JP2012005201A - モータ装置及び回転子の駆動方法並びにロボット装置 - Google Patents
モータ装置及び回転子の駆動方法並びにロボット装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高トルクを発生させることができるモータ装置を提供する。
【解決手段】少なくとも一部が誘電性材料で形成された中空状の回転子SFと、少なくとも一部が導電性材料で形成され、回転子の外面と内面とのうち一方と対向配置された接触部材BTと、回転子の外面と内面とのうち前記一方と異なる他方と対向配置され、回転子を帯電させる電極部EP1、EP2と、接触部材に接続され、接触部材を移動させる駆動部ACと、回転子を帯電させることによって発生する静電吸着力により回転子と接触部材との間を回転力伝達状態として接触部材を一定距離移動させる駆動動作及び回転力伝達状態を解消した状態で接触部材を所定の位置に戻す復帰動作を駆動部に行わせる制御部CONTと、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも一部が誘電性材料で形成された中空状の回転子SFと、少なくとも一部が導電性材料で形成され、回転子の外面と内面とのうち一方と対向配置された接触部材BTと、回転子の外面と内面とのうち前記一方と異なる他方と対向配置され、回転子を帯電させる電極部EP1、EP2と、接触部材に接続され、接触部材を移動させる駆動部ACと、回転子を帯電させることによって発生する静電吸着力により回転子と接触部材との間を回転力伝達状態として接触部材を一定距離移動させる駆動動作及び回転力伝達状態を解消した状態で接触部材を所定の位置に戻す復帰動作を駆動部に行わせる制御部CONTと、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータ装置及び回転子の駆動方法並びにロボット装置に関するものである。
例えば旋回系機械を駆動させるアクチュエータとして、モータ装置が用いられている。このようなモータ装置として、例えば電動モータや超音波モータなど、高トルクを発生させることが可能なモータ装置が広く知られている。近年では、ヒューマノイドロボットの関節部分など、より精密な部分を駆動させるモータ装置が求められており、電動モータや超音波モータなどの既存のモータにおいても小型化、トルクの制御性等、細密で高精度な駆動を行うことができる構成が求められている。
しかしながら、電動モータや超音波モータにおいては、高トルクを発生させるためには減速機を取り付ける必要があるため、小型化には限界がある。また、超音波モータにおいては、トルクの制御が困難である。
本発明は、以上のような点を考慮してなされたもので、高トルクを発生させることができる、モータ装置及び回転子の駆動方法並びにロボット装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、少なくとも一部が誘電性材料で形成された中空状の回転子と、少なくとも一部が導電性材料で形成され、回転子の外面と内面とのうち一方と対向配置された接触部材と、回転子の外面と内面とのうち一方と異なる他方と対向配置され、回転子を帯電させる電極部と、接触部材に接続され、接触部材を移動させる駆動部と、回転子を帯電させることによって発生する静電吸着力により回転子と接触部材との間を回転力伝達状態として接触部材を一定距離移動させる駆動動作及び回転力伝達状態を解消した状態で接触部材を所定の位置に戻す復帰動作を駆動部に行わせる制御部と、を備えるモータ装置が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、少なくとも一部が誘電性材料で形成された中空状の回転子を帯電させることによって発生する静電吸着力により、少なくとも一部が導電性材料で形成され、回転子と対向配置した接触部材を回転子に吸着させる吸着工程と、駆動部の駆動により、回転子と回転子に吸着させた接触部材との間を回転力伝達状態として接触部材を一定距離移動させる駆動工程と、回転子の静電吸着力を解放して回転力伝達状態を解消する解放工程と、駆動部の駆動により、回転力伝達状態を解消した状態で接触部材を所定の位置に戻す復帰工程とを含む回転子の駆動方法が提供される。
