JP2011217500A - モータ装置、回転子の駆動方法及びロボット装置 - Google Patents

モータ装置、回転子の駆動方法及びロボット装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高トルクを発生させることができるモータ装置を提供すること。
【解決手段】回転子と、当該回転子の外周の少なくとも一部に掛けられた接触部材と、回転子を回転させる時には回転子と接触部材との間を回転力伝達状態として接触部材を一定距離移動させると共に回転力伝達状態を解消した状態で接触部材を所定の位置に復帰させ、回転子を回転させない時には回転子と接触部材との間を接触させた接触状態で接触部材の移動を調整する駆動部と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ装置、回転子の駆動方法及びロボット装置に関する。
例えば旋回系機械を駆動させるアクチュエータとして、モータ装置が用いられている。このようなモータ装置として、例えば電動モータや超音波モータなど、高トルクを発生させることが可能なモータ装置が広く知られている。近年では、ヒューマノイドロボットの関節部分など、より精密な部分を駆動させるモータ装置が求められている。電動モータや超音波モータなどの既存のモータにおいても小型化、トルクの制御性等、細密で高精度な駆動を行うことができる構成が求められている。例えば電動モータや超音波モータにおいては、回転子の回転を停止したり、回転停止状態を保持したりするために、ブレーキ機構を取り付ける場合がある。
特開平2−31237号公報
しかしながら、ブレーキ機構を付加すると外形寸法が大きくなってしまうという問題があった。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、高トルクを発生させることができるモータ装置、回転子の駆動方法及びロボット装置を提供することにある。
本発明の第一の態様に従えば、回転子と、当該回転子の外周の少なくとも一部に掛けられた接触部材と、回転子を回転させる時には回転子と接触部材との間を回転力伝達状態として接触部材を一定距離移動させると共に回転力伝達状態を解消した状態で接触部材を所定の位置に復帰させ、回転子を回転させない時には回転子と接触部材との間を接触させた接触状態で接触部材の移動を調整する駆動部と、を備えるモータ装置が提供される。
本発明の第二の態様に従えば、回転子と当該回転子に掛けられる接触部材との間を回転力伝達状態として接触部材を一定距離移動させると共に、回転力伝達状態を解消した状態で接触部材を所定の位置に戻すことで回転子を回転させる回転ステップと、回転子と接触部材との間を接触させた状態で接触部材の移動を調整することで回転子の回転を抑制する抑制ステップとを含む回転子の駆動方法が提供される。
本発明の第三の態様に従えば、回転軸部材と、回転軸部材を回転させるモータ装置とを備え、当該モータ装置として、本発明のモータ装置が用いられているロボット装置が提供される。
本発明によれば、高トルクを発生させることができるモータ装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態に係るモータ装置の構成を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の特性を示すグラフ。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本発明の第2実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の動作を示す図。 本発明の第3実施形態に係るモータ装置の構成を示す図。 本実施形態に係るモータ装置の一部の構成を示す図。 本発明の第4実施形態に係るロボットハンドの構成を示す模式図。 本発明の変形例に係るモータ装置の構成を示す図。 本発明の変形例に係るモータ装置の構成を示す図。 本発明の変形例に係るモータ装置の構成を示す図。 本発明の変形例に係るモータ装置の構成を示す図。 本発明の変形例に係るモータ装置の構成を示す図。 本発明の変形例に係るモータ装置の構成を示す図。 本発明の変形例に係るモータ装置の動作を示すグラフ。 本発明の変形例に係るモータ装置の動作を示すグラフ。 本発明の変形例に係るモータ装置の構成を示す図。 本発明の変形例に係るモータ装置の構成を示す図。
[第1実施形態]
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
図1(a)は、本実施形態に係るモータ装置MTRの一例を示す概略構成図である。図1(b)は、図1(a)におけるA−A´断面に沿った構成を示す図である。
図1(a)及び図1(b)に示すように、モータ装置MTRは、ベース部BSと、回転子SFと、駆動部ACと、接触部材BTと、制御部CONTとを有している。当該モータ装置MTRは、制御部CONTの制御によって駆動部AC及び接触部材BTを用いて回転子SFを回転させると共に、当該回転子SFの回転を調整する構成である。
以下、各図の説明においてはXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。回転子SFの円筒軸方向をZ軸方向とし、当該Z軸方向に垂直な平面上の直交方向をそれぞれX軸方向及びY軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸周りの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
ベース部BSは、例えばステンレス等の材料を用いて板状に形成された部分であり、回転子SF、駆動部ACと、接触部材BTと、制御部CONTを支持している。本実施形態では板状に形成された例を説明するが、例えば筐体など、他の形状であっても構わない。回転子SFは、例えば円柱状に形成されており、例えば不図示のベアリング装置などによって回転可能に支持されている。当該ベアリング装置は、例えばベース部BSなどに支持されている。回転子SFは、中心軸Cを回転軸としてθZ方向に回転するようになっている。
駆動部ACは、例えばベース部BSに取り付けられている。駆動部ACは、駆動素子31及び32を有している。駆動素子31及び32としては、例えばピエゾ素子などの電気機械変換素子が用いられている。駆動素子31及び駆動素子32は、電気機械変換素子に電圧が印加されることにより、X方向に伸縮する構成である。制御部CONTは駆動部ACに接続されており、当該駆動部ACに対して制御信号を供給可能になっている。
