JP2012071346A - H形鋼の製造方法およびh形鋼製造設備 - Google Patents

H形鋼の製造方法およびh形鋼製造設備 Download PDF

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Abstract

【課題】H形鋼を熱間圧延により製造するに際し、所望のウェブ部の厚さを有する断面形状精度の高いビームブランクを、高効率で圧延することができるH形鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】断面矩形状の鋼片11に粗圧延を熱間で施してビームブランクを得た後、ビームブランクに中間圧延と仕上圧延を施してH形鋼を製造するに際して、鋼片11に粗圧延を施す粗圧延機12として、鋼片を上下一対の水平ロールにより圧延する水平ロール圧延機18と、水平ロール圧延機の後段または前段で鋼片を左右一対の垂直ロールにより圧延する垂直ロール圧延機19とからなり、かつ上下一対の水平ロールが当該ロールの中央部に凸部をロール全周にわたって有する粗圧延機12を用いてビームブランクを得るようにした。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば橋梁や船舶などの構造材として用いられるH形鋼の製造方法とH形鋼製造設備に関する。
橋梁や船舶などの構造材として用いられるH形鋼を製造する方法としては、断面矩形状の鋼片(例えば鋼スラブ)に粗圧延を熱間で施して断面形状がH形に近いビームブランクを得た後、得られたビームブランクに中間圧延と仕上圧延を施してH形鋼を製造する方法と、3枚の鋼板を溶接接合してH形鋼を製造する方法とがある。このうち、前者の方法でH形鋼を製造する場合には、鋼片に粗圧延を施す粗圧延機として、図9に示すような形状の孔型31,32,33,34を上側水平ロール35と下側水平ロール36との間に有する粗圧延機が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、このような粗圧延機でビームブランクを得るためには、鋼片を垂直に立てた状態で粗圧延機のエッジング孔型31,32,33に挿入し、その後、鋼片を水平に寝かせた状態で粗圧延機の造形孔型34に挿入しなければならないため、ビームブランクを得るまでに多くの時間を要するなどの問題がある。
そこで、孔型を持たない上下一対の水平ロールと左右一対の垂直ロールとからなるユニバーサル圧延機を用いてH形鋼用のビームブランクを製造する方法として、一対の垂直ロールにより鋼片両側端部のエッジングを行ってフランジ原形部を初期パスで形成し、初期パスに続く中期パスで一対の垂直ロールによる圧下と一対の水平ロールによる圧下によりフランジ原形部を増大させて鋼片を断面ドックボーン状に成形した後、中期パスに続く終期パスで所定の幅寸法とフランジ高さ寸法に仕上げる方法が特許文献2に記載されている。
特開2005−88027号公報(0002−0004、図6) 特開平9−164401号公報(0008−0010)
特許文献2に記載された方法によると、鋼片に粗圧延を施してビームブランクを得る粗圧延機として、図9に示すような粗圧延機を用いる必要がないので、H形鋼用のビームブランクを能率的に得ることができるが、水平ロールが孔型を持たないフラットな形状であるため、ビームブランクのウェブ部となる部分を圧下しようとしても、ビームブランクのフランジとなる部分が先に水平ロールと接触し、ウェブ部となる部分を水平ロールにより圧下することができない。したがって、ウェブ部となる部分を水平ロールにより圧下して目標厚さとすることが不可能であり、所望の形状のビームブランクを得ることが難しいという問題があった。また、得られたビームブランクはウェブ部となる部分が厚いため、その後の圧延工程で圧下する必要があり、例えば中間圧延工程での圧延パス数が増加するなど、生産能率が悪いという問題があった。