本発明の第3の態様に従えば、回転軸部材と、回転軸部材を回転させるモータ装置と、を備え、モータ装置として、本発明の第1の態様のモータ装置が用いられているロボット装置が提供される。
本発明によれば、高トルクを発生させることができる小型のモータ装置を提供することができる。
以下、本発明のモータ装置及び回転子の駆動方法並びにロボット装置の実施の形態を、図1ないし図9を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るモータ装置MTRの一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、モータ装置MTRは、回転子SFと、接触部材BTと、駆動部ACと、電極部EP1、EP2と、給電部ESと、制御部CONTとを備えている。モータ装置MTRは、回転子SF及び駆動部ACが固定部材9(図2参照)によって支持された状態になっており、駆動部ACに接続された接触部材BTが回転子SFの外面に対向配置されている。制御部CONTは駆動部AC及び給電部ESに接続されており、駆動部AC及び給電部ESに対して制御信号を供給可能になっている。
図1は、本実施形態に係るモータ装置MTRの一例を示す概略構成図である。
図1に示すように、モータ装置MTRは、回転子SFと、接触部材BTと、駆動部ACと、電極部EP1、EP2と、給電部ESと、制御部CONTとを備えている。モータ装置MTRは、回転子SF及び駆動部ACが固定部材9(図2参照)によって支持された状態になっており、駆動部ACに接続された接触部材BTが回転子SFの外面に対向配置されている。制御部CONTは駆動部AC及び給電部ESに接続されており、駆動部AC及び給電部ESに対して制御信号を供給可能になっている。
なお、以下の説明では、回転子SFの回転軸線方向をX方向、X方向と直交(交差)する駆動部ACの駆動方向をY方向、X方向及びY方向と直交する方向をZ方向、回転子SFの回転軸線周り方向をθX方向として説明する。
回転子SFは、内部に空間を有する中空状に形成された筒部SF1と、中実状の軸部SF2とを備えている。筒部SF1は、+X側の端部が開口する有底の円筒形状に形成されている。筒部SF1の外面は、接触部材BTが当接する外周となる。モータ装置MTRは、回転子SFの回転数、回転角度、又は回転速度を検出可能な不図示の検出器を備えている。
軸部SF2は、筒部SF1の−X側に筒部SF1と回転軸線を合致させて設けられている。軸部SF2は、例えば不図示のベアリング機構などを介して回転軸線周りに回転可能に支持されている。
筒部SF1及び軸部SF2は、例えば、セラミックス等の誘電性材料により一体的に設けられている。なお、筒部SF1及び軸部SF2が誘電性材料により形成されるのではなく、例えば、外面のみや内面のみに誘電性材料により被覆された誘電層が設けられる構成であってもよい。
接触部材BTは、弾性変形可能な導電性材料(例えば、アルミニウムやカーボン繊維)で帯状に形成されており、回転子SFに、例えば300°(5/6周)の長さで、且つ回転子SFにおける筒部SF1の外径よりも大きな外径に湾曲して形成されている。
駆動部ACは、制御部CONTによる通電に応じて長さ方向(Y方向)に伸縮(駆動)する積層圧電素子(電歪素子)32を備えている。積層圧電素子32の+Y側の端部は、固定部材9に固定されている。積層圧電素子32の−Y側の端部は、リンク機構10を介して接触部材BTの周方向の一端側に接続されている。接触部材BTの周方向の他端側は自由端となっている。
リンク機構10は、中心軸11、13、支持部12、14及び接続部15を備えている。支持部12は、積層圧電素子32の−Y側端部に設けられX方向に延在する中心軸11を軸支する。支持部14は、接触部材BTの周方向の一端側に設けられX方向に延在する中心軸13を軸支する。接続部15は+Y側の端部において中心軸11に、当該中心軸11周りに回転自在に支持されている。接続部15の−Y側の端部は中心軸13に、当該中心軸13周りに回転自在に支持されている。
電極部EP1、EP2は、回転子SFと同軸、且つ回転子SFの筒部SF1よりも小径の円筒を、回転子SFの回転軸線を含むXZ平面で分割した二つ割り形状を有している。
