JP2007084676A - フェノール樹脂組成物およびフェノール樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂組成物およびフェノール樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】層状のスメクタイトが均一に分散したノボラック型フェノール樹脂組成物およびそれを用いた機械的特性に優れるフェノール樹脂組成物の製造方法を提供することである。
【解決手段】層間に存在するカチオンを、アルミニウム、スカンジウム、錫、クロム、鉄、銅、チタン、水素よりなる群から選ばれる元素のカチオンの1種以上でイオン交換したモンモリロナイト等のスメクタイトを触媒として、フェノール類とアルデヒド類を反応させることによるスメクタイトが均一に分散したノボラック型フェノール樹脂組成物の製造方法、および得られた樹脂組成物を主剤としてフェノール樹脂硬化剤と反応させて得られ強度や弾性率に優れるる樹脂組成物。

Description

本発明は、フェノール樹脂組成物およびその製造方法に関するものである。
ノボラック型フェノール樹脂は、良好な電気特性を有し、しかも耐熱性、難燃性にも優れていることから、電気・電子材料や半導体封止材用エポキシ樹脂の原料、エポキシ樹脂用硬化剤、さらには、積層板、成形材料および鋳型材料等のバインダー樹脂などとして、広く利用されている。
このようなノボラック型フェノール樹脂を用いた成形品においては、機械的特性を改善する目的で、炭酸カルシウム、粘土鉱物および雲母等の無機質材料が添加され、これらの無機質材料とノボラック型フェノール樹脂との結合を向上させるために、無機質材料に対するシランカップリング剤による処理等が行われているのが、一般的であるが、さらに機械的特性の改善が求められている。
これを改善するため、フェノール樹脂中に層状の粘土鉱物を分散させた複合材料が開示されている(例えば、特許公報1参照)。具体的には、その実施例中に、フェノール樹脂中に、オニウム塩とした層状の粘土鉱物(モンモリロナイト)を混合させた複合材料が開示されている。この複合材料の場合、フェノール樹脂とその粘土鉱物とが、イオン結合、水素結合またはそれらの両結合をしているため、より優れた機械的強度や耐熱性を発揮するとされている。本方法によれば、層状の粘度鉱物を均一に分散させることは可能だが、層状の粘度鉱物をオニウム塩とした後にさらに、合成用のシュウ酸等の触媒を別途加えてフェノール樹脂を合成しなければならず、合成後は樹脂材料には不必要な触媒を除去する工程も必要となるため、コスト的に有利な方法とはいえなかった。
特開平10−330534号公報
本発明は、機械的特性に優れるノボラック型フェノール樹脂組成物およびそれを用いた機械的特性に優れるフェノール樹脂組成物が得られ、不要な触媒を除去することのないフェノール樹脂組成物の製造方法を提供することである。
本発明は、
(1)スメクタイトの存在下でフェノール類とアルデヒド類とを混合して得られるフェノール樹脂混合物を含むフェノール樹脂組成物、
(2)前記フェノール樹脂組成物は、フェノール樹脂硬化剤を含むものである(1)に記載のフェノール樹脂組成物、
(3)前記フェノール樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂である(2)に記載のフェノール樹脂組成物、
(4)前記フェノール樹脂硬化剤は、ホルムアルデヒドである(2)に記載のフェノール樹脂組成物、
(5)前記フェノール樹脂組成物は、溶融混合されたものである(1)〜(4)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物、
(6)スメクタイトを含むフェノール樹脂組成物を製造する方法であって、前記スメクタイトを触媒として、フェノール類とアルデヒド類とを混合するものであることを特徴とするフェノール樹脂組成物の製造方法、
(7)前記フェノール類とアルデヒド類とは、反応して、ノボラック型フェノール樹脂としたものである(6)に記載のフェノール樹脂組成物の製造方法、
(8)前記スメクタイトは、その層状構造中の層間に、アルミニウム、スカンジウム、錫、クロム、鉄、銅、チタン、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、有機アンモニウムおよび水素から選ばれる元素より構成されるカチオンを1種以上有するものである(6)または(7)に記載のフェノール樹脂組成物の製造方法、
(9)前記スメクタイトは、予め、その層状構造中の層間に存在するカチオンを、アルミニウム、スカンジウム、錫、クロム、鉄、銅、チタンおよび水素から選ばれる元素より構成されるカチオンの1種以上でイオン交換したものである(6)〜(8)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物の製造方法、
