JP5337294B1 - 液晶滴下工法用シール剤、上下導通材料、及び、液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】硬化性及び保存安定性に優れ、かつ、液晶汚染を抑制することができる液晶滴下工法用シール剤を提供する。また、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造された上下導通材料及び液晶表示素子を提供する。
【解決手段】硬化性樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、熱硬化剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、前記光ラジカル重合開始剤は、極性基を有するオキシムエステル化合物であり、前記熱硬化剤は、融点が120℃を超え、200℃以下である液晶滴下工法用シール剤。
【選択図】なし
【解決手段】硬化性樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、熱硬化剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、前記光ラジカル重合開始剤は、極性基を有するオキシムエステル化合物であり、前記熱硬化剤は、融点が120℃を超え、200℃以下である液晶滴下工法用シール剤。
【選択図】なし
Description
本発明は、硬化性及び保存安定性に優れ、かつ、液晶汚染を抑制することができる液晶滴下工法用シール剤に関する。また、本発明は、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造された上下導通材料及び液晶表示素子に関する。
近年、液晶表示セル等の液晶表示素子の製造方法としては、タクトタイム短縮、使用液晶量の最適化といった観点から、特許文献1、特許文献2に開示されているような、硬化性樹脂と光重合開始剤と熱硬化剤とを含有する光熱併用硬化型のシール剤を用いた滴下工法と呼ばれる液晶滴下方式が用いられている。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
滴下工法では、まず、2枚の電極付き透明基板の一方に、ディスペンスにより長方形状のシールパターンを形成する。次いで、シール剤が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下し、すぐに他方の透明基板を重ね合わせ、シール部に紫外線等の光を照射して仮硬化を行う。その後、液晶アニール時に加熱して本硬化を行い、液晶表示素子を作製する。基板の貼り合わせを減圧下で行うようにすれば、極めて高い効率で液晶表示素子を製造することができ、現在この滴下工法が液晶表示素子の製造方法の主流となっている。
ところで、携帯電話、携帯ゲーム機等、各種液晶パネル付きモバイル機器が普及している現代において、装置の小型化は最も求められている課題である。装置の小型化の手法としては、液晶表示部の狭額縁化が挙げられ、例えば、シール部の位置をブラックマトリックス下に配置することが行われている(以下、狭額縁設計ともいう)。
しかしながら、狭額縁設計ではシール剤がブラックマトリックスの直下に配置されるため、滴下工法を行うと、シール剤を光硬化させる際に照射した光が遮られ、シール剤の内部まで光が到達せず硬化が不充分となるという問題があった。このようにシール剤の硬化が不充分となると、未硬化のシール剤成分が液晶中に溶出して液晶汚染を発生させやすくなるという問題があった。
シール剤の光硬化性を高くするためには、シール剤に高感度の光重合開始剤を配合することが考えられ、例えば、特許文献3には、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物を用いることが開示されている。
シール剤の光硬化性を高くするためには、シール剤に高感度の光重合開始剤を配合することが考えられ、例えば、特許文献3には、光重合開始剤としてオキシムエステル化合物を用いることが開示されている。
本発明は、硬化性及び保存安定性に優れ、かつ、液晶汚染を抑制することができる液晶滴下工法用シール剤を提供することを目的とする。また、本発明は、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造された上下導通材料及び液晶表示素子を提供することを目的とする。
本発明は、硬化性樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、熱硬化剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、上記光ラジカル重合開始剤は、極性基を有するオキシムエステル化合物であり、上記熱硬化剤は、融点が120℃を超え、200℃以下である液晶滴下工法用シール剤である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者は、液晶汚染を抑制する観点から、光ラジカル重合開始剤として、オキシムエステル化合物のなかでも、極性基を有するオキシムエステル化合物を用いることを検討した。しかしながら、極性基を有するオキシムエステル化合物を配合すると、シール剤の保存安定性が悪化するという問題が生じた。本発明者は、極性基を有するオキシムエステル化合物を用いた際にシール剤の保存安定性が悪化する原因について検討した結果、驚くべきことに、極性基を有するオキシムエステル化合物の存在によって熱硬化剤が活性化されやすくなっていることを見出した。
そこで本発明者は、極性基を有するオキシムエステル化合物と、融点が特定の範囲にある熱硬化剤とを組み合わせて用いることにより、硬化性及び保存安定性に優れ、かつ、液晶汚染を抑制することができる液晶滴下工法用シール剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
そこで本発明者は、極性基を有するオキシムエステル化合物と、融点が特定の範囲にある熱硬化剤とを組み合わせて用いることにより、硬化性及び保存安定性に優れ、かつ、液晶汚染を抑制することができる液晶滴下工法用シール剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、光ラジカル重合開始剤を含有する。
上記光ラジカル重合開始剤は、極性基を有するオキシムエステル化合物である。上記光ラジカル重合開始剤として、極性基を有するオキシムエステル化合物を用いることにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、光硬化性に優れ、液晶汚染を抑制することができるものとなる。
上記光ラジカル重合開始剤は、極性基を有するオキシムエステル化合物である。上記光ラジカル重合開始剤として、極性基を有するオキシムエステル化合物を用いることにより、本発明の液晶滴下工法用シール剤は、光硬化性に優れ、液晶汚染を抑制することができるものとなる。
