JP2012253776A - 画像形成装置及び画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】複雑な演算を必要とせずに、スキュー検知及びスキュー補正を行うことができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】実施形態に係る画像形成装置は、画像読取部で読み取った画像データを一時的に記憶するページメモリと、画像データを2値化する2値化回路と、2値化した画像データから文字列の存在範囲にある文字画素をカウントして累積値を副走査方向のライン毎に算出し、文字列の存在範囲内で最初のラインと最初のラインの累積値とを表す第1の座標と、文字列の存在範囲内で最大の累積値と最大の累積値を有するラインとを表す第2の座標の位置をもとに画像データのスキュー量を算出するスキュー検出部と、ページメモリに記憶した画像データをスキュー量に応じて回転処理して出力するスキュー補正部と、を具備する。
【選択図】図3
【解決手段】実施形態に係る画像形成装置は、画像読取部で読み取った画像データを一時的に記憶するページメモリと、画像データを2値化する2値化回路と、2値化した画像データから文字列の存在範囲にある文字画素をカウントして累積値を副走査方向のライン毎に算出し、文字列の存在範囲内で最初のラインと最初のラインの累積値とを表す第1の座標と、文字列の存在範囲内で最大の累積値と最大の累積値を有するラインとを表す第2の座標の位置をもとに画像データのスキュー量を算出するスキュー検出部と、ページメモリに記憶した画像データをスキュー量に応じて回転処理して出力するスキュー補正部と、を具備する。
【選択図】図3
Description
本発明の実施形態は、画像読取り時の原稿の傾きに起因して発生するスキューの補正を行う画像形成装置及び画像処理プログラムに関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置にあっては、画像読取部(スキャナ部)で原稿を読み取り、読み取った画像データをもとに用紙等の記録媒体に画像を形成するようにしている。ところで、スキャナ部によって画像の読み取りを行う場合、原稿台の上に置かれた原稿が傾いていると、原稿の画像は傾いたまま読み取られてしまう。このため、読み取った画像の傾きを補正(スキュー補正)するようにした画像処理装置がある(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、従来のスキュー補正では、ハフ変換処理により2値画像を曲座標空間に変換するなど、演算量が多くなるという欠点(問題点)がある。
発明が解決しようとする課題は、ハフ変換処理のような複雑な演算を必要とせずに、スキュー検知及びスキュー補正を行うことができる画像形成装置及び画像処理プログラムを提供することにある。
実施形態に係る画像形成装置は、原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部で読み取った画像データを一時的に記憶するページメモリと、前記画像読取部で読み取った画像データを2値化する2値化回路と、前記2値化した画像データから文字列の存在範囲にある文字画素をカウントして累積値を副走査方向のライン毎に算出し、前記文字列の存在範囲内で最初のラインと前記最初のラインの前記累積値とを表す第1の座標と、前記文字列の存在範囲内で最大の累積値と前記最大の累積値を有するラインとを表す第2の座標の位置をもとに前記画像データのスキュー量を算出するスキュー検出部と、前記ページメモリに記憶した画像データを前記算出したスキュー量に応じて回転処理し、スキュー補正して出力するスキュー補正部と、前記スキュー補正部でスキュー補正した画像データを出力する出力部と、を具備する。
以下、発明を実施するための実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付す。
(第1の実施形態)
図1は、一実施形態に係る画像形成装置の構成図である。図1において、画像形成装置10は例えば複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)や、プリンタ、複写機等である。以下の説明ではMFPを例に説明する。
図1は、一実施形態に係る画像形成装置の構成図である。図1において、画像形成装置10は例えば複合機であるMFP(Multi-Function Peripherals)や、プリンタ、複写機等である。以下の説明ではMFPを例に説明する。
