JP2013070529A - モータ装置、及びロボット装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転子を高精度に制御する。
【解決手段】回転子の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、伝達部を移動させる駆動素子(駆動部)とを有する少なくともN(Nは3以上の整数)個の駆動ユニットと、駆動期間において回転子と伝達部との間を回転力伝達状態にして伝達部を移動させる駆動動作と、復帰期間において回転子と伝達部との間を回転力非伝達状態にして伝達部を所定の位置に戻す復帰動作と、を含む制御シーケンスに基づいて、駆動素子を制御する制御部とを備え、駆動動作は少なくとも初期駆動期間における初期駆動動作及び主駆動期間における主駆動動作を含み、制御シーケンスは少なくともN個の駆動ユニットのうち、第i(1≦i≦N、iは整数)の駆動ユニットにおける初期駆動動作の開始タイミングと、第j(1≦j≦N、jはiと異なる整数)の駆動ユニットにおける初期駆動動作の開始タイミングとが、互いに異なるタイミングに設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ装置、及びロボット装置に関する。
例えば、旋回系機械を駆動させるアクチュエータとして、モータ装置が用いられている(例えば、特許文献1を参照)。このようなモータ装置として、電動モータや超音波モータなど、高トルクを発生させることが可能なモータ装置が広く知られている。近年では、ヒューマノイドロボットの関節部分など、より精密な部分を駆動させるモータ装置が求められており、電動モータや超音波モータなどの既存のモータ装置においてもトルクの制御性等、細密で高精度な駆動を行うことができる構成が求められている。
特開平2−311237号公報
しかしながら、上述のようなモータ装置は、高トルクを発生させるために減速機を取り付ける必要がある。この場合、モータ装置は、減速機のバックラッシュにより、回転子を高精度に駆動できないことがある。すなわち、上述のようなモータ装置は、高トルクを発生させつつ高精度に制御することができないという問題がある。
本発明は、上記問題を解決すべくなされたもので、その目的は、回転子を高精度に制御することができるモータ装置、及びロボット装置を提供することにある。
本発明の一実施形態は、回転子の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、前記伝達部を移動させる駆動部とを有する、少なくともN(Nは3以上の整数)個の駆動ユニットと、駆動期間において前記回転子と前記伝達部との間を回転力伝達状態にして前記伝達部を移動させる駆動動作と、復帰期間において前記回転子と前記伝達部との間を回転力非伝達状態にして前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作と、を含む制御シーケンスに基づいて、前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記駆動動作は、少なくとも初期駆動期間における初期駆動動作及び主駆動期間における主駆動動作を含み、前記制御シーケンスは、前記少なくともN個の駆動ユニットのうち、第i(1≦i≦N、iは整数)の駆動ユニットにおける前記初期駆動動作の開始タイミングと、第j(1≦j≦N、jはiと異なる整数)の駆動ユニットにおける前記初期駆動動作の開始タイミングとが、互いに異なるタイミングに設定されていることを特徴とするモータ装置である。
本発明の一実施形態は、回転子の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、前記伝達部を移動させる駆動部とを有する、少なくともN(Nは3以上の整数)個の駆動ユニットと、複数の制御区間のうち駆動期間において前記回転子と前記伝達部との間を回転力伝達状態にして前記伝達部を移動させる駆動動作と、前記複数の制御区間のうち復帰期間において前記回転子と前記伝達部との間を回転力非伝達状態にして前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作と、を含む制御シーケンスに基づいて、前記駆動部を制御する制御部とを備え、前記制御シーケンスは、前記複数の制御区間のうち少なくとも2つの期間において、前記N個のうちN−1個以下の前記駆動ユニットにおける各々の前記駆動期間の少なくとも一部が互いに重なるように設定されていることを特徴とするモータ装置である。
また、本発明の一実施形態は、上記のモータ装置を備えることを特徴とするロボット装置である。
本発明によれば、回転子を高精度に制御することができる。
本発明の第1の実施形態によるモータ装置の構成の一例を示す構成図である。 本実施形態における駆動ユニットの構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における対となる駆動ユニットの構成の一例を示す断面図である。 本実施形態における制御部の構成の一例を示すブロック図である。 本実施形態におけるオイラーの原理に基づく伝達部と回転子との接触角と、伝達効率との関係の一例を示すグラフである。 本実施形態における駆動ユニットの伝達過渡動作の一例を示す模式図である。 本実施形態における駆動トルク受け渡し開始時の駆動部の位置の一例を示す模式図である。 本実施形態における駆動トルク受け渡し中の駆動部の位置の一例を示す模式図である。 本実施形態における駆動ユニットの駆動動作の一例を示す模式図である。 本実施形態における駆動ユニットの復帰動作の一例を示す模式図である。 本実施形態における制御シーケンスの一例を示す構成図である。 本実施形態における制御部の動作の一例を示すフローチャートである。 本実施形態における1対の駆動ユニットが発生させる力の一例を示す断面図である。 本実施形態における制御シーケンス生成部を有する制御部の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態による制御部の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態による制御部の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態によるロボット装置の構成の一例を示すブロック図である。 本実施形態における制御部と出力部との構成の一例を示すブロック図である。
[第1の実施形態]
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るモータ装置MTRの一例を示す概略構成図である。
[モータ装置MTRの構成]
図1に示すように、モータ装置MTRは、一例として、回転子SFと、複数のユニット位置決め部ALと、1対の保持部HSと、制御部CONTと、複数の駆動ユニットACとを備えている。モータ装置MTRは、回転子SF及び複数の駆動ユニットACが、1対の保持部HSによって支持された構成になっている。
以下、各図の説明においてはXYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。回転子SFの円筒軸方向をZ軸方向とし、当該Z軸方向に垂直な平面上の直交方向をそれぞれX軸方向及びY軸方向とする。また、X軸、Y軸、及びZ軸周りの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θX、θY、及びθZ方向とする。
回転子SFは、例えば円筒状に形成されており、駆動ユニットACによって回転力が与えられて回転する。
ユニット位置決め部ALは、駆動ユニットACをZ軸方向に貫通して、駆動ユニットACの連結体が、回転子SFに対してX軸方向及びY軸方向にずれないように位置決めをしている。
保持部HSは、駆動ユニットACの連結体のZ両端に連結されている。保持部HSは、駆動ユニットACがZ軸方向にずれないように保持するストッパとしての機能を有している。保持部HSは、例えばベアリング機構15を介して回転子SFを回転可能に支持している。
制御部CONTは、後述するように各駆動ユニットACが有する駆動素子32に接続されており、当該駆動素子32に対して、回転子SFを回転させるための電圧波形を出力する。
駆動ユニットACは、回転子SFのZ軸方向のほぼ中央部に、複数配置されている。本実施形態において、駆動ユニットACは、例えば12個連結されて配置されている。
12個の駆動ユニットACには、駆動ユニットACU1と、駆動ユニットACU2と、駆動ユニットACV1と、駆動ユニットACV2と、駆動ユニットACW1と、駆動ユニットACW2との6種類が2個ずつ含まれている。つまり、複数の駆動ユニットACには、駆動ユニットACU1として、駆動ユニットACU1−1と、駆動ユニットACU1−2と、駆動ユニットACU2として、駆動ユニットACU2−1と、駆動ユニットACU2−2とが含まれている。また、複数の駆動ユニットACには、駆動ユニットACV1として、駆動ユニットACV1−1と、駆動ユニットACV1−2と、駆動ユニットACV2として、駆動ユニットACV2−1と、駆動ユニットACV2−2とが含まれている。また、複数の駆動ユニットACには、駆動ユニットACW1として、駆動ユニットACW1−1と、駆動ユニットACW1−2と、駆動ユニットACW2として、駆動ユニットACW2−1と、駆動ユニットACW2−2とが含まれている。
また、本実施形態において、駆動ユニットACU1及び駆動ユニットACU2は、U相の駆動ユニットACである。同様に、駆動ユニットACV1及び駆動ユニットACV2は、V相の駆動ユニットACであり、駆動ユニットACW1及び駆動ユニットACW2は、W相の駆動ユニットACである。
これら12個の駆動ユニットACはユニット位置決め部ALによって連結されている。
なお、以下の説明において、特定の駆動ユニットを示す必要がない場合には、単に駆動ユニットACと記載する。
図1に示すように、駆動ユニットACは、保持部HSからZ軸方向に駆動ユニットACU1−1、駆動ユニットACU2−1、駆動ユニットACV1−1、駆動ユニットACV2−1、駆動ユニットACW1−1、駆動ユニットACW2−1の順に連結されている。さらに駆動ユニットACは、Z軸方向に駆動ユニットACW2−2、駆動ユニットACW1−2、駆動ユニットACV2−2、駆動ユニットACV1−2、駆動ユニットACU2−2、駆動ユニットACU1−2の順に連結されている。
つまり、12個の駆動ユニットACを連結している駆動ユニットACの連結体は、駆動ユニットACU1−1と、駆動ユニットACU2−1とが、1対のU相の駆動ユニットACとして、隣り合うように連結されている。また、駆動ユニットACの連結体は、駆動ユニットACV1−1と、駆動ユニットACV2−1とが、1対のV相の駆動ユニットACとして、隣り合うように連結されている。また、駆動ユニットACの連結体は、駆動ユニットACW1−1と、駆動ユニットACW2−1とが、1対のW相の駆動ユニットACとして、隣り合うように連結されている。
