JP5645689B2 - 画像処理装置及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像データに対して、裏写りを補正(除去)する画像処理装置、複合機、複写機等の画像形成装置に関する。
両面印刷された原稿をスキャナで読み取ると、裏写りが、画像データに含まれることがある。「裏写り」とは、読取面の裏面の内容(例えば、文字)が、読取面の画像データに現れることである。裏写りは、裏面の高濃度部分や、光源の照射強度や、用紙の透けの程度などの要因に起因して生ずる。裏写り部分は、読取面の内容(原稿)の再現性を低下させ、複写物を見づらくし、画質を劣化させる。そこで、裏写りを除去する画像処理が行われることがある。
このような裏写り除去の一手法を示す画像処理装置が特許文献1に記載されている。具体的に、特許文献1には、原稿の表面の画像と裏面の画像を読み取り、読み取った表面の画像データと裏面の画像データをメモリに蓄積し、蓄積した画像データを出力するとき、出力する画像データの各画素毎に隣接する画素との濃度の差分から濃度変化を示す平面度を検出し、検出した平面度が一定値以下であり、かつ濃度が一定値以下の画像データの濃度を変更して裏写り画像を消去する画像処理装置が記載されている。この構成により、複雑なアルゴリズムを使わず、簡単な処理で裏うつり画像を消去しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0029]等参照)。
特開2001−346046号公報
原稿の用紙色は白色が多い。そのため、原稿を読み取って得られた画像データでは、原稿の紙自体(下地、地肌)に相当する画素が、濃度的に一番明るくなる場合が多い。そして、裏写り部分は、紙自体の濃度よりも、やや高い濃度で画像データに現れやすいことが(経験的に)確認されている。言い換えると、紙の濃度を若干濃くした濃度帯に裏写り部分が存在していることが多い。
そこで、画像データ内の各画素の画素値についてヒストグラムを生成し、裏写り除去処理を行うことがある。例えば、ヒストグラムで、ピークの位置の画素値を紙自体の濃度(画素値)と定める。そして、紙自体の濃度と定めた画素値を中心として、一定範囲の画素値の画素を、一律、紙自体の画素値に変換する裏写り除去処理がなされることがある。
一方、画像データにおいて、例えば、裏写りではない低濃度の部分(中間調部分。例えば、薄いグレー)も、紙自体の濃度の濃度に近くなる場合がある。そのため、裏写り除去処理の画像処理により、低濃度部分に対し、濃度変換処理を行ってしまう場合がある。特に、画像データの原稿が、写真や図柄などを含むとき、裏写り除去処理を行うと、薄い部分が白色に置き換えられ、滑らかな階調表現が失われる場合もある。
ここで、低濃度の部分は、原稿で網点として表現されている場合がある。そして、意図的に網点として表現された領域の画像データでは、分散値が高くなる特徴が確認されている。言い換えると、網点での点部分(濃い画素)は、印刷機での予め定められたパターンに従い配列され、規則的、周期的となる。ところが、従来、裏写り除去処理に関し、分散値に着目した裏写り除去は、行われていないという問題がある。
尚、特許文献1記載の発明をみると、検出した平面度が一定値以下であり、かつ濃度が一定値以下の画像データの濃度を変更して裏うつり画像を消去するので、低濃度部分が同じ濃度に一律に変換されてしまう可能性がある。又、分散値に着目したものではない。従って、特許文献1記載の発明では、上記の問題を解決することはできない。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、分散値に着目して裏写り除去処理を行い、画像データから適切に裏写り部分を除去することを課題とする。
上記課題解決のため、請求項1に係る画像処理装置は、原稿の画像データを装置に入力するための画像入力部と、画像データに含まれる画素のうち、注目画素を定める注目画素設定部と、前記注目画素設定部により定められた注目画素を含む一定範囲の領域の分散値を求める分散値演算部と、前記分散値演算部の演算結果が、網点として表現された部分への裏写り除去処理がなされないように予め定められた分散基準値以下である注目画素を裏写り画素と定める裏写り画素設定部と、前記裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行う裏写り補正部と、を含む。
この構成によれば、裏写り画素設定部は、分散値演算部の演算結果が、予め定められた分散基準値以下のとき、注目画素を裏写り画素と定め、裏写り画素設定部により定められた裏写り画素に対して、裏写り除去処理がなされる。これにより、分散値が小さいところが裏写り画素(裏写り部分)と定められる。従って、分散値に着目して裏写り除去処理を行い、適切に裏写り除去を行うことができる。又、低濃度のため、原稿で網点として表現された部分への裏写り除去処理を防ぎ、網点として残すことができる。
、請求項1の発明において、前記注目画素設定部は、画像データに含まれる各画素の画素値のうち最高濃度を示す画素値よりも、予め定められた差以下の画素値の画素を注目画素と定めることとした。
裏写り部分は、紙の濃度よりやや濃い濃度として現れることが多いところ、この構成によれば、注目画素設定部は、画像データに含まれる各画素の画素値のうち、最高濃度を示す画素値よりも、予め定められた差以下の画素値の画素を注目画素と定める。これにより、注目画素に裏写り部分を確実に含めることができる。又、有る程度、高濃度の画素は注目画素から外すことができ、注目画素数を減らし、処理高速化を図ることもできる。
なお、前記注目画素設定部は、画像データに含まれる各画素の画素値のうち、出現頻度が最も大きい画素値を基準とした所定範囲内の画素値の画素を注目画素と定めるようにしてもよい