電極部EP1、EP2の−X側の端部は、回転子SFの筒部SF1における内部空間に挿入されている。電極部EP1、EP2が筒部SF1に挿入される長さは、X方向に関して接触部材BTと重複するように設定される。
各電極部EP1、EP2は、給電部ESにより所定の電位に独立して印加される。
電極部EP1、EP2の−X側の端部は、回転子SFの筒部SF1における内部空間に挿入されている。電極部EP1、EP2が筒部SF1に挿入される長さは、X方向に関して接触部材BTと重複するように設定される。
各電極部EP1、EP2は、給電部ESにより所定の電位に独立して印加される。
次に、上記のように構成されたモータ装置MTRの動作について、図2を参照して説明する。図2(a)〜(e)は、図1をYZ平面で断面した図である。
図2(a)は、初期状態にあるモータ装置MTRを示す図であり、電極部EP1、EP2に対する通電は行われず、また駆動部ACにおいても積層圧電素子32には通電がなされずに収縮した状態となっている。そして、接触部材BTにおいては、回転子SFの筒部SF1への吸着が行われないことから、筒部SF1に対して離間して回転力伝達状態が解消された状態となっている。
図2(a)は、初期状態にあるモータ装置MTRを示す図であり、電極部EP1、EP2に対する通電は行われず、また駆動部ACにおいても積層圧電素子32には通電がなされずに収縮した状態となっている。そして、接触部材BTにおいては、回転子SFの筒部SF1への吸着が行われないことから、筒部SF1に対して離間して回転力伝達状態が解消された状態となっている。
そして、制御部CONTの制御により給電部ESから、図2(b)に示すように、電極部EP1に対してプラスの電位が印加され、電極部EP2に対してマイナスの電位が印加される。これにより、筒部SF1においては電荷が移動し、電極部EP1と対向する範囲がマイナス電荷に帯電し、電極部EP2と対向する範囲がプラス電荷に帯電する。筒部SF1が偏った電荷で帯電することにより、筒部SF1と接触部材BTとの間にクーロン力またはジョンセン−ラーベック力と称される静電吸着力が働き、筒部SF1の外面に接触部材BTが吸着されて回転力伝達状態となる。
このとき、接触部材BTは、積層圧電素子32が変位しない状態で周方向の一端側が変位するが、リンク機構10における接続部15が中心軸11、13周りに回転して傾くことにより、接触部材BTは積層圧電素子32を変形させることなく筒部SF1の外面吸着される。
この後、図2(c)に示すように、制御部CONTが駆動部ACにおける積層圧電素子32に通電することにより、積層圧電素子32は−Y側に伸張する。積層圧電素子32の伸張により、接触部材BTの周方向一端側は、駆動動作としてリンク機構10を介して−Y側へ移動する。接触部材BTの−Y側への移動により、接触部材BTに静電吸着される回転子SFは、X軸を中心として時計回り方向に回転する。
ここで、例えば、上記実施形態における回転子SFの駆動動作は、図3に示すような、オイラーの摩擦ベルト理論を用いている。図3は、摩擦係数μを変化させたときの有効巻き付き角θとオイラー係数との関係を示すグラフである。図3に示すように、例えば摩擦係数μが0.3の場合には、有効巻き付き角θが300°以上のときにオイラー係数の値が0.8となっている。このことから、摩擦係数μが0.3の場合には、有効巻き付き角θを300°以上とすることにより、駆動部ACによる張力の80%以上の力が回転子SFのトルクに寄与することがわかる。
また、筒部SF1の外面に静電吸着される接触部材BTの長さ、及び所望の摩擦係数を発現させる静電吸着力に対応して電極部EP1、EP2に印加する電位を調整することにより、回転子SFのトルクを制御することができる。
続いて、制御部CONTの制御により給電部ESから、図2(d)に示すように、図2(b)に示した電位とは逆に、電極部EP1に対してマイナスの電位が印加され、電極部EP2に対してプラスの電位が印加される。これにより、筒部SF1においては電荷が移動し、電極部EP1と対向する範囲がプラス電荷に帯電し、電極部EP2と対向する範囲がマイナス電荷に帯電する。筒部SF1における電位が逆に変化することにより、接触部材BTは反発して筒部SF1から離間して、回転力伝達状態が解消される。