(10)前記スメクタイトは、モンモリロナイトである(6)〜(9)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物の製造方法、
(11)前記フェノール類がフェノールであり、前記アルデヒド類がホルムアルデヒドである(6)〜(10)のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物の製造方法、
である。
本発明によれば、機械的特性に優れるフェノール樹脂組成物を得ることができる。
本発明のフェノール樹脂組成物の製造方法によれば、機械的特性に優れるフェノール樹脂組成物が得ることができると共に、製造工程において不要な触媒を除去する必要がない。
また、本発明により得ることができるフェノール樹脂組成物は、機械的特性に優れることから、積層板、成形材料および鋳型材料等のバインダー樹脂として用いることができる。
本発明は、スメクタイトの存在下でフェノール類とアルデヒド類とを混合して得られるフェノール樹脂混合物を含むフェノール樹脂組成物であり、これにより、スメクタイトがナノフィラーとして均一に分散したフェノール樹脂組成物を得ることができることから、機械的特性に優れるものとなる。
本発明に用いるフェノール類としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、フェノール、オルソクレゾール、メタクレゾール、パラクレゾール、キシレノール、パラターシャリーブチルフェノール、パラオクチルフェノール、パラフェニルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびレゾルシンなどが挙げられ、これらの少なくとも1種以上を用いることができる。
本発明に用いるアルデヒド類としては、特に限定されるものではないが、好ましくは、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドおよびアクロレインなどと、これらの混合物を挙げることができ、また、これらアルデヒド類の発生源となる化合物であっても良い。
前記フェノール類としてフェノールを、アルデヒド類としてホルムアルデヒドまたはその発生源となる化合物を用いると、いわゆるフェノールノボラック樹脂を得ることができる。
本発明において、フェノール類とアルデヒド類の含有量としては、フェノール類とアルデヒド類との反応モル比として、フェノール類1.0モルに対して、アルデヒド類0.1〜3.0モルが好ましく、より好ましく0.5〜1.0モルである。
本発明に用いるスメクタイトとしては、層状構造を有する粘土鉱物群であり、その層状構造中の層間に、ナトリウムやカルシウム等を含むカチオンが含まれているものであれば良いが、前記カチオンとして好ましくは、アルミニウム、スカンジウム、錫、クロム、鉄、銅、チタン、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、有機アンモニウムおよび水素から選ばれる元素より構成されるカチオンを1種以上有するものを挙げることができる。その具体例としては、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、ヘクトライトおよびスチィブンサイト等を挙げることができる。中でも、モンモリロナイトが好ましい。前記モンモリロナイトとしては、合成品および天然品があり、どちらも使用することができる。工業的には安価に入手することができる天然品を使用することが好ましい。
前記スメクタイトは、触媒能力を向上させるため、スメクタイト層構造中の層間に存在するカチオンを、触媒能力のあるカチオンにイオン交換されたものであることが好ましく、その具体例としては、層間に存在するナトリウムやカルシウム等を含むカチオンを、アルミニウム、スカンジウム、錫、クロム、鉄、銅、チタンおよび水素から選ばれる元素より構成されるカチオンの1種以上でイオン交換したものであることが好ましい。前記イオン交換を行うカチオンの供給源としては、上記イオン交換される元素より構成されるカチオンを含む化合物が挙げられ、イオン交換する際に使用する溶媒に溶解するものであれば何でもよい。通常は、上記イオン交換される元素を含む、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、カルボン酸塩、ならびに硫酸、塩酸および硝酸等の無機酸を使用することができる。前記カルボン酸塩としては、ギ酸塩、酢酸塩およびプロピオン酸塩等の脂肪族カルボン酸塩、安息香酸塩等の芳香族カルボン酸塩を使用することができる。
前記スメクタイト層構造中の層間に存在するナトリウムやカルシウム等を含むカチオンをイオン交換する方法としては、通常のイオン交換方法を用いればよく、通常、溶媒を用いた液相で行われる。
