特許文献1及び特許文献2に記載された電子機器にあっては、外筐の一部として構成されたシャーシに一体に設けられた熱伝導部を電子部品又は電子部品が搭載された回路基板の部品搭載部に接触させて放熱を行っており、外筐から放熱を行う構造とされている。
ところが、特許文献1及び特許文献2に記載された電子機器にあっては、高い放熱性能の確保を考慮して放熱構造を構成しているが、電磁ノイズによる影響を考慮して構成したものではなく、放熱性の向上と電磁ノイズによる影響の低減と言う両立化を意図しては放熱構造が構成されていない。
そこで、本発明放熱構造及び電子機器は、上記した問題点を克服し、電子部品において発生する熱に関する放熱性の向上及び電磁ノイズによる影響の低減を図ることを課題とする。
放熱構造は、上記した課題を解決するために、外筐の内部に配置されると共に部品搭載部と接地回路に接続されたグランド部とを有し前記部品搭載部の一方の面に駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板の前記電子部品が搭載された面側に配置され前記電子部品において発生した熱を放出するヒートシンクと、前記回路基板を挟んで前記電子部品が搭載された側と反対側に配置されると共に平板状のベース部と前記ベース部から前記回路基板側へ突出され前記部品搭載部の他方の面に対向する対向面が形成された突出部とを有する放熱板と、前記回路基板の部品搭載部の前記他方の面と前記放熱板の突出部における前記対向面とに密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記放熱板に伝達する第1の熱伝達体とを備えたものである。
従って、放熱構造にあっては、第1の熱伝達体を介して回路基板の部品搭載部と放熱板の突出部とが接触されると共に放熱板のベース部が回路基板から離隔して位置される。
上記した放熱構造においては、前記回路基板と前記ヒートシンクの間に配置されると共に平板状の放熱面部と前記放熱面部から突出された被取付突部とを有し前記放熱面部の一方の面が前記ヒートシンクに密着されたヒートスプレッダーと、前記ヒートスプレッダーの他方の面と前記電子部品に密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記ヒートスプレッダー及び前記ヒートシンクに伝達する第2の熱伝達体とを備え、前記ヒートスプレッダーの被取付突部を前記回路基板のグランド部に取り付けることが望ましい。
ヒートスプレッダーの被取付突部を回路基板のグランド部に取り付けることにより、被取付部がグランド部を介して接地回路に接続される。
上記した放熱構造においては、前記外筐の一部を金属材料から成り結合部を有するシャーシによって構成し、前記シャーシに前記放熱板を取り付け、前記シャーシの結合部を前記回路基板のグランド部に結合することが望ましい。
シャーシの結合部を回路基板のグランド部に結合することにより、結合部がグランド部を介して接地回路に接続される。
上記した放熱構造においては、前記放熱板の突出部における対向面と前記回路基板の距離を1.2mm以上にすることが望ましい。
放熱板の突出部における対向面と回路基板の距離を1.2mm以上にすることにより、遠方電界強度が低下する。
上記した放熱構造においては、前記放熱板のベース部における前記回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付けることが望ましい。
放熱板のベース部における回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付けることにより、ベース部の外面側に樹脂シートが配置される。
上記した放熱構造においては、前記シャーシに挿通孔を形成し、前記シャーシの外面に前記放熱板のベース部を取り付け、前記シャーシの挿通孔に前記放熱板の突出部を挿入して配置することが望ましい。
シャーシに挿通孔を形成し、シャーシの外面に放熱板のベース部を取り付け、シャーシの挿通孔に放熱板の突出部を挿入して配置することにより、シャーシの外面側に放熱板のベース部が配置される。
上記した放熱構造においては、前記シャーシに配置凹部を形成し、前記挿通孔を配置凹部の一部を貫通する位置に形成し、前記配置凹部に前記放熱板のベース部を配置し、前記挿通孔に前記放熱板の突出部を挿入して配置することが望ましい。
シャーシに配置凹部を形成し、挿通孔を配置凹部の一部を貫通する位置に形成し、配置凹部に放熱板のベース部を配置し、挿通孔に放熱板の突出部を挿入して配置することにより、ベース部がシャーシの外面から外方へ突出しない状態で配置される。
上記した放熱構造においては、前記放熱板のベース部における前記回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付け、前記配置凹部に前記樹脂シートを配置することが望ましい。
放熱板のベース部における回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付け、配置凹部に樹脂シートを配置することにより、樹脂シートがシャーシの外面から外方へ突出しない状態で配置される。
電子機器は、上記した課題を解決するために、内部に所定の各部が配置された外筐と、前記外筐の内部に配置されると共に部品搭載部と接地回路に接続されたグランド部とを有し前記部品搭載部の一方の面に駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板の前記電子部品が搭載された面側に配置され前記電子部品において発生した熱を放出するヒートシンクと、前記回路基板を挟んで前記電子部品が搭載された側と反対側に配置されると共に平板状のベース部と前記ベース部から前記回路基板側へ突出され前記部品搭載部の他方の面に対向する対向面が形成された突出部とを有する放熱板と、前記回路基板の部品搭載部の前記他方の面と前記放熱板の突出部における前記対向面とに密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記放熱板に伝達する第1の熱伝達体とを備えたものである。
従って、電子機器にあっては、第1の熱伝達体を介して回路基板の部品搭載部と放熱板の突出部とが接触されると共に放熱板のベース部が回路基板から離隔して位置される。
別の放熱構造は、上記した課題を解決するために、外筐の内部に配置されると共に部品搭載部と接地回路に接続されたグランド部とを有し前記部品搭載部の一方の面に駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板の前記電子部品が搭載された面側に配置されると共に平板状のベース部と前記ベース部から前記回路基板側へ突出され前記部品搭載部の一方の面に対向する対向面が形成された突出部とを有する第1の放熱板と、前記回路基板の部品搭載部の前記一方の面と前記第1の放熱板の突出部における前記対向面とに密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記第1の放熱板に伝達する第1の熱伝達体とを備えている。
従って、別の放熱構造にあっては、第1の熱伝達体を介して回路基板の部品搭載部と第1の放熱板の突出部とが接触されると共に第1の放熱板のベース部が回路基板から離隔して位置される。
上記した放熱構造においては、前記第1の放熱板に被取付突部を設け、前記第1の放熱板の被取付突部を前記回路基板のグランド部に取り付けることが望ましい。
第1の放熱板に被取付突部を設け、第1の放熱板の被取付突部を回路基板のグランド部に取り付けることにより、被取付部がグランド部を介して接地回路に接続される。
上記した放熱構造においては、前記第1の放熱板の突出部における対向面と前記回路基板の距離を1.2mm以上にすることが望ましい。
第1の放熱板の突出部における対向面と回路基板の距離を1.2mm以上にすることにより、遠方電界強度が低下する。
上記した放熱構造においては、前記回路基板を挟んで前記電子部品が搭載された側と反対側に配置されると共に平板状のベース部と前記ベース部から前記回路基板側へ突出され前記部品搭載部の他方の面に対向する対向面が形成された突出部とを有する第2の放熱板と、前記回路基板の部品搭載部の前記他方の面と前記第2の放熱板の突出部における前記対向面とに密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記第2の放熱板に伝達する第2の熱伝達体とを設けることが望ましい。
回路基板を挟んで電子部品が搭載された側と反対側に配置されベース部と突出部を有する第2の放熱板を設けることにより、第1の熱伝達体を介して回路基板の部品搭載部と第1の放熱板の突出部とが接触され第2の熱伝達体を介して回路基板の部品搭載部と第2の放熱板の突出部とが接触されると共に第1の放熱板と第2の放熱板の各ベース部が回路基板から離隔して位置される。