本発明は上述した課題を解決すべくなされたものであり、その目的は、H形鋼を熱間圧延により製造するに際し、所望のウェブ部の厚さを有する断面形状精度の高いビームブランクを、高効率で圧延することができるH形鋼の製造方法およびH形鋼製造設備を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る発明は、断面矩形状の鋼片に粗圧延を熱間で施してビームブランクを得た後、前記ビームブランクに中間圧延および/又は仕上圧延を施してH形鋼を製造する方法であって、前記鋼片に粗圧延を施す粗圧延機として、前記鋼片を上下一対の水平ロールにより圧延する水平ロール圧延機と、該水平ロール圧延機の後段または前段で前記鋼片を左右一対の垂直ロールにより圧延する垂直ロール圧延機とからなり、かつ前記上下一対の水平ロールが当該ロールの中央部に凸部をロール全周にわたって有する粗圧延機を用い、前記ビームブランクのウェブとなる部分を前記水平ロールの凸部により上下方向に圧下するとともに、前記ビームブランクのフランジとなる部分を前記垂直ロールにより前記ビームブランクの幅方向に圧下して前記鋼片の幅方向両端部を該鋼片の厚さ方向に***させて、前記ビームブランクを得るようにしたことを特徴とする。
本発明の請求項2に係る発明は、請求項1に記載のH形鋼の製造方法において、前記粗圧延機による粗圧延を複数パス行って前記鋼片から前記ビームブランクを得るに際し、前記鋼片の幅方向中央部の厚さが前記ビームブランクの目標ウェブ厚になる前に前記鋼片の幅が前記ビームブランクの目標ウェブ高さとなるように前記鋼片を前記垂直ロールにより幅方向に圧下して前記鋼片の幅方向両端部を該鋼片の厚さ方向に***させ、前記鋼片の幅が前記ビームブランクの目標ウェブ高さとなった後の前記垂直ロールによる鋼片圧下量を前記水平ロールの鋼片圧下により生じた鋼片の幅方向広がり分に留めて前記鋼片の幅方向中央部の厚さを前記ビームブランクの目標ウェブ厚に調整することを特徴とする。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のH形鋼の製造方法において、前記粗圧延機による粗圧延を複数パス行って前記鋼片から前記ビームブランクを得るに際し、前記水平ロールによる鋼片の圧下率を粗圧延初期の複数パスで前のパスよりも大きくすることを特徴とする。
本発明の請求項4に係る発明は、断面矩形状の鋼片を熱間圧延してビームブランクを得る粗圧延機と、該粗圧延機で得られたビームブランクに中間圧延を施す中間圧延機と、該中間圧延機で中間圧延を施された被圧延材に仕上圧延を施す仕上圧延機とを備えたH形鋼製造設備であって、前記粗圧延機は、前記鋼片を上下一対の水平ロールにより圧延する水平ロール圧延機と、該水平ロール圧延機の後段または前段で前記鋼片を左右一対の垂直ロールにより圧延する垂直ロール圧延機とからなり、かつ前記上下一対の水平ロールが当該ロールの中央部に凸部をロール全周にわたって有することを特徴とする。
本発明の請求項5に係る発明は、請求項4に記載のH形鋼製造設備において、前記ビームブランクのフランジ幅をWf、ウェブ厚をTwとしたとき、前記凸部が(Wf−Tw)/2とほぼ等しい高さで前記水平ロールの中央部に形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項6に係る発明は、請求項4または5に記載のH形鋼製造設備において、前記凸部が前記ビームブランクのフランジ内幅とほぼ等しい幅で前記水平ロールの中央部に形成されていることを特徴とする。
本発明の請求項7に係る発明は、請求項4〜6のいずれか一項に記載のH形鋼製造設備において、前記水平ロール圧延機に対する前記垂直ロール圧延機の離間距離を5m以下としたことを特徴とする。
