカーボン繊維に比べて細長く、また六角網目平面が
円筒状に連続してつながったものであるため、折れたり
裂けたりしにくく機械的強度の高いものである。また耐
摩耗性にも優れている。また細長い第1と第2のグラフ
ァイト微細繊維は、繊維全体として柔軟性に富み、樹脂
バインダー内にて分散性の良いものとなる。またこの第
1と第2のグラファイト樹脂を、不活性ガスにより表面
処理し、さらに必要に応じて樹脂バインダに混入された
グラファイト微細繊維を超音波により予備分散させ、そ
の後に混練すると、樹脂バインダ内でのグラファイト微
細繊維の分散率が高くなり、各部位にて均一な電気抵抗
値となる導電性材料を製造することが可能となる。
【0020】上記のように、第1のグラファイト微細繊
維は直径D1が0.3μm〜1.0μmであり、従来の
カーボン繊維よりも細く且つアスペクト比も大きく、柔
軟性に富み、またその結晶構造から耐摩耗性などの機械
的強度に優れたものとなる。したがって、第1のグラフ
ァイト微細繊維のみを樹脂バインダに混入した導電性材
料も、直径80μm程度の従来のカーボン繊維が混入さ
れた導電性材料に比較して体積抵抗値を小さくすること
が可能である。
【0021】ただし、樹脂バインダに第1のグラファイ
ト微細繊維のみが混入された導電性材料では、第1のグ
ラファイト微細繊維の直径がまだ太いものであるため、
第1のグラファイト微細繊維の間に樹脂バインダーが残
り、グラファイト微細繊維の密度が粗の部分が発生し、
体積抵抗値を低下させるのに限界がある。また第1のグ
ラファイト微細繊維のみが混入されたものでは、樹脂バ
インダ内でグラファイト微細繊維に粗密が形成されやす
く、粗の領域にて機械的強度が低下し、樹脂バインダの
剥離や亀裂が生じやすいものとなる。一方、さらに細径
の第2のグラファイト微細繊維のみを樹脂バインダに混
入した導電性材料も考えられるが、第2のグラファイト
微細繊維はアスペクト比の大きい非常に長いものとして
使用されるため、これ単独では樹脂バインダ内での分散
性が悪くなる。
【0022】そこで、本発明では、上記第1と第2のグ
ラファイト微細繊維の双方を樹脂バインダに混入してい
る。第1のグラファイト微細繊維に、これよりも細い第
2のグラファイト微細繊維を混ぜることにより、第1の
グラファイト微細繊維の粗となる部分を細い第2のグラ
ファイト微細繊維が埋める状態になり、体積抵抗値が非
常に小さくなる。また太さの相違する2種のグラファイ
ト微細繊維が混在することにより、グラファイト微細繊
維の粗密が生じなくなり、機械的強度が増大する。さら
に、太い第1のグラファイト微細繊維に細い第2のグラ
ファイト微細繊維がからまることにより、樹脂バインダ
内でのグラファイト微細繊維の分散性もよくなり、硬化
前の混合体がペースト状やインク状になりやすくなる。
よって、スイッチの接点へのディップや、可変抵抗器の
基板へのパターン成膜などが容易にできるものとなる。
【0023】また、第1のグラファイト微細繊維および
第2のグラファイト微細繊維に、さらにカーボンブラッ
クを混入すると、樹脂バインダ内での炭素材料の粗密が
さらになくなり、体積抵抗値がさらに低下し、また耐摩
擦性なども良好になる。
【0024】次に、樹脂バインダーとしては、フェノー
ル系樹脂、エポキシ系樹脂、フッ素系樹脂、またはアク
リル系樹脂などの熱硬化性樹脂が好ましく使用される
が、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリフェニレンス
ルフィド、ポリエチルケトンなどの熱可塑性樹脂であっ
てもよい。また溶媒としては、メチルエチルケトンまた
はその代替品が使用され、あるいはアセトン、エタノー
ル、メタノール、エーテル系溶媒などが使用される。
【0025】樹脂バインダが熱硬化性樹脂の場合、混練
された混合体がスイッチの接点にディップされ、または
抵抗体層または導電体層として所定の形状にパターン形
成され、その後に焼成されて硬化させられる。また樹脂
バインダが熱可塑性樹脂の場合には、シールドケースや
スイッチ接点形状に射出成型され、冷却されて硬化させ
られるものとなる。
【0026】
【実施例】