溶媒としては、前記イオン交換される元素より構成されるカチオンを含む化合物を溶解するものであれば何でもよいが、通常は水が使用され、有機溶媒と併用してもよい。溶媒中における、前記イオン交換される元素としては、通常、スメクタイト層構造中の層間に存在する、カチオンの陽イオン交換容量の当量以上の、アルミニウム、スカンジウム、錫、クロム、鉄、銅、チタンおよび水素から選ばれる元素より構成されるカチオンを含有する液量を用いれば、特に限定されないが、通常、その濃度は、0.01mol/L〜5mol/Lが好ましく、より好ましくは0.05mol/L〜2mol/Lである。0.01mol/Lよりも希薄な条件ではイオン交換速度が遅くなり過ぎることがあり、5mol/Lよりも濃厚な条件では過剰に使用することになり、コスト的に不利となる。イオン交換における温度は、使用する溶媒の種類にもより、任意の温度で行われるが、例えば、溶媒が水の場合は、通常10〜95℃である。10℃より低いとイオン交換速度が遅くなり過ぎることがあり、95℃より高いと、使用する容器として、耐圧容器が必要となる。また、イオン交換時間は、温度にもよるが、通常、0.1時間〜100時間であり、好ましくは0.5時間〜24時間である。0.1時間よりも短いと十分なイオン交換が行われないことがある。さらに、イオン交換の回数は、前記の濃度、温度、時間にもよるが、通常、1回〜10回の範囲で行われる。
イオン交換後のスメクタイトは、溶媒と分離した後、洗浄、乾燥を行う。乾燥温度は、イオン交換の際に使用するアルミニウム、スカンジウム、錫、クロム、鉄、銅、チタンおよび水素から選ばれる元素より構成されるカチオンを含む化合物の種類にもよるが、通常、50℃〜250℃であり、好ましくは 70℃〜200℃である。50℃よりも低温の条件或いは250℃よりも高温の条件では、十分な活性が得られないことがある。乾燥時間は特に限定されないが、通常、0.1時間〜50時間である。また、乾燥の後、焼成を加えてもかまわないが、焼成後水に分散し、更に再乾燥する必要があり、操作が煩雑となる。
本発明のフェノール樹脂組成物において、フェノール樹脂混合物の製造方法としては、まず、スメクタイトの存在下で、フェノール類とアルデヒド類を混合して、フェノール樹脂混合物を得るが、その際に、フェノール類、アルデヒド類およびスメクタイトを同時に混合して、前記フェノール類と前記アルデヒド類とを反応させてもよく、また、前記反応初期の発熱を押さえるため、フェノール類とスメクタイトを添加してから、アルデヒド類を逐次添加し、混合して反応させてもよい。
なお、前記反応においては、液相および気−液混合相のいずれにおいても実施することが可能であるが、反応効率において液相にて反応させることが好ましい。前記液相における反応としては、例えば、フェノール類としてフェノールと、アルデヒド類としてホルマリン(ホルムアルデヒド37%水溶液)による反応、気−液混合相の反応としては、例えば、フェノール類としてフェノールと、アルデヒド類としてホルムアルデヒドガスによる反応が挙げられる。
また、前記反応における装置としては、種々の反応容器を用いることができるが、懸濁床反応器を用いることが好ましい。前記懸濁床反応器を用いる場合、スメクタイトの大きさとしては、通常、16メッシュ〜400メッシュのものを用いることが好ましい。
前記スメクタイトの使用量としては、懸濁床反応器では反応器内の触媒濃度が、フェノール類、アルデヒド類およびスメクタイトの混合物において、通常、0.01重量%〜50重量%であり、好ましくは0.1重量%〜30重量%である。
本発明において、前記スメクタイト以外の触媒として、本発明の効果に影響しない範囲で、シュウ酸、硫酸、塩酸およびp−トルエンスルホン酸などの、通常ノボラック型フェノール樹脂の製造で使用する酸の併用も可能である。
本発明のフェノール樹脂組成物において、フェノール樹脂混合物の製造における反応温度としては、特に限定されることはないが、好ましくは10℃〜300℃、更に好ましくは30℃〜300℃の範囲である。10℃より低いと反応速度が低下するため、高いフェノール転化率を達成させるには、滞留時間(バッチ式の場合には反応時間)が大きくなりすぎ、ノボラック型フェノール樹脂の生産性が低下する恐れがある。一方、300℃よりも高いと、反応等が進行し副生成物の増大や、原料であるフェノール類及びアルデヒド類、更に、生成物であるノボラック型フェノール樹脂の熱分解性など、熱時の安定性にも影響する恐れがある。反応時間(流通反応においては滞留時間もしくは触媒接触時間)としては、特に限定されることはないが、通常、0.01時間〜30時間、好ましくは0.05時間〜20時間である。反応圧力としては、減圧、加圧及び常圧のいずれにおいても実施することが可能である。反応効率(単位体積あたりの反応効率)の観点から、余りに低い圧力で実施することは好ましくない。通常、好ましい実施圧力範囲は、0.1気圧〜200気圧であり、更に好ましくは0.5気圧〜100気圧である。
上記反応後は、触媒として利用したスメクタイトは、そのままフィラーとして利用するが、系内の触媒は除去する必要がないばかりか、均一に分散したフィラーとしてそのまま利用できるため、極めて経済的に優れた合成方法である。ノボラック型フェノール樹脂の反応は、スメクタイトの層間の酸点で進行するため、反応の進行にともない、層間でノボラック型フェノール樹脂が成長し、層間の距離を押し広げ、最終的には各層が均一に系内に分散する。
