JP2011175256A - 平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法 - Google Patents

平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法 Download PDF

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Abstract

【課題】指紋跡汚れの発生を防止することができる、1液処理が可能な平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法を提供すること。
【解決手段】支持体と(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物及び(D)バインダーポリマーを含有する画像記録層とを有する平版印刷版原版であって、前記支持体表面がヒドロキシカルボン酸塩で処理されているか又は前記支持体に接する層がヒドロキシカルボン酸塩を含有することを特徴とする平版印刷版原版及びこの平版印刷版原版を、pH2〜11の現像液で現像することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法に関し、特に指紋跡汚れ防止性に優れた平版印刷版を提供することができる平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法に関する。
一般に、平版印刷版は、印刷過程でインキを受容する親油性の画像部と、湿し水を受容する親水性の非画像部とからなる。平版印刷は、水と印刷インキが互いに反発する性質を利用して、平版印刷版の親油性の画像部をインキ受容部、親水性の非画像部を湿し水受容部(インキ非受容部)として、平版印刷版の表面にインキの付着性の差異を生じさせ、画像部のみにインキを着肉させた後、紙などの被印刷体にインキを転写して印刷する方法である。
この平版印刷版を作製するため、従来、親水性の支持体上に親油性の感光性樹脂層(感光層、画像記録層)を設けてなる平版印刷版原版(PS版)が広く用いられている。通常は、平版印刷版原版を、リスフィルムなどの原画を通した露光を行った後、画像記録層の画像部となる部分を残存させ、それ以外の不要な画像記録層をアルカリ性現像液又は有機溶剤によって溶解除去し、親水性の支持体表面を露出させて非画像部を形成する方法により製版を行って、平版印刷版を得ている。
近年、画像情報をコンピュータで電子的に処理し、蓄積し、出力する、デジタル化技術が広く普及してきており、このようなデジタル化技術に対応した新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきている。これに伴い、レーザー光のような高収斂性の輻射線にデジタル化された画像情報を担持させて、その光で平版印刷版原版を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接平版印刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート(CTP)技術が注目されてきている。従って、このような技術に適応した平版印刷版原版を得ることが重要な技術課題の一つとなっている。
また、従来の平版印刷版原版の製版工程においては、露光の後、不要な画像記録層を現像液などによって溶解除去する工程が必要であるが、環境及び安全上、より中性域に近い現像液での処理や少ない廃液が課題として挙げられている。特に、近年、地球環境への配慮から湿式処理に伴って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事となっており、上記課題の解決の要請は一層強くなってきている。
上述のように、現像液の低アルカリ化、処理工程の簡素化は、地球環境への配慮と省スペース、低ランニングコストへの適合化との両面から、従来にも増して強く望まれるようになってきている。しかし前述のように、従来の現像処理工程はpH11を超える強アルカリ水溶液で現像した後、水洗浴にてアルカリ剤を流し、その後、親水性樹脂を主とするガム液で処理するという3つの工程からなっており、そのため自動現像機自体も大きくスペースを取ってしまい、更に現像廃液、水洗廃液、ガム廃液処理の問題等、環境及びランニングコスト面での課題を残している。
これに対して、例えば、特許文献1には、アルカリ金属の炭酸塩及び炭酸水素塩を有するpH8.5〜11.5、導電率3〜30mS/cmの現像液で処理する現像方法が提案されているが、水洗及びガム液処理工程を必要としており、環境及びランニングコスト面の課題解決には至らない。
また、特許文献2の実施例にはpH11.9〜12.1の水溶性高分子化合物を含有する処理液による処理が記載されている。しかしながら、この処理により得られた印刷版は、pH12のアルカリが版面に付着したままの状態であり、作業者に対して安全面で問題がある上に、印刷版作成後に印刷までの経時が長くなると画像部が次第に溶解して耐刷性や着肉性の低下を招く。特許文献3にはpH3〜9の水溶性高分子化合物を含有する処理液による処理が記載されている。しかし、この処理液は塩基成分を含まないため、感光層のポリマーを親水性にして現像可能とする必要があり、耐刷性が著しく低下するという問題がある。また、特許文献4には、pH9.5〜14のアルカリ溶液を用いて現像処理した後ガム処理工程を行わない処理方法が記載されているが、現像後の版面がベトつくという問題がある。
更に、特許文献2、4の処理方法においてはガム液処理工程を行わないために、表面保護機能に乏しい。すなわち印刷版の非画像部が外的要因で汚れやすく、特に現像後の印刷版の非画像部を素手で持った際に生じる印刷汚れ(以降、指紋跡汚れともいう)が問題であった。
特開平11−65126号公報 欧州特許出願公開第1868036号明細書 特表2007−538279号公報 国際公開第07/144096号
従って、本発明の目的は、上記従来技術の欠点を克服した平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法を提供することである。具体的には、指紋跡汚れの発生を防止することができる、1液処理も可能な平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法を提供することである。ここで1液処理とは、標準的な処理で最低必要となる現像処理及びガム引き処理を1液で同時に行う処理を意味する。
本発明者は、鋭意検討した結果、下記の構成による平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法により、上記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1) 支持体と(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物及び(D)バインダーポリマーを含有する画像記録層とを有する平版印刷版原版であって、前記支持体表面がヒドロキシカルボン酸塩で処理されているか又は前記支持体に接する層がヒドロキシカルボン酸塩を含有することを特徴とする平版印刷版原版。
(2) 前記支持体に接する層が、中間層であることを特徴とする上記(1)に記載の平版印刷版原版。
(3) 前記支持体に接する層が、前記画像記録層であることを特徴とする上記(1)に記載の平版印刷版原版。
(4) 前記ヒドロキシカルボン酸塩が、分子量600以下であることを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
(5) 前記ヒドロキシカルボン酸塩が有するヒドロキシル基とカルボン酸基の総和が、3以上であることを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、pH2〜11の現像液で現像することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
(7) 前記現像液が、界面活性剤及び水溶性高分子化合物から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする上記(6)に記載の平版印刷版の作製方法。
(8) 前記現像液が、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含有することを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の平版印刷版の作製方法。
(9) 前記現像液が、水溶性アミン化合物及びそのアミン化合物のイオンを含有することを特徴とする上記(6)又は(7)に記載の平版印刷版の作成方法。
(10)上記(6)〜(9)のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法であって、水洗工程を含まないことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
本発明によれば、指紋跡汚れの発生を防止することができる、1液処理が可能な平版印刷版原版及び平版印刷版の作製方法を提供することができる。
また、弱アルカリ性処理液での1液処理が可能になるため、高い安全性、処理工程の簡素化、地球環境への配慮、省スペース、低ランニングコストへの適合等のメリットを提供できる。
自動現像処理機の構造を示す説明図である。
[平版印刷版原版]
本発明に係る平版印刷版原版を詳細に説明する。
本発明に係る平版印刷版原版は、支持体と(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物及び(D)バインダーポリマーを含有する画像記録層とを有する平版印刷版原版であって、前記支持体表面がヒドロキシカルボン酸塩で処理されているか又は前記支持体に接する層がヒドロキシカルボン酸塩を含有することを特徴とする。
本発明に係る平版印刷版原版は、たとえ指紋が付いたとしても印刷汚れにならないか印刷汚れになりにくい平版印刷版を提供することができる。これは、平版印刷版原版を1液処理した場合においても、処理後の平版印刷版の支持体表面にヒドロキシカルボン酸イオンを残存させることができ、残存したヒドロキシカルボン酸イオンが支持体表面に付着することで、指紋中に含まれる油成分の支持体表面への付着を抑制することができるためと考えられる。また、この抑制効果はヒドロキシル基及びカルボン酸基の合計が3以上のときにより大きい。
〔ヒドロキシカルボン酸塩〕
本発明に係る平版印刷版原版に用いられるヒドロキシカルボン酸塩について説明する。ヒドロキシカルボン酸塩はヒドロキシカルボン酸の塩である。
ヒドロキシカルボン酸とは、岩波理化学辞典第4版によれば、ヒドロキシ酸、オキシ酸、オキシカルボン酸、アルコール酸とも呼ばれ、1分子中にカルボキシル基とアルコール性ヒドロキシル基を有する有機化合物の総称のことである。
本発明で用いられるヒドロキシカルボン酸塩は、下記式(I)で表されるものが好ましい。
R(OH)m(COOM)n (I)
式(I)中、Rはm+n価の有機基を表す。Mはアルカリ金属又はオニウムを表す。m及びnは各々1以上の整数である。nが2以上の場合、Mは同じでも異なってもよい。
式(I)において、Rで表されるm+n価の有機基としては、m+n価の炭化水素基等が挙げられる。炭化水素基は置換基及び/又は連結基を有してもよい。炭化水素基としては、脂肪族炭化水素から誘導されるm+n価の基、例えば、アルキレン基、アルカントリイル基、アルカンテトライル基、アルカンペンタイル基、アルケニレン基、アルケントリイル基、アルケンテトライル基、アルケンペンタイル基、アルキニレン基、アルキントリイル基、アルキンテトライル基、アルキンペンタイル基等、芳香族炭化水素から誘導さえるm+n価の基、例えば、アリーレン基、アレーントリイル基、アレーンテトライル基、アレーンペンタイル基等が挙げられる。ヒドロキシル基及びカルボキシル基以外の置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基等が挙げられる。置換基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-メチルブチル基、イソヘキシル基、2-エチルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2-ノルボルニル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、ベンジル基、フェネチル基、α-メチルベンジル基、1-メチル-1-フェニルエチル基、p-メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1-プロペニルメチル基、2-ブテニル基、2-メチルアリル基、2-メチルプロペニルメチル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基、3-ブチニル基、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基、フェノキシカルボニルフェニル基等が挙げられる。また、連結基は、水素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びハロゲン原子から構成されるもので、その原子数は好ましくは1〜50である。具体的には、アルキレン基、置換アルキレン基、アリーレン基、置換アリーレン基などが挙げられ、これらの2価の基がアミド結合、エーテル結合、ウレタン結合、ウレア結合及びエステル結合のいずれかで複数連結された構造を有していてもよい。
Mで表されるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。オニウムとしてはアンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム等が挙げられ、アンモニウムが特に好ましい。
mとnの総数は3以上が好ましく、その上限は10程度が適当である。mとnの総数は3〜8がより好ましく、4〜6が更に好ましい。
本発明で用いられるヒドロキシカルボン酸塩は、分子量が600以下であることが好ましい。600を越える分子量のヒドロキシカルボン酸塩では、指紋跡汚れ防止効果が低下する。ヒドロキシカルボン酸塩の分子量は、より好ましくは500以下であり、特に好ましくは300以下である。
ヒドロキシカルボン酸塩を構成するヒドロキシカルボン酸は、具体的には、グルコン酸、グリコール酸、乳酸、タルトロン酸、ヒドロキシ酪酸(2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、γ−ヒドロキシ酪酸等)、リンゴ酸、酒石酸、シトラマル酸、クエン酸、イソクエン酸、ロイシン酸、メバロン酸、パントイン酸、リシノール酸、リシネライジン酸、セレブロン酸、キナ酸、シキミ酸、モノヒドロキシ安息香酸誘導体(サリチル酸、クレオソート酸(ホモサリチル酸、ヒドロキシ(メチル)安息香酸)、バニリン酸、シリング酸等)、ジヒドロキシ安息香酸誘導体(ピロカテク酸、レソルシル酸、プロトカテク酸、ゲンチジン酸、オルセリン酸等)、トリヒドロキシ安息香酸誘導体(没食子酸等)、フェニル酢酸誘導体(マンデル酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸等)、ヒドロケイヒ酸誘導体(メリロト酸、フロレト酸、クマル酸、ウンベル酸、コーヒー酸、フェルラ酸、シナピン酸、セレブロン酸、カルミン酸等)等が挙げられる。この中でも、カルボン酸基を1個、ヒドロキシル基を2個以上含有しているものとして、グルコン酸、シキミ酸が好ましく、カルボン酸基を2個以上、ヒドロキシル基を1個含有しているものとして、クエン酸、リンゴ酸が好ましく、カルボン酸基及びヒドロキシル基を各々2個以上含有しているものの中では酒石酸が好ましい。その中でも特にグルコン酸、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸が好ましい。
