JP2012172726A - 軸受、モータ装置及びロボット装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸受と回転軸との間での当該回転軸の径方向の相対的な変動を低減すること。
【解決手段】軸受は、回転軸の周面に対向する対向面を有する回転軸支持部と、前記周面と前記対向面との間に配置された複数の転動部と、を備える。前記対向面は少なくとも一つの不連続部を有し、前記少なくとも一つの不連続部の少なくとも一部は前記回転軸の軸方向とは異なる方向に形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】軸受は、回転軸の周面に対向する対向面を有する回転軸支持部と、前記周面と前記対向面との間に配置された複数の転動部と、を備える。前記対向面は少なくとも一つの不連続部を有し、前記少なくとも一つの不連続部の少なくとも一部は前記回転軸の軸方向とは異なる方向に形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、軸受、モータ装置及びロボット装置に関する。
例えば旋回系機械を駆動させるアクチュエータとして、モータ装置が用いられている。(例えば、特許文献1参照)このようなモータ装置として、例えば電動モータや超音波モータなど、高トルクを発生させることが可能なモータ装置が広く知られている。また、モータ装置は、回転軸を回転駆動させる駆動部と、回転軸を回転可能に支持する軸受とを備える構成となっている(例えば、特許文献2参照)。
このようなモータ装置において、例えば軸受と回転軸との間に隙間が形成されている場合や、軸受が弾性変形する場合などには、軸受と回転軸とが回転軸の径方向(ラジアル方向)に相対的に移動する場合がある。このような相対移動はモータ装置の安定した駆動の妨げとなる。
近年では、ヒューマノイドロボットの関節部分など、より精密な部分を駆動させるモータ装置が求められており、電動モータや超音波モータなどの既存のモータにおいてもトルクの制御性等、細密で高精度な駆動を行うことができる構成が求められている。また、例えば上述のようなモータ装置において、軸受と回転軸との間における回転軸の径方向への相対的な変動は回避されることが求められている。
しかしながら、上述のようなモータ装置の構成においては、例えば、軸受の剛性を大きくすると軸受の回転抵抗が大きくなるために、又は、軸受の回転抵抗を小さくすると軸受の剛性が小さくなるために、軸受と回転軸との間における回転軸の径方向への相対的な変動が生じてしまう場合がある。
以上のような事情に鑑み、本発明は、軸受と回転軸との間での当該回転軸の径方向の相対的な変動を低減することが可能な軸受、モータ装置及びロボット装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様に従えば、回転軸の周面に対向する対向面を有する回転軸支持部と、前記周面と前記対向面との間に配置された複数の転動部と、を備え、前記対向面は少なくとも一つの不連続部を有し、前記少なくとも一つの不連続部の少なくとも一部は前記回転軸の軸方向とは異なる方向に形成されている、軸受が提供される。
本発明の第二の態様に従えば、回転軸を回転駆動させる駆動部と、当該回転軸を回転可能に支持する軸受とを備え、当該軸受として、本発明の第一の態様に従う軸受が用いられているモータ装置が提供される。
本発明の第三の態様に従えば、回転軸部材と、当該回転軸部材を回転させるモータ装置とを備え、当該モータ装置として、本発明の第二の態様に従うモータ装置が用いられているロボット装置が提供される。
本発明によれば、軸受と回転軸との間での当該回転軸の径方向の相対的な変動を低減することが可能となる。
[第1実施形態]
以下、図面に基づき、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るモータ装置MTRの一例を示す概略構成図である。図2は、図1におけるA−A´断面に沿った構成を示す図である。
以下、図面に基づき、本発明の第1実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るモータ装置MTRの一例を示す概略構成図である。図2は、図1におけるA−A´断面に沿った構成を示す図である。
図1及び図2に示すように、モータ装置MTRは、回転軸SFと、当該回転軸SFに対して回転駆動力を伝達させる伝達基板TSと、回転駆動力を発生させる駆動基板DSと、伝達基板TS及び駆動基板DSを保持する軸受基板HSと、駆動基板DSによる回転駆動を制御する制御装置CONTとを有している。モータ装置MTRは、回転軸SFに対して伝達基板TS、駆動基板DS及び軸受基板(軸受)HSが取り付けられた構成である。回転軸SFは、例えば円筒状に形成されている。
以下、各図の説明においてはXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。回転軸SFの軸方向をZ軸方向とし、当該Z軸方向に垂直な平面上の直交方向をそれぞれX軸方向及びY軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸周りの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
回転軸SFのZ方向のほぼ中央部には、駆動基板DSが例えば2つ重ねて配置されている。当該2つの駆動基板DSに対してZ軸方向の両側(+Z側及び−Z側)には、伝達基板TSが例えば2つずつ重ねて設けられている。2つの駆動基板DS及び4つの伝達基板TSはそれぞれZ軸方向において接触しており、基板位置決め部材AL(図1参照)によって連結されている。
基板位置決め部材ALの一部は連結体の+Z方向及び−Z方向にそれぞれはみ出しており、当該はみ出した部分には軸受基板HSが連結されている。このように一体的に設けられた駆動基板DS及び伝達基板TSの連結体は、1対の軸受基板HSによって挟みこまれた構成になっている。軸受基板HSは、回転軸SFを回転可能に支持する機能と共に、駆動基板DS及び伝達基板TSがZ軸方向にずれないように保持するストッパとしての機能を有している。
図2に示すように、回転軸SFは、伝達基板TSに囲まれる部分に拡径部11を有し、駆動基板DSに囲まれる部分に縮径部12を有している。拡径部11は、例えば軸受基板HSに支持される部分に比べて、径が大きくなっている部分である。縮径部12は、例えば軸受基板HSに支持される部分に比べて、径が小さくなっている部分である。回転軸SFは、拡径部11及び縮径部12を含めた部分において共通の回転軸Cを有している。
軸受基板HSは、例えば、転動部材(転動部)15を介して回転軸SFを回転可能に支持している。図1に示すように、軸受基板HSは、回転軸SFの外周面SFaとの間に転動部材15を平行に配置することで回転軸SFを回転可能に支持する構成となっている。転動部材15は、円筒状又は円柱状に形成されており、回転軸SFの外周面SFaの一周に亘って複数設けられている。なお、転動部材15は、回転軸SFの軸方向と異なる方向に配置されてもよい。また、転動部材15は、例えば、ニードルベアリング、テーパローラベアリングやクロスローラベアリングに用いられるころ部材(例、円柱状部材、円筒状部材)、ボールベアリングに用いられる玉状部材、などが用いられる。また、本実施形態における転動部材15は、回転軸SFの周面と該周面に対向する対向面50aとに相互に線又は点で接触するように配置されている。例えば、転動部材15が回転軸SFの周面と該周面に対向する対向面50aとに相互に線で接触する場合、回転軸SFの周面と対向面50aとに対する転動部材15の接触面積が大きいため、本実施形態における軸受は高い剛性を得ることができる。
