JP2011225848A - 活性放射線硬化性インク組成物、インクジェット記録用インク組成物、並びに印刷物、および印刷物成形体の製造方法 - Google Patents

活性放射線硬化性インク組成物、インクジェット記録用インク組成物、並びに印刷物、および印刷物成形体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】長期に保存しても吐出安定性に優れ、感度が高く、硬化して得られた画像は、柔軟性に優れ、被記録媒体との密着性に優れ、且つ表面硬度が高いインク組成物を提供し、インクジェット記録による印刷物を成形した場合に、耐ブロッキング性に優れ、延伸性、密着性、表面硬度に優れた印刷物の製造方法、および印刷物成形体の製造方法を提供する。
【解決手段】(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマー、(B)前記(A)ポリマーが有する酸性基または塩基性基と対塩を形成しうる置換基を有する重合性モノマー、(C)光重合開始剤、および(D)前記(B)重合性モノマーとは構造の異なる重合性モノマーを含む活性放射線硬化性インク組成物。
【選択図】図1

Description

本発明は、活性放射線硬化性インク組成物、インクジェット記録用インク組成物、並びに印刷物、および印刷物成形体の製造方法に関する。
画像データ信号に基づき、紙などの被記録媒体に画像を形成する画像記録方法として、電子写真方式、昇華型及び溶融型熱転写方式、インクジェット方式などがある。例えば、インクジェット方式は、安価な装置で実施可能であり、且つ、必要とされる画像部のみにインクを射出して被記録媒体上に直接画像形成を行うため、インクを効率良く使用でき、ランニングコストが安い。更に、騒音が少なく、画像記録方式として優れている。
インクジェット方式によれば、普通紙のみならずプラスチックシート、金属板など非吸水性の被記録媒体にも印字可能であるが、印字する際の高速化及び高画質化が重要な課題となっており、印字後の液滴の乾燥、硬化に要する時間が、印刷物の生産性や印字画像の鮮鋭度に大きく影響する性質を有している。
インクジェット方式の一つとして、放射線の照射により、硬化可能なインクジェット記録用インクを用いた記録方式がある。この方法によれば、インク射出後直ちに又は一定の時間後に放射線照射し、インク液滴を硬化させることで、印字の生産性が向上し、鮮鋭な画像を形成することができる。
紫外線などの放射線の照射により硬化可能なインクジェット記録用インクの高感度化を達成することにより、放射線に対し高い硬化性が付与され、インクジェット記録の生産性向上、消費電力低減、放射線発生器への負荷軽減による高寿命化、不充分硬化に基づく低分子物質の揮発発生の防止など、多くの利益が生じる。また、高感度化は、とくにインクジェット記録用インクにより形成された画像の強度を向上させるが、インクの長期の保存安定性が劣化しやすく、長期に保存したインクをインクジェットで吐出した時の吐出性を確保することに難があった。
一方、インクにより形成された画像における好ましい特性として、被記録媒体(基材)との密着性と画像の柔軟性が挙げられる。特に画像の柔軟性は、平坦ではない基材や樹脂フィルムなどのフレキシブルな基材表面に画像形成する場合、さらには、樹脂製ボトルなど、表面に印刷が施された状態で成形体を形成する印刷物成形体を製造する場合などに重要なファクターとなるが、硬化性と両立することが困難であった。即ち、柔軟性向上のため単官能モノマーの比率を上げると硬化性が低下する、或いは、未硬化の低分子量成分の滲み出しによる画像表面のべとつきを引き起こすなどの要因となる懸念がある。
密着性や柔軟性、硬化性を改善するため、低粘度のウレタンアクリレートをインクジェット用インク組成物に使用する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
高感度で硬化し、保存性に優れた光重合開始剤組成物を得ることを目的として、特定構造の多官能チオール化合物を光重合開始剤組成物の一成分として感光性組成物に用いる技術が提案されている(例えば、特許文献2及び3参照。)。常温溶融塩をインクに用いて、インクの長期保存性を向上し、長期間保存してもインクの吐出を安定させる提案がなされている(例えば、特許文献4参照。)。
また、柔軟性と感度を両立させる技術として、酸性基を有する単官能(メタ)アクリレートと塩基性基を有する単官能(メタ)アクリレートとを有するインク組成物が提案されている(例えば特許文献5参照。)。
しかし、インクの保存安定性、感度、硬化物の柔軟性、硬化物の表面硬度をいずれも向上させることは不十分であり、これらの性能を向上させる技術の開発が待ち望まれている。
特開2002−167537号公報 特開2004−149755号公報 欧州特許出願公開第1983017号明細書 特開2009−73881号公報 特開2007−119723号公報
本発明は、以下の目的を達成することを課題とする。
即ち、本発明の目的は、硬化して得られた画像の表面硬度が高く、柔軟性に優れ、被記録媒体との密着性に優れ、長期に保存しても吐出安定性に優れ、且つ感度が高いインク組成物を提供することである。該インク組成物はインクジェット記録用として好適であり、本発明の別の目的は、特に該インク組成物をインクジェット記録による印刷物を成形した場合に、表面硬度に優れ、耐ブロッキング性、延伸性、密着性に優れた印刷物の製造方法、および印刷物成形体の製造方法を提供することである。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマー、(B)前記(A)ポリマーが有する酸性基または塩基性基と対塩を形成しうる置換基を有する重合性モノマー、(C)光重合開始剤、および(D)前記(B)重合性モノマーとは構造の異なる重合性モノマーを含む活性放射線硬化性インク組成物。
<2> 前記(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマーの酸性基または塩基性基の量に対する、前記(B)重合性モノマーの対塩を形成しうる置換基の量が、当量基準で0.2〜1の範囲である<1>に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
<3> 前記(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマーが、(i)フッ素置換炭化水素基、(ii)シロキサン骨格、および(iii)長鎖アルキル基からなる群より選択される少なくとも1つの部分構造を含むポリマーである<1>または<2>に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
<4> 前記(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマーが、アクリル樹脂である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
<5> 前記(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマーが、ウレタン樹脂またはウレア樹脂である<1>〜<3>のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
<6> インクジェット記録用である<1>〜<5>のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
<7> 成型可能な樹脂材料からなる基材が有する硬質表面への印刷に用いられる<1>〜<6>のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
<8> 被記録媒体上に、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物を付与して画像を形成する工程と、該画像に活性放射線を照射して硬化させる工程と、を有する印刷物の製造方法。
<9> 成形可能な樹脂材料からなる基材上に、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物を付与して画像を形成する工程と、該画像に活性放射線を照射して硬化させて印刷物を得る工程と、硬化した画像が形成された前記基材を成形加工して成形体を得る工程と、を有する印刷物成形体の製造方法。
本発明における作用機構の詳細は不明であるが、以下のように推測される。
本発明のインク組成物は、酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマーと、該ポリマーが有する酸性基または塩基性基と対塩を形成しうる置換基を有する重合性モノマーとを有しているので、インク組成物中で前記ポリマーと前記重合性モノマーとが会合(擬似結合)を生じる。この結果、前記ポリマーがイオン性の連結を介して前記重合性モノマーが有する重合性基を有した状態になり、顔料等の着色剤の分散安定性を低下させることなく、得られた硬化物は優れた画質を得ることができたものと考えられる。また、硬化して得られた硬化物は高Tgであり、高い膜強度が得られ、画質と膜強度を良好に両立することができたものと考えられる。
なお、(A)ポリマーが酸性基を有する場合、(B)重合性モノマーは、酸性基と対塩を形成する塩基性基を有し、(A)ポリマーが塩基性基を有する場合、(B)重合性モノマーは、塩基性基と対塩を形成しうる酸性基を有する。
即ち、この擬似結合は、インク組成物中では中和され、顔料の分散安定性に影響せずに存在するが、放射線による硬化時には、多官能オリゴマーとして振舞うため、局所的な重合性基濃度が高くなり、また擬似的な架橋点となるためインク組成物は高感度で硬化する。
さらに、印刷物を加熱成形する際には、熱等によって擬似結合が解離して柔軟性を示し、成形が容易になる。硬化後および成形後の印刷物、および成形体においては、再度擬似結合が生じるので、硬度が高くなり、印刷物、および成形体の膜強度が高くなるものと考えられる。
また、前記特定構造の(A)ポリマーは、ポリマーに重合性基を共有結合にて導入して重合性ポリマーを調製するのに比べ、少ない工程数で製造することが可能であるという利点をも有する。
本発明によれば、硬化して得られた画像の表面硬度が高く、柔軟性に優れ、被記録媒体との密着性に優れ、長期に保存しても吐出安定性に優れ、且つ感度が高いインク組成物を提供することができる。該インク組成物を用いることにより、インクジェット記録用に好適なインク組成物を提供することができ、特に該インク組成物をインクジェット記録による印刷物を成形した場合に、表面硬度に優れ、耐ブロッキング性、延伸性、密着性に優れた印刷物の製造方法、および印刷物成形体の製造方法を提供することができる。
本発明のインク組成物による印刷物の真空成形における成形性の評価に用いた木製型である。
本発明の活性放射線硬化性インク組成物(以下、適宜「インク組成物」と称する。)は、(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマー(以下、適宜「特定ポリマー」と称する。)、(B)前記(A)ポリマーが有する酸性基または塩基性基と対塩を形成しうる置換基を有する重合性モノマー、(以下、適宜「特定モノマー」と称する。)、(C)光重合開始剤、および(D)前記(B)重合性モノマーとは構造の異なる重合性モノマー(以下、適宜「重合性モノマーD」と称する。)を含むことを特徴とする。
以下、本発明のインク組成物に用いる各成分を詳細に説明する。なお、本発明の詳細な記載における「分子量」とは、特に断らない限り「重量平均分子量」として扱うものとする。