ヒドロキシカルボン酸塩は単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。本発明で用いられるヒドロキシカルボン酸塩はヒドロキシル基とカルボン酸基を共に有することが特徴であり、片方の官能基しか有さない化合物では指紋跡汚れ防止効果が発揮されない。
本発明においては、ヒドロキシカルボン酸塩を中間層に含有させる態様あるいは支持体表面をヒドロキシカルボン酸塩で処理する態様が好ましい。
[支持体]
本発明の平版印刷版原版に用いられる支持体は、特に限定されず、寸度的に安定な板状の親水性支持体であればよい。特に、アルミニウム板が好ましい。アルミニウム板を使用するに先立ち、粗面化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施すことが好ましい。アルミニウム板表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的粗面化処理、電気化学的粗面化処理(電気化学的に表面を溶解させる粗面化処理)、化学的粗面化処理(化学的に表面を選択溶解させる粗面化処理)が挙げられる。これら表面処理に関しては、特開2007−206217号の段落番号〔0241〕〜〔0245〕に記載された方法を好ましく用いることができる。
支持体は、中心線平均粗さが0.10 〜 1.2μmであることが好ましい。この範囲で、支持体に接する層との良好な密着性、平版印刷版における良好な耐刷性と良好な汚れ難さが得られる。
支持体の色濃度は、反射濃度値として0.15 〜 0.65が好ましい。この範囲で、画像露光時のハレーション防止による良好な画像形成性と現像後の良好な検版性が得られる。
支持体の厚さは、0.1〜0.6mmが好ましく、0.15〜0.4mmがより好ましく、0.2〜0.3mmが更に好ましい。
〔支持体の親水化処理〕
本発明の平版印刷版原版においては、非画像部領域の親水性を向上させ印刷汚れを防止するために、支持体表面の親水化処理を行うことも好適である。支持体表面の親水化処理としては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水溶液に浸漬処理又は電解処理するアルカリ金属シリケート処理法、フッ化ジルコン酸カリウムで処理する方法、ポリビニルホスホン酸で処理する方法等が挙げられる。
〔支持体のヒドロキシカルボン酸塩処理〕
本発明の平版印刷版原版の好ましい1態様によれば、支持体の表面がヒドロキシカルボン酸塩で処理されている。支持体の表面処理は、例えば、ヒドロキシカルボン酸塩を含む水溶液を作製し、これに支持体を浸漬するあるいはこれを支持体上に塗布することにより行うことができる。ヒドロキシカルボン酸塩水溶液中のヒドロキシカルボン酸塩の濃度は、適宜設定されるが、浸漬法の場合好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.03〜5質量%である。塗布法の場合、その濃度は好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.02〜15質量%、特に好ましくは0.05〜10質量%である。浸漬温度は好ましくは20〜90℃、より好ましくは20〜75℃、特に好ましくは25〜50℃である。浸漬時間は好ましくは0.1秒〜20分、より好ましくは2秒〜5分、特に好ましくは2秒〜1分である。塗布方法としてはバーコーター塗布が好ましく用いられる。
ヒドロキシカルボン酸塩水溶液には、必要により、後述の中間層に用いられる高分子化合物を添加しもよい。
支持体の表面処理に使用されるヒドロキシカルボン酸塩は前述の通りである。
支持体にヒドロキシカルボン酸塩処理を行う場合には、上記通常の親水化処理を同時に行うこともできる。例えば、親水化処理に使用する化合物をヒドロキシカルボン酸塩水溶液中に添加することにより、親水化処理も同時に行うことができる。
[中間層]
本発明の平版印刷版原版においては、必要に応じて、画像記録層と支持体との間に中間層を設けることができる。中間層は高分子化合物を含有することが出来る。
中間層に用いられる高分子化合物は、支持体表面と相互作用する官能基を有することが好ましい。支持体表面と相互作用する官能基としては、支持体上に存在する金属、金属酸化物、水酸基などと共有結合、イオン結合、水素結合などの形成、極性相互作用などの相互作用が可能な基が挙げられる。なかでも、支持体表面に吸着する官能基(支持体表面への吸着性基)が好ましい。
支持体表面への吸着性の有無に関しては、例えば以下のような方法で判断できる。
試験化合物を易溶性の溶媒に溶解させた塗布液を作成し、その塗布液を乾燥後の塗布量が30mg/m2となるように支持体上に塗布・乾燥させる。試験化合物を塗布した支持体を、易溶性溶媒を用いて十分に洗浄した後、洗浄除去されなかった試験化合物の残存量を測定して支持体吸着量を算出する。ここで残存量の測定は、残存化合物量を直接定量してもよいし、洗浄液中に溶解した試験化合物量を定量して算出してもよい。化合物の定量は、例えば蛍光X線測定、反射分光吸光度測定、液体クロマトグラフィー測定で実施できる。支持体表面への吸着性がある化合物は、上記のような洗浄処理を行っても0.1mg/m2以上残存する化合物である。
支持体表面への吸着性基は、支持体表面に存在する物質(例、金属、金属酸化物)あるいは官能基(例、水酸基)と、化学結合(例、イオン結合、水素結合、配位結合、分子間力による結合)を形成することができる官能基である。吸着性基は、酸基又はカチオン性基が好ましい。
酸基は、酸解離定数(pKa)が7以下であることが好ましい。酸基の例としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、−SOH、−OSOH、−PO、−OPO、−BO、−CONHSO−、−SONHSO−及び−COCHCOCHが挙げられる。なかでも−OPO、−POが特に好ましい。またこれら酸基は、金属塩の形であってもよい。
カチオン性基は、オニウム基であることが好ましい。オニウム基の例としては、アンモニウム基(ピリジニウム基などの環状アンモニウム基を含む)、ホスホニウム基、アルソニウム基、スチボニウム基、オキソニウム基、スルホニウム基、セレノニウム基、スタンノニウム基、ヨードニウム基等が挙げられる。なかでもアンモニウム基、ホスホニウム基及びスルホニウム基が好ましく、アンモニウム基及びホスホニウム基が更に好ましく、アンモニウム基が特に好ましい。
吸着性基としては、リン酸エステル基(その塩を含む)、β−ジケトン基(例、アセチルアセトン基)も好ましい。
以下に、支持体表面への吸着性基の好ましい例を示す。
Figure 2011175256
式中、R11〜R13は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アルキニル基又はアルケニル基である。M及びMは、それぞれ独立に、水素原子、金属原子又はアンモニウム基である。Xはカウンターアニオンである。nは1〜5の整数である。
支持体表面への吸着性基としては、オニウム基、リン酸エステル基及びその塩、ホスホン酸基及びその塩、ホウ酸基及びその塩、β−ジケトン基が特に好ましい。最も好ましくは、リン酸エステル基、ホスホン酸基である。
中間層用高分子化合物に支持体表面と相互作用する官能基を導入するには、例えば、支持体表面と相互作用する官能基を有するモノマーを用いて重合することにより容易に行うことができる。支持体表面と相互作用する官能基を有するモノマーに対応する繰り返し単位は、例えば、下記式(A1)で表される。
Figure 2011175256
式(A1)中、R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又はハロゲン原子を表す。Lは単結合又は−CO−、−O−、−NH−、二価の脂肪族基、二価の芳香族基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。Qは支持体表面と相互作用する官能基を表す。
支持体表面と相互作用する官能基は、上述のものが挙げられる。
Lで表される組み合わせからなる二価の連結基の具体例としては、以下のものを挙げることができる。下記各例において左側が主鎖に結合する。
L1:−CO−NH−二価の脂肪族基−O−CO−
L2:−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L3:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L4:−二価の脂肪族基−O−CO−
L5:−CO−NH−二価の芳香族基−O−CO−
L6:−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L7:−二価の芳香族基−O−CO−
L8:−CO−O−二価の脂肪族基−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L9:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L10:−CO−O−二価の芳香族基−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−
L11:−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−二価の脂肪族基−O−CO−
L12:−CO−O−二価の脂肪族基−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−
L13:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L14:−CO−O−二価の芳香族基−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−
L15:−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−二価の芳香族基−O−CO−
L16:−CO−O−二価の芳香族基−O−CO−NH−二価の脂肪族基−O−CO−
L17:−CO−O−二価の脂肪族基−O−CO−NH−二価の脂肪族基−O−CO−
L18:−CO−NH−
L19:−CO−O−
二価の脂肪族基としては、アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基、置換アルキニレン基又はポリアルキレンオキシ基が挙げられる。なかでもアルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基及び置換アルケニレン基が好ましく、アルキレン基及び置換アルキレン基が更に好ましい。二価の脂肪族基は、環状構造よりも鎖状構造の方が好ましく、更に分岐鎖状構造よりも直鎖状構造の方が好ましい。二価の脂肪族基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15がより好ましく、1〜12が更に好ましく、1〜10が更にまた好ましく、1〜8が特に好ましい。
二価の脂肪族基の置換基の例としては、ハロゲン原子(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、モノアリールアミノ基及びジアリールアミノ基等が挙げられる。
二価の芳香族基としては、アリーレン基又は置換アリーレン基が挙げられる。好ましくは、フェニレン基、置換フェニレン基、ナフチレン及び置換ナフチレン基である。
二価の芳香族基の置換基の例としては、上記二価の脂肪族基の置換基の例に加えて、アルキル基が挙げられる。
支持体表面と相互作用する官能基を有するモノマーの特に好ましい例としては、下記式(VII)又は(VIII)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2011175256
式(VII)又は(VIII)において、R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜6のアルキル基である。R、R及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基であることが更に好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。R及びRは、水素原子であることが特に好ましい。
式(VII)において、Xは、酸素原子(−O−)又はイミノ(−NH−)である。Xは、酸素原子であることが好ましい。
式(VII)又は(VIII)において、Lは、2価の連結基である。Lは、2価の脂肪族基(アルキレン基、置換アルキレン基、アルケニレン基、置換アルケニレン基、アルキニレン基又は置換アルキニレン基)、2価の芳香族基(アリレン基又は置換アリレン基)又は2価の複素環基であるか、あるいはこれらと、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ(−NH−)、置換イミノ(−NR−、ここでRは脂肪族基、芳香族基又は複素環基を表す)又はカルボニル(−CO−)との組み合わせであることが好ましい。
脂肪族基は環状構造又は分岐構造を有していてもよい。脂肪族基の炭素数は、1〜20が好ましく、1〜15が更に好ましく、1〜10が特に好ましい。脂肪族基は不飽和脂肪族基よりも飽和脂肪族基の方が好ましい。脂肪族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、芳香族基及び複素環基を含む。
芳香族基の炭素数は、6〜20が好ましく、6〜15が更に好ましく、6〜10が特に好ましい。芳香族基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を含む。
複素環基は、複素環として5員環又は6員環を有することが好ましい。複素環に他の複素環、脂肪族環又は芳香族環が縮合していてもよい。複素環基は置換基を有していてもよい。置換基の例は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、オキソ基(=O)、チオキソ基(=S)、イミノ基(=NH)、置換イミノ基(=N−R、ここでRは脂肪族基、芳香族基又は複素環基)、脂肪族基、芳香族基及び複素環基を含む。
Lは、複数のポリオキシアルキレン構造を含む2価の連結基であることが好ましい。ポリオキシアルキレン構造はポリオキシエチレン構造であることが更に好ましい。言い換えると、Lは、−(OCHCH)−(nは2以上の整数)を含むことが好ましい。
式(VII)又は(VIII)において、Zは、支持体表面への吸着性基である。支持体表面への吸着性基については、前述の通りである。