画像形成装置(MFP)10の上部には、自動原稿送り装置(ADF)11、透過性の原稿台12及び操作パネル13を備えている。またMFP10の下部には複数の給紙装置14を設け、MFP10の側面には、用紙を積載するトレイ15を設けている。
またMFP10は、ADF12の下部に画像読取部であるスキャナ部20と、出力部であるプリンタ部30を備えている。スキャナ部20は、原稿の画像を読み取るものであり、プリンタ部30は、読み取った画像データをもとに用紙等の記録媒体に画像を形成する。尚、読み取った画像データをPC(personal computer)などの出力装置に取り込むようにしてもよい。また以下の説明では、記録媒体として用紙Sを使用する例を述べる。
スキャナ部20は画像読取部を構成し、第1のキャリッジ21、第2のキャリッジ23、集光レンズ24、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ25、及びレーザユニット26を有する。第1のキャリッジ21は、原稿を露光走査する光源22と反射ミラーを含み、原稿で反射された光を第2のキャリッジ23に向けて反射する。第2のキャリッジ23は反射ミラーを含み、第1のキャリッジ21からの光を集光レンズ24に向けて反射する。
スキャナ部20は、ADF11によって送られてくる原稿、又は原稿台12に置かれた原稿をスキャンして読み取るため、キャリッジ21に設けた露光ランプ22からの光を原稿台12の下方から原稿に照射する。そして原稿からの反射光を第2のキャリッジ23の反射ミラー及び集光レンズ24を介してCCDラインセンサ25に取り込む。
尚、スキャナ部20は、ADF11によって搬送される原稿を読み取るときは、第1のキャリッジ21を読み取り窓27の位置に固定し、第2のキャリッジ23も固定した位置にある。また、原稿台12に置かれた原稿を読み取る場合は、第1のキャリッジ21、第2のキャリッジ23を原稿台12と平行に所定の範囲内で移動する。
CCDラインセンサ(イメージセンサ)25は、受光面に青色、緑色、赤色の色フィルタを配置した3つのラインセンサと、各ラインセンサに対応して設けたシフトレジスタを含む。各ラインセンサに入射した光は、光電変換され画像情報を出力する。画像情報はアナログ信号として出力され、アナログ信号はデジタル信号に変換され、さらに画像処理されて画像データ(RGB信号)を生成する。画像データは、レーザユニット26に供給され、レーザユニット26からは、画像データに従ってレーザビームを生成する。
プリンタ部30は、回転可能な感光体ドラム31を有する。感光体ドラム31は像担持体であり、感光体ドラム31の周囲には、回転方向に沿って帯電装置32、現像装置33、転写装置34、クリーニング装置35、除電ランプ36を有する。レーザユニット26からのレーザビームは、感光体ドラム31に照射され、感光体ドラム31の外周面には、原稿の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
画像形成が始まると、帯電装置32は所定の放電位置で放電し、回転する感光体ドラム31の外周面に電荷を軸方向に均一に帯電させる。次に、感光体ドラム31に対してレーザユニット26からレーザビームが照射され、感光体ドラム31の外周面に静電潜像が形成され、かつ保持される。
感光体ドラム31の外周面には、現像装置33から現像剤(例えばトナー)が提供され、静電潜像はトナー像に変換され現像される。感光体ドラム31の外周面に形成されたトナー像は、転写装置34によって用紙Sに静電的に転写される。用紙Sは給紙装置14から搬送路371を経由して搬送される。感光体ドラム31上に残った紙カス等の異物は、クリーニング装置35によって除去する。除電ランプ36は、感光体ドラム31の外周面の残留電荷を除去する。
尚、プリンタ部30の構成は、図示した例に限らず、他の方式、例えば中間転写ベルトを使用した方式などを用いることもできる。また図1では、画像形成部を簡略化して示しているが、カラー画像を形成する場合は、ブラック、マゼンタ、シアン、イエロー等のカラー画像形成部を有する。またMFP10は、PC(Personal computer)等から入力されたプリントデータを処理してプリンタ部30に出力し印刷することもできる。
プリンタ部30によってトナー像が転写された用紙Sは、搬送路372を介して定着装置38に搬送される。定着装置38は、定着ローラと加圧ローラを対向して配置し、定着ローラと加圧ローラ間に用紙Sを搬送することで、用紙Sに転写されたトナー像を用紙Sに定着する。トナー像が定着され画像形成が完了した用紙Sは、排紙ローラ39によってトレイ15に排出する。