図3は、軸受基板HSをXY平面に平行な平面で切った状態を示す断面図である。
図3に示すように、軸受基板HSは、金属材料や樹脂材料などを用いて板状に形成されている。軸受基板HSは、中央開口部50、第一開口部51、第二開口部52及び第三開口部53を有している。中央開口部50は、軸受基板HSのXY方向の中央部に形成されている。中央開口部50は、Z方向に軸受基板HSを貫通して形成されたZ方向視で円形の貫通穴である。中央開口部50は、回転軸SFを貫通させる部分である。
図3に示すように、軸受基板HSは、金属材料や樹脂材料などを用いて板状に形成されている。軸受基板HSは、中央開口部50、第一開口部51、第二開口部52及び第三開口部53を有している。中央開口部50は、軸受基板HSのXY方向の中央部に形成されている。中央開口部50は、Z方向に軸受基板HSを貫通して形成されたZ方向視で円形の貫通穴である。中央開口部50は、回転軸SFを貫通させる部分である。
中央開口部50の内周面は、回転軸SFの周面に対向する対向面50aとなる。また、軸受基板HSのうち中央開口部50の周縁部は、回転軸SFを保持する支持部(回転軸支持部)61となる。したがって、本実施形態では、支持部61は、板状部材である軸受基板HSの一部に形成された構成となっている。支持部61は、例えば弾性変形可能な寸法に形成されている。なお、本実施形態における対向面50aは、回転軸SFの周面に平行に形成されている。
第一開口部51、第二開口部52及び第三開口部53は、中央開口部50の周方向に沿って例えば等しい角度ずつずれた位置に配置されている。第一開口部51、第二開口部52及び第三開口部53は、それぞれ軸受基板HSをZ方向に貫通して形成されている。第一開口部51は、X方向を長手方向とするように形成されている。第一開口部51の長手方向の寸法は、中央開口部50の径とほぼ等しくなっている。第二開口部52及び第三開口部53は、それぞれZ方向視で円形に形成されている。
支持部61の対向面50aは、当該対向面50aにおいて不連続な部分となる少なくとも1つの不連続部57aを有する。また、少なくとも1つの不連続部57aの少なくとも一部は、回転軸SFの軸方向とは異なる方向に形成されている(例、後述の図4など参照)。また、支持部61は、不連続部57aの少なくとも一部を含み、対向面50aに接する中央開口部50から対向面50aとは反対側の面に接する第一開口部51まで形成された第一の隙間領域(第一切り欠き部)57を有している。第一切り欠き部57は、支持部61のうち中央開口部50から第一開口部51までの部分を第一部分61aと第二部分61bとに分断するように形成されている。第一部分61aと第二部分61bとは、第一切り欠き部57を挟んで対向して配置されている。また、第一部分61aと第二部分61bとは、少なくとも一部の対向面50aを有し、対向面50aにおいて不連続部57aを挟んで配置されている。なお、本実施形態における隙間領域57は、切り欠きによって形成されているが、例えば支持部61の部材を分離することによって形成されてもよい。また、例えば、本実施形態における隙間領域57は、支持部61が少なくとも2つの部材で構成される場合、その2つの部材を用いて形成されてもよい。また、本実施形態における隙間領域57は、所定部分まで連通させた貫通領域であるが、少なくとも一部が溝領域であってもよい。
不連続部57a又は第一切り欠き部57が設けられていることにより、支持部61が当該不連続部57a又は当該第一切り欠き部57を起点として変形する構成となっている。また、例えば軸受基板HSの材料が上記のような金属材料や樹脂材料である場合などには、支持部61が弾性変形しやすくなる。
例えば、第一部分61aと第二部分61bとの位置関係(例、距離など)については、ボルト部材(締結部材)BL及びボルト挿入部58を有する調整部ADによって調整される。ボルト部材BLは、軸受基板HSの+X側に形成されたボルト挿入部58から支持部61側へ向けて挿入されている。ボルト部材BLは、第一部分61aと第二部分61bとの間を貫通するように当該第一部分61aと第二部分61bとを固定する。ボルト部材BLによる固定状態を調整することにより、第一部分61aと第二部分61bとの距離が調整可能となっている。
図4は、図3におけるB−B´断面に沿った構成を示す図である。
図4に示すように、不連続部57aは、回転軸SFの軸方向(Z方向)と直交する方向視(例、Y方向視)において、回転軸SFの軸方向とは異なる方向に形成されている。なお、本実施形態における不連続部57aの少なくとも一部は、回転軸SFの軸方向と直交する方向視において軸方向に対して傾斜させて形成してもよいし、又は、回転軸SFの軸方向と直交する方向視において軸方向に対して所定の角度を有して形成してもよい。また、例えば、本実施形態における不連続部57aは、当該不連続部57aのうち少なくとも一部が軸方向と異なる方向に形成されている構成であればよい。また、図3、4に示すように、回転軸SFの回転軸方向(Z方向)視では、第一切り欠き部57は、対向面50aの円周方向に沿って形成されている。なお、軸方向視(Z方向視)において、第一切り欠き部57が円弧状に形成されている構成であっても構わない。第一切り欠き部57は、中央開口部50に挿入される回転軸SFの外周形状に倣うように形成されている。また、図4に示すように、支持部61は、第一切り欠き部57に接する面を有する第一部分61aと第二部分61bとを備える。図4に示すように、第一部分61aにおける第一切り欠き部57に接する面の少なくとも一部は、対向面50aに対して傾斜している。また、第二部分61bにおける第一部分61aにおける第一切り欠き部57に接する面の少なくとも一部は、対向面50aに対して傾斜している。
図4に示すように、不連続部57aは、回転軸SFの軸方向(Z方向)と直交する方向視(例、Y方向視)において、回転軸SFの軸方向とは異なる方向に形成されている。なお、本実施形態における不連続部57aの少なくとも一部は、回転軸SFの軸方向と直交する方向視において軸方向に対して傾斜させて形成してもよいし、又は、回転軸SFの軸方向と直交する方向視において軸方向に対して所定の角度を有して形成してもよい。また、例えば、本実施形態における不連続部57aは、当該不連続部57aのうち少なくとも一部が軸方向と異なる方向に形成されている構成であればよい。また、図3、4に示すように、回転軸SFの回転軸方向(Z方向)視では、第一切り欠き部57は、対向面50aの円周方向に沿って形成されている。なお、軸方向視(Z方向視)において、第一切り欠き部57が円弧状に形成されている構成であっても構わない。第一切り欠き部57は、中央開口部50に挿入される回転軸SFの外周形状に倣うように形成されている。また、図4に示すように、支持部61は、第一切り欠き部57に接する面を有する第一部分61aと第二部分61bとを備える。図4に示すように、第一部分61aにおける第一切り欠き部57に接する面の少なくとも一部は、対向面50aに対して傾斜している。また、第二部分61bにおける第一部分61aにおける第一切り欠き部57に接する面の少なくとも一部は、対向面50aに対して傾斜している。