式(VIII)において、Yは、炭素原子又は窒素原子である。Yが窒素原子でY上にLが連結し四級ピリジニウム基になった場合、それ自体が吸着性を示すことからZは必須ではない。
以下に、式(VII)又は(VIII)で表されるモノマーの代表的な例を示す。
Figure 2011175256
中間層用高分子化合物は、支持体表面と相互作用する官能基を有するモノマー単位を1種のみ有していてもよいし、2種以上有していてもよい。
中間層用高分子化合物中の支持体表面と相互作用する官能基を有するモノマー単位の含有比率は、高分子化合物が有する全モノマー単位に対し、2〜80モル%が好ましく、2〜70モル%がより好ましく、5〜50モル%が更に好ましく、10〜40モル%が特に好ましい。
中間層用高分子化合物は、更に親水性基を有することが好ましい。親水性基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシル基、カルボキシレート基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ポリオキシエチレン基やポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基、アミノ基、アミノエチル基、アミノプロピル基、アンモニウム基、アミド基、カルボキシメチル基、スルホン酸基及びその塩、ベタイン構造を有する基等が好適に挙げられる。
より好ましい親水性基は、スルホン酸基(−SOH)及びその塩(−SOM(ただし、Mはプロトン(H)以外の対カチオンを表す。))、アミド基(−CONR−(ただし、Rは水素原子又は有機基を表す。))、ポリアルキレンオキシ基、ベタイン構造を有する基である。
ベタイン構造とは、1つの基にカチオン構造とアニオン構造の両方を有し、電荷が中和されている構造である。ベタイン構造におけるカチオン構造としては、特に制限はないが、第四級窒素カチオンが好ましい。ベタイン構造におけるアニオン構造としては、特に制限はないが、−COO、−SO 、−PO 2−又は−POであることが好ましく、−COO又は−SO であることがより好ましい。
更に好ましい親水基は、スルホン酸基及びその塩又はベタイン構造を有する基である。
中間層用高分子化合物に親水性基を導入するには、例えば、親水性基を有するモノマーを用いて重合することにより容易に行うことができる。親水性基を有するモノマーに対応する繰り返し単位は、例えば、下記式(A2)で表される。
Figure 2011175256
式(A2)中、R〜R及びLはそれぞれ前記式(A1)におけるR〜R及びLと同義である。Wは下記基を表す。
Figure 2011175256
上記式中、Mは前記支持体表面への吸着性基に関して記載のMと同義である。R7、8、11、12、14及びR15はそれぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキル基を表す。Rは炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐のアルキレン基を表し、エチレン基が好ましい。R10は水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を表す。nは1〜100の整数を表し、1〜30が好ましい。R13及びR16はそれぞれ独立に、二価の有機基を表し、例えば、二価の脂肪族基、二価の芳香族基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。
親水性基を有するモノマーに対応する繰り返し単位の具体例を以下に示す。
Figure 2011175256
式(A2)で表される親水性基を有する繰り返し単位は、そのlogPが、−3〜3であるのが好ましく、−1〜2であるのがより好ましい。この範囲で、非画像部のより良好な汚れ防止性が得られる。
ここでlogPとは、Medicinal Chemistry Project.Pomona College,Claremont.Californiaで開発され、Daylight Chemical Information System Inc.より入手できるソフトウェアPCModelsを用いて算出した化合物のオクタノール/水分配係数(P)の値の対数である。
中間層用高分子化合物は、親水性基を有するモノマー単位を1種のみの有していても、2種以上有していてもよい。
中間層用高分子化合物中の親水性基を有するモノマー単位の含有比率は、高分子化合物が有する全モノマー単位に対し、30〜98モル%が好ましく、40〜90モル%がより好ましく、50〜90モル%が更に好ましい。
中間層用高分子化合物において、支持体表面と相互作用する官能基を有するモノマー単位に含まれる支持体表面と相互作用する官能基と親水性基を有するモノマー単位に含まれる親水性基とは異なる基であることが好ましい。
中間層用高分子化合物は、更に架橋性基を有することが好ましい。中間層用高分子化合物に架橋性基を導入するには、例えば、架橋性基を有するモノマーを用いて重合することにより容易に行うことができる。また、エチレン性不飽和結合基等の架橋性基を高分子化合物の側鎖中に導入したり、高分子化合物の極性置換基と対荷電を有する置換基とエチレン性不飽和結合基を有する化合物で塩構造を形成させて導入することができる。
架橋性基を有するモノマーに対応する繰り返し単位は、例えば、下記式(A3)で表される。
Figure 2011175256
式(A3)中、R〜Rはそれぞれ前記式(A1)におけるR〜Rと同義である。R〜Rはそれぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子、アシル基又はアシルオキシ基を表す。またRとR又はRとRが連結して環を形成してもよい。Lは−CO−、−O−、−NH−、二価の脂肪族基、二価の芳香族基及びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連結基を表す。
Lで表される組み合わせからなる二価の連結基の具体例としては、前記式(A1)において記載したL1〜L19が挙げられる。各例において左側が主鎖に結合し、右側がエチレン性不飽和結合基に結合する。
前記L1からL19の中では、L1、L3、L5、L7、L17、L18、L19が好ましく、L1、L3、L5、L17がより好ましく、L1、L17が特に好ましい。
中間層用高分子化合物に用いられる架橋性基を有するモノマーの好適な例としては、アクリル酸若しくはメタクリル酸のエステル又はアミドであって、エステル又はアミド残基(−COOR又は−CONHRのR)がエチレン性不飽和結合基を有するモノマーを挙げることができる。
エチレン性不飽和結合基を有する残基(上記R)の例としては、−(CH)CR=CR、−(CHO)CHCR=CR、−(CHCHO)CHCR=CR、−(CH)NH−CO−O−CHCR=CR、−(CH)−O−CO−CR=CR、及び−(CHCHO)−X(式中、R〜Rはそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子又は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、アルコキシ基若しくはアリールオキシ基を表し、RとR又はRとRは互いに結合して環を形成してもよい。nは1〜10の整数を表す。Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)を挙げることができる。
エステルにおけるエチレン性不飽和結合基を有する残基の具体例としては、好ましくは−CHCH=CH、−CHCHO−CHCH=CH、−CHC(CH)=CH、−CHCH=CH−C、−CHCHOCOCH=CH−C、−CHCHNHCOO−CHCH=CH、−CHCHO−X(式中、Xはジシクロペンタジエニル残基を表す。)が挙げられる。
アミドにおけるエチレン性不飽和結合基を有する残基の具体例としては、好ましくは−CHCH=CH、−CHCHO−Y(式中、Yはシクロヘキセン残基を表す。)、−CHCHOCO−CH=CHが挙げられる。
中間層用高分子化合物中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、高分子化合物1g当たり、好ましくは0.1〜10.0mmol、より好ましくは1.0〜7.0mmol、最も好ましくは2.0〜5.5mmolである。この範囲で、良好な感度と耐汚れ性の両立、及び良好な保存安定性が得られる。
中間層用高分子化合物において、架橋性基を有するモノマー単位の含有比率は、高分子化合物が有する全モノマー単位に対し、5〜80モル%が好ましく、5〜60モル%がより好ましく、10〜50モル%が特に好ましい。
ホスホン酸、リン酸などの支持体表面と相互作用する官能基及びエチレン性二重結合反応基を有する高分子化合物は、例えば、特開平2−304441号公報に記載されている。
特に好ましい中間層用高分子化合物としては、支持体表面と相互作用する官能基、親水性基及び架橋性基(好ましくは、エチレン性不飽和結合基)を有する高分子化合物が挙げられる。具体的には、支持体表面と相互作用する官能基を有するモノマー/親水性基を有するモノマー/架橋性基を有するモノマーを共重合した高分子化合物が挙げられる。
中間層用高分子化合物が、支持体表面と相互作用する官能基、親水性基及び架橋性基を有すると、露光部において、支持体と画像記録層の間に強い密着力を発現し、また、高分子化合物が親水性基を有することから、画像記録層が現像除去された非露光部においては、高い親水性を発現する。これにより、露光部の耐刷性と非露光部の耐汚れ性の両立に寄与することができる。
中間層用高分子化合物は、質量平均分子量が5000以上が好ましく、1万〜30万がより好ましく、また、数平均分子量が1000以上が好ましく、2000〜25万がより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10が好ましい。
中間層用高分子化合物は、ランダムポリマー、ブロックポリマー、グラフトポリマー等のいずれでもよいが、ランダムポリマーであることが好ましい。
また、中間層用高分子化合物は、支持体表面に相互作用する官能基を有するモノマー単位、親水性基を有するモノマー単位及び架橋性基を有するモノマー単位以外に、他のモノマー単位を有していてもよい。他のモノマー単位としては、特に制限はなく、公知のモノマーを共重合して得られるモノマー単位であればよい。他のモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステル類や(メタ)アルリル酸アミド類等が挙げられる。
中間層用高分子化合物中の他のモノマー単位の含有比率は、高分子化合物が有する全モノマー単位に対し、40モル%以下が好ましく、30モル%がより好ましく、20モル%以下が更に好ましい。
中間層用高分子化合物は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
中間層の塗布量(固形分)は、0.1〜100mg/mが好ましく、1〜30mg/mがより好ましい。
中間層の形成は、常法により行うことができる。例えば、中間層用高分子化合物など中間層の構成成分を溶剤に溶解して塗布液を調製し、これを支持体に塗布する方法が好ましく用いられる。溶剤としては、水、メタノール、ブタノール等が挙げられる。
本発明の平版印刷版原版の好ましい1態様によれば、中間層がヒドロキシカルボン酸塩を含有する。中間層におけるヒドロキシカルボン酸塩の含有量は、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.02〜15質量%、特に好ましくは0.05〜10質量%である。
中間層にヒドロキシカルボン酸塩を含有させるには、中間層の形成時に塗布液中にヒドロキシカルボン酸塩を添加すればよい。
[画像記録層]
本発明に係る平版印刷版原版の画像記録層(以下、感光層とも云う)は、基本成分として、(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物、(D)バインダーポリマーを含有する。
(A)増感色素
感光層に用いられる増感色素は、画像露光時の光を吸収して励起状態となり、後述する重合開始剤に電子移動、エネルギー移動又は発熱などでエネルギーを供与し、重合開始機能を向上させるものであれば特に限定されない。特に、300〜450nm又は750〜1400nmの波長域に極大吸収を有する増感色素が好ましく用いられる。
300〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素としては、メロシアニン類、ベンゾピラン類、クマリン類、芳香族ケトン類、アントラセン類等を挙げることができる。
300〜450nmの波長域に吸収極大を有する増感色素のうち、高感度の観点からより好ましい色素は下記一般式(IX)で表される色素である。
Figure 2011175256
一般式(IX)中、Aは置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基を表し、Xは酸素原子、硫黄原子又は=N(R)をあらわす。R、R及びRは、それぞれ独立に、一価の非金属原子団を表し、AとR又はRとRはそれぞれ互いに結合して、脂肪族性又は芳香族性の環を形成してもよい。
一般式(IX)について更に詳しく説明する。R、R及びRは、それぞれ独立に、一価の非金属原子団であり、好ましくは、置換若しくは非置換のアルキル基、置換若しくは非置換のアルケニル基、置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の芳香族複素環残基、置換若しくは非置換のアルコキシ基、置換若しくは非置換のアルキルチオ基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子を表す。
一般式(IX)においてAで表される置換基を有してもよい芳香族環基又はヘテロ環基としては、各々R、R及びRで記載した置換若しくは非置換のアリール基、置換若しくは非置換の芳香族複素環残基と同様のものが挙げられる。
このような増感色素の具体例としては特開2007−58170号の段落番号〔0047〕〜〔0053〕に記載の化合物が好ましく用いられる。
更に、下記一般式(V)〜(VI)で示される増感色素も用いることができる。
Figure 2011175256
Figure 2011175256
式(V)中、R〜R14は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。但し、R〜R10の少なくとも1つは炭素数2以上のアルコキシ基を表す。
式(VI)中、R15〜R32は各々独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基又はハロゲン原子を表す。但し、R15〜R24の少なくとも1つは炭素数2以上のアルコキシ基を表す。
このような増感色素の具体例としては、欧州特許出願公開第1349006号やWO2005/029187に記載の化合物が好ましく用いられる。
また、特開2007−171406号、特開2007−206216号、特開2007−206217号、特開2007−225701号、特開2007−225702号、特開2007−316582号、特開2007−328243号に記載の増感色素も好ましく用いることができる。