裏写り部分は、紙の濃度よりやや濃い濃度として現れることが多いところ、この構成によれば、注目画素設定部は、画像データに含まれる各画素の画素値のうち、出現頻度が最も大きい画素値を基準とした所定範囲内の画素値の画素を注目画素と定める。これにより、出現頻度が最も大きい画素値を用紙の濃度と認定しつつ、注目画素に裏写り部分を確実に含めることができる。又、有る程度、紙の濃度と濃度差がある画素は、注目画素から外すことができ、注目画素数を減らして、処理の高速化を図ることもできる。
又、請求項に係る発明は、原稿の画像データを装置に入力するための画像入力部と、画像データに含まれる画素のうち、注目画素を定める注目画素設定部と、前記注目画素設定部により定められた注目画素を含む一定範囲の領域の分散値を求める分散値演算部と、前記分散値演算部の演算結果が、網点として表現された部分への裏写り除去処理がなされないように予め定められた分散基準値以下である注目画素を裏写り画素と定める裏写り画素設定部と、前記裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行う裏写り補正部と、画像データ全体を分割した領域内の全画素数に対する前記裏写り画素の比率を求める比率演算部を含み、前記裏写り補正部は、分割された複数の前記領域のうち、画素数に対する前記裏写り画素の比率が予め定められた基準比率以下の比率となった領域に含まれる裏写り画素に対し、裏写り除去処理を行わないこととした。
裏写り除去処理は、裏写り部分以外の部分(画素)に対して処理を施してしまう虞があるところ、この構成によれば、裏写り補正部は、比率演算部が演算した比率に基づき、裏写り除去処理の実行の可否を定める。これにより、求められた比率が、基準比率以下で、裏写り部分が狭く、原稿の再現性や見やすさに影響がないほどであれば、あえて、裏写り除去処理を行わないようにすることができる。尚、「基準比率」は、任意に定めることができるが、原稿の再現性や、見やすさに影響がないかに基づき定めることができる。
前記裏写り補正部は、前記画像データのうち、予め定められた第1領域にある前記裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行い、予め定められた第2領域にある前記裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行わないようにしてもよい。
この構成によれば、裏写り補正部は、画像データのうち、予め定められた第1領域にある裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行い、予め定められた第2領域にある裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行わない。これにより、画像データのうち、決まった領域に含まれる画素に対してのみ裏写り除去処理を行うようにすることができる。
尚、画像データのうち、どの部分を第1領域、第2領域とするかは任意に定めることができるが、裏写り除去の必要性の観点から定めてもよい。例えば、画像データの端縁から一定幅のロ字状の領域を第2領域(例えば、余白部分)とし、第2領域の内側を第1領域としてもよい。これにより、目立ちやすい中央部分の裏写り部分は除去し、原稿の再現性や見やすさにおいて、影響が弱い周辺部分の裏写り部分に対しては、裏写り除去処理を行わなくて済む。
又、請求項に係る画像形成装置は、請求項1又は2に記載の画像処理装置を含むこととした。
この構成によれば、画像形成装置は、分散値に着目して画像データから適切に裏写り部分を除去できる。
上述したように、本発明によれば、分散値が小さいところを裏写り画素(裏写り部分)と定め、分散値に着目して裏写り除去処理を行い、適切に裏写り除去を行う画像処理装置、画像形成装置を提供することができる。特に、低濃度で、網点として表現された部分に対して裏写り除去処理を施すことがない画像処理装置、画像形成装置を提供することができる。
第1の実施形態に係る複合機の一例を示す模型的断面図である。 第1の実施形態の複合機のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る複合機での画像データの処理を説明するためのブロック図である。 第1の実施形態に係る裏写り除去処理の概要を示す説明図である。 第1の実施形態に係る裏写り除去処理を説明するためのヒストグラムである。 第1の実施形態に係る裏写り除去処理の詳細設定画面である。 (a)〜(c)は、第1の実施形態に係る裏写り除去処理の形態の一例を示す説明図である。 第1の実施形態に係る画像処理装置、複合機での裏写り除去処理の流れの一例を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る裏写り除去処理を説明するためのヒストグラムである。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図8を参照し、画像処理装置1を含む複合機100(画像形成装置に相当)を例に挙げて説明する。但し、実施の形態に記載される構成、配置等の各要素は、発明の範囲を限定するものではなく単なる説明例にすぎない。
(複合機100の概要)
まず、図1を用いて、本発明の第1の実施形態に係る複合機100を説明する。図1は本発明の第1の実施形態に係る複合機100の一例を示す模型的断面図である。
図1に示すように、最上部には原稿を抑える原稿カバー101が設けられ、複合機100本体内には、画像読取部2(画像入力部に相当)、給紙部3a、搬送路3b、画像形成部4a、定着部4b等が設けられる。
原稿カバー101は、複写時、原稿台としての画像読取部2の上面に設けられたコンタクトガラス21に載置された原稿を抑える。そのため、原稿カバー101は、図1の紙面奥側に支点を有し、上下方向に開閉可能である。
