JP2012211244A - エポキシ樹脂接着剤組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エポキシ樹脂主剤とアミン硬化剤を含む繊維強化積層用接着剤組成物であって多官能(メタ)アクリレートを含むこと、アミン硬化剤が脂環式アミンであること、エポキシ樹脂接着剤組成物の硬化物のガラス転移温度が60℃以上であること、硬化物の60℃下での圧縮強度が50MPa以上であることである。
【選択図】なし
Description
一方、コンクリート構造物の置かれる環境により、接着剤の要求される耐熱性が異なる。炎天下等の温度上昇がある道路や、橋梁、鋼製柱等はその構成により、補強積層の温度上昇の恐れが有り、高い耐熱性が要求される。特に鋼床版の補強は最も高い例である。この鋼床版、鋼製梁等の鋼製構造物の補強に使用しうる耐熱性が得られる接着剤を課題としている。すなわち 低温高湿度下での接着作業と硬化環境で、再接着性が高く、硬化物の耐熱性、硬化物の高温での強度物性が得られる接着剤組成物を課題とする。
本発明に使用する多官能(メタ)アクリレートはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が上げられる。3官能以上が好ましく、さらに好ましくは(メタ)アクリレート当たりの分子量が低いものが良く、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが、少量で低温高湿下再接着性を改善される。(メタ)アクリル基当たりの分子量が122以下が好ましく、さらに好ましくは88〜105である。エポキシ樹脂硬化剤の種類によるが効果が得られる最低量に安全率を加味した添加量を適宜選択する。市販製品例として東亞合成(株)アロニックスM−402(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物)等がある。
含浸・接着作業時に液状のエポキシ樹脂であればよく、単独或いは複数を混合し作業適性に適う配合とする。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂化合物、ビスフェノールF型エポキシ樹脂化合物、ビスフェノールS型エポキシ樹脂化合物、ビフェニル型エポキシ樹脂化合物、ナフタレン型エポキシ樹脂化合物、ノボラック型エポキシ樹脂化合物、ジグリシジルレゾルシノール、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂化合物、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、トリグリシジルアミノクレゾール、テトラグリシジルキシレンジアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂化合物、ビニルシクロヘキセンジエポキシドなどの脂環式エポキシ樹脂化合物が挙げられる。この他エポキシ化ノボラック樹脂等の多官能エポキシ樹脂、密着性や可撓性を改善したウレタン変性エポキシ樹脂、ブタジエン変性エポキシ樹脂等適宜組み合わせて使うことができる。また、これらに1官能以上の反応性希釈剤を組み合わせて使うこともできる。エポキシ樹脂主材組成物としてはビスフェノールA型エポキシ樹脂化合物或いは、ビスフェノールF型エポキシ樹脂化合物が適し、エポキシ樹脂中の60重量%以上配合することが好ましい。
硬化剤はアミン化合物を適宜使用できる。脂肪族アミン、芳香族アミン等を使用できるが、接着組成物の耐熱性を上げるには脂環式アミンが好ましく。脂環式アミンとしては3,3’−ジメチルジ(シクロヘキシルアミン)、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、ノルボルネンジアミン等を上げることができる。さらに好ましくは、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタンが低温高湿度下再接着性と耐熱性のバランスが良い。市販品としてアンカミン2049、アンカミン2264(以上 エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ、商品名)、アミキュアPACM(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ、商品名、ビス(パラアミノシクロヘキシル)メタン)がある。硬化促進剤として第3級アミンを使うことができ2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、3−(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアミン、N,N-ジメチルピペラジン、トリエチレンジアミンなどが上げられ、中でも 2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールが硬化促進作用が高く、可使時間が長い。市販製品として K−54(エア・プロダクツ・アンド・ケミカルズ、商品名)、DMP−30(ローム・アンド・ハース社 、商品名)等がある。その他の硬化配合物としてはメタキシレンジアミン硬化剤、フェノール系促進剤が、硬化速度をあげるため或いは硬化条件の緩和に有益に使用することができる。
本発明接着剤組成物を耐熱性が必要な鋼床版、鋼製梁、鋼製柱等の鋼製構造物の補強に使用するにはガラス転移温度が60℃以上が好ましい。さらに好ましくは強度が担保されていることが必要で23℃7日間と50℃3日静置後の硬化物の60℃下での圧縮強度が50MPa以上であれば、鋼製構造物の炎天下環境でも使用できる。圧縮強度は引張強度より安定した数値が得られ、指標として好ましい。
実施例1の主剤配合のアロニックスM−309をアロニックスM−211B(東亞合成工業(株)、商品名、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAのアクリル酸エステル、アクリル官能基2、官能基当たりの分子量256)とした以外実施例1と同じに行い比較例1の接着剤組成物とした。