上記した放熱構造においては、前記外筐の一部を金属材料から成り結合部を有するシャーシによって構成し、前記シャーシに前記第2の放熱板を取り付け、前記シャーシの結合部を前記回路基板のグランド部に結合することが望ましい。
シャーシの結合部を回路基板のグランド部に結合することにより、結合部がグランド部を介して接地回路に接続される。
上記した放熱構造においては、前記第2の放熱板の突出部における対向面と前記回路基板の距離を1.2mm以上にすることが望ましい。
第2の放熱板の突出部における対向面と回路基板の距離を1.2mm以上にすることにより、遠方電界強度が低下する。
上記した放熱構造においては、前記第2の放熱板のベース部における前記回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付けることが望ましい。
第2の放熱板のベース部における回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付けることにより、ベース部の外面側に樹脂シートが配置される。
上記した放熱構造においては、前記シャーシに挿通孔を形成し、前記シャーシの外面に前記第2の放熱板のベース部を取り付け、前記シャーシの挿通孔に前記第2の放熱板の突出部を挿入して配置することが望ましい。
シャーシに挿通孔を形成し、シャーシの外面に第2の放熱板のベース部を取り付け、シャーシの挿通孔に第2の放熱板の突出部を挿入して配置することにより、シャーシの外面側に第2の放熱板のベース部が配置される。
上記した放熱構造においては、前記シャーシに配置凹部を形成し、前記挿通孔を配置凹部の一部を貫通する位置に形成し、前記配置凹部に前記第2の放熱板のベース部を配置し、前記挿通孔に前記第2の放熱板の突出部を挿入して配置することが望ましい。
シャーシに配置凹部を形成し、挿通孔を配置凹部の一部を貫通する位置に形成し、配置凹部に第2の放熱板のベース部を配置し、挿通孔に第2の放熱板の突出部を挿入して配置することにより、ベース部がシャーシの外面から外方へ突出しない状態で配置される。
上記した放熱構造においては、前記第2の放熱板のベース部における前記回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付け、前記配置凹部に前記樹脂シートを配置することが望ましい。
第2の放熱板のベース部における回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付け、配置凹部に樹脂シートを配置することにより、樹脂シートがシャーシの外面から外方へ突出しない状態で配置される。
別の電子機器は、上記した課題を解決するために、内部に所定の各部が配置された外筐と、前記外筐の内部に配置されると共に部品搭載部と接地回路に接続されたグランド部とを有し前記部品搭載部の一方の面に駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板の前記電子部品が搭載された面側に配置されると共に平板状のベース部と前記ベース部から前記回路基板側へ突出され前記部品搭載部の一方の面に対向する対向面が形成された突出部とを有する第1の放熱板と、前記回路基板の部品搭載部の前記一方の面と前記放熱板の突出部における前記対向面とに密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記放熱板に伝達する第1の熱伝達体とを備えている。
従って、別の電子機器にあっては、第1の熱伝達体を介して回路基板の部品搭載部と第1の放熱板の突出部とが接触されると共に第1の放熱板のベース部が回路基板から離隔して位置される。
本発明放熱構造は、外筐の内部に配置されると共に部品搭載部と接地回路に接続されたグランド部とを有し前記部品搭載部の一方の面に駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板の前記電子部品が搭載された面側に配置され前記電子部品において発生した熱を放出するヒートシンクと、前記回路基板を挟んで前記電子部品が搭載された側と反対側に配置されると共に平板状のベース部と前記ベース部から前記回路基板側へ突出され前記部品搭載部の他方の面に対向する対向面が形成された突出部とを有する放熱板と、前記回路基板の部品搭載部の前記他方の面と前記放熱板の突出部における前記対向面とに密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記放熱板に伝達する第1の熱伝達体とを備えている。
従って、放熱板の突出部が熱伝達体を介して回路基板に接続されベース部が回路基板から離隔して位置されているため、電子部品において発生する熱の放熱性の向上及び電磁ノイズによる影響の低減を図ることができる。
請求項2に記載した発明にあっては、前記回路基板と前記ヒートシンクの間に配置されると共に平板状の放熱面部と前記放熱面部から突出された被取付突部とを有し前記放熱面部の一方の面が前記ヒートシンクに密着されたヒートスプレッダーと、前記ヒートスプレッダーの他方の面と前記電子部品に密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記ヒートスプレッダー及び前記ヒートシンクに伝達する第2の熱伝達体とを備え、前記ヒートスプレッダーの被取付突部を前記回路基板のグランド部に取り付けている。
従って、ヒートスプレッダーの被取付突部がグランド部を介して接地回路に接続されるため、電磁ノイズによる影響を低減することができる。
請求項3に記載した発明にあっては、前記外筐の一部を金属材料から成り結合部を有するシャーシによって構成し、前記シャーシに前記放熱板を取り付け、前記シャーシの結合部を前記回路基板のグランド部に結合している。
従って、シャーシの結合部がグランド部を介して接地回路に接続されるため、電磁ノイズによる影響を低減することができる。
請求項4に記載した発明にあっては、前記放熱板の突出部における対向面と前記回路基板の距離を1.2mm以上にしている。
従って、電磁ノイズの影響を一層低減することができる。
請求項5に記載した発明にあっては、前記放熱板のベース部における前記回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付けている。
従って、放熱時に放熱板に指が接触することがなく、放熱性の向上を図った上で火傷の防止等の安全性の向上を図ることができる。
請求項6に記載した発明にあっては、前記シャーシに挿通孔を形成し、前記シャーシの外面に前記放熱板のベース部を取り付け、前記シャーシの挿通孔に前記放熱板の突出部を挿入して配置している。
従って、放熱板のベース部がシャーシの外面側に配置されるため、電子部品において発生する熱を効率的に外部へ放出することができ、放熱性の一層の向上を図ることができる。
請求項7に記載した発明にあっては、前記シャーシに配置凹部を形成し、前記挿通孔を配置凹部の一部を貫通する位置に形成し、前記配置凹部に前記放熱板のベース部を配置し、前記挿通孔に前記放熱板の突出部を挿入して配置している。
従って、放熱板がシャーシの外面から外方へ突出されず、放熱性の向上及び安全性の向上を図った上で放熱構造の小型化を図ることができる。
請求項8に記載した発明にあっては、前記放熱板のベース部における前記回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付け、前記配置凹部に前記樹脂シートを配置している。
従って、樹脂シートがシャーシの外面から外方へ突出されず、良好な放熱性を確保した上で放熱構造の小型化を図ることができる。
本発明電子機器は、内部に所定の各部が配置された外筐と、前記外筐の内部に配置されると共に部品搭載部と接地回路に接続されたグランド部とを有し前記部品搭載部の一方の面に駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板の前記電子部品が搭載された面側に配置され前記電子部品において発生した熱を放出するヒートシンクと、前記回路基板を挟んで前記電子部品が搭載された側と反対側に配置されると共に平板状のベース部と前記ベース部から前記回路基板側へ突出され前記部品搭載部の他方の面に対向する対向面が形成された突出部とを有する放熱板と、前記回路基板の部品搭載部の前記他方の面と前記放熱板の突出部における前記対向面とに密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記放熱板に伝達する第1の熱伝達体とを備えている。
従って、放熱板の突出部が熱伝達体を介して回路基板に接続されベース部が回路基板から離隔して位置されているため、電子部品において発生する熱の放熱性の向上及び電磁ノイズによる影響の低減を図ることができる。