駆動素子31及び32は、ベース部BSによって+X側の位置が固定されている。このため、駆動素子31及び32は、X方向に伸縮した場合、当該伸縮に伴って−X側の端部のX方向における位置が変化することになる。
接触部材BTは、第一端部21、第二端部22及びベルト部23を有している。第一端部21は、駆動素子31の−X側の端部に接続されている。第二端部22は、駆動素子32の−X側の端部に接続されている。第一端部21及び第二端部22は、回転子SFの外周上の基準位置F(図1(b)参照)を挟んで配置されている。本実施形態では、回転子SFの+X側端部を基準位置Fとした場合を例に挙げて説明する。第一端部21及び第二端部22は、基準位置Fについて対称な位置に配置されている。
ベルト部23は、例えば帯状に形成され、回転子SFの少なくとも一部に掛けられる部分である。ベルト部23は、例えば第一端部21及び第二端部22に接続されており、例えば回転子SFの−X側に掛け回されている。
上記の駆動素子31及び32が縮むと、第一端部21及び第二端部22が+X方向に移動する。このため、ベルト部23が回転子SFに巻きつき、当該ベルト部23に張力が加わる。駆動素子31及び32が伸びると、第一端部21及び第二端部22が−X方向に移動する。このため、ベルト部23が回転子SFから離れて弛緩する。
次に、モータ装置MTRの動作を説明する。
本実施形態に係るモータ装置MTRにおいて、回転子SFにトルクを作用させる原理を説明する。回転子SFを駆動させる際には、回転子SFに巻き掛けられた接触部材BTに有効張力を生じさせ、当該有効張力によって回転子SFにトルクを伝達する。
オイラーの摩擦ベルト理論により、回転子SFに巻き掛けられた接触部材BTの第一端部21側の張力(T1)及び第二端部22側の張力(T2)が下記[数1]を満たすとき、接触部材BTと回転子SFとの間で摩擦力が生じ、接触部材BTが回転子SFに対して滑りを生じることの無い状態(接触状態)で回転子SFと共に移動する。この移動により、回転子SFにトルクが伝達される。ただし、[数1]において、μは接触部材BTと回転子SFとの間の見かけ上の摩擦係数であり、θは接触部材BTの有効巻き付き角である。
Figure 2011217500
このとき、トルクの伝達に寄与する有効張力は、(T1−T2)によって表される。上記[数1]に基づいて有効張力(T1−T2)を求めると、[数2]のようになる。[数2]は、T1を用いて有効張力を表す式である。
Figure 2011217500
上記[数2]より、回転子SFに伝達されるトルクは駆動素子31の張力T1によって一意に決定されることがわかる。[数2]の右辺のT1の係数部分は、接触部材BTと回転子SFとの間の摩擦係数μ及び接触部材BTの有効巻き付き角θにそれぞれ依存する。図2は、摩擦係数μを変化させたときの有効巻き付き角θと係数部分の値との関係を示すグラフである。グラフの横軸は有効巻き付き角θを示しており、グラフの縦軸は係数部分の値を示している。
図2に示すように、例えば摩擦係数μが0.3の場合には、有効巻き付き角θが300°以上のときに係数部分の値が0.8以上となっている。このことから、摩擦係数μが0.3の場合には、有効巻き付き角θを300°以上とすることにより、駆動素子31による張力T1の80%以上の力が回転子SFのトルクに寄与することがわかる。この巻き付き角の他、図2のグラフから、例えば接触部材BTと回転子SFとの間の摩擦係数を大きくするほど、係数部分の値が大きくなることが推定される。
このように、トルクの大きさは駆動素子31の張力T1によって一意に決定されることになり、例えば接触部材BTの移動距離などには無関係であることがわかる。したがって、例えば駆動素子31及び駆動素子32に用いられるピエゾ素子などは、数ミリ程度の小型素子であっても、数百ニュートン以上の力を出すことができるので非常に大きな回転力を付与することができる。
このような原理に基づいて、制御部CONTは、図3に示すように、まず、第一端部21及び第二端部22がそれぞれ+X方向に移動するように駆動素子31及び駆動素子32を変形させる。この動作により、接触部材BTの第一端部21側には張力T1が発生し、接触部材BTの第二端部22側には張力T2が発生する。したがって、接触部材BTに有効張力(T1−T2)が発生する。
制御部CONTは、接触部材BTに有効張力を発生させた状態を保持しつつ、図4に示すように、接触部材BTの第一端部21が−X方向に移動するように、かつ、第二端部22が+X方向に移動するように駆動素子31及び駆動素子32を変形させる(駆動動作)。この動作において、制御部CONTは、第一端部21の移動距離と第二端部22の移動距離とを等しくさせる。この動作により、接触部材BTと回転子SFとの間に摩擦力が発生した状態で接触部材BTが移動し、当該移動と共に回転子SFがθZ方向に回転する。
制御部CONTは、第一端部21及び第二端部22を所定距離だけ移動させた後、図5に示すように、第一端部21が移動しないように、かつ、第二端部22が駆動の開始位置(所定位置)へ戻るように、駆動素子32だけを変形させる。この動作により、第二端部22が−X方向へ移動し、接触部材BTの巻き掛けが緩んだ状態になる。つまり、接触部材BTに付加されていた有効張力が解除された状態になる。この状態においては、接触部材BTと回転子SFとの間に摩擦力は発生せず、回転子SFは慣性によって回転し続けることになる。
制御部CONTは、接触部材BTの巻き掛けを緩ませた後、図6に示すように、第一端部21が駆動の開始位置(所定位置)へ戻るように駆動素子31を変形させる。この動作により、接触部材BTの巻き掛けが緩んだまま、すなわち、有効張力が発生しないまま、接触部材BTの第一端部21が駆動の開始位置(所定位置)へ戻っていく(復帰動作)。
第一端部21が駆動開始位置に戻される直前になったら、制御部CONTは、駆動素子31を変形させて第一端部21を+X方向に移動させる。この動作により、第一端部21が駆動開始位置に戻されるのとほぼ同時に、第一端部21側に張力T1が発生し、第二端部22側に張力T2が発生する。これにより、駆動開始時に接触部材BTに有効張力を付加させた状態(図3の状態)と同様の状態となる。