本発明によれば、ビームブランクのウェブとなる部分を水平ロールにより圧延する際に、ビームブランクのフランジとなる部分がウェブとなる部分よりも先に水平ロールと接触することを防止できる。従って、ウェブとなる部分を水平ロールにより圧下して目標厚さとすることができ、断面形状精度の高いビームブランクを高効率で得ることができる。
本発明の一実施形態に係るH形鋼製造設備を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るH形鋼の製造方法により得られるビームブランクの一例を示す図である。 図1のA−A断面を示す図である。 図1のB−B断面を示す図である。 本発明の一実施形態に係るH形鋼の製造方法によりスラブがビームブランクになる過程を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るH形鋼の製造方法に用いられる垂直ロールの第1変形例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るH形鋼の製造方法に用いられる垂直ロールの第2変形例を示す図である。 本発明の一実施形態に係るH形鋼の製造方法により鋼片が水平ロールにより厚さ方向に圧延される場合の各パス毎の圧下率の配分を示す図である。 H形鋼を熱間圧延により製造する場合の従来例を示す図である。
以下、図1〜図8を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るH形鋼製造設備を示す図で、このH形鋼製造設備は粗圧延機(「粗造形圧延機」とも言う。)12、中間圧延機14および仕上圧延機としての仕上ユニバーサル圧延機17を備えている。
粗圧延機12は断面矩形状の鋼片(例えば鋼スラブ)11に粗圧延を熱間で施すものであって、この粗圧延機12で粗圧延が施された鋼片11は、図2に示すような断面形状のビームブランク13となって中間圧延機14に供給されるようになっている。
中間圧延機14は粗圧延機12で得られたビームブランク13に中間圧延を施すものであって、例えば左右一対の垂直ロールと上下一対の水平ロールからなる中間ユニバーサル圧延機15と、この中間ユニバーサル圧延機15の後段に配置されたエッジャー圧延機16とから構成されている。
仕上ユニバーサル圧延機17は中間圧延が施された被圧延材に仕上圧延を施すものであって、例えば左右一対の垂直ロールと上下一対の水平ロールから構成されている。
粗圧延機12は水平ロール圧延機18と、この水平ロール圧延機18の後段に配置された垂直ロール圧延機19とからなり、水平ロール圧延機18は、図3に示すように、上下一対の水平ロール181,182を有している。これらの水平ロール181,182は中央部に凸部20をそれぞれ有し、各凸部20は水平ロール181,182の全周にわたって形成されている。
また、凸部20は、図2に示すように、ビームブランク13のフランジ幅をWf、ウェブ厚をTw、フランジ内幅をLHとしたとき、(Wf−Tw)/2とほぼ等しい高さhで水平ロール181,182の中央部に形成されているとともに、フランジ内幅LHとほぼ等しい幅wで水平ロール181,182の中央部に形成されている。
垂直ロール圧延機19は、図4に示すように、左右一対の垂直ロール191,192を有している。これらの垂直ロール191,192は中央部に凹部21をそれぞれ有し、各凹部21は垂直ロール191,192の全周にわたって形成されている。
また、凹部21は、図2に示すように、ビームブランク13のフランジ幅をWfとしたとき、フランジ幅Wf以上の幅Wmで垂直ロール191,192の中央部に形成されている。また、凹部21の深さDは、例えば図2に示すように、ビームブランク13のウェブ高さをLw、フランジ内幅をLHとしたとき、(Lw−LH)/2よりも小さい深さが好ましいが、これに限定されるものではない。
なお、垂直ロール圧延機19は、水平ロール圧延機18の後段に近接して配置されており、水平ロール181,182と垂直ロール191,192との間隔がロール軸の間隔で5m以下、好ましくは4m以下となるように配置される。
