JP2011110718A - 二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】共押出法により3層以上の積層構成を有する二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、両最外層には不活性粒子を含有し、最外層表面の十点平均粗さ(SRz)が0.5μm以上であり、レターデーションが1800nm以下であり、フィルム幅方向のレターデーションの変動が400nm/m以下であり、かつフィルムの面配向係数ΔPが0.160〜0.175である、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
【選択図】なし
Description
(1)共押出法により3層以上の積層構成を有する二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、両最外層には不活性粒子を含有し、最外層表面の十点平均粗さ(SRz)が0.5μm以上であり、下記式(1)で求められるレターデーションが1800nm以下であり、フィルム幅方向においてレターデーションの変動が400nm/m以下であり、かつフィルムの面配向係数ΔPが0.160〜0.175である、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(レターデーション)=│n1−n2│×(フィルム厚み)・・・・(1)
(ここで、n1はフィルム面内において配向主軸方向の屈折率、n2はフィルム面内において配向主軸に対して垂直方向の屈折率)
(2)最外層以外のいずれかの層に紫外線吸収剤を含有し、波長380nmの光線透過率が20%以下である、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(3)両最外層には平均粒径2.1〜2.5μmの不活性粒子を含有し、最外層の厚みは不活性粒子の平均粒径以上であり、最外層表面の中心面平均粗さ(SRa)が0.008〜0.015μmであり、十点平均粗さ(SRz)が0.5〜1.5μmである、二軸配向ポリエステルフィルム。
(4)最外層中の不活性粒子が細孔容積1.5〜2.0ml/gの不定形塊状シリカであり、前記最外層中の不活性粒子含有量が0.015〜0.030質量%である、二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフィルムは、ポリエチレンテレフタレートよりなる。ここで、ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールおよびテレフタル酸を主な構成成分として含有する。ポリチレンテレフタレートを用いることにより、保護フィルムとして優れた機械的強度と透明性を奏することができる。従来、ポリエステルフィルムにおいてレターデーションを抑制するために、所定量の共重合成分を用いることが行われていたが、高温での寸法安定性が得られない場合があった。これに対して、本発明のフィルムはポリエチレンテレフタレートよりなるため後加工などにおける高温処理においても高い寸法安定性が得られるため、レターデーションの変動の小さいフィルムを得ることができる。また、共重合成分を有する場合に比べ熱固定におけるボーイングに起因する光学歪の発生を低減することができる。
本発明のフィルムは、共押出法により3層以上の積層構成であって、両最外層に不活性粒子を含有する。これにより最外層表面に凹凸形状を付与することが可能となり、フィルム加工による加工性(滑り性)が良好になる。本発明の積層構成としては、例えば、最外層をB層、他の層をA層、C層とすると、フィルム厚み方向の層構成は、B/A/B、B/A/C/B、あるいはB/A/C/A/B等の構成が考えられる。A〜C層の各層は、それぞれポリエステル樹脂の構成は同じであっても良いし、異なっていても良いが、バイメタル構成によるカールの発生を抑制する為には、各層のポリエステル樹脂を同構成にする、および/もしくは、B/A/B構成(2種3層構成)とすることが好ましい。
ヨウ素色素などの光学機能性色素の劣化を抑制する場合、本発明のフィルムは、波長380nmの光線透過率が20%以下であることが望ましい。380nmの光線透過率は15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましく、5%以下が特に好ましい。前記光線透過率が20%以下であれば、光学機能性色素の紫外線による変質を抑制することができる。なお、本発明における透過率は、フィルムの平面に対して垂直方法に測定したものであり、分光光度計(例えば、日立U−3500型)を用いて測定することができる。
本発明のフィルムは、ポリビニルアルコールとの接着性を向上させるために、易接着層を設けてもよい。易接着層としては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂またはポリアクリル樹脂の少なくとも1種類を主成分とする易接着層を有することが好ましい。ここで、「主成分」とは易接着層を構成する固形成分のうち50質量%以上である成分をいう。易接着層の形成に用いる塗布液は、水溶性又は水分散性の共重合ポリエステル樹脂、アクリル樹脂及びポリウレタン樹脂の内、少なくとも1種を含む水性塗布液が好ましい。これらの塗布液としては、例えば、特許第3567927号公報、特許第3589232号公報、特許第3589233号公報、特許第3900191号公報、特許第4150982号公報等に開示された水溶性又は水分散性共重合ポリエステル樹脂溶液、アクリル樹脂溶液、ポリウレタン樹脂溶液等が挙げられる。