別の本発明放熱構造は、上記した課題を解決するために、外筐の内部に配置されると共に部品搭載部と接地回路に接続されたグランド部とを有し前記部品搭載部の一方の面に駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板の前記電子部品が搭載された面側に配置されると共に平板状のベース部と前記ベース部から前記回路基板側へ突出され前記部品搭載部の一方の面に対向する対向面が形成された突出部とを有する第1の放熱板と、前記回路基板の部品搭載部の前記一方の面と前記第1の放熱板の突出部における前記対向面とに密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記第1の放熱板に伝達する第1の熱伝達体とを備えている。
従って、第1の放熱板の突出部が第1の熱伝達体を介して回路基板に接続されベース部が回路基板から離隔して位置されているため、電子部品において発生する熱の放熱性の向上及び電磁ノイズによる影響の低減を図ることができる。
請求項11に記載した発明にあっては、前記第1の放熱板に被取付突部を設け、前記第1の放熱板の被取付突部を前記回路基板のグランド部に取り付けている。
従って、第1の放熱板の被取付突部がグランド部を介して接地回路に接続されるため、電磁ノイズによる影響を低減することができる。
請求項12に記載した発明にあっては、前記第1の放熱板の突出部における対向面と前記回路基板の距離を1.2mm以上にしている。
従って、電磁ノイズの影響を一層低減することができる。
請求項13に記載した発明にあっては、前記回路基板を挟んで前記電子部品が搭載された側と反対側に配置されると共に平板状のベース部と前記ベース部から前記回路基板側へ突出され前記部品搭載部の他方の面に対向する対向面が形成された突出部とを有する第2の放熱板と、前記回路基板の部品搭載部の前記他方の面と前記第2の放熱板の突出部における前記対向面とに密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記第2の放熱板に伝達する第2の熱伝達体とを設けている。
従って、電子部品の発熱時に第1の放熱板と第2の放熱板の双方から熱が放出され、高い放熱性を確保することができる。
請求項14に記載した発明にあっては、前記外筐の一部を金属材料から成り結合部を有するシャーシによって構成し、前記シャーシに前記第2の放熱板を取り付け、前記シャーシの結合部を前記回路基板のグランド部に結合している。
従って、シャーシの結合部がグランド部を介して接地回路に接続されるため、電磁ノイズによる影響を低減することができる。
請求項15に記載した発明にあっては、前記第2の放熱板の突出部における対向面と前記回路基板の距離を1.2mm以上にしている。
従って、電磁ノイズの影響を一層低減することができる。
請求項16に記載した発明にあっては、前記第2の放熱板のベース部における前記回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付けている。
従って、放熱時に第2の放熱板に指が接触することがなく、放熱性の向上を図った上で火傷の防止等の安全性の向上を図ることができる。
請求項17に記載した発明にあっては、前記シャーシに挿通孔を形成し、前記シャーシの外面に前記第2の放熱板のベース部を取り付け、前記シャーシの挿通孔に前記第2の放熱板の突出部を挿入して配置している。
従って、第2の放熱板のベース部がシャーシの外面側に配置されるため、電子部品において発生する熱を効率的に外部へ放出することができ、放熱性の一層の向上を図ることができる。
請求項18に記載した発明にあっては、前記シャーシに配置凹部を形成し、前記挿通孔を配置凹部の一部を貫通する位置に形成し、前記配置凹部に前記第2の放熱板のベース部を配置し、前記挿通孔に前記第2の放熱板の突出部を挿入して配置している。
従って、第2の放熱板がシャーシの外面から外方へ突出されず、放熱性の向上及び安全性の向上を図った上で放熱構造の小型化を図ることができる。
請求項19に記載した発明にあっては、前記第2の放熱板のベース部における前記回路基板に対向する面と反対側の面に放熱孔を有する樹脂シートを取り付け、前記配置凹部に前記樹脂シートを配置している。
従って、樹脂シートがシャーシの外面から外方へ突出されず、良好な放熱性を確保した上で放熱構造の小型化を図ることができる。
別の本発明電子機器は、上記した課題を解決するために、内部に所定の各部が配置された外筐と、前記外筐の内部に配置されると共に部品搭載部と接地回路に接続されたグランド部とを有し前記部品搭載部の一方の面に駆動時に熱源となる電子部品が搭載された回路基板と、前記回路基板の前記電子部品が搭載された面側に配置されると共に平板状のベース部と前記ベース部から前記回路基板側へ突出され前記部品搭載部の一方の面に対向する対向面が形成された突出部とを有する第1の放熱板と、前記回路基板の部品搭載部の前記一方の面と前記放熱板の突出部における前記対向面とに密着されると共に前記電子部品において発生した熱を前記放熱板に伝達する第1の熱伝達体とを備えている。
従って、第1の放熱板の突出部が第1の熱伝達体を介して回路基板に接続されベース部が回路基板から離隔して位置されているため、電子部品において発生する熱の放熱性の向上及び電磁ノイズによる影響の低減を図ることができる。
以下に、本発明放熱構造及び電子機器の実施の形態を添付図面に従って説明する。
[放熱性能に関する測定A]
先ず、放熱構造において、放熱板の面積と電子部品の面積との関係が放熱性能に及ぼす影響を示す測定Aについて説明する(図1及び図2参照)。
本発明放熱構造及び電子機器は、回路基板の一方の面に搭載された電子部品から発生する熱に関し、回路基板の他方の面側に配置された放熱板を用いて放熱性の向上を図ることを一つの目的としている。
そこで、測定Aにおいては、図1に示すように、放熱構造50を用いて放熱板の面積と電子部品の面積との関係が放熱性能に及ぼす影響を測定した。尚、電子部品としては、例えば、画像の処理を行うためのチップ部品を用いている。
放熱構造50は、回路基板51の一方の面51aに電子部品52が搭載され、回路基板51の他方の面51b側に放熱板53が配置され、放熱板53と回路基板51の間に熱伝達体として機能する熱伝達シート54が配置されている。熱伝達シート54は両面がそれぞれ回路基板51の他方の面51bと放熱板53の一方の面53aとに密着されている。
測定Aは室温27°Cの下で行い、回路基板51の厚みを0.6mm(サンプルa1)又は1.2mm(サンプルa1〜a3)とし、回路基板51の大きさを130mm×130mmとし、電子部品52の厚みを2.0mmとし、電子部品52の大きさを20mm×20mmとし、電子部品52の発熱量を3Wとした。また、放熱板53としてはアルミニウムを用い、放熱板53の厚みを0.5mm(サンプルa2)又は1.0mm(サンプルa1、a3、a4)とし、放熱板53の大きさを10mm×10mmから100mm×100mmまで10mm間隔で変更し、熱伝達シート54の厚みを1.2mmとし、熱伝達シート54の大きさを放熱板53の大きさに合わせて10mm×10mmから100mm×100mmまで10mm間隔で変更した。
上記の条件において測定した結果について、図2に図表及びグラフ図を示す。図2は、放熱板53の大きさを変更したときの電子部品52の平均温度を示す測定結果である。尚、平均温度とは、電子機器の表面における平均温度である(以下、同じ)。
図2に示す測定Aの結果より、放熱板53の大きさが80mm×80mmになると、何れのサンプルa1〜a4においても電子部品52の平均温度がほとんど低下しなくなることが解る。従って、放熱板53の面積(80mm×80mm)を電子部品52の面積(20mm×20mm)で除した16倍以下の値が、良好な放熱性能を確保するために有効であると考慮される。
また、良好な放熱性能を確保するためには、電子部品52の平均温度が一定以上低下する必要があり、放熱板53の面積は、平均温度の急激な低下が生じた30mm×30mm以上が放熱性を確保するための良好な面積であることが解る。従って、放熱板53の面積(30mm×30mm)を電子部品52の面積(20mm×20mm)で除した約2倍以上の値が、良好な放熱性能を確保するために有効であると考慮される。
以上に説明したように、良好な放熱性能を確保するためには、放熱板53の面積が電子部品52の面積に対して2倍乃至16倍であることが望ましい。
[電磁ノイズの影響に関する測定B]
以下に、放熱構造において、電磁ノイズの発生源と放熱板の距離に関する電磁ノイズの影響を示す測定Bについて説明する(図3及び図5参照)。
本発明放熱構造及び電子機器は、電磁ノイズによる影響の低減を図ることを一つの目的としている。