この後、制御部CONTが駆動部ACにおける積層圧電素子32への通電を解除することにより、図2(e)に示すように、積層圧電素子32は+Y側に収縮する。積層圧電素子32の収縮により、接触部材BTの周方向一端側は、復帰動作としてリンク機構10を介して+Y側へ移動して、図2(a)に示す初期状態に戻る。このように、図2(a)〜図2(e)に示す動作(シーケンス)を繰り返すことにより、回転子SFを時計回り方向に回転させることができる。
なお、回転子SFを反時計回り方向に回転させるには、駆動部ACにおける積層圧電素子32の伸縮方向を逆方向にしたり、電極部EP1、EP2へ印加する電位を逆にすることで実現できる。
以上のように本実施形態では、接触部材BTが回転子SFの外面に静電吸着された状態で駆動動作を行わせるとともに、静電吸着を解放した状態で復帰動作を行わせることとしたので、小型の駆動部ACであっても高いトルクを回転子SFに付加させることが可能となる。これにより、高トルクを発生させることができる小型のモータ装置MTRを得ることができる。また、小型の駆動部ACであっても高効率で回転子SFを回転させることが可能となる。また、本実施形態では、上述した電極部EP1、EP2に対する通電を調整することで、上記駆動動作と復帰動作とを容易、迅速、且つ高精度のタイミングで切り替えることが可能になる。
また、本実施形態では、積層圧電素子32の−Y側端部と、接触部材BTの周方向の一端側とがリンク機構10を介して接続されているため、積層圧電素子32のY方向の伸縮動作を効果的に回転子SFの回転動作に変換することが可能である。
(第2実施形態)
続いて、モータ装置MTRの第2実施形態について、図4乃至図6を参照して説明する。この図において、図1乃至図3に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態では、第1実施形態に対して接触部材、駆動部AC及びリンク機構を複数設ける構成となっている。
続いて、モータ装置MTRの第2実施形態について、図4乃至図6を参照して説明する。この図において、図1乃至図3に示す第1実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略する。
第2実施形態では、第1実施形態に対して接触部材、駆動部AC及びリンク機構を複数設ける構成となっている。
図4に示すように、モータ装置MTRにおける回転子SF(筒部SF1)の外面には、接触部材BT1〜BT3の幅の隙間をあけて円盤状の突出部50が回転軸線方向(X方向)に沿って複数(ここでは4つ)設けられている。そして、接触部材BT1〜BT3は、突出部50に案内されて筒部SF1の外面と対向配置されている(図4では、接触部材BT1〜BT3が筒部SF1の外面と接触している状態が示されている)。
図5に示すように、各接触部材BT1〜BT3は、リンク機構10A〜10Cを介して駆動部AC1〜AC3にそれぞれ接続されている。これら駆動部AC1〜AC3、リンク機構10Aから10C及び接触部材BT1〜BT3は、回転子SFの周方向に120°間隔で互いにずれた位置に3組配置されている(図5では、接触部材BT2、BT3は不図示)。
電極部EP1には、電極EP13、EP11、EP12が絶縁部材21を介在させた状態で−X側から順次設けられている。同様に、電極部EP2には、電極EP23、EP21、EP22が間に絶縁部材22を介在させた状態で−X側から順次設けられている。これら電極EP13、EP11、EP12及び電極EP23、EP21、EP22は、給電部ESにより所定の電位に独立して印加される。
また、電極EP13、EP23は、X方向に関して接触部材BT3と重複する長さ及び位置に配置されている。同様に、電極EP11、EP21は、X方向に関して接触部材BT1と重複する長さ及び位置に配置されている。また、電極EP12、EP22は、X方向に関して接触部材BT2と重複する長さ及び位置に配置されている。
上記のように構成されたモータ装置MTRにおいては、接触部材BT1〜BT3及び駆動部AC1〜AC3の組み合わせが三相構造となっている。したがって、当該三相の接触部材BT1〜BT3及び駆動部AC1〜AC3を、第1実施形態で説明したように、1相毎に順に駆動させるようにすることができる。