上記極性基を有するオキシムエステル化合物の極性基は、OH、COOH、SH、CONH2、及び、NH2からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。なかでも、液晶との相溶性が低いことから、OHがより好ましい。
上記極性基を有するオキシムエステル化合物としては、具体的には、下記式(1)で表される化合物が好ましい。
式(1)中、Xは、炭素数1〜6のアルキレン基を表す。
式(1)中、Xで表される炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、1−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、ペンチレン基、へキシレン基等が挙げられる。なかでも、エチレン基であることが好ましい。
式(1)中、Xで表される炭素数1〜6のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、1−メチルエチレン基、1−エチルエチレン基、ペンチレン基、へキシレン基等が挙げられる。なかでも、エチレン基であることが好ましい。
上記極性基を有するオキシムエステル化合物の含有量は、硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が0.1重量部、好ましい上限が5.0重量部である。上記極性基を有するオキシムエステル化合物の含有量が0.1重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤の光重合が充分に進行しないことがある。上記極性基を有するオキシムエステル化合物の含有量が5.0重量部を超えると、未反応の極性基を有するオキシムエステル化合物が多く残り、得られる液晶滴下工法用シール剤の耐候性が悪くなったり、保存安定性に劣るものとなったり、液晶汚染が生じたりすることがある。上記極性基を有するオキシムエステル化合物の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は3.0重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、熱硬化剤を含有する。
上記熱硬化剤は、融点が120℃を超え、200℃以下である。
上記熱硬化剤の融点が120℃以下であると、得られる液晶滴下工法用シール剤が保存安定性に劣るものとなる。上記熱硬化剤の融点が200℃を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の熱硬化性が低下することがある。上記熱硬化剤の融点の好ましい下限は130℃、好ましい上限は190℃である。
上記熱硬化剤は、融点が120℃を超え、200℃以下である。
上記熱硬化剤の融点が120℃以下であると、得られる液晶滴下工法用シール剤が保存安定性に劣るものとなる。上記熱硬化剤の融点が200℃を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の熱硬化性が低下することがある。上記熱硬化剤の融点の好ましい下限は130℃、好ましい上限は190℃である。
上記熱硬化剤は、融点が上記範囲内にあるものであれば特に限定されず、例えば、有機酸ヒドラジド、イミダゾール誘導体、アミン化合物、多価フェノール系化合物、酸無水物等が挙げられる。なかでも、有機酸ヒドラジドが好適に用いられる。
上記有機酸ヒドラジドとしては、例えば、セバシン酸ジヒドラジド(融点186℃)、アジピン酸ジヒドラジド(融点180℃)、マロン酸ジヒドラジド(融点153℃)等が挙げられる。
上記有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、SDH、ADH(いずれも大塚化学社製)、MDH(和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記有機酸ヒドラジドのうち市販されているものとしては、例えば、SDH、ADH(いずれも大塚化学社製)、MDH(和光純薬工業社製)等が挙げられる。
上記熱硬化剤の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が2重量部、好ましい上限が10重量部である。上記熱硬化剤の含有量が2重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤を充分に熱硬化させることができないことがある。上記熱硬化剤の含有量が10重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の粘度が高くなり、塗布性が悪くなることがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい上限は8重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、硬化性樹脂を含有する。
上記硬化性樹脂は、環状エーテル化合物を含有することが好ましい。
上記硬化性樹脂は、環状エーテル化合物を含有することが好ましい。
上記環状エーテル化合物としては、例えば、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂等が挙げられる。なかでも、得られる液晶滴下工法用シール剤が接着性に優れるものとなることから、エポキシ樹脂が好ましい。
上記エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記環状エーテル化合物は、部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂であってもよい。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。また、本明細書において上記「部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂」とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味する。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、上述したエポキシ樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル」とは、アクリル又はメタクリルを意味する。また、本明細書において上記「部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂」とは、1分子中にエポキシ基と(メタ)アクリロイルオキシ基とをそれぞれ1つ以上有する樹脂を意味する。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、例えば、上述したエポキシ樹脂の一部分のエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させることによって得ることができる。