また、第一切り欠き部57は、軸受基板HSの中央開口部50の周方向(すなわち、回転軸SFの周方向:θZ方向)に対して傾いて形成されている。図4には、一例として、中央開口部50における中心線αよりも+X側の位置から、第一開口部51における中心線αよりも−X側の位置まで、+Z方向に向けて形成されている。したがって、第一切り欠き部57によって間隔を空けて分断される第一部分61a及び第二部分61bは、Z方向視で少なくとも一部同士が重なった状態となっている。
図3に示すように、軸受基板HSは、第一開口部51と第二開口部52とを接続する第一溝部55、及び、第二開口部52と第三開口部53とを接続する第二溝部56を有している。第一溝部55及び第二溝部56は、中央開口部50の周方向に沿って形成されている。
第一開口部51から第一溝部55、第二開口部52、第二溝部56を順に経由して第三開口部53に至る部分の第二隙間領域(第二切り欠き部)54は、Z方向視において、中央開口部50の周方向に沿って形成される円環の一部の形状に形成されている。第二切り欠き部54が形成されていることにより、支持部61の一部が軸受基板HSの他の部分と切り離された状態となる。したがって、支持部61の一部が弾性変形しやすい構成となる。なお、Z方向視において、第二切り欠き部54が円弧状、くの字状又はコの字状に形成されている構成であっても構わない。第二切り欠き部54は、中央開口部50に挿入される回転軸SFの外周形状に倣うように形成されている。なお、本実施形態における第二隙間領域54は、切り欠きによって形成されているが、例えば支持部61の部材を分離することによって形成されてもよい。また、例えば、本実施形態における第二隙間領域54は、支持部61が少なくとも2つの部材で構成される場合、その2つの部材を用いて形成されてもよい。また、本実施形態における第二隙間領域54は、所定部分まで連通させた貫通領域であるが、少なくとも一部が溝領域であってもよい。
次に、モータ装置MTRの駆動系の構成を説明する。
図5は、駆動基板DSの構成を示す平面図である。
駆動基板DSは、例えばステンレス等の材料を用いて矩形の板状に形成されている。駆動基板DSは、図中+Y方向の端部に支持部47を有している。当該支持部47のX方向中央部には、−Y方向に延びるように接続部46が形成されており、接続部46の−Y方向の先端には、駆動ベース部45が形成されている。駆動ベース部45には、駆動部ACが保持されている。
図5は、駆動基板DSの構成を示す平面図である。
駆動基板DSは、例えばステンレス等の材料を用いて矩形の板状に形成されている。駆動基板DSは、図中+Y方向の端部に支持部47を有している。当該支持部47のX方向中央部には、−Y方向に延びるように接続部46が形成されており、接続部46の−Y方向の先端には、駆動ベース部45が形成されている。駆動ベース部45には、駆動部ACが保持されている。
駆動部ACは、例えばピエゾ素子などの電気機械変換素子を備えた駆動素子31及び32を有している。駆動素子31及び駆動素子32は、電気機械変換素子に電圧が印加されることにより、Y方向に伸縮する構成である。制御装置CONTは駆動部ACに接続されており、当該駆動部ACに対して制御信号を供給可能になっている。なお、駆動部ACは、磁歪素子、電磁石、VCM(ボイスコイルモータ)などを用いる構成であっても構わない。
駆動素子31及び32は、駆動ベース部45によってそれぞれ貫通部40から外れた位置で保持されている。貫通部40と駆動素子31及び32との間は、例えば接続部46を介して離間している。駆動素子31及び32は、貫通部40に対してX方向に対象な位置に配置されている。当該駆動素子31及び32は、それぞれ−Y側の端部を保持されている。駆動素子31及び32は−Y側端部のY方向の位置が固定されるため、伸縮する際には+Y側端部がY方向に移動することとなる。当該駆動素子31の+Y側の端部は可動部41の接続面41aに接続されている。また、当該駆動素子32の+Y側の端部は可動部42の接続面42aに接続されている。駆動素子31及び32が伸縮することにより、接続面41a及び接続面42aに対して+Y側に押圧力が加えられたり、−Y側に引きつける力が加えられたりするようになっている。
駆動基板DSの接続部46には、Z方向視でほぼ中央部に貫通部40が形成されている。貫通部40は、Z方向視でほぼ円形に形成された開口部であり、駆動基板DSの表裏を貫通して形成されている。貫通部40には、回転軸SFの縮径部12が挿入される。駆動基板DSには、当該貫通部40の他、例えば開口部30A〜30D及び開口部35が形成されている。
開口部30A〜30Dは、駆動基板DSの4つの角部にそれぞれ設けられており、各々例えば円形に形成されている。開口部30A〜30Dは、連結部材CNが挿入される。開口部35は、例えば駆動基板DSの4つの角部に1つずつ配置されている。各開口部35には、例えば基板位置決め部材ALが挿入される。
4つの開口部35のうち、例えば+Y側の2つの角部に配置される開口部35C及び開口部35Dは、それぞれ開口部30C及び30Dへ向けて突出部を有している。また、開口部35Cには−X側の辺に到達する切り込み部が形成されており、開口部35Dには+X側の辺に到達する切り込み部が形成されている。
このため、例えば可動部41は、開口部35Cと開口部30Cとの間の支持部43によって支持部47に支持されることになる。同様に、可動部42は、開口部35Dと開口部30Dとの間の支持部44によって支持部47に支持されることになる。当該構成により、可動部41は支持部43を中心にθZ方向に回動可能であり、可動部42は支持部44を中心にθZ方向に回動可能である。
図6は、伝達基板TSの構成を示す平面図である。
伝達基板TSは、例えばステンレス等の材料を用いて矩形の板状に形成されている。伝達基板TSには、Z方向視でほぼ中央部に貫通部10が形成されている。貫通部10は、Z方向視でほぼ円形に形成された開口部であり、伝達基板TSの表裏を貫通して形成されている。貫通部10には、回転軸SFの拡径部11が挿入される。伝達基板TSには、当該貫通部10の他、例えば開口部20A〜20D、伝達部BT、接続部24A、24B及び開口部25が形成されている。
伝達基板TSは、例えばステンレス等の材料を用いて矩形の板状に形成されている。伝達基板TSには、Z方向視でほぼ中央部に貫通部10が形成されている。貫通部10は、Z方向視でほぼ円形に形成された開口部であり、伝達基板TSの表裏を貫通して形成されている。貫通部10には、回転軸SFの拡径部11が挿入される。伝達基板TSには、当該貫通部10の他、例えば開口部20A〜20D、伝達部BT、接続部24A、24B及び開口部25が形成されている。
開口部20A〜20Dは、伝達基板TSの4つの角部にそれぞれ設けられており、各々例えば円形に形成されている。開口部20A〜20Dは、連結部材CNが挿入されている。例えば、開口部20A及び上記駆動基板DSの開口部30Aには、同一の連結部材CNが挿入される。また、開口部20B及び開口部30Bには、同一の連結部材CNが挿入される。