接触部材BTに有効張力が付加された後、制御部CONTは、接触部材BTの第一端部21が+X方向に移動するように駆動素子31を変形させ、第二端部22が+X方向に移動するように駆動素子32を変形させる(駆動動作)。このとき、第一端部21の移動距離と第二端部22の移動距離とを等しくさせる。この動作により、接触部材BTと回転子SFとの間に摩擦力が発生した状態で接触部材BTが移動し、当該移動と共に回転子SFがθ方向に回転する。
この後、制御部CONTは、接触部材BTに付加されていた有効張力を再度解除させる。制御部CONTは、有効張力を解除させた後、接触部材BTの第一端部21及び第二端部22が開始位置に戻るように移動させる(復帰動作)。このように制御部CONTが上記駆動動作と復帰動作とを駆動部ACに繰り返し行わせることにより、回転子SFがθZ方向に回転し続けることになる。
次に、モータ装置MTRを用いて回転子SFの回転を調整する動作を説明する。
制御部CONTは、上記駆動動作及び復帰動作によって回転子SFがθZ方向に回転している状態で、例えば図7に示すように、第一端部21及び第二端部22がそれぞれ+X方向に移動するように駆動素子31及び駆動素子32を変形させる。
この動作により、接触部材BTのベルト部23が回転子SFに接触すると共に、ベルト部23の第一端部21側には張力T1が発生し、接触部材BTの第二端部22側には張力T2が発生する。したがって、接触部材BTに有効張力(T1−T2)が発生する。この状態において、ベルト部23と回転子SFとの間には、回転子SFの回転方向とは逆向きに摩擦力が生じている。当該摩擦力により、回転子SFの回転が規制される。
この状態で、制御部CONTは、接触部材BTに有効張力を発生させた状態を保持しつつ、図8に示すように、接触部材BTの第一端部21が+X方向に移動するように、かつ、第二端部22が−X方向に移動するように駆動素子31及び駆動素子32を変形させる。
この動作において、制御部CONTは、例えば第一端部21の移動距離と第二端部22の移動距離とを等しくさせる。この動作により、接触部材BTと回転子SFとの間に摩擦力が発生した状態で接触部材BTが回転子SFの回転方向とは逆の方向に移動する。このため、回転子SFの回転は更に規制される。
その後、制御部CONTは、第二端部22が移動しないように、かつ、第一端部21が開始位置(所定位置)へ戻るように、駆動素子31だけを変形させる。この動作により、第一端部21が−X方向へ移動し、接触部材BTの巻き掛けが緩んだ状態になる。つまり、接触部材BTに付加されていた有効張力が解除された状態になる。この状態においては、接触部材BTと回転子SFとの間に摩擦力は発生せず、回転子SFの回転は規制されない。このため、回転子SFは、慣性によって回転し続けることになる。
制御部CONTは、接触部材BTの巻き掛けを緩ませた後、第二端部22が駆動の開始位置(所定位置)へ戻るように駆動素子32を変形させる。この動作により、接触部材BTの巻き掛けが緩んだまま、すなわち、有効張力が発生しないまま、接触部材BTの第二端部22が駆動の開始位置(所定位置)へ戻っていく(復帰動作)。
第二端部22が駆動開始位置に戻される直前になったら、制御部CONTは、駆動素子32を変形させて第二端部22を+X方向に移動させる。この動作により、第二端部22が駆動開始位置に戻されるのとほぼ同時に、第一端部21側に張力T1が発生し、第二端部22側に張力T2が発生する。これにより、駆動開始時に接触部材BTに有効張力を付加させた状態(図3の状態)と同様の状態となる。この動作を繰り返すことにより、回転子SFの回転を調整する。
また、図9に示すように、回転子SFの回転が停止している場合には、制御部CONTは、ベルト部23と回転子SFとの間を接触状態にさせ、当該接触状態を維持するように駆動素子31及び駆動素子32を変形させる。この場合、回転子SFは、ベルト部23との間に働く静摩擦力によって回転が規制された状態となる。回転子SFを回転させる場合、制御部CONTは、接触状態が解消されるように駆動素子31、32を変形させる。この動作により、回転子SFの回転の規制が解消される。その後、制御部CONTは、モータ装置MTRによる駆動動作が行われる。
このように、本実施形態によれば、接触部材BTが回転子SFの少なくとも一部に掛けられた状態で駆動部ACに駆動動作及び復帰動作を行わせることとしたので、オイラーの摩擦ベルト理論により、接触部材BTに付加する一方の張力によってトルクが一意に決定されることになる。したがって、小型の駆動部ACであっても高いトルクを回転子SFに付加させることが可能となる。これにより、高トルクを発生させることができる小型のモータ装置MTRを得ることができる。また、小型の駆動部ACであっても高効率で回転子SFを回転させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、回転子SFを回転させる時には回転子SFと接触部材BTとの間を回転力伝達状態として接触部材BTを一定距離移動させると共に回転力伝達状態を解消した状態で接触部材BTを所定の位置に復帰させ、回転子SFを回転させない時には回転子SFと接触部材BTとの間を接触させた接触状態で接触部材BTの移動を調整する駆動部ACを備えることとしたので、ブレーキ機構を別途設けることなく、回転子SFの回転を停止させたり、停止状態を維持したりさせることができる(ブレーキ手段)。これにより、モータ装置MTRの大型化を回避することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
本実施形態では、モータ装置MTRの駆動動作及び回転調整動作の際、接触部材BT及び接触部材BTの弾性変形を利用する点で、第1実施形態とは異なっている。したがって、モータ装置MTRの構成については、モータ装置MTRの接触部材BTが弾性変形可能になっている点以外は、第1実施形態と同一の構成を用いることができる。
本実施形態では、接触部材BTのばね定数をkとする。ここで、オイラーの摩擦ベルト理論により、回転子SFの保持力Tを下記[数3]のように設定する。この保持力Tとは、静止している回転子SFを動き出させるために必要な力である。また、第一端部21側の目標張力をT1e、第二端部22側の目標張力をT2e、目標有効張力をTgoalとすると、以下の[数4]及び[数5]を満たす。
Figure 2011217500
Figure 2011217500
Figure 2011217500