<(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマー:特定ポリマー>
本発明のインク組成物は、(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマー(以下、適宜、(A)特定ポリマーと称する)を含む。
(A)特定ポリマーは、分子内に2以上の酸性基を有するか、或いは分子内に2以上の塩基性基を有すれば、どのようなポリマーであっても本発明のインク組成物に使用することができる。
特定ポリマーが有する酸性基としては、pKaが11未満の解離性プロトンを有する官能基であれば好適に使用することができる。後述の塩基性基含有単官能(メタ)アクリル酸誘導体との相互作用性や入手性の観点から、カルボキシ基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノスルホニル基、アセチルアセトナート基、及び特開2005−107112号公報段落〔0019〕〜〔0043〕に記載されているような活性イミド基が好ましく、インク組成物の液物性や硬化性、硬化後の柔軟性の観点から、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基がより好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。
また、特定ポリマーが有する酸性基は、同種でも異種でもよく、酸性基を2個分子内に有していればよい。特定ポリマーの酸価としては、1〜700mgKOH/gが好ましく、5〜400mgKOH/gがより好ましく、最も好ましくは8〜200mgKOH/gである。このような酸価に適合するような条件で酸性基を有するポリマーが好ましい。
特定ポリマーが有する塩基性基としては、pKaが11未満の解離性プロトンを有する酸性基と塩を形成可能な官能基であれば好適に使用することができる。後述の酸性基を有する単官能(メタ)アクリル酸のエステル又はアミドとの相互作用性や入手性の観点から、塩基性の窒素原子を有する官能基が好ましく、インク組成物の安定性等の観点から、脂肪族アミン構造または芳香族アミン構造がより好ましく、脂肪族アミン構造が特に好ましい。
脂肪族アミン構造としては、置換基を有してもよい炭素数1〜20の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基、アルケニル基、アラルキル基により置換された2級又は3級のアミン構造が好ましい。好ましい置換基としてハロゲン原子、水酸基、エーテル基、エステル基などが挙げられる。
芳香族アミン構造としては、少なくとも一つが置換基を有してよい炭素数6〜20の芳香環により置換され、残りが炭素数1〜20の直鎖、分岐、又は環状のアルキル基により置換された2級、又は3級のアミン構造が好ましい。芳香環上の好ましい置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子などが挙げられる。
また、特定ポリマーが有する塩基性基は、同種でも異種でもよく、塩基性基を2個分子内に有していればよい。特定ポリマーのアミン価としては、1〜700mgKOH/gが好ましく、5〜400mgKOH/gがより好ましく、最も好ましくは8〜200mgKOH/gである。このようなアミン価に適合するような条件で塩基性基を有するポリマーが好ましい。
酸性基、塩基性基の特定ポリマーへの導入は、例えば酸性基または塩基性基を有する重合性モノマーを共重合する方法によって行うことができる。
本発明における特定ポリマーの調製に好適に用いることのできる分子内に酸基、または塩基性基を有するモノマー化合物の具体例は、後述の酸性基を有する重合性モノマー、または後述する塩基性基を有する重合性モノマーである〔例示化合物(Ba-1)〜(Ba−18)、(Bb-1)〜(Bb-14)〕を用いることができる。
さらに、下記構造の酸性基を有する重合性モノマーを、本発明における特定ポリマーの調製に用いることもできる。
また、本発明における特定ポリマーは重縮合によって酸基、または塩基性基を導入してもよい。酸基または塩基性基を特定ポリマーに導入するのに好ましいジオール成分としては、以下の化合物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
特定ポリマーの調製の方法は、上記した共重合、重縮合以外の方法でもよい。例えば、ヒドロキシ基等の活性水素を有するポリマーに、酸性基または塩基性基を有するエポキシ化合物、イソシアネート化合物等を付加させる方法、無水マレイン酸の様に保護された酸基または塩基性基を重合後に加水分解する方法なども使用可能である。
また酸性基、塩基性基が導入される形式は、ランダム共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などいずれの方法でもよいが、溶解性の観点からランダム共重合体として導入されることが好ましい。
特定ポリマーにおけるポリマーの主鎖と酸性基とを連結する鎖長は、原子数が3以上20以下であることが好ましく、6以上20以下であることがより好ましく、8以上20以下であることがさらに好ましい。
また塩基性基においては、ポリマーの主鎖と塩基性基とを連結する鎖長は、原子数が3以上100以下であることが好ましく6以上50以下であることがより好ましく、8以上20以下であることがさらに好ましい。
連結の鎖長を上記範囲とすることによって、特定ポリマーと対塩を形成する(B)重合性モノマーの反応性を高く保ち、溶解性とインク組成物を硬化した膜の強度が良好となる。
本願の特定ポリマーは分子内に2以上の酸性基を有するか、或いは分子内に2以上の塩基性基を有し、酸性基、塩基性基の特定ポリマーへの導入は、前記の通り酸性基または塩基性基を有する化合物を、共重合するなど種々の手法により行われる。前記の酸性基または塩基性基を有する重合性モノマーなど化合物を2分子以上有する事で、硬化膜内部で熱解離性の架橋点を形成するため表面硬度が向上していると考えられる。
特定ポリマー中の酸性基、塩基性基またはその前駆体は、モノマーユニットとして導入され、溶解性と吐出安定性の観点から0.1mol%〜40mol%が好ましく、1mol%〜30mol%がより好ましく、1mol%〜20mol%が最も好ましい。また上記モノマーユニット中の酸性基、または塩基性基の個数は1〜4が好ましく、1〜2がより好ましく、1が最も好ましい。
なお、本願発明における特定ポリマー中の酸性基、又は塩基性基の導入方法としては前記の手法が好ましく用いられるが、特定ポリマー中に酸性基、又は塩基性基が2以上導入されればよく、前記の手法のみに限定されるものではない。
また、特定ポリマーは、上記した酸性基、または塩基性基以外に他の構造を有してもよく、(i)フッ素置換炭化水素基、(ii)シロキサン骨格、および(iii)長鎖アルキル基からなる群より選択される少なくとも1つの部分構造を含むことが好ましい。
(i)フッ素置換炭化水素基
本発明における特定ポリマー中に含んでもよい(i)フッ素置換炭化水素基とは、少なくとも1つのフッ素原子により置換された炭化水素基であればよく、アルキル基における少なくとも一つの水素原子をフッ素原子に置換したフッ素置換アルキル基が挙げられ、フッ素置換アルキル基のすべての水素をフッ素に置換したパーフルオロアルキル基がより好ましい。
アルキル基としては、炭素数3〜12が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜8が更に好ましい。
フッ素置換炭化水素基は、特定ポリマーに含まれていればよく、ポリオキシアルキレン基を介して結合していてもよい。
本発明における特定ポリマーが有するフッ素置換炭化水素基は、インク表面への偏在性の観点から、下記一般式Iで表される基であることが好ましい。
一般式I中、R及びRはそれぞれ水素原子又は炭素数1〜4個のアルキル基を表し、*はポリマー鎖への連結部位を表す。Xは単結合又は2価の連結基を、mは0以上の整数を、nは1以上の整数を表す。
なお、mが2以上の場合、互いに隣接する炭素上の官能基(即ち、隣り合う炭素にそれぞれ結合しているR同士やR同士)は結合して脂肪族環を形成してもよい。
なお、一般式Iで表される置換基の中でも、一般式Iにおけるnが1〜10の範囲であるものが好ましく、1〜4の範囲であることがより好ましく、2、又は3であることが特に好ましい。
また、一般式Iにおけるmは0以上の整数を表し、2〜8の整数が好ましく、2が特に好ましい。
また、*で表されるポリマー鎖への連結部位は、特定ポリマーの主鎖に直結していてもよいし、ポリオキシアルキレン基、アルキレン基、エステル基、ウレタン基、ヘテロ原子を含んでもよい環状アルキレン基、ポリ(カプロラクトン)、アミノ基、等の2価の連結基を介して結合していてもよい。ポリオキシアルキレン基を介して結合していることが好ましい。
一般式IにおいてR及びRで表される炭素数1〜4個のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、好ましくは、水素原子、又はメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
一般式Iにおいて、Xが単結合である場合は、ポリマー主鎖と、R及びRが結合している炭素原子と、が直接連結していることを意味する。
また、Xが2価の連結基である場合には、その連結基としては、−O−、−S−、−N(R)−、−CO−等が挙げられる。これらの中でも−O−がより好ましい。ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4個のアルキル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、好ましくは、水素原子、メチル基である。
フッ素置換炭化水素基を特定ポリマーに導入する方法としては、下記化合物を用いて特定ポリマーの末端または側鎖に容易に導入することができる。また、導入に際してポリオキシアルキレン基を介して特定ポリマーに導入することもできる。
上記Rfは下記式で表される基を表す。下記式中、Tは下記(T群)から選択される1種の基であり、n2は0〜6の整数である。
また、フッ素置換炭化水素基を有するモノマー(以下、フッ素置換炭化水素基含有モノマーと称する。)を用いることで、特定ポリマーにフッ素置換炭化水素基を導入することも可能である。
このフッ素置換炭化水素基含有モノマーとしては、下記一般式IIで表されるモノマーが好ましいものとして挙げられる。
一般式II中、Rは水素原子、ハロゲン原子、置換基を有してもよいメチル基、又は置換基を有してもよいエチル基を表す。また、R、R、X、m、及びnはいずれも、一般式IにおけるR、R、X、m、及びnと同義であり、好ましい例も同様である。
なお、一般式IIにおいてRで表されるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
フッ素置換炭化水素基含有モノマーとしては、上記一般式IIで表されるモノマーの中でも、一般式IIにおけるnが1〜10であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、2、又は3であることが特に好ましい。
一般式IIにおいてR及びRで表される炭素数1〜4個のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、好ましくは、水素原子、又はメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