同様に、駆動ユニットACの連結体は、駆動ユニットACW2−2と、駆動ユニットACW1−2とが、1対のW相の駆動ユニットACとして、隣り合うように連結されている。また、駆動ユニットACの連結体は、駆動ユニットACV2−2と、駆動ユニットACV1−2とが、1対のV相の駆動ユニットACとして、隣り合うように連結されている。また、駆動ユニットACの連結体は、駆動ユニットACU2−2と、駆動ユニットACU1−2とが、1対のU相の駆動ユニットACとして、隣り合うように連結されている。
このように、駆動ユニットACの連結体は、同じ相の2個の駆動ユニットACが隣り合うように連結された1対の駆動ユニットACが、6対連結された構成になっている。なお、1対の駆動ユニットACとして連結された2つの駆動ユニットACは、後述するように、互いに回転子SFの回転軸を中心にしてθZ方向に180度回転させた構成になっている。
また、駆動ユニットACの連結体は、12個の駆動ユニットACが、各相とも1対に構成されて、1対の保持部HSによって挟みこまれた構成になっている。また、1対に構成された駆動ユニットACは、回転子SFの軸線上にある、2つの保持部HSの中点位置を基準として、各相とも対称に配置されている。
[駆動ユニットACの構成]
図2及び図3は、駆動ユニットACの構成を示す平面図である。
図2(a)を用いて、上述した6種類ある駆動ユニットACのうちの、駆動ユニットACU1−1について説明する。なお、駆動ユニットACU1−2は、駆動ユニットACU1−1と同一の構成であるため、説明を省略する。
図2(a)は、駆動ユニットACU1−1の構成を示す平面図である。
駆動ユニットACU1−1は、例えばステンレス等の材料を用いて矩形の板状に形成されており、Z軸方向に回転子SFが貫通する穴として貫通部10が、Z方向視のほぼ中央部に形成されている。駆動ユニットACU1−1は、伝達部BTとしての、伝達部BTU1−1を有している。また、駆動ユニットACU1−1は、駆動素子32としての、駆動素子32U1A−1及び駆動素子32U1B−1を有している。
なお、以下の説明において、特定の伝達部を示す必要がない場合には、単に伝達部BTと記載する。また、以下の説明において、特定の駆動素子を示す必要がない場合には、単に駆動素子32(駆動部)と記載する。
伝達部BTU1−1は、ベルト部231と、第1端部211及び第2端部221とを有している。ベルト部231は、貫通部10によって形成された壁部10aに沿って、例えばZ軸方向に幅をもつ帯状に形成され、例えば弾性変形可能な程度の厚さに形成されている。ベルト部231は、貫通部10に挿入される回転子SFの外周を囲うように配置される。換言すると、回転子SFは、貫通部10のうちベルト部231によって囲まれる空間に挿入される。ベルト部231は、例えば回転子SFの周面(例、外周面や内周面)の少なくとも一部に掛けることができるようになっている。
駆動素子32は、例えば電歪素子(ピエゾ素子など)や磁歪素子などの電気機械変換素子を有している。この電気機械変換素子は、電圧を加えることによって伸縮する。
駆動素子32U1A−1は、支持部331によって支持されている。駆動素子32U1A−1は、図中−X側の端部の位置が支持部331に固定されている。このため、駆動素子32U1A−1は、X軸方向に伸縮することで図中+X側の端部の位置がX軸方向に移動することになる。駆動素子32U1A−1のうち+X側の端部は、支持部331の先端部331aに接続されている。支持部331の先端部331aは、例えば第1端部211に接続されている。支持部331は、先端部331aよりも−X側に、例えば伸縮部331bを有している。伸縮部331bは、駆動素子32U1A−1の+X側端部の移動に合わせて先端部331aが移動するように伸縮する。
駆動素子32U1B−1は、支持部341によって支持されている。駆動素子32U1B−1は、図中+X側の端部の位置が支持部341に固定されている。このため、駆動素子32U1B−1は、X軸方向に伸縮することで図中−X側の端部の位置がX軸方向に移動することになる。駆動素子32U1B−1のうち−X側の端部は、支持部341の先端部341aに接続されている。支持部341の先端部341aは、例えば第2端部221に接続されている。支持部341は、先端部341aよりも+X側に、例えば伸縮部341bを有している。伸縮部341bは、駆動素子32U1B−1の−X側端部の移動に合わせて先端部341aが移動するように伸縮する。
駆動素子32U1A−1及び駆動素子32U1B−1は、回転子SFの外周上の基準位置P0を挟んで配置されている。ここで、本実施形態の基準位置P0は、例えば図1における回転子SFの−Y側端部である。
駆動素子32U1A−1及び駆動素子32U1B−1は、それぞれの電気機械変換素子に電圧が印加されることにより、X軸方向に伸縮する。駆動素子32U1A−1が+X方向に伸びれば、先端部331aとともに第1端部211が+X方向に移動して、ベルト231が移動する。同様に、駆動素子32U1B−1が−X方向に伸びれば、先端部341aとともに第2端部221が−X方向に移動して、ベルト231が移動する。駆動素子32U1A−1及び駆動素子32U1B−1は、後述するように制御部CONTが有する出力回路55−1及び出力回路55−2に接続されており、制御部CONTから出力される電圧波形(駆動信号)に基づいて伸縮することにより、伝達部BTU−1を移動させる。
次に、図3(a)を用いて、駆動ユニットACU2−1について説明する。なお、駆動ユニットACU1−1と共通する部分については説明を省略する。なお、駆動ユニットACU2−2は、駆動ユニットACU2−1と同一の構成であるため、説明を省略する。
図3(a)は、駆動ユニットACU2−1の構成を示す平面図である。
駆動ユニットACU2−1は、伝達部BTとして伝達部BTU2−1を有している。また、駆動ユニットACU2−1は、駆動素子32として駆動素子32U2A−1及び駆動素子32U2B−1を有している。
伝達部BTU2−1は、ベルト部232と、第1端部212及び第2端部222とを有している。
駆動素子32U2A−1は、支持部332によって支持されている。駆動素子32U2A−1は、図中+X側の端部の位置が支持部332に固定されている。このため、駆動素子32U2A−1は、X軸方向に伸縮することで図中−X側の端部の位置がX軸方向に移動することになる。駆動素子32U2A−1のうち−X側の端部は、支持部332の先端部332aに接続されている。支持部332の先端部332aは、例えば第1端部212に接続されている。支持部332は、先端部332aよりも+X側に、例えば伸縮部332bを有している。伸縮部332bは、駆動素子32U2A−1の−X側端部の移動に合わせて先端部332aが移動するように伸縮する。
駆動素子32U2B−1は、支持部342によって支持されている。駆動素子32U2B−1は、図中−X側の端部の位置が支持部342に固定されている。このため、駆動素子32U2B−1は、X軸方向に伸縮することで図中+X側の端部の位置がX軸方向に移動することになる。駆動素子32U2B−1のうち+X側の端部は、支持部342の先端部342aに接続されている。支持部342の先端部342aは、例えば第2端部222に接続されている。支持部342は、先端部342aよりも−X側に、例えば伸縮部342bを有している。伸縮部342bは、駆動素子32U2B−1の+X側端部の移動に合わせて先端部342aが移動するように伸縮する。
駆動素子32U2A−1及び駆動素子32U2B−1は、回転子SFの外周上の基準位置P0から、回転子SFをθZ方向に180度回転させた位置P180を挟んで配置されている。駆動素子32U2A−1及び駆動素子32U2B−1は、電気機械変換素子に電圧が印加されることにより、X軸方向に伸縮する。駆動素子32U2A−1が−X方向に伸びれば、先端部332aとともに第1端部212が−X方向に移動して、ベルト232が移動する。同様に、駆動素子32U2B−1が+X方向に伸びれば、先端部342aとともに第2端部222が+X方向に移動して、ベルト232が移動する。
同様に、図2(b)、図3(b)に示すように、駆動ユニットACV1−1は、伝達部BTとしての、伝達部BTV1−1を有している。また、駆動ユニットACV1−1は、駆動素子32として駆動素子32V1A−1及び駆動素子32V1B−1を有している。駆動素子32V1A−1及び駆動素子32V1B−1は、回転子SFの外周上の基準位置P0から、回転子SFをθZ方向に120度回転させた位置P120を挟んで配置されている。駆動ユニットACV1−2も同様である。
また、駆動ユニットACV2−1は、伝達部BTとして伝達部BTV2−1を有している。また、駆動ユニットACV2−1は、駆動素子32として駆動素子32V2A−1及び駆動素子32V2B−1を有している。駆動ユニットACV2−1の駆動素子32V2A−1及び駆動素子32V2B−1は、回転子SFの外周上の基準位置P0から、回転子SFをθZ方向に300度回転させた位置P300を挟んで配置されている。駆動ユニットACV2−2も同様である。
同様に、図2(c)、図3(c)に示すように、駆動ユニットACW1−1は、伝達部BTとして伝達部BTW1−1を有している。また、駆動ユニットACW1−1は、駆動素子32として駆動素子32W1A−1及び駆動素子32W1B−1を有している。駆動素子32W1A−1及び駆動素子32W1B−1は、回転子SFの外周上の基準位置P0から、回転子SFの回転軸を中心にしてθZ方向に240度回転させた位置240を挟んで配置されている。駆動ユニットACW1−2も同様である。
また、駆動ユニットACW2−1は、伝達部BTとして伝達部BTW2−1を有している。また、駆動ユニットACW2−1は、駆動素子32として駆動素子32W2A−1及び駆動素子32W2B−1を有している。駆動素子32W2A−1及び駆動素子32W2B−1は、回転子SFの外周上の基準位置P0から、回転子SFの回転軸を中心にしてθZ方向に60度回転させた位置P60を挟んで、配置されている。駆動ユニットACW2−2も同様である。
以上のように、本実施形態のモータ装置MTRは、1対の駆動素子32の位置が、回転子SFの回転軸を中心にしてθZ方向に互いに180度回転させた位置に配置されるように、2個の駆動ユニットACが、1対の駆動ユニットACとして隣り合わせに配置されている。また、本実施形態のモータ装置MTRは、各相の駆動ユニットACが有する1対の駆動素子32の位置が、回転子SFの回転軸を中心にしてθZ方向に120度ずつ回転させた位置に配置されるように、U相の駆動ユニットACと、V相の駆動ユニットACと、W相の駆動ユニットACとが配置されている。
[制御部CONTの構成]
次に図4を用いて、制御部CONTの構成について説明する。
図4は、制御部CONTの構成を示した図である。