図2は、実施形態に係る画像形成装置(MFP)10の制御系の構成を示すブロック図である。図2において、MFP10は、主制御部40と、操作パネル13と、スキャナ部20、及びプリンタ部30を有している。MFP10の制御系は、主制御部40内のメインCPU400と、操作パネル13のパネルCPU130と、スキャナ部20のスキャナCPU200、及びプリンタ部30のプリンタCPU300の複数のCPUを含む。
主制御部40は、メインCPU400、ROM401、RAM402、NVRAM403、共有RAM404、ページメモリ制御部405、ページメモリ406、記憶デバイスとしてのHDD407、ネットワークコントローラ408及び画像処理部50を含む。又、101は画像データバスである。
メインCPU400は、MFP10の全体の動作を制御するものであり、かつADF11を制御する。ROM401には、制御プログラムなどが記憶されている。RAM402は、一時的にデータを記憶するものである。NVRAM403は、不揮発性のメモリであり、電源を遮断しても記憶データを保持する。共有RAM404は、メインCPU400とプリンタCPU300との間で、双方向通信を行うために用いる。
画像処理部50は、ページメモリ制御部405を制御してページメモリ406への画像データの記憶、及び読出しを制御する。これにより、画像の拡大/縮小といった画像変換処理を行う。ページメモリ406は、複数ページ分の画像情報を記憶できる領域を有し、スキャナ部20からの画像情報を1ページ分ごとに記憶可能である。また画像処理部50は、スキャナ部20で読み取った画像が傾いているときにスキュー補正を行う(スキュー補正についての詳細は後述する)。
ネットワークコントローラ408は、ネットワークに接続され、MFP10は、ネットワークコントローラ408を介して外部機器、例えばサーバや、PC(Personal Computer)に接続可能である。
又、HDD407は、スキャナ部20で読み取った画像データや、PCからの画像データ(文書データや描画イメージデータ等)を圧縮して記憶するものである。HDD407に記憶された画像データは、画像処理部50に入力されて各種の画像処理が施され、プリンタ部30によって用紙に印刷される。
操作パネル13は、メインCPU400に接続されたパネルCPU130と、各種の操作キー131と液晶等から成る表示部132を有し、操作キー131は、印刷部数の指示等を行うテンキー等を含む。表示部132はタッチパネル機能を有し、用紙サイズ、印刷倍率等の各種の指示を入力する。
スキャナ部20は、スキャナCPU200と、画像補正部201、イメージセンサ25を駆動するCCDドライバ202等によって構成されている。CCDドライバ202は、イメージセンサ25を駆動して原稿の画像を読み取り、画像データに変換する。画像補正部201は、イメージセンサ25から出力されるR、G、Bのアナログ信号をそれぞれデジタル信号に変換するA/D変換回路や、シェーディングスキュー補正部、及びシェーディングスキュー補正部からの補正されたデジタル信号を一旦記憶するラインメモリ等から構成されている。
プリンタ部30は、プリンタCPU300、レーザユニット26のレーザを駆動するレーザドライバ301、用紙Sの搬送を制御する搬送制御部302、及び帯電器、現像器、転写器等を制御する制御部303を有している。
メインCPU400は、プリンタCPU300と共有RAM(ランダム・アクセス・メモリ)404を介して双方向通信を行い、メインCPU400は動作指示を出し、プリンタCPU300は状態ステータスを返す。また、プリンタCPU300とスキャナCPU200はシリアル通信を行い、プリンタCPU300は動作指示を出し、スキャナCPU200は状態ステータスを返す。なお、画像処理部50、ページメモリ406、ネットワークコントローラ408、画像補正部201、レーザドライバ301は、画像データバス101によって接続されている。
図3は、実施形態の主要部である画像処理部50の構成を示すブロック図である。画像処理部50は、スキャナ部20によって原稿の画像が傾いた状態で読み取られたときに、読み取った画像のスキュー(傾き)を補正する機能を備える。
図3において、スキャナ部20は、読み取った原稿の画像データ(RGB信号)を生成する。RGB信号は、ページメモリ406に記憶される。ページメモリ406は、複数ページ分の画像データを記憶できる領域を有し、スキャナ部20からの画像データを1ページ単位で記憶することができる。