上記部分(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂のうち、市販されているものとしては、例えば、EBECRYL1561(ダイセル・サイテック社製)等が挙げられる。
上記環状エーテル化合物の含有量は、上記硬化性樹脂100重量部に対して、好ましい下限が10重量部、好ましい上限が80重量部である。上記環状エーテル化合物の含有量が10重量部未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤の接着力が低下することがある。上記環状エーテル化合物の含有量が80重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が液晶を汚染することがある。上記環状エーテル化合物の含有量のより好ましい上限は60重量部である。
上記硬化性樹脂は、(メタ)アクリル樹脂を含有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル樹脂」とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基(以下、併せて「(メタ)アクリロイルオキシ基」ともいう)を有する樹脂を意味し、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸に水酸基を有する化合物を反応させることにより得られるエステル化合物、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させることにより得られるエポキシ(メタ)アクリレート、イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本明細書において、上記「(メタ)アクリル樹脂」とは、アクリロイルオキシ基又はメタクリロイルオキシ基(以下、併せて「(メタ)アクリロイルオキシ基」ともいう)を有する樹脂を意味し、上記「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はメタクリレートを意味し、上記「エポキシ(メタ)アクリレート」とは、エポキシ樹脂中の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル酸と反応させた化合物のことを表す。
上記エステル化合物のうち単官能のものとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、エチルカルビトール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、イミド(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ビシクロペンテニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチル2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルホスフェート等が挙げられる。
また、上記エステル化合物のうち2官能のものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加ビスフェノールFジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジエニルジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、カーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエーテルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリブタジエンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、上記エステル化合物のうち3官能以上のものとしては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド付加イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド付加グリセリントリ(メタ)アクリレート、トリス(メタ)アクリロイルオキシエチルフォスフェート等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、常法に従って塩基性触媒の存在下で反応することにより得られるもの等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートを合成するための原料となるエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スルフィド型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、アルキルポリオール型エポキシ樹脂、ゴム変性型エポキシ樹脂、グリシジルエステル化合物等が挙げられる。
上記ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート828EL、エピコート1004(いずれも三菱化学社製)、エピクロン850(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート4004(いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
上記ビスフェノールS型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA1514(DIC社製)等が挙げられる。
上記2,2’−ジアリルビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、RE−810NM(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記水添ビスフェノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンEXA7015(DIC社製)等が挙げられる。