伝達部BTは、ベルト部23、第一端部21及び第二端部22を有している。
ベルト部23は、貫通部10によって形成された壁部10aに沿って例えば帯状に形成され、例えば弾性変形可能な程度の厚さに形成されている。ベルト部23は、貫通部10に挿入される回転軸SFを囲うように配置される。換言すると、回転軸SFは、貫通部10のうちベルト部23によって囲まれる空間に挿入される。ベルト部23は、例えば回転軸SFの周面(例、外周面、内周面)のうち少なくとも一部に掛けることができるようになっている。
ベルト部23は、貫通部10によって形成された壁部10aに沿って例えば帯状に形成され、例えば弾性変形可能な程度の厚さに形成されている。ベルト部23は、貫通部10に挿入される回転軸SFを囲うように配置される。換言すると、回転軸SFは、貫通部10のうちベルト部23によって囲まれる空間に挿入される。ベルト部23は、例えば回転軸SFの周面(例、外周面、内周面)のうち少なくとも一部に掛けることができるようになっている。
ベルト部23には、複数の切り込み部23aが形成されている。切り込み部23aは、例えばベルト部23の外周面(内周部10aに対向する面)に形成されている。切り込み部23aは、例えばベルト部23の長手方向(内周部10aに沿った方向)の全体に亘ってほぼ等間隔に形成されている。切り込み部23aは、回転軸SFの周方向へのベルト部23の変形又は移動を促進する。
ベルト部23の第一端部21は、接続部24Aを介して開口部20Aに接続されている。接続部24Aは、開口部20Aに対して+X方向に延在し、更に伝達基板TSのX方向の中央部よりも−X側の位置において+Y方向に伸び、第一端部21に接続されている。ベルト部23の第二端部22は、接続部24Bを介して開口部20Bに接続されている。接続部24Bは、開口部20Bに対して−X方向に延在し、更に伝達基板TSのX方向の中央部よりも+X側の位置において+Y方向に伸び、第二端部22に接続されている。
第一端部21及び第二端部22は、回転軸SFの外周上の基準位置Fを挟んで配置されている。本実施形態では、例えば図1における回転軸SFの−Y側端部を基準位置Fとした構成となっている。また、開口部20A及び20Bは、それぞれ第一端部21、第二端部22及び基準位置Fを挟む位置に設けられている。このため、連結部材CNは、第一端部21、第二端部22及び基準位置Fを挟む位置で伝達基板TSに連結されていることになる。
開口部20C及び20Dは、開口部20A及び20Bに比べて径が大きくなるように形成されている。このため、開口部20C及び20Dに挿入された連結部材CNは、伝達基板TSに対して押圧力を加えることなく開口部20C及び20D内で移動することが可能となる。開口部25は、例えば伝達基板TSの4つの角部に1つずつ配置されている。各開口部25には、例えば基板位置決め部材ALが挿入される。
図5に示す駆動基板DSにおいて、駆動素子31及び32が伸びる方向に変形すると、駆動素子31及び32の各+Y側端部が+Y側に移動し、接続面41a及び42aが+Y方向に押圧される。この押圧力により、可動部41は支持部43を中心にθZ方向(図5の反時計回りの方向)に回動し、可動部41に設けられた開口部30Aの位置が+X方向に移動する。よって、開口部30Aに挿入される連結部材CNは+X方向に移動する。また、可動部42は、支持部44を中心にθZ方向(図5の時計回りの方向)に回動し、可動部42に設けられた開口部30Bの位置が−X方向に移動する。よって、開口部30Bに挿入される連結部材CNは−X方向に移動する。
また、駆動素子31及び32が縮む方向に変形すると、駆動素子31及び32の各+Y側端部が−Y側に移動し、接続面41a及び42aが−Y方向に引き付けられる。この引き付けの力により、可動部41は支持部43を中心にθZ方向(図5の時計回りの方向)に回動し、可動部41に設けられた開口部30Aの位置が−X方向に移動する。よって、開口部30Aに挿入される連結部材CNは−X方向に移動する。また、可動部42は、支持部44を中心にθZ方向(図5の反時計回りの方向)に回動し、可動部42に設けられた開口部30Bの位置が+X方向に移動する。よって、開口部30Bに挿入される連結部材CNは+X方向に移動する。
また、図6に示す伝達基板TSにおいては、例えば開口部20Aに挿入された連結部材CNが+X方向に移動すると、接続部24Aが当該連結部材CNに押されて+X方向に移動する。接続部24Aが+X方向に移動すると、第一端部21は当該移動に伴って+X方向に移動する。また、開口部20Aに挿入された連結部材CNが−X方向に移動すると、接続部24Aが当該連結部材CNに引っ張られて−X方向に移動する。接続部24Aが−X方向に移動すると、第一端部21は当該移動に伴って−X方向に移動する。
接続部24Bは、例えば開口部20Bに挿入された連結部材CNが−X方向に移動すると、当該連結部材CNに押されて−X方向に移動する。接続部24Bが−X方向に移動すると、第二端部22は当該移動に伴って−X方向に移動する。また、開口部20Bに挿入された連結部材CNが+X方向に移動すると、当該連結部材CNに引っ張られて+X方向に移動する。接続部24Bが+X方向に移動すると、第二端部22は当該移動に伴って+X方向に移動する。
したがって、例えば駆動素子31及び32が共に伸びると、第一端部21と第二端部22とが近づく。このため、ベルト部23が回転軸SF(拡径部11)に巻きつき、当該ベルト部23に張力が加わる。また、例えば駆動素子31及び32が共に縮むと、第一端部21と第二端部22とが遠ざかる。このため、ベルト部23が回転軸SFから離れて弛緩する。
駆動基板DSの駆動素子31及び32の伸縮は、可動部41及び42及び連結部材CNを介して伝達基板TSの接続部24A及び24Bに伝達され、第一端部21及び第二端部22を移動させる駆動力としてベルト部23に伝わるようになっている。このように、駆動基板DS及び伝達基板TSは、駆動部ACによる駆動力が伝達部BTに伝達して作用するように連結されている。
図7(a)は、本実施形態のモータ装置MTRの一部の構成を示す図である。図7(b)は、図1におけるB−B´断面に沿った構成を示す図である。本実施形態では、図7(a)に示すように、1つの駆動基板DSに対して2つの伝達基板TS設けられ、当該2つの伝達基板TSがZ軸方向に駆動基板DSを挟むように配置された構成となっている。
また、本実施形態では、例えば図1、図2及び図7(b)に示すように、駆動基板DSと2つの伝達基板TSとの組が2組設けられ、各組のY方向の向きが反対になっている。また、各組は、それぞれ伝達基板TS又は駆動基板DSの1枚分の厚さ(Z軸方向の寸法)だけZ軸方向にずれて配置されている。このため、各組の駆動基板DS同士が接触し、当該駆動基板DSに対して+Z側に配置された伝達基板TS同士が接触し、当該駆動基板DSに対して−Z側に配置された伝達基板TS同士が接触した状態になっている。