またRGB信号は、2値化回路51に供給される。2値化回路51の出力はスキュー検出部52に供給される。スキュー検出部52は、文字領域の画素(黒画素)を累積する累積算出部53と、累積値が存在するときの最初のラインとその累積値を抽出する第1の座標抽出部54と、累積最大値と累積最大値を有するラインを抽出する第2の座標抽出部55と、第1の座標抽出部54と第2の座標抽出部55の抽出結果をもとに原稿のスキュー量(スキューデータ)を算出するスキュー量算出部56とを含む。スキュー量算出部56で算出したスキューデータはスキュー補正部57に出力され、ページメモリ406に記憶された画像データの回転処理を行う。
以下、2値化回路51及びスキュー検出部52の各ブロックの動作について説明する。2値化回路51は、入力された画像データ(RGB信号)を2値化処理し、例えば、文字と非文字を切り分ける。即ち、画像データに対してしきい値を設定し、しきい値以上の画素値を黒画素(値1)とし、しきい値以下の画素値を白画素(値0)とする。2値化処理により、文字領域(黒画素)と非文字領域を(白画素)とに切り分けることができる。
図4(a)は、スキャナ部20で読み取った原稿の画像(原画像)のうち、1行分の文字列を示す。原画像では文字領域(PQR…)と、その背景の非文字領域を有し、非文字領域は白画像からグレースケール画像を含んでいる。図4(b)は、原画像を2値化回路51によって2値化処理した画像を示す。2値化処理により、中間値をなくし黒又は白の2値の画像に変換される。
図5は、累積算出部53の動作を示す説明図である。図5では2値化画像を拡大して、主走査方向に1〜n個、副走査方向に1〜mラインの複数の画素データとして示している。累積算出部53では、主走査方向の1〜nの画素のうち、黒画素を値1とし、白画素を値0として、値1の画素が幾つあるかをライン毎にカウントする。
例えば図5の例では、1ライン目は8個の黒画素が存在し、2ライン目は5個の黒画素が存在する。以下同様にmライン目までの黒画素をカウントして累積値を求める。累積結果を見ると明らかなように、文字列の最上ラインと最下ラインで累積値が大きくなっている。尚、図5では文字の例としてアルファベットを示しているが、漢字等においても、最上ラインで最も累積値が大きくなる傾向にある。
図6は、1行の文字列の2値化画像について、累積算出部53で算出した黒画素(値1)の累積値を示す図である。2値化処理後、副走査方向のライン毎に黒画素の累積値を算出すると、図6の右のグラフのようになる。このグラフを見ると、副走査方向に文字が存在する範囲を抽出することができる。
図6(a)は、原稿がスキューなしのときの2値化画像と累積値のグラフを示し、(b)は原稿が右下りにスキューしたときの2値化画像累積値のグラフを示し、(c)は原稿が右上りにスキューしたときの2値化画像と累積値のグラフを示す。
図6(a)に示すように、スキューなしのときは、累積算出部53で算出した累積値は、文字列の最初のラインと最終のラインで累積値が大きく、中間のラインでは累積値が小さくなっている。また図6(b)に示すように、原稿が右下りにスキューしたときの累積値は、文字列の最初のラインで累積値が最も小さく、中間のライン付近で最も累積値が大きくなり、最終ラインに行くにしたがって累積値が小さくなっている。また図6(c)に示すように、原稿が右上りにスキューしたときの累積値は、(b)と同様に、最初のラインでは累積値が最も小さく、中間のライン付近で最も累積値が大きくなり、最終ラインに行くにしたがって累積値が小さくなっている。
つまり、図6(a)と図6(b,c)の右グラフを比較すると、スキューの有無により累積結果が異なる。また、文字列が存在する範囲内での累積値の最大値(円で示す)の位置が、スキューの有無によって異なることが分かる。
図7は、累積算出部53で算出した累積値のグラフを拡大して示す図であり、第1の座標抽出部54と第2の座標抽出部55の動作を説明する図である。
図7(a)は、スキューなしの累積値のグラフであり、図7(b)は原稿が右下がりにスキューしているときの累積値のグラフであり、図7(c)は原稿が右上りにスキューしているときの累積値のグラフである。例えば、図7(a),(b),(c)の太い点線のように、文字列が存在する副走査方向のライン値を4等分に分割したとき、円A1,A2,A3で示すように累積値が存在する最初のラインは同じであるが、その累積値は異なっている。また円B1,B2,B3で示すように累積値の最大値の存在位置が異なる。
第1の座標抽出部54は、累積値が存在する最初のライン数(Y1)と累積値(X1)を抽出する。したがって、スキューがないときは、図7(a)の円A1の累積値X1とライン数Y1、つまり第1の座標(X1,Y1)が抽出される。
また原稿が右下りにスキューしたときは、図7(b)の円A2の累積値X1とライン数Y1が抽出される。同様に原稿が右上りにスキューしたときは、図7(c)の円A3の累積値X1とライン数Y1とが抽出される。