(実施例1)直径が0.3μm以上で1.0μm以下、
長さが5μm以上で100μm以下の第1のグラファイ
ト微細繊維、および直径が50オングストローム以上で
200オングストローム以下、長さが1μm以上で30
μm以下の第2のグラファイト微細繊維とを、溶媒と共
にフェノール系のバインダ樹脂に混合し、3本ロールで
混練し、ペースト状とし、さらに180℃で40分間焼
成した。両グラファイト微細繊維の比率は、第1のグラ
ファイト微細繊維1gに対し第2のグラファイト微細繊
維を0.3gとした。すなわち、第1のグラファイト微
細繊維の1に対して第2のグラファイト微細繊維の重量
比を0.3とした。
【0027】(実施例2)実施例1と同様の焼成物であ
って、第1のグラファイト微細繊維の1gに対して第2
のグラファイト微細繊維を0.6gの比率とした。すな
わち第1のグラファイト微細繊維の1に対して第2のグ
ラファイト微細繊維の重量比を0.6とした。
【0028】(実施例3)実施例1と同様の焼成物であ
って、第1のグラファイト微細繊維の1gに対して、第
2のグラファイト微細繊維を1gの比率としたもの。
【0029】(比較例1)第1のグラファイト微細繊維
のみを、溶媒と共にフェノール系の樹脂バインダに混合
し、3本ロールで混練してペースト状にし、焼成したも
の。
【0030】上記実施例1ないし実施例3と比較例1の
それぞれにおいて、固体内での第1のグラファイト微細
繊維の体積分率(体積%)を段階的に変化させたものを
製造し、体積抵抗値(Ω・cm)を測定した。その結果
を図3に示す。図3では「×」が実施例1、「□」が実
施例2、「△」が実施例3、「○」が比較例1の測定結
果である。また横軸が第1のグラファイト微細繊維の体
積分率(体積%)で、縦軸が体積抵抗値(Ω・cm)の
測定値である。
【0031】図3の測定結果では、実施例1、実施例
2、実施例3のそれぞれの導電性材料の体積抵抗値が、
第1のグラファイト微細繊維のみが混入された比較例1
と比較して大幅に低下していることが解る。よって、本
発明の導電性材料としては、第1のグラファイト微細繊
維1gに対し、第2のグラファイト微細繊維が0.3g
以上で1.0g以下の比で混入されていることが好まし
い。また、第1のグラファイト微細繊維1gに対し、第
2のグラファイト微細繊維の比率が0.1g以上で1.
0g以下であれば、比較例1と比べて、体積抵抗値を低
下させることができる。よって、第1のグラファイト微
細繊維1gに対する第2のグラファイト微細繊維の好ま
しい比率は0.1g以上または0.1g以上で1.0g
以下であり、さらに好ましくは0.3g以上で1.0g
以下である。
【0032】また、図3から、実施例1、実施例2、実
施例3のそれぞれにおいて、第1のグラファイト微細繊
維の体積分率が変化すると、体積抵抗値に影響が生じる
ことが解る。図3から、実施例1、実施例2、実施例3
のそれぞれにおいて、体積抵抗値を10-1(マイナス一
乗)付近以下とするためには、第1のグラファイト微細
繊維の体積分率が、10体積%以上で50体積%以下で
あることが好ましく、さらにこの好ましくは10体積%
以上で40体積%以下である。
【0033】次に、本発明の導電性材料をリーフスイッ
チの接点に塗布した場合の、接点寿命についての試験結
果を説明する。
【0034】(実施例4)第1のグラファイト微細繊維
と第2のグラファイト微細繊維を、溶媒とともにフェノ
ール系の樹脂バインダに混合し、これを3本ロールで混
練したものを図2に示すリーフスイッチ1の接点2と3
の先端のCで示す部分にディップし、180℃で40分
間焼成した。第1と第2のグラファイト微細繊維の重量
比は、第1のグラファイト微細繊維1gに対し、第2の
グラファイト微細繊維を0.6gとした。また焼成され
た導電性材料の固体中での第1のグラファイト微細繊維
の体積分率を30体積%とした。
【0035】(実施例5)第1のグラファイト微細繊維
と第2のグラファイト微細繊維と、さらにカーボンブラ
ックを、溶媒と共にフェノール系の樹脂バインダに混合
し、3本ロールで混練したものをリーフスイッチ1の接
点2と3の先端のCで示す部分にディップし、180℃
で40分間焼成した。第1と第2のグラファイト微細繊