画像読取部2は、原稿を読み取り、原稿の画像データを生成する。そして、画像読取部2の上面にコンタクトガラス21が設けられ、又、画像読取部2内には第1移動枠221に露光用のランプ23、第1ミラー241が設けられ、第2移動枠222に第2ミラー242と第3ミラー243が設けられる。コンタクトガラス21に載置された原稿を読み取るとき、第1移動枠221と第2移動枠222を、各移動枠に接続されるワイヤ251を巻取ドラム252で巻き取ることで、水平方向に移動させる。そして、各ミラーにより、原稿に照射した光の反射光をレンズ26に入射する。レンズ26は、反射光をイメージセンサー27(例えば、CCD)に導く。これら光学系部材を用い、載置された原稿に光を照射し、その原稿の反射光を受けたイメージセンサー27の各画素の出力値をA/D変換し、画像データが生成される。
給紙部3aは、記録媒体としての複数の用紙(例えば、コピー用紙、再生紙、OHPシート等の各種用紙)を収容し、印刷時、1枚ずつ搬送路3bに送り込む。給紙部3aは、用紙が積載され、着脱可能なカセット31を含む(本実施形態では、31a、31bの2台)。給紙ローラー32(32a、32bの計2本)が、各カセット31に設けられる。印刷するとき、いずれかの給紙ローラー32は、回転駆動して、搬送路3bに用紙を1枚ずつ送り出す。
搬送路3bは、給紙部3aから給紙された用紙を搬送する通路である。そして、搬送路3bに、用紙の案内のためのガイド板33や、用紙搬送時に回転駆動する複数の搬送ローラー対34(図1では、上方から、34a、34bの計2本を図示)や、搬送される用紙を画像形成部4aの手前で待機させ、トナー像の転写タイミングに合わせ用紙を送り出すレジストローラー対35等が設けられる。
画像形成部4aは、画像データに基づきトナー像を形成し、搬送される用紙にトナー像を転写する。そこで、画像形成部4aの各構成及びトナー像形成プロセスを説明する。回転駆動可能に支持された感光体ドラム41が、画像形成部4aの略中心に設けられる。帯電装置42は、所定の電位で感光体ドラム41を帯電させる。露光装置43は、感光体ドラム41に、レーザ光を画像データに基づき点灯、消灯させつつ照射して(走査・露光して)、画像データに対応した静電潜像を形成する。現像装置44はトナーを供給し、静電潜像をトナー像として現像する。転写ローラー45は、感光体ドラム41に圧接してニップを形成する。このニップに用紙とトナー像が進入したとき、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が転写ローラー45に印加される。その結果、トナー像は、用紙に転写される。清掃装置46は、転写後に感光体ドラム41に残った残トナー等を清掃して、次のトナー像形成に備える。
定着部4bは、用紙に転写されたトナー像を定着させる。本実施形態の定着部4bは、発熱体を内蔵する加熱ローラー47と加圧ローラー48を含む。加熱ローラー47と加圧ローラー48は圧接しニップを形成する。そして、このニップを通過すると、用紙上のトナーが溶融・加熱される。その結果、トナー像が用紙に定着する。トナー定着後の用紙は、排出トレイ36に排出される。コピー機能、プリンタ機能の利用時、一連の画像形成処理(印刷)が行われる。
(複合機100のハードウェア構成)
次に、図2に基づき、本発明の第1の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成を説明する。図2は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
まず、制御部5が、複合機100内に設けられる。制御部5は、複合機100の動作の制御を司る。例えば、制御部5は、CPU51、記憶部52、画像処理部7、等を含む。尚、制御部5は、全体制御や画像処理を行うメイン制御部と、画像形成処理を行う部分を制御し、例えば、印刷のため各種回転体を回転させるモーター等のON/OFF等を制御するエンジン制御部等、機能ごとに分割して複数種設けられてもよい。
CPU51は、中央演算処理装置である。CPU51は、記憶部52に格納され、展開される制御プログラムに基づき複合機100の各部を制御する。画像処理部7は、画像読取部2で読み取られた画像データや、外部から入力された画像データや、外部に送信する各種画像処理を施す。記憶部52は、ROM、RAM、HDD等の不揮発性と揮発性の記憶装置を組み合わせて構成される。この記憶部52は、複合機100の制御用プログラム、制御用データ、設定データ、画像データ等の各種データを記憶できる。
そして、制御部5は、操作パネル6、画像読取部2、給紙部3a、搬送路3b、画像形成部4a、定着部4b等の各部と信号線等で接続され、複合機100の動作を制御する。
操作パネル6は、例えば、複合機100の正面上方に設けられる。そして、操作パネル6は、複合機100の状態や、各種メッセージや、機能の選択、設定などを行うためのキーを1又は複数表示する液晶表示部61を有する。液晶表示部61には、タッチパネル部62が設けられる。タッチパネル部62は、液晶表示部61で押された位置の座標を認識する。制御部5は、タッチパネル部62による座標認識と、液晶表示部61に表示された画面、画像の画像データを照らし合わせ、各種設定入力の内容を認識する。
更に、制御部5は、各種コネクタ、ソケット等を備えた通信部8(画像入力部に相当)と接続される。通信部8は、ネットワーク等を介して複数のコンピューター200(例えば、パーソナルコンピュータやサーバ。図3では便宜上1つのみ図示)と通信可能である。又、通信部8は、公衆回線を介して、相手方のFAX装置300と通信可能である。例えば、画像読取部2で得られ、画像処理部7で処理された画像データをコンピューター200や相手方FAX装置300に送信することができる(スキャン機能、FAX機能)。又、コンピューター200や相手方FAX装置300から送信される画像データに基づき印刷、FAX送信等を行うこともできる(プリンタ機能、FAX機能)。