以下、図10〜図15に基づいて、回転子SFの駆動動作を中心に説明する。本実施形態では、説明をわかりやすくするため、モータ装置の構成を模式的に示している。以下の説明においては、接触部材BTに張力が付加されることなく当該接触部材BTが回転子SFに1回転巻き掛けられた状態となるような接触部材BTの第一端部21及び第二端部22のそれぞれの位置を原点位置0とする。したがって、接触部材BTの第一端部21及び第二端部22が共に原点位置0に配置されている状態においては、接触部材BTと回転子SFとの間に摩擦力は発生しない。
<駆動動作>
まず、制御部CONTは、図10に示すように、接触部材BTの第一端部21が原点位置0からXだけ+X方向(例えば、ベース部BSに近づく方向)に移動するように駆動素子31を変形させる。また、制御部CONTは、接触部材BTの第二端部22が原点位置0からXだけ+X方向(例えば、ベース部BSに近づく方向)に移動するように駆動素子32を変形させる。この状態を駆動動作の初期状態とする。このとき、X及びXについては、下記[数6]を満たす。
Figure 2011217500
この状態から、図11に示すように、制御部CONTは、駆動素子31を変形させて、接触部材BTの第一端部21側の張力T1が目標張力T1eとなるように第一端部21をΔXだけ+X方向(例えば、ベース部BSに近づく方向)に移動させる。また、制御部CONTは、駆動素子32を変形させて、第二端部22側の張力T2が目標張力T2eとなるように第二端部22をΔXだけ−X方向(例えば、ベース部BSから遠ざかる方向)に移動させる。この動作により、接触部材BTから回転子SFにトルクが伝達される。このとき、ΔXとΔXとの間には、[数7]の関係が成立する。
Figure 2011217500
接触部材BTから回転子SFにトルクが伝達されると、回転子SFが回転し、接触部材BTの弾性変形が初期状態と同一の状態になる。図12に示すように、このため接触部材BTの第一端部21側の張力Tと第二端部22側の張力Tとが保持力Tとなってつり合う。このとき有効張力については、Tgoalからゼロへと近似的に線形に変化するため、接触部材BTに付加されている実効的な有効張力は、Tgoal/2となる。また、接触部材BTによって回転子SFに伝達するトルクはゼロになる。
<復帰動作>
次に、図13に示すように、制御部CONTは、第一端部21が原点位置0まで移動すると共に第二端部22が原点位置0よりも−X側(例えば、ベース部BSから遠ざかる方向)へ移動するように、駆動素子31と駆動素子32とを同時に変形させる。駆動素子31と駆動素子32とを例えば同時に等しい変形量で変形させることにより、接触部材BTが2ΔXだけ緩むこととなる。この結果、接触部材BTと回転子SFとの間に隙間が生じる。回転子SFは、接触部材BTによって摩擦力を受けることなく、慣性回転している状態となる。
接触部材BTと回転子SFとの間に隙間が生じている間に、図14に示すように、制御部CONTは、第一端部21を移動させること無く第二端部22のみが原点位置0に戻るように駆動素子32を変形させる。この動作により、第一端部21及び第二端部22が共に原点位置0に戻ることになる。この状態においても、回転子SFは接触部材BTによって摩擦力を受けることなく、慣性回転している状態となる。このように、復帰動作では、回転子SFに摩擦力による抵抗を与えることなく、当該回転子SFを回転させた状態で第一端部21及び第二端部22を原点位置0まで移動させる。
<駆動動作(慣性回転状態)>
制御部CONTは、回転子SFに設けられた検出器により、回転子SFの外周速度vを検出する。制御部CONTは、検出結果に基づき、第一端部21及び第二端部22の移動距離を決定する。回転子SFが静止している状態の上記駆動動作では、第一端部21の初期位置をX、第二端部22の初期位置をX(=X)とした。回転子SFが慣性回転している状態で、上記同様の目標有効張力を接触部材BTに付加するには、回転子SFの静止状態と同一の環境が必要である。すなわち、回転子SFの外周と接触部材BTとの相対速度をゼロにする必要がある。このため、第一端部21の初期位置及び第二端部22の初期位置を決定するに当たり、回転子SFの外周の所定時間当たりの移動距離を考慮する必要がある。具体的には、第一端部21の初期位置をX+vΔt、第二端部22の初期位置をX−vΔtとして設定する。ここで、Δtとしては、例えば制御部CONTのサンプリングタイムなどが挙げられる。
この状態から、図15に示すように、制御部CONTは、駆動素子31を変形させて、接触部材BTの第一端部21側の張力T1が目標張力T1eとなるように第一端部21をΔXだけ+X方向(例えば、ベース部BSに近づく方向)に移動させる。また、制御部CONTは、駆動素子32を変形させて、第二端部22側の張力T2が目標張力T2eとなるように第二端部22をΔXだけ+X方向(例えば、ベース部BSに近づく方向)に移動させる。この動作により、接触部材BTから回転子SFにトルクが伝達される。このときの第一端部21は原点位置0に対してX+vΔt+ΔXだけ+X方向(例えば、ベース部BSに近づく方向)へ移動した状態となる。また、このときの第二端部22は原点位置に対してX−vΔt−ΔXだけ−X方向(例えば、ベース部BSから遠ざかる方向)へ移動した状態となる。
<復帰動作>
この後、制御部CONTは、第一端部21が原点位置0まで移動すると共に第二端部22が原点位置0よりも+X方向(例えば、ベース部BSに近づく方向)へ移動するように駆動素子31と駆動素子32とを同時に変形させ、接触部材BTと回転子SFとの間に隙間が生じている間に、第一端部21を移動させること無く第二端部22のみが原点位置0に戻るように駆動素子32を変形させる。この動作により、第一端部21及び第二端部22が共に原点位置0に戻ることになる。復帰動作は、回転子SFの回転速度によらず同一の動作として行うことができる。
以下、駆動動作と復帰動作とを繰り返すことにより、回転子SFをさせることができる。回転子SFが慣性回転状態になっている場合において、上記X+vΔt+ΔXの値が駆動素子31の最大変形量を超えない限り、駆動動作及び復帰動作を繰り返すことで、回転子SFにトルクを伝達させ続けることができる。
次に、本実施形態におけるモータ装置MTRの回転調整動作を説明する。
例えば駆動動作によって回転子SFが回転している状態で、制御部CONTは、図16に示すように、接触部材BTの第一端部21が原点位置0からXだけ+X方向(例えば、ベース部BSに近づく方向)に移動するように駆動素子31を変形させる。また、制御部CONTは、接触部材BTの第二端部22が原点位置0からXだけ+X方向(例えば、ベース部BSに近づく方向)に移動するように駆動素子32を変形させる。このとき、接触部材BTのベルト部23が回転子SFに接触されることになるため、回転子SFとベルト部23との間に摩擦力が生じる。当該摩擦力により、回転子SFの回転が規制されることになる。