実施例1の主剤配合のアロニックスM−309をアロニックスM−113(東亞合成工業(株)、商品名、アルキル・フェノールのエチレンオキサイド付加物のアクリル酸、アクリル官能基1、官能基当たりの分子量452)とした以外実施例1と同じに行い比較例2の接着剤組成物とした。
主剤として、jER828を53.4重量部、アデカグリシロールED−503を11.3重量部、アロニックスM−402を無配合とし、アエロジルRY200Sを2.0重量部とし、硬化剤としてアデカハードナーEH-4199−4を33.3重量部、アミキュアPACMを無配合とし、主剤と硬化剤を混合し、比較例3の接着剤組成物とした。
主剤として、jER828を55.2重量部、アデカグリシロールED−503を11.7重量部、アロニックスM−402を無配合とし、アエロジルRY200Sを2.1重量部とし、硬化剤としてアデカハードナーEH-4199−4を24.8重量部、アミキュアPACMを6.2重量部を配合し、主剤と硬化剤を混合し、比較例4の接着剤組成物とした。
主剤として、jER828を57.2重量部、アデカグリシロールED−503を12.1重量部、アロニックスM−402を無配合とし、アエロジルRY200Sを2.1重量部とし、硬化剤としてアデカハードナーEH-4199−4を20.0重量部、アミキュアPACMを8.6重量部を配合し、主剤と硬化剤を混合し、比較例5の接着剤組成物とした。
主剤として、jER828を59.9重量部、アデカグリシロールED−503を12.8重量部、アロニックスM−402を無配合とし、アエロジルRY200Sを2.3重量部とし、硬化剤としてアデカハードナーEH-4199−4を17.5重量部、アミキュアPACMを7.5重量部を配合し、主剤と硬化剤を混合し、比較例6の接着剤組成物とした。
比較例6のアデカハードナーEH-4199−4を15重量部、アミキュアPACMを10.0重量部とした以外比較例6と同じに行い比較例7の接着剤組成物とした。
主剤として、jER828を57.3重量部、アデカグリシロールED−503を12.1重量部、アロニックスM−402を無配合とし、アエロジルRY200Sを2.1重量部とし、硬化剤としてアデカハードナーEH-4199−4を17.1重量部、アミキュアPACMを11.4重量部を配合し、主剤と硬化剤を混合し、比較例8の接着剤組成物とした。
比較例8のアデカハードナーEH-4199−4を14.3重量部、アミキュアPACMを14.2重量部とした以外比較例8と同じに行い比較例9の接着剤組成物とした。
主剤として、jER828を48.5重量部、アデカグリシロールED−503を10.3重量部、アロニックスM−402を6.1重量部、アエロジルRY200Sを1.8重量部を配合し、硬化剤としてアデカハードナーEH-4199−4を33.3重量部、アミキュアPACMを無配合とし、主剤と硬化剤を混合し、参考例1の接着剤組成物とした。
モルタルブロック(70×70×20mm)に実施例・比較例・参考例の接着剤組成物の各塗布量は0.5kg/m2とし、炭素繊維シートはリペラーク MRK−M2−20(三菱樹脂(株)、商品名、目付量200g/m2)を使用し、下記条件にて行い、90°強制剥離を行い、界面破壊状況を確認した。数値は0〜10の整数で 10は界面破壊なし、0はすべて界面破壊のものとし、、その比率に応じて 個々の条件の評価値とした。また、3条件の評価値の平均を示した。○は実使用可能、○*は安全率により使用可能、×は実使用に不向きと判断した。
*1 5℃相対湿度70%の3.3m2床面積の恒温恒湿槽内にあるデシケータ(内寸W285xD275xH485、アクリル製)に下部に50℃の温水を入れた容器を置き、デシケータの蓋をして温水が5℃になるまで(3〜5時間)放置する。このデシケータ内の相対湿度は90%であった。槽内に24時間以上静置したモルタルブロックに各接着剤組成物を塗り、直ちに前記デシケータに入れて7日間静置し、硬化させた。これを取り出し、槽内で3時間静置し表面に水分がないことを確認し、前記と同じ接着剤組成物を塗布し、炭素繊維シートを貼付し槽内(5℃)7日静置し、硬化させ、さらに40℃1日硬化させた。これを常温に戻し、剥離試験を行った。
*2 *1で温水を入れないで、*1と同じに行った。デシケータ内の相対湿度は70%であった
*3 *1のデシケータに入れず、槽内で行った以外*1と同じに行った。槽内の相対湿度の実測は70〜90%であった。
接着組成物を23℃7日間硬化させたものをJIS K6911 (5.19)に準じ、23℃で圧縮強さを測定した。MPa単位
5℃下で、ガラス板に実施例・比較例の接着剤組成物を1mm厚で塗布し、塗布後20時間で指触乾燥したものを○、前記以外を×とした。
ThermoPlus2((株)リガク、商品名、熱機械分析装置(TMA))にて昇温速度5℃/分にて求めた。
Claims (5)
- エポキシ樹脂主剤とアミン硬化剤を含む繊維強化積層用接着剤組成物であって多官能(メタ)アクリレートを含むことを特徴とする常温硬化エポキシ樹脂接着剤組成物。
- 前記 アミン硬化剤が脂環式アミンを含むことを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂接着剤組成物。
- 前記エポキシ樹脂接着剤組成物の硬化物のガラス転移温度が60℃以上であることを特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載の補強用エポキシ樹脂接着剤組成物。
- 前記エポキシ樹脂接着剤組成物の硬化物の60℃下での圧縮強度が50MPa以上であることを特徴とする請求項1乃至2いずれかに記載の補強用エポキシ樹脂接着剤組成物。
- 鋼製構造物の繊維補強を使途とする請求項1乃至4いずれかに記載の補強用エポキシ樹脂接着剤組成物。
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