次に、750〜1400nmの波長域に極大吸収を有する増感色素(以降、赤外線吸収剤とも云う)について述べる。赤外線吸収剤は染料又は顔料が好ましく用いられる。
染料としては、市販の染料及び例えば、「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
これらの染料のうち特に好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。更に、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましく、特に好ましい例として下記一般式(a)で示されるシアニン色素が挙げられる。
Figure 2011175256
一般式(a)中、Xは、水素原子、ハロゲン原子、−NPh、X−L又は以下に示す基を表す。ここで、Xは酸素原子、窒素原子又は硫黄原子を示し、Lは、炭素原子数1〜12の炭化水素基、ヘテロ原子(N、S、O、ハロゲン原子、Se)を有する芳香族基、ヘテロ原子を含む炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。X は後述するZ と同義であり、Rは、水素原子、アルキル基、アリール基、置換又は無置換のアミノ基、ハロゲン原子より選択される置換基を表す。
Figure 2011175256
及びRは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12の炭化水素基を示す。感光層塗布液の保存安定性から、R及びRは、炭素原子数2個以上の炭化水素基であることが好ましい。また、RとRは互いに結合し、5員環又は6員環を形成していることも好ましい。
Ar、Arは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基を示す。好ましい芳香族炭化水素基としては、ベンゼン環基及びナフタレン環基が挙げられる。また、好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下の炭化水素基、ハロゲン原子、炭素原子数12個以下のアルコキシ基が挙げられる。Y、Yは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、硫黄原子又は炭素原子数12個以下のジアルキルメチレン基を示す。R、Rは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素原子数20個以下の炭化水素基を示す。好ましい置換基としては、炭素原子数12個以下のアルコキシ基、カルボキシル基、スルホ基が挙げられる。R、R、R及びRは、それぞれ同じでも異なっていてもよく、水素原子又は炭素原子数12個以下の炭化水素基を示す。原料の入手性から、好ましくは水素原子である。また、Z は、対アニオンを示す。ただし、一般式(a)で示されるシアニン色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZ は必要ない。好ましいZ は、感光層塗布液の保存安定性から、ハロゲンイオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロフォスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
好適に用いることのできる一般式(a)で示されるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号の段落番号〔0017〕〜〔0019〕に記載されたものを挙げることができる。
また、好ましい他の例として、特開2002−278057号に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
増感色素の添加量は、感光層の全固形分100質量部に対し、好ましくは0.05〜30質量部、更に好ましくは0.1〜20質量部、特に好ましくは0.2〜10質量部である。
(B)重合開始剤
感光層は重合開始剤(以下、開始剤化合物とも云う)を含有する。本発明においては、ラジカル重合開始剤が好ましく用いられる。
開始剤化合物としては、当業者間で公知のものを制限なく使用でき、具体的には、例えば、トリハロメチル化合物、カルボニル化合物、有機過酸化物、アゾ化合物、アジド化合物、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ素化合物、ジスルホン化合物、オキシムエステル化合物、オニウム塩化合物、鉄アレーン錯体が挙げられる。なかでも、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、オニウム塩化合物、トリハロメチル化合物及びメタロセン化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましく、特にヘキサアリールビイミダゾール化合物が好ましい。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、特公昭45−37377号、特公昭44−86516号の各公報に記載のロフィンダイマー類、例えば2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(o,o′−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
ヘキサアリールビイミダゾール化合物は、300〜450nmの波長域に極大吸収を有する増感色素と併用して用いられることが特に好ましい。
オニウム塩化合物としては、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、ジアゾニウム塩が好ましく用いられる。特にジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩が好ましく用いられる。
オニウム塩化合物は、750〜1400nmの波長域に極大吸収を有する赤外線吸収剤と併用して用いられることが特に好ましい。
その他の重合開始剤としては、特開2007−206217号の段落番号〔0071〕〜〔0129〕に記載の重合開始剤を好ましく用いることができる。
重合開始剤は単独若しくは2種以上の併用によって好適に用いられる。
感光層中の重合開始剤の使用量は感光層全固形分に対し、好ましくは0.01〜20質量%、より好ましくは0.1〜15質量%、更に好ましくは1.0〜10質量%である。
(C)重合性化合物
感光層に用いられる重合性化合物は、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物などの化学的形態をもつ。モノマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)、そのエステル類、そのアミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と多価アルコール化合物とのエステル類、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類あるいはエポキシ類との付加反応物、及び単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルあるいはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、上記の不飽和カルボン酸を、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキシド(EO)変性トリアクリレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等がある。メタクリル酸エステルとしては、テトラメチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン等がある。また、多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系付加重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記一般式(A)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (A)
(ただし、R4及びR5は、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号公報、特公平2−32293号公報、特公平2−16765号公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号公報、特公昭56−17654号公報、特公昭62−39417号公報、特公昭62−39418号公報に記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
また、特表2007−506125号公報に記載の光−酸化可能な重合性化合物も好適であり、少なくとも1個のウレア基及び/又は第三級アミノ基を含有する重合可能な化合物が特に好ましい。具体的には、下記の化合物が挙げられる。
Figure 2011175256
重合性化合物の構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、最終的な平版印刷版原版の性能設計にあわせて任意に設定できる。重合性化合物は、感光層の全固形分に対して、好ましくは5〜75質量%、更に好ましくは25〜70質量%、特に好ましくは30〜60質量%の範囲で使用される。
(D)バインダーポリマー
感光層はバインダーポリマーを含有する。バインダーポリマーとしては、感光層成分を支持体上に担持可能であり、現像液により除去可能であるものが用いられる。バインダーポリマーとしては、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などが用いられる。特に、(メタ)アクリル系重合体、ポリウレタン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂が好ましく用いられる。
本発明において、「(メタ)アクリル系重合体」とは、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル(アルキルエステル、アリールエステル、アリルエステル、など)、(メタ)アクリルアミド、及び(メタ)アクリルアミド誘導体などの(メタ)アクリル酸誘導体を重合成分として有する共重合体のことを言う。「ポリウレタン樹脂」とは、イソシアネート基を2つ以上有する化合物とヒドロキシル基を2つ以上有する化合物の縮合反応により生成されるポリマーのことをいう。
「ポリビニルブチラール樹脂」とは、ポリ酢酸ビニルを一部又は全て鹸化して得られるポリビニルアルコールとブチルアルデヒドを酸性条件下で反応(アセタール化反応)させて合成されるポリマーのことを言い、更に、残存したヒドロキシ基を酸基等有する化合物と反応させ方法等により酸基等を導入したポリマーも含まれる。
本発明における(メタ)アクリル系重合体の好適な一例としては、酸基を含有する繰り返し単位を有する共重合体が挙げられる。酸基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、スルホンアミド基等が挙げられ、特にカルボン酸基が好ましい。酸基を含有する繰り返し単位としては、(メタ)アクリル酸由来の繰り返し単位や下記一般式(I)で表されるものが好ましく用いられる。
Figure 2011175256
一般式(I)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは単結合又はn+1価の連結基を表す。Aは酸素原子又は−NR−を表し、Rは水素原子又は炭素数1〜10の1価の炭化水素基を表す。nは1〜5の整数を表す。
一般式(I)におけるRで表される連結基は、水素原子、炭素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及びハロゲン原子から構成されるもので、その原子数は好ましくは1〜80である。具体的には、アルキレン基、置換アルキレン基、アリーレン基、置換アリーレン基などが挙げられ、これらの2価の基がアミド結合やエステル結合で複数連結された構造を有していてもよい。Rとしては、単結合、アルキレン基、置換アルキレン基が好ましく、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基、炭素数1〜5の置換アルキレン基がより好ましく、単結合、炭素数1〜3のアルキレン基、炭素数1〜3の置換アルキレン基が特に好ましい。
置換基としては、水素原子を除く1価の非金属原子団を挙げることができ、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アシル基、カルボキシル基及びその共役塩基基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
は水素原子又は炭素数1〜5の炭化水素基が好ましく、水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基がより好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。nは1〜3が好ましく、1又は2がより好ましく、1が特に好ましい。
(メタ)アクリル系重合体の全共重合成分に占めるカルボン酸基を有する共重合成分の割合(モル%)は、現像性の観点から、1〜70%が好ましい。現像性と耐刷性の両立を考慮すると、1〜50%がより好ましく、1〜30%が特に好ましい。
また、例えば、下記一般式(II)で表されるような酸基を導入したポリビニルブチラール樹脂も好ましく用いられる。
Figure 2011175256
一般式(II)において、各繰り返し単位の好ましい比率は、p/q/r/s=50−78モル%/1−5モル%/5−28モル%/5−20モル%である。Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfはそれぞれ独立に水素原子、置換基を有してもよい1価の置換基であり、mは0〜1の整数である。Ra、Rb、Rc、Rd、Re、Rfの好ましい例としては、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、ハロゲン原子、置換基を有してもよいアリール基が挙げられる。更に好ましくは、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基などの直鎖アルキル基、カルボン酸が置換したアルキル基、ハロゲン原子、フェニル基、カルボン酸が置換したフェニル基が挙げられる。Rc及びRd、Re及びRfはそれぞれ結合して環構造を形成することができる。 RcとReの結合する炭素原子及びRdとRfの結合する炭素原子間の結合は、単結合又は二重結合又は芳香族性二重結合であり、二重結合又は芳香族性二重結合の場合、 Rc−Rd又はRe−Rf又はRc−Rf又はRe−Rdはそれぞれ結合して単結合を形成する。
カルボン酸基含有繰り返し単位の好ましい具体例としては、下記の例が挙げられる。
Figure 2011175256