この場合、図7(b)に示すように、一方の組において開口部20A及び30Aを通る連結部材CNが、他方の組において開口部20C及び30Cを通ることになる。同様に、一方の組において開口部20B及び30Bを通る連結部材CNが、他方の組において開口部20D及び30Dを通ることになる。本実施形態の構成においては、開口部20C及び30C、開口部20D及び30Dは、それぞれ開口部20A及び30A、開口部20B及び30Bよりも径が大きくなるように形成され、連結部材CNがそれぞれの内部を移動可能に設けられている。このため、異なる組における駆動動作が互いに干渉しないようになっている。
次に、回転軸SFの駆動動作を説明する。
本実施形態に係るモータ装置MTRにおいて、回転軸SFを駆動させる原理を説明する。回転軸SFを駆動させる際には、回転軸SFに巻き掛けられた伝達部BTに有効張力を生じさせ、当該有効張力によって回転軸SFにトルクを伝達する。
本実施形態に係るモータ装置MTRにおいて、回転軸SFを駆動させる原理を説明する。回転軸SFを駆動させる際には、回転軸SFに巻き掛けられた伝達部BTに有効張力を生じさせ、当該有効張力によって回転軸SFにトルクを伝達する。
オイラーの摩擦ベルト理論により、回転軸SFに巻き掛けられた伝達部BTの第一端部21側の張力T1及び第二端部22側の張力T2が下記[数1]を満たすとき、伝達部BTと回転軸SFとの間で摩擦力が生じ、伝達部BTが回転軸SFに対して滑りを生じることの無い状態(回転力伝達状態)で回転軸SFと共に移動する。この移動により、回転軸SFにトルクが伝達される。ただし、[数1]において、μは伝達部BTと回転軸SFとの間の見かけ上の摩擦係数であり、θは伝達部BTの有効巻き付き角である。
このとき、トルクの伝達に寄与する有効張力は、(T1−T2)によって表される。上記[数1]に基づいて有効張力(T1−T2)を求めると、[数2]のようになる。[数2]は、T1を用いて有効張力を表す式である。
上記[数2]より、回転軸SFに伝達されるトルクは駆動素子31の張力T1によって一意に決定されることがわかる。[数2]の右辺のT1の係数部分は、伝達部BTと回転軸SFとの間の摩擦係数μ及び伝達部BTの有効巻き付き角θにそれぞれ依存する。図8は、摩擦係数μを変化させたときの有効巻き付き角θと係数部分の値との関係を示すグラフである。グラフの横軸は有効巻き付き角θを示しており、グラフの縦軸は係数部分の値を示している。
図8に示すように、例えば摩擦係数μが0.3の場合には、有効巻き付き角θが300°以上のときに係数部分の値が0.8以上となっている。このことから、摩擦係数μが0.3の場合には、有効巻き付き角θを300°以上とすることにより、駆動素子31による張力T1の80%以上の力が回転軸SFのトルクに寄与することがわかる。この巻き付き角の他、図8のグラフから、例えば伝達部BTと回転軸SFとの間の摩擦係数を大きくするほど、係数部分の値が大きくなることが推定される。
このように、トルクの大きさは駆動素子31の張力T1によって一意に決定されることになり、例えば伝達部BTの移動距離などには無関係であることがわかる。したがって、例えば駆動素子31及び駆動素子32に用いられるピエゾ素子などは、数ミリ程度の小型素子であっても、数百ニュートン以上の力を出すことができるので非常に大きな回転力を付与することができる。
このような原理に基づいて、制御装置CONTは、図9に示すように、まず、第一端部21が+X方向に、第二端部22が−X方向にそれぞれ移動するように駆動素子31及び駆動素子32を変形させる。この動作により、伝達部BTの第一端部21側には張力T1が発生し、伝達部BTの第二端部22側には張力T2が発生する。したがって、伝達部BTに有効張力(T1−T2)が発生する。
制御装置CONTは、伝達部BTに有効張力を発生させた状態を保持しつつ、図10に示すように、伝達部BTの第一端部21が+X方向に移動するように、かつ、第二端部22が+X方向に移動するように駆動素子31及び駆動素子32を変形させる(駆動動作)。この動作において、制御装置CONTは、第一端部21の移動距離と第二端部22の移動距離とを等しくさせる。この動作により、伝達部BTと回転軸SFとの間に摩擦力が発生した状態で伝達部BTが移動し、当該移動と共に回転軸SFがθZ方向に回転する。
本実施形態では、伝達部BTと回転軸SFとの間の摩擦係数μが例えば0.3であり、伝達部BTが回転軸SFにほぼ1回転(360°)巻き掛けられている。したがって、図8のグラフを参照すると、駆動素子31の張力T1の85%程度の力がトルクとして回転軸SFに伝達されることになる。
制御装置CONTは、第一端部21及び第二端部22を所定距離だけ移動させた後、図11に示すように、第一端部21が駆動の開始位置(所定位置)へ戻るように、かつ、第二端部22が移動しないように、駆動素子31だけを変形させる。この動作により、第一端部21が−X方向へ移動し、伝達部BTの巻き掛けが緩んだ状態になる。つまり、伝達部BTに付加されていた有効張力が解除された状態になる。この状態においては、伝達部BTと回転軸SFとの間に摩擦力は発生せず、回転軸SFは慣性によって回転し続けることになる。
制御装置CONTは、伝達部BTの巻き掛けを緩ませた後、図12に示すように、第二端部22が駆動の開始位置(所定位置)へ戻るように駆動素子32を変形させる。この動作により、伝達部BTの巻き掛けが緩んだまま、すなわち、有効張力が発生しないまま、伝達部BTの第二端部22が駆動の開始位置(所定位置)へ戻っていく(復帰動作)。
第二端部22が駆動開始位置に戻される直前になったら、制御装置CONTは、駆動素子31を変形させて第一端部21を+X方向に移動させる。この動作により、第二端部22が駆動開始位置に戻されるのとほぼ同時に、第一端部21側に張力T1が発生し、第二端部22側に張力T2が発生する。これにより、駆動開始時に伝達部BTに有効張力を付加させた状態(図5の状態)と同様の状態となる。
伝達部BTに有効張力が付加された後、制御装置CONTは、伝達部BTの第一端部21が+X方向に移動するように駆動素子31を変形させ、第二端部22が+X方向に移動するように駆動素子32を変形させる(駆動動作)。このとき、第一端部21の移動距離と第二端部22の移動距離とを等しくさせる。この動作により、伝達部BTと回転軸SFとの間に摩擦力が発生した状態で伝達部BTが移動し、当該移動と共に回転軸SFがθ方向に回転する。
この後、制御装置CONTは、伝達部BTに付加されていた有効張力を再度解除させる。制御装置CONTは、有効張力を解除させた後、伝達部BTの第一端部21及び第二端部22が開始位置に戻るように移動させる(復帰動作)。このように制御装置CONTが上記駆動動作と復帰動作とを駆動部ACに繰り返し行わせることにより、回転軸SFがθZ方向に回転し続けることになる。
また、図13(a)及び図13(b)は、回転軸SFが軸受基板HSに転動部材15を挟んで装着された状態において、支持部61が弾性変形する様子を示す図である。上記の駆動動作を行う場合、図13(a)に示すように、支持部61は、第一部分61aと第二部分61bとが回転軸SFの径方向の外側に開くように弾性変形する。