この状態から、例えば図17に示すように、制御部CONTは、駆動素子31を変形させて、接触部材BTの第一端部21側の張力T1が目標張力T1eとなるように第一端部21をΔXだけ−X方向(例えば、ベース部BSから遠ざかる方向)に移動させる。また、制御部CONTは、駆動素子32を変形させて、第二端部22側の張力T2が目標張力T2eとなるように第二端部22をΔXだけ+X方向(例えば、ベース部BSに近づく方向)に移動させる。この動作により、接触部材BTから回転子SFにトルクが伝達される。回転子SFの回転方向とは逆方向にトルクが伝達されるため、回転子SFの回転が規制されることになる。また、制御部CONTは、復帰動作については、上記の復帰動作と同様の動作を行わせるようにする。
次に、本実施形態の回転子SFの駆動動作におけるトルク制御について説明する。
本実施形態における実効トルクNは、駆動動作と復帰動作とを1サイクル行うのに要する時間tall、有効張力の伝達開始から回転子SFが慣性状態になるまでの時間t、目標有効張力Tgoal、回転子SFの半径Rに依存する。具体的には、下記[数8]によって示される。
Figure 2011217500
[数8]に示すように、実効トルクNを制御するパラメータとしては、tall、t、Tgoalの3つが挙げられる。駆動動作と復帰動作の1サイクルの時間tallについては回転子SFの駆動制御を行う上で一定に設定される場合があるため、t、Tgoalの2つの値を変化させることで実効トルクNの制御を行っても良い。
このように、本実施形態によれば、接触部材BTの弾性変形を利用し、回転子SFの外周と接触部材BTとの相対速度をゼロにして接触部材BTの有効張力を回転子SFに伝達する駆動動作と、第一端部21及び第二端部22を同時に内側へ移動させる復帰動作とを繰り返し行うことにより、回転子SFを加速あるいは減速させながらダイナミックに回転させることができる。また、小型の駆動部ACであっても高効率で回転子SFを回転させることが可能となる。
また、本実施形態によれば、小型の駆動部ACであっても高いブレーキトルクを生じさせることができる(ブレーキ手段)。また、接触部材BTの弾性変形を利用しつつ駆動動作と復帰動作とを繰り返し行うことにより、回転子SFに対してブレーキトルクをダイナミックに作用させることができる(ブレーキ手段)。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
図18は、本実施形態に係るモータ装置MTRの構成を示す図である。本実施形態に係るモータ装置MTRは、ベース部BSの構成が上記実施形態とは異なっている。本実施形態では、ベース部BSが変位拡大機構50を有する構成になっている。他の構成については、例えば第一実施形態に示すモータ装置MTRと同一の構成となっている。
図19は、変位拡大機構50の構成を示す図である。
図19に示すように、変位拡大機構50は、素子支持部51、連結部52及び変位伝達部53を有している。素子支持部51は、ベース部BSの−X側の表面に取り付けられている。素子支持部51は、例えば平板状に形成されている。素子支持部51の−X側の面には、駆動部AC及びACの駆動素子31、32が取り付けられている。
変位伝達部53は、連結部52によって素子支持部51に連結されている。変位伝達部53は、素子支持部51との間で駆動素子31、32を挟むようにそれぞれ配置されている。変位伝達部53は、駆動素子31、32のそれぞれの−X側の端部に接続されている。変位伝達部53は、例えばY方向の一の端部53aが連結部52に連結されている。変位伝達部53のY方向の他の端部53bには、例えば接触部材BTの第一端部21、第二端部22が接続されている。
連結部52と変位伝達部53との接続部分54は、他の部分よりも例えばY方向の厚さが薄くなるように形成されている。例えば駆動素子31、32が伸縮して−X方向の先端部56がX方向に変位すると、変位伝達部53は、接続部分54を支点としてθZ方向に回転するようになっている。
このため、図19に示すように、接続部分54と先端部56との距離をS1とし、接続部分54と端部53aとの距離をS2とし、先端部56のX方向の変位をL1とすると、端部53aのX方向の変位L2は、
L2=L1・(S2/S1)
となる。
本実施形態では、S2>S1であるため、端部53aにおける変位L2は、先端部56の変位L1に対して拡大されていることになる。先端部56の変位が拡大されて端部53aに伝達される結果、当該端部53aに接続される第一端部21、第二端部22の移動量が拡大されることになる。本実施形態における変位拡大機構50は、駆動素子31、32の駆動量(伸縮量)に基づく接触部材BTの移動量を拡大して接触部材BTに伝達する。
先端部56の変位は、駆動素子31、32のX方向の寸法に対して例えば0.1%程度となる場合があり、この値は例えば数ミクロンとなる場合がある。この寸法において上記の駆動動作や回転調整動作を実現しようとする場合、モータ装置MTRの組み立て時には、極めて高精度に組み立てる技術が求められることになる。これに対して、本実施形態によれば、てこの原理によって駆動素子31、32変位を拡大することができるため、その分、組み立ての精度の要求が緩和されることになる。これにより、モータ装置MTRの組み立てを簡単にすることができる。
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態を説明する。
図20は、上記実施形態のいずれかに記載のモータ装置MTRを備えるロボット装置RBTの一部(例、指部分の先端)の構成を示す図である。
同図に示すように、ロボット装置RBTは、末節部101、中節部102及び関節部103を有しており、末節部101と中節部102とが関節部103を介して接続された構成になっている。関節部103には軸支持部103a及び軸部103bが設けられている。軸支持部103aは中節部102に固定されている。軸部103bは、軸支持部103aによって固定された状態で支持されている。
末節部101は、接続部101a及び歯車101bを有している。接続部101aには、関節部103の軸部103bが貫通した状態になっており、当該軸部103bを回転軸として末節部101が回転可能になっている。この歯車101bは、接続部101aに固定されたベベルギアである。接続部101aは、歯車101bと一体的に回転するようになっている。