第2の座標抽出部55は、累積最大値の座標を抽出する。原稿がスキューなしのときは、図7(a)で示すように、最初のラインが最大の累積値を有するため、図7(a)の円B1の累積値X2とライン数Y2、つまり第2の座標(X2,Y2)が抽出される。図7(a)では(X1,Y1)の座標と(X2,Y2)の座標は同じである。
また右下りにスキューしたときは、図7(b)で示すように、中間部分のラインが最大の累積値を有するため、図7(b)の円B2の累積値X2とライン数Y2が抽出される。また右上りにスキューしたときは、図7(c)で示すように、中間部分のラインが最大の累積値を有するため、図7(c)の円B3の累積値X2とライン数Y2が抽出される。
またスキュー量算出部56は、第1の座標抽出部54と第2の座標抽出部55の抽出結果をもとに原稿のスキュー量(スキューデータ)を算出する。スキュー量算出部56は、図7の特性を用いて、累積値の最大値が文字列の存在範囲のどの位置に存在するかでスキューの有無を判断し、スキュー量を算出する。
図7の累積値のグラフを参照するに、横軸の黒画素の累積値をX、縦軸の副走査方向のライン数をYとする。このとき、図中の円A1,A2,A3で示した箇所をそれぞれ(X1,Y1)とし、円B1,B2,B3で示した箇所をそれぞれ(X2,Y2)とする。(X1,Y1)は文字列範囲の最初の累積値とライン数を示し、(X2,Y2)は最大の累積値とライン数を示す。この値を用いて式(1)を解き、算出された値(a)をスキュー量とする。
また傾き角θは、(2)式で求めることができる。
尚、図7(b)と(c)では似たような累積値のグラフが得られるが、図6(b)で示すように、原稿が右下りにスキューしている場合は、主走査方向の始端部で最初の黒画素が検出され、図6(c)で示すように、原稿が右上りにスキューしている場合は、主走査方向の終端部で最初の黒画素が検出される。したがって、スキュー量算出部56では、文字列が存在する最初のラインにおいて、主走査方向の始端部分で黒画素が検出された場合は、右下りのスキューであると判断し、終端部分で黒画素が検出された場合は、右上りのスキューであると判断し、スキューの向きを示すデータを算出することができる。
図8は、スキュー補正部57におけるスキュー補正動作の一例を示す説明図である。スキュー補正部57はスキュー量算出部56で算出したスキュー量とスキューの向きを示すデータに基づいてスキュー補正データをスキュー補正部57に供給し、ページメモリ406の画像データを回転処理する。即ち、1ページ分の画像データをページメモリ406に取り込み、図8(a)に示す基準点Pを軸として、画像データの回転処理を行う。
図8(a)はスキューなしのときの1ページ分の画像データD1を示している。これに対して、図8(b)のように、画像データD2が右下りにスキューしているときは、基準点Pを軸にして、画像データの傾き角θがゼロになるように、矢印C1方向に座標変換して出力する。また図8(c)のように、画像データD3が右上りにスキューしているときは、基準点Pを軸にして、画像データの傾き角θがゼロになるように、矢印C2方向に座標変換して出力する。
図8(a),(b),(c)において、点線枠E1で示す領域は、1行分の文字列の画像を示している。スキュー量を算出する際には、最上行の文字列をもとにスキュー量を算出する。或いは、各行毎にスキュー量を算出するか、予め設定した複数の行についてスキュー量を算出し、算出したスキュー量の中で最も大きい値のもの、或いは平均値を求めて最終的なスキュー量として算出しても良い。
また、図8の点線枠E2で示すように、文字数が極端に少ない行については、得られる黒画素の累積値が少ないため、正確なスキュー量が検出できない。したがって、累積値の最大値が予め設定した値以下の場合は、スキュー検出の対象外とするようにしてもよい。尚、図8の例では、基準点Pを画像データ領域の左上の角部に設定したが、他の角部など任意の点に設定することができ、設定した基準点Pを中心に回転するように座標変換すればよい。
尚、原稿のスキュー量が大き過ぎる場合は、スキャナ部20による読み取り可能範囲を越えるため、検出したスキュー量が予め設定した値を越える場合は、操作パネル13の表示器132に警告メッセージを表示し、原稿のセッティングをし直すように促してもよい。こうしてスキュー補正した画像データは、順次プリンタ部30によって用紙に印刷される。
図9は、画像処理部50でのスキュー補正の動作を示すフローチャートである。尚、図9のフローチャートで示す動作は、ROM401に記憶された制御プログラムに基づいてメインCPU400の制御のもとに実行される。