そこで、測定Bにおいては、図3及び図4に示すように、放熱構造60を用いて電磁ノイズの発生源と放熱板の距離に関する電磁ノイズの影響を測定した。放熱構造60は、回路基板61の一方の面61aに電磁ノイズの発生源としてマイクロストリップライン61cが形成され、回路基板61の一方の面61a側に放熱板63が配置されている。
測定Bにおいては、回路基板61の大きさを100mm×100mmとし、放熱板63の大きさを60mm×60mmとし、回路基板61(マイクロストリップライン61c)と放熱板63の距離d(図4参照)を0.3mmから10mmまで適宜変更した。
上記の条件において測定した結果について、図5にグラフ図を示す。図5のグラフ図において、縦軸は3mの位置における遠方電界強度の最大値を示し、横軸は回路基板61(マイクロストリップライン61c)と放熱板63の距離dを示す。
図5に示す測定Bの結果より、距離dが約1mmのときに遠方電界強度の最大値が最大となり、距離dが約1mmから大きくなるに従って遠方電界強度の最大値が小さくなることが解る。また、距離dが1.2mmより小さいときの遠方電界強度の最大値は、距離dが1.2mmにおける遠方電界強度の最大値より大きい値とされている。従って、電磁ノイズの影響を低減させるためには、電磁ノイズの発生源と放熱板63の距離dを1.2mm以上にすることが望ましい。
[放熱性能と電磁ノイズの影響に関する測定C]
以下に、放熱構造において、電磁ノイズの発生源と形状を変更した放熱板の距離に関する電磁ノイズの影響及び放熱性能を示す測定C(測定C1と測定C2)について説明する(図6乃至図14参照)。
本発明放熱構造及び電子機器は、放熱性の向上を図ると共に電磁ノイズによる影響の低減を図ることを目的としている。
そこで、先ず、測定C1においては、放熱構造60(図6及び図7参照)及び放熱構造70(図8参照)を用いて電磁ノイズの発生源と放熱板の距離に関する電磁ノイズの影響を測定した。
放熱構造60は、回路基板61の一方の面61aにノイズの発生源として図示しないマイクロストリップライン(マイクロストリップライン61cと同じ。)が形成され、回路基板61の一方の面61a側に平板状の放熱板63が配置されている。
放熱構造70は、回路基板61の一方の面61aにノイズの発生源としてマイクロストリップライン(マイクロストリップライン61cと同じ。)が形成され、回路基板61の一方の面61a側に放熱板73が配置されている。放熱板73は平板状のベース部73aとベース部73aから回路基板61側へ突出された突出部73bとから成る。
測定C1においては、回路基板61の大きさを100mm×100mmとし、放熱板63、73の大きさを60mm×60mmとした。放熱構造60においては、回路基板61(マイクロストリップライン)と放熱板63の距離dを2mm(図6参照)又は12mm(図7参照)とし、放熱構造70においては、回路基板61(マイクロストリップライン)と放熱板73のベース部73aとの距離dを12mmとすると共に回路基板61(マイクロストリップライン)と放熱板73の突出部73bとの距離daを2mmとした。
上記の条件において磁界強度分布を測定した結果について、図9乃至図11に示す。図9は、放熱構造60において距離dを2mmとしたときの測定結果を示し、図10は、放熱構造60において距離dを12mmとしたときの測定結果を示し、図11は、放熱構造70において距離dを12mmとし距離daを2mmとしたときの測定結果を示す。
図9乃至図11において、レベル7乃至レベル1は磁界強度の強さを示しており、レベル7が最も磁界強度が強い範囲を示している。
距離dが2mmの場合の放熱構造60(図6参照)にあっては、図9に示すように、放熱板63がレベル7の電磁波に隣接し電磁ノイズによる影響が大きく、距離dが12mmの場合の放熱構造60(図7参照)にあっては、図10に示すように、放熱板63がレベル7からレベル1の電磁波に隣接せず電磁ノイズによる影響が小さい。また、距離dが12mmとされ距離daが2mmの場合の放熱構造70(図8参照)にあっては、図11に示すように、放熱板73のベース部73aの一部がレベル1の電磁波に隣接し放熱板73の突出部73bの先端面がレベル5の電磁波に隣接しているが、図6に示す放熱構造60よりも電磁ノイズによる影響が大きく低減されている。
次に、測定C2においては、図12乃至図14に示すように、放熱構造60A、放熱構造60B及び放熱構造70Aを用いて放熱性能を測定した。放熱構造60A、放熱構造60B及び放熱構造70Aはそれぞれ図6乃至図8に示した放熱構造60、60、70に対応するものである。
放熱構造60A、60Bは、図12及び図13に示すように、回路基板61の一方の面61aに電子部品62が搭載され、回路基板61の一方の面61a側に放熱板63が配置されている。電子部品62と放熱板63の間には熱伝達シート64が配置され、熱伝達シート64の両面はそれぞれ電子部品62と放熱板63に密着されている。
放熱構造70Aは、図14に示すように、回路基板61の一方の面61aに電子部品62が搭載され、回路基板61の一方の面61a側に放熱板73が配置されている。放熱板73は平板状のベース部73aとベース部73aから回路基板61側へ突出された突出部73bとから成る。電子部品62と放熱板73の突出部73bとの間には熱伝達シート64が配置され、熱伝達シート64の両面はそれぞれ電子部品62と放熱板73の突出部73bとに密着されている。
測定C2においては、回路基板61の大きさを100mm×100mmとし、放熱板63、73の大きさを60mm×60mmとした。放熱構造60Aにおいては回路基板61と放熱板63の距離dを2mmとし、放熱構造60Bにおいては回路基板61と放熱板63の距離dを12mmとし、放熱構造70においては回路基板61と放熱板73のベース部73aとの距離dを12mmとすると共に回路基板61と放熱板73の突出部73bとの距離daを2mmとした。
放熱構造60A、60B、70Aにおいて、電子部品62を駆動したときの電子部品62の平均温度を測定した。
放熱構造60Aにおける電子部品62の平均温度は51.39°Cであり、放熱構造60Bにおける電子部品62の平均温度は51.30°Cであり、放熱構造70Aにおける電子部品62の平均温度は49.85°Cであった。従って、放熱構造70Aは放熱構造60A、60Bに比し、放熱性能が高いことが解る。
上記した測定C1及び測定C2に示すように、突出部73bを有する放熱板73が設けられた放熱構造70(70A)は、高い放熱性能を有すると共に電磁ノイズの影響が低いと言う結果が得られた。
[構造の相違による放熱性能に関する測定D]
以下に、放熱構造において、構造の相違による放熱性能を示す測定Dについて説明する。
本発明放熱構造及び電子機器は、回路基板の一方の面に搭載された電子部品から発生する熱に関し、回路基板の他方の面側に配置された放熱板を用いて放熱性の向上を図ることを一つの目的としている。
そこで、測定Dにおいては、異なる構造(放熱構造)についてそれぞれ放熱性能を測定した。測定Dに用いた放熱構造は、放熱構造80A、放熱構造80B、放熱構造80C、放熱構造80D及び放熱構造80Eである。
放熱構造80Aは、図15に示すように、回路基板81を有し、回路基板81の一方の面81aには電子部品82が搭載されている。
回路基板81の他方の面81b側には外筐の一部を構成する樹脂材料によって形成されたシャーシ83が配置されている。シャーシ83には下方に開口された浅い配置凹部83aが形成され、配置凹部83aの中央部には上下に貫通された挿通孔83bが形成されている。
シャーシ83の配置凹部83aには樹脂シート84が配置されている。樹脂シート84には上下に貫通された複数の放熱孔84a、84a、・・・が形成されている。
放熱構造80Bは、図16に示すように、回路基板81とヒートシンク85を有し、回路基板81の一方の面81aには電子部品82が搭載されている。
回路基板81の他方の面81b側には外筐の一部を構成する樹脂材料によって形成されたシャーシ83が配置されている。シャーシ83には下方に開口された浅い配置凹部83aが形成され、配置凹部83aの中央部には上下に貫通された挿通孔83bが形成されている。
シャーシ83の配置凹部83aには樹脂シート84が配置されている。樹脂シート84には上下に貫通された複数の放熱孔84a、84a、・・・が形成されている。
ヒートシンク85は回路基板81の一方の面81a側に配置され、上下方向を向く平板状の基部85aと基部85aからそれぞれ上方へ突出された放熱フィン85b、85b、・・・とから成る。
電子部品82とヒートシンク85の間には熱伝達シート86が配置され、熱伝達シート86の両面はそれぞれ電子部品82とヒートシンク85の基部85aとに密着されている。
放熱構造80Cは、図17に示すように、回路基板81とヒートシンク85とヒートスプレッダー87を有し、回路基板81の一方の面81aには電子部品82が搭載されている。