本発明の水平ロール181,182は孔型を持たず、中央部に凸部20を有しているため、鋼片11が圧延中に左右方向に動きやすく、鋼片11の中心と水平ロール181,182の中心がずれて曲がりや反りが発生するなど、不安定な圧延となり、所望の断面形状を有するビームブランクを得ることが難しい。そこで、本発明では、上述したように水平ロール圧延機18と垂直ロール圧延機19とを近接して配置することで、水平ロール圧延機18を出た鋼片11はすぐに垂直ロール圧延機19により幅方向を拘束され、また、リバース圧延時には、垂直ロール圧延機19にて幅方向に拘束された状態で水平ロール圧延機18による圧延を行うことになる。したがって、鋼片11が左右に捩れることなく、水平ロール181,182の中心での安定した圧延が可能となる。
なお、水平ロールと垂直ロールにて素材を圧延する設備としてはユニバーサル圧延機が広く知られているが、ユニバーサル圧延機のように水平ロールと垂直ロールを同一平面上に設置すると、効率よくフランジ幅を形成できない。すなわち、垂直ロールによる圧下にてフランジを形成する際、水平ロールによるウェブ圧下と同時に行うことになるため、前後方向に延びるウェブにフランジ部分が引かれるため、フランジ幅方向の変形が小さくなり、1パスあたりのフランジ形成量が小さくなる。
これに対し、本発明では、垂直ロール圧延機19によるフランジ形成は、水平ロール圧延機18によるウェブ圧下とは独立して行われるため、垂直ロール191,192により鋼片11を幅方向に圧下すると、圧下されたフランジ部分は前後方向ではなくフランジ幅方向に変形し、1パスあたりのフランジ形成量が大きくなり、少ないパス数にて効率よくビームブランクを造形することができる。
このような水平ロール圧延機18と垂直ロール圧延機19とからなる粗圧延機12を用いてビームブランク13を得る場合には、例えば図5に示すように、まず、鋼片11に厚さ方向の圧下を水平ロール圧延機18の水平ロール181,182によって加え、これに続いて幅方向の圧下を垂直ロール圧延機19の垂直ロール191,192によって加える(1パス目)。次に、垂直ロール圧延機19の垂直ロール191,192によって幅方向の圧下を鋼片11に加え、これに続いて水平ロール圧延機18の水平ロール181,182によって厚さ方向の圧下を鋼片11に加える(2パス目)。そして、このようなリバース圧延を繰り返すと鋼片11の断面形状が徐々に変化し、例えば13パス目で図2に示す断面形状のビームブランク13を得ることができる。
従って、上述した本発明の一実施形態のように、鋼片11を上下一対の水平ロール181,182により圧延する水平ロール圧延機18と、この水平ロール圧延機18の後段で鋼片11を左右一対の垂直ロール191,192により圧延する垂直ロール圧延機19とからなり、かつ水平ロール181,182が当該ロールの中央部に凸部20をロール全周にわたって有するとともに、垂直ロール191,192が当該ロールの中央部に凹部21をロール全周にわたって有する粗圧延機12を用いてビームブランク13を得るようにしたことで、ビームブランク13のフランジとなる部分を成形しつつ、ビームブランク13のウェブ部となる部分を水平ロール181,182により圧下することができ、断面形状精度の高いビームブランクを高効率で圧延することができる。
なお、上述した本発明の一実施形態では、水平ロール圧延機18の後段に垂直ロール圧延機19を配置したものを示したが、垂直ロール圧延機19は水平ロール圧延機18の前段に配置されていてもよい。
また、垂直ロール圧延機19の垂直ロール191,192として中央部に凹部21が形成されたものを示したが、図6に示すように、中央部に凹部が形成されていないものを用いてもよい。さらに、垂直ロール圧延機19の垂直ロール191,192として、図7に示すように、凹部21の底面部に山形部22が形成されたものを用いてもよい。