(画像データの処理の流れ)
次に、図3を用いて、本発明の第1の実施形態に係る複合機100での画像データの処理の流れの一例を説明する。図3は、本発明の第1の実施形態に係る複合機100での画像データの処理を説明するためのブロック図である。
まず、複合機100に画像データを入力する画像入力部として、複合機100には、画像読取部2、通信部8がある。
例えば、画像読取部2には、実際に画像読取部2での読み取りを制御するコントローラー20が設けられる。例えば、コントローラー20にはICやCPUなどが用いられる。操作パネル6でコピーやスキャンの実行指示がなされると、制御部5は、コントローラー20に原稿の読取実行指示を出す。コントローラー20は、読取実行指示を受けて、巻取モーターM2を動作させ、原稿照射用のランプ23を点灯させる。
又、コントローラー20は、イメージセンサー27を動作させる。イメージセンサー27は、例えば、ラインセンサーである。イメージセンサー27は各画素ごとに、反射光に応じたアナログ電圧(電流)を出力する(光電変換)。そして、図3に示すように、増幅部28aが各画素のアナログ電圧(電流)の増幅を行う。尚、イメージセンサー27に増幅機能が備え付けられていてもよい。
そして、A/D変換部28bは、各画素についてA/D変換を行い、ディジタルデータ化を行う。例えば、原稿をグレースケールで読み取るとき、A/D変換部28bは、アナログ電圧(電流)の大きさに応じて、各画素を8ビット(256階調。9ビット以上でもよい。)に量子化する。これにより、各画素に、濃度(明るさ)を示す画素値が付される。そして、以下では、グレースケールの画像データを用いて、裏写り除去処理などの各種画像処理を行う例を説明する。
尚、本実施形態のイメージセンサー27、増幅部28a、A/D変換部28bは、カラーでの読み取りに対応したものでもよい。カラーでの読み取りの場合、A/D変換部28bは、例えば、R(赤)、G(緑)、B(青)の各色を8ビット(計24ビット)で量子化する。尚、R、G、Bの各色の画像データから輝度を示す画像データ(グレースレール)を生成することが可能であるので、まず、R、G、Bの各色の画像データを生成した後、画像読取部2や画像処理部7で、グレースケールの画像データが生成されてもよい。
A/D変換部28bの出力は、補正部28cに入力される。補正部28cは、画像読取部2の読取特性(イメージセンサー27の各画素の個体差やランプ23の光量分布のばらつきなど)に起因する歪みを改善する。例えば、補正部28cは、シェーディング補正やγ補正等を行う。尚、画像処理部7で各種補正を行うならば、補正部28cは設けなくても良い。補正後の原稿の画像データは、例えば、画像処理部7に入力される。あるいは、記憶部52を経由した後、画像処理部7に与えられてもよい。
又、画像処理部7に対する画像データの入力先としては、通信部8がある。通信部8は、コンピューター200やFAX装置300から画像データを受信する。そして、通信部8は、受信した画像データを画像処理部7に与え、画像処理を行わせる。
又、画像処理部7に対する画像データの入力先としては、記憶部52もある。記憶部52は、画像読取部2での読み取りで得られた画像データや、通信部8で受信した画像データを蓄えておくことができる。例えば、蓄えられた画像データを利用する旨の操作、指示が操作パネル6になされると、記憶部52は、画像データを画像処理部7に送信する。
画像処理部7は、例えば、ASIC70や画像処理前や画像処理後の画像データを一時的に記憶する画像メモリー71を含む。ASIC70は、画像処理専用に設計された集積回路である。ASIC70は、各種画像処理(例えば、拡大、縮小、濃度変換など)を行うことができる。又、画像処理部7には、設定メモリー72が設けられる。設定メモリー72は、画像処理に関する各種のプログラムやデータを不揮発的に記憶する。ASIC70は、設定メモリー72の記憶内容を確認し、画像処理を行う。
裏写り除去処理用の回路として、注目画素設定部73、分散値演算部74、裏写り画素設定部75、裏写り補正部76、比率演算部77、文字認識部78が、画像処理部7内に設けられる。例えば、注目画素設定部73、分散値演算部74、裏写り画素設定部75、裏写り補正部76、比率演算部77、文字認識部78は、ハードウェア(専用回路)として、画像処理部7に設けることができる。又、注目画素設定部73、分散値演算部74、裏写り画素設定部75、裏写り補正部76、比率演算部77、文字認識部78は、ASIC70や画像メモリー71や、ASIC70に記憶される画像処理プログラムにより、機能的、ソフトウェア的に実現されてもよい。
本発明に係る画像処理装置1は、画像入力部(画像読取部2や通信部8)と裏写り除去処理を行う画像処理部7を含むので、本実施形態の複合機100は、画像処理装置1を含むと言える。言い換えると、画像処理装置1は、複合機100の一部を構成している。
そして、画像処理部7で画像処理がなされた画像データは、出力部79から出力される。画像データの出力先としては、露光装置43や、記憶部52や、通信部8がある。例えば、コピーやプリントのとき、画像データは、露光装置43に出力される。画像読取部2でスキャンした画像データを蓄積するとき、画像データは、記憶部52に出力される。又、コンピューター200やFAX装置300に送信するとき、画像データは、通信部8に出力される。画像データの利用態様は様々であるので、出力部79は、必要に応じて、画像データの形式変換処理を行ってもよい。
(裏写り除去処理の概要)
次に、図4を用いて、本発明の第1の実施形態に係る裏写り除去処理の一例を説明する。図4は、本発明の第1の実施形態に係る裏写り除去処理の概要を示す説明図である。