例えば、本実施形態では、第一切り欠き部57、第二開口部52及び第三開口部53が支持部61に設けられているため、支持部61は、これら第一切り欠き部57、第二開口部52及び第三開口部53をそれぞれ頂点としてほぼ三角形状に変形する。このように、回転軸SFを保持する支持部61が弾性変形することにより、支持部61から転動部材15を介して回転軸SFの中心へ向けてラジアル方向の弾性力が発生する。この弾性力により、支持部61及び転動部材15と回転軸SFとの間に隙間が形成されるのを抑えることができる。なお、ボルト部材BLによって第一部分61aと第二部分61bとの位置関係を調整することで、当該弾性力を調整することができる。図13(b)に示すように、本実施形態における構成では、第一部分61aと第二部分61bとがZ軸方向視で少なくとも一部同士が重なる状態となるため、転動部材15が不連続部57aを移動する場合であっても、転動部材15は第一部分61aと第二部分61bとのうち少なくとも一方と接触する構成となっている。また、不連続部57aが回転軸SFの外周面SFaに倣ってY方向視で斜め方向に形成されているため、支持部61及び転動部材15と回転軸SFとの間における隙間の形成が低減される。また、本実施形態では、少なくとも一つの不連続部57aの少なくとも一部が回転軸SFの軸方向とは異なる方向に形成されているため、軸受と回転軸SFとの間での当該回転軸SFの径方向の相対的な変動を低減できる。また、本実施形態では、少なくとも一つの不連続部57aの少なくとも一部が回転軸SFの軸方向とは異なる方向に形成されているため、回転軸SFの回転の円滑性を妨げることなく、当該回転軸SFを回転可能に支持することができる。
また、図13に示すように、本実施形態における軸受は、支持部61をほぼ三角形状に変形させることによって、第一部分61aにおいて第二部分61bと対向する部分のうちの対向面50aの側の端部61aeが転動部材15と接しない構成となるため、回転軸SFの回転の円滑性を妨げることなく、当該回転軸SFを回転可能に支持することができる。同様に、本実施形態における軸受は、支持部61をほぼ三角形状に変形させることによって、第二部分61bにおいて第一部分61aと対向する部分のうちの対向面50aの側の端部61beが転動部材15と接しない構成となるため、回転軸SFの回転の円滑性を妨げることなく、当該回転軸SFを回転可能に支持することができる。
このように、本実施形態における軸受は、転動部材15が第一切り欠き部57を通過する場合に、転動部材15が第一切り欠き部57に入ることがないように、対向面50aのうち第一部分61aの面と第二部分61bの面とを経由して転動部材15を円滑に移動させることができる。このため、回転軸SFの回転の円滑性を妨げることなく、当該回転軸SFを回転可能に支持することができる。また、上述のように、本実施形態における軸受は、回転軸SFの回転抵抗を小さくでき、回転軸SFに対するラジアル方向の剛性を高くすることができる。なお、本実施形態の軸受において、上述の不連続部57a、第一切り欠き部57及び第二切り欠き部54のそれぞれの数は、任意の数(例、1つ又は複数)で構成されても構わない。また、本実施形態における軸受は、上述のような調整部ADを複数有する構成であっても構わない。
次に、上記のモータ装置MTRの製造方法を説明する。
モータ装置MTRを製造する場合、まず、伝達基板TS同士、駆動基板DS同士、そして軸受基板HS同士をそれぞれ形成する。例えば図14に示すように、複数の基板Sを積層させ、当該複数の基板Sをまとめて切削加工して形成する。例えば、ワイヤーなど金属の線状部材Lに電圧を印加して放電させた状態とし、このワイヤーと複数の基板Sとを相対的に移動させながら、糸鋸のように複数の基板Sを切削加工する。この切削加工を、例えば伝達基板TSの形成、駆動基板DSの形成、軸受基板HSの形成のそれぞれについて行う。なお、軸受基板HSには、X方向に長手方向を有する第一開口部51が形成されているため、線状部材Lを通す場合に有用となる。
モータ装置MTRを製造する場合、まず、伝達基板TS同士、駆動基板DS同士、そして軸受基板HS同士をそれぞれ形成する。例えば図14に示すように、複数の基板Sを積層させ、当該複数の基板Sをまとめて切削加工して形成する。例えば、ワイヤーなど金属の線状部材Lに電圧を印加して放電させた状態とし、このワイヤーと複数の基板Sとを相対的に移動させながら、糸鋸のように複数の基板Sを切削加工する。この切削加工を、例えば伝達基板TSの形成、駆動基板DSの形成、軸受基板HSの形成のそれぞれについて行う。なお、軸受基板HSには、X方向に長手方向を有する第一開口部51が形成されているため、線状部材Lを通す場合に有用となる。
また、上記の他、伝達基板TS、駆動基板DS、軸受基板HSの鋳型を作成し、鋳造によって形成するようにしても構わない。また、伝達基板TS、駆動基板DS、軸受基板HSの押し型を用いて、押し出し成形によって形成するようにしても構わない。更に、フォトリソグラフィ法を用いたパターニングによって、伝達基板TS、駆動基板DS、軸受基板HSを形成しても構わない。伝達基板TS、駆動基板DS、軸受基板HSを形成した後、駆動部ACを駆動基板DSの駆動ベース部45に取り付け、伝達基板TSと駆動基板DSとを上記のように連結し、軸受基板HSを接続することで、モータ装置MTRが完成する。
このように、本実施形態によれば、回転軸SFの外周面SFaに対向する対向面50aを有し、第一切り欠き部57及び対向面50aの一部に不連続部57aが形成された支持部61と、外周面SFaと対向面50aとに挟まれ、回転軸SFに平行に配置された複数の転動部材15と、支持部61の少なくとも一部が外周面SFaの側に弾性変形するように、支持部61のうち第一切り欠き部57を挟んで配置される第一部分61aと第二部分61bとの位置関係を調整するボルト部材BLとを備えることとしたので、回転軸SFを保持した状態で支持部61を弾性変形させることができる。
このため、支持部61から転動部材15を介して回転軸SFの中心へ向けてラジアル方向の弾性力を発生させることができる。この弾性力により、支持部61及び転動部材15と回転軸SFとの間に隙間が形成されるのを抑えることができる。これにより、小型の構成であっても、軸受基板HSと回転軸SFとの間での当該回転軸SFの径方向の相対的な変動を抑制することが可能となる。
また、本実施形態によれば、回転軸SFを回転駆動させる駆動基板DS及び伝達基板TSと、回転軸SFを回転可能に支持する軸受基板HSとを備え、伝達基板TSが回転軸SFの外周面SFaの少なくとも一部に掛けられた伝達部BTを有し、駆動基板DSが当該伝達部BTに接続され伝達部BTを移動させる駆動部ACとを有し、回転軸SFと伝達部BTとの間を回転力伝達状態として伝達部BTを一定距離移動させる駆動動作及び回転力伝達状態を解消した状態で伝達部BTを所定の位置に戻す復帰動作を駆動部ACに行わせる制御装置CONTを更に備えるので、回転軸SFの径方向における振動が抑えられた高性能で小型のモータ装置MTRを提供することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
図15は、第一実施形態に記載のモータ装置MTRを備えるロボット装置RBTの一部(指部分の先端)の構成を示す図である。
次に、本発明の第二実施形態を説明する。
図15は、第一実施形態に記載のモータ装置MTRを備えるロボット装置RBTの一部(指部分の先端)の構成を示す図である。