また、上述した本発明の一実施形態では、水平ロール圧延機18、垂直ロール圧延機19、中間ユニバーサル圧延機15、エッジャー圧延機16、仕上ユニバーサル圧延機17を各1台備えた場合を例示したが、各1台以上を備えてもよい。
次に、矩形状の鋼片11に粗圧延を施して、ビームブランク13を製造する粗圧延工程の圧下配分構成の詳細について説明する。
粗圧延工程ではリバース圧延にて鋼片11をドックボーン形状とするが、圧延初期の複数パス(粗圧延パス数の1/3程度以下)では、垂直ロール191,192による圧下量を大きくし、水平ロール181,182による圧下率を低くすることで、鋼片11の幅方向中央部の厚さが目標とするウェブ厚Twに達する前に鋼片11の幅がビームブランクの目標ウェブ高さLwとなるように鋼片11を垂直ロール191,192により幅方向に圧下して鋼片11の幅方向両端部を鋼片11の厚さ方向に***させる圧下配分とすることが好ましい。これは、圧延初期の段階で垂直ロール191,192による鋼片11の幅方向圧下を積極的に行うことにより、鋼片11の幅方向両端部が鋼片11の厚さ方向(フランジ幅方向)へ***するのを促し、水平ロール181,182による圧下にて鋼片11の厚さが薄くなった後に垂直ロール191,192による圧下を大きくすると鋼片11の幅方向両端部が***する前に水平ロール181,182の圧下力を受けた部分が先に降伏して鋼片11の厚さが増してしまうのを回避するためである。
また、鋼片11の厚さが厚い状態で垂直ロール191,192により鋼片11を幅方向から圧下することにより、鋼片11の幅方向両端部の1パスあたりの***量が大きくなり、このことからも、圧延初期の幅方向圧下量を大きくすることはビームブランクのフランジを効果的に形成することができる。
圧延時間短縮の観点からは、垂直ロール191,192による鋼片11の幅方向圧下量は圧延初期の段階では1パスあたり50mm以上が望ましく、鋼片11の幅方向中央部が座屈しない範囲でかつ圧延機の仕様を満たす範囲で鋼片11の幅方向圧下量をできるだけ大きくすることが好ましい。一方、同じ総圧下量で比較すると、1パスあたりの圧下量を小さくするほどドッグボーンを大きくすることができる。したがって、目標とするドックボーン仕上り形状(鋼片幅方向両端部の必要***量)に応じて、垂直ロール191,192による1パスあたりの圧下量を適宜設定するのがよい。
圧延初期の複数パスで鋼片11の幅が目標ウェブ高さLwに到達した後の垂直ロール191,192による鋼片11への幅方向圧下量は、水平ロール181,182により鋼片11を圧延した際に生じる鋼片11の幅方向広がり分に留め、目標とするウェブ高さLwに調整する圧延を行う。
本粗圧延工程後半では、鋼片11の幅方向両端部を除いた部分の厚さが薄くなり、垂直ロール191,192による幅方向圧下量を大きくすると鋼片11の幅方向両端部を除いた部分が座屈による変形を起こす可能性があるため、垂直ロール191,192による圧下量は水平ロール181,182による鋼片11の幅方向広がり分の圧下量程度とする。例えば、奇数パスでは、水平ロール181,182の圧下力により鋼片11が幅方向に延びることを考慮して、垂直ロール191,192のロール間隔が前パスの時よりも開いた状態で圧延し、垂直ロール191,192による幅方向からの圧下量を必要最低限とし、鋼片11の幅方向両端部を除いた部分に座屈が生じることを回避する圧延を行うことが好ましい。
水平ロール181,182により鋼片11を圧延するときの各パスの圧下率配分は、図8に示すように、圧延初期の複数パスでは、水平ロール181,182による圧下率が前パスでの圧下率よりも高くなるように設定することが好ましい。これは、上記の通り、鋼片11の幅方向両端部の厚み増加(幅方向両端部の***)を垂直ロール191,192によって効率よく行うためであり、水平ロール181,182による鋼片11の幅方向圧下率を低く設定し、徐々に上げていくことにより、鋼片11の厚さが厚い状態でのパス回数を多くする。