図9において、動作A1はスタートを示し、動作A2ではスキャナ部20によって原稿の画像を読み取る。動作A3では原稿1ページ分を全て読み取ったか否かを判断し、1ページ分の読み取りが終わると動作A4において、ページメモリ406に記憶する。
また動作A5では、読み取った画像データを2値化処理する。次の動作A6では、2値化処理した画像データの文字列が存在する副走査方向の各ラインについて、黒画素をカウントして累積値を算出する。つまり主走査方向に値1(黒画素)の画素をカウントする。動作A7では、副走査方向のライン毎の累積値を算出し、路遺跡値もとにヒストグラム(図7のグラフ)を作成する。動作A8では、最初の累積値X1とそのライン数Y1を算出する。また動作A9では、累積値の最大値Y2とそのライン数X2を算出する。
動作A10では、(1)式によりスキュー量を算出する。尚、動作A10では、例えば予め設定した本数の行についてスキュー量を算出し、算出したスキュー量の中で最も大きい値のもの、或いは平均値を求めて最終的なスキュー量を算出する。
また動作A11では、動作A6にて文字列が存在する最初のラインについて、主走査方向の始端部分又は終端部分のいずれにおいて黒画素が検出されたかの判断結果をもとに、スキューの向きを示すデータ算出する。そして動作A12では、スキュー量とスキューの向きを示すデータに基づくスキュー補正データによって画像データを座標変換して回転処理して出力し、動作A13で終了する。
以上説明した実施形態によれば、画像データに含まれる文字列の画像データをもとにスキュー補正データを生成してスキュー補正を行うことができる。したがって、ハフ変換のような複雑な演算を必要としないため、演算量を少なくすることができ、スキュー検知からスキュー補正までの処理を簡単な回路で実行することができる。
尚、本発明のいくつかの実施形態を述べたが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…画像形成装置(MFP)
20…スキャナ部(画像読取部)
30…プリンタ部(出力部)
40…主制御部
400…メインCPU
401…ROM
406…ページメモリ
50…画像処理部
51…2値化回路
52…スキュー検出部
53…累積算出部
54…第1の座標抽出部
55…第2の座標抽出部
56…スキュー量算出部
57…スキュー補正部
20…スキャナ部(画像読取部)
30…プリンタ部(出力部)
40…主制御部
400…メインCPU
401…ROM
406…ページメモリ
50…画像処理部
51…2値化回路
52…スキュー検出部
53…累積算出部
54…第1の座標抽出部
55…第2の座標抽出部
56…スキュー量算出部
57…スキュー補正部
Claims (7)
- 原稿の画像を読み取る画像読取部と、
前記画像読取部で読み取った画像データを一時的に記憶するページメモリと、
前記画像読取部で読み取った画像データを2値化する2値化回路と、
前記2値化した画像データから文字列の存在範囲にある文字画素をカウントして累積値を副走査方向のライン毎に算出し、前記文字列の存在範囲内で最初のラインと前記最初のラインの前記累積値とを表す第1の座標と、前記文字列の存在範囲内で最大の累積値と前記最大の累積値を有するラインとを表す第2の座標の位置をもとに前記画像データのスキュー量を算出するスキュー検出部と、
前記ページメモリに記憶した画像データを前記算出したスキュー量に応じて回転処理し、スキュー補正して出力するスキュー補正部と、
前記スキュー補正部でスキュー補正した画像データを出力する出力部と、
を具備した画像形成装置。 - 前記スキュー検出部は、
前記2値化回路によって2値化した画像データから文字列の存在範囲にある文字画素をカウントして累積値を副走査方向のライン毎に算出する累積算出部と、
前記文字列の存在範囲内で最初のラインと前記最初のラインの前記累積値とを表す第1の座標を算出する第1の座標算出部と、
前記文字列の存在範囲内で最大の累積値と前記最大の累積値を有するラインとを表す第2の座標を算出する第2の座標算出部と、
前記第1の座標と前記第2の座標の位置から前記原稿の傾きを表すスキュー量を算出するスキュー量算出部と、
を含む請求項1記載の画像形成装置。 - 前記累積算出部は、予め設定した行の文字列の画像データをもとに前記文字画素の累積値を副走査方向のライン毎に算出する請求項1記載の画像形成装置。
- 前記スキュー量算出部は、前記第1の座標の前記累積値をX1、そのライン数をY1とし、前記第2の座標の前記累積値をX2、そのライン数をY2として、(Y2−Y1)/(X2−X1)から前記スキュー量を算出する請求項2記載の画像形成装置。