回路基板81の他方の面81b側には外筐の一部を構成する樹脂材料によって形成されたシャーシ83が配置されている。シャーシ83には下方に開口された浅い配置凹部83aが形成され、配置凹部83aの中央部には上下に貫通された挿通孔83bが形成されている。
シャーシ83の配置凹部83aには樹脂シート84が配置されている。樹脂シート84には上下に貫通された複数の放熱孔84a、84a、・・・が形成されている。
ヒートシンク85は回路基板81の一方の面81a側に配置され、上下方向を向く平板状の基部85aと基部85aからそれぞれ上方へ突出された放熱フィン85b、85b、・・・とから成る。
ヒートスプレッダー87は上下方向を向く平板状の放熱面部87aと放熱面部87aから側方へ突出された被取付突部87bとを有し、被取付突部87bが回路基板81に取付ネジ100によって取り付けられている。ヒートスプレッダー87の放熱面部87aはヒートシンク85の基部85aに密着されている。
電子部品82とヒートスプレッダー87の間には熱伝達シート86が配置され、熱伝達シート86の両面はそれぞれ電子部品82とヒートスプレッダー87の放熱面部87aとに密着されている。
放熱構造80Dは、図18に示すように、回路基板81とヒートシンク85とヒートスプレッダー87と放熱板88を有し、回路基板81の一方の面81aには電子部品82が搭載されている。
回路基板81の他方の面81b側には外筐の一部を構成する樹脂材料によって形成されたシャーシ83Dが配置されている。シャーシ83Dには下方に開口された浅い配置凹部83aが形成され、配置凹部83aの中央部には上下に貫通された挿通孔83bが形成されている。シャーシ83Dには結合部83cが設けられている。
放熱板88は上下方向を向く平板状のベース部88aとベース部88aの中央部から上方へ突出された突出部88bとから成り、ベース部88aがシャーシ83Dの配置凹部83aに配置され、突出部88bがシャーシ83Dの挿通孔83bを挿通され外筐の内部に配置されている。
回路基板81の電子部品82が搭載された部分と放熱板88の突出部88bとの間には熱伝達シート89が配置され、熱伝達シート89の両面はそれぞれ回路基板81と放熱板88の突出部88bとに密着されている。
シャーシ83Dの配置凹部83aには樹脂シート84が配置されている。樹脂シート84は放熱板88のベース部88aの下面に密着された状態で配置されている。樹脂シート84には上下に貫通された複数の放熱孔84a、84a、・・・が形成されている。
ヒートシンク85は回路基板81の一方の面81a側に配置され、上下方向を向く平板状の基部85aと基部85aからそれぞれ上方へ突出された放熱フィン85b、85b、・・・とから成る。
ヒートスプレッダー87は上下方向を向く平板状の放熱面部87aと放熱面部87aから側方へ突出された被取付突部87bとを有している。ヒートスプレッダー87の放熱面部87aはヒートシンク85の基部85aに密着されている。
回路基板81にはヒートスプレッダー87の被取付突部87bとシャーシ83Dの結合部83cが回路基板81を上下から挟んだ状態で取付ネジ100によって取り付けられている。
電子部品82とヒートスプレッダー87の間には熱伝達シート86が配置され、熱伝達シート86の両面はそれぞれ電子部品82とヒートスプレッダー87の放熱面部87aとに密着されている。
放熱構造80Eは、図19に示すように、回路基板81とヒートシンク85とヒートスプレッダー87と放熱板88を有し、回路基板81の一方の面81aには電子部品82が搭載されている。
回路基板81の他方の面81b側には外筐の一部を構成する金属材料(鉄材料)によって形成されたシャーシ83Eが配置されている。シャーシ83Eには下方に開口された浅い配置凹部83aが形成され、配置凹部83aの中央部には上下に貫通された挿通孔83bが形成されている。
放熱構造80Eは、樹脂材料によって形成されたシャーシ83Dに代えて鉄材料によって形成されたシャーシ83Eが設けられている点以外は、放熱構造80D(図18参照)と同様の構造にされている。従って、放熱構造80Eについては、シャーシ83E以外の説明を省略する。
測定Dにおいては室温45°Cの下で行い、放熱構造80A、80B、80C、80D、80Eにおいて、電子部品82を駆動したときの電子部品82の平均温度を測定した。図20は、測定結果を示すグラフ図である。
放熱構造80Aにおける電子部品82の平均温度は105°Cであり、放熱構造80Bにおける電子部品82の平均温度は93°Cであり、放熱構造80Cにおける電子部品82の平均温度は86°Cであり、放熱構造80Dにおける電子部品82の平均温度は82°Cであり、放熱構造80Eにおける電子部品82の平均温度は79°Cであった。測定に用いた電子部品82が熱によって破壊を生じる可能性がある温度Hは90°Cであり、この温度Hを考慮すると放熱構造80C、80D、80Eが放熱性能を考慮したときに望ましい構造であり、温度のバラツキを考慮すると放熱構造80D又は放熱構造80Eを用いることがより望ましい。
測定Dにおいて、放熱構造80Aと放熱構造80Bを比較すると、放熱構造80Bが放熱構造80Aに対して平均温度が12°C低下しており、ヒートシンク85による放熱性能の効果が生じていることが解る。放熱構造80Bと放熱構造80Cを比較すると、放熱構造80Cが放熱構造80Bに対して平均温度が4°C低下しており、ヒートスプレッダー87による放熱性能の効果が生じていることが解る。放熱構造80Cと放熱構造80Dを比較すると、放熱構造80Dが放熱構造80Cに対して平均温度が7°C低下しており、放熱板88による放熱性能の効果が生じていることが解る。放熱構造80Dと放熱構造80Eを比較すると、放熱構造80Eが放熱構造80Dに対して平均温度が3°C低下しており、金属材料によって形成されたシャーシ83Eによる放熱性能の効果が生じていることが解る。
[電子機器及び放熱構造の具体的構成]
次に、本発明放熱構造及びこの放熱構造が設けられた電子機器の具体的な実施の形態について説明する。
以下に示した第1の実施の形態及び第2の実施の形態は、本発明電子機器をディスク記録再生装置に適用し、本発明放熱構造をこのディスク記録再生装置に設けられた放熱構造に適用したものである。
尚、本発明電子機器及び放熱構造の適用範囲はディスク記録再生装置及びこのディスク記録再生装置に設けられた放熱構造に限られることはない。本発明電子機器は、ディスク記録再生装置以外の記録媒体を用いる記録再生装置、音声記録再生装置、撮像装置、ネットワーク通信装置、パーソナルコンピューターやPDA(Personal Digital Assistant)等の情報処理装置等の他の各種の電子機器に広く適用することができる。また、本発明放熱構造は、これらの各種の電子機器に設けられた放熱構造に広く適用することができる。
<第1の実施の形態>
先ず、第1の実施の形態について説明する(図21乃至図27参照)。
電子機器(ディスク記録再生装置)1は外筐2の内部に所要の各部が配置されて成り、外筐2はケース体3とシャーシ4とフロントパネル5とリアパネル6が結合されて構成されている(図21乃至図23参照)。外筐2は、例えば、扁平な横長の略直方体状に形成されている。
ケース体3は上下方向を向く天面部3aと天面部3aの左右両側部からそれぞれ下方へ突出された側面部3b、3bとから成る。
シャーシ4は金属材料又は樹脂材料によって形成され、上下方向を向く略平板状の底板部7と底板部7の左右両側部からそれぞれ上方へ突出された側板部8、8とから成る。シャーシ4の底板部7には下方に開口された浅い配置凹部7aが形成され(図23及び図24参照)、配置凹部7aの中央部には上下に貫通された挿通孔7bが形成されている。シャーシ4の底板部7には配置凹部7aの側方に結合部7cが設けられている。
ケース体3はそれぞれ側面部3b、3bが側板部8、8を外側から覆うようにしてシャーシ4に結合される。
フロントパネル5はケース体3の前端部及びシャーシ4の前端部に取り付けられ、前後に開口されたディスク挿脱孔を有している。ディスク挿脱孔はシャッター9によって開閉される。フロントパネル5には複数の操作釦10、10、・・・が配置されている。操作釦10、10、・・・としては、例えば、電源釦、ディスク再生釦、ディスク記録釦、各種の機能を実行するための機能釦等が設けられている。
外筐2の内部にはディスク挿脱孔の後方にディスクドライブ部11が配置されている。ディスクドライブ部11にはフロントパネル5に形成されたディスク挿脱孔から挿入される図示しないディスク状記録媒体が装着され、ディスク状記録媒体に対して情報信号の記録又は再生が行われる。情報信号の記録又は再生が行われたディスク状記録媒体は、ディスク挿脱孔から排出されて外部へ取り出される。