中節部102は、筐体102a及び駆動装置ACTを有している。駆動装置ACTは、上記実施形態に記載のモータ装置MTRを用いることができる。駆動装置ACTは、筐体102a内に設けられている。駆動装置ACTには、回転軸部材104aが取り付けられている。回転軸部材104aの先端には、歯車104bが設けられている。この歯車104bは、回転軸部材104aに固定されたベベルギアである。歯車104bは、上記の歯車101bとの間で噛み合った状態になっている。
上記のように構成されたロボット装置RBTは、駆動装置ACTの駆動によって回転軸部材104aが回転し、当該回転軸部材104aと一体的に歯車104bが回転する。
歯車104bの回転は、当該歯車104bと噛み合った歯車101bに伝達され、歯車101bが回転する。当該歯車101bが回転することで接続部101aも回転し、これにより末節部101が軸部103bを中心に回転する。
このように、本実施形態によれば、低電圧で低速高トルクの回転を出力することができる駆動装置ACTを搭載することにより、例えば減速器を用いることなく直接末節部101を回転させることができる。さらに本実施形態では、駆動装置ACTが非共振に駆動される構成になっているため、樹脂など軽量な材料で大部分を構成することが可能になる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
例えば、上記実施形態では、回転子SFの表面が凹凸の無い構成であったが、これに限られることは無く、例えば当該回転子SFの表面に凹凸を形成した構成であっても構わない。例えば図21に示すように、回転子SFにつば状の突出部60が形成されている。当該突出部60は、例えば接触部材BT及びBTのベルト部23が配置されるスペースを空けるように並んで設けられている。回転子SFに掛けられるベルト部23は、突出部60によって位置決めされることになる。
回転子SFとベルト部23との間には摩擦力が発生し、摩擦熱が発生する。この摩擦熱は、例えばモータ装置MTRの駆動時に伝達するトルクに影響を及ぼす虞がある。これに対して、図21に示す構成においては、突出部60がそれぞれつば状に形成されているため、回転子SFの熱が放出しやすい構成となる。この構成では、回転子SFを空冷によって冷却することができるため、冷却機構などを別途設けなくても回転子SFの冷却が可能となる。これにより、モータ装置MTRの小型化に寄与することとなる。このように、突出部60は、位置決めガイド機構としての機能を有すると共に、回転子SFを冷却する冷却機構としての機能を併せて有することになる。
また、例えば、上記実施形態においては、回転子SFが中実(中空軸でない構造)である構成としたが、これに限られることは無く、例えば円筒状に形成された回転子など、中空の回転子を用いる場合であっても本発明の適用は可能である。特に第4実施形態のように、ロボットアームARMなどの旋回系機械にモータ装置MTRを搭載する場合などには、円筒状の回転子SFの内部に配線などを配置させることができる。勿論、ロボットアームARMにモータ装置MTRを搭載する場合に限られず、他の場合において回転子SFを中空としても構わない。例えば図21に示すように、回転子SFの内部に中空部70が形成されている。このため、回転子SFの冷却効率が向上することになる。
なお、回転子SFを中空に形成する場合には、例えば回転子SFを円筒状に形成するなど、回転子SFの中心軸方向の両端が貫通されている構成にすることもできる。また、例えば回転子SFの中心軸方向の両端が貫通されておらず、いずれか一方のみが開口されている構成にすることもできる。更には、回転子SFの中心軸方向の両端のいずれも塞がれている構成としても構わない。また、回転子SFの内部に適宜仕切りなどを配置しつつ内部を中空にする構成であっても構わない。
また、回転子SFの表面に溝部を形成する構成としても構わない。例えば図22(a)に示す構成では、回転子SFの表面に複数の溝部71が形成されている。各溝部71は、回転子SFの円周方向に形成されており、回転子SFの中心軸方向に並んで形成されている。溝部71は、例えば回転子SFのうち接触部材BTのベルト部23が掛けられる部分に形成されている。
例えばベルト部23と回転子SFとの接触によって摩擦粉が発生する場合がある。当該摩擦粉が回転子SFの表面に残ると、ベルト部23と回転子SFとの間の摩擦力が変動する場合がある。これに対して、図22(a)の構成によれば、回転子SFに溝部71を設けることにより、摩擦粉を溝部71の中に誘導することができる。このため、摩擦粉が回転子SFの表面に付着するのを防ぐことができる。
また、図22(b)は、例えば回転子SFを中空に形成した場合において、回転子SFの表面に形成される溝部71の中に複数の孔部72を設け、回転子SFの内外が孔部72によって連通された構成としても構わない。この構成により、摩擦粉を溝部71から孔部72に誘導して中空部70に逃がすことができる。
また、上記実施形態の構成に加えて、例えば接触部材BTのベルト部23の張力を検出する張力検出部を設けた構成としても構わない。例えば図23に示す構成によれば、張力検出部73が例えばベルト部23のうち第一端部21の近傍に1つ、第二端部22の近傍に1つ、合計で2つ設けられている。張力検出部73としては、例えば歪みゲージなどを用いることができる。勿論、他の張力検出素子を用いることもできる。
張力検出部73では、検出信号が例えば制御部CONTに入力されるようになっている。制御部CONTは、当該検出信号により、例えば駆動部AC(例えば、駆動素子31、32)を制御する構成である。接触部材BTの張力を検出することで、モータ装置MTRがトルク(駆動時または回転調整時)を発生しているか否かを検出することができる。接触部材BTに張力が発生している場合には、回転子SFにトルクが加えられていることになる。
このような構成よれば、トルクの有無を検出することにより、例えばベルト部23と回転子SFとの間において回転子SFが空回りしている場合には、当該空周りを検出することができる。モータ装置MTRの信頼性を高めることができる。なお、図23においては、変位拡大機構50が配置された構成を示しているが、当該変位拡大機構50が配置されていない構成であっても、同様の説明が可能である。