一般式IIにおいて、Xが単結合である場合は、ポリマー主鎖と、R及びRが結合している炭素原子と、が直接連結していることを意味する。
また、Xが2価の連結基である場合には、その連結基としては、−O−、−S−、−N(R)−、−CO−等が挙げられる。これらの中でも−O−がより好ましい。
ここで、Rは、水素原子又は炭素数1〜4個のアルキル基を表す。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられ、好ましくは、水素原子、メチル基である。
一般式IIにおいて、mは0以上の整数を表し、2〜8の整数が好ましく、2が特に好ましい。また、mが2以上の場合、互いに隣接する炭素上の官能基(即ち、隣り合う炭素にそれぞれ結合しているR同士やR同士)は結合して脂肪族環を形成してもよい。
一般式IIにおいて、nは1以上の整数を表し、1〜10の整数が好ましく、1〜4の整数がより好ましく、2、又は3であることが特に好ましい。
本発明における特定ポリマーは、例えば、前述のフッ素置換炭化水素基を有する化合物をポリオキシアルキレン基の末端に導入する方法や、一般式Iで表される置換基を有するモノマー(即ち、フッ素置換炭化水素基を有するモノマー)を縮重合又は付加重合、開環重合等の、当業者にとって公知の方法で容易に得ることができる。また、更に必要に応じてこれらを併用してもよい。
なお、このようなフッ素置換炭化水素基含有化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、1987)の117〜118ページや、「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」(Monograph 187,Ed by Milos Hudlicky and Attila E.Pavlath, American Chemical Society 1995)の747〜752ページに記載されている。
本発明に用いられる一般式IIで表されるモノマーの具体例としては、特開2010−18728号公報段落番号〔0058〕〜〔0061〕に記載の化合物が挙げられる。これらのうちポリオキシアルキレン基にフッ素置換炭化水素基が結合した構造が好ましい。
<シロキサン骨格>
特定ポリマーに含んでもよいシロキサン骨格とは、「−Si−O−Si−」を有していれば、特に制限はなく、ポリオキシアルキレン基を含むことが好ましい。
シロキサン骨格を有することによって、インク組成物の吐出安定性を上げ、インク組成物を塗膜としたときの表面偏析性を高くすることができる。この観点から、下記構造式(A)で表される化合物(以下、「特定シロキサン化合物」ともいう)を重合して、シロキサン骨格を特定ポリマーに導入することが好ましい。
前記構造式(A)中、Rは、水酸基、アミン基、ハロゲン原子などの置換基を有してよい炭素数が2〜6の直鎖若しくは分岐のアルキレン基、又は、下記構造式(B)で表される2価の連結基を示す。
上記構造式(B)中、Rは、水素原子、メチル基、エチル基を表す。n1、n2、およびn3は、それぞれ独立に0〜100の整数である。ここで、Rは構造式(B)中に2つ以上存在するが、それぞれ異なっていてもよく、また、同じであってもよい。
前記構造式(A)中、x1、x2、及びx3は、これらの合計が1〜100を満たす整数である。
また、y1は、1〜30の整数である。
前記構造式(A)中、Xは単結合、又は下記構造式(C)で表わされる2価の基である。
前記構造式(C)中、Rは、水酸基、アミン基、ハロゲン原子などの置換基を有してよい炭素数が1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表し、Q、及びQは、酸素原子、硫黄原子、又は−NR−を表わし、Q、Qは、それぞれ異なっていてもよく、また、同じであってもよい。Rは、水素原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。
前記構造式(C)中、Qは、前記構造式(A)におけるRに結合する。
前記構造式(A)中、Yは、下記構造式(D)〜下記構造式(F)で表される1価の基を表す。
前記構造式(D)〜(F)中、Rは、水素原子、又は炭素数1〜6の直鎖状或いは分枝鎖状のアルキル基を表わす。
前記構造式(A)中、Z、Z、Zはそれぞれ独立して下記構造式(G)で表される1価の基を表す。
上記構造式(G)中、Rは炭素数1〜4の無置換のアルキル基を表し、yは1〜100の整数を表し、好ましくは1〜50の整数、より好ましくは1〜20の整数である。
また、シロキサン骨格としては、特開2010−18728号公報段落番号〔0092〕〜〔0094〕に記載の構造が上記の式(A)の具体例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらのうちポリオキシアルキレン基を介してシロキサン構造がポリマーに結合した構造が好ましい。
<長鎖アルキル基>
特定ポリマーが含んでもよい長鎖アルキル基としては、炭素数4〜12のアルキル基であり、下記一般式(3)が好ましい。ポリオキシアルキレン基を介して特定ポリマーに導入することも好ましい。
一般式(3)中、Aは単結合、または2価から4価の炭素数1から12の炭化水素基からなる環状、または直鎖、分岐のアルキル基、フェニル基であり、R11は炭素数6から20の直鎖、又は分岐のアルキル基を表す。n3は1〜3の整数である。
この長鎖アルキル基は、ポリマー主鎖に連結した状態でポリマーに導入されていてもよいが、ポリオキシアルキレン基の末端に結合していることが好ましい。
上記一般式(3)中、R11は、炭素数6〜20のアルキル基が好ましく、炭素数10〜20のアルキル基がより好ましい。またn3は、1〜3の整数が好ましく、いずれもこの範囲にあると表面偏析性が好ましい。
これらの基を特定ポリマーに導入する方法としては、これらの基を有するビニル化合物、(メタ)アクリロイル化合物等の不飽和基を有する重合性化合物を共重合等の方法でポリマーに導入することができる。
長鎖アルキル基を構成する構造単位としては、特開2010−18728号公報段落番号〔0096〕〜〔0097〕に記載の構造単位が挙げられる。
また、ポリオキシアルキレン基を介して長鎖アルキル基がポリマーに結合した構造が好ましく、後述の一般式(1)の項で説明する。
本発明で使用される(A)特定ポリマーは、酸性基または塩基性基を2以上有し、下記一般式(1)で表わされる側鎖にポリオキシアルキレン基を有し、ポリオキシアルキレン基の末端にフッ素置換炭化水素基、シロキサン骨格、及び長鎖アルキル基からなる群より選択される部分構造を有するポリマーが好ましい化合物である。
一般式(1)中、Rは水素原子、またはメチル基を表す。Z、Zはそれぞれ独立に2価の有機基を表し、Lはポリオキシアルキレン基を表し、Xは、フルオロアルキル基、シロキサン骨格、および長鎖アルキル基の群から選択される基を表わす。
一般式(1)におけるZ、Zとしては、それぞれ独立に炭素数1〜20の直鎖又は分岐のアルキレン基、環状のアルキレン基、炭素数2〜20の直鎖又は分岐のアルケニレン基、環状のアルケニレン基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数6〜20のアリーレン(単環、複素環)基、−OC(=O)−、−OC(=O)Ar−、−OC(=O)O−、−OC(=O)OAr−、−C(=O)NR−、−C(=O)NAr−、−SONR−、−SONAr−、−OAr−(アリーレンオキシ、ポリアリーレンオキシ)、−C(=O)O−、−C(=O)O−Ar−、−C(=O)Ar−、−C(=O)−、−SOO−、−SOOAr−、−OSO−、−OSOAr−、−NRSO−、−NArSO−、−NRC(=O)−、−NArC(=O)−、−NRC(=O)O−、−NArC(=O)O−、−OC(=O)NR−、−OC(=O)NAr−、−NAr−、−NR−、−N+RR’−、−NRAr−、−NArAr’−、−S−、−SAr−、−ArS−、ヘテロ環基(ヘテロ原子としては、例えば、窒素、酸素及びイオウ等を少なくとも1個以上含み、3員ないし12員環の単環、縮合環)、−OC(=S)−、−OC(=S)Ar−、−C(=S)O−、−C(=S)OAr−、−C(=S)OAr−、−C(=O)S−、−C(=O)SAr−、−ArC(=O)−、−ArC(=O)NR−、−ArC(=O)NAr−、−ArC(=O)O−、−ArC(=O)S−、−ArC(=S)O−、−ArO−、−ArNR−等が挙げられる。
なお、上記R、およびR’は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖又は分岐のアルキル基、環状のアルキル基、直鎖又は分岐のアルケニル基、環状のアルケニル基、直鎖又は分岐のアルキニル基、環状のアルキニル基を表し、Ar、およびAr’は、それぞれ独立に、アリール基を表す。
このような連結基の中でも、Z、Zとしては、それぞれ独立に炭素数6〜20のアリーレン(単環、複素環)基、−C(=O)NR−、−C(=O)NAr−、−O−(アルキレンオキシ、ポリアルキレンオキシを含む)、−OAr−(アリーレンオキシ、ポリアリーレンオキシ)、−C(=O)O−、−C(=O)O−Ar−、−C(=O)−、−C(=O)Ar−、−S−、−SAr−、−ArS−、−ArC(=O)−、−ArC(=O)O−、−ArO−、−ArNR−、−C(=O)―、等が好ましく、炭素数6〜20のアリーレン(単環、複素環)基、−C(=O)NR−、−C(=O)NAr−、−OAr−(アリーレンオキシ、ポリアリーレンオキシ)、−C(=O)O−、−C(=O)O−Ar−、−SAr−、−ArS−、−ArC(=O)−、−ArC(=O)O−、−ArC(=O)O−、−ArO−、−ArNR−、−C(=O)―等がより好ましい。
また、本発明において、上記Z、Zで表される連結基としては、ここで挙げた連結基を2種類以上組み合わせたものであってもよい。
Lは下記式(2)で表わされるポリオキシアルキレン基であり、m1、m2、およびm3はそれぞれ独立に0〜100の整数である。好ましくはm1が0〜20、m2が0〜20、m3が0〜20の範囲であることが好ましく、画像平滑性と感度とが良好である。
また、ポリオキシアルキレン基全体の分子量は、150から5000が好ましく、より好ましくは200から5000、最も好ましくは300から3000である。この分子量の範囲にあると画像平滑性が良好である。
一般式(1)で表される構造単位の具体例を下記に示すが、本発明は下記構造単位に限定されるものではない。また下記構造を2種以上含んでもよい。
一般式(1)で表わされる構造単位を含むモノマーを他の構造単位のモノマーと共重合して本発明の特定ポリマーとすることも好ましい。
ポリオキシアルキレン基を介してフッ素置換炭化水素基がポリマーに結合した構造としては下記の具体例が挙げられる。
また、ポリオキシアルキレン基を介してシロキサン骨格がポリマーに結合した構造としては、下記の具体例が挙げられる。下記式でRは2価の連結基を表す。
さらに、ポリオキシアルキレン基を介して長鎖アルキル基がポリマーに結合した構造としては、下記の具体例が挙げられる。
また、特定ポリマーに含まれるフッ素置換炭化水素基、シロキサン骨格、及び長鎖アルキル基からなる群より選択される部分構造の合計の含有量は、特定ポリマーに対する質量基準で、1質量%〜40質量%が好ましく、より好ましくは1.5質量%〜30質量%であり、更に好ましくは2質量%〜20質量%である。