近年では、紙資源の有効活用の観点から、両面印刷が頻繁に行われている。しかし、両面印刷された原稿を読み取ると、読取面の裏面の内容も読み取ってしまうことがある。画像データ内での、裏面の内容が現れた部分が「裏写り」と呼ばれる部分となる。そして、裏写りの一例を、図4の上段の図に示している。尚、図4では、薄く現れた「AAAAA」の部分(楕円で囲む部分)が裏写り部分である。
従来、裏写りを除去するための画像処理は存在している。裏写り部分は、原稿の紙の色に薄く重なるように、紙の色よりも若干濃く、現れることが多い。そこで、例えば、画像データ中の紙の色を定め、定めた紙の色に近い画素値(例えば、256階調であれば、用紙の画素値±5〜10)を有する画素を、同じ画素値(例えば、用紙の画素値)に変換する裏写り除去処理がなされる。
しかし、このような処理であると、もともと読取面で、濃度が薄く、網点として表現される部分も、裏写りではないのに、処理対象となる。そのため、例えば、原稿内での低濃度(例えば、薄いグレー)部分が除去されることがあった。例えば、図4の例で言えば、図の背景や、ボディー部分の網点に対し、裏写り除去処理がなされることがあった。しかし、このような画像処理は、過剰な裏写り除去処理であり、原稿の再現性が損なわれる。そこで、本実施形態の画像処理装置1、複合機100は、図4の下段の図に示すように、低濃度部分(網点表現)を損なうことなく、的確に裏写り除去処理を行う。
(裏写り除去処理)
次に、図3、図5を用いて、本発明の第1の実施形態に係る裏写り除去処理の詳細を説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る裏写り除去処理を説明するためのヒストグラムである。
本発明の裏写り除去を行うため、画像処理部7には、注目画素設定部73、分散値演算部74、裏写り画素設定部75、裏写り補正部76、比率演算部77、文字認識部78等が設けられる(図3参照)。
まず、注目画素設定部73は、画像データに含まれる画素のうち、演算の対象となる画素(注目画素)を設定する。注目画素設定部73は、例えば、図5に示すように、画像データに含まれる画素の画素値とその個数を示すヒストグラムを生成する。図5は、例えば、原稿を画像読取部2で読み取って得られた256階調(0〜255)の画像データのヒストグラムの一例を示している。
そして、注目画素設定部73は、ヒストグラムにおける最高濃度の画素値よりも、予め定められた差(以下、「所定差Δ」という)以下の薄い(明るい)画素を注目画素と定める。これは、裏写り部分は、薄く現れる場合が多いためである。尚、所定差Δは任意に定めることができる。又、例えば、最高濃度が高いほど所定差Δを大きくするなど、画像データにおける最高濃度の値に応じて複数種類の所定差Δが設けられてもよい。即ち、注目画素設定部73は、画像データに含まれる各画素の画素値のうち、最高濃度を示す画素値よりも、予め定められた差(所定差Δ)以下の画素値の画素を注目画素と定める。
次に、分散値演算部74が、各注目画素を中心とした一定範囲について、注目画素ごとに分散値を計算する。一定範囲は任意に定められるが、例えば、注目画素を中心として、3×3、5×5、7×7、9×9など、奇数ドット×奇数ドットの範囲とすることができる。
分散値演算部74は、例えば、以下の式に基づき分散値を求める。
(式)
分散値=1/(n−1)×((X−Xa)+(X−Xa)+・・・+(X−Xa)
但し、n=一定範囲の画素の個数
Xa=一定範囲内の画素の画素値の平均値
Xn=一定範囲に含まれる各画素の画素値
裏写り画素設定部75は、求められた分散値と、予め定められた分散基準値に基づき、注目画素が裏写り部分か否かを判断する処理を行う。分散基準値は、裏写り画素設定部75内や画像処理部7内の設定メモリー72に不揮発的に記憶されている。
そもそも分散値は、データの広がり、ばらつきの程度を示す値である。一方、網点として表現された部分は、規則的にドットが分散される。又、網点として表現された部分(網点として印刷された部分)は、同じ濃度であれば、周期的なドット分布となる。従って、原稿にて網点として印刷された部分の分散値は高くなる。
そこで、裏写り画素設定部75は、演算により求められた分散値と、分散基準値を比較する。そして、裏写り画素設定部75は、分散基準値以下であれば(それほどばらついていなければ)注目画素を裏写り画素と定める。一方、裏写り画素設定部75は、分散基準値を越えていれば(ばらついていれば)注目画素を裏写り画素でないと定める。尚、分散基準値は、任意に定められる値であるが、画像読取部2の機種ごとの差などを考慮しつつ、繰り返しの実験等によって、好適な値が定められる。
裏写り補正部76は、裏写り画素設定部75が裏写り画素と定めた画素に対して、裏写り除去処理を行う。例えば、裏写り補正部76は、画像データのヒストグラムを生成し、ヒストグラムでのピークのうち、最も色が薄い(明るい)ピークの画素値を紙の色に定める。そして、裏写り補正部76は、裏写り画素の画素値を、紙の色と定めた画素値に変換して、裏写り除去処理を行う。あるいは、裏写り補正部76は、裏写り画素の画素値を予め定められた値だけ明るくする画像処理を行うようにしてもよい。
(裏写り除去処理の詳細設定)
次に、図3、図6、図7を用いて、本発明の第1の実施形態に係る裏写り除去処理での詳細設定を説明する。図6は、本発明の第1の実施形態に係る裏写り除去処理の詳細設定画面9である。図7(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係る裏写り除去処理の形態の一例を示す説明図である。
使用者は、操作パネル6を操作して、図6に示す詳細設定画面9を液晶表示部61に表示させることができる。この詳細設定画面9では、裏写り除去処理の詳細を設定することができる。