図6(a)〜(d)は、三相の接触部材BT及び駆動部ACを順次駆動させたときの張力と時間との関係を示すグラフである。グラフの横軸は時間を示しており、グラフの縦軸は張力を示している。図6(a)〜(d)において、グラフの破線、一点鎖線、二点鎖線は各相の駆動を示している。グラフの実線は、回転子SF全体における張力を示している。図6(b)〜(d)は、図6(a)における各相の駆動をそれぞれ示している。なお、ここでは、一相の駆動時間を0.01秒としている。同図に示すように、三相で交互に駆動を行った場合、張力の振動幅が小さく抑えられることになるため、本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の作用・効果が得られることに加えて、安定した駆動を行うことが可能になる。
また、本実施形態では、接触部材BT1〜BT3が突出部50に案内された状態となるため、回転子SFが回転した場合でも、回転軸線方向の位置にずれが生じず、回転トルクを安定して回転子SFに付与することが可能になる。また、本実施形態の回転子SFでは、突出部50から放熱が促進されることから冷却装置CLとして機能することになり、接触部材BT1〜BT3との間の摩擦等で発熱した場合でも、効果的に冷却することができ、摩擦熱に起因する回転トルクが回転子SFに作用することを回避できる。
また、回転子SFに設ける冷却装置CLとしては、上記の突出部50の他に、図7(a)に示すように、回転子SFの外周面に回転軸線回りに形成した複数(ここでは3つ)の溝部50aを形成する構成としてもよい。
この構成では、溝部50aにより回転子SFの表面積が増して放熱効率が高まるとともに、回転子SFと接触部材BT1との間に隙間が形成されて排熱されるため、冷却効率を大幅に高めることができる。また、この構成では、回転子SFと接触部材BT1との摩擦で生じた摩擦粉を溝部50aを介して排出できるため、回転子SFと接触部材BT1との間に存在する摩擦粉によって摩擦力が変動して、回転子SFに付与されるトルクが変動することを抑制できる。
この構成では、溝部50aにより回転子SFの表面積が増して放熱効率が高まるとともに、回転子SFと接触部材BT1との間に隙間が形成されて排熱されるため、冷却効率を大幅に高めることができる。また、この構成では、回転子SFと接触部材BT1との摩擦で生じた摩擦粉を溝部50aを介して排出できるため、回転子SFと接触部材BT1との間に存在する摩擦粉によって摩擦力が変動して、回転子SFに付与されるトルクが変動することを抑制できる。
さらに、回転子SFに設ける冷却装置CLとしては、図7(b)に示すように、回転子SFを円筒形状の中空構造とし、外周面と中空部とを貫通する貫通孔50bを設ける構成としてもよい。
この構成では、図7(a)に示した構成と同様に、摩擦熱及び摩擦粉を貫通孔50bを介して中空部に排出することができる。さらに、この構成では、摩擦粉の飛散を抑えることができ、摩擦粉による回転子SFのトルク変動を抑制することが可能になる。
この構成では、図7(a)に示した構成と同様に、摩擦熱及び摩擦粉を貫通孔50bを介して中空部に排出することができる。さらに、この構成では、摩擦粉の飛散を抑えることができ、摩擦粉による回転子SFのトルク変動を抑制することが可能になる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
本実施形態では、上記のモータ装置の適用例を説明する。
図8は、モータ装置MTRを例えばロボットアームに適用させた構成を示す図である。
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
本実施形態では、上記のモータ装置の適用例を説明する。
図8は、モータ装置MTRを例えばロボットアームに適用させた構成を示す図である。
図8に示すように、モータ装置MTRがカップリングCPLを介してロボットアームARMに接続されている。上記実施形態のモータ装置MTRは、小型で高トルクを出力可能であるため、ロボットアームARMを高精度に駆動させることができる。また、上記実施形態のモータ装置MTRは、ロボットの関節部分(例、指の関節部分、等)や工作機械の駆動部などにも応用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