ディスクドライブ部11の側方には放熱構造12が設けられている(図22及び図24参照)。放熱構造12は回路基板13とヒートシンク14とヒートスプレッダー15と放熱板16を有している(図24参照)。
回路基板13は上下方向を向き略中央部が部品搭載部17として設けられている。回路基板13の一方の面(上面)13aにおける部品搭載部17には電子部品18が搭載されている。電子部品18は、例えば、画像の処理を行うためのチップ部品であり、回路基板13に形成された図示しない所定の配線パターンに接続されている。電子部品18は駆動時に発熱する熱源とされ、電子部品18及び配線パターンは電磁ノイズの発生源とされる。
ヒートシンク14は回路基板13の一方の面13a側に配置され、上下方向を向く平板状の基部14aと基部14aからそれぞれ上方へ突出された放熱フィン14b、14b、・・・とから成る。
ヒートスプレッダー15は、図25に示すように、上下方向を向く平板状の放熱面部19と放熱面部19から略水平方向へ突出された被取付突部20、20、20と放熱面部19の前後両側縁からそれぞれ下方へ突出された接続用突部21、21、・・・と放熱面部19の前後両側縁からそれぞれ上方へ突出された結合用突部22、22、・・・とから成る。放熱面部19はヒートシンク14の基部14aと略同じ大きさに形成されている。被取付突部20、20、20の先端部にはそれぞれ上下に貫通されたネジ挿通孔20a、20a、20aが形成されている。
ヒートスプレッダー15の放熱面部19上にはヒートシンク14の基部14aが配置され、結合用突部22、22、・・・が内側へ折り曲げられて基部14aが保持されてヒートシンク14がヒートスプレッダー15に結合される(図26参照)。ヒートシンク14がヒートスプレッダー15に結合された状態においては、ヒートスプレッダー15の放熱面部19とヒートシンク14の基部14aが密着される。
電子部品18とヒートスプレッダー15の間には第1の熱伝導体として機能する第1の熱伝達シート23が配置され、第1の熱伝達シート23の両面はそれぞれ電子部品18の上面とヒートスプレッダー15の放熱面部19の下面とに密着されている。
ヒートスプレッダー15はそれぞれ接続用突部21、21、・・・が回路基板13に形成されたグランド部13c、13c、・・・に、例えば、半田付けによって接続される。グランド部13c、13c、・・・は図示しない接地回路に接続されており、接続用突部21、21、・・・がそれぞれグランド部13c、13c、・・・に接続されることにより接地(アース)が図られる。
ヒートスプレッダー15はそれぞれ被取付突部20、20、20が回路基板13に形成されたグランド部13d、13d、13dに取付ネジ30、30、30がそれぞれネジ挿通孔20a、20a、20aを挿通されて取り付けられる。グランド部13d、13d、13dはグランド部13c、13c、・・・と同様に接地回路に接続されており、被取付突部20、20、20がそれぞれグランド部13d、13d、13dに接続されることによっても接地(アース)が図られる。従って、ヒートスプレッダー15の接続用突部21、21、・・・がそれぞれグランド部13c、13c、・・・に接続され被取付突部20、20、20がそれぞれグランド部13d、13d、13dに取り付けられることにより、電磁ノイズの影響が大きく低減される。
放熱板16はアルミニウムや鉄等の金属材料によって形成され、上下方向を向く平板状のベース部16aとベース部16aの中央部から上方へ突出された突出部16bとから成る(図24参照)。突出部16bは、例えば、絞り成形によって形成され、突出部16bの上面は対向面16cとして形成されている。放熱板16はベース部16aがシャーシ4の配置凹部7aに配置され、突出部16bがシャーシ4の挿通孔7bを挿通され外筐2の内部に配置されている。放熱板16はベース部16aが配置凹部7aに配置された状態において、例えば、接着、ネジ止め、係合等の適宜の手段によってシャーシ4に固定される。
回路基板13の部品搭載部17と放熱板16の突出部16bとの間には第2の熱伝達体として機能する第2の熱伝達シート24が配置され、第2の熱伝達シート24の両面はそれぞれ回路基板13の他方の面13bにおける部品搭載部17と放熱板16における突出部16bの対向面16cとに密着されている。
シャーシ4の配置凹部7aには放熱板16の下方から樹脂シート25が挿入されて配置されている。樹脂シート25は放熱板16のベース部16aの下面に密着された状態において、例えば、接着等により固定されている。樹脂シート25には上下に貫通された複数の放熱孔25a、25a、・・・が形成されている。
上記したように、ヒートスプレッダー15は被取付突部20が回路基板13に形成されたグランド部13dに取付ネジ30によって取り付けられるが、このとき同時に、シャーシ4の底板部7に設けられた結合部7cが取付ネジ30によって回路基板13に取り付けられる。従って、被取付突部20と結合部7cは回路基板13を上下から挟んだ状態でグランド部13dに取付ネジ30によって取り付けられる。
以上のように構成された電子機器1において、電子部品18の駆動時には電子部品18が発熱する。電子部品18において発生した熱は第1の熱伝達シート23を介してヒートスプレッダー15に伝達されてヒートスプレッダー15からヒートシンク14に伝達され、ヒートシンク14から放出される。
また、電子部品18において発生した熱は回路基板13及び第2の熱伝達シート24を介して放熱板16にも伝達され、放熱板16から樹脂シート25の放熱孔25a、25a、・・・を介して外部へ放出される。このときシャーシ4が金属材料等の熱伝導性の高い材料によって形成されている場合には、電子部品18において発生した熱が放熱板16からシャーシ4にも伝達され、シャーシ4からも放出される。
一方、電子機器1において、電子部品18の駆動時には電子部品18が発熱すると共に電子部品18及び配線パターンから電磁ノイズが発生する。このときヒートスプレッダー15の被取付突部20、20、20及び接続用突部21、21、・・・がグランド部13d、13d、13d、13c、13c、・・・を介して接地回路に接続されているため、電磁ノイズによる影響が低減される。
また、シャーシ4の結合部7cが被取付突部20とともに回路基板13のグランド部13dに取り付けられているため、電磁ノイズによる一層の低減が図られる。
さらに、放熱板16がベース部16aとベース部16aから回路基板13側に突出された突出部16bとから成り、突出部16bのみが第2の熱伝達シート24を介して回路基板13に接続されベース部16aが回路基板13から離隔して位置されているため、測定C1(図11参照)において示した通り、電磁ノイズによる影響が低減される。
<第1の実施の形態における変形例>
以下に、第1の実施の形態における変形例に係る放熱構造12Aについて説明する(図27参照)。
放熱構造12Aは回路基板13とヒートシンク14と放熱板16を有している。
回路基板13は上下方向を向き略中央部が部品搭載部17として設けられている。回路基板13の一方の面(上面)13aにおける部品搭載部17には電子部品18が搭載されている。電子部品18は回路基板13に形成された図示しない所定の配線パターンに接続されている。電子部品18は駆動時に発熱する熱源とされ、電子部品18及び配線パターンは電磁ノイズの発生源とされる。
ヒートシンク14は回路基板13の一方の面13a側に配置され、上下方向を向く平板状の基部14aと基部14aからそれぞれ上方へ突出された放熱フィン14b、14b、・・・とから成る。
電子部品18とヒートシンク14の間には第1の熱伝達シート23が配置され、第1の熱伝達シート23の両面はそれぞれ電子部品18の上面とヒートシンク14の基部14aの下面とに密着されている。
放熱板16はアルミニウムや鉄等の金属材料によって形成され、上下方向を向く平板状のベース部16aとベース部16aの中央部から上方へ突出された突出部16bとから成る。突出部16bは、例えば、絞り成形によって形成され、突出部16bの上面は対向面16cとして形成されている。放熱板16はベース部16aがシャーシ4Aの底板部7Aの上面に配置されている。シャーシ4Aは底板部7Aが平板状に形成され、シャーシ4Aにはシャーシ4と異なり配置用凹部7a及び挿通孔7bが形成されていない。放熱板16はベース部16aが、例えば、接着、ネジ止め、係合等の適宜の手段によってシャーシ4Aに固定される。
回路基板13の部品搭載部17と放熱板16の突出部16bとの間には第2の熱伝達シート24が配置され、第2の熱伝達シート24の両面はそれぞれ回路基板13の他方の面13bにおける部品搭載部17と放熱板16における突出部16bの対向面16cとに密着されている。
上記した放熱構造12Aにおいても、放熱構造12と同様に、電子部品18において発生した熱がヒートシンク14及び放熱板16から放出される。また、放熱板16がベース部16aとベース部16aから回路基板13側に突出された突出部16bとから成り、突出部16bのみが第2の熱伝達シート24を介して回路基板13に接続されベース部16aが回路基板13から離隔して位置されているため、電磁ノイズによる影響が低減される。