また、例えば、上記実施形態では、接触部材BTを回転子SFの一部(例えば180°)に掛けた状態を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば図24に示すように、接触部材BTが回転子SFに対して360°巻かれた構成としても構わない。この場合、接触部材BTから回転子SFに伝達されるトルクが大きくなるため、より効率的な回転調整が可能となる。
図24の構成によれば、接触部材BTのベルト部23は、回転子SFの一部で交差するように形成されている。また、接触部材BTを駆動する駆動素子31、32は、変位拡大機構50に取り付けられている。ベース部BSには、中央部において−X方向に突出した壁部80が形成されている。各変位拡大機構50は、それぞれ素子支持部51が当該壁部80に取り付けられた状態になっている。このため、駆動素子31、32は、互いに反対方向に伸縮するように設けられている。また、ベース部BSには、変位拡大機構50の接続部分54を避けるように当該変位拡大機構50を保持するため、段差部81が形成されている。このため、接続部分54を支点として変位伝達部53が回転することができるようになっている。
この構成により、省スペース化が可能となるため、小型化に寄与することになる。また、駆動素子31、32は、例えば縮小する方向より伸びる方向に動作したほうが大きな推力を発生することができる場合がある。図24の構成によれば、当該駆動素子31、32の性質を利用することで、大きな変位量を得ることができる。
また、例えば、上記各実施形態では、駆動部AC及び接触部材BTの組を1相のみ設けた場合を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、複数相の駆動部AC及び接触部材BTの組を用いた構成であっても構わない。
図25には、図23に示すモータ装置MTRのうち駆動部AC及び接触部材BTの構成を、180°ずれた位置に二相配置した構成が示されている。駆動部AC及び接触部材BTが1組の場合、例えば回転子SFには接触部材BT(ベルト部23)の伸縮によって、ラジアル方向に大きな力が加わることになる。このため、不図示のベアリング部などの軸受部もこの力に対応できる構成とする必要があり、当該軸受部を大型化する必要が生じる場合がある。これに対して、図25に示す構成では、180°ずれた2箇所(互いのベルト部23によって引き合う位置)に駆動部AC及び接触部材BTが配置されているため、回転子SFにかかるラジアル方向の力を相殺することができる。このため、軸受部の大型化を回避することができる。なお、駆動部AC及び接触部材BTは2組に限られず、ラジアル方向の力がキャンセルできれば、3組以上配置した構成であっても構わない。
図26は、図23に示す駆動部AC及び接触部材BTの構成を3組配置して三相構造とした構成が示されている。駆動部AC及び接触部材BTを3組配置する場合、例えば互いに120°ずつずれた位置に配置させることができる。この場合、駆動部AC1〜AC3及び接触部材BT1〜BT3を1相毎に順に駆動させるようにすることができる。
図27は、駆動部AC1〜AC3の駆動状況を示すグラフである。グラフの横軸は時間経過を示している。グラフの縦軸は3組の駆動部AC及び接触部材BTに使用しているそれぞれ2個の駆動素子31A〜31C、32A〜32Cの変位量の変化を示している。例えば、駆動部AC1の駆動素子31A及び32Bの変位の変化について例を挙げて説明する。
駆動素子31A及び32Aは、お互いに変位のずれを生じながら動作し、回転子SFがベルト部23によって例えば時計回りに回転する。例えば期間t1では、駆動素子31Aが収縮するように変位し、駆動素子32Aが延伸することでベルト部23が回転子SFを時計回りに回転させる。
期間t2では、駆動素子31Aが延伸し、ベルト部23を緩める。このとき、駆動素子32Aは、延伸した位置を保持する。期間t3では、駆動素子31Aが延伸した状態を保持し、駆動素子32Aが収縮する。この動作を繰り返して行なうことで、ベルト部23は回転子SFを時計回転させることができる。
同様の動作を、駆動素子31B及び32B、駆動素子31C及び32Cについても行わせる。但し、駆動素子31B及び32Bについては、上記の駆動素子31A及び31Bに対して一期間だけ遅れた状態で上記動作を行う。同様に、駆動素子31C及び32Cについては、上記の駆動素子31B及び32Bに対して一期間だけ遅れた状態で上記動作を行う。このように、時間をずらしながら回転子SFを回転するt2区間が連続しているので、常に時計方向に回転するトルクを発生させることができる。このように、三相で交互に駆動を行った場合、張力の振動幅が小さく抑えられることになり、安定した回転調整を行うことが可能である。なお、回転子SFを反時計方向に回転する場合は、各駆動素子31、32に印加する電圧を逆にすれば良い。
図28は、モータ装置MTRを用いて回転子SFの回転調整動作を行う場合の駆動状況を示すグラフである。図27と同様、グラフの横軸は時間経過を示している。グラフの縦軸は3組の駆動部AC及び接触部材BTに使用しているそれぞれ2個の駆動素子31A〜31C、32A〜32Cの変位量の変化を示している。
回転調整動作の際の基本動作は、図27に示す三相構造のモータ装置MTRの動作と同様である。図28のグラフでは、回転子SFを回転させる前(期間t0)にそれぞれの駆動部AC1〜AC3の2個の駆動素子31A〜31C、32A〜32Cにブレーキ力(ベルトの張力)に相当する力が、あらかじめ加わっている(変位L2)。このため、回転子SFの回転が抑制されることになる。
なお、図29に示すように、変位拡大機構50に駆動部AC及び接触部材BTが取りつられた構成を三相構造としても構わない。この場合、駆動素子31、32の性質を利用することで、大きな変位量を得ることができ、かつ、回転子SFの駆動及び回転調整を安定化させることができる。
また、駆動部AC及び接触部材BTが4組の場合には、例えば互いに90°ずつずれた位置に配置させることができる。これを踏まえて、駆動部AC及び接触部材BTがn組(n:2以上の自然数)の場合、(360/n)°ずつずれた位置に配置させることができる。
また、接触部材BTのベルト部23の張力の調整を行うことが可能な構成としても構わない。図30は、ベルト部23を所定の張力で組み立てるための張力調整部の一例を示す図である。張力調整部は、ベルト受部131f、ベルト固定部131g、及びネジ131hを備えている。ベルト部23の端部23aには、突出部23bが設けられている。また、第一端部21(又は第二端部22)には、ベルト受部131f及びベルト固定部131gが設けられている。ベルト受部131fの穴部にベルト部23の突出部23bを挿入し、所定の張力が得られたら、穴の側面に配置したネジ131hで突出部23bとベルト固定部131gとをネジ固定する構造である。