制御部CONTは、選択部51と、記憶部52と、波形生成部53、出力部54とを有している。
記憶部52には、各駆動素子32を駆動する駆動条件として駆動電圧と駆動時間とが、各駆動素子32を駆動する目標値に関連付けられて、制御シーケンスとして予め記憶されている。本実施形態において、目標値は、例えば回転子SFの角速度である。
選択部51は、記憶部52に記憶されている制御シーケンスに含まれる複数の駆動条件のうちから、上位装置から入力された目標値に基づいて、駆動素子32を駆動する駆動条件を選択する。
波形生成部53は、選択部51によって選択された駆動条件に基づいて、各駆動素子32に対応した電圧波形を生成する。例えば、波形生成部53は、選択された制御シーケンスに含まれる、駆動素子32U1A−1に対応した電圧波形を生成する。
出力部54は、各駆動ユニットACが有する駆動素子32の数に対応した出力回路55を有する。本実施形態においては、出力部54は、例えば24個の出力回路55として出力回路55−1〜55−24を有している。
出力回路55−1〜55−24は、それぞれが対応する各駆動素子32に接続されている。例えば、出力回路55−1は、駆動素子32U1A−1に接続されている。出力回路55は、波形生成部53によって生成された電圧波形を増幅して、増幅した電圧波形を接続されている駆動素子32に出力する。
[回転子SFの駆動原理]
次に、本実施形態のモータ装置MTRが、回転子SFを駆動させる原理について説明する。U相の駆動ユニットACは、回転子SFを駆動させる際に、回転子SFに巻き掛けられたU相の伝達部BTUに有効張力を生じさせ、当該有効張力によって回転子SFにトルクを伝達する。V相及びW相は、いずれもU相と同一の構成であるため、説明を省略する。
オイラーの摩擦ベルト理論により、回転子SFに巻き掛けられた伝達部BTUの第1端部211側の張力T1及び第2端部221側の張力T2が下記式(1)を満たすとき、伝達部BTUと回転子SFとの間で摩擦力が生じ、伝達部BTUが移動することにより、回転子SFが回転する。この伝達部BTUの移動により、回転子SFにトルクが伝達される。ただし、式(1)において、μは伝達部BTUと回転子SFとの間の見かけ上の摩擦係数であり、θは伝達部BTUの有効巻き付き角である。
Figure 2013070529
このとき、トルクの伝達に寄与する有効張力は、(T1−T2)によって表される。上記式(1)に基づいて有効張力(T1−T2)を求めると、下記式(2)のようになる。式(2)は、T1を用いて有効張力を表す式である。
Figure 2013070529
上記式(2)より、回転子SFに伝達されるトルクは駆動素子32U1A−1の張力T1によって一意に決定されることがわかる。式(2)の右辺のT1の係数部分は、伝達部BTUと回転子SFとの間の摩擦係数μ及び伝達部BTUの有効巻き付き角θにそれぞれ依存する。
図5は、摩擦係数μを変化させたときの有効巻き付き角θと係数部分の値との関係を示すグラフである。グラフの横軸は有効巻き付き角θを示しており、グラフの縦軸は係数部分の値を示している。
図5に示すように、例えば摩擦係数μが0.3の場合には、有効巻き付き角θが300度以上のときに係数部分の値がおよそ0.8以上となっている。このことから、摩擦係数μが0.3の場合には、有効巻き付き角θを300度以上とすることにより、駆動素子32U1A−1による張力T1のおよそ80%以上の力が回転子SFのトルクに寄与することがわかる。この巻き付き角の他、図5のグラフから、例えば伝達部BTUと回転子SFとの間の摩擦係数を大きくするほど、係数部分の値が大きくなることが推定される。
このように、トルクの大きさは駆動素子32U1A−1の張力T1によって一意に決定されることになり、例えば伝達部BTUの移動距離などには無関係であることがわかる。
上述した原理に基づいて、制御部CONTは、駆動素子32U1A−1及び駆動素子32U1B−1を変形させて回転子SFに回転力を伝達する。また、本実施形態におけるモータ装置MTRは、駆動素子32U1A−1と駆動素子32U1B−1とが協働的に(又は相互作用的に)駆動することによって、駆動素子32U1A−1によって伝達部BTUに加えられる力(例、張力や押圧力)と駆動素子32U1B−1によって伝達部BTUに加えられる力(例、張力や押圧力)とに基づいて回転子SFに対する伝達部BTUの接触状態を調整可能なため、伝達部BTUを介して回転子SFにトルクを伝達する。また、モータ装置MTRは、駆動素子32U1A−1と駆動素子32U1B−1とが協働的に(又は相互作用的に)駆動することによって、伝達部BTUの回転子SFに対する巻き付き角θに基づく回転子SFに対する伝達部BTUの接触状態を調整可能なため、伝達部BTUを介して回転子SFにトルクを伝達する。このように、本実施形態におけるモータ装置MTRは、駆動部32によって回転子SFの径方向に力が伝達部BTの少なくとも一部に加えられた状態(回転力伝達状態)で、伝達部BTを介して回転子SFにトルクが伝達される。
[制御シーケンスの設定]
ここで、制御シーケンスによって設定される制御の期間(制御区間)について説明する。
制御シーケンスには、制御の期間として、伝達過渡期間S1、初期駆動期間S2、主駆動期間S3、復帰期間S4及び停止期間S5が含まれている。なお、制御区間のうち初期駆動期間S2及び主駆動期間S3は、回転子SFを回転させる駆動期間である。
以下、例えば、駆動ユニットACU1−1を駆動する場合について説明する。なお、他の駆動ユニットACにおいても同様であるため、説明を省略する。
まず、伝達過渡期間S1は、伝達部BTが、回転子SFに対して回転力を伝達していない状態から、回転力を伝達している状態にされる過渡的な動作(伝達過渡動作)を行う期間である。以下、駆動ユニットACU1−1が伝達過渡動作を行う場合を説明する。
図6は、駆動ユニットACU1−1が伝達過渡動作を行っている状態を示している。
伝達過渡期間S1は、伝達部BTU1−1が、回転力の伝達を開始する位置(以下、「駆動開始位置」と表記する)にあり、回転子SFに対して回転力を伝達していない状態から開始される。伝達過渡期間S1において、駆動素子32U1A−1は、+X方向に伸びるように駆動されるとともに、駆動素子32U1B−1は、−X方向に伸びるように駆動される。これにより、駆動素子32U1A−1に先端部331aを介して接続されている第1端部211は、+X方向に移動するとともに、駆動素子32U1B−1に先端部341aを介して接続されている第2端部221は、−X方向に移動する。これにより、駆動ユニットACU1−1は、伝達部BTU1−1が、回転子SFに接して、伝達部BTU1−1と、回転子SFとの間において摩擦力が生じる状態にされる。
また、初期駆動期間S2は、伝達過渡期間S1の後に、伝達部BTが、主として回転子SFの駆動トルクを受け渡す動作(初期駆動動作)を行う期間である。なお、初期駆動期間S2は、駆動トルクの受け渡し動作のみが行われる期間、又は駆動トルクの受け渡し動作及び回転子SFを回転させる動作が行われる期間である。なお、回転子SFの駆動トルクは、加速トルクと負荷トルクとの総和で表すことができる。
ここで、少なくとも初期駆動期間S2を含む駆動期間において、例えばU相の伝達部BTU(例、BTU1−1、BTU2−1、など)から、V相の伝達部BTV(例、BTV1−1、BTV2−1、など)に、回転子SFの駆動トルクを受け渡す場合において、駆動トルク受け渡しの動作の概念について説明する。つまり、制御部CONTが、初期駆動期間S2において、駆動部32を用いて伝達部BTU及び伝達部BTVの少なくとも2つの伝達部BTを同時に移動させつつ、伝達部BTUから伝達部BTVに駆動トルクを受け渡す動作の概念について説明する。例えば、V相の伝達部BTVに受け渡す駆動トルクは、以下のように、U相の駆動素子32U1B−1と、V相の駆動素子32V1B−1との間の相対距離Lによって表すことができる。つまり、第1の伝達部(例、BTU1−1)から第2の伝達部(例、BTV1−1)に受け渡す駆動トルクは、第1の駆動素子(例、32U1B−1)と第2の駆動素子(例、32V1B−1)との間の相対距離Lによって表すことができる。
図7及び図8は、この駆動トルク受け渡しの動作の概念を示す図である。図7は駆動トルクの受け渡し開始時の状態を表しており、図8は駆動トルクの受け渡し完了時の状態を表している。
図7及び図8において、バネSP1は、駆動ユニットACU(ACU1−1)及び伝達部BTU(BTU1−1)を含む駆動力伝達系を構成する部材の剛性(以下、「総合剛性」と表現する)に応じた部材のたわみを模式的にバネによって表している。同様に、バネSP2は、駆動ユニットACV(ACV1−1)及び伝達部BTV(BTV1−1)を含む駆動力伝達系を構成する部材の総合剛性に応じた部材のたわみを模式的にバネによって表している。
また、伝達部BTU及び伝達部BTVはそれぞれ回転子SFに巻き掛けられている。伝達部BTUは、バネSP1を介してU相の駆動素子32U1B−1と接続されている。同様に、伝達部BTVは、バネSP2を介してV相の駆動素子32V1B−1と接続されている。回転子SFには負荷LDが与えられている。駆動素子32U1B−1及び駆動素子32V1B−1は、回転子SFを、負荷LDによって生じる負荷トルクの方向と逆の方向に回転させている。ここで、相対距離Lは、バネSP1及び駆動素子32U1B−1が接している面と、バネSP2及び駆動素子32V1B−1が接している面との距離である。
この相対距離Lは、例えば、バネSP1の長さとバネSP2の長さとが同じ場合、相対距離L=0である。この場合は、バネSP1及びバネSP2が均等に回転子SFの駆動トルクを保持していることを示す。また、相対距離Lは、バネSP1の長さがバネSP2の長さよりも短い場合、相対距離L>0である。この場合は、バネSP1が保持している駆動トルクが、バネSP2が保持している駆動トルクよりも大きいことを示す。同様に、相対距離Lは、バネSP1の長さがバネSP2の長さよりも長い場合、相対距離L<0である。この場合は、バネSP1が保持している駆動トルクが、バネSP2が保持している駆動トルクよりも小さいことを示す。
このように相対距離Lを用いて受け渡す駆動トルクを表すことができる。伝達部BTVが回転子SFに接触したとき、相対距離はL1(L1>0)である(図7)。また、駆動トルクの受け渡しが行われて、伝達部BTUと伝達部BTVとが均等に回転子SFの駆動トルクを保持しているとき、相対距離はL0(L0=0)である(図8)。なお、例えば、上記の伝達部BTUから伝達部BTVに受け渡すための駆動トルクの補正量(駆動トルク受け渡し補正量)を算出する場合には、制御部CONTは、上記コントローラなどから取得した目標駆動トルクとトルクセンサや角速度センサなどによって検出された駆動トルク及び角速度とに基づいて、駆動トルク補正値(駆動トルク受け渡し補正量)を算出する。
次に、駆動ユニットACU1−1が初期駆動動作を行う場合を説明する。
図9は、駆動ユニットACU1−1が初期駆動動作を行っている状態を示している。