上記範囲とすることで、特定ポリマーをインク組成物内にて効率的に表面偏析させ、且つ平滑性が向上する。
特定ポリマーには上述の各成分の他に、その他の成分として、溶解性、ガラス転移温度を調整するなどの目的で一般的な重合性モノマー、又はジイソシアナート類、ジオール類、ジアミン類を用いることができる。
特定ポリマーの主鎖の具体的な形態としては、以下のような例が挙げられる。
例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、フェノール/ホルムアルデヒド縮合樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、無水マレイン酸/α−オレフィン樹脂、α−ヘテロ置換メタクリル樹脂などを用いることができる。その中でも、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、スチリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂が有用であり、特にアクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリウレタン樹脂が有用である。
以下に本発明において好適な特定ポリマーの具体例(A−1)〜(A−37)を示す。なお、本発明はこれらの例示化合物に制限されるものではない。
特定ポリマーの分子量としては、インクジェット吐出安定性と粘度の観点から、重量平均分子量で2500〜100000が好ましく、より好ましくは5000〜80000、最も好ましくは10000〜60000である。
本発明の活性放射線硬化性インク組成物中の特定ポリマーの含有量は、質量基準で0.1%〜10%が好ましく、より好ましくは0.5%〜8wt%であり、さらに好ましくは1%〜5%である。この範囲にすることで硬化したインク組成物の膜物性は良好となり、十分な硬度が得られ、本発明の効果を発揮することができる。
<(B)前記(A)ポリマーが有する酸性基または塩基性基と対塩を形成しうる置換基を有する重合性モノマー:(B)特定モノマー、>
本発明のインク組成物は、(B)前記(A)ポリマーが有する酸性基または塩基性基と対塩を形成しうる置換基を有する重合性モノマー(特定モノマー)を含む。
即ち、特定ポリマーが酸性基を2以上有する場合には、酸性基と対塩をなす塩基性を有する重合性モノマーを用い、特定ポリマーが塩基性基を2以上有する場合には、塩基性基と対塩をなす酸性基を有する重合性モノマーを用いる。
以下、塩基性を有する重合性モノマー、および酸性基を有する重合性モノマーを説明する。
塩基性基を有する重合性モノマーとしては、酸性基を有する特定ポリマーと対塩を形成可能な塩基性基を有する重合性モノマーであれば好適に使用することができる。特定ポリマーが有する酸性基であるカルボキシ基などとの相互作用性や入手性の観点から、塩基性の窒素原子を有する官能基を含むラジカル重合性モノマーが好ましく、インク組成物の安定性等の観点から、脂肪族アミノ基または芳香族アミノ基を有する重合性モノマーがより好ましく、脂肪族アミノ基を有する重合性モノマーが特に好ましい。
さらに詳細には、炭素数5〜20の2級または3級の脂肪族アミン構造を有する、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、スチレン、N-ビニル化合物が好ましい。
酸性基を有する重合性モノマーとしては、pKaが11未満の解離性プロトンを有する酸性基を有する重合性モノマーであれば好適に使用することができる。特定ポリマーが有する塩基性基であるアミノ基等の塩基性基との相互作用性や入手性の観点から、カルボキシ基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、リン酸基、ホスホン酸基、アミノスルホニル基、アセチルアセトナート基、及び特開2005−107112号公報に記載されているような活性イミド基などの酸性基を有する重合性モノマーが好ましく、インク組成物の液物性や硬化性、硬化後の柔軟性の観点から、カルボキシ基、スルホン酸基、リン酸基などを有する重合性モノマーがより好ましく、カルボキシ基を有する重合性モノマーが特に好ましい。
さらに詳細には、炭素数5〜20のカルボン酸構造を有する、(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、スチレン、N-ビニル化合物が好ましい。
これらの重合性モノマーを以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、下記で(Bb-1)〜(Bb-14)は塩基性基を有する重合性モノマーであり、(Ba-1)〜(Ba−18)は酸性基を有する重合性モノマーである。
酸性基または塩基性基を有する重合性モノマーの重量平均分子量としては、70〜500が好ましく、100〜400がより好ましい。
特定ポリマーが有する酸性基または塩基性基と、重合性モノマーが有する塩基性基または酸性基の関係について述べる。
酸性基を有する特定ポリマーを使用する場合には、塩基性基を有する重合性モノマーを用いるが、特定ポリマーの酸性基と重合性モノマーの塩基性基とは、酸性基とプロトン化された塩基性基のpKaにおいて、1〜15の差を有する関係であることが好ましく、より好ましくは2〜12の差を有する関係である。特に好ましい組み合わせとしては3〜10の差を有する組み合わせである。
また、塩基性基を有する特定ポリマーを使用する場合の関係も同様である。
特定ポリマーの酸性基と重合性モノマーの塩基性基、或いは特定ポリマーの塩基性基と重合性モノマーの酸性基の好ましい官能基の組み合わせとしては、ジメチルアミノ基・カルボン酸基、ジエチルアミノ基・カルボン酸基、N-メチルピペリジン基・カルボン酸基、メチルベンジルアミノ基・カルボン酸基、ジイソプロピルアミノ基・カルボン酸基、ジシクロヘキシルアミノ基・カルボン酸基、モルフォリノ基・カルボン酸基、tert-ブチルアミノ基・カルボン酸基、ジメチルアミノ基・ホスホン酸基、ジエチルアミノ基・ホスホン酸基及びピリジン基・カルボン酸基が好ましく、ジメチルアミノ基・カルボン酸基、ジエチルアミノ基・カルボン酸基、N-メチルピペリジン基・カルボン酸基がより好ましい。
本発明のインク組成物においては、(A)特定ポリマーが有する酸性基または塩基性基の量が、(B)重合性モノマーの対塩を形成しうる置換基の量より、当量基準で大きいことが好ましい。更には、塩基性基を有する重合性モノマー、または酸性基を有する重合性モノマーのインク組成物中の含有量は、特定ポリマーが有する酸性基、または塩基性基の量に対し、当量基準で0.2〜1の範囲が好ましく、0.4〜1の範囲であることがより好ましい。この範囲とすることで本発明の効果は遺憾なく発揮される。
<(C)光重合開始剤>
本発明のインク組成物は、(C)光重合開始剤を含有する。
(C)光重合開始剤としては、公知の光重合開始剤を、インク組成物の使用目的に応じて、適宜選択して使用することができる。
本発明のインク組成物に使用する光重合開始剤は、外部エネルギー(光)を吸収して重合開始種であるラジカルを生成する化合物である。光には、活性放射線、すなわち、γ線、β線、電子線、紫外線、可視光線、赤外線が例示できる。
光重合開始剤としては、公知の化合物が使用できるが、本発明で使用し得る好ましい光重合開始剤としては、(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィンオキシド化合物、(c)芳香族オニウム塩化合物、(d)有機過酸化物、(e)チオ化合物、(f)ヘキサアリールビイミダゾール化合物、(g)ケトオキシムエステル化合物、(h)ボレート化合物、(i)アジニウム化合物、(j)メタロセン化合物、(k)活性エステル化合物、(l)炭素ハロゲン結合を有する化合物、並びに(m)アルキルアミン化合物等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は、上記(a)〜(m)の化合物を単独もしくは組み合わせて使用してもよい。本発明における光重合開始剤は単独もしくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
(a)芳香族ケトン類、(b)アシルホスフィン化合物、及び、(e)チオ化合物の好ましい例としては、"RADIATION CURING IN POLYMER SCIENCE AND TECHNOLOGY",J.P.FOUASSIER,J.F.RABEK(1993)、pp.77〜117記載のベンゾフェノン骨格又はチオキサントン骨格を有する化合物等が挙げられる。より好ましい例としては、特公昭47−6416号公報記載のα−チオベンゾフェノン化合物、特公昭47−3981号公報記載のベンゾインエーテル化合物、特公昭47−22326号公報記載のα−置換ベンゾイン化合物、特公昭47−23664号公報記載のベンゾイン誘導体、特開昭57−30704号公報記載のアロイルホスホン酸エステル、特公昭60−26483号公報記載のジアルコキシベンゾフェノン、特公昭60−26403号公報、特開昭62−81345号公報記載のベンゾインエーテル類、特公平1−34242号公報、米国特許第4,318,791号、ヨーロッパ特許0284561A1号記載のα−アミノベンゾフェノン類、特開平2−211452号公報記載のp−ジ(ジメチルアミノベンゾイル)ベンゼン、特開昭61−194062号公報記載のチオ置換芳香族ケトン、特公平2−9597号公報記載のアシルホスフィンスルフィド、特公平2−9596号公報記載のアシルホスフィン、特公昭63−61950号公報記載のチオキサントン類、特公昭59−42864号公報記載のクマリン類等を挙げることができる。
また、特開2008−105379号公報、特開2009−114290号公報に記載の重合開始剤も好ましい。
これらのなかでも、本発明において、光重合開始剤としてアシルホスフィンオキサイド化合物を使用することが好ましく、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(Irgacure 819:チバスペシャルティケミカルズ社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(Darocur TPO:チバスペシャルティケミカルズ社製、Lucirin TPO:BASF社製)などが好ましい。
光重合開始剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明のインク組成物における光重合開始剤の含有量は、インク組成物に対して、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜15質量%、更に好ましくは1〜10質量%である。
<(D)(B)重合性モノマーとは構造の異なる重合性モノマー:重合性モノマーD>
本発明のインク組成物は、重合性化合物である(D)(B)重合性モノマーとは構造の異なる重合性モノマー(重合性モノマーD)を含む。
本発明における重合性モノマーDは、前記(B)特定モノマーとは構造が異なる重合性モノマー化合物である。
本発明に適用しうる重合性モノマーDとしては、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物、およびカチオン重合性化合物であり、且つ(B)特定モノマーと構造が異なれば、どのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。