本発明におけるバインダーポリマーの好適な1例である、酸基を含有するポリマーの酸基は、塩基性化合物で中和されていても良く、特に、アミノ基、アミジン基、グアニジン基等の塩基性窒素を含有する化合物で中和されていることが好ましい。更に、塩基性窒素を含有する化合物がエチレン性不飽和基を有することも好ましい。具体的な化合物としては、WO2007/057442号公報記載の化合物が挙げられる。
本発明に用いられるバインダーポリマーは更に架橋性基を有することが好ましい。ここで架橋性基とは、平版印刷版原版を露光した際に感光層中で起こるラジカル重合反応の過程でバインダーポリマーを架橋させる基のことである。このような機能の基であれば特に限定されないが、例えば、付加重合反応し得る官能基としてエチレン性不飽和結合基、アミノ基、エポキシ基等が挙げられる。また光照射によりラジカルになり得る官能基であってもよく、そのような架橋性基としては、例えば、チオール基、ハロゲン基等が挙げられる。なかでも、エチレン性不飽和結合基が好ましい。エチレン性不飽和結合基としては、スチリル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基が好ましい。
バインダーポリマーは、例えば、その架橋性官能基にフリーラジカル(重合開始ラジカル又は重合性化合物の重合過程の生長ラジカル)が付加し、ポリマー間で直接に又は重合性化合物の重合連鎖を介して付加重合して、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。又は、ポリマー中の原子(例えば、官能性架橋基に隣接する炭素原子上の水素原子)がフリーラジカルにより引き抜かれてポリマーラジカルが生成し、それが互いに結合することによって、ポリマー分子間に架橋が形成されて硬化する。
バインダーポリマー中の架橋性基の含有量(ヨウ素滴定によるラジカル重合可能な不飽和二重結合の含有量)は、バインダーポリマー1g当たり、好ましくは0.01〜10.0mmol、より好ましくは0.05〜5.0mmol、特に好ましくは0.1〜2.0mmolである。
バインダーポリマーは、上記酸基を有する重合単位、架橋性基を有する重合単位の他に、(メタ)アクリル酸アルキル又はアラルキルエステルの重合単位を有していてもよい。 (メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキル基は、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基であり、メチル基がより好ましい。(メタ)アクリル酸アラルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。
バインダーポリマーは、質量平均分子量が5000以上であるのが好ましく、1万〜30万であるのがより好ましく、また、数平均分子量が1000以上であるのが好ましく、2000〜25万であるのがより好ましい。多分散度(質量平均分子量/数平均分子量)は、1.1〜10が好ましい。
バインダーポリマーは単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。バインダーポリマーの含有量は、良好な画像部の強度と画像形成性の観点から、感光層の全固形分に対して、5〜75質量%が好ましく、10〜70質量%がより好ましく、10〜60質量%であるのが更に好ましい。
また、重合性化合物とバインダーポリマーの合計含有量は、感光層の全固形分に対して、80質量%以下であることが好ましい。80質量%を超えると、感度の低下、現像性の低下を引き起こす場合がある。より好ましくは35〜75質量%である。
本発明においては、平版印刷版原版の感光層中の重合性化合物とバインダーポリマーの割合を調節することにより、現像液の感光層への浸透性がより向上し、現像性が更に向上する。即ち、感光層中の重合性化合物/バインダーポリマーの質量比は、1以上が好ましく、より好ましくは1〜4.5、最も好ましくは、1〜3である。
<その他の感光層成分>
感光層は、連鎖移動剤を含有することが好ましい。連鎖移動剤としては、例えば、分子内にSH、PH、SiH、GeHを有する化合物群が用いられる。これらは、低活性のラジカル種に水素供与してラジカルを生成するか、若しくは、酸化された後、脱プロトンすることによりラジカルを生成しうる。
感光層には、特に、チオール化合物(例えば、2−メルカプトベンズイミダゾール類、2−メルカプトベンズチアゾール類、2−メルカプトベンズオキサゾール類、3−メルカプトトリアゾール類、5−メルカプトテトラゾール類、等)を連鎖移動剤として好ましく用いることができる。
感光層には、更に、必要に応じて種々の添加剤を含有させることができる。添加剤としては、現像性の促進及び塗布面状を向上させるための界面活性剤、現像性と耐刷性両立の為のマイクロカプセル、現像性の向上やマイクロカプセルの分散安定性向上などのための親水性ポリマー、画像部と非画像部を視認するための着色剤や焼き出し剤、感光層の製造中又は保存中のラジカル重合性化合物の不要な熱重合を防止するための重合禁止剤、酸素による重合阻害を防止するための高級脂肪酸誘導体、画像部の硬化皮膜強度向上のための無機微粒子、現像性向上のための親水性低分子化合物、感度向上の為の共増感剤、可塑性向上のための可塑剤等を添加することができる。これの化合物はいずれも公知のものを使用でき、例えば、特開2007−206217号の段落番号〔0161〕〜〔0215〕に記載の化合物を使用することができる。
本発明の平版印刷版原版の1態様によれば、感光層がヒドロキシカルボン酸塩を含有する。感光層がヒドロキシカルボン酸塩を含有する場合、感光層は支持体上に直接設けられる。感光層に含有されるヒドロキシカルボン酸塩としては、塗布液溶解性の面から特にオニウム塩が好ましい。感光層におけるヒドロキシカルボン酸塩の含有量は、好ましくは0.01〜30質量%、より好ましくは0.02〜20質量%であり、特に好ましくは0.05〜15質量%である。
感光層にヒドロキシカルボン酸塩を含有させるには、感光層の形成時に塗布液中にヒドロキシカルボン酸塩を添加すればよい。
〔感光層の形成〕
感光層は、必要な上記各成分を溶剤に分散又は溶解して塗布液を調製し、塗布して形成される。使用する溶剤としては、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、γ−ブチルラクトン等を挙げることができるが、これに限定されるものではない。溶剤は、単独又は混合して使用される。塗布液の固形分濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
塗布には、種々の方法を用いることができる。例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げられる。
感光層の塗布量(固形分)は、0.3〜3.0g/mが好ましい。
[保護層]
本発明に係る平版印刷版原版は、露光時の重合反応を妨害する酸素の拡散侵入を遮断するため、感光層上に保護層(酸素遮断層)を設けることが好ましい。保護層の材料としては、例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコールを主成分として用いると、酸素遮断性、現像除去性といった基本特性的において、特に良好な結果を与える。
保護層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、アセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を有していても良い。ポリビニルアルコールはポリ酢酸ビニルを加水分解することにより得られる。ポリビニルアルコールの具体例としては、加水分解度が71〜100モル%、重合繰り返し単位数が300〜2400のものをあげることができる。具体的には、株式会社クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8等が挙げられる。ポリビニルアルコールは単独又は混合して使用できる。ポリビニルアルコールの保護層中の含有率は、好ましくは20〜95質量%、より好ましくは30〜90質量%である。
また、公知の変性ポリビニルアルコールも好ましく用いることができる。特に、カルボン酸基又はスルホン酸基を有する酸変性ポリビニルアルコールが好ましく用いられる。
ポリビニルアルコールと混合して使用する成分としては、ポリビニルピロリドン又はその変性物が酸素遮断性、現像除去性の観点から好ましく、その保護層中の含有率は3.5〜80質量%程度、好ましくは10〜60質量%、更に好ましくは15〜30質量%である。
保護層の他の組成物として、グリセリン、ジプロピレングリコール等を高分子化合物に対して数質量%相当量添加して可撓性を付与することができる。また、アルキル硫酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤、アルキルアミノカルボン酸塩、アルキルアミノジカルボン酸塩等の両性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤を高分子化合物に対して数質量%添加することができる。
更に、保護層には、酸素遮断性や感光層表面保護性を向上させる目的で、特開2006−106700号の段落番号〔0018〕〜〔0024〕に記載の無機質の層状化合物を含有させることも好ましい。無機質の層状化合物の中でも、合成の無機質の層状化合物であるフッ素系の膨潤性合成雲母が特に有用である。
保護層の塗布量は、0.05〜10g/mが好ましく、無機質の層状化合物を含有する場合には、0.1〜5g/mが更に好ましく、無機質の層状化合物を含有しない場合には、0.5〜5g/mが更に好ましい。
[バックコート層]
必要に応じて、支持体の裏面にバックコート層を設けることができる。バックコート層としては、例えば、特開平5−45885号公報に記載されている有機高分子化合物、特開平6−35174号公報に記載されている有機金属化合物又は無機金属化合物を加水分解及び重縮合させて得られる金属酸化物からなる層が好適に挙げられる。中でも、Si(OCH、Si(OC、Si(OC、Si(OC等のケイ素のアルコキシ化合物を用いることが、原料が安価で入手しやすい点で好ましい。
[平版印刷版の作製方法]
本発明に係る平版印刷版原版を画像露光して現像処理を行うことで平版印刷版が作製される。
〔画像露光工程〕
平版印刷版原版は、線画像、網点画像等を有する透明原画を通してレーザー露光するかデジタルデータによるレーザー光走査等で画像様に露光される。
光源の波長は300〜450nm又は750〜1400nmが好ましい。300〜450nmの場合は、この領域に吸収極大を有する増感色素を感光層に有する平版印刷版原版が好適に用いられ、750〜1400nmの場合は、この領域に吸収を有する増感色素である赤外線吸収剤を含有する平版印刷版原版が好適に用いられる。波長300〜450nmの光源としては、半導体レーザーが好適である。波長750〜1400nmの光源としては、赤外線を放射する固体レーザー及び半導体レーザーが好適である。露光機構は、内面ドラム方式、外面ドラム方式、フラットベッド方式等のいずれでもよい。
〔現像処理工程〕
現像処理としては、(1)アルカリ現像液(pHが11より大きい)にて現像する方法、(2)pH2〜11の現像液にて現像する方法、(3)印刷機上で、湿し水及び/又はインキを供給しながら現像する方法(機上現像)が挙げられるが、本発明においては、(2)pH2〜11の現像液にて現像する方法が好ましく用いられる。
(1)のアルカリ現像液を用いた従来の現像工程においては、前水洗工程により保護層を除去し、次いでアルカリ現像を行い、後水洗工程でアルカリを水洗除去し、ガム液処理を行い、乾燥工程で乾燥することが必要である。これに対して、pHが2〜11の現像液にて現像する方法では、現像液にて保護層及び非露光部の感光層を一括除去することが可能となる。従って、前水洗工程は特に必要としない。また、現像液中に界面活性剤又は水溶性高分子化合物を含有させることが好ましく、これにより現像−ガム液処理を同時に行うことも可能となる。従って、後水洗工程は特に必要とせず、1液で現像とガム液処理を行ったのち、乾燥工程を行うことができる。現像及びガム処理の後、スクイズローラーを用いて余剰の現像液を除去することが好ましい。
本発明の平版印刷版の作製方法の好ましい態様の1つは、水洗工程を含まないことを特徴としている。ここで、「水洗工程を含まないこと」とは、平版印刷版原版の画像露光工程以降、現像処理工程を経て平版印刷版が作製されるまでの間に、一切の水洗工程を含まないことを意味する。即ち、この態様によれば、画像露光工程と現像処理工程の間のみならず、現像処理工程後も水洗工程を行うことなく平版印刷版が作製される。作製された印刷版は、そのまま、印刷に供することができる。
現像処理は、常法に従って、0〜60℃、好ましくは15〜40℃程度の温度で、例えば、画像露光した平版印刷版原版を現像液に浸漬してブラシで擦る方法、スプレーにより現像液を吹き付けてブラシで擦る方法等により行うことができる。
現像処理は、現像液の供給手段及び擦り部材を備えた自動現像処理機により好適に実施することができる。擦り部材として、回転ブラシローラーを用いる自動現像処理機が特に好ましい。回転ブラシローラーは2本以上が好ましい。自動現像処理機は現像処理手段の後に、スクイズローラー等の余剰の現像液を除去する手段や温風装置等の乾燥手段を備えていることが好ましい。また、自動現像処理機は現像処理手段の前に、画像露光後の平版印刷版原版を加熱処理するための前加熱手段を備えていてもよい。このような自動現像処理機での処理は、機上現像処理の場合に生ずる保護層/感光層に由来の現像カスへの対応から開放されるという利点がある。
本発明の平版印刷版の作製方法に使用される自動現像処理機の1例について、図1を参照しながら簡単に説明する。
図1に示す自動現像処理機100は、機枠202により外形が形成されたチャンバーからなり、平版印刷版原版の搬送路11の搬送方向(矢印A)に沿って連続して形成された前加熱(プレヒート)部200、現像部300及び乾燥部400を有している。
前加熱部200は、搬入口212及び搬出口218を有する加熱室208を有し、その内部には串型ローラー210とヒーター214と循環ファン216とが配置されている。
現像部300は、外板パネル310により前加熱部200と仕切られており、外板パネル310にはスリット状挿入口312が設けられている。
現像部300の内部には、現像液で満たされている現像槽308を有する処理タンク306と、平版印刷版原版を処理タンク306内部へ案内する挿入ローラー対304が設けられている。現像槽308の上部は遮蔽蓋324で覆われている。
現像槽308の内部には、搬送方向上流側から順に、ガイドローラー344及びガイド部材342、液中ローラー対316、ブラシローラー対322、ブラシローラー対326、搬出ローラー対318が並設されている。現像槽308内部に搬送された平版印刷版原版は、現像液中に浸漬され、回転するブラシローラー対322、326の間を通過することにより非画像部が除去される。
ブラシローラー対322、326の下部には、スプレーパイプ330が設けられている。スプレーパイプ330はポンプ(不図示)が接続されており、ポンプによって吸引された現像槽308内の現像液がスプレーパイプ330から現像槽308内へ噴出するようになっている。
現像槽308側壁には、第1の循環用配管C1の上端部に形成されたオーバーフロー口51が設けられており、超過分の現像液がオーバーフロー口51に流入し、第1の循環用配管C1を通って現像部300の外部に設けられた外部タンク50に排出される。