初期駆動期間S2において、駆動素子32U1A−1は、+X方向に伸びるように駆動される。駆動素子32U1B−1は、+X方向に縮むように駆動される。このとき、第1端部211と第2端部221との間の距離を保つように駆動素子32U1A−1と、駆動素子32U1B−1とが駆動される。これにより、第1端部211と、第2端部221とは、+X方向に移動する。このようにして、駆動ユニットACU1−1は、伝達部BTU1−1が回転子SFに対して回転力を伝達した状態にされて、回転子SFを回転させる。なお、この初期駆動期間S2において、上記した回転子SFの駆動トルクを受け渡す動作(初期駆動動作)が行われる。一例として、この初期駆動期間S2において、第2の伝達部BTV(例、BTV1−1)は、第1の伝達部BTU(例、BTU1−1)から保持させられる駆動トルクに応じて、制御部CONTによって第1の伝達部BTUに対する相対速度を変えて移動させられる。したがって、制御部CONTは、初期駆動期間S2(又は初期駆動動作)において駆動素子32(例、32V1B−1及び32V1B−2)を駆動(例、伸縮)させる速度(第1の駆動速度)を、主駆動期間S3(又は主駆動動作)において駆動素子32(例、32V1B−1及び32V1B−2)を駆動(例、伸縮)させる速度(第2の駆動速度)よりも速くするように制御する。
次に、主駆動期間S3は、初期駆動期間S2の後に、伝達部BTが、回転子SFに対して回転力を伝達した状態にされて、伝達部BTが、回転子SFを回転させる動作(主駆動動作)を行う期間である。以下、駆動ユニットACU1−1が主駆動動作を行う場合を説明する。
主駆動動作において、初期駆動動作と同様に、第1端部211と第2端部221との間の距離を保つように駆動素子32U1A−1と、駆動素子32U1B−1とが駆動される。
これら、初期駆動動作及び主駆動動作により、伝達部BTU1−1と回転子SFとの間に摩擦力が発生し、伝達部BTU1−1の移動によって回転子SFに回転力が伝達される状態(回転力伝達状態)になり、伝達部BTU1−1が移動する。このように、本実施形態のモータ装置MTRは、駆動期間として、初期駆動期間S2と、主駆動期間S3とが設けられている。これにより、初期駆動期間S2は、主駆動期間S3と異なる角速度または駆動トルクによって、回転子SFを回転させるように、駆動条件を設定することができる。
次に、復帰期間S4は、伝達部BTが、回転子SFに対して回転力を伝達していない状態にされて、駆動開始位置に戻される動作(復帰動作)を行う期間である。以下、駆動ユニットACU1−1が復帰動作を行う場合を説明する。
図10は、駆動ユニットACU1−1が復帰動作を行っている状態を示している。
復帰期間S4において、駆動素子32U1A−1は、−X方向に縮むように駆動される。これにより、第1端部211は、−X方向に移動される。このようにして、駆動ユニットACU1−1は、伝達部BTU1−1が回転子SFに対して回転力を伝達していない状態にされて、駆動開始位置に戻される。駆動ユニットACU1−1は、復帰期間S4における復帰動作によって、それまで伝達部BTU1−1に付加されていた有効張力が解除されて、伝達部BTU1−1から回転子SFに回転力が伝達されない状態(回転力非伝達状態)にされる。
なお、復帰期間S4には、伝達部BTが、駆動開始位置に戻された後、回転子SFに対して回転力を伝達していない状態も含まれる。
次に、停止期間S5は、伝達部BTが、駆動開始位置にあり、回転子SFに対して回転力を伝達していない状態にされている期間である。
停止期間S5において、駆動素子32U1A−1及び駆動素子32U1B−1は、駆動されておらず、駆動開始位置にある。
なお、制御シーケンスによっては、停止期間S5は設定されなくてもよい。また、制御シーケンスによっては、停止期間S5は、所要時間を0として設定されてもよい。
このようにして、制御部CONTは、出力する電圧波形によって各駆動ユニットACが有する駆動素子32を伸縮させて、伝達部BTを移動させ、回転子SFを回転させる。
次に、制御シーケンスに設定されている制御区間について説明する。
図11は、U相の駆動ユニットAC、V相の駆動ユニットAC及びW相の駆動ユニットACについての、制御シーケンスの一例を示している。
制御シーケンスは、複数の制御区間が設けられ、U相、V相及びW相ごとに、伝達過渡期間S1、初期駆動期間S2、主駆動期間S3、復帰期間S4、伝達過渡期間S1の順に設定されている。本実施形態においては、停止期間S5を設定していない。本実施形態において、制御シーケンスは、第1の制御区間から第6の制御区間が設けられている。また、制御シーケンスは、U相の駆動ユニットAC、V相の駆動ユニットAC及びW相の駆動ユニットACのうちの、いずれか1相の駆動ユニットACを伝達過渡期間S1として、他の2相を主駆動期間S3とするように設定される。また、制御シーケンスは、3相のうちの1相の駆動ユニットACを初期駆動期間S2とし、残りの2相のうちの1相の駆動ユニットACを復帰期間S4とし、残りの1相の駆動ユニットACを主駆動期間S3とするように設定されている。
図11に示すように、U相の駆動ユニットACの制御シーケンスは、第1の制御区間を伝達過渡期間S1、第2の制御区間を初期駆動期間S2、第3の制御区間から第5の制御区間を主駆動期間S3、第6の制御区間を復帰期間S4にして、それぞれ設定されている。
また、V相の駆動ユニットACの制御シーケンスは、U相と同じ第1の制御区間を主駆動期間S3、第2の制御区間を復帰期間S4、第3の制御区間を伝達過渡期間S1、第4の制御区間を初期駆動期間S2、第5の制御区間から第6の制御区間及び第1の制御区間を主駆動期間S3にして、それぞれ設定されている。
また、W相の駆動ユニットACの制御シーケンスは、U相と同じ第1の制御区間から第3の制御区間を主駆動期間S3、第4の制御区間を復帰期間S4、第5の制御区間を伝達過渡期間S1、第6の制御区間を初期駆動期間S2にして、それぞれ設定されている。
また、制御シーケンスは、U相の駆動ユニットACにおける初期駆動期間S2及び主駆動期間S3(駆動期間)の所要時間の逆数と、U相の駆動ユニットACの伝達部BTが初期駆動期間S2及び主駆動期間S3に移動する距離との積と、回転子SFが回転する角速度とが関連付けて設定されている。
また、図11に示すように、制御シーケンスは、伝達過渡期間S1と、初期駆動期間S2及び主駆動期間S3(駆動期間)と、復帰期間S4とからなる期間の数と、初期駆動期間S2及び主駆動期間S3の制御区間数(期間数)との比が(2N:2N−2)なる関係を有するように設定されている。ここで、Nは少なくとも3以上の整数であり、本実施形態においては、U相、V相及びW相に対応させた数として(N=3)である。つまり、本実施形態において、(2N:2N−2)は、(3:2)である。
また、制御シーケンスは、U相の駆動ユニットACにおける初期駆動期間S2及び主駆動期間S3(駆動期間)とV相の駆動ユニットACにおける初期駆動期間S2及び主駆動期間S3とが重なる期間の期間数と、初期駆動期間S2及び主駆動期間S3の制御区間数(期間数)との比が((N−2):(N−1))となる関係を有するように、伝達過渡動作と駆動動作と復帰動作とが設定されている。ここで、Nは少なくとも3以上の整数であり、本実施形態においては、U相、V相及びW相に対応させて(N=3)である。つまり、本実施形態において、((N−2):(N−1))は、(1:2)である。
また、制御シーケンスは、いずれか1相の伝達部BTが回転子SFから離れる復帰期間S4である場合には、他の2相のうちいずれか1相が初期駆動期間S2になる。したがって、駆動ユニットACの個数が3以上の場合、制御シーケンスは、所定の同じ制御区間において、初期駆動期間S2と復帰期間S4とを有する。初期駆動期間S2において、伝達部BTは、回転子SFを保持したまま回転子SFを回転させる。この場合に、制御シーケンスは、伝達部BTが、初期駆動期間S2において、主駆動期間S3とは異なる角速度または駆動トルクによって、回転子SFを回転させるように、駆動条件が設定されている。
また、制御シーケンスは、いずれの制御区間においても、少なくとも1相の駆動ユニットACが主駆動期間S3になるように設定されている。また、制御シーケンスは、いずれか1相の駆動ユニットACが伝達過渡期間S1である場合には、他の2相の駆動ユニットACが主駆動期間S3になる。主駆動期間S3において、伝達部BTは、回転子SFを保持したまま回転子SFを回転させる。また、制御シーケンスは、複数の制御区間(例、第1〜第7の制御区間など)のうち少なくとも2つの期間(例、第1の制御区間と第2の制御区間、第2の制御区間と第3の制御区間、など)において、N個の駆動ユニットACのうちN−1個以下の駆動ユニットACにおける各々の駆動期間(初期駆動期間S2、主駆動期間S3)の少なくとも一部が互いに重なるように設定されている。例えば、制御シーケンスは、第1の制御区間において、V相の駆動ユニットACにおける主駆動期間S3の少なくとも一部とW相の駆動ユニットACにおける主駆動期間S3の少なくとも一部とが互いに重なるように設定されている。更に、制御シーケンスは、第2の制御区間において、U相の駆動ユニットACにおける初期駆動期間S2の少なくとも一部とW相の駆動ユニットACにおける主駆動期間S3の少なくとも一部とが互いに重なるように設定されている。したがって、制御部CONTは、複数の制御区間のうち少なくとも2つの期間において、一定の個数の伝達部BTを回転子SFに対して回転力伝達状態にして該一定の個数の伝達部BTを移動させる駆動動作を駆動ユニットACに行わせる。例えば、制御部CONTは、第1の制御区間において、V相の駆動ユニットACにおける伝達部BTVとW相の駆動ユニットACにおける伝達部BTWとの2個(N−1個以下)の伝達部BTを回転子SFに対して回転力伝達状態にして伝達部BTV及び伝達部BTWを移動させる駆動動作を行わせる。更に、制御部CONTは、第2の制御区間において、第1の制御区間と同じ一定の個数である2個(N−1個以下)の伝達部BT(U相の駆動ユニットACにおける伝達部BTUとW相の駆動ユニットACにおける伝達部BTW)を回転子SFに対して回転力伝達状態にして伝達部BTU及び伝達部BTWを移動させる駆動動作を行わせる。これらによって、本実施形態におけるモータ装置MTRは、複数の制御区間において、常に一定の個数(N−1個以下)の伝達部BTを用いて回転子SFを回転させることができるため、回転子SFの間欠的な回転を低減でき、回転子SFを円滑に回転させることが可能である。
[制御部CONTの動作]
制御部CONTは、上述したように予め設定され、記憶部52に予め記憶されている各駆動ユニットACの制御シーケンスに基づいて、駆動ユニットACを駆動する。以下、制御部CONTの動作について説明する。
図12は、制御部CONTの動作の一例を示すフローチャートである。