尚、放熱構造12Aにおいても、放熱構造12と同様に、ヒートスプレッダー15を配置する構成とすることも可能である。
[まとめ1]
以上に記載した通り、電子機器1にあっては、放熱板16がベース部16aとベース部16aから回路基板13側に突出された突出部16bとから成り、突出部16bが第2の熱伝達シート24を介して回路基板13に接続されベース部16aが回路基板13から離隔して位置されている。
従って、電子部品18において発生する熱の放熱性の向上及び電磁ノイズによる影響の低減を図ることができる。
特に、大きな面積の金属板が電磁ノイズの発生源の近傍に位置されると影響が大きいが、放熱板16のうち面積の大きなベース部16aが電磁ノイズの発生源から離隔して位置されるため、電磁ノイズの影響を効果的に低減することができる。
また、放熱板16の突出部16bを第2の熱伝達シート24を介して回路基板13に接触させることにより高い放熱性能が確保されるため、放熱性を向上させるためのファンモーターを配置する必要もない。従って、騒音の低減、製造コストの低減及び部品点数の低減による電子部品18の小型化を図ることもできる。
さらに、放熱板16のベース部16aをシャーシ4の外面側に配置することにより、電子部品18において発生する熱を効率的に電子機器1の外部へ放出することができ、放熱性の一層の向上を図ることができる。
さらにまた、放熱板16の突出部16bにおける対向面16cと回路基板13の距離を1.2mm以上にすることにより、測定B(図5参照)の結果より、電磁ノイズの影響を一層低減することができる。
また、放熱板16のベース部16aにおける回路基板13に対向する側と反対側の面に放熱孔25a、25a、・・・を有する樹脂シート25を取り付けることにより、放熱時に放熱板16に指が接触することがなく、放熱性の向上を図った上で火傷の防止等の安全性の向上を図ることができる。
さらに、シャーシ4に配置凹部7aと挿通孔7bを形成し、配置凹部7aに放熱板16のベース部16aを配置し、挿通孔7bに放熱板16の突出部16bを挿入して配置することにより、放熱板16がシャーシ4の下面から下方へ突出されず、良好な放熱性を確保した上で放熱構造12の小型化を図ることができる。
加えて、シャーシ4の配置凹部7aに樹脂シート25を配置することにより、放熱性の向上及び安全性の向上を図った上で放熱構造12の小型化を図ることができる。
尚、上記には、熱伝達体として熱伝達シートを用いた例を示したが、熱伝達体は熱伝達シートに限られることはなく、熱伝達体として、例えば、熱伝達グリス等の熱の伝達率が高い他の熱伝達体を用いることも可能である。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する(図28乃至図30参照)。
尚、以下に示す第2の実施の形態に係る放熱構造は、上記した第1の実施の形態に係る放熱構造と比較して、主に、回路基板の電子部品が搭載された面側に放熱板(第1の放熱板)が配置されていることが相違する。従って、第2の実施の形態においては、第1の実施の形態に係る放熱構造と比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については第1の実施の形態に係る放熱構造における同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略する。
第2の実施の形態に係る放熱構造12Bは回路基板13と第1の放熱板16Bを有している(図24参照)。放熱構造12Bには、第1の実施の形態に係る放熱構造と異なり、ヒートシンクとヒートスプレッダーは設けられていない。
回路基板13の一方の面13a側には第1の放熱板16Bが配置されている。
第1の放熱板16Bはアルミニウムや鉄等の金属材料によって形成され、上下方向を向く平板状のベース部16dとベース部16dから下方へ突出された突出部16eとベース部16dの側方側の一端部から下方へ突出された連結部16fと連結部16fの下端部から側方へ突出された被取付突部16gとを有している。
突出部16eは、例えば、絞り成形によって形成され、突出部16eの下面は対向面16hとして形成されている。
第1の放熱板16Bは被取付突部16gが回路基板13に形成されたグランド部13dに取付ネジ30によって取り付けられる。第1の放熱板16Bの被取付突部16gがグランド部13dに取り付けられることにより、電磁ノイズの影響が大きく低減される。
電子部品18と第1の放熱板16Bの突出部16eとの間には第1の熱伝達体として機能する第1の熱伝達シート26が配置され、第1の熱伝達シート26の両面はそれぞれ電子部品18の上面と第1の放熱板16Bの対向面16hとに密着されている。
回路基板13の他方の面13b側にはシャーシ4Aが配置され、シャーシ4Aは底板部7Aが平板状に形成されている。
上記のように構成された放熱構造12Bにおいて、電子部品18の駆動時には電子部品18が発熱する。電子部品18において発生した熱は第1の熱伝達シート26を介して第1の放熱板16Bに伝達され、第1の放熱板16Bから放出される。
一方、電子部品18の駆動時には電子部品18が発熱すると共に電子部品18及び配線パターンから電磁ノイズが発生する。このとき第1の放熱板16Bがグランド部13dを介して接地回路に接続されているため、電磁ノイズによる影響が低減される。
また、第1の放熱板16Bがベース部16dとベース部16dから回路基板13側に突出された突出部16eとを有し、突出部16eが第1の熱伝達シート26を介して回路基板13に接続されベース部16dが回路基板13から離隔して位置されているため、測定C1(図11参照)において示した通り、電磁ノイズによる影響が低減される。
尚、放熱構造12Bにおいては、第1の放熱板16Bの突出部16eにおける対向面16hと回路基板13の距離を1.2mm以上にすることが望ましい。
<第2の実施の形態における変形例>
以下に、第2の実施の形態における変形例に係る放熱構造12C、12Dについて説明する。
先ず、第2の実施の形態における第1の変形例に係る放熱構造12Cについて説明する(図29参照)。
第1の変形例に係る放熱構造12Cは回路基板13と第1の放熱板16Bと第2の放熱板16Cを有している。放熱構造12Cには、第1の実施の形態に係る放熱構造と異なり、ヒートシンクとヒートスプレッダーは設けられていない。
回路基板13の一方の面13a側には第1の放熱板16Bが配置されている。
電子部品18と第1の放熱板16Bの突出部16eとの間には第1の熱伝達シート26が配置され、第1の熱伝達シート26の両面はそれぞれ電子部品18の上面と第1の放熱板16Bの対向面16hとに密着されている。
回路基板13の他方の面13b側には第2の放熱板16Cが配置されている。
第2の放熱板16Cはアルミニウムや鉄等の金属材料によって形成され、上下方向を向く平板状のベース部16iとベース部16iの中央部から上方へ突出された突出部16jとから成る。突出部16jは、例えば、絞り成形によって形成され、突出部16jの上面は対向面16kとして形成されている。第2の放熱板16Cはベース部16iがシャーシ4の配置凹部7aに配置され、突出部16jがシャーシ4の挿通孔7bを挿通され外筐2の内部に配置されている。第2の放熱板16Cはベース部16iが配置凹部7aに配置された状態において、例えば、接着、ネジ止め、係合等の適宜の手段によってシャーシ4に固定される。
回路基板13の部品搭載部17と第2の放熱板16Cの突出部16jとの間には第2の熱伝達体として機能する第2の熱伝達シート27が配置され、第2の熱伝達シート27の両面はそれぞれ回路基板13の他方の面13bにおける部品搭載部17と第2の放熱板16Cにおける突出部16jの対向面16kとに密着されている。
シャーシ4の配置凹部7aには第2の放熱板16Cの下方から樹脂シート25が挿入されて配置されている。樹脂シート25は第2の放熱板16Cのベース部16iの下面に密着された状態において、例えば、接着等により固定されている。
上記したように、第1の放熱板16Bは被取付突部16gが回路基板13に形成されたグランド部13dに取付ネジ30によって取り付けられるが、このとき同時に、シャーシ4の底板部7に設けられた結合部7cが取付ネジ30によって回路基板13に取り付けられる。従って、被取付突部16gと結合部7cは回路基板13を上下から挟んだ状態でグランド部13dに取付ネジ30によって取り付けられる。
上記のように構成された放熱構造12Cにおいて、電子部品18の駆動時には電子部品18が発熱する。電子部品18において発生した熱は第1の熱伝達シート26を介して第1の放熱板16Bに伝達され、第1の放熱板16Bから放出される。