上記プロピレンオキシド付加ビスフェノールA型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4000S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記レゾルシノール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EX−201(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ビフェニル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコートYX−4000H(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記スルフィド型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−50TE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YSLV−80DE(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、EP−4088S(ADEKA社製)等が挙げられる。
上記ナフタレン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP4032、エピクロンEXA−4700(いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記フェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−770(DIC社製)等が挙げられる。
上記オルトクレゾールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンN−670−EXP−S(DIC社製)等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピクロンHP7200(DIC社製)等が挙げられる。
上記ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、NC−3000P(日本化薬社製)等が挙げられる。
上記ナフタレンフェノールノボラック型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ESN−165S(新日鐵化学社製)等が挙げられる。
上記グリシジルアミン型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート630(三菱化学社製)、エピクロン430(DIC社製)、TETRAD−X(三菱ガス化学社製)等が挙げられる。
上記アルキルポリオール型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、ZX−1542(新日鐵化学社製)、エピクロン726(DIC社製)、エポライト80MFA(共栄社化学社製)、デナコールEX−611(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記ゴム変性型エポキシ樹脂のうち市販されているものとしては、例えば、YR−450、YR−207(いずれも新日鐵化学社製)、エポリードPB(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記グリシジルエステル化合物のうち市販されているものとしては、例えば、デナコールEX−147(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記エポキシ樹脂のうちその他に市販されているものとしては、例えば、YDC−1312、YSLV−80XY、YSLV−90CR(いずれも新日鐵化学社製)、XAC4151(旭化成社製)、エピコート1031、エピコート1032(いずれも三菱化学社製)、EXA−7120(DIC社製)、TEPIC(日産化学社製)等が挙げられる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートとしては、具体的には例えば、レゾルシノール型エポキシ樹脂(EX−201、ナガセケムテックス社製)360重量部と、重合禁止剤としてp−メトキシフェノール2重量部と、反応触媒としてトリエチルアミン2重量部と、アクリル酸210重量部とを、空気を送り込んで還流攪拌しながら、90℃で5時間反応させることによってレゾルシノール型エポキシアクリレートを得ることができる。
上記エポキシ(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、EBECRYL860、EBECRYL3200、EBECRYL3201、EBECRYL3412、EBECRYL3600、EBECRYL3700、EBECRYL3701、EBECRYL3702、EBECRYL3703、EBECRYL3800、EBECRYL6040、EBECRYLRDX63182(いずれもダイセル・サイテック社製)、EA−1010、EA−1020、EA−5323、EA−5520、EA−CHD、EMA−1020(いずれも新中村化学工業社製)、エポキシエステルM−600A、エポキシエステル40EM、エポキシエステル70PA、エポキシエステル200PA、エポキシエステル80MFA、エポキシエステル3002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル1600A、エポキシエステル3000M、エポキシエステル3000A、エポキシエステル200EA、エポキシエステル400EA(いずれも共栄社化学社製)、デナコールアクリレートDA−141、デナコールアクリレートDA−314、デナコールアクリレートDA−911(いずれもナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
上記イソシアネートに水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、2つのイソシアネート基を有する化合物1当量に対して水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体2当量を、触媒量のスズ系化合物存在下で反応させることによって得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては、例えば、イソホロンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、水添MDI、ポリメリックMDI、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイオシアネート(XDI)、水添XDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、1,6,10−ウンデカントリイソシアネート等が挙げられる。