また、例えば、上記実施形態における回転子SFの筒部SF1は、+X側の端部が開口する有底の円筒形状に形成される構成としたが、これに限定されるものではなく、内部に電極部EP1、EP2を収容するための空間を備えるものであれば、端部が閉塞され内部空間が封止されている構成であってもよい。
さらに、上記実施形態では、接触部材BTを回転子SFの外面と対向配置し、電極部EP1、EP2を回転子SFの内面と対向配置する構成としたが、これに限られず、例えば、図9に示すように、電極部EP1、EP2を回転子SFの外面と対向配置し、接触部材BTを内面と対向配置する構成であってもよい。
さらに、上記実施形態では、接触部材BTを回転子SFの外面と対向配置し、電極部EP1、EP2を回転子SFの内面と対向配置する構成としたが、これに限られず、例えば、図9に示すように、電極部EP1、EP2を回転子SFの外面と対向配置し、接触部材BTを内面と対向配置する構成であってもよい。
この構成では、電極部EP1、EP2を互いに異なる電位で印加することにより、筒部SF1が偏った電荷で帯電し、クーロン力またはジョンセン−ラーベック力と称される静電吸着力で筒部SF1の内面に接触部材BTを吸着させて回転力伝達状態となる。そして、この状態で駆動部ACにおける積層圧電素子32に通電して伸張または収縮させることにより、筒部SF1(回転子SF)を時計回り方向または反時計回り方向に回転させることができる。また、電極部EP1、EP2を上記と逆の電位でそれぞれ印加することにより、筒部SF1における電位が逆に変化することにより、接触部材BTは反発して筒部SF1から離間して、回転力伝達状態が解消される。この後、制御部CONTが駆動部ACにおける積層圧電素子32への通電を解除することにより、積層圧電素子32を初期状態に戻すことができ、上記の実施形態と同様の作用・効果を得ることが可能になる。
また、上記実施形態では、接触部材BTが帯状に形成された例を説明したが、これに限られることは無く、例えば線状、鎖状に形成されていても構わない。
また、上記実施形態では、接触部材BTを移動させる駆動部ACが電歪素子を有する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば駆動部が電歪素子に代えて磁歪素子、電磁石、VCM(ボイスコイルモータ)など、他のアクチュエータを用いる構成であっても構わない。例えば磁歪素子を用いた場合、推力を高くすることができる。電磁石を用いた場合は、高推力、長ストロークの駆動が可能である。VCMを用いた場合、長ストロークの駆動が可能であり、トルク制御が容易となる。
10…リンク機構、 32…積層圧電素子(電歪素子)、 50…突出部、 AC…駆動部、 BT…接触部材、 CL…冷却装置、 CONT…制御部、 MTR…モータ装置、 SF…回転子
Claims (15)
- 少なくとも一部が誘電性材料で形成された中空状の回転子と、
少なくとも一部が導電性材料で形成され、前記回転子の外面と内面とのうち一方と対向配置された接触部材と、
前記回転子の外面と内面とのうち前記一方と異なる他方と対向配置され、前記回転子を帯電させる電極部と、
前記接触部材に接続され、前記接触部材を移動させる駆動部と、
前記回転子を帯電させることによって発生する静電吸着力により前記回転子と前記接触部材との間を回転力伝達状態として前記接触部材を一定距離移動させる駆動動作及び前記回転力伝達状態を解消した状態で前記接触部材を所定の位置に戻す復帰動作を前記駆動部に行わせる制御部と、
を備えるモータ装置。 - 請求項1記載のモータ装置において、
前記制御部は、前記電極部に対する通電を調整することによって、前記回転力伝達状態を制御するモータ装置。 - 請求項1又は請求項2記載のモータ装置において、
前記駆動部は、一端部が前記回転子の軸線と略直交する移動方向に移動し、
前記駆動部の一端部と前記接触部材とを前記軸線と平行な軸周りに回転可能に連結するリンク機構を備えるモータ装置。 - 請求項3記載のモータ装置において、