重合性モノマーDは1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。好ましくは2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する重合性モノマーDの例としては、エチレン性不飽和基を有する無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。
具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、トリデシルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート等のアクリル酸誘導体;メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体;その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体、が挙げられる。更に具体的には、山下晋三編、「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品若しくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
これらのアクリレート類及びメタクリレート類の中でも、硬化性と硬化後の膜物性の観点から、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート等のエーテル酸素原子を有するアルコールのアクリレートが好ましいものとして挙げられる。また、同様の理由から、脂環構造を有するアルコールのアクリレートも好ましく、イソボルニルアクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンタニルアクリレート等のビシクロ環構造又はトリシクロ環構造を有するアクリレートが好ましいものの具体例として挙げられ、中でも、脂環構造内に二重結合を有する、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレートが特に好ましいものとして挙げられる。
また、重合性モノマーDとしては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号、特開平9−134011号、特表2004−514014公報等の各公報に記載されている光重合性組成物に用いられる光硬化性の重合性化合物が知られており、これらも本発明のインク組成物に適用することができる
また、他の重合性モノマーDとしては、(メタ)アクリル系モノマー或いはプレポリマー、エポキシ系モノマー或いはプレポリマー、ウレタン系モノマー或いはプレポリマー等の(メタ)アクリル酸エステル(以下、適宜、アクリレート化合物と称する。)を用いてもよく下記に示す化合物が化合物例として挙げられる。
即ち、2−エチルヘキシル−ジグリコールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、メトキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、ノニルフェノールEO付加物アクリレート、変性グリセリントリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、変性ビスフェノールAジアクリレート、フェノキシ−ポリエチレングリコールアクリレート、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、ビスフェノールAのPO付加物ジアクリレート、ビスフェノールAのEO付加物ジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートトリレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ラクトン変性可撓性アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、プロピレングリコールジグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、2−ヒドロキシエチルアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートヘキサメチレンジイソシアナートウレタンプレポリマー、ステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミリスチルアクリレート、イソステアリルアクリレート、ラクトン変性アクリレート、等が挙げられる。
これらのアクリレート化合物は、UV硬化性インクに用いられてきた重合性化合物として、皮膚刺激性や感作性(かぶれ易さ)が小さく、比較的低粘度で安定したインク吐出性が得られ、重合感度、被記録媒体との接着性が良好であるため好ましい。
更に、単官能、二官能、三官能以上の多官能モノマーの少なくとも3種のモノマー化合物を併用する態様が、安全性を維持しつつ、更に、感度、滲み、被記録媒体との接着性をより改善することができるという観点から、好ましい態様として挙げられる。
モノアクリレートとしてはステアリルアクリレート、イソアミルアクリレート、イソミスチルアクリレート、イソステアリルアクリレートが感度も高く、低収縮性でカールの発生を防止できるとともに、滲み防止、印刷物の臭気、照射装置のコストダウンの点で好ましい。
モノアクリレートと併用しうるオリゴマーとしては、エポキシアクリレートオリゴマー、ウレタンアクリレートオリゴマーが特に好ましい。
なお、メタクリレートは、皮膚低刺激性がアクリレートより良好である。
また、重合性モノマーDとして、硬化速度、硬化後の柔軟性および被記録媒体への密着性の観点から、分子内に窒素原子と重合性不飽和結合を有する化合物も好ましく、窒素原子を含有する(メタ)アクリレート、または、N−ビニルラクタム類から選択される化合物も好ましい。
(カチオン重合性化合物)
また、本発明で用いることができる重合性モノマーDとしては、カチオン重合性化合物が挙げられ、光酸発生剤から発生する酸により重合反応を生起し、硬化する化合物であれば特に制限はなく、光カチオン重合性化合物として知られる各種公知のカチオン重合性のモノマーを使用することができる。カチオン重合性化合物としては、例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892、同2001−40068、同2001−55507、同2001−310938、同2001−310937、同2001−220526などの各公報に記載されている、エポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
エポキシ化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシド、芳香族エポキシドなどが挙げられる。
芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジ又はポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセン又はシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイド又はシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。
脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はポリグリシジルエーテル等が挙げられる。その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテル又は1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジ又はトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここで、アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイド等が挙げられる。
エポキシ化合物は、単官能であっても多官能であってもよい。
本発明に用いうる単官能エポキシ化合物の例としては、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシ化合物の例としては、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
これらのエポキシ化合物のなかでも、芳香族エポキシド及び脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
さらに重合性モノマーDとして、ビニルエーテル化合物が挙げられるが、ビニルエーテル化合物はラジカル重合でも、カチオン重合でもいずれでも反応性を示す。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物は、単官能であっても多官能であってもよい。
具体的には、単官能ビニルエーテルの例としては、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルの例としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
ビニルエーテル化合物としては、ジ又はトリビニルエーテル化合物が、硬化性、被記録媒体との密着性、形成された画像の表面硬度などの観点から好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。
本発明における、重合性モノマーDの分子量としては、重量平均分子量として、好ましくは130〜3000であり、130〜500がより好ましい。
本発明のインク組成物の全固形分中、重合性モノマーDの含有量は、50質量%〜95質量%であることが好ましく、より好ましくは60質量%〜90質量%であり、更に好ましくは、70質量%〜90質量%である。上記範囲とすることで硬化性と柔軟性とが良好な塗膜が得られる。
〔その他の成分〕
本発明のインク組成物には、必要によって、上記で説明した以外のその他の成分を添加することができる。以下、その他の成分を説明する。
(着色剤)
本発明のインク組成物には、目的に応じて着色剤を含有することができる。インク組成物に着色剤を添加することで、可視画像(有色画像)を形成しうるインク組成物とすることができる。
本発明のインク組成物に用いることのできる着色剤は、特に制限はなく、用途に応じて公知の種々の色材、(顔料、染料)を適宜選択して用いることができる。例えば、耐候性に優れた画像を形成する場合には、顔料が好ましい。また、染料としては、水溶性染料および油溶性染料のいずれも使用できるが、油溶性染料が好ましい。
−顔料−
まず、本発明のインク組成物における着色剤として好ましく使用される顔料について述べる。着色剤として顔料を用いた場合、インク組成物を使用して形成された着色画像は耐光性に優れたものとなる。
前記顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての有機顔料および無機顔料、または顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、或いは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることができる。また、樹脂粒子を染料で染色したもの等も用いることができる。