また、上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となるイソシアネートとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、ソルビトール、トリメチロールプロパン、(ポリ)プロピレングリコール、カーボネートジオール、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリオールと過剰のイソシアネートとの反応により得られる鎖延長されたイソシアネート化合物も使用することができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートの原料となる、水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の市販品やエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール等の二価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリン等の三価のアルコールのモノ(メタ)アクリレート又はジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシアクリレート等のエポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、具体的には例えば、トリメチロールプロパン134重量部、重合禁止剤としてBHT0.2重量部、反応触媒としてジブチル錫ジラウリレート0.01重量部、イソホロンジイソシアネート666重量部を加え、60℃で還流攪拌しながら2時間反応させ、次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート51重量部を加え、空気を送り込んで還流攪拌しながら90℃で2時間反応させることにより得ることができる。
上記ウレタン(メタ)アクリレートのうち市販されているものとしては、例えば、M−1100、M−1200、M−1210、M−1600(いずれも東亞合成社製)、EBECRYL230、EBECRYL270、EBECRYL4858、EBECRYL8402、EBECRYL8804、EBECRYL8803、EBECRYL8807、EBECRYL9260、EBECRYL1290、EBECRYL5129、EBECRYL4842、EBECRYL210、EBECRYL4827、EBECRYL6700、EBECRYL220、EBECRYL2220(いずれもダイセル・サイテック社製)、アートレジンUN−9000H、アートレジンUN−9000A、アートレジンUN−7100、アートレジンUN−1255、アートレジンUN−330、アートレジンUN−3320HB、アートレジンUN−1200TPK、アートレジンSH−500B(いずれも根上工業社製)、U−122P、U−108A、U−340P、U−4HA、U−6HA、U−324A、U−15HA、UA−5201P、UA−W2A、U−1084A、U−6LPA、U−2HA、U−2PHA、UA−4100、UA−7100、UA−4200、UA−4400、UA−340P、U−3HA、UA−7200、U−2061BA、U−10H、U−122A、U−340A、U−108、U−6H、UA−4000(いずれも新中村化学工業社製)、AH−600、AT−600、UA−306H、AI−600、UA−101T、UA−101I、UA−306T、UA−306I等が挙げられる。
上記硬化性樹脂は、水素結合性官能基価の好ましい下限が1.5×10−3mol/g、好ましい上限が5×10−3mol/gである。上記水素結合性官能基価が1.5×10−3mol/g未満であると、得られる液晶滴下工法用シール剤の接着性が低下することがある。上記水素結合性官能基価が5×10−3mol/gを超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤が液晶を汚染することがある。
なお、本明細書において上記水素結合性官能基価とは、下記式により算出される値である。
水素結合性官能基価(mol/g)
=(化合物Xの1分子中の水素結合性官能基数)/(化合物Xの分子量)
上記硬化性樹脂が複数の樹脂の混合物からなる場合、上記水素結合性官能基価は、それぞれの樹脂の水素結合性官能基価と硬化性樹脂中における重量分率とから算出できる。
なお、本明細書において上記水素結合性官能基価とは、下記式により算出される値である。
水素結合性官能基価(mol/g)
=(化合物Xの1分子中の水素結合性官能基数)/(化合物Xの分子量)
上記硬化性樹脂が複数の樹脂の混合物からなる場合、上記水素結合性官能基価は、それぞれの樹脂の水素結合性官能基価と硬化性樹脂中における重量分率とから算出できる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、粘度の向上、応力分散効果による接着性の改善、線膨張率の改善、硬化物の耐湿性の更なる向上等を目的として充填剤を含有することが好ましい。
上記充填剤としては、例えば、タルク、石綿、シリカ、珪藻土、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウム、酸化錫、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、窒化珪素、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土、窒化アルミニウム等の無機充填剤や、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等の有機充填剤が挙げられる。これらの充填剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記充填剤の含有量は、本発明の液晶滴下工法用シール剤100重量部に対して、好ましい下限が10重量部、好ましい上限が70重量部である。上記充填剤の含有量が10重量部未満であると、接着性の改善等の効果が充分に発揮されないことがある。上記充填剤の含有量が70重量部を超えると、得られる液晶滴下工法用シール剤の粘度が高くなり、塗布性が悪くなることがある。上記充填剤の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は60重量部である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、主にシール剤と基板等とを良好に接着するための接着助剤としての役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、基板等との接着性を向上させる効果に優れ、硬化性樹脂と化学結合することにより液晶中への硬化性樹脂の流出を抑制することができることから、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が好適に用いられる。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の液晶滴下工法用シール剤を製造する方法としては、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、硬化性樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、熱硬化剤と、必要に応じて添加するシランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
