JP2013015769A - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】硬化性樹脂、球状の小粒径無機フィラー、球状の中粒径無機フィラー、熱硬化剤及び/又はラジカル重合開始剤を含有し、前記球状の小粒径無機フィラーは、平均粒子径が0.05〜0.20μm、粒子径の変動係数が15%以下であり、前記球状の中粒径無機フィラーは、平均粒子径が0.30〜0.50μm、粒子径の変動係数が15%以下であり、前記硬化性樹脂100重量部に対して、前記球状の小粒径無機フィラーを10〜35重量部、前記球状の中粒径無機フィラーを3〜10重量部含有する液晶滴下工法用シール剤。
【選択図】なし
Description
以下に本発明を詳述する。
なお、本明細書において上記球状とは、後述する走査型電子顕微鏡で観察した粒子径から得られるアスペクト比(長径/厚み)が1.05未満であることを意味する。
上記表面処理としては、例えば、エポキシ基化処理、アクリロイル基化処理、メタクリロイル基化処理、ビニル基化処理、アミノ基化処理、メトキシ基化処理、トリメチルシリル基化処理、オクチルシリル基化処理、フェニル基化処理、メルカプト基化処理、イミダゾイル基化処理、イソシアネート基化処理、チオシアネート基化処理、シアノ基化処理、スチリル基化処理、シリコーンオイルを用いた表面処理等が挙げられる。
また、上記球状の無機フィラーの粒子径の変動係数(以下、CV値ともいう)は15%以下である。上記球状の無機フィラーの粒子径のCV値が15%を超えると、球状の無機フィラーの大きさに大きなバラツキが生じるため、描画性や作業性が著しく悪くなる。
なお、本明細書においてCV値とは、下記式により求められる数値のことである。
粒子径のCV値(%)=(粒子径の標準偏差/平均粒子径)×100
上記タルクの平均粒子径は、上記球状の無機フィラーと同様にして走査型電子顕微鏡を用いて測定したタルクの長径の平均値を示す。
上記硬化性樹脂は、エポキシ(メタ)アクリレートを含有することが好ましい。
なお、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。また、本明細書において上記エポキシ(メタ)アクリレートとは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(東都化成社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(東都化成社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(東都化成社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも東都化成社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エピスルフィド樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYL−7000(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも東都化成社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味する。また、本明細書において上記(メタ)アクリロイルオキシ基とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基を意味する。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、固形の有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
また、上記光ラジカル重合開始剤のうち市販されているものとしては、例えば、IRGACURE184、IRGACURE369、IRGACURE379、IRGACURE651、IRGACURE819、IRGACURE907、IRGACURE2959、IRGACUREOXE01、ルシリンTPO(いずれもBASF Japan社製)、ベンソインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル(以上、いずれも東京化成工業社製)等が挙げられる。なかでも吸収波長域が広いことから、IRGACURE651、IRGACURE907、ベンゾインイソプロピルエーテル、及び、ルシリンTPOが好適である。これらの光ラジカル重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、本明細書において高分子アゾ開始剤とは、アゾ基を有し、熱によって(メタ)アクリロイルオキシ基を硬化させることができるラジカルを生成する、数平均分子量が300以上の化合物を意味する。
また、上記高分子アゾ開始剤は、通常、光照射によっても分解してラジカルを発生することから、光ラジカル重合開始剤としても機能し得る。
上記アゾ基を介してポリアルキレンオキサイド等のユニットが複数結合した構造を有する高分子アゾ開始剤としては、ポリエチレンオキサイド構造を有するものが好ましい。このような高分子アゾ開始剤としては、例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)とポリアルキレングリコールの重縮合物や、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)と末端アミノ基を有するポリジメチルシロキサンの重縮合物等が挙げられ、具体的には例えば、VPE−0201、VPE−0401、VPE−0601、VPS−0501、VPS−1001(いずれも和光純薬工業社製)等が挙げられる。
なお、本明細書において上記チクソトロピックスインデックスとは、25℃でE型粘度計を用いて測定した場合の、[0.5rpmでの測定粘度/5.0rpmでの測定粘度]で表される値のことである。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート828EL」)1000重量部と、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部と、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部と、アクリル酸424重量部とを、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(硬化性樹脂A)を得た。
ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂(新日鐵化学社製、「YSLV80DE」)1000重量部と、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部と、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部と、アクリル酸229重量部とを、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、50%部分アクリル変性ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂(硬化性樹脂B)を得た。