維とカーボンブラックの重量比は、第1のグラファイト
微細繊維1gに対し、第2のグラファイト微細繊維を
0.4g、カーボンブラックを0.2gとした。また焼
成された導電性材料の固定中での第1のグラファイト微
細繊維の体積率を30体積%とした。
【0036】(実施例6)実施例5と同じ組成のもの
で、第1と第2のグラファイト微細繊維とカーボンブラ
ックの重量比を、第1のグラファイト微細繊維1gに対
し、第2のグラファイト微細繊維を0.3g、カーボン
ブラックを0.3gとした。また焼成された導電性材料
の第1のグラファイト微細繊維の体積率を30体積%と
した。
【0037】(比較例2)第1のグラファイト微細繊維
とカーボンブラックを、溶媒とともにフェノール系の樹
脂バインダに混合し、これを3本ロールで混練したもの
を図2に示すリーフスイッチ1の接点2と3の先端のC
で示す部分にディップし、180℃で40分間焼成し
た。第1のグラファイト微細繊維とカーボンブラックの
重量比は、第1のグラファイト微細繊維1gに対し、カ
ーボンブラックを0.6gとした。また焼成された導電
性材料の第1のグラファイト微細繊維の体積分率を30
体積%とした。
【0038】上記の実施例4、実施例5、実施例6と、
比較例2のそれぞれのリーフスイッチの接点2と3の接
触試験を行った結果を図4に示す。図4の横軸は、接点
2と3の接触回数であり、縦軸はリーフスイッチ1の接
点2と3の間の導通抵抗値(Ω)の変化を示している。
また図4では「○」印が実施例4、「△」印が実施例
5、「×」印が実施例6、「□」印が比較例2である。
すなわち、リーフスイッチの接点2と3の接触を0回、
10000回、30000回、50000回繰返したそ
れぞれのリーフスイッチ1について接点間の導通抵抗を
測定し、各接触回数での導通抵抗の測定値の平均を
「○」〜「□」印でプロットしたものである。
【0039】図4に示す接触試験の結果、比較例2のリ
ーフスイッチでは接触回数を繰返すうちに、接触抵抗値
が高くなる。これに対し実施例4、実施例5、実施例6
では、接触回数が多くなっても、接触抵抗値がほとんど
変化しないことが解る。また実施例4よりも、実施例5
と実施例6の方が接触回数が多くなっても導通抵抗の増
大が小さいことが解る。
【0040】すなわち、第1のグラファイト微細繊維と
カーボンブラックとが樹脂バインダに混入された比較例
2に対し、第1と第2のグラファイト微細繊維が共に混
入された実施例4では、接点の接触による抵抗値の増大
が小さくなり、第1と第2のグラファイト微細繊維と共
にカーボンブラックを添加したものでは、さらに接点の
接触による抵抗値の増大が小さくなることが解る。
【0041】これは、各実施例では、接点2と3の接触
による機械的な強度低下が小さく、接点2と3の導電性
材料の表面にカーボン粉などが凝固した高抵抗のサード
ボディが形成されにくいことを意味しており、第1と第
2のグラファイト微細繊維にさらにカーボンブラックを
混入した導電性材料では、機械的強度がさらに高くな
る。
【0042】また図4の結果から、第1と第2のグラフ
ァイト微細繊維とカーボンブラックとが混合されたもの
である場合に、第1のグラファイト微細繊維1gに対
し、第2のグラファイト微細繊維が0.3g以上で0,
4g以下であり、且つカーボンブラックが0.2g以上
で0.3g以下の重量比であることが好ましい。またグ
ラファイト1gに対しカーボンブラックの比率が0.1
g以上で0.8g以下であれば、前記比較例2に比べて
接点の接触の繰返しによる導通抵抗の低下は小さくする
ことが可能である。したがって、第1と第2のグラファ
イト微細繊維にカーボンブラックが混入されている導電
性材料においては、第1のグラファイト微細繊維1gに
対しカーボンブラックが0.1g以上で0.8g以下の
比率であることが好ましい。
【0043】上記各実施例での導電性材料は、図3に示
すように初期の抵抗値が小さく、また図4に示すように
接触を繰返しても抵抗値の増大が生じない。よってスイ
ッチと抵抗器とが直列に接続されたものが複数組並列に
接続され、回路に流れる電流を検出するなどして、いず