前記接触部材は、前記軸線周り方向の一端が前記リンク機構との接続部であり、前記軸線周り方向の他端が自由端であるモータ装置。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載のモータ装置において、
前記電極部は、独立して通電可能に、前記回転子の軸線方向に沿って複数設けられ、
前記接触部材及び前記駆動部は、前記複数の電極部にそれぞれ対応して複数設けられるモータ装置。 - 請求項5記載のモータ装置において、
複数の前記駆動部は、前記軸線周り方向にずれた位置にそれぞれ配置されているモータ装置。 - 請求項1から6のいずれか一項に記載のモータ装置において、
前記駆動部は、電歪素子を備えるモータ装置。 - 請求項1から7のいずれか一項に記載のモータ装置において、
前記接触部材は、線状、帯状及び鎖状のうちいずれかの形状に形成されているモータ装置。 - 請求項1から8のいずれか一項に記載のモータ装置において、
前記接触部材は、弾性変形可能に形成されているモータ装置。 - 請求項1から9のいずれか一項に記載のモータ装置において、
前記回転子は、前記接触部材を冷却する冷却装置を備えるモータ装置。 - 請求項10記載のモータ装置において、
前記冷却装置は、前記回転子の表面に設けられた突出部を備えるモータ装置。 - 請求項11記載のモータ装置において、
前記突出部は、前記接触部材を案内する位置に設けられるモータ装置。 - 請求項10から12のいずれか一項に記載のモータ装置において、
前記冷却装置は、前記回転子の表面に設けられた溝部を備えるモータ装置。 - 少なくとも一部が誘電性材料で形成された中空状の回転子を帯電させることによって発生する静電吸着力により、少なくとも一部が導電性材料で形成され、前記回転子と対向配置した接触部材を該回転子に吸着させる吸着工程と、
駆動部の駆動により、前記回転子と当該回転子に吸着させた前記接触部材との間を回転力伝達状態として前記接触部材を一定距離移動させる駆動工程と、
前記回転子の静電吸着力を解放して前記回転力伝達状態を解消する解放工程と、
前記駆動部の駆動により、前記回転力伝達状態を解消した状態で前記接触部材を所定の位置に戻す復帰工程とを含む回転子の駆動方法。 - 回転軸部材と、
前記回転軸部材を回転させるモータ装置と、
を備え、
前記モータ装置として、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のモータ装置が用いられている
ロボット装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010136221A JP2012005201A (ja) | 2010-06-15 | 2010-06-15 | モータ装置及び回転子の駆動方法並びにロボット装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010136221A JP2012005201A (ja) | 2010-06-15 | 2010-06-15 | モータ装置及び回転子の駆動方法並びにロボット装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012005201A true JP2012005201A (ja) | 2012-01-05 |
Family
ID=45536554
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010136221A Pending JP2012005201A (ja) | 2010-06-15 | 2010-06-15 | モータ装置及び回転子の駆動方法並びにロボット装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2012005201A (ja) |
-
2010
- 2010-06-15 JP JP2010136221A patent/JP2012005201A/ja active Pending
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