また、電子部品18において発生した熱は回路基板13及び第2の熱伝達シート27を介して第2の放熱板16Cにも伝達され、第2の放熱板16Cから樹脂シート25の放熱孔25a、25a、・・・を介して外部へ放出される。このときシャーシ4が金属材料等の熱伝導性の高い材料によって形成されている場合には、電子部品18において発生した熱が第2の放熱板16Cからシャーシ4にも伝達され、シャーシ4からも放出される。
一方、電子部品18の駆動時には電子部品18が発熱すると共に電子部品18及び配線パターンから電磁ノイズが発生する。このとき第1の放熱板16Bがグランド部13dを介して接地回路に接続されているため、電磁ノイズによる影響が低減される。
また、シャーシ4の結合部7cが被取付突部16gとともに回路基板13のグランド部13dに取り付けられているため、電磁ノイズによる一層の低減が図られる。
さらに、第2の放熱板16Cがベース部16iとベース部16iから回路基板13側に突出された突出部16jとから成り、突出部16jのみが第2の熱伝達シート27を介して回路基板13に接続されベース部16iが回路基板13から離隔して位置されているため、測定C1(図11参照)において示した通り、電磁ノイズによる影響が低減される。
尚、放熱構造12Cにおいては、第1の放熱板16Bの突出部16eにおける対向面16hと回路基板13の距離を1.2mm以上にすることが望ましく、第2の放熱板16Cの突出部16jにおける対向面16kと回路基板13の距離も1.2mm以上にすることが望ましい。
次に、第2の実施の形態における第2の変形例に係る放熱構造12Dについて説明する(図30参照)。
第2の変形例に係る放熱構造12Dは回路基板13と第1の放熱板16Bと第2の放熱板16Cを有している。放熱構造12Dには、第1の実施の形態に係る放熱構造と異なり、ヒートシンクとヒートスプレッダーは設けられていない。
回路基板13の一方の面13a側には第1の放熱板16Bが配置されている。
電子部品18と第1の放熱板16Bの突出部16eとの間には第1の熱伝達シート26が配置され、第1の熱伝達シート26の両面はそれぞれ電子部品18の上面と第1の放熱板16Bの対向面16hとに密着されている。
回路基板13の他方の面13b側には第2の放熱板16Cが配置されている。
第2の放熱板16Cはアルミニウムや鉄等の金属材料によって形成され、上下方向を向く平板状のベース部16iとベース部16iの中央部から上方へ突出された突出部16jとから成る。突出部16jは、例えば、絞り成形によって形成され、突出部16jの上面は対向面16kとして形成されている。
第2の放熱板16Cはベース部16iがシャーシ4Aの底板部7Aの上面に配置されている。第2の放熱板16Cはベース部16iが、例えば、接着、ネジ止め、係合等の適宜の手段によってシャーシ4Aに固定される。
回路基板13の部品搭載部17と第2の放熱板16Cの突出部16jとの間には第2の熱伝達体として機能する第2の熱伝達シート27が配置され、第2の熱伝達シート27の両面はそれぞれ回路基板13の他方の面13bにおける部品搭載部17と第2の放熱板16Cにおける突出部16jの対向面16kとに密着されている。
上記したように、第1の放熱板16Bは被取付突部16gが回路基板13に形成されたグランド部13dに取付ネジ30によって取り付けられている。第1の放熱板16Bの被取付突部16gがグランド部13dに取り付けられることにより、電磁ノイズの影響が大きく低減される。
上記のように構成された放熱構造12Dにおいて、電子部品18の駆動時には電子部品18が発熱する。電子部品18において発生した熱は第1の熱伝達シート26を介して第1の放熱板16Bに伝達され、第1の放熱板16Bから放出される。
また、電子部品18において発生した熱は回路基板13及び第2の熱伝達シート27を介して第2の放熱板16Cにも伝達され、第2の放熱板16Cからも外部へ放出される。このときシャーシ4が金属材料等の熱伝導性の高い材料によって形成されている場合には、電子部品18において発生した熱が第2の放熱板16Cからシャーシ4にも伝達され、シャーシ4からも放出される。
一方、電子部品18の駆動時には電子部品18が発熱すると共に電子部品18及び配線パターンから電磁ノイズが発生する。このとき第1の放熱板16Bがグランド部13dを介して接地回路に接続されているため、電磁ノイズによる影響が低減される。
また、第2の放熱板16Cがベース部16iとベース部16iから回路基板13側に突出された突出部16jとから成り、突出部16jのみが第2の熱伝達シート27を介して回路基板13に接続されベース部16iが回路基板13から離隔して位置されているため、測定C1(図11参照)において示した通り、電磁ノイズによる影響が低減される。
尚、放熱構造12Dにおいては、第1の放熱板16Bの突出部16eにおける対向面16hと回路基板13の距離を1.2mm以上にすることが望ましく、第2の放熱板16Cの突出部16jにおける対向面16kと回路基板13の距離も1.2mm以上にすることが望ましい。
[まとめ2]
以上に記載した通り、放熱構造12B、12C、12Dにあっては、第1の放熱板16Bがベース部16dとベース部16dから回路基板13側に突出された突出部16eとを有し、突出部16eが第1の熱伝達シート26を介して回路基板13に接続されベース部16dが回路基板13から離隔して位置されている。
従って、電子部品18において発生する熱の放熱性の向上及び電磁ノイズによる影響の低減を図ることができる。
特に、大きな面積の金属板が電磁ノイズの発生源の近傍に位置されると影響が大きいが、第1の放熱板16Bのうち面積の大きなベース部16dが電磁ノイズの発生源から離隔して位置されるため、電磁ノイズの影響を効果的に低減することができる。
また、第1の放熱板16Bの突出部16eを第1の熱伝達シート26を介して回路基板13に接触させることにより高い放熱性能が確保されるため、放熱性を向上させるためのファンモーターを配置する必要もない。従って、騒音の低減、製造コストの低減及び部品点数の低減による電子部品18の小型化を図ることもできる。
さらに、放熱構造12C、12Dのように、第2の放熱板16Cの突出部16iを第2の熱伝達シート27を介して回路基板13に接触させることによっても高い放熱性能が確保される。
さらにまた、放熱構造12C、12Dにあっては、第1の放熱板16Bと第2の放熱板16Cが設けられているため、電子部品18の発熱時に第1の放熱板16Bと第2の放熱板16Cの双方から熱が放出され、高い放熱性を確保することができる。
また、放熱構造12Cのように、第2の放熱板16Cのベース部16iをシャーシ4の外面側に配置することにより、電子部品18において発生する熱を効率的に電子機器1の外部へ放出することができ、放熱性の一層の向上を図ることができる。
加えて、第1の放熱板16Bの突出部16eにおける対向面16hと回路基板13の距離を1.2mm以上にすることにより、測定B(図5参照)の結果より、電磁ノイズの影響を一層低減することができる。
同様に、第2の放熱板16Cの突出部16jにおける対向面16kと回路基板13の距離を1.2mm以上にすることにより、測定B(図5参照)の結果より、電磁ノイズの影響を一層低減することができる。
また、放熱構造12Cのように、第2の放熱板16Cのベース部16iにおける回路基板13に対向する側と反対側の面に放熱孔25a、25a、・・・を有する樹脂シート25を取り付けることにより、放熱時に第2の放熱板16Cに指が接触することがなく、放熱性の向上を図った上で火傷の防止等の安全性の向上を図ることができる。
さらに、放熱構造12Cのように、シャーシ4に配置凹部7aと挿通孔7bを形成し、配置凹部7aに第2の放熱板16Cのベース部16iを配置し、挿通孔7bに第2の放熱板16Cの突出部16jを挿入して配置することにより、第2の放熱板16Cがシャーシ4の下面から下方へ突出されず、良好な放熱性を確保した上で放熱構造12Cの小型化を図ることができる。
加えて、放熱構造12Cのように、シャーシ4の配置凹部7aに樹脂シート25を配置することにより、放熱性の向上及び安全性の向上を図った上で放熱構造12Cの小型化を図ることができる。
尚、上記には、第1の熱伝達体及び第2の熱伝達体として何れも熱伝達シートを用いた例を示したが、第1の熱伝達体及び第2の熱伝達体は熱伝達シートに限られることはなく、第1の熱伝達体及び第2の熱伝達体として、例えば、熱伝達グリス等の熱の伝達率が高い他の熱伝達体を用いることも可能である。
上記した最良の形態において示した各部の具体的な形状及び構造は、何れも本発明を実施する際の具体化のほんの一例を示したものにすぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されることがあってはならないものである。