例えば、図6に示すように、画像データのうち、周辺の領域に存在する裏写り画素に対し、裏写り除去処理を行うか否かを設定することができる。この設定項目に関し、YesキーK1とNoキーK2が設けられる。例えば、液晶表示部61は、選択されている状態のキーを白黒反転状態(黒背景、白文字)で表示する(以下、同様)。
図7(a)を用いて、周辺領域の裏写り画素に対する裏写り除去処理を説明する。図7(a)に示すように、画像データを中央部分の第1領域R1と、周辺部分の第2領域R2に分ける。画像データの端縁から何ドットの幅の領域を第2領域R2とするかは予め定められる。例えば、画像データの端縁から数mm〜数cm(例えば、2〜3cm)の幅分のドット分だけ、第2領域R2とする設定を画像処理部7内の設定メモリー72が記憶する。そして、ロ字状の内側が第1領域R1となる。
第2領域R2では、余白に相当する場合が多く、中央部分の第1領域R1に比べて、裏写り除去処理を行う必要性が劣る。又、第2領域R2の裏写り部分は除去しなくても、読みやすさの点で問題がない場合もある。そこで、第2領域R2について裏写り除去処理を行わない設定がなされると、画像処理部7(注目画素設定部73、分散値演算部74、裏写り画素設定部75、裏写り補正部76)は、第2領域R2に関し、処理を行わない。これにより、処理速度の向上を図ることができる。
即ち、裏写り補正部76は、画像データのうち、予め定められた第1領域R1にある裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行い、予め定められた第2領域R2にある裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行わない。
又、例えば、図6に示すように、画像データのうち、有る範囲(領域)の全画素数に対する裏写り画素の比率が小さいと、裏写り除去処理を行わないように設定することができる。これにより、相対的に見て、裏写り画素が見づらいほど多くなければ、裏写り除去処理をスキップする。
この設定項目に関し、YesキーK3とNoキーK4が設けられる。又、画像データの全体に対して裏写り画素の比率を求めるようにするときに押される全体キーK5や、画像データを分割して細分化した各領域に対して裏写り画素の比率を求めるようにするときに押される一部キーK6が設けられる。
そして、図3に示すように、比率を求める演算を行う部分として、比率演算部77が設けられる。操作パネル6での設定に合わせ、比率演算部77は、領域内の画素数に対する裏写り画素数の比率を求める。
図7(b)を用いて、比率演算に基づく、裏写り除去処理を説明する。図7(b)に示すように、一部キーK6が押されていると、比率演算部77は、例えば、画像データを矩形に複数の領域に分割したそれぞれの領域について(図7(b)の例では、画像データを42個の領域に分割)、領域内の全画素数に対する裏写り画素数の比率を求める。一方、全体キーK5が押されていれば、比率演算部77は、画像データの全画素数に対する裏写り画素数の比率を求める。
そして、裏写り補正部76は、求められた比率が、あらかじめ定められた基準比率以下のとき、裏写りが見やすさに与える影響は少ないため、その領域又は全体に対し、裏写り除去処理を行わない。裏写り除去処理は、裏写りで無い部分の画素を誤って変換してしまう可能性がある。しかし、本設定によれば、裏写りが少ないと、裏写り除去処理を行わない。これにより、過剰に裏写り除去処理がなされることを抑えることができる。尚、裏写り除去処理を行わない場合でも、画像処理部7のうち、注目画素設定部73、分散値演算部74、裏写り画素設定部75が処理を行う。
即ち、画像処理装置1は、画像データ全体の画素数に対する裏写り画素の比率、又は、画像データを分割した領域内の全画素数に対する裏写り画素の比率を求める比率演算部77を有し、裏写り補正部76は、画像データ全体の画素数に対する裏写り画素の比率が、予め定められた基準比率以下であるとき裏写り除去処理を行わない、あるいは、予め定められた基準比率以下の比率となった領域に含まれる裏写り画素に対し、裏写り除去処理を行わない。
又、例えば、図6に示すように、画像データのうち、文字に近接する裏写り画素に対しては、裏写り除去処理を行わないように設定することができる。これにより、文字の一部に対して誤って、裏写り除去処理を施してしまうことを避けることができる。この設定項目に関し、YesキーK7とNoキーK8が設けられる。
そして、図3に示すように、文字部分RTを認識する部分として、文字認識部78が設けられる。文字認識部78は、例えば、エッジ強調の画像処理を行い、エッジ部分をつないで文字の輪郭を認識し、画像データ中の文字部分RTを認識する。あるいは、文字認識部78は、パターンマッチングや、既存のOCR(Optical Character Recognition)技術を用いてもよい。このように、文字認識部78は、画像データ中の文字部分RTの領域を認識、特定する。
図7(c)を用いて、文字認識を行ったうえでの、裏写り除去処理を説明する。図7(c)では、画像データ中の一部を拡大している。そして、文字認識部78は、図7(c)で拡大して示すように各文字を認識する。そして、文字認識部78は、例えば、図7(c)で破線で示すように、文字部分RTを認識する。尚、本例では、文字認識部78は、複数の文字をひとかたまりの文字部分RTとして認識する例を説明するが、1文字ごとに、文字が占める領域を判定してもよい。
そして、裏写り補正部76は、文字と認識した領域から離れている裏写り画素に対してのみ裏写り除去を行う。例えば、図7(c)の例では、裏写り補正部76は、「信」の文字の上に位置する点状の裏写り画素に対し、裏写り除去処理を行う。一方で、裏写り補正部76は、「信」の文字における「口」内の裏写り画素を除去しない。又、例えば、裏写り補正部76は、領域に接する裏写り画素も除去しないようにしてもよい。これにより、文字の一部か、裏写り部分かを判定しづらい場合があるところ、過剰に裏写り除去処理がなされることを抑えることができる。尚、裏写り除去処理を行わない場合でも、画像処理部7のうち、注目画素設定部73、分散値演算部74、裏写り画素設定部75が処理を行う。