本発明のフィルムをディスプレイ部材として用いる場合は透明性が高いことが好ましい。本発明のフィルムのヘイズは3.0%未満であることが好ましく、2.5%以下であることがより好ましく、2.0%以下であることがよりさらに好ましい。本発明のフィルムのヘイズを上記範囲に制御するためには、中間層には実質的に粒子を含有せず、最外層にのみ不活性粒子を含有する構成を採用することが好ましい。
ΔP=(nx+ny)/2 − nz
ここで、nx、ny、nzは夫々、長手方向の屈折率、幅方向の屈折率、厚み方向の屈折率を表す。
(レターデーション)=│n1−n2│×(フィルム厚み)
なお、n1はフィルム面内において配向主軸方向の屈折率、n2はフィルム面内において配向主軸に対して垂直方向の屈折率)
レターデーションは小さい方が好ましいが、二軸延伸方法の点から10nm程度が下限であると考える。
レターデーションを抑制するためにはフィルムの厚みは薄いことが好ましい。本発明のフィルムの厚みは70μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがさらに好ましい。一方、保護膜としての機械的強度を保持する上では、フィルムの厚みは10μm以上であることが好ましく、12μm以上であることがさらに好ましく、20μm以上であることがよりさらに好ましい。
フィルム延伸時の延伸倍率は長手方向、幅方向とも2〜6倍が好ましく、3〜5倍がより好ましく、3.5〜4.5倍がよりさらに好ましい。フィルム延伸倍率が上記下限未満の場合は、機械的強度が低下するだけでなく、フィルムの厚みむらが生じやすく、レターデーションの変動が大きくなりやすい。また、フィルム延伸倍率が上記上限を超えると、複屈折の影響が強くなるだけでなく、フィルム製膜時の破断が生じやすくなる。
フィルムの熱寸法安定性を向上させる上では熱固定を高い温度で行うことが好ましい。具体的には、熱固定温度の上限は210℃を超えることが好ましく、220℃以上であることがより好ましい。しかしながら、熱固定温度を高温で行なうと、ボーイングによる光学歪みの影響が生じやすくなり、レターデーションの変動が大きくなる場合がある。そのため、熱固定温度の上限は230℃以下であることが好ましい。
次に、本発明の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムの製造方法の詳細について説明するが、当然これに限定されるものではない。
易滑性付与を目的とした実質的に粒子を含有しないPETのペレットを十分に真空乾燥した後、押し出し機に供給し、270〜290℃でシート状に溶融押し出しし、冷却固化せしめて未延伸PETシートを製膜する。この際溶融樹脂が270〜290℃に保たれた任意の場所で樹脂中に含まれる異物を除去するために高精度濾過を行う。溶融樹脂の高精度濾過に用いられる濾材は特に限定はされないがステンレス焼結体の濾材がSi、Ti、Sb、Ge、Cu、を主成分とする凝集物及び高融点有機物の除去性能に優れ好適である。さらに濾材の濾過粒子サイズ(初期濾過効率95%)は15μm以下が好ましい。
A.厚みの測定
長手方向に連続したテープ状サンプル(横方向5cm×縦方向1m)を採取し、セイコー・イーエム社製電子マイクロメータ、ミリトロン1240を用いて、1cmピッチで20点の厚みを測定し、その平均値として求めた。
B−1.フィルムのサンプリング
フィルム幅方向に10cm間隔でフィルムサンプル(10cm×10cm)を採取した。B−2.屈折率の測定(n1、n2の測定)
各フィルムサンプルについて、王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計を用いて、分子鎖配向主軸の配向角(θ)を求める。配向主軸方向に測定した屈折率をn1、それと垂直な方向に測定した屈折率をn2とし、以下のようにフィルムのレターデーションを求めた。屈折率の測定は、JIS K 7142−1996 5.1(A法)により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計により測定を行った。
(レターデーション)=|n1−n2|×フィルム厚み(nm)
B−3.レターデーション
各フィルムサンプルから得られたレターデーションの平均値をもとめ、フィルムのレターデーションとした。また、各フィルムサンプルより得られたレターデーションの最大値と最小値の差を算出し、最大値および最小値を得たフィルムサンプル間の距離(m)でその差を除算したものをレターデーションの変動とした。
JIS K 7142−1996 5.1(A法)により、ナトリウムD線を光源としてアッベ屈折計によりフィルム長手方向の屈折率(nx)、幅方向の屈折率(ny)、厚み方向の屈折率(nz)を測定し、下記式によって面配向係数(ΔP)を算出した。
ΔP=(nx+ny)/2 − nz