同図に示すように、ロボット装置RBTは、末節部101、中節部102及び関節部103を有しており、末節部101と中節部102とが関節部103を介して接続された構成になっている。関節部103には軸支持部103a及び軸部103bが設けられている。軸支持部103aは中節部102に固定されている。軸部103bは、軸支持部103aによって固定された状態で支持されている。
末節部101は、接続部101a及び歯車101bを有している。接続部101aには、関節部103の軸部103bが貫通した状態になっており、当該軸部103bを回転軸として末節部101が回転可能になっている。この歯車101bは、接続部101aに固定されたベベルギアである。接続部101aは、歯車101bと一体的に回転するようになっている。
中節部102は、筐体102a及び駆動装置ACTを有している。駆動装置ACTは、上記実施形態に記載のモータ装置MTRを用いることができる。駆動装置ACTは、筐体102a内に設けられている。駆動装置ACTには、回転軸部材104aが取り付けられている。回転軸部材104aの先端には、歯車104bが設けられている。この歯車104bは、回転軸部材104aに固定されたベベルギアである。歯車104bは、上記の歯車101bとの間で噛み合った状態になっている。
上記のように構成されたロボット装置RBTは、駆動装置ACTの駆動によって回転軸部材104aが回転し、当該回転軸部材104aと一体的に歯車104bが回転する。
歯車104bの回転は、当該歯車104bと噛み合った歯車101bに伝達され、歯車101bが回転する。当該歯車101bが回転することで接続部101aも回転し、これにより末節部101が軸部103bを中心に回転する。
歯車104bの回転は、当該歯車104bと噛み合った歯車101bに伝達され、歯車101bが回転する。当該歯車101bが回転することで接続部101aも回転し、これにより末節部101が軸部103bを中心に回転する。
このように、本実施形態によれば、低速高トルクの回転を出力することができる駆動装置ACTを搭載することにより、例えば減速器を用いない構成であっても直接末節部101を回転させることができる。さらに本実施形態では、駆動装置ACTが回転軸の径方向における振動が抑えられた構成であるため、安定した動作が可能となる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記構成に加えて、図16に示すように、回転軸SFのZ方向への移動を規制する移動規制部80が設けられた構成であっても構わない。また、例えば軸受基板HSをZ方向に挟む位置に移動規制部80及び81を配置する構成であっても構わない。
例えば、上記構成に加えて、図16に示すように、回転軸SFのZ方向への移動を規制する移動規制部80が設けられた構成であっても構わない。また、例えば軸受基板HSをZ方向に挟む位置に移動規制部80及び81を配置する構成であっても構わない。
また、モータ装置MTRとして、回転軸SFの周面の少なくとも一部に掛けられた伝達部材と、当該伝達部材に接続され伝達部材を移動させる移動部と、回転軸SFと伝達部材との間を回転力伝達状態として伝達部材を一定距離移動させる駆動動作及び回転力伝達状態を解消した状態で伝達部材を所定の位置に戻す復帰動作を移動部に行わせる制御部と、を有する構成であれば、上記の構成に限られることは無く、異なる構成であっても構わない。また、本実施形態における回転軸SFは、例えば、円筒状などのような中空の構成であってもよい、又は、円柱状などのような中実(中空でない構造)の構成であってもよい。なお、本実施形態における回転軸SFは、回転子SFを中空に形成する場合には、例えば回転子SFを円筒状に形成するなど、回転子SFの軸方向の両端が貫通されている構成にすることもできる。また、本実施形態における回転軸SFは、例えば回転子SFの軸方向の両端が貫通されておらず、いずれか一方のみが開口されている構成にすることもできる。本実施形態における回転軸SFは、回転子SFの軸方向の両端のいずれも塞がれている構成としても構わない。また、本実施形態における回転軸SFは、回転子SFの内部に適宜仕切りなどを配置しつつ内部を中空にする構成であっても構わない。また、本実施形態における回転軸SFは、回転子SFの周面に溝部を形成する構成としても構わない。なお、本実施形態における回転軸SFは、例えば回転子SFを中空に形成した場合において、回転子SFの表面に形成される溝部71の中に複数の孔部を設け、回転子SFの内外が孔部によって連通された構成としても構わない。また、例えば、本実施形態におけるモータ装置MTRは、回転軸SFを中空に形成した構成の場合、上述の対向面50aを回転軸SFの内周面に対向させて配置するように構成であってもよい。このような場合、例えば、本実施形態の転動部材15は、上述の内周面と該内周面に対向する対向面との間に配置される。
また、本実施形態における軸受基板(軸受)HSは、少なくとも一つの不連続部57aを備えている。ここで、本実施形態では、該不連続部57aにおける転動部材15の対向面50aに対する接触面積は、50%以上、又は90%以上となるように構成されている。ただし、該接触面積は、対向面50aの幅や不連続部57aの幅によって変えてもよい。また、例えば、対向面50aの幅(例、図4のZ方向の幅)を8mm、不連続部57aの幅(例、図4のX方向の幅)を0.5mm、及び転動部材15に対する不連続部57aの角度をθとすると、対向面50aに形成された不連続部57aの角度θは、上記の接触面積が50%以上の場合、(0.5/sinθ)/8=50%、から約7°以上となる。上記の接触面積が90%以上の場合、対向面50aに形成された不連続部57aの角度θは、約39°以上となる。ただし、不連続部57aの加工のしやすさを考慮すると、不連続部57aの角度θは、2°以上であってもよい。また、不連続部57aの加工の精度を考慮すると、不連続部57aの角度θは、10°以上60°以下であってもよい。従って、本実施形態では、上述の不連続部57aの角度θは、2°以上60°以下、7°以上60°以下、又は39°以上60°以下で構成されている。ただし、不連続部57aの角度θにおける上限値は、60°以下でなくても、対向面50aの全周にかからない程度の角度以下であればよい。また、本実施形態における不連続部57aの少なくとも一部は、回転軸SFの軸方向とは異なる方向に形成されている。例えば、回転軸SFの軸方向とは異なる方向に形成される不連続部57aの少なくとも一部は、不連続部57aの全体に対して50%以上、又は90%以上で、構成されている。
また、上記で説明した駆動部として駆動基板DS及び伝達基板TSの他、電動モータや超音波モータなどの他の種類のモータ装置を用いても構わない。
また、上記実施形態では、転動部材15が回転軸SFの周方向に独立して設けられた構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば、上記実施形態における複数の転動部材15は、当該複数の転動部材15同士の間の相対位置を変化させないようにしたニードルケージなどの転動ユニットを有する構成であっても構わない。