この場合、圧延初期の複数パスでは水平ロール181,182による1パスあたりの鋼片圧下率の上限を10%以下に設定することが好ましい。また、上述の通り、垂直ロール191,192にて鋼片11を圧延中に鋼片11が蛇行することを抑えるために、水平ロール181,182にて鋼片11を上下方向から拘束する必要があり、水平ロール181,182による1パスあたりの鋼片圧下率の下限は1%以上とすることが好ましい。
また、2n(n:1以上の整数)パス目(偶数パス)では、2n−1パス目および2nパス目で垂直ロール191,192による圧下が連続し、その後に水平ロール181,182にて圧延することになるため、垂直ロール191,192の圧下力により鋼片11の幅方向両端部が***するに伴って幅方向両端部の厚さも増加することがある。そのため、鋼片11の厚さ変化は単調減少ではないことを考慮した圧下率に設定することが必要である。
次に、表1〜表3を参照して本発明の実施例と比較例について説明する。
(実施例1)
本発明者らは、粗圧延機12の水平ロール圧延機18の水平ロール181,182(ロール幅B:4000m)としてロール中央部に幅w:690mm、高さh:210mm、傾斜角θ:115°の凸部20が形成されたものを用いるとともに、垂直ロール圧延機19の垂直ロール191,192(ロール幅B:4000m)としてロール中央部に幅Wm:690mm、深さD:160mmの凹部21が形成されたものを用いてウェブ高さLw:1020mm、ウェブ厚Tw:70mm、フランジ幅Wf:460mmのビームブランク13を厚さ250mm、幅1600mmのスラブから製造した。この場合、水平ロール181,182及び垂直ロール191,192の中央部にロール径が最大となる部分が接触する位置を「ロールギャップ=ゼロ」と定義してスラブを表1に示すパススケジュールで圧延したところ、目標寸法通りのビームブランク13を得ることができた。なお、水平ロール圧延機18と垂直ロール圧延機19との間隔は3.5mに設定した。
Figure 2012071346
(実施例2)
次に、実施例1と同じ粗圧延機および圧延ロールを用いて、表2に示す圧下パターンにて、実施例1と同様にウェブ高さLw:1020mm、ウェブ厚Tw:70mm、フランジ幅Wf:460mmのビームブランク13を厚さ250mm、幅1600mmのスラブから製造した。本実施例2は、圧延初期から水平ロール181,182による鋼片11の圧下率を高くすると共に、垂直ロール191,192による鋼片11の幅方向圧下量を小さくし、鋼片11の全幅と幅方向中央部厚さが13パス目で同時に目標通りにとなる圧下構成である。圧延初期の段階で鋼片11の幅方向中央部の厚さが厚いときに垂直ロール191,192による幅方向圧下を大きくしなかったため、鋼片11の幅方向中央部の厚さが薄くなった圧延終盤にも垂直ロール191,192による幅方向圧延を行うことになり、鋼片11の幅方向両端部を除いた部分が座屈するリスクが高まった。そして、表2に示すパススケジュールにより鋼片11を粗圧延機12にて圧延した結果、最終パスにてウェブが少し波打って座屈した状態で中間圧延を開始した場合もあった。
Figure 2012071346
(比較例)
粗圧延機12の水平ロール及び垂直ロールが共に孔型を有していないフラット形状ロールを用いて、表3に示すパススケジュールにて本発明の実施例1、2と同じ寸法のスラブから目標寸法のビームブランクを製造した。この場合のロールギャップは、水平ロール及び垂直ロールが共にフラット形状であることから、それぞれの外径が接する位置を「ロールギャップ=ゼロ」とした。その結果、水平ロールがフラット形状であるため、圧延パスが進むにつれ、フランジが形成され、水平ロールは開く方向にしか変更できず、ウェブ部を圧延により減厚することができなかった。そのため、ウェブ高さLwはLw=1020mm、フランジ幅WfはWf=460mmとなったものの、ウェブ厚TwはTw=240mmとなり、目標寸法のビームブランクを得ることができなかった。