まず、選択部51は、記憶部52に記憶されている制御シーケンスを読み出し、読み出した制御シーケンスに含まれる駆動素子32の複数の駆動条件のうちから、上位装置から入力された目標値に基づいて、いずれかの駆動条件を選択する(ステップS101)。本実施例においては、例えば上位装置から目標値として、回転子SFの角速度が選択部51に入力される。選択部51は、複数の駆動条件のうちから、入力された角速度に関連付けられた駆動条件を各駆動素子32の駆動条件として選択する。これにより、各駆動素子32の駆動電圧及び駆動時間が選択される。
次に、選択部51は、読み出した制御シーケンスに含まれる各駆動素子32の駆動時間に基づいて、次に駆動条件を選択するまでの時間を算出し、算出した時間を記憶部52に記憶させる(ステップS102)。
次に、波形生成部53は、ステップS101において読み出された制御シーケンスに含まれる、各駆動素子32の駆動条件に基づいて、各駆動素子32に対応する電圧波形をそれぞれ生成する(ステップS103)。本実施形態においては、波形生成部53は、24個の駆動素子32に対応する電圧波形を、それぞれ生成する。
次に、出力回路55−1〜55−24は、生成された電圧波形を増幅して、増幅した電圧波形(駆動信号)を対応する駆動素子32に出力する(ステップS104)。
次に、選択部51は、ステップS102において記憶させた時間を読み出し、読み出した時間に基づいて、駆動時間が経過したか否かを判定する(ステップS105)。選択部51は、駆動時間が経過している場合は、ステップS106に手順を進める(ステップS105−Y)。選択部51は、駆動時間が経過していない場合は、駆動素子32の駆動を継続するためステップS103に手順を戻す(ステップS105−N)。
次に、選択部51は、上位装置から目標値を取得し、ステップS101において上位装置から入力された目標値が変化しているか否かを判定する(ステップS106)。選択部51は、目標値が変化している場合には、変化した目標値に基づいて駆動条件を選択するため、ステップS101に手順を戻す(ステップS106−Y)。目標値が変化していない場合には、選択部51は、次の制御区間の制御を行うため、ステップS102に手順を戻す(ステップS106−N)。
このようにして、制御部CONTは、記憶部52に予め記憶されている制御シーケンスに基づいて、駆動ユニットACが有する駆動素子32を繰り返し駆動することによって、回転子SFの回転を制御する。
[保持部HSに生じる摩擦力を低減する構成]
以上説明したように、各駆動ユニットACは、例えば伝達部BTの張力Tによって回転子SFを締め付けた状態にして、伝達部BTを移動させることにより、回転子SFに回転力を与えて、回転子SFを回転させる。この伝達部BTの張力Tは、力の成分として、θZ方向、つまり回転子SFの円周方向に生じる力FCと、回転子SFの軸線に交差する方向、つまりX軸方向に生じる力FXと、Y軸方向に生じる力FYとを有する。これらの力は、例えば、伝達部BTを駆動する駆動素子32の伸縮、つまりX軸方向及びY軸方向の動きをθZ方向の動きに変換して伝達部BTを駆動することにより発生する。本実施形態のモータ装置MTRは、以下に説明するように、これらの力FX及び力FYを低減することで、回転子SFと保持部HSと間に生じる摩擦力を低減させる。
上述した図1に示すように、本実施形態のモータ装置MTRは、回転子SFの軸線の方向、つまりZ軸方向に、駆動ユニットACU1−1と、駆動ユニットACU2−1とが互いに隣り合わせに、1対の駆動ユニットACとして配置されている。図2(a)及び図3(a)において示したように、駆動ユニットACU1−1と駆動ユニットACU2−1とは、それぞれの駆動ユニットACが有する駆動素子32が、互いに回転子SFをθZ方向に180度回転させた位置に配置されている。
図13は、1対の駆動ユニットACが生じさせるX軸方向の力FXと、Y軸方向の力FYを示している。例えば、図13において、駆動ユニットACU1−1は、X軸方向の力FX1と、Y軸方向の力FY1とを生じさせている。また、駆動ユニットACU2−1は、X軸方向の力FX2と、Y軸方向の力FY2とを生じさせている。このとき、上述したように、駆動ユニットACU1−1と駆動ユニットACU2−1とは、制御シーケンスに基づいて同じ動作をする。このため、力FX1と力FX2とは、駆動ユニットACU1−1と駆動ユニットACU2−1との動作によって相殺される。同様に、力FY1と力FY2とは、駆動ユニットACU1−1と駆動ユニットACU2−1との動作によって相殺される。例えば、本実施形態のモータ装置MTRは、駆動ユニットACU1−1と、駆動ユニットACU2−1とが互いに回転子SFの軸線に交差する方向に生じる力を低減させるように、それぞれ配置されている。したがって、本実施形態のモータ装置MTRは、駆動ユニットACの駆動動作によって回転子SFの軸線に交差する方向に生じる力を低減させるように配置された一対の駆動ユニットACUを備える。
また、本実施形態のモータ装置MTRは、駆動ユニットACU1−1及び駆動ユニットACU2−1の組と、駆動ユニットACU1−2及び駆動ユニットACU2−2の組とが、回転子SFの軸線上にある、2つの保持部HSの中点位置を基準として、互いに対称に配置されている。つまり、本実施形態のモータ装置MTRは、回転子SFの軸線の所定位置として2つの保持部HSの中点位置を基準として互いに対称に配置された1対の駆動ユニットACを備えている。このとき、上述したように、駆動ユニットACU1−1及び駆動ユニットACU2−1の組と、駆動ユニットACU1−2及び駆動ユニットACU2−2の組とは、制御シーケンスに基づいて同じ動作をする。つまり、本実施形態のモータ装置MTRは、駆動ユニットACが、回転子SFの軸線に交差する方向、つまりθX方向及びθY方向に生じるモーメントを低減させるようにそれぞれ配置されている。
このようにして、本実施形態のモータ装置MTRは、駆動ユニットACを、上述した図1のように配置することで、回転子SFと保持部HSと間に生じる摩擦力を低減させる。したがって、本実施形態のモータ装置MTRは、駆動ユニットACの駆動動作によって回転子SFの軸線に交差する方向に生じる力を低減させるように配置された一対の駆動ユニットACUを備える。
また、本実施形態のモータ装置MTRは、回転子SFの少なくとも一部に掛けられる伝達部BTと、伝達部BTを移動させる駆動素子32とを有する、少なくともN(Nは3以上の整数)個、例えば少なくともU相、V相、W相の3個の駆動ユニットACとを備えている。また、モータ装置MTRは、駆動動作と、復帰動作と、を含む制御シーケンスに基づいて、駆動素子32を制御する制御部CONTとを備えている。ここで、駆動動作とは、駆動期間において回転子SFと伝達部BTとの間を回転力伝達状態にして伝達部BTを移動させる動作である。また復帰動作とは、復帰期間S4において回転子SFと伝達部BTとの間を回転力非伝達状態にして伝達部BTを所定の位置に戻す動作である。また、駆動動作は、少なくとも初期駆動期間S2における初期駆動動作及び主駆動期間S3における主駆動動作を含んでいる。制御シーケンスは、少なくとも3個(N個)の駆動ユニットACのうち、U相の(第i(1≦i≦N、iは整数))の駆動ユニットACにおける初期駆動動作の開始タイミングと、V相(第j(1≦j≦N、jはiと異なる整数))の駆動ユニットACにおける初期駆動動作の開始タイミングとが、互いに異なるタイミングに設定されている。なお、ここで駆動期間は、初期駆動期間S2及び主駆動期間S3を含む期間である。
これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、伝達部BTによって高いトルクを回転子SFに発生させることができるため、回転子SFに減速機を取り付ける必要がない。したがって、モータ装置MTRは、減速機のバックラッシュによる回転子SFの制御精度の低下を防ぐことができる。また、本実施形態のモータ装置MTRは、伝達部BTが、回転子SFを保持したまま回転子SFを回転させる駆動期間として初期駆動期間S2と主駆動期間S3とを有している。このため、本実施形態のモータ装置MTRは、初期駆動期間S2において、主駆動期間S3とは異なる角速度または駆動トルクによって、回転子SFを回転させるように、制御シーケンスを設定することができる。これによって、モータ装置MTRは、回転子SFの駆動トルクを伝達部BTに円滑に受け渡すことが可能になるため、回転子SFを安定して回転させることができる。また、初期駆動動作の開始タイミングをU相の駆動ユニットACと、V相の駆動ユニットACと、W相の駆動ユニットACとにおいて、互いに異なるタイミングに設定することにより、モータ装置MTRは、途切れなく安定した駆動動作を行うことができる。つまり、モータ装置MTRは、回転子SFの回転力の変動を低減させて、回転子SFを回転させることができる。これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、高精度に回転子SFを制御することができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御シーケンスは、U相(第i)の駆動ユニットACにおける初期駆動動作の開始タイミングと、V相(第j)の駆動ユニットACにおける復帰動作の開始タイミングとが、対応するように設定されている。
これにより、上述したように、伝達部BTは、初期駆動期間S2において、主駆動期間S3とは異なる角速度または駆動トルクによって、回転子SFを円滑に回転させるように、制御シーケンスを設定することができる。このため、モータ装置MTRは、伝達部BTが回転子SFから離れる復帰期間S4において、回転子SFの回転を妨げる摩擦力が、回転子SFと伝達部BTとの間に発生しても、その摩擦力に抗して回転子SFを回転させるように、角速度または駆動トルクを設定することができる。つまり、モータ装置MTRは、回転子SFの回転力の変動を低減させて、回転子SFを回転させることができる。これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、高精度に回転子SFを制御することができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御シーケンスは、少なくとも3個(N個)の駆動ユニットACのうちW相(第k(1≦k≦N、kはiおよびjと異なる整数))の駆動ユニットACにおける主駆動動作において、U相(第i)の駆動ユニットACにおける初期駆動動作を行うように設定されている。
これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、W相の主駆動動作によって回転子SFを目標とする角速度に制御するとともに、U相に主駆動動作とは異なる角速度または駆動トルクによって初期駆動動作を行わせることができる。このため、本実施形態のモータ装置MTRは、主駆動動作によって回転子SFを回転させつつ、初期駆動動作によって回転子SFの回転力の変動を低減させることができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御シーケンスは、W相(第k)の駆動ユニットACにおける初期駆動動作の開始タイミングをU相(第i)の駆動ユニットACにおける初期駆動動作の開始タイミング及びV相(第j)の駆動ユニットACにおける初期駆動動作の開始タイミングと異なるように設定されている。
これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、U相、V相又はW相のいずれの駆動ユニットACにも、回転子SFの回転力の変動を低減させる初期駆動動作を行わせることができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御シーケンスは、少なくとも3個(N個)の駆動ユニットACに対して、初期駆動動作、主駆動動作、及び復帰動作の順序で動作を行うように設定されている。
これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、U相、V相又はW相のすべての相の駆動ユニットACが、順序にしたがって途切れなく回転子SFに回転力を伝えることができる。このため、本実施形態のモータ装置MTRは、高精度に回転子SFを制御することができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御部CONTは、制御シーケンスに含まれる、回転力非伝達状態から回転力伝達状態に移行させる伝達過渡動作を、駆動素子32に行わせ、制御シーケンスは、少なくとも伝達過渡動作、駆動動作、及び復帰動作を動作サイクルとし、少なくとも3個(N個)の駆動ユニットACにおける各々の動作サイクルが互いに時間的にずらして設定されている。
これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、伝達部BTが回転子SFに接しはじめる過渡状態において、上述した伝達過渡動作を行わせることができる。このため、本実施形態のモータ装置MTRは、伝達部BTと回転子SFとの間に生じる摩擦力の変化による回転子SFの角速度及び回転力の変化を低減させることができ、高精度に回転子SFを制御することができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御シーケンスは、少なくとも3個(N個)の駆動ユニットACのうち2個(N−1個)の駆動ユニットACにおいて駆動動作の少なくとも一部が互いに重なるように設定されている。したがって、本実施形態のモータ装置MTRは、少なくとも駆動期間における伝達部BT(駆動ユニットAC)の個数を常に一定にすることができるため、回転子SFが間欠運動することなく、回転子SFを円滑に回転させることができる。
これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、回転力を途切れなく回転子SFに伝えることができる。このため、本実施形態のモータ装置MTRは、伝達部BTと回転子SFとの間に生じる摩擦力の変化による回転子SFの角速度及び回転力の変化を低減させることができ、高精度に回転子SFを制御することができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御部CONTは、少なくとも3個(N個)の駆動ユニットACのうち一方の伝達部BTが保持する駆動トルクの少なくとも一部を少なくとも3個(N個)の駆動ユニットACのうち他方の伝達部BTに保持させるように、初期駆動動作を少なくとも他方の駆動素子32に行わせる。
これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、複数の伝達部BT間において、例えば復帰動作を行う伝達部BTから初期駆動動作を行う伝達部BTに、伝達部BTが保持する回転力を受け渡すことができる。このため、本実施形態のモータ装置MTRは、途切れなく回転子SFに回転力を伝えることができ、高精度に回転子SFを制御することができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRは、各駆動ユニットACを、初期駆動動作、主駆動動作、及び復帰動作の順序によって、少なくともいずれかの駆動ユニットACが主駆動動作を行うように動作させる。
これにより、モータ装置MTRは、途切れなく駆動動作を行うことができる。つまり、モータ装置MTRは、回転子SFの角速度及び回転力の変化を低減させることができる。これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、高精度に回転子SFを制御することができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御部CONTは、制御シーケンスに含まれる、回転力非伝達状態から回転力伝達状態に移行させる伝達過渡動作を、駆動素子32に行わせることを含んでいる。また、制御シーケンスは、少なくとも3個(N個)の駆動ユニットACにおける少なくとも伝達過渡動作の伝達過渡期間S1、初期駆動期間S2及び主駆動期間S3(駆動期間)、及び復帰期間S4を含む区間を制御区間とし、制御区間の期間数と制御区間における初期駆動期間S2及び主駆動期間S3(駆動期間)の期間数との比が6:4(2N:(2N−2))となる関係を有するように、伝達過渡動作と駆動動作と復帰動作とが設定されている。
これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、上述した停止期間S5を設けずに伝達部BTが動作し続けて回転子SFを回転させることができるため、効率よく回転子SFに回転力を伝えることができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御部CONTは、制御シーケンスに含まれる、回転力非伝達状態から回転力伝達状態に移行させる伝達過渡動作を、駆動素子32に行わせることを含んでいる。また、制御シーケンスは、少なくとも3個(N個)の駆動ユニットACにおける少なくとも伝達過渡動作の伝達過渡期間S1、初期駆動期間S2及び主駆動期間S3(駆動期間)、及び復帰期間S4を含む区間を制御区間とし、第iの駆動ユニットACにおける駆動期間と第jの駆動ユニットACにおける初期駆動期間S2及び主駆動期間S3(駆動期間)とが重なる期間の期間数と、制御区間における初期駆動期間S2及び主駆動期間S3(駆動期間)の期間数との比が1:2((N−2):(N−1))となる関係を有するように、伝達過渡動作と駆動動作と復帰動作とが設定されている。
これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、伝達部BTが回転子SFに回転力を伝えることができる初期駆動動作及び主駆動動作を行う時間が、回転力を伝えることができない伝達過渡動作及び復帰動作を行う時間よりも長くなるように、制御シーケンスを設定している。このため、本実施形態のモータ装置MTRは、効率よく回転子SFに回転力を伝えることができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御シーケンスは、U相(第i)の駆動ユニットACにおける初期駆動期間S2及び主駆動期間S3(駆動期間)の所要時間の逆数とU相(第i)の駆動ユニットACの伝達部BTが初期駆動期間S2及び主駆動期間S3(駆動期間)に移動する距離との積と、回転子SFが回転する角速度とが関連付けて設定されている。このため、本実施形態のモータ装置MTRは、上述したように、回転子SFの制御目標値として角速度が与えられた場合に、各駆動素子32の駆動電圧及び駆動時間に基づいて制御すればよく、回転子SFの角速度を取得することなく、回転子SFの角速度を制御することができる。これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、例えば角速度センサなどが不要となり、簡易に回転子SFを制御することができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、複数の駆動ユニットACは、駆動ユニットACの駆動動作により回転子SFの軸線に交差する方向に生じる力を低減させるようにそれぞれ配置されている。また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、複数の駆動ユニットACは、回転子SFの軸線の方向に配列されているとともに、軸線の方向に互いに隣り合った駆動ユニットAC同士の間で力の方向が反対方向を向くようにそれぞれ配置されている。このため、本実施形態のモータ装置MTRは、上述したように、回転子SFをX軸方向及びY軸方向に動かす力FX及び力FYを駆動ユニットAC間において相殺することができる。これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、回転子SFと保持部HSとの間に生じる摩擦力を低減させることができ、高精度に回転子SFを制御することができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、複数の駆動ユニットACは、回転子SFの軸線を中心として等角度ずつずらしてそれぞれ配置されている。また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、複数の駆動ユニットACは、回転子SFの軸線の方向視において、角度を120(360/N)度ずつずらしてそれぞれ配置されている。このため、本実施形態のモータ装置MTRは、上述したように、回転子SFをX軸方向及びY軸方向に動かす力FX及び力FYを駆動ユニットAC間において、θZ方向において均等に相殺することができる。これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、回転子SFと保持部HSとの間に生じる摩擦力を低減することができ、高精度に回転子SFを制御することができる。
また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、複数の駆動ユニットACは、駆動ユニットACの駆動動作により回転子SFの軸線に交差する方向に生じるモーメントを低減させるようにそれぞれ配置されている。また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、複数の駆動ユニットACは、回転子SFの軸線の方向の所定位置を基準として軸線の方向に対称となるようにそれぞれ配置されている。また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、複数の駆動ユニットACは、回転子SFの軸線の所定位置を基準として互いに対称に配置された1対の駆動ユニットACを備える。また、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、回転子SFは、第1支持位置および第2支持位置を含む複数の支持位置で支持されており、所定位置は、第1支持位置と第2支持位置との中点位置である。
これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、上述したように、回転子SFのX軸方向及びY軸方向に発生するモーメントを相殺することができる。これにより、本実施形態のモータ装置MTRは、回転子SFと保持部HSとの間に生じる摩擦力を低減することができ、高精度に回転子SFを制御することができる。
以上、第1の実施形態のモータ装置MTRについて説明したが、駆動ユニットACは、少なくとも3個を備えていればよく、また例示した12個より多くてもよい。この場合、モータ装置MTRに要求される回転子SFのトルクや、設置場所などの制約によって、モータ装置MTRの構成を変えることができる。
なお、制御部CONTは、上位装置から入力された目標値に基づいて、予め記憶されている駆動条件を選択して駆動ユニットACを駆動しているが、これに限られない。例えば、図14に示すように、制御部CONTは、制御シーケンス生成部56を備え、上位装置から入力された目標値に基づいて、制御シーケンスを実時間処理によって生成してもよい。また、制御シーケンス生成部56は、少なくとも伝達過渡動作、駆動動作、及び復帰動作を動作サイクルとし、少なくとも3個(N個)の駆動ユニットACにおける各々の動作サイクルを互いに時間的に調整した駆動条件を含むように、制御シーケンスを生成してもよい。
この場合、回転子SFの制御の目標値に応じて制御シーケンスを生成することができるため、さらに高精度に回転子SFを制御することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態を説明する。
第1の実施形態において説明したように、出力回路65−1に接続されている駆動素子32U1A−1と、駆動素子32U2A−1との各駆動素子32は、制御シーケンスによって同じ動作をする。本実施形態におけるモータ装置MTRは、同じ動作をする駆動素子32を1つの出力回路65によって駆動することができる。
図15は、本実施形態に係るモータ装置MTRの一例を示す概略構成図である。なお、第1の実施形態と同じ構成及び動作については説明を省略する。
制御部CONT2は、出力部64を有している。
出力部64は、各駆動素子32に接続される出力回路65として、出力回路65−1〜65−12を有している。
出力回路65−1は、駆動素子32U1A−1と、駆動素子32U2A−1とに接続されている。出力回路65−2は、駆動素子32U1B−1と、駆動素子32U2B−1とに接続されている。出力回路65−3は、駆動素子32V1A−1と、駆動素子32V2A−1とに接続されている。出力回路65−4は、駆動素子32V1B−1と、駆動素子32V2B−1とに接続されている。出力回路65−5は、駆動素子32W1A−1と、駆動素子32W2A−1とに接続されている。出力回路65−6は、駆動素子32W1B−1と、駆動素子32W2B−1とに接続されている。
また、出力回路65−7は、駆動素子32W1A−2と、駆動素子32W2A−2とに接続されている。出力回路65−8は、駆動素子32W1B−2と、駆動素子32W2B−2とに接続されている。出力回路65−9は、駆動素子32V1A−2と、駆動素子32V2A−2とに接続されている。出力回路65−10は、駆動素子32V1B−2と、駆動素子32V2B−2とに接続されている。出力回路65−11は、駆動素子32U1A−2と、駆動素子32U2B−2とに接続されている。出力回路65−12は、駆動素子32U1B−2と、駆動素子32U2B−2とに接続されている。
つまり、各出力回路65は、2つの駆動素子32にそれぞれ接続されている。
以上説明したように、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御部CONTは、駆動素子32を駆動させる電圧波形(駆動信号)を出力する複数の出力回路65であって、初期駆動動作の開始タイミングに対応した数の出力回路65を有している。
これにより、出力部64が有する出力回路65は、第1の実施形態における出力回路55に比べて、回路数を減らすことができる。したがって、本実施形態におけるモータ装置MTRは、第1の実施形態における制御部CONTと同様に回転子SFを高精度に制御しながら、制御部CONTに比べて小型にすることができる。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態を説明する。
第1の実施形態において説明したように、出力回路65−1に接続されている駆動素子32U1A−1と、駆動素子32U2A−1と、駆動素子32U1A−2と、駆動素子32U2A−2との各駆動素子32は、制御シーケンスによって同じ動作をする。本実施形態におけるモータ装置MTRは、同じ動作をする駆動素子32を1つの出力回路65によって駆動することができる。
図16は、本実施形態に係るモータ装置MTRの一例を示す概略構成図である。なお、第1の実施形態と同じ構成及び動作については説明を省略する。
制御部CONT3は、出力部74を有している。
出力部74は、各駆動素子32に接続される出力回路75として、出力回路75−1〜75−6を有している。
出力回路75−1は、駆動素子32U1A−1と、駆動素子32U2A−1と、駆動素子32U1A−2と、駆動素子32U2A−2とに接続されている。出力回路75−2は、駆動素子32U1B−1と、駆動素子32U2B−1と、駆動素子32U1B−2と、駆動素子32U2B−2とに接続されている。出力回路75−3は、駆動素子32V1A−1と、駆動素子32V2A−1と、駆動素子32V1A−2と、駆動素子32V2A−2とに接続されている。
また、出力回路75−4は、駆動素子32V1B−1と、駆動素子32V2B−1と、駆動素子32V1B−2と、駆動素子32V2B−2とに接続されている。出力回路75−5は、駆動素子32W1A−1と、駆動素子32W2A−1と、駆動素子32W1A−2と、駆動素子32W2B−2とに接続されている。出力回路75−6は、駆動素子32W1B−1と、駆動素子32W2B−1と、駆動素子32W1B−2と、駆動素子32W2B−2とに接続されている。
つまり、各出力回路75は、4つの駆動素子32にそれぞれ接続されている。
以上説明したように、本実施形態のモータ装置MTRにおいて、制御部CONT3は、駆動素子32を駆動させる電圧波形(駆動信号)を出力する複数の出力回路75であって、初期駆動動作の開始タイミングに対応した数の出力回路75を有している。
これにより、出力部74が有する出力回路75は、第1の実施形態における出力回路55及び第2の実施形態における出力回路65に比べて、回路数を減らすことができる。したがって、本実施形態におけるモータ装置MTRは、第1の実施形態における制御部CONTと同様に回転子SFを高精度に制御しながら、制御部CONT及び制御部CONT2に比べて小型にすることができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態として、上記のモータ装置MTRを備えるロボット装置RBTへの適用例を説明する。
図17は、モータ装置MTRを例えばロボットアームARMに適用させた構成を示す図である。本実施形態のロボット装置RBTは、第1の実施形態において説明したモータ装置MTRを備える。
図17に示すように、モータ装置MTRがカップリングCPLを介してロボットアームARMに接続されている。上記実施形態のモータ装置MTRは、上述した制御シーケンスによって駆動ユニットACを制御するため、ロボットアームARMを高精度に駆動させることができる。また、上記実施形態のモータ装置MTRは、ロボットの関節部分や工作機械の駆動ユニットACなどにも応用することができる。これによって、モータ装置MTRは、ロボット装置RBTを高精度に制御することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態では、駆動素子32は例えばピエゾ素子などのような電気機械変換素子を有する構成を例に挙げて説明したが、これに限られることは無く、例えば駆動素子32がピエゾ素子に代えて磁歪素子、電磁石、VCM(ボイスコイルモータ)など、他のアクチュエータを用いる構成であっても構わない。例えば磁歪素子を用いた場合、推力を高くすることができる。電磁石を用いた場合は、高推力、長ストロークの駆動が可能である。VCMを用いた場合、長ストロークの駆動が可能であり、トルク制御が容易となる。
なお、図18に示すように、出力部84は、制御部CONT4とは異なるユニットであり、制御部CONT4と出力部84とを通信線によって接続する構成としてもよい。出力部84は、例えば、増幅回路を備えているため、発熱量が大きくなることがある。制御部CONT4とは別ユニットである出力部84は、例えば、放熱しやすい場所に設置にすることができる。
なお、図1における制御部CONT、又はこの制御部CONTが備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、メモリおよびマイクロプロセッサにより実現させるものであってもよい。
なお、図15における制御部CONT2、図16における制御部CONT3及び図18における制御部CONT4においても同様である。
なお、この制御部CONT、又はこの制御部CONTが備える各部は、専用のハードウェアにより実現されるものであってもよく、また、この制御部CONT、又はこの制御部CONTが備える各部はメモリおよびCPU(中央演算装置)により構成され、制御部CONT、又はこの制御部CONTが備える各部の機能を実現するためのプログラムをメモリにロードして実行することによりその機能を実現させるものであってもよい。
なお、図15における制御部CONT2、図16における制御部CONT3及び図18における制御部CONT4においても同様である。
また、図1における制御部CONT、又はこの制御部CONTが備える各部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、制御部CONT、又はこの制御部CONTが備える各部による処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
なお、図15における制御部CONT2、図16における制御部CONT3及び図18における制御部CONT4においても同様である。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
MTR…モータ装置、AC…駆動ユニット、BT…伝達部、CONT…制御部、CONT2…制御部、CONT3…制御部、HS…保持部(第1支持位置、第2支持位置)、RBT…ロボット装置、SF…回転子、32…駆動素子(駆動部)、65…出力回路

Claims (25)