レゾルシノール型エポキシ樹脂(ナガセケムテックス製、「デナコールEX−201」)1000重量部、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部、及び、アクリル酸649重量部を、空気を送り込みながら90℃で5時間還流攪拌して反応させた。得られた樹脂100重量部を、反応物中のイオン性不純物を吸着させる為にクオルツとカオリンの天然結合物(ホフマンミネラル社製、「シリチンV85」)10重量部が充填されたカラムで濾過し、レゾルシノール型エポキシアクリレート(硬化性樹脂C)を得た。
硬化性樹脂として、硬化性樹脂A35重量部と硬化性樹脂B25重量部と硬化性樹脂C40重量部とをそれぞれ所定の容器に配合し、遊星式攪拌装置にて混合攪拌した後、光ラジカル重合開始剤として2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(BASF Japan社製、「IRGACURE651」)1.7重量部を配合して加熱溶解させた。次いで、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM−403」)1.7重量部、球状の小粒径無機フィラーとして球状小粒径シリカ(ゾルゲル法によって調整したもの、平均粒子径0.1μm、粒子径の変動係数12%)20重量部及び球状中粒径シリカ(ゾルゲル法によって調整したもの、平均粒子径0.4μm、粒子径の変動係数10%)5重量部、板状タルク(日本タルク社製、「SG−2000」)10重量部、並びに、熱硬化剤としてマロン酸ジヒドラジド(日本ファインケム社製、「MDH」)3.3重量部を混合攪拌した後、セラミックス3本ロールミルにて分散させることによって、シール剤を得た。
用いた材料及び配合量を、表1、2に示したものとしたこと以外は実施例1と同様にしてシール剤を得た。
実施例及び比較例で得られたシール剤について以下の評価を行った。結果を表1、2に示した。
E型粘度計(ブルックフィールド社製、「DV−III」)を用いて、25℃、1.0rpmの条件で粘度を測定した。
また、E型粘度計を用いて、25℃、0.5rpmの条件で測定した粘度を、25℃、5.0rpmの条件で測定した粘度で除して、チクソトロピックインデックス(TI値)を算出した。
実施例及び比較例で得られたシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行った。このシリンジの先端に内径300μmの精密ノズル(武蔵エンジニアリング社製)を装着し、次いで、ディスペンサ(武蔵エンジニアリング社製)を用いて、ヘッドスピード毎秒200mmの速度で、薄膜付きの透明電極基板(サイズ300mm×400mm)に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。張り合わせた後のセルにメタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶セルを各シール剤につき5枚ずつ作製した。この液晶セル内のシール剤を観察し、断線不良も端部のうねりも全くなくシール剤がきれいなラインが描けていた場合を「◎」、断線不良も端部のうねりもほとんどなくシール剤がきれいなラインが描けていた場合を「○」、断線不良はないがシール剤の端部に若干うねりが生じる等していた場合を「△」、断線不良が生じていた場合を「×」として評価した。
実施例及び比較例で得られたシール剤に、シリカスペーサー(積水化学工業社製、「SI−H055」)を1重量%配合し、2枚のITO膜付きアルカリガラス試験片(30×40mm)のうち一方に微小滴下し、これにもう一方のガラス試験片を十字状に張り合わせたものを、メタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによって接着試験片を得た。これを上下に配したチャックにて引っ張り試験(5mm/min)を行った。得られた測定値(kgf)をシール塗布断面積(cm2)で除した値が0kgf/cm2以上30kgf/cm2未満である場合を「×」、30kgf/cm2以上60kgf/cm2未満である場合を「△」、60kgf/cm2以上である場合を「○」として評価した。
実施例及び比較例で得られたシール剤をディスペンス用のシリンジ(武蔵エンジニアリング社製、「PSY−10E」)に充填し、脱泡処理を行った。次いで、ディスペンサ(武蔵エンジニアリング社製、「SHOTMASTER300」)を用いてITO薄膜付きの透明電極基板に長方形の枠を描く様にシール剤を塗布した。続いて、TN液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)の微小滴を液晶滴下装置にて滴下塗布し、他方の透明基板を、真空張り合わせ装置にて5Paの減圧下にて張り合わせた。張り合わせ後のセルにメタルハライドランプにて3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱することによってシール剤を熱硬化させ、液晶セルを各シール剤につき5枚ずつ作製した。得られた液晶セルを温度80℃、湿度90%RHの環境下にて36時間保管した後、AC3.5Vの電圧駆動をさせ、中間調のシール剤周辺を目視で観察した。シール剤部周辺に色むらが全く見られなかった場合を「○」、少し薄い色むらが見えた場合を「△」、はっきりとした濃い色むらがあった場合を「×」、セル評価できなかったものを「−」として評価した。
Claims (6)
- 硬化性樹脂、球状の小粒径無機フィラー、球状の中粒径無機フィラー、熱硬化剤及び/又はラジカル重合開始剤を含有し、
前記球状の小粒径無機フィラーは、平均粒子径が0.05〜0.20μm、粒子径の変動係数が15%以下であり、
前記球状の中粒径無機フィラーは、平均粒子径が0.30〜0.50μm、粒子径の変動係数が15%以下であり、
前記硬化性樹脂100重量部に対して、前記球状の小粒径無機フィラーを10〜35重量部、前記球状の中粒径無機フィラーを3〜10重量部含有する
ことを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。 - 球状の小粒径無機フィラー及び球状の中粒径無機フィラーは、それぞれシリカからなることを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 更に、非球状のタルクを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の液晶滴下工法用シール剤。
- E型粘度計を用いて25℃、1.0rpmの条件で測定した粘度が200〜350Pa・sであり、かつ、
E型粘度計を用いて25℃、0.5rpmの条件で測定した粘度がE型粘度計を用いて25℃、5rpmの条件で測定した粘度の1.0〜1.6倍である
ことを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。 - 請求項1、2、3又は4記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3若しくは4記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項5記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
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