これらの顔料としては、例えば、伊藤征司郎編「顔料の辞典」(2000年刊)、W.Herbst,K.Hunger「Industrial Organic Pigments」、特開2002−12607号公報、特開2002−188025号公報、特開2003−26978号公報、特開2003−342503号公報に記載の顔料が挙げられる。
本発明において使用できる有機顔料および無機顔料の具体例としては、特開2008−13646号公報の段落番号〔0126〕〜〔0131〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
顔料の分散には、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。分散剤としては水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、高分子量不飽和酸エステル、高分子共重合物、変性ポリアクリレート、脂肪族多価カルボン酸、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル燐酸エステル、顔料誘導体等を挙げることができる。また、ルーブリゾール社のSolsperseシリーズなどの市販の高分子分散剤を用いることも好ましい。
また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1質量部〜50質量部添加することが好ましい。
インク組成物において、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、また、無溶媒で、低分子量成分である前記重合性化合物を分散媒として用いてもよいが、本発明のインク組成物は、放射線硬化性のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じたりするためである。このような観点から、分散媒としては、重合性化合物を用い、中でも、最も粘度が低いカチオン重合性モノマーを選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
インク組成物中の顔料粒子の体積平均粒径は、0.02μm〜0.60μmであることが好ましく、より好ましくは0.02μm〜0.10μmである。また、最大粒径は3μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、そのような範囲となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
−染料−
次に、本発明における着色剤として好ましく使用される染料について述べる。
染料としては、従来公知の化合物(染料)から適宜選択して使用することができる。具体的には、特開2002−114930号公報の段落番号〔0023〕〜〔0089〕、特開2008−13646号公報の段落番号〔0136〕〜〔0140〕に記載の化合物などを挙げることができ、これらを本発明にも適用することができる。
前記着色剤はインク組成物中、インク組成物の全質量に対して0.05質量%〜20質量%添加されることが好ましく、0.2質量%〜10質量%がより好ましい。着色剤として油溶性染料を用いた場合には、インク組成物の全質量(溶媒を含む)に対して、0.2質量%〜6質量%が特に好ましい。
(増感色素)
本発明のインク組成物には、光重合開始剤の活性光線照射による分解を促進させるために増感色素を添加することができる。増感色素は、特定の活性放射線を吸収して電子励起状態となる。電子励起状態となった増感色素は、光重合開始剤と接触して、電子移動、エネルギー移動、発熱などの作用を生じ、これにより光重合開始剤の化学変化、即ち、分解、ラジカル、酸或いは塩基の生成を促進させるものである。
増感色素は、インク組成物に使用される光重合開始剤に開始種を発生させる活性放射線の波長に応じた化合物を使用すればよいが、一般的なインク組成物の硬化反応に使用されることを考慮すれば、好ましい増感色素の例としては、以下の化合物類に属しており、かつ、350nmから450nm域に吸収波長を有するものを挙げることができる。
多核芳香族類(例えば、アントラセン、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、チオキサントン類(例えば、イソプロピルチオキサントン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、クマリン類(例えば、7−ジエチルアミノ−4−メチルクマリン)等が挙げられ、多核芳香族類およびチオキサントン類が好ましい類として挙げられる。
また、特開2008−95086号公報記載の増感色素も好適である。
(共増感剤)
本発明のインク組成物は、共増感剤を含有することもできる。本発明において共増感剤は、増感色素の活性放射線に対する感度を一層向上させる、或いは酸素による重合性化合物の重合阻害を抑制する等の作用を有する。
共増感剤の例としては、アミン類、例えば、M.R.Sanderら著「Journal of Polymer Science」第10巻3173頁(1972)、特公昭44−20189号公報、特開昭51−82102号公報、特開昭52−134692号公報、特開昭59−138205号公報、特開昭60−84305号公報、特開昭62−18537号公報、特開昭64−33104号公報、Research Disclosure 33825号記載の化合物等が挙げられ、具体的には、トリエタノールアミン、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、p−ホルミルジメチルアニリン、p−メチルチオジメチルアニリン等が挙げられる。
共増感剤の別の例としては、チオール及びスルフィド類、例えば、特開昭53−702号公報、特公昭55−500806号公報、特開平5−142772号公報記載のチオール化合物、特開昭56−75643号公報のジスルフィド化合物等が挙げられ、具体的には、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン等が挙げられる。
また、共増感剤の別の例としては、アミノ酸化合物(例、N−フェニルグリシン等)、特公昭48−42965号公報記載の有機金属化合物(例、トリブチル錫アセテート等)、特公昭55−34414号公報記載の水素供与体、特開平6−308727号公報記載のイオウ化合物(例、トリチアン等)、特開平6−250387号公報記載のリン化合物(ジエチルホスファイト等)、特開平8−65779号記載のSi−H、Ge−H化合物等が挙げられる。
(連鎖移動剤)
本発明のインク組成物は、連鎖移動剤を含有することもできる。本発明において連鎖移動剤は硬化物の感度向上、膜物性の柔軟化に硬化がある。連鎖移動剤としては、Polymer Handbook (4th Edition)に記載の一般的な連鎖移動剤が使用できるが、好ましい連鎖移動剤としてはチオール類であり、例えば、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−チオール、4,4−チオビスベンゼンチオール、p−ブロモベンゼンチオール、チオシアヌル酸、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、p−トルエンチオールなど、また、米国特許第4414312号や特開昭64−13144号記載のチオール類、特開平2−291561号記載のジスルフィド類、米国特許第3558322号や特開昭64−17048号記載のチオン類、特開平2−291560号記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類なども挙げられる。保存安定性の観点から特に2級チオール基、芳香族ジチオール基を有する化合物がより好ましい。
(安定剤)
本発明の安定剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、メトキシベンゾキノン、フェノチアジン、カテコール類、アルキルフェノール類、アルキルビスフェノール類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、チオジプロピオン酸エステル類、メルカプトベンズイミダゾール、ホスファイト類、などが挙げられ、特にp−メトキシフェノール、カテコール類、フェノール類が好ましい。
安定剤は単独で使用しても、2種以上併用しても良い。安定剤の添加量は、全インク総質量に対して、100〜10,000ppmであり、好ましくは、300〜2000ppm、更には、500〜1,000ppmがより好ましい。
(重合禁止剤)
保存性を高める観点から重合禁止剤を添加してもよい。また、本発明のインク組成物をインクジェット記録用インク組成物として使用する場合には、40〜80℃の範囲で加熱し、低粘度化して吐出することが好ましく、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも、重合禁止剤を添加することが好ましい。重合禁止剤は、本発明のインク組成物全量に対し、200〜20,000ppmであり、300〜2000ppmがより好ましく、更には、500〜1,000ppmが好ましい。重合禁止剤としては、例えば、例えば、p−メトキシフェノール、ハイドロキノンやメトキシベンゾキノンなどのキノン類、フェノチアジン、カテコール類、アルキルフェノール類、アルキルビスフェノール類、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅、サリチル酸銅、チオジプロピオン酸エステル類、メルカプトベンズイミダゾール、ホスファイト類、などが挙げられ、p−メトキシフェノール、カテコール類、キノン類が好ましく、特にハイドロキノン、ベンゾキノン、p−メトキシフェノール、TEMPO、TEMPOL、クペロンAl、tris(N−nitroso−N−phenylhydroxylamine)aluminum salt等がより好ましい。
(紫外線吸収剤)
本発明のインク組成物には、得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、固形分換算で0.5質量%〜15質量%であることが好ましい。
(酸化防止剤)
本発明のインク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。
酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
(褪色防止剤)
本発明のインク組成物には、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。
有機系の褪色防止剤としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、ヘテロ環類、などが挙げられる。
また、金属錯体系の褪色防止剤としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体、などが挙げられ、具体的には、リサーチディスクロージャーNo.17643の第VIIのI〜J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用された特許に記載された化合物や、特開昭62−215272号公報の127頁〜137頁に記載された代表的化合物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を使用することができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、固形分換算で0.1質量%〜8質量%であることが好ましい。