即ち、画像データのうち、文字部分RTを認識する処理を行う文字認識部78を有し、裏写り補正部76は、裏写り画素のうち、文字部分RTに含まれる、及び/又は、文字部分RTに接する裏写り画素に対し、裏写り除去処理を行わない。
これらの詳細設定画面9での各種設定内容は、OKキーK9が押されると記憶される。例えば、裏写り除去処理での詳細設定を画像処理部7の設定メモリー72が記憶する。あるいは、設定内容を記憶部52に記憶させておき、画像処理部7が記憶部52のデータを確認するようにしてもよい。
(裏写り除去処理の流れ)
次に、図8に基づき、本発明の第1の実施形態の画像処理装置1、複合機100での裏写り除去処理の流れの一例を説明する。図8は、本発明の第1の実施形態に係る画像処理装置1、複合機100での裏写り除去処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、スタートは、裏写り除去処理を行おうとする時点である。例えば、画像読取部2で両面印刷された原稿を読み取って得た画像データや、通信部8で受信した画像データに基づき、印刷や送信や記憶部52への蓄積を行おうとする時点である。尚、操作パネル6にて、裏写り除去処理を行うか否かを設定可能とし、複合機100(画像処理装置1)が裏写り除去処理モードとされたときのみ、裏写り除去処理がなされるようにしてもよい。
まず、複合機100(画像処理装置1)に対し、画像データが入力される(ステップ♯1)。そして、画像処理部7は、裏写り除去処理に関する設定を確認する。例えば、画像処理部7は、設定メモリー72や記憶部52に記憶された裏写り除去処理に関する設定を読み出す。以後、設定にあわせて、必要に応じて、以下の処理がなされる。
そして、注目画素設定部73は、画像データに含まれる画素のうち、注目画素を設定する(ステップ♯2)。次に、分散値演算部74が、各注目画素について、分散値を演算する(ステップ♯3)。更に、演算されたそれぞれの分散値に基づき、裏写り画素設定部75は、各注目画素が裏写り画素で有るか否かを判定する(ステップ♯4)。
次に、裏写り補正部76は、裏写り画素と判定された画素に対し、裏写り除去処理を行う(ステップ♯5)。即ち、画像処理装置1は、原稿の画像データを装置に入力するための画像入力部(画像読取部2、通信部8)と、画像データに含まれる画素のうち、注目画素を定める注目画素設定部73と、注目画素設定部73により定められた注目画素を含む一定範囲の領域の分散値を求める分散値演算部74と、分散値演算部74の演算結果が、予め定められた分散基準値以下のとき、注目画素を裏写り画素と定める裏写り画素設定部75と、裏写り画素設定部75により定められた裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行う裏写り補正部76と、を含む。尚、設定により、裏写り補正部76は、裏写り画素と判定された画素に対して裏写り除去処理を行わないことがある。
そして、画像処理部7(の出力部79)は、画像データを出力する(ステップ♯6)。これにより、1ページ分の画像データに対する裏写り除去処理が完了する(エンド)。そして、新たに画像データに対し裏写り除去処理を行う場合、ステップ♯1から再度処理が実行される。
このようにして、本実施形態の画像処理装置1によれば、裏写り画素設定部75は、分散値演算部74の演算結果が、予め定められた分散基準値以下のとき、注目画素を裏写り画素と定め、裏写り画素設定部75により定められた裏写り画素に対して、裏写り除去処理がなされる。これにより、分散値が小さいところが裏写り画素(裏写り部分)と定められる。従って、分散値に着目して裏写り除去処理を行い、適切に裏写り除去を行うことができる。又、低濃度のため、原稿で網点として表現された部分への裏写り除去処理を防ぎ、網点として残すことができる。
又、裏写り部分は、紙の濃度よりやや濃い濃度として現れることが多いところ、注目画素設定部73は、画像データに含まれる各画素の画素値のうち、最高濃度を示す画素値よりも、予め定められた差以下の画素値の画素を注目画素と定める。これにより、注目画素に裏写り部分を確実に含めることができる。又、有る程度、高濃度の画素は注目画素から外すことができ、注目画素数を減らし、処理高速化を図ることもできる。
又、裏写り除去処理は、裏写り部分以外の部分(画素)に対して処理を施してしまう虞があるところ、裏写り補正部76は、比率演算部77が演算した比率に基づき、裏写り除去処理の実行の可否を定める。これにより、求められた比率が、基準比率以下で、裏写り部分が狭く、原稿の再現性や見やすさに影響がないほどであれば、あえて、裏写り除去処理を行わないようにすることができる。尚、「基準比率」は、任意に定めることができるが、原稿の再現性や、見やすさに影響がないかに基づき定めることができる。
又、裏写り補正部76は、画像データのうち、予め定められた第1領域R1にある裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行い、予め定められた第2領域R2にある裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行わない。これにより、画像データのうち、決まった領域に含まれる画素に対してのみ裏写り除去処理を行うようにすることができる。尚、画像データのうち、どの部分を第1領域R1、第2領域R2とするかは任意に定めることができるが、裏写り除去の必要性の観点から定めてもよい。例えば、画像データの端縁から一定幅のロ字状の領域を第2領域R2(例えば、余白部分)とし、第2領域R2の内側を第1領域R1としてもよい。これにより、目立ちやすい中央部分の裏写り部分は除去し、原稿の再現性や見やすさにおいて、影響が弱い周辺部分の裏写り部分に対しては、裏写り除去処理を行わなくて済む。