MTR…モータ装置 CONT…制御装置 SF…回転軸 TS…伝達基板 DS…駆動基板 HS…軸受基板 SFa…外周面 BL…ボルト部材 RBT…ロボット装置 ACT…駆動装置 15…転動部材 50…中央開口部 50a…対向面 51…第一開口部 52…第二開口部 53…第三開口部 54…第二切り欠き部 55…第一溝部 56…第二溝部 57…第一切り欠き部 57a…不連続部 58…ボルト挿入部 61…支持部 61a…第一部分 61b…第二部分 80、81…移動規制部
Claims (23)
- 回転軸の周面に対向する対向面を有する回転軸支持部と、
前記周面と前記対向面との間に配置された複数の転動部と、を備え、
前記対向面は、少なくとも一つの不連続部を有し、
前記少なくとも一つの不連続部の少なくとも一部は、前記回転軸の軸方向とは異なる方向に形成されている
ことを特徴とする軸受。 - 前記回転軸支持部は、前記少なくとも一つの不連続部の少なくとも一部を含む隙間領域を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の軸受。 - 前記隙間領域は、前記対向面から前記対向面とは反対側の面まで形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の軸受。 - 前記回転軸支持部のうち前記隙間領域に接する面の少なくとも一部は、前記対向面に対して傾斜している
ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の軸受。 - 前記回転軸支持部の少なくとも一部が前記周面の側に弾性変形するように、前記回転軸支持部のうち前記隙間領域を挟んで配置される部分同士の位置関係を調整する調整部を備える
ことを特徴とする請求項2から請求項4のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記調整部は、前記回転軸支持部のうち前記隙間領域を挟んで配置された部分同士を締結する締結部材を有する
請求項5に記載の軸受。 - 前記少なくとも一つの不連続部の少なくとも一部は、前記軸方向と直交する方向視において、前記軸方向に対して傾斜している
ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記少なくとも一つの不連続部の少なくとも一部は、前記軸方向と直交する方向視において、前記軸方向に対して所定の角度を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記対向面は、前記周面に対して平行である
ことを特徴とする請求項1から請求項8のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記回転軸支持部は、前記対向面とは異なる部分に第二隙間領域を有する
請求項1から請求項9のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記第二隙間領域は、前記回転軸に倣って形成されていること
を特徴とする請求項10に記載の軸受。 - 前記第二隙間領域は、前記回転軸の軸方向視において、円弧状に形成されていること
を特徴とする請求項10又は請求項11に記載の軸受。 - 前記第二隙間領域は、前記回転軸の軸方向視において、前記回転軸の周方向に等角度ずつずれた位置に開口部を有すること
を特徴とする請求項10から請求項12のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記少なくとも一つの不連続部の少なくとも一部は、前記回転軸の軸方向視において、円弧状に形成されていること
を特徴とする請求項1から請求項13のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記複数の転動部は、前記周面の一周に亘って配置されていること
を特徴とする請求項1から請求項14のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記転動部は、前記回転軸に平行に配置されていること
を特徴とする請求項1から請求項15のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記回転軸支持部は、板状部材の一部に形成されていること
を特徴とする請求項1から請求項16のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記回転軸支持部の軸方向への移動を規制する移動規制部
を備えることを特徴とする請求項1から請求項17のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 前記軸方向は、前記板状部材の厚さ方向に一致し、
前記移動規制部は、前記板状部材を挟む位置に一対設けられていること
を特徴とする請求項18に記載の軸受。 - 前記転動部は、前記周面と前記対向面とに相互に接触すること
を特徴とする請求項1から請求項19のうちいずれか一項に記載の軸受。 - 回転軸を回転駆動させる駆動部と、
前記回転軸を回転可能に支持する軸受と
を備え、
前記軸受として、請求項1から請求項20のうちいずれか一項に記載の軸受が用いられている
モータ装置。 - 前記駆動部は、前記回転軸の周面の少なくとも一部に掛けられた伝達部材と、前記伝達部材に接続され前記伝達部材を移動させる移動部と、を有し、
前記回転軸と前記伝達部材との間を回転力伝達状態として前記伝達部材を一定距離移動させる駆動動作及び前記回転力伝達状態を解消した状態で前記伝達部材を所定の位置に戻す復帰動作を前記移動部に行わせる制御部を備える
請求項21に記載のモータ装置。 - 回転軸部材と、
前記回転軸部材を回転させるモータ装置と
を備え、
前記モータ装置として、請求項21又は請求項22に記載のモータ装置が用いられている
ロボット装置。
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JP2011033392A JP2012172726A (ja) | 2011-02-18 | 2011-02-18 | 軸受、モータ装置及びロボット装置 |
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2011033392A JP2012172726A (ja) | 2011-02-18 | 2011-02-18 | 軸受、モータ装置及びロボット装置 |
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JP2012172726A true JP2012172726A (ja) | 2012-09-10 |
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JP2011033392A Withdrawn JP2012172726A (ja) | 2011-02-18 | 2011-02-18 | 軸受、モータ装置及びロボット装置 |
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- 2012-02-17 WO PCT/JP2012/053837 patent/WO2012111812A1/ja active Application Filing
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