(溶剤)
本発明のインク組成物には、被記録媒体(基材)との密着性を改良するため、極微量の非硬化性の有機溶剤を添加してもよい。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1質量%〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%〜3質量%の範囲である。
(高分子化合物)
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、各種高分子化合物を添加することができる。
高分子化合物としては、アクリル系重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、アクリル系のモノマーの共重合によって得られるビニル系共重合が好ましい。 また、本発明のインク組成物を膜としたときに、タック性改善等の目的で表面に偏析しやすい高分子化合物も好適である。これらの高分子化合物は特開2008−248119号公報〔0017〕〜〔0037〕、特開2005−250890号公報〔0015〕〜〔0034〕などに記載されたSi、F原子を含む高分子、長鎖アルキル基を側鎖に有する高分子などが利用可能である。
(界面活性剤)
本発明のインク組成物には、界面活性剤を添加してもよい。
界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、が挙げられる。
なお、界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。
有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香属アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
[インク組成物の好ましい物性]
本発明のインク組成物をインクジェット記録に適用する場合には、吐出性を考慮し、吐出時の温度(例えば、40℃〜80℃、好ましくは25℃〜30℃)において、粘度が、好ましくは7mPa・s〜30mPa・sであり、より好ましくは7mPa・s〜20mPa・sである。例えば、本発明のインク組成物の室温(25℃〜30℃)における粘度は、好ましくは35〜500mPa・s、より好ましくは35mPa・s〜200mPa・sである。
本発明のインク組成物は、粘度が上記範囲になるように適宜組成比を調整することが好ましい。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を回避し、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となる。更にインク液滴着弾時のインクの滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善されるので好ましい。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20mN/m〜30mN/m、より好ましくは23mN/m〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点はで30mN/m以下が好ましい。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録に好適に用いられる。インクジェット記録に適用する場合には、本発明のインク組成物をインクジェット記録装置により被記録媒体に射出し、その後、射出されたインク組成物に放射線を照射して硬化して記録を行う。
このインク組成物により得られた印刷物は、画像部が紫外線などの放射線照射により硬化しており、画像部の強度に優れるため、インク組成物による画像形成以外にも、例えば、平版印刷版のインク受容層(画像部)の形成など、種々の用途に使用しうる。
<インクジェット記録方法、及び印刷物>
本発明のインク組成物が好ましく適用されるインクジェット記録方法について、以下説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、被記録媒体上に、上記した活性放射線硬化性インク組成物をインクジェット方式により付与して画像を形成する工程と、該画像に活性放射線を照射して硬化させる工程と、を有する印刷物の製造方法であることを特徴とする。
前記印刷物の製造方法において、被記録媒体として成型可能な樹脂材料からなる基材を用い、さらに、硬化した画像が形成された前記基材を成形加工して成形体を得る工程を有することによって印刷物成形体を製造することができる。
本発明のインクジェット記録方法に適用しる被記録媒体(基材)としては、特に制限はなく、通常の非コート紙、コート紙などの紙類、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性樹脂材料或いは、それをフィルム状に成形した樹脂フィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他、被記録媒体材料として使用しうるプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類などが挙げられる。また、金属類や、ガラス類も被記録媒体として使用可能である。
更に、本発明に適用しうる被記録材料としては、平版印刷版の支持体が挙げられる。
本発明のインクジェット記録方法に適用される活性放射線としては、α線、γ線、X線、紫外線、可視光線、赤外光線、電子線などが挙げられる。活性放射線のピーク波長は、200nm〜600nmであることが好ましく、300nm〜450nmであることがより好ましく、350nm〜420nmであることが更に好ましい。また、活性放射線の出力は、2,000mJ/cm以下であることが好ましく、より好ましくは、10mJ/cm〜2,000mJ/cmであり、更に好ましくは、20mJ/cm〜1,000mJ/cmであり、特に好ましくは、50mJ/cm〜800mJ/cmである。
特に、本発明のインクジェット記録方法では、放射線照射が、発光波長ピークが350nm〜420nmであり、かつ、前記被記録媒体表面での最高照度が10mW/cm〜2,000mW/cmとなる紫外線を発生する発光ダイオードから照射されることが好ましい。本発明のインク組成物は、発光ダイオードの発する光のような、低露光量の光でも高感度で硬化する。
本発明のインクジェット記録方法においては、前述の本発明のインク組成物を用いており且つ活性放射線を照射して該インク組成物を硬化しているため、耐擦過性に優れ、更に表面のべとつきが抑制された画像を形成することができる。なお、活性放射線の照射は、全色を吐出した後まとめて露光することが可能だが、1色毎に露光するほうが、硬化促進の観点で好ましい。
また、本発明の印刷物は、上記のインクジェット記録方法(本発明のインクジェット記録方法)によって、本発明のインク組成物により画像が形成されたものである。
そのため、耐擦過性に優れ、表面のべとつきが抑制された画像を有する印刷物となる。
また、本発明のインク組成物は、前記したように、一般的な印刷物の画像形成に好適に用いられる他、支持体等の被記録媒体に画像を形成した後に加工を施す態様においても好適に用いることができる。
今日において、成形加工が施された加飾シート等の印刷物は、様々な用途で使用されている。例えば、電化製品等に使用されるメンブレンスイッチ表面シートは、薄プラスチックシート(膜圧約100μmのPET、ポリカーボネート、ポリスチレン等)にイメージ(画像)が形成された後、スイッチ部分(クリック部分)にクリック感を出す目的で、エンボス加工が施される。またその他、印刷物をマット調に仕上げたり、デザイン上立体感を出したりするため、画像を形成した後の印刷物にエンボス加工を施す例が多く見られる。
また、飲料水、茶やジュースなどの飲料商品の自動販売機が広く普及しており、これらの自動販売機には、販売される商品を示すダミー展示物が展示されている。これらのダミー展示物としては、まず透明性の熱可塑性樹脂シートに加飾印刷を施した(画像を形成した)平らな支持体を作製し、その後に実物大の飲料商品容器の半割の形にまで深絞り加工して立ち上がりの高い成形品(場合によっては25mm以上の深絞り)を作り、その背面より照明を与えることによって商品イメージを強くアピールするように作製されている。
これらのような加飾された熱可塑性樹脂シートの深絞り成形品を作製するための加工方法としては、真空成形や圧空成形或いは真空圧空成形が最も好適である。真空成形は原理的に、平坦な支持体を予め熱変形可能な温度まで予熱し、これを金型へ減圧によって吸引して延伸しながら金型に圧着冷却するものであり、圧空成形は金型の反対側から加圧して金型に圧着冷却するものである。また、真空圧空成形は、前記減圧及び加圧を同時に行うものである。
これらの加工が施される印刷物に用いられるインクの性能としては、得られた画像(印刷物)がひび割れや剥離等を起こしにくく、硬化膜の耐衝撃性、柔軟性、基材密着性に富むものが求められている。これに対し、本発明のインク組成物は、特定化合物を有していることから、表面を効率よく硬化することができるため衝撃に強く、更に、バルクを柔軟な膜(粘弾性が低い軟らかい膜)にしても表面の硬化性(粘弾性が高いべとつきが無い膜)を確保することができるため、画像形成後の印刷物に対し、上記加熱成形加工が施され、印刷物成形体を得る用途において、特に良好な効果を発揮することができる。
なお、本発明のインク組成物から得られる印刷物の用途としては、上記の中でも特に真空成型用途に適用されることが好ましい。
<真空成形、圧空成形、真空圧空成形>
真空成形は、画像が形成された支持体を予め熱変形可能な温度まで予熱し、これを金型へ減圧によって吸引して延伸しながら金型に圧着冷却し成形する方法であり、圧空成形は、画像が形成された支持体を予め熱変形可能な温度まで予熱し、金型の反対側から加圧して金型に圧着冷却し成形する方法である。真空圧空成形は、前記減圧及び加圧を同時に行い成形する方法である。
詳しくは高分子大辞典(丸善株式会社)p.766〜768に記載されている「熱成形」の項目及び該項目に引用されている文献を参照することができる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」、「%」は質量基準である。
<顔料分散物の調製>
次に示す顔料、分散剤、溶媒を混合して、マゼンタ色の顔料分散物(M1)を調製した。
マゼンタ顔料分散物(M1)
・顔料:C.I.ピグメントレッド57:1 15部
・分散剤:高分子分散剤〔LUBRIZOL社製ソルスパース32000〕 5部
・溶媒:フェノキシエチルアクリレート 80部
<インク組成物の調製>
下記のインク組成物の組成に示す成分を混合して、表1に示す実施例1〜34、および比較例1〜5のインク組成物を調製した。
但し、(A)特定ポリマーの量、および(B)重合性モノマーの量は以下のようにした。
(A)特定ポリマーをインク組成物全量に対して、4%添加した。(B)特定モノマーは、(A)特定ポリマー中の酸性基、または塩基性基に対して、表1に記載の中和度となるように、添加した。例えば、実施例1における中和度20とは、特定ポリマーが有するアミノ基の20%が、特定モノマーであるアクリル酸によって中和されたことを意味する。実施例2、3、および5における中和度は、特定ポリマーが有する酸性基、または塩基性基が特定モノマーによって中和された量を示す。また、中和度100%とは、特定ポリマーが有する酸性基、または塩基性基が特定モノマーによって当量で中和されたことを示す。