外部タンク50は第2の循環用配管C2が接続され、第2の循環用配管C2中には、フィルター部54及び現像液供給ポンプ55が設けられている。現像液供給ポンプ55によって、現像液が外部タンク50から現像槽308へ供給される。また、外部タンク50内には上限液レベル計52、下限液レベル計53が設けられている。
現像槽308は、第3の循環用配管C3を介して補充用水タンク71に接続されている。第3の循環用配管C3中には水補充ポンプ72が設けられており、この水補充ポンプ72によって補充用水タンク71中に貯留される水が現像槽308へ供給される。
液中ローラー対316の上流側には液温センサ336が設置されており、搬出ローラー対318の上流側には液面レベル計338が設置されている。
現像300と乾燥部400との間に配置された仕切り板332にはスリット状挿通口334が設けられている。また、現像部300と乾燥部400との間の通路にはシャッター(不図示)が設けられ、平版印刷版原版11が通路を通過していないとき、通路はシャッターにより閉じられている。
乾燥部400は、支持ローラー402、ダクト410、412、搬送ローラー対406、ダクト410、412、搬送ローラー対408がこの順に設けられている。ダクト410、412の先端にはスリット孔414が設けられている。また、乾燥部400には図示しない温風供給手段、発熱手段等の乾燥手段が設けられている。乾燥部400には排出口404が設けられ、乾燥手段により乾燥された平版印刷版は排出口404から排出される。
本発明において用いられる現像液は、pHが2〜11の水を主成分(水を60質量%以上含有)とする水溶液であることが好ましい。特に、界面活性剤(アニオン系、ノニオン系、カチオン系、両性イオン系等)を含有する水溶液や、水溶性高分子化合物を含有する水溶液が好ましい。界面活性剤と水溶性高分子化合物の両方を含有する水溶液も好ましい。現像液のpHは、より好ましくは5〜10.7、更に好ましくは6〜10.5、特に好ましくは6.9〜10.3である。
現像液に用いられるアニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホコハク酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテル(ジ)スルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−アルキル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩類、石油スルホン酸塩類、硫酸化ヒマシ油、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が挙げられる。これらの中でも、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルジフェニルエーテル(ジ)スルホン酸塩類が特に好ましく用いられる。
現像液に用いられるカチオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、従来公知のものを用いることができる。例えば、アルキルアミン塩類、第四級アンモニウム塩類、アルキルイミダゾリニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体が挙げられる。
現像液に用いられるノニオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、ポリエチレングリコール型の高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、アルキルナフトールエチレンオキサイド付加物、フェノールエチレンオキサイド付加物、ナフトールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級アルキルアミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ジメチルシロキサン−エチレンオキサイドブロックコポリマー、ジメチルシロキサン−(プロピレンオキサイド−エチレンオキサイド)ブロックコポリマー、多価アルコール型のグリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙げられる。この中でも、芳香環とエチレンオキサイド鎖を有するものが好ましく、アルキル置換又は無置換のフェノールエチレンオキサイド付加物又は、アルキル置換又は無置換のナフトールエチレンオキサイド付加物がより好ましい。
現像液に用いられる両性イオン系界面活性剤としては、特に限定されないが、アルキルジメチルアミンオキシドなどのアミンオキシド系、アルキルベタインなどのベタイン系、アルキルアミノ脂肪酸ナトリウムなどのアミノ酸系が挙げられる。
特に、置換基を有してもよいアルキルジメチルアミンオキシド、置換基を有してもよいアルキルカルボキシベタイン、置換基を有してもよいアルキルスルホベタインが好ましく用いられる。これらの具体例は、特開2008−203359号の段落場号〔0255〕〜〔0278〕、特開2008−276166号の段落場号〔0028〕〜〔0052〕等に記載されているものを挙げることができる。
界面活性剤は2種以上用いてもよい。現像液中における界面活性剤の含有量は、0.01〜20質量%が好ましく、0.1〜10質量%がより好ましい。
現像液に用いられる水溶性高分子化合物としては、大豆多糖類、変性澱粉、アラビアガム、デキストリン、繊維素誘導体(例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、メチルセルロース等)及びその変性体、プルラン、ポリビニルアルコール及びその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド及びアクリルアミド共重合体、ビニルメチルエーテル/無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル/無水マレイン酸共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体などが挙げられる。
上記大豆多糖類は、公知のものが使用でき、例えば市販品として商品名ソヤファイブ(不二製油(株)製)があり、各種グレードのものを使用することができる。好ましくは、10質量%水溶液の粘度が10〜100mPa/secの範囲にあるものである。
上記変性澱粉も、公知のものが使用でき、トウモロコシ、じゃがいも、タピオカ、米、小麦等の澱粉を酸又は酵素等で1分子当たりグルコース残基数5〜30の範囲で分解し、更にアルカリ中でオキシプロピレンを付加する方法等で作ることができる。
水溶性高分子化合物は2種以上を併用することもできる。水溶性高分子化合物の現像液中における含有量は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
現像液には、更にpH緩衝剤を含ませることができる。pH緩衝剤としては、pH2〜11に緩衝作用を発揮する緩衝剤が好ましく、特に限定なく用いることができる。本発明においては、弱アルカリ性の緩衝剤が好ましく用いられ、例えば(a)炭酸イオン及び炭酸水素イオン、(b)ホウ酸イオン、(c)水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物のイオン、及びそれらの併用などが挙げられる。すなわち、例えば(a)炭酸イオン-炭酸水素イオンの組み合わせ、(b)ホウ酸イオン、又は(c)水溶性のアミン化合物-そのアミン化合物のイオンの組み合わせなどが好ましく用いられる。pH緩衝剤は、現像液においてpH緩衝作用を発揮し、現像液を長期間使用してもpHの変動を抑制でき、pHの変動による現像性低下、現像カス発生等を抑制できる。特に好ましくは、炭酸イオン及び炭酸水素イオンの組み合わせあるいは水溶性のアミン化合物-そのアミン化合物のイオンの組み合わせである。
炭酸イオン、炭酸水素イオンを現像液中に存在させるには、炭酸塩と炭酸水素塩を現像液に加えてもよいし、炭酸塩又は炭酸水素塩を加えた後にpHを調整することで、炭酸イオンと炭酸水素イオンを発生させてもよい。炭酸塩及び炭酸水素塩は、特に限定されないが、アルカリ金属塩であることが好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムが挙げられ、ナトリウムが特に好ましい。アルカリ金属は単独でも、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
炭酸イオン及び炭酸水素イオンの総量は、現像液中0.05〜5mol/Lが好ましく、0.1〜2mol/Lがより好ましく、0.2〜1mol/Lが特に好ましい。総量が0.05mol/L以上であると現像性、処理能力が低下せず、5mol/L以下であると沈殿や結晶を生成し難くなり、現像液の廃液処理時、中和の際にゲル化し難くなり、廃液処理に支障をきたさない。
水溶性のアミン化合物は、特に限定されないが、水溶性を促進する基を有する水溶性アミン化合物が好ましい。水溶性を促進する基としてカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基、水酸基などが挙げられる。水溶性のアミン化合物は、これらの基を複数有していても良い。
アミン化合物の水溶性をカルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ホスホン酸基により促進する場合、水溶性のアミン化合物はアミノ酸に該当する。アミノ酸は水溶液中で平衡状態にあり、酸基が例えばカルボン酸基であるとき、平衡状態は下記のように表される。ここでアミノ酸とは、下記のBの状態をいい、アミノ酸のイオンとは、Cの状態を意味する。Cの状態におけるカウンターイオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましい。
Figure 2011175256
カルボン酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例として、グリシン、イミノ二酢酸、リシン、スレオニン、セリン、アスパラギン酸、パラヒドロキシフェニルグリシン、ジヒドロキシエチルグリシン、アラニン、アントラニル酸、トリプトフアン等のアミノ酸、スルファミン酸、シクロヘキシルスルファミン酸、タウリン等の脂肪族アミンスルホン酸、アミノエタンスルフィン酸等の脂肪族アミンスルフィン酸などがある。これらの中で、グリシン及びイミノ二酢酸が好ましい。
ホスホン酸基(ホスフィン酸基も含む)を持つ水溶性のアミン化合物の具体例として、2−アミノエチルホスホン酸、1−アミノエタン−1,1−ジホスホン酸、1−アミノ−1−フエニルメタン−1,1−ジホスホン酸、1−ジメチルアミノエタン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミノペンタメチレンホスホン酸などがある。特に2−アミノエチルホスホン酸が好ましい。
水溶性を促進する基として水酸基を持つ水溶性のアミン化合物は、アルキル基に水酸基を有するアルキルアミンを意味し(下記状態B)、そのイオンとは、アミノ基のアンモニウムイオンを意味する(下記状態A)。
Figure 2011175256
水酸基を持つ水溶性のアミン化合物の具体例として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどがある。これらの中で、トリエタノールアミン及びジエタノールアミンが好ましい。アンモニウムイオンのカウンターイオンとしてはクロルイオンが好ましい。
水溶性のアミン化合物のイオンは、水溶性のアミン化合物の水溶液において発生させることができ、水溶性アミン化合物の水溶液に更にアルカリ又は酸を加えてもよく、また、もともと水溶性のアミン化合物の塩になっている化合物を添加することにより水溶液中に含有させることができる。
水溶性のアミン化合物とそのアミン化合物のイオンの総量は、現像液中0.01〜1mol/Lが好ましく、0.03〜0.7mol/Lがより好ましく、0.05〜0.5mol/Lが特に好ましい。水溶性のアミン化合物及びそのアミン化合物イオンの総量がこの範囲にあると現像性、処理能力が低下せず、一方廃液処理が容易である。
上述のpHの調整に用いることができるアルカリとしては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、有機アルカリ剤、及びそれらの組み合わせなどが挙げられる。また、酸としては、無機酸、例えば塩酸、硫酸、硝酸などを用いることができる。このようなアルカリ又は酸を添加することにより、pHを微調整することができる。
また、アルカリ濃度の微少な調整、感光層非画像部の溶解を補助する目的で、補足的にアルカリ剤、例えば有機アルカリ剤を併用してもよい。有機アルカリ剤としては、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等を挙げることができる。これらの補足的なアルカリ剤は、単独若しくは2種以上を組み合わせて用いられる。
また、現像液には、有機溶剤を含有しても良い。含有可能な有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、アイソパーE、H、G(エッソ化学(株)製)等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、あるいはハロゲン化炭化水素(メチレンジクロライド、エチレンジクロライド、トリクレン、モノクロルベンゼン等)や、極性溶剤が挙げられる。極性溶剤としては、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、メチルフェニルカルビノール、n−アミルアルコール、メチルアミルアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、エチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、乳酸メチル、乳酸ブチル、エチレングリコールモノブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート、レブリン酸ブチル等)、その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフォスフェート、N−フェニルエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン等)等が挙げられる。
有機溶剤が水に不溶な場合は、界面活性剤等を用いて水に可溶化して使用することも可能である。現像液が、有機溶剤を含有する場合は、安全性、引火性の観点から、有機溶剤の濃度は40質量%未満が望ましい。
現像液には、酵素(好ましくは加水分解酵素)を含有してもよい。酵素が導入された現像液にて処理することにより、現像液中にてエチレン性不飽和化合物が加水分解等され、親水性が向上するため、汚れ防止性の向上及び現像カスの発生を抑制することができる。更に、エステル基を加水分解する場合には、極性変換(疎水性から親水性への極性変換)を利用しているため、画像部への現像液浸透が起こりにくくなっており、感度、耐刷性を維持したまま、汚れ防止性の向上及び現像カスの発生を抑制することができる。