Figure 2012071346
11…鋼片
12…粗圧延機
13…ビームブランク
14…中間圧延機
15…中間ユニバーサル圧延機
16…エッジャー圧延機
17…仕上ユニバーサル圧延機
18…水平ロール圧延機
19…垂直ロール圧延機
20…凸部
21…凹部

Claims (7)

  1. 断面矩形状の鋼片に粗圧延を熱間で施してビームブランクを得た後、前記ビームブランクに中間圧延および/又は仕上圧延を施してH形鋼を製造する方法であって、前記鋼片に粗圧延を施す粗圧延機として、前記鋼片を上下一対の水平ロールにより圧延する水平ロール圧延機と、該水平ロール圧延機の後段または前段で前記鋼片を左右一対の垂直ロールにより圧延する垂直ロール圧延機とからなり、かつ前記上下一対の水平ロールが当該ロールの中央部に凸部をロール全周にわたって有する粗圧延機を用い、前記ビームブランクのウェブとなる部分を前記水平ロールの凸部により上下方向に圧下するとともに、前記ビームブランクのフランジとなる部分を前記垂直ロールにより前記ビームブランクの幅方向に圧下して前記鋼片の幅方向両端部を該鋼片の厚さ方向に***させて、前記ビームブランクを得るようにしたことを特徴とするH形鋼の製造方法。
  2. 前記粗圧延機による粗圧延を複数パス行って前記鋼片から前記ビームブランクを得るに際し、前記鋼片の幅方向中央部の厚さが前記ビームブランクの目標ウェブ厚になる前に前記鋼片の幅が前記ビームブランクの目標ウェブ高さとなるように前記鋼片を前記垂直ロールにより幅方向に圧下して前記鋼片の幅方向両端部を該鋼片の厚さ方向に***させ、前記鋼片の幅が前記ビームブランクの目標ウェブ高さとなった後の前記垂直ロールによる鋼片圧下量を前記水平ロールの鋼片圧下により生じた鋼片の幅方向広がり分に留めて前記鋼片の幅方向中央部の厚さを前記ビームブランクの目標ウェブ厚に調整することを特徴とする請求項1に記載のH形鋼の製造方法。
  3. 前記粗圧延機による粗圧延を複数パス行って前記鋼片から前記ビームブランクを得るに際し、前記水平ロールによる鋼片の圧下率を粗圧延初期の複数パスで前のパスよりも大きくすることを特徴とする請求項1または2に記載のH形鋼の製造方法。
  4. 断面矩形状の鋼片を熱間圧延してビームブランクを得る粗圧延機と、該粗圧延機で得られたビームブランクに中間圧延を施す中間圧延機と、該中間圧延機で中間圧延を施された被圧延材に仕上圧延を施す仕上圧延機とを備えたH形鋼製造設備であって、前記粗圧延機は、前記鋼片を上下一対の水平ロールにより圧延する水平ロール圧延機と、該水平ロール圧延機の後段または前段で前記鋼片を左右一対の垂直ロールにより圧延する垂直ロール圧延機とからなり、かつ前記上下一対の水平ロールが当該ロールの中央部に凸部をロール全周にわたって有することを特徴とするH形鋼製造設備。
  5. 前記ビームブランクのフランジ幅をWf、ウェブ厚をTwとしたとき、前記凸部が(Wf−Tw)/2とほぼ等しい高さで前記水平ロールの中央部に形成されていることを特徴とする請求項4に記載のH形鋼製造設備。
  6. 前記凸部が前記ビームブランクのフランジ内幅とほぼ等しい幅で前記水平ロールの中央部に形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載のH形鋼製造設備。
  7. 請求項4〜6のいずれか一項に記載のH形鋼製造設備において、前記水平ロール圧延機に対する前記垂直ロール圧延機の離間距離を5m以下としたことを特徴とするH形鋼製造設備。
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