比較例1は、ポリマー添加なし、比較例2、および比較例3は、それぞれ酸性基を有する重合性ポリマー、および塩基性基を有する重合性ポリマーのみを添加し、比較例4、および比較例5は、それぞれ酸性基を有する重合性モノマー、および塩基性基を有する重合性モノマーのみを各インク組成物全量に対し、各4%添加した。
なお、表1における(A)特定ポリマー、(B)特定モノマーは前記した例示化合物である。
(インク組成物の組成)
・顔料分散物(M1) 4部
・(A)特定ポリマー:表1に記載の化合物
・(B)特定モノマー:表1に記載の化合物
・(C)光重合開始剤:ビフェニルベンゾイル 4部
・(C)光重合開始剤:Irgacure 819 5部
(Ciba Specialty Chemicals社製)
・(C)光重合開始剤:Irgacure 184 2部
(Ciba Specialty Chemicals社製)
・(D)重合性モノマーD:フェノキシエチルアクリレート 36部
・(D)重合性モノマーD:N-ビニルカプロラクタム 40部
・エポキシ化合物:共栄社化学製 エポキシエステル3002A 1部
(PO変性ビスフェノールAジグリシジルエーテルジアクリレート)
・連鎖移動剤:昭和電工社製 カレンズMT−PEI 1部
・安定剤:Rahn社製 Genorad 16 0.1部
〔評価〕
得られた各インク組成物を用いて、下記の評価を行い、結果を表2にまとめた。
<インクジェット画像記録(印刷)>
まず、調製されたインク組成物を絶対ろ過精度2μmのフィルターにてろ過した。
次に、ピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置を用いて、被記録媒体への記録を行った。インク供給系は、元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインク供給タンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドから成り、インク供給タンクからインクジェットヘッド部分までを断熱及び加温を行った。温度センサーは、インク供給タンク及びインクジェットヘッドのノズル付近にそれぞれ設け、ノズル部分が常に70℃±2℃となるよう、温度制御を行った。ピエゾ型のインクジェットヘッドは、8pl〜30plのマルチサイズドットを720×720dpiの解像度で射出できるよう駆動した。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
上記のインクジェット記録装置を用い、ろ過後のインク組成物を、環境温度25℃にて射出し、UV−LEDは、日亜化学社製NCCU033を用い紫外線を照射した。前記LEDは1チップから波長365nmの紫外光を出力するものであって、約500mAの電流を通電することにより、チップから約100mWの光が発光される。これを7mm間隔に複数個配列し、被記録媒体表面で0.3W/cmのパワーが得られる。インク組成物の打滴後露光されるまでの時間、及び露光時間は被記録媒体の搬送速度及びヘッドとLEDの搬送方向の距離により変更可能である。本実施例では着弾後、約0.2秒後に露光される。
UV−LEDと被記録媒体との距離及び被記録媒体の搬送速度の設定に応じて、被記録媒体上の露光エネルギーを0.01J/cm〜15J/cmの間で調整することができる。なお、照射時間は、紫外線照射後の画像面において、粘着感の無くなるまでとした。また、被記録媒体としては、ポリカーボネートシートを用いた。
この条件で、インク組成物の硬化感度、保存安定性、及び吐出安定性、また、インク組成物を用いて形成した画像(インク組成物の硬化膜)のブロッキング感度を下記の方法で評価した。
また、インク組成物を用いて形成した画像(インク組成物の硬化膜)の延伸率、及び被記録媒体に対する密着性を後述する条件に変更して評価した。
(硬化感度の評価)
紫外線照射後の画像面において、触指で粘着感の無くなる露光エネルギー量(mJ/cm)を硬化感度と定義した。数値が小さいものほど高感度であることを表す。4000mJ/cm以下で硬化することが好ましい。
(保存安定性の評価)
各インク組成物を75%RH、60℃で3日保存した後、上記射出温度でのインク粘度を測定し、インク粘度の増加分を、保存後/保存前の粘度比で算出した。粘度が変化せず1.0に近いものは、保存安定性が良好である。この数値が1.5を超えると吐出時に目詰まりを起こす場合がある。評価基準は、1.5未満を○、1.5以上を×とした。
(吐出安定性の評価)
前述のようにして得られたインク組成物(ろ過後のもの)のヘッドノズルでの吐出安定性を以下のようにして評価した。
即ち、下記の条件でピエゾ型インクジェットノズルを有する市販のインクジェット記録装置により、60分の連続吐出におけるノズルロス個数を測定した。
−条件−
・チャンネル数:318/ヘッド
・駆動周波数:4.8kHz/dot
・インク滴:7滴、42pl
・温度:45℃
実験は、PET基板上にインク組成物を吐出した後、露光(露光量:1,000mW/cm)を行う方法を用い、その際のノズルロス数(ノズルが詰まってしまった数)を数えた。
−評価基準−
○:ノズルロス数が0以上5個未満
△:ノズルロス数が5個以上10個未満
×:ノズルロス数が10個以上
(ブロッキング感度評価)
前記のインクジェット記録方法を適用して得られた、紫外線照射後の画像上に、PET(サイズ:縦横共に画像形成したポリカーボネートシートと同サイズ、重さ:2g/枚)を500枚重ね載せ、一日放置し、PETへの転写を目視評価した。転写が無い場合を○、転写がある場合を×とし、転写が無くなるまでに要した露光エネルギー量(mJ/cm)をブロッキング感度と定義した。
ブロッキング感度の許容範囲は12,000mJ/cm以下であり、より好ましくは8,000mJ/cm以下である。
(延伸率評価)
積算露光量:12,000mJ/cm、照度:2140mW/cmとした以外は、前記インクジェット画像記録と同様にして、インク組成物の硬化膜を作成した。得られた硬化膜を軸長5cm×幅2.5cmにカットし、引っ張り試験機(島津製作所社製、オートグラフAGS−J)を用いて、室温(20℃)中、速度30cm/minで延伸させ、硬化膜が破断する伸び率を測定した。初期長から2倍の長さまで伸びた状態を伸び率100%と定義した。
延伸率の許容範囲はロール状基材に対応するためには100%以上が必要であり、成型加工用途で使用する場合には200%以上であり、より好ましくは300%以上である。
(密着性の評価)
前記インクジェット画像記録において、インク組成物を用いてポリカーボネートシート上にベタ画像を印字したほかは、同様にして、インク組成物の硬化膜を形成した。得られたサンプルを用いて、クロスハッチテストにより評価した。この試験は、JISK5600に基づき、0〜5の6段階で評価し、0が最もよく、1が実用上問題ないレベルと評価した。
−評価基準−
○:0
△:1
×:2〜5の範囲
(鉛筆硬度の評価)
密着性評価の項に記載の各硬化膜について、JIS−K5400に従い、鉛筆硬度を測定した。
(成形加工性の評価)
真空成形装置フォーミング300X(成光産業(株)製)を用い真空成形を行った。該真空成形装置の真空テーブルの中心に図1に示す木製型を設置し、支持体である厚さ0.5mmのポリカーボネートの温度が170℃になるようにヒーターの温度を設定した。支持体温度が170℃に加熱された後、木型の設置された真空テーブルをテーブル昇降レバーで操作しながらゆっくりと上昇させ、真空成形を行った。成形された印刷物にひび割れ、白抜けが生じていないか、目視で観察を行った。
−評価基準−
○:ひび割れ、白抜けが生じていない。
×:表面のベタツキが著しく、真空成形が行なえなかった。
表2から以下のことがわかる。
本発明の特定ポリマーと、特定ポリマーと対塩を構成する特定モノマーとを用いた実施例1〜34はインク組成物の保存安定性、吐出安定性が共に良好であり、硬化されたインク組成物はブロッキング感度が高く、鉛筆硬度が高いものであった。特に表面偏析性基を有するアクリル樹脂である特定ポリマーを用いた実施例13〜24では、ブロッキング感度が高く、硬化したインク組成物の表面硬度は高いものであり、本発明の効果が著しいものであった。また、特定ポリマーと特定モノマーとを添加したことによって、密着力を悪化させることなく、加熱延伸率が改善したため真空成型適性が向上した結果となった。

Claims (9)

  1. (A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマー、(B)前記(A)ポリマーが有する酸性基または塩基性基と対塩を形成しうる置換基を有する重合性モノマー、(C)光重合開始剤、および(D)前記(B)重合性モノマーとは構造の異なる重合性モノマーを含む活性放射線硬化性インク組成物。
  2. 前記(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマーの酸性基または塩基性基の量に対する、前記(B)重合性モノマーの対塩を形成しうる置換基の量が、当量基準で0.2〜1の範囲である請求項1に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
  3. 前記(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマーが、(i)フッ素置換炭化水素基、(ii)シロキサン骨格、および(iii)長鎖アルキル基からなる群より選択される少なくとも1つの部分構造を含むポリマーである請求項1または請求項2に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
  4. 前記(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマーが、アクリル樹脂である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
  5. 前記(A)酸性基を2以上または塩基性基を2以上有するポリマーが、ウレタン樹脂またはウレア樹脂である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
  6. インクジェット記録用である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
  7. 成型可能な樹脂材料からなる基材が有する硬質表面への印刷に用いられる請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物。
  8. 被記録媒体上に、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物を付与して画像を形成する工程と、
    該画像に活性放射線を照射して硬化させる工程と、
    を有する印刷物の製造方法。
  9. 成形可能な樹脂材料からなる基材上に、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の活性放射線硬化性インク組成物を付与して画像を形成する工程と、
    該画像に活性放射線を照射して硬化させて印刷物を得る工程と、
    硬化した画像が形成された前記基材を成形加工して成形体を得る工程と、
    を有する印刷物成形体の製造方法。
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