れの抵抗器に対応するスイッチの接点が閉じられたかを
検知する回路に使用した場合に、スイッチの導通抵抗が
小さくなって、高精度の検出ができるものとなる。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明では、スイッチの接
点や導電体層または抵抗体層として使用される導電性材
料として、耐摩耗性などの機械的特性に優れ、また体積
抵抗値が均一で且つ低抵抗のものを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】グラファイト微細繊維の結晶構造を説明する斜
視図、
【図2】本発明の導電性材料が接点にディップされたリ
ーフスイッチを示す斜視図、
【図3】本発明の実施例1ないし実施例3と比較例1で
の、第1のグラファイト微細繊維の体積分率と体積抵抗
値との関係を示す線図、
【図4】本発明の実施例4ないし実施例6と比較例2の
導電性材料を使用したリーフスイッチの接点の接触回数
と導通抵抗との関係を示す線図、
【図5】従来の導電性材料が接点にディップされたリー
フスイッチの接点の接触回数と導通抵抗との関係を示す
線図、
【符号の説明】
1 リーフスイッチ 2,3 接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹谷 元伸 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 蛸島 武広 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内 (72)発明者 柿原 良亘 東京都大田区雪谷大塚町1番7号 アルプ ス電気株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状に配列する炭素網目平面が円筒の
    半径方向へ積層された第1のグラファイト微細繊維と、
    同じく円筒状に配列する炭素網目平面が円筒の半径方向
    へ積層されたものであって第1のグラファイト微細繊維
    よりも細径の第2のグラファイト微細繊維とが、樹脂バ
    インダに混入されていることを特徴とする導電性材料。
  2. 【請求項2】 第1のグラファイト微細繊維の直径が
    0.3μm以上で1.0μm以下、第2のグラファイト
    微細繊維の直径が50オングストローム以上で200オ
    ングストローム以下である請求項1記載の導電性材料。
  3. 【請求項3】 樹脂バインダ内にカーボンブラック(微
    粉炭素)が添加されている請求項1または2記載の導電
    性材料。
  4. 【請求項4】 第1のグラファイト微細繊維1gに対
    し、第2のグラファイト微細繊維が0.3g以上で1.
    0g以下の比で混入されている請求項2または3記載の
    導電性材料。
  5. 【請求項5】 第1のグラファイト微細繊維の体積分率
    が、10体積%以上で50体積%以下である請求項4記
    載の導電性材料。
  6. 【請求項6】 第1のグラファイト微細繊維1gに対
    し、カーボンブラックが0.2g以上で0.3g以下混
    入されている請求項3記載の導電性材料。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003090833A (ja) * 2001-09-19 2003-03-28 Miyazaki Prefecture 超臨界流体抽出方法
JP2013091783A (ja) * 2011-10-06 2013-05-16 Showa Denko Kk 導電性樹脂組成物及びこれを用いた導電性塗料並びに導電性接着剤
JP2014028900A (ja) * 2012-07-31 2014-02-13 Showa Denko Kk 導電性樹脂組成物及びこれを用いた導電性塗料並びに導電性接着剤
CN106098142A (zh) * 2016-08-05 2016-11-09 海南中海电力工程有限公司 一种用于无声***的物理降阻剂

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