本発明に用いられる酵素は、光重合性感光層を有する平版印刷版原版の現像処理における現像カスの発生を抑制する作用を示すものであれば、その種類については特に限定されず、八木達彦ら編「酵素ハンドブック(第3版)」(朝倉書店)に記載されているような群の酵素であれば任意に用いることができる。特に、重合性化合物(エチレン性不飽和化合物)を分解・可溶化させるという目的からは、国際生化学分子生物学連合(IUBMB)酵素委員会の酵素番号(EC番号)のEC3.群に属する加水分解酵素を用いることが好ましい。エチレン性不飽和化合物は多くの場合、炭素原子、水素原子、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子、ハロゲン原子などから構成されることから、カルボン酸エステル結合を加水分解する酵素、リン酸エステルを加水分解する酵素、硫酸エステルを加水分解する酵素、エーテル結合を加水分解する酵素、チオエーテル構造を加水分解する酵素、ペプチド結合を加水分解する酵素、炭素−窒素結合を加水分解する酵素、炭素−炭素結合を加水分解する酵素、炭素−ハロゲン結合を加水分解する酵素等が好ましい酵素として挙げられ、より好ましくは、エステル結合、アミド結合、3級アミノ基、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合、及び、チオウレア結合よりなる群から選択される少なくとも1つを加水分解する酵素である。
これらの中でも、特にEC3.1群(エステル加水分解酵素)、EC3.4群(ペプチド結合加水分解酵素)に属するものが好ましく、EC3.1.1.3(トリアシルグリセロールリパーゼ)、EC3.4.11.1(ロイシンアミノペプチダーゼ(leucyl aminopeptidase))、EC3.4.21.62(サブチリシン(subtilisin))、EC3.4.21.63(オルリジン(oryzin))、EC3.4.22.2(パパイン(papain))、EC3.4.22.32(stem bromelain)、EC3.4.23.18(aspergillo pepsin I)、EC3.4.24.25(ビブリオリシン)、EC3.4.24.27(テルモリシン(thermolysin))、及び、EC3.4.24.28(バシロリシン(bacillolysin))が好ましい。更に、EC3.1.1.3、EC3.4.21.14、EC3.4.21.62、EC3.4.21.63が最も好ましい。
更に、前述した通り、本発明において、現像液のpHは、現像性と環境の面から、2〜11が好ましく、5〜10.7がより好ましく、6〜10.5が更に好ましく、6.9〜10.3が特に好ましい。
この観点から、酵素としては、アルカリ酵素が好ましく用いられる。ここでアルカリ酵素とは至適pH領域がアルカリ性にある酵素であり、至適pH領域を7.0〜11.0に有する酵素が好ましく、至適温度領域を20℃〜60℃に有する酵素が好ましく、30℃〜55℃に有する酵素がより好ましい。
具体的には、アルカリプロテアーゼ、アルカリリパーゼ等、アルカリ条件下において主に重合性化合物のエステル基の加水分解が可能な酵素が好ましい。アルカリプロテアーゼとしては、Bacillus subtilis、Aspergillus oryzae、Bacillus stearothermophilus、パパイヤラテックス、パパイヤ、Ananas comosus M、Pig pancreas、Bacillus licheniformis、Aspergillus melleus、Aspergillus sp.、Bacillus lentus、Bacillus sp.、Bacillus clausii、アルカリリパーゼとしては、Candida cylindracea、Humicola lanuginosa、Psudomonas、Mucor sp.,Chromobacterium viscosum、Rhizopus japonics、Aspergillus niger、Mucor javanicus、Penicillium camemberti、Rhizopus oryzae、Candida rugosa、Penicillium roqueforti、Rhizopus delemar、Psendomonas sp.、Aspergillus sp.、Rhizomucor miehei、Bacillus sp.、Alcaligenes sp.等の微生物起源のものがある。
より具体的な態様として、リパーゼPL、リパーゼQLM、リパーゼSL、リパーゼMY、リパーゼOF(以上、明糖産業(株)製)、ニューラーゼF3G、リパーゼA「アマノ」6、リパーゼAY「アマノ」30G、リパーゼG「アマノ」50、リパーゼR「アマノ」、リパーゼAS「アマノ」、ウマミザイムG、パパインW−40、プロテアーゼA「アマノ」G、プロテアーゼN「アマノ」G、プロテアーゼNL「アマノ」、プロテアーゼP「アマノ」3G、プロテアーゼS「アマノ」G、プロメラインF、プロレザーFG−F、ペプチターゼR、サモアーゼPC10F、プロチンSD−AC10F、プロチンSD−AY10、プロチンSD−PC10F、プロチンSD−NY10、膵臓性消化酵素TA、プロザイム、プロザイム6、セミアルカリプロティナーゼ、リパーゼAYS「アマノ」、リパーゼPS「アマノ」SD、リパーゼAK「アマノ」、リパーゼPS「アマノ」IM、プロテアーゼN「アマノ」、プロテアーゼS「アマノ」、アシラーゼ「アマノ」、D−アミノアシラーゼ「アマノ」等(以上、天野エンザイム(株)製)や、アルカラーゼ、エスペラーゼ、サビナーゼ、エバラーゼ、カンナーゼ、リポラーゼ、ライペックス、NS44020、NS44120、NS44060、NS44114、NS44126、NS44160等(以上ノボザイムズジャパン社製)、アルカリ性プロテアーゼ(タケダ化学工業(株)製)、アロアーゼXA−10(ヤクルト薬品工業(株))、アルカリプロテアーゼGL、プロテックス 6L、ピュラフェクト、ピュラフェクト OX、プロペラーゼ、プロテックス OXG、プロテックス 40L(以上ジェネンコア協和(株))、スミチームMP(新日本化学工業(株))、ビオブラーゼ OP、ビオブラーゼ AL−15KG、ビオブラーゼ 30G、ビオブラーゼ APL−30、ビオブラーゼ XL−416F、ビオブラーゼ SP−20FG、ビオブラーゼ SP−4FG、プロテアーゼ CL−15(以上ナガセケムテックス(株))、オリエンターゼ(エイチビィアイ(株))、エンチロンSA(洛東化成工業(株))等が挙げられる。
酵素の導入方法としては、現像液中に直接投入しても、平版印刷版処理時に投入しても構わない。また、現像液に酵素を供給しながら現像処理を行ってもよい。
酵素の添加量は、酵素固形分として現像液全量に対して0.0001重量%〜5重量%が好ましく、0.001重量%〜1重量%が更に好ましく、0.001重量%〜0.3重量%が特に好ましい。
現像液には上記成分の他に、防腐剤、キレート化合物、消泡剤、有機酸、無機酸、無機塩などを含有させることができる。具体的には、特開2007−206217号の段落番号〔0266〕〜〔0270〕に記載の化合物を好ましく用いることができる。
現像液は、露光された平版印刷版原版の現像液及び現像補充液として用いることができる。また、前述の自動現像処理機に好ましく適用することができる。自動現像処理機を用いて現像する場合、処理量に応じて現像液が疲労してくるので、補充液又は新鮮な現像液を用いて処理能力を回復させてもよい。
本発明の平版印刷版の作製方法においては、必要に応じ、露光前、露光中、露光から現像までの間に、平版印刷版原版の全面を加熱してもよい。この様な加熱により、感光層中の画像形成反応が促進され、感度や耐刷性の向上や感度の安定化といった利点が生じる。更に、画像強度、耐刷性の向上を目的として、現像後の画像に対して、全面後加熱若しくは全面露光を行うことも有効である。通常、現像前の加熱は150℃以下の穏和な条件で行うことが好ましい。温度が高すぎると、未露光部が硬化してしまう等の問題を生じ得る。現像後の加熱には非常に強い条件を利用する。通常は100〜500℃の範囲である。温度が低いと十分な画像強化作用が得られず、高すぎる場合には支持体の劣化、画像部の熱分解といった問題を生じ得る。
以下に実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下の実施例において、特に記載がない限り、ポリマーにおけるモノマー単位の割合はモル比であり、また、分子量は質量平均分子量である。
〔実施例1〜91及び比較例1〜19〕
<支持体1〜3の作製>
厚さ0.3mmのアルミニウム板(JIS A1050)を用いて以下の表面処理を行なった。
(a)機械的粗面化処理
比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密に植毛したものである。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
(b)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、下記硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。電流密度は電流のピーク値で30A/dm、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dmであった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
(f)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。電解槽はラジアルセルタイプのものを使用した。電流密度は電流のピーク値で25A/dm、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dmであった。その後、スプレーによる水洗を行った。
(h)陽極酸化処理
二段給電電解処理法の陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電極部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/mであった。
上記(a)〜(h)工程を全て実施したアルミニウム板を支持体1、(d)〜(h)工程のみを実施したアルミニウム板を支持体2、(d)〜(f)及び(h)工程のみを実施したアルミニウム板を支持体3とした。各支持体の中心線平均粗さ(JIS B0601によるRa表示)を直径2μmの針を用いて測定したところ、支持体1は0.52μm、支持体2は0.28μm、支持体3は0.25μmであった。
<支持体4の作製>
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を65℃に保たれた5質量%水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、1分間の脱脂処理を行った後、水洗した。このアルミニウム板を、25℃に保たれた10質量%塩酸水溶液中に1分間浸漬して中和した後、水洗した。次いで、このアルミニウム板を、0.3質量%の塩酸水溶液中で、25℃、電流密度100A/dmの条件下に交流電流により60秒間電解粗面化を行った後、60℃に保たれた5質量%水酸化ナトリウム水溶液中で10秒間デスマット処理を行った。このアルミニウム板を、15質量%硫酸水溶液溶液中で、25℃、電流密度10A/dm、電圧15Vの条件下に1分間陽極酸化処理を行い支持体4を作製した。その中心線平均粗さ(JIS B0601によるRa表示)を測定したところ、0.44μmであった。
<表面処理支持体5〜20の作製>
支持体1〜4に対して、下記の表面処理液(40℃)に10秒間浸漬し、20℃の水道水で2秒間洗浄し、100℃で10秒間乾燥して支持体の表面処理を行い、表面処理支持体5〜20を作製した。
(表面処理液)
ポリビニルホスホン酸 4g
表1に記載のヒドロキシカルボン酸塩又は比較用化合物 0.4g
水道水 1000g
Figure 2011175256

<中間層の形成>
支持体1〜4に下記の中間層塗布液1を、バーコーターを用いて乾燥塗布量が12mg/mとなるように塗布し、80℃で20秒間乾燥して中間層21〜30を形成した。
〔中間層塗布液1〕
下記ポリマー(SP1) 1.9g
表2に記載のヒドロキシカルボン酸塩 0.2g
純水 60.0g
メタノール 939.7g
Figure 2011175256
支持体3に下記の中間層塗布液2を、バーコーターを用いて乾燥塗布量が12mg/mとなるように塗布し、100℃で20秒間乾燥して中間層31及び32を形成した。
〔中間層塗布液2〕
下記ポリマー(SP2) 1.6g
表2に記載のヒドロキシカルボン酸塩 0.1g
純水 1000.0g
Figure 2011175256
支持体3に下記の中間層塗布液3を、バーコーターを用いて乾燥塗布量が12mg/mとなるように塗布し、100℃で20秒間乾燥して中間層33〜42を形成した。
〔中間層塗布液3〕
下記ポリマー(SP3) 0.87g
下記ポリマー(SP4) 0.73g
表2に記載のヒドロキシカルボン酸塩又は比較用化合物 0.1g
純水 1000.0g
Figure 2011175256
Figure 2011175256
<感光層の形成>
下記組成の感光層塗布液1を乾燥塗布質量が1.4g/mとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて感光層1〜7を形成した。
〔感光層塗布液1〕
重合性化合物(下記化合物A) 4.0 質量部
バインダーポリマー(下記バインダーA)(質量平均分子量:3万)2.0 質量部
下記増感色素(C−1) 0.32質量部
下記重合開始剤(D−1) 0.61質量部
表3に記載のヒドロキシカルボン酸塩 0.10質量部
下記連鎖移動剤(E−1) 0.57質量部
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩 0.020質量部
ε―フタロシアニン顔料分散物 0.71質量部
(顔料:15質量%、分散剤 下記ポリマー(1)(質量平均分子量:6万):10質量%、溶剤:シクロヘキサノン/メトキシプロピルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15質量%/20質量%/40質量%)
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF780 0.016質量部
(大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 47質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 45質量部
Figure 2011175256
Figure 2011175256
下記組成の感光層塗布液2をバー塗布した後、90℃、60秒間オーブン乾燥し、乾燥塗布量1.3g/mの感光層8〜15を形成した。
〔感光層塗布液2〕
下記バインダーポリマー(1)(質量平均分子量:5万) 0.04g
下記バインダーポリマー(2)(質量平均分子量:8万) 0.30g
下記重合性化合物(2) 0.17g
(PLEX6661−O、デグサジャパン製)
重合性化合物(上記化合物A) 0.51g