また、本発明のフェノール樹脂組成物は、上記で得たフェノール樹脂混合物のほかに、フェノール樹脂硬化剤を含むことができ、例えば、エポキシ樹脂、ホルムアルデヒド、ジイソシアネート、ユリア樹脂およびメラミン樹脂などが挙げられる。これらの硬化剤は、フェノール樹脂のOH当量に応じて、必要量添加する。前記エポキシ樹脂としては、1分子内にエポキシ基を2個以上有する化合物であれば、何ら制限はないが、そのような具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂およびビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明のフェノール樹脂組成物は、さらに上記成分以外にも、充填材、シランカップリング剤、着色剤、難燃剤および離型剤などの添加剤を配合することができる。前記充填材としては、木粉、合板粉、熱硬化性樹脂硬化物粉末および粉砕布など有機充填材、ガラスビーズ、ガラスパウダー、炭酸カルシウム、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、クレーおよびマイカなどの粉末状充填材や、ガラス繊維およびカーボン繊維などの繊維状充填材などの無機充填材等が挙げられる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物の製造方法としては、例えば、上記で得たフェノール樹脂混合物、任意に上記フェノール樹脂硬化剤、必要に応じて、上記添加剤を混合して得られる。さらに、これを、加圧ニーダー、ロール、コニーダーおよび二軸押出し機等の混練機を用いて、熱硬化性樹脂組成物が硬化する温度未満、選択する原料により異なるが、例えば、50〜90℃程度で、加熱溶融混合してもよい。
以下、本発明の内容を実施例により詳細に説明するが、本発明は、その要旨を越えない限り以下の例に限定されるものではない。
<実施例1>
0.15mol/Lの硝酸アルミニウム水溶液2.0Lを、撹拌しながら50℃に加温した後、ナトリウム型モンモリロナイト(クニミネ工業社製クニピアF)30gを添加した。50℃に温度を保持しながら、24時間撹拌して、イオン交換した後、室温まで放冷し、アスピレーターによる吸引濾過で固形物を回収した。次ぎに、この回収固形物を、10Lのイオン交換水で洗浄し、乾燥器によって120℃で24時間乾燥した。これを粉砕して、アルミニウムイオン交換モンモリロナイト(Al−Mont)を得た。
300mLの三口フラスコ中に、水272g、Al−Mont20gおよびフェノール72.3gを添加し、60℃で1時間攪拌したのちに、80℃に昇温し、93%パラホルム19.8gを1時間かけて逐次添加し、80℃で6時間還流させながら反応させ、ノボラック型フェノール樹脂混合物を得た。反応終了後、室温に冷却後、反応液を取り出し、得られたフェノール樹脂を、液体クロマトグラフ法により、重量平均分子量、数平均分子量、分子量分布および遊離フェノールについて測定した。測定において、液体クロマトグラフィーは、東ソー製GPCカラム(G1000HXL:1本、G2000HXL:2本、G3000HXL:1本)を用い、流量1.0ml/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で示差屈折計を検出器として用いて行った。
次に、上記得られたノボラック型フェノール樹脂混合物100重量部に、硬化剤としてのヘキサメチレンテトラミン15重量部、ガラス繊維100重量部、ステアリン酸1重量部を加え、均一に混合し、フェノール樹脂組成物を得た。このフェノール樹脂組成物を、曲げ強度測定用試験片の金型に入れて、170℃で5分間プレス成形することにより、成形体を得た。上記で得たノボラック型フェノール樹脂混合物について、X線回折法により、モンモリロナイトの層間の距離を確認したところd(001)面が完全に消失し、粘土鉱物の層が均一に分散していることが確認できた。また、上記で得た生計体の曲げ強度(JIS K 7203)は219MPa、曲げ弾性率は17GPa(JIS K 7203)であった。
<実施例2〜3>
実施例1において、硝酸アルミニウム水溶液の代わりに、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム水溶液または硝酸鉄水溶液を用いて、実施例1と同様の方法で、スカンジウムイオン交換モンモリロナイト(Sc−Mont)および鉄イオン交換モンモリロナイト(Fe−Mont)を調製した。Al−Mont触媒の代わりにこれらのイオン交換モンモリロナイト触媒を用いて、実施例1と同様の方法で、フェノール樹脂組成物および成形体の作製を行った。
<実施例4>