また、上記実施形態では、回転子SFの径が中心軸方向に等しく形成された構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無い。例えば回転子SFが、一部(例えば中心軸方向の一端部)に他の部分よりも径が小さく形成された縮径部を有する構成とし、当該縮径部に接触部材BTを配置させる構成としても構わない。また、回転子SFに例えば他の部分よりも径が大きく形成された拡径部を設ける構成としても構わない。
また、上記実施形態では、ベース部BSが正面視で矩形に形成された構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、他の形状であっても構わない。例えば、円形、楕円形としても構わないし、台形、平行四辺形、ひし形、三角形、五角形、六角形など、他の多角形としても構わない。
また、ベルト部23の形状として、上記実施形態では、帯状に形成されたベルト部23を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば線状や鎖状など、他の形状であっても構わない。
MTR…モータ装置 BS…ベース部 BT…接触部材 AC…駆動部 CONT…制御部 SF…回転子 C…中心軸 F…基準位置 RBT…ロボット装置 ACT…駆動装置 21…第一端部 22…第二端部 23…ベルト部 31…駆動素子 32…駆動素子

Claims (21)

  1. 回転子と、
    前記回転子の外周の少なくとも一部に掛けられた接触部材と、
    前記回転子を回転させる時には前記回転子と前記接触部材との間を回転力伝達状態として前記接触部材を一定距離移動させると共に前記回転力伝達状態を解消した状態で前記接触部材を所定の位置に復帰させ、前記回転子を回転させない時には前記回転子と前記接触部材との間を接触させた接触状態で前記接触部材の移動を調整する駆動部と、
    を備えるモータ装置。
  2. 前記駆動部は、前記回転子を回転させない時には、前記接触状態で前記接触部材に所定の張力を与えて前記接触部材によって前記回転子を保持する
    請求項1に記載のモータ装置。
  3. 前記駆動部は、前記回転子を回転させない時には、前記接触状態で前記回転子の回転方向と逆方向に前記接触部材を移動させる
    請求項1又は請求項2に記載のモータ装置。
  4. 前記接触部材は、線状、帯状及び鎖状のうちいずれかの形状に形成されている
    請求項1から請求項3のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
  5. 前記接触部材は、弾性変形可能に形成されている
    請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
  6. 前記駆動部を支持する支持部を備える
    請求項1から請求項5のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
  7. 前記支持部は、前記接触部材の移動量を拡大させる変位拡大機構を有する
    請求項6に記載のモータ装置。
  8. 前記回転子は、前記接触部材を冷却する冷却機構を有する
    請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
  9. 前記冷却機構は、前記回転子の表面に設けられた突出部を有する
    請求項8に記載のモータ装置。
  10. 前記突出部は、前記接触部材を案内する位置に設けられる
    請求項9に記載のモータ装置。
  11. 前記冷却機構は、前記回転子の表面に設けられた溝部を有する
    請求項8から請求項10のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
  12. 前記回転子は、中空に形成されている
    請求項1から請求項11のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
  13. 前記接触部材の張力を検出する張力検出部を備える
    請求項1から請求項12のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
  14. 前記張力検出部の検出結果に基づいて前記駆動部の駆動を制御する制御部を備える
    請求項13に記載のモータ装置。
  15. 前記駆動部は、基準位置を挟む位置に設けられた第1電気機械変換素子及び第2電気機械変換素子を有する
    請求項1から請求項14のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
  16. 前記第1電気機械変換素子と前記第2電気機械変換素子とは、前記基準位置に対して互いに対称な位置に配置される
    請求項15に記載のモータ装置。
  17. 前記接触部材は、前記回転子の回転軸方向に沿って複数設けられ、
    前記駆動部は、複数の前記接触部材のそれぞれに設けられる
    請求項1から請求項16のうちいずれか一項に記載のモータ装置。
  18. 複数の前記駆動部は、それぞれ前記回転子の周方向にずれた位置に配置される
    請求項17に記載のモータ装置。
  19. 前記回転子は、前記接触部材毎に径が異なるように形成されている
    請求項17又は請求項18に記載のモータ装置。
  20. 回転子と当該回転子に掛けられる接触部材との間を回転力伝達状態として前記接触部材を一定距離移動させると共に、前記回転力伝達状態を解消した状態で前記接触部材を所定の位置に戻すことで前記回転子を回転させる回転ステップと、
    前記回転子と前記接触部材との間を接触させた状態で前記接触部材の移動を調整することで前記回転子の回転を抑制する抑制ステップと
    を含む回転子の駆動方法。
  21. 回転軸部材と、
    前記回転軸部材を回転させるモータ装置と
    を備え、
    前記モータ装置として、請求項1から請求項19のうちいずれか一項に記載のモータ装置が用いられている
    ロボット装置。
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