本発明の液晶滴下工法用シール剤における、E型粘度計を用いて25℃、1rpmの条件で測定した粘度の好ましい下限は5万Pa・s、好ましい上限は50万Pa・sである。上記粘度が5万Pa・s未満であったり、50万Pa・sを超えたりすると、液晶滴下工法用シール剤を基板に塗布する際の作業性が悪くなることがある。上記粘度のより好ましい上限は40万Pa・sである。
本発明の液晶滴下工法用シール剤に、導電性微粒子を配合することにより、上下導通材料を製造することができる。このような本発明の液晶滴下工法用シール剤と導電性微粒子とを含有する上下導通材料もまた、本発明の1つである。
上記導電性微粒子としては、金属ボール、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したもの等を用いることができる。なかでも、樹脂微粒子の表面に導電金属層を形成したものは、樹脂微粒子の優れた弾性により、透明基板等を損傷することなく導電接続が可能であることから好適である。
本発明の液晶滴下工法用シール剤及び/又は本発明の上下導通材料を用いてなる液晶表示素子もまた、本発明の1つである。
本発明の液晶表示素子を製造する方法としては、例えば、ITO薄膜等の電極付きのガラス基板やポリエチレンテレフタレート基板等の2枚の透明基板の一方に、本発明の液晶滴下工法用シール剤等をスクリーン印刷、ディスペンサー塗布等により長方形状のシールパターンを形成する工程、本発明の液晶滴下工法用シール剤等が未硬化の状態で液晶の微小滴を透明基板の枠内全面に滴下塗布し、すぐに別の基板を重ね合わせる工程、及び、本発明の液晶滴下工法用シール剤等のシールパターン部分に紫外線等の光を照射してシール剤を仮硬化させる工程、及び、仮硬化させたシール剤を加熱して本硬化させる工程を有する方法等が挙げられる。
本発明によれば、硬化性及び保存安定性に優れ、かつ、液晶汚染を抑制することができる液晶滴下工法用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造された上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
硬化性樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート828EL」)5重量部、部分アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ダイセル・サイテック社製、「EBECRYL1561」)15重量部、及び、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセル・サイテック社製、「EBECRYL3700」)40重量部と、光ラジカル重合開始剤として、下記式(2)で表される化合物(ADEKA社製、「NCI−930」)1重量部と、熱硬化剤として、アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「ADH」、融点180℃)3重量部と、充填剤として、シリカ(アドマテックス社製、「アドマファインSO−C2」)15重量部、及び、タルク(日本タルク社製、「ナノエースD600」)5重量部と、シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM−403」)1重量部とを配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させて液晶滴下工法用シール剤を得た。
硬化性樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(三菱化学社製、「エピコート828EL」)5重量部、部分アクリル変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ダイセル・サイテック社製、「EBECRYL1561」)15重量部、及び、ビスフェノールA型エポキシアクリレート(ダイセル・サイテック社製、「EBECRYL3700」)40重量部と、光ラジカル重合開始剤として、下記式(2)で表される化合物(ADEKA社製、「NCI−930」)1重量部と、熱硬化剤として、アジピン酸ジヒドラジド(大塚化学社製、「ADH」、融点180℃)3重量部と、充填剤として、シリカ(アドマテックス社製、「アドマファインSO−C2」)15重量部、及び、タルク(日本タルク社製、「ナノエースD600」)5重量部と、シランカップリング剤として、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製、「KBM−403」)1重量部とを配合し、遊星式攪拌装置(シンキー社製、「あわとり練太郎」)にて攪拌した後、セラミック3本ロールにて均一に混合させて液晶滴下工法用シール剤を得た。
(実施例2、3、比較例1〜5)
表1に記載された配合比に従い、各材料を、実施例1と同様にして、遊星式撹拌機(シンキー社製「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例2、3、比較例1〜5の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
なお、表1中に記載した、「式(3)で表される化合物」及び「式(4)で表される化合物」は、それぞれ下記式(3)及び(4)で表される化合物を意味する。
表1に記載された配合比に従い、各材料を、実施例1と同様にして、遊星式撹拌機(シンキー社製「あわとり練太郎」)を用いて混合した後、更に3本ロールを用いて混合することにより実施例2、3、比較例1〜5の液晶滴下工法用シール剤を調製した。
なお、表1中に記載した、「式(3)で表される化合物」及び「式(4)で表される化合物」は、それぞれ下記式(3)及び(4)で表される化合物を意味する。
<評価>
実施例及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(粘度)
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について、E型粘度計(ブルックフィールド社製、「DV−III」)を用いて25℃、1rpmの条件における粘度を測定した。
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤について、E型粘度計(ブルックフィールド社製、「DV−III」)を用いて25℃、1rpmの条件における粘度を測定した。
(保存安定性)
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤を、25℃で1週間保管したときの粘度と、製造直後の初期粘度とを測定し、(25℃、2日間保管後の粘度)/(初期粘度)を粘度変化率とし、粘度変化率が1.05未満であるものを「○」、1.05以上1.20未満であるものを「△」、1.20を超えるものを「×」として評価した。