- 前記スキュー量算出部は、文字列が存在する最初のラインにおいて、主走査方向の始端部分で文字画素が検出された場合と、終端部分で文字画素が検出された場合とで、前記画像データのスキューの向きを判断し、向きを示すデータ算出する請求項2記載の画像形成装置。
- 画像読取部で読み取った原稿の画像を処理するための画像処理プログラムであって、コンピュータに、
前記画像読取部で読み取った画像データをページメモリに一時的に記憶する機能と、
前記画像読取部で読み取った画像を2値化する2値化機能と、
前記2値化した画像データから文字列の存在範囲にある文字画素をカウントして累積値を副走査方向のライン毎に算出する累積機能と、
前記文字列の存在範囲内で最初のラインと前記最初のラインの前記累積値とを表す第1の座標と、前記文字列の存在範囲内で最大の累積値と前記最大の累積値を有するラインとを表す第2の座標を算出する座標算出機能と、
前記第1の座標と前記第2の座標の位置から前記原稿の傾きを表すスキュー量を算出するスキュー量算出機能と、
前記ページメモリに記憶した画像データを前記算出したスキュー量に応じて回転処理し、スキュー補正して出力するスキュー補正機能と、
を実現させるための画像処理プログラム。 - 前記スキュー量算出機能は、前記第1の座標の前記累積値をX1、そのライン数をY1とし、前記第2の座標の前記累積値をX2、そのライン数をY2として、(Y2−Y1)/(X2−X1)から前記スキュー量を算出する請求項6記載の画像処理プログラム。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
US201161493732P | 2011-06-06 | 2011-06-06 | |
US61/493,732 | 2011-06-06 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012253776A true JP2012253776A (ja) | 2012-12-20 |
Family
ID=47526091
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012128956A Pending JP2012253776A (ja) | 2011-06-06 | 2012-06-06 | 画像形成装置及び画像処理プログラム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012253776A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015082716A (ja) * | 2013-10-22 | 2015-04-27 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像読取装置及び画像形成装置 |
CN105599463A (zh) * | 2014-11-13 | 2016-05-25 | 精工爱普生株式会社 | 输送装置以及记录装置 |
JP6200040B1 (ja) * | 2016-06-17 | 2017-09-20 | 株式会社Pfu | 画像処理装置、画像処理方法、および、プログラム |
-
2012
- 2012-06-06 JP JP2012128956A patent/JP2012253776A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015082716A (ja) * | 2013-10-22 | 2015-04-27 | 富士ゼロックス株式会社 | 画像読取装置及び画像形成装置 |
CN105599463A (zh) * | 2014-11-13 | 2016-05-25 | 精工爱普生株式会社 | 输送装置以及记录装置 |
JP6200040B1 (ja) * | 2016-06-17 | 2017-09-20 | 株式会社Pfu | 画像処理装置、画像処理方法、および、プログラム |
US9848104B1 (en) | 2016-06-17 | 2017-12-19 | Pfu Limited | Image-processing apparatus, method, and computer program product for correcting skew in scanned images |
JP2017225090A (ja) * | 2016-06-17 | 2017-12-21 | 株式会社Pfu | 画像処理装置、画像処理方法、および、プログラム |
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