表3に記載のヒドロキシカルボン酸塩又は比較用化合物 0.01g
下記増感色素(1) 0.03g
下記増感色素(2) 0.015g
下記増感色素(3) 0.015g
下記重合開始剤(1) 0.13g
連鎖移動剤 0.01g
メルカプトベンゾチアゾール
ε―フタロシアニン顔料の分散物 0.40g
(顔料:15質量部、分散剤(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体
(質量平均分子量:6万、共重合モル比:83/17)):10質量部、
シクロヘキサノン:15質量部)
熱重合禁止剤 0.01g
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩
下記フッ素系界面活性剤(1)(質量平均分子量:1万) 0.001g
1−メトキシ−2−プロパノール 3.5g
メチルエチルケトン 8.0g
Figure 2011175256
Figure 2011175256
Figure 2011175256
Figure 2011175256

<保護層の形成>
下記組成の保護層塗布液1をバー塗布した後、125℃で70秒間乾燥し、乾燥塗布量1.8g/mの保護層1を形成した。
〔保護層塗布液1〕
下記雲母分散液 0.6g
スルホン酸変性ポリビニルアルコール 0.8g
(ゴーセランCKS−50、日本合成化学(株)製(鹸化度:
99モル%、平均重合度:300、変性度:約0.4モル%))
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))(分子量:7万)0.001g
界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.002g
水 13g
(雲母分散液)
水368gに合成雲母(ソマシフME−100、コープケミカル社製、アスペクト比:1000以上)32gを添加し、ホモジナイザーを用いて平均粒径(レーザー散乱法)0.5μmになる迄分散し、雲母分散液を得た。
下記組成の保護層塗布液2をバー塗布した後、120℃で70秒間乾燥し、乾燥塗布量1.25g/mの保護層2を形成した。
〔保護層塗布液2〕
PVA−205 0.658g
(部分加水分解ポリビニルアルコール、クラレ(株)製(鹸化度:
86.5−89.5モル%、粘度:4.6−5.4mPa・s
(20℃、4質量%水溶液中))
PVA−105 0.142g
(完全加水分解ポリビニルアルコール、クラレ(株)製(鹸化度:
98.0−99.0モル%、粘度=5.2−6.0mPa・s
(20℃、4質量%水溶液中))
ポリ(ビニルピロリドン/酢酸ビニル(1/1))(分子量7万)0.001g
界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製) 0.002g
水 13g
上記表面処理支持体5〜20、中間層21〜42、感光層1〜15、保護層1〜2を、下記表4〜6に示すように組み合わせて種々の平版印刷版原版を作製した。
〔露光、現像及び印刷〕
各平版印刷版原版を、FFEI製Violet半導体レーザープレートセッターVx9600(InGaN系半導体レーザー(発光波長405nm±10nm/出力30mW)を搭載)により画像露光した。画像露光は、解像度2438dpiで、富士フイルム(株)製FMスクリーン(TAFFETA 20)を用い、50%の平網を版面露光量0.05mJ/cmで行なった。
次いで、下記組成の各現像液を用い、図1に示すような構造の自動現像処理機にて現像処理を実施した。プレヒート部の温度は110℃であった。現像液の温度は25℃であった。平版印刷版原版の搬送は、搬送速度100cm/minで行った。現像処理後、乾燥部にて乾燥を行った。乾燥温度は80℃であった。
〔現像液1〕
界面活性剤−1(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンLPB−R)150質量部
界面活性剤−2(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンLAO) 40質量部
キレート剤 エチレンジアミンコハク酸 三ナトリウム
(InnoSpec specialty chemicals社製:オクタクエストE30) 6.8質量部
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール 0.25質量部
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.25質量部
シリコーン系消泡剤(GE東芝シリコーン(株)社製:TSA739) 1.5質量部
炭酸ナトリウム 10.6質量部
炭酸水素ナトリウム 5.2質量部
水 785.4質量部
(水酸化ナトリウム及び塩酸によりpHを9.8に調整)
〔現像液2〕
界面活性剤−1(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンLPB−R)150質量部
界面活性剤−2(川研ファインケミカル(株)製:ソフタゾリンLAO) 40質量部
キレート剤 エチレンジアミンコハク酸 三ナトリウム(InnoSpec specialty chemicals社製:オクタクエストE30) 6.8質量部
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール 0.25質量部
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.25質量部
シリコーン系消泡剤(GE東芝シリコーン(株)社製:TSA739)1.5質量部
グルコン酸ナトリウム 15質量部
炭酸ナトリウム 10.6質量部
炭酸水素ナトリウム 5.2質量部
水 770.4質量部
(水酸化ナトリウム及び塩酸によりpHを9.8に調整)
〔現像液3〕
水 88.6質量部
下記ノニオン系界面活性剤(W−1) 2.4質量部
下記ノニオン系界面活性剤(W−2) 2.4質量部
ノニオン系界面活性剤(エマレックス710、日本エマルジョン(株)製)1.0質量部
フェノキシプロパノール 1.0質量部
オクタノール 0.6質量部
N−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン 1.0質量部
トリエタノールアミン 0.5質量部
グルコン酸ナトリウム 1.0質量部
クエン酸3ナトリウム 0.5質量部
エチレンジアミンテトラアセテート4ナトリウム塩 0.05質量部
ポリスチレンスルホン酸(Versa TL77(30%溶液)、 1.0質量部
Alco chemical社製)
(リン酸によりpHを6.9に調整)
Figure 2011175256
得られた平版印刷版を、ハイデルベルグ社製印刷機SOR−Mに取り付け、湿し水(EU−3(富士フイルム(株)製エッチ液)/水/イソプロピルアルコール=1/89/10(容量比))とTRANS−G(N)墨インキ(大日本インキ化学工業(株)製)とを用い、毎時6000枚の印刷速度で印刷を行った。
〔評価〕
各平版印刷版を用いて、指紋跡汚れ防止性、非画像部汚れ防止性及び耐刷性を以下のように評価した。
〔指紋跡汚れ防止性〕
平版印刷版の非画像部に親指を10秒間押し付け、この印刷版を温度25度、相対湿度70%の環境下に合紙等で保護をすることなく、1日間放置した。その後、この印刷版を用いて、上記の条件で印刷を行い、押し付けた場所が印刷汚れとなるか否かを目視で観察し、以下の基準で指紋跡汚れ性を評価した。○:印刷汚れが全く認められない。△:ポツ状の僅かな印刷汚れが認められるが、許容範囲。×:指の跡の印刷汚れが明瞭に認められる。○〜△:○と△の中間レベル。
〔非画像部汚れ防止性〕
平版印刷版について上記の条件で印刷を行い、1万枚印刷した後における非画像部に対応するブランケットの汚れを目視で観察し、以下の基準で汚れ防止性を評価した。○:ブランケットの汚れが全く認められない。△:ブランケットの汚れが殆ど認められない。×:ブランケットの汚れがかなり認められる。
〔耐刷性〕
上記の条件で印刷を行い、印刷枚数が増加すると徐々に平版印刷版の画像部が磨耗してインキ受容性が低下するため、これに伴い、印刷物における画像のインキ濃度が低下する。インキ濃度(反射濃度)が印刷開始時よりも0.1低下したときの印刷枚数により、耐刷性を評価した。
評価の結果を表4〜6に示す。
Figure 2011175256
Figure 2011175256
Figure 2011175256
Figure 2011175256
〔実施例92〜95〕
<感光層16の形成>
下記組成の感光層塗布液3を乾燥塗布質量が1.4g/mとなるように塗布し、100℃で1分間乾燥させて感光層16を形成した。
〔感光層塗布液3〕
重合性化合物(上記化合物A) 4.0 質量部
バインダーポリマー(下記バインダーB)(質量平均分子量:3.5万)2.0 質量部
上記増感色素(C−1) 0.32質量部
上記重合開始剤(D−1) 0.61質量部
グルコン酸ナトリウム 0.10質量部
上記連鎖移動剤(E−1) 0.57質量部
N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩 0.020質量部
ε―フタロシアニン顔料分散物 0.71質量部
(顔料:15質量%、分散剤 上記ポリマー(1)(質量平均分子量
:6万):10質量%、溶剤:シクロヘキサノン/メトキシプロピ
ルアセテート/1−メトキシ−2−プロパノール=15質量%/
20質量%/40質量%)
フッ素系ノニオン界面活性剤メガファックF780 0.016質量部
(大日本インキ化学工業(株)製)
メチルエチルケトン 47質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 45質量部
Figure 2011175256
<現像液の組成>
〔現像液4〕
ニューコールB−13(日本乳化剤(株)製) 3g
キレート剤 エチレンジアミンコハク酸 三ナトリウム
(InnoSpec specialty chemicals社製:
オクタクエストE30) 0.68g
2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3ジオール 0.025g
2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.025g
シリコーン系消泡剤(GE東芝シリコーン(株)社製:TSA739)0.15g
グルコン酸ナトリウム 1.5g
炭酸ナトリウム 1.06g
炭酸水素ナトリウム 0.52g
水 77.04g
(pH:9.8)
〔現像液5〕
現像液4に下記素材を添加し、現像液5を得た。
酵素 NS44126(ノボザイムズジャパン製、7.5%水溶液) 0.3g
(pH:9.8)
〔現像液6〕
プロピレンオキサイド−エチレンオキサイドブロックコポリマー 20.0g
(PE9400、BASF社製)
界面活性剤(Emulsogen TS160、CLARIANT社製)0.30g
グルコン酸ナトリウム 0.75g
リン酸85%水溶液 5.88g
トリエタノールアミン 14.5g
水 73.07g
(pH:7.0)
〔現像液7〕
現像液6に下記素材を添加し、現像液7を得た。
酵素 NS44126(ノボザイムズジャパン製、7.5%水溶液) 0.3g
(pH:7.0)
表面処理支持体、中間層、感光層、保護層を下記表7に示すように組合せて平版印刷版原版を作成し、表7に示す現像液を用いて実施例1と同様の方法により露光、現像、印刷、及び評価を行った。結果を表7に示す。
Figure 2011175256
表4〜7に示す結果から明らかなように、支持体をヒドロキシカルボン酸塩で処理するかあるいは支持体に接する層(中間層又は感光層)にヒドロキシカルボン酸塩を添加することにより、非画像部汚れ防止性、耐刷性を損なうことなく指紋跡汚れ防止効果に優れた平版印刷版が得られる。
また、画像露光時における版面露光量を0.40mJ/cmとし、プレヒート部のヒーターをオフとする(即ち、プレヒートを実施しない)以外は、上記と同様にして平版印刷版を作製し、上記と同様にして評価を行ったところ、いずれも上記と同様の良好な結果が得られた。
11:搬送路
100:自動現像処理機
200:前加熱(プレヒート)部
300:現像部
400:乾燥部
202:機枠
208:加熱室
210:串型ローラー
212:搬入口
214:ヒーター
216:循環ファン
218:搬出口
304:挿入ローラー対
306:処理タンク
308:現像槽
310:外板パネル
312:スリット状挿入口
316:液中ローラー対
318:搬出ローラー対
322:ブラシローラー対
324:遮蔽蓋
326:ブラシローラー対
330:スプレーパイプ
334:スリット状挿通口
336:液温センサー
338:液面レベル計
332:仕切り板
342:ガイド部材
344:ガイドローラー
402:支持ローラー
404:排出口
406:搬送ローラー対
408:搬送ローラー対
410、412:ダクト
414:スリット孔
50:外部タンク
51:オーバーフロー口
52:上限液レベル計
53:下限液レベル系
54:フィルター部
55:現像液供給ポンプ
C1:第1の循環用配管
C2:第2の循環用配管
71:補充用水タンク
72:水補充ポンプ
C3:水補充用配管

Claims (10)

  1. 支持体と(A)増感色素、(B)重合開始剤、(C)重合性化合物及び(D)バインダーポリマーを含有する画像記録層とを有する平版印刷版原版であって、前記支持体表面がヒドロキシカルボン酸塩で処理されているか又は前記支持体に接する層がヒドロキシカルボン酸塩を含有することを特徴とする平版印刷版原版。
  2. 前記支持体に接する層が、中間層であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。
  3. 前記支持体に接する層が、前記画像記録層であることを特徴とする請求項1に記載の平版印刷版原版。
  4. 前記ヒドロキシカルボン酸塩が、分子量600以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
  5. 前記ヒドロキシカルボン酸塩が有するヒドロキシル基とカルボン酸基の総和が、3以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の平版印刷版原版。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の平版印刷版原版を、pH2〜11の現像液で現像することを特徴とする平版印刷版の作製方法。
  7. 前記現像液が、界面活性剤及び水溶性高分子化合物から選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項6に記載の平版印刷版の作製方法。
  8. 前記現像液が、炭酸イオン及び炭酸水素イオンを含有することを特徴とする請求項6又は7に記載の平版印刷版の作製方法。
  9. 前記現像液が、水溶性アミン化合物及びそのアミン化合物のイオンを含有することを特徴とする請求項6又は7に記載の平版印刷版の作成方法。
  10. 前記請求項6〜9のいずれか1項に記載の平版印刷版の作製方法であって、水洗工程を含まないことを特徴とする平版印刷版の作製方法。
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