又、文字部分RTに近ければ、裏写りと認められた部分(画素)は、文字の一部である可能性がある。そこで、裏写り補正部76は、裏写り画素のうち、文字部分RTに含まれる、及び/又は、文字部分RTに接する裏写り画素に対し、裏写り除去処理を行わない。これにより、裏写り除去処理によって、誤って文字部分RTを補正、除去してしまうことを防ぐことができる。又、画像形成装置(例えば、複合機100)は、分散値に着目して画像データから適切に裏写り部分を除去できる。
(第2の実施形態)
次に、図9を用いて、本発明の第2の実施形態を説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係る裏写り除去処理を説明するためのヒストグラムである。
第1の実施形態では、画像データの最高濃度に対し、所定差Δ以下の画素値の画素を注目画素とする例を説明した。第2の実施形態は、出現頻度が最も大きい画素値を基準とした予め定められた範囲(以下、所定範囲W)の画素値の画素を注目画素と定める点で異なる。
尚、第2の実施形態は、注目画素の定め方の点で第1の実施形態と異なる。しかし、第2の実施形態の複合機100、画像処理装置1は、第1の実施形態と、ハードウェア構成や画像処理部7での処理などの点で同様でよい。そこで、第2の実施形態において、第1の実施形態と共通する部分の説明、図示は、特に説明する場合を除き省略する。
本実施形態でも、注目画素設定部73は、画像データに含まれる画素のうち、演算の対象となる画素(注目画素)を設定する。注目画素設定部73は、例えば、図9に示すように、画像データに含まれる画素の画素値とその個数を示すヒストグラムを生成する。図9は、例えば、原稿を画像読取部2で読み取って得られた256階調の画像データのヒストグラムの一例を示している。
そして、画像データでは、原稿の紙の色が下地色(地肌色)として、最も高い頻度で現れることが多い(特に、文字原稿)。このような原稿のとき、裏写り部分は、原稿の用紙色に薄くのる形で現れやすい。
そこで、本実施形態では、注目画素設定部73は、用紙色と認められる再頻出の画素値を定め、再頻出の画素値を基準として、注目画素を定める。具体的に、図9に示すように、注目画素設定部73は、再頻出の画素値を基準として、所定範囲Wにある画素を注目画素と定める。これにより、裏写り部分を確実に注目画素に含ませることができる。
即ち、注目画素設定部73は、画像データに含まれる各画素の画素値のうち、出現頻度が最も大きい画素値を基準とした所定範囲W内の画素値の画素を注目画素と定める。
このようにして、裏写り部分は、紙の濃度よりやや濃い濃度として現れることが多いところ、本実施形態の発明によれば、注目画素設定部73は、画像データに含まれる各画素の画素値のうち、出現頻度が最も大きい画素値を基準とした所定範囲W内の画素値の画素を注目画素と定める。これにより、出現頻度が最も大きい画素値を用紙の濃度と認定しつつ、注目画素に裏写り部分を確実に含めることができる。又、有る程度、紙の濃度と濃度差がある画素は、注目画素から外すことができ、注目画素数を減らして、処理の高速化を図ることもできる。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、画像読取部2などの画像入力部と画像処理部7を有する画像処理装置1や、画像形成装置に利用可能である。
1 画像処理装置 2 画像読取部(画像入力部)
7 画像処理部 73 注目画素設定部
74 分散値演算部 75 裏写り画素設定部
76 裏写り補正部 77 比率演算部
78 文字認識部 8 通信部(画像入力部)
100 複合機(画像形成装置) Δ 所定差
W 所定範囲

Claims (3)

  1. 原稿の画像データを装置に入力するための画像入力部と、
    画像データに含まれる画素のうち、注目画素を定める注目画素設定部と、
    前記注目画素設定部により定められた注目画素を含む一定範囲の領域の分散値を求める分散値演算部と、
    前記分散値演算部の演算結果が、網点として表現された部分への裏写り除去処理がなされないように予め定められた分散基準値以下である注目画素を裏写り画素と定める裏写り画素設定部と、
    前記裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行う裏写り補正部と、を含み
    前記注目画素設定部は、画像データに含まれる各画素の画素値のうちの最高濃度を示す画素値との差が予め定められた差以下の画素値の画素を注目画素と定めることを特徴とする画像処理装置。
  2. 原稿の画像データを装置に入力するための画像入力部と、
    画像データに含まれる画素のうち、注目画素を定める注目画素設定部と、
    前記注目画素設定部により定められた注目画素を含む一定範囲の領域の分散値を求める分散値演算部と、
    前記分散値演算部の演算結果が、網点として表現された部分への裏写り除去処理がなされないように予め定められた分散基準値以下である注目画素を裏写り画素と定める裏写り画素設定部と、
    前記裏写り画素に対して、裏写り除去処理を行う裏写り補正部と、
    画像データ全体を分割した領域内の全画素数に対する前記裏写り画素の比率を求める比率演算部と、を含み、
    前記裏写り補正部は、分割された複数の前記領域のうち、画素数に対する前記裏写り画素の比率が予め定められた基準比率以下の比率となった領域に含まれる裏写り画素に対し、裏写り除去処理を行わないことを特徴とする画像処理装置。

  3. 請求項1又は2に記載の画像処理装置を含むことを特徴とする画像形成装置。
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