  1. 回転子の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、前記伝達部を移動させる駆動部とを有する、少なくともN(Nは3以上の整数)個の駆動ユニットと、
    駆動期間において前記回転子と前記伝達部との間を回転力伝達状態にして前記伝達部を移動させる駆動動作と、復帰期間において前記回転子と前記伝達部との間を回転力非伝達状態にして前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作と、を含む制御シーケンスに基づいて、前記駆動部を制御する制御部と
    を備え、
    前記駆動動作は、少なくとも初期駆動期間における初期駆動動作及び主駆動期間における主駆動動作を含み、
    前記制御シーケンスは、
    前記少なくともN個の駆動ユニットのうち、第i(1≦i≦N、iは整数)の駆動ユニットにおける前記初期駆動動作の開始タイミングと、第j(1≦j≦N、jはiと異なる整数)の駆動ユニットにおける前記初期駆動動作の開始タイミングとが、互いに異なるタイミングに設定されている
    ことを特徴とするモータ装置。
  2. 前記制御シーケンスは、
    前記第iの駆動ユニットにおける前記初期駆動動作の開始タイミングと、前記第jの駆動ユニットにおける前記復帰動作の開始タイミングとが、対応するように設定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ装置。
  3. 前記制御シーケンスは、
    前記少なくともN個の駆動ユニットのうち第k(1≦k≦N、kはiおよびjと異なる整数)の駆動ユニットにおける前記駆動動作において、前記第iの駆動ユニットにおける前記初期駆動動作を行うように設定されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のモータ装置。
  4. 前記制御シーケンスは、前記第kの駆動ユニットにおける前記初期駆動動作の開始タイミングを前記第iの駆動ユニットにおける前記初期駆動動作の開始タイミング及び前記第jの駆動ユニットにおける前記初期駆動動作の開始タイミングと異なるように設定されている
    ことを特徴とする請求項3に記載のモータ装置。
  5. 前記制御シーケンスは、前記少なくともN個の駆動ユニットに対して、前記初期駆動動作、前記主駆動動作、及び前記復帰動作の順序で動作を行うように設定されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のモータ装置。
  6. 前記制御部は、前記制御シーケンスに含まれる、前記回転力非伝達状態から前記回転力伝達状態に移行させる伝達過渡動作を、前記駆動部に行わせ、
    前記制御シーケンスは、少なくとも前記伝達過渡動作、前記駆動動作、及び前記復帰動作を動作サイクルとし、前記少なくともN個の駆動ユニットにおける各々の前記動作サイクルが互いに時間的にずらして設定されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のモータ装置。
  7. 前記制御シーケンスは、前記少なくともN個の駆動ユニットのうちN−1個の駆動ユニットにおいて前記駆動動作の少なくとも一部が互いに重なるように設定されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のモータ装置。
  8. 前記制御部は、前記少なくともN個の駆動ユニットのうち一方の前記伝達部が保持する駆動トルクの少なくとも一部を前記少なくともN個の駆動ユニットのうち他方の前記伝達部に保持させるように、前記初期駆動動作を少なくとも前記他方の前記駆動部に行わせる
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載のモータ装置。
  9. 前記制御部は、前記制御シーケンスに含まれる、前記回転力非伝達状態から前記回転力伝達状態に移行させる伝達過渡動作を、前記駆動部に行わせ、
    前記制御シーケンスは、
    前記少なくともN個の駆動ユニットにおける少なくとも前記伝達過渡動作の伝達過渡期間、前記駆動期間、及び前記復帰期間を含む区間を制御区間とし、前記制御区間の期間数と前記制御区間における前記駆動期間の期間数との比が2N:(2N−2)となる関係を有するように、前記伝達過渡動作と前記駆動動作と前記復帰動作とが設定されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載のモータ装置。
  10. 前記制御部は、前記制御シーケンスに含まれる、前記回転力非伝達状態から前記回転力伝達状態に移行させる伝達過渡動作を、前記駆動部に行わせ、
    前記制御シーケンスは、
    前記少なくともN個の駆動ユニットにおける少なくとも前記伝達過渡動作の伝達過渡期間、前記駆動期間、及び前記復帰期間を含む区間を制御区間とし、前記第iの駆動ユニットにおける前記駆動期間と前記第jの駆動ユニットにおける前記駆動期間とが重なる期間の期間数と、前記制御区間における前記駆動期間の期間数との比が(N−2):(N−1)となる関係を有するように、前記伝達過渡動作と前記駆動動作と前記復帰動作とが設定されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載のモータ装置。
  11. 前記制御シーケンスは、
    前記第iの駆動ユニットにおける前記駆動期間の所要時間の逆数と前記第iの駆動ユニットの前記伝達部が前記駆動期間に移動する距離との積と、前記回転子が回転する角速度とが関連付けて設定されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項10までのいずれか一項に記載のモータ装置。
  12. 複数の前記駆動ユニットは、
    前記駆動ユニットの駆動動作により前記回転子の軸線に交差する方向に生じる力を低減させるようにそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項11までのいずれか一項に記載のモータ装置。
  13. 前記複数の駆動ユニットは、
    前記回転子の軸線の方向に配列されているとともに、前記軸線の方向に互いに隣り合った前記駆動ユニット同士の間で前記力の方向が反対方向を向くようにそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項12に記載のモータ装置。
  14. 複数の前記駆動ユニットは、
    前記回転子の軸線を中心として等角度ずつずらしてそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のモータ装置。
  15. 複数の前記駆動ユニットは、前記回転子の軸線の方向視において、角度を360/前記N度ずつずらしてそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか一項に記載のモータ装置。
  16. 複数の前記駆動ユニットは、
    前記駆動ユニットの駆動動作により前記回転子の軸線に交差する方向に生じるモーメントを低減させるようにそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか一項に記載のモータ装置。
  17. 前記複数の駆動ユニットは、
    前記回転子の軸線の方向の所定位置を基準として前記軸線の方向に対称となるようにそれぞれ配置されている
    ことを特徴とする請求項16に記載のモータ装置。
  18. 複数の前記駆動ユニットは、前記回転子の軸線の所定位置を基準として互いに対称に配置された1対の前記駆動ユニットを備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか一項に記載のモータ装置。
  19. 前記回転子は、
    第1支持位置および第2支持位置を含む複数の支持位置で支持されており、
    前記所定位置は、
    前記第1支持位置と前記第2支持位置との中点位置である
    ことを特徴とする請求項17又は請求項18に記載のモータ装置。
  20. 前記制御部は、
    前記駆動部を駆動させる駆動信号を出力する複数の出力回路であって、前記初期駆動動作の開始タイミングに対応した数の前記出力回路を備える
    ことを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか一項に記載のモータ装置。
  21. 回転子の少なくとも一部に掛けられる伝達部と、前記伝達部を移動させる駆動部とを有する、少なくともN(Nは3以上の整数)個の駆動ユニットと、
    複数の制御区間のうち駆動期間において前記回転子と前記伝達部との間を回転力伝達状態にして前記伝達部を移動させる駆動動作と、前記複数の制御区間のうち復帰期間において前記回転子と前記伝達部との間を回転力非伝達状態にして前記伝達部を所定の位置に戻す復帰動作と、を含む制御シーケンスに基づいて、前記駆動部を制御する制御部と
    を備え、
    前記制御シーケンスは、前記複数の制御区間のうち少なくとも2つの期間において、前記N個のうちN−1個以下の前記駆動ユニットにおける各々の前記駆動期間の少なくとも一部が互いに重なるように設定されている
    ことを特徴とするモータ装置。
  22. 前記制御部は、前記複数の制御区間のうち少なくとも2つの期間において、一定の個数の前記伝達部を前記回転子に対して前記回転力伝達状態にして前記一定の個数の前記伝達部を移動させる前記駆動動作を前記駆動ユニットに行わせる
    ことを特徴とする請求項21に記載のモータ装置。
  23. 前記駆動期間は、少なくとも初期駆動期間及び主駆動期間を含み、
    前記制御部は、前記初期駆動期間において、前記回転子を回転させつつ、前記伝達部とは異なる第2の伝達部と前記伝達部とに対して前記回転子に生じた駆動トルクの少なくとも一部を受け渡しさせる受け渡し動作を前記駆動部に行わせる
    ことを特徴とする請求項21又は請求項22に記載のモータ装置。
  24. 前記駆動ユニットの駆動動作によって前記回転子の軸線に交差する方向に生じる力を低減させるように配置された一対の前記駆動ユニットを備える
    ことを特徴とする請求項21から請求項23のいずれか一項に記載のモータ装置。
  25. 請求項1から請求項24のいずれか一項に記載のモータ装置を備えることを特徴とするロボット装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106899227A (zh) * 2017-03-30 2017-06-27 东北林业大学 一种增强型的智能驱动电动机
JP7394492B2 (ja) 2018-12-14 2023-12-08 有限会社メカノトランスフォーマ 弁制御装置、駆動制御装置及び流体制御装置

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