なお、シール剤の粘度は、E型粘度計(BROOK FIELD社製、「DV−III」)を用い、25℃において回転速度1rpmの条件で測定した。
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤を、25℃で1週間保管したときの粘度と、製造直後の初期粘度とを測定し、(25℃、2日間保管後の粘度)/(初期粘度)を粘度変化率とし、粘度変化率が1.05未満であるものを「○」、1.05以上1.20未満であるものを「△」、1.20を超えるものを「×」として評価した。
なお、シール剤の粘度は、E型粘度計(BROOK FIELD社製、「DV−III」)を用い、25℃において回転速度1rpmの条件で測定した。
(光硬化性)
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤をガラス基板上に約5μm塗布し、その基板に同サイズのガラス基板を重ね合わせ、次に、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の光を10秒照射した。なお、照射装置とガラス基板の間に380nm以下の波長をカットする基板を挿入した。赤外分光装置(BIORAD社製、「FTS3000」)を用い、アクリロイル基由来ピークの光照射前後での変化量を測定することで光硬化性の評価を行った。光照射後のアクリロイル基由来のピークの減少率が90%以上であった場合を「○」、80%以上90%未満であった場合を「△」、80%未満であった場合を「×」として光硬化性を評価した。
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤をガラス基板上に約5μm塗布し、その基板に同サイズのガラス基板を重ね合わせ、次に、メタルハライドランプを用いて100mW/cm2の光を10秒照射した。なお、照射装置とガラス基板の間に380nm以下の波長をカットする基板を挿入した。赤外分光装置(BIORAD社製、「FTS3000」)を用い、アクリロイル基由来ピークの光照射前後での変化量を測定することで光硬化性の評価を行った。光照射後のアクリロイル基由来のピークの減少率が90%以上であった場合を「○」、80%以上90%未満であった場合を「△」、80%未満であった場合を「×」として光硬化性を評価した。
(熱硬化性)
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤に3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱したときのエポキシ基の反応率(エポキシ基由来のピークの減少率)を赤外分光装置(BIORAD社製、「FTS3000」)で評価し、該反応率が90%以上であった場合を「○」、80%以上90%未満であった場合を「△」、80%未満であった場合を「×」として熱硬化性を評価した。
各実施例及び各比較例で得られた液晶滴下工法用シール剤に3000mJ/cm2の紫外線を照射した後、120℃で60分加熱したときのエポキシ基の反応率(エポキシ基由来のピークの減少率)を赤外分光装置(BIORAD社製、「FTS3000」)で評価し、該反応率が90%以上であった場合を「○」、80%以上90%未満であった場合を「△」、80%未満であった場合を「×」として熱硬化性を評価した。
(液晶汚染性(液晶比抵抗保持率))
サンプル瓶に液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)0.5gを入れ、各実施例及び各比較例で得られた液晶表示素子用シール剤0.1gを加えて振とうした後、120℃で1時間加熱した。室温(25℃)に戻し、液晶部分を液晶比抵抗測定装置(KEITHLEY Instruments社製、「6517A」)、及び、電極に液体用電極(安藤電気社製、「LE−21型」)を用い、標準温度湿度状態(20℃、65%RH)で液晶比抵抗保持率を測定した。液晶比抵抗保持率が70%以上であった場合を「○」、50%以上70%未満であった場合を「△」、50%未満であった場合を「×」として液晶汚染性を評価した。なお、液晶比抵抗保持率は、下記式により求めた。
液晶比抵抗保持率=(シール剤添加後の使用液晶比抵抗/シール剤未添加での使用液晶比抵抗)×100
サンプル瓶に液晶(チッソ社製、「JC−5001LA」)0.5gを入れ、各実施例及び各比較例で得られた液晶表示素子用シール剤0.1gを加えて振とうした後、120℃で1時間加熱した。室温(25℃)に戻し、液晶部分を液晶比抵抗測定装置(KEITHLEY Instruments社製、「6517A」)、及び、電極に液体用電極(安藤電気社製、「LE−21型」)を用い、標準温度湿度状態(20℃、65%RH)で液晶比抵抗保持率を測定した。液晶比抵抗保持率が70%以上であった場合を「○」、50%以上70%未満であった場合を「△」、50%未満であった場合を「×」として液晶汚染性を評価した。なお、液晶比抵抗保持率は、下記式により求めた。
液晶比抵抗保持率=(シール剤添加後の使用液晶比抵抗/シール剤未添加での使用液晶比抵抗)×100
本発明によれば、硬化性及び保存安定性に優れ、かつ、液晶汚染を抑制することができる液晶滴下工法用シール剤を提供することができる。また、本発明によれば、該液晶滴下工法用シール剤を用いて製造された上下導通材料及び液晶表示素子を提供することができる。
Claims (7)
- 硬化性樹脂と、光ラジカル重合開始剤と、熱硬化剤とを含有する液晶滴下工法用シール剤であって、
前記光ラジカル重合開始剤は、極性基を有するオキシムエステル化合物であり、
前記熱硬化剤は、融点が120℃を超え、200℃以下である
ことを特徴とする液晶滴下工法用シール剤。 - 極性基を有するオキシムエステル化合物の極性基は、OH、COOH、SH、CONH2、及び、NH2からなる群より選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 硬化性樹脂は、環状エーテル化合物であることを特徴とする請求項1、2又は3記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 硬化性樹脂100重量部に対する環状エーテル化合物の含有量が10〜80重量部であることを特徴とする請求項4記載の液晶滴下工法用シール剤。
- 請求項1、2、3、4又は5記載の液晶滴下工法用シール剤と、導電性微粒子とを含有することを特徴とする上下導通材料。
- 請求項1、2、3、4若しくは5記載の液晶滴下工法用シール剤及び/又は請求項6記載の上下導通材料を用いて製造されることを特徴とする液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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