実施例1と同様のノボラック型フェノール樹脂混合物100重量部に、硬化剤として、オルソクレゾールノボラック型のエポキシ樹脂(エポキシ当量:200g/eq、軟化点68℃)160重量部、トリフェニルフォスフィン0.2重量部を加え、均一に混合し、フェノール樹脂組成物を得た。このフェノール樹脂組成物を、曲げ強度測定用試験片の金型に入れて、200℃で圧縮成形することにより、成形体を得た。X線回折法により、モンモリロナイトの層間の距離を確認したところd(001)面が完全に消失し、粘土鉱物の層が均一に分散していることが確認できた。上記で得た成形体の曲げ強度(JIS K 7203)は178MPa、曲げ弾性率は4.2GPa(JIS K 7203)であった。
<実施例5〜6>
実施例4において、実施例1と同様のノボラック型フェノール樹脂混合物の代わりに、実施例2同様のノボラック型フェノール樹脂混合物を用いる以外は、実施例4と同様の方法で、フェノール樹脂組成物および成形体の作製を行った。
<比較例1>
実施例1において、アルミニウムイオン交換モンモリロナイトの代わりに、触媒として、シュウ酸7.2gを用いた以外は、実施例1と同様の方法で反応を行い、ノボラック型フェノール樹脂を得た。このノボラック型フェノール樹脂80重量部に、ナトリウム型モンモリロナイト20重量部を混合し、ノボラック型フェノール樹脂とモンモリロナイトとを含む複合材料とした。実施例1において、ノボラック型フェノール樹脂混合物の代わりに、上記で得たノボラック型フェノール樹脂とモンモリロナイトとを含む複合材料100重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法で、フェノール樹脂組成物および成形体の作製を行った。
<比較例2>
実施例4において、実施例1と同様のノボラック型フェノール樹脂混合物の代わりに、比較例1で用いたノボラック樹脂とモンモリロナイトとを含む複合材料100重量部を用いた以外は、実施例4と同様の方法で、フェノール樹脂組成物および成形体の作製を行った。
前記の実施例1〜6、比較例1〜2を表1にまとめて示した。
Figure 2007084676
表1の結果から明らかなように、本発明のフェノール樹脂組成物より得られる成形体は比較例による成形体に比べて曲げ強度、曲げ弾性率が高い。
本発明によれば、層状のスメクタイトが均一に分散したノボラック型フェノール樹脂組成物を低コストに製造することができ、得られた樹脂組成物を主剤としてフェノール樹脂硬化剤と反応させて得られる樹脂組成物は、強度や弾性率に優れることから電子部品の封止用成形材料や成形材料、摩擦材、砥石、封止材等のバインダーとして好適に使用されるものである。

Claims (11)

  1. スメクタイトの存在下でフェノール類とアルデヒド類とを混合して得られるフェノール樹脂混合物を含むフェノール樹脂組成物。
  2. 前記フェノール樹脂組成物は、フェノール樹脂硬化剤を含むものである請求項1に記載のフェノール樹脂組成物。
  3. 前記フェノール樹脂硬化剤は、エポキシ樹脂である請求項2に記載のフェノール樹脂組成物。
  4. 前記フェノール樹脂硬化剤は、ホルムアルデヒドである請求項2に記載のフェノール樹脂組成物。
  5. 前記フェノール樹脂組成物は、溶融混合されたものである請求項1〜4のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物。
  6. スメクタイトを含むフェノール樹脂組成物を製造する方法であって、前記スメクタイトを触媒として、フェノール類とアルデヒド類とを混合するものであることを特徴とするフェノール樹脂組成物の製造方法。
  7. 前記フェノール類とアルデヒド類とは、反応して、ノボラック型フェノール樹脂としたものである請求項6に記載のフェノール樹脂組成物の製造方法。
  8. 前記スメクタイトは、その層状構造中の層間に、アルミニウム、スカンジウム、錫、クロム、鉄、銅、チタン、マグネシウム、ナトリウム、カルシウム、有機アンモニウムおよび水素から選ばれる元素より構成されるカチオンを1種以上有するものである請求項6または7に記載のフェノール樹脂組成物の製造方法。
  9. 前記スメクタイトは、予め、その層状構造中の層間に存在するカチオンを、アルミニウム、スカンジウム、錫、クロム、鉄、銅、チタンおよび水素から選ばれる元素より構成されるカチオンの1種以上でイオン交換したものである請求項6〜8のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物の製造方法。
  10. 前記スメクタイトは、モンモリロナイトである請求項6〜9のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物の製造方法。
  11. 前記フェノール類がフェノールであり、前記アルデヒド類がホルムアルデヒドである請求項6〜10のいずれかに記載のフェノール樹脂組成物の製造方法。
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