ここで、nx、ny、nzは夫々、長手方向の屈折率、幅方向の屈折率、厚み方向の屈折率を表す。
分光光度計(日立製作所製、U−3500型)を用い、空気層を標準として波長300〜500nm領域の光線透過率を測定し、波長380nmにおける光線透過率を求めた。
PVAとヨウ素からなる偏光膜の片側に本発明のポリエステルフィルムを偏光膜の吸収軸とフィルムの配向主軸が垂直になるように貼り付け、その反対の面にTACフィルムを貼り付けて偏光板を作成した。得られた偏光板をポリエステルフィルムが最外面になるようにバックライトに設置した。偏光板をフィルムの配向主軸方向斜め45度の角度から観察し、下記により評価をおこなった。なお、フィルムの配向主軸の方向は王子計測器株式会社製、MOA−6004型分子配向計を用いて測定した。
◎ : 虹むらの発生無し。
○ : 極薄い虹むらが観察できる。
× : 明確に虹むらが観察できる。
作製したフィルムをフィルムの流れ方向に対して垂直に切り出し、光硬化樹脂で包埋した。包埋した試料をミクロトームにて70〜100nm程度の厚みの極薄切片とし、四酸化ルテニウム蒸気中で30分間染色した。この染色された極薄切片を、透過型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、TEM2010)を用いて断面観察し、不活性粒子の位置から最外層(不活性粒子含有層)の厚みを求めた。尚、観察倍率は1500倍から10000倍の範囲で適宜設定した。
JIS−K7105に準じ、濁度計(NHD2000、日本電色工業製)を使用して、フィルムのヘイズ、全光線透過率を測定した。
各実施例、比較例において塗布層を設けずに作成したレンズシート用ベースフィルムを用意し、フィルムの最外層表面を、触針式三次元粗さ計(SE−3AK、株式会社小阪研究所社製)を用いて、針の半径2μm、荷重30mgの条件下に、フィルムの長手方向にカットオフ値0.25mmで、測定長1mmにわたり、針の送り速度0.1mm/秒で測定し、2μmピッチで500点に分割し、各点の高さを三次元粗さ解析装置(SPA−11)に取り込ませた。これと同様の操作をフィルムの幅方向について2μm間隔で連続的に150回、すなわちフィルムの幅方向0.3mmにわたって行い、解析装置にデータを取り込ませた。次に解析装置を用いて中心面平均粗さ(SRa)、十点平均粗さ(SRz)を求めた。
不活性粒子を走査型電子顕微鏡(日立製作所製、S−51O型)で観察し、粒子の大きさに応じて適宜倍率を変え、写真撮影したものを拡大コピーした。次いで、ランダムに選んだ少なくとも200個以上の粒子について各粒子の外周をトレースし、画像解析装置にてこれらのトレース像から粒子の円相当径を測定し、これらの平均を平均粒子径とした。またこうして得られた200個以上の粒子の粒子径から、10μm以上の粒子の比率を算出した。
作製したフィルム片を2枚の偏光板の間に挟みこみ、クロスニコル状態とし、消失位が保たれる状態にセットする。この状態でニコン万能投影機V‐12(投影レンズ50x、透過照明光束切り替えノブ50x、透過光検査)を用い検査を行う。フィルム片にキズ、異物が存在する場合、その部分から光が透過し、光り輝くように見える長径が20μm以上あるものを検出した。
◎ : 20μm以上の欠点が全く観察されない。
○ : 20μm以上の欠点がほぼ観察されず、実用上全く問題がない。
× : 20μm以上の欠点がわずかに見られ、実用上問題となる可能性がある。
フィルムを任意の場所で切り出した後、原子間力顕微鏡(SII社製、SPI3800)を用いて、観察モード=DFMモード、スキャナー=FS−20A、カンチレバー=DF−3、観察視野=5×5μm2、分解能1024×512pixelsにて表面形態観察を行い観察像を得た。次いで同一測定視野の断面プロファイル表示モードを表示させた。断面移動画面で、カーソルの両端をつまんで高さ2nm以上の表面突起の長尺方向に沿うように、かつ、カーソルが表面突起の最高高さ位置を通るように移動させた。断面プロファイル曲線と測定範囲内の平均高さ線である高さ0nmの線とが交わった2箇所の交点間の距離を読み取り、表面突起の直径を測定した。さらに、測定範囲内の平均高さ線である高さ0nmとして表面突起の高さを測定下。こうして得られた観察像から、少なくとも100個以上の高さ2nm以上の突起について、突起の直径Lと突起の高さhを計測して直径と高さの比L/hを算出し、L/hが50以下である突起の比率を算出した。
エステル化反応缶を昇温し200℃に到達した時点で、テレフタル酸を86.4質量部およびエチレングリコール64.6質量部を仕込み、撹拌しながら触媒として三酸化アンチモンを0.017質量部、酢酸マグネシウム4水和物を0.064質量部、トリエチルアミン0.16質量部を仕込んだ。ついで、加圧昇温を行いゲージ圧0.34MPa、240℃の条件で加圧エステル化反応を行った後、エステル化反応缶を常圧に戻し、リン酸0.014質量部を添加した。さらに、15分かけて260℃に昇温し、リン酸トリメチル0.012質量部を添加した。次いで15分後に、高圧分散機で分散処理を行い、さらにトリポリ燐酸ナトリウム水溶液をシリカ粒子に対しナトリウム原子として0.1質量%含有させ、遠心分離処理により粗粒部を35%カットし、且つ目開き5μmの金属フィルターで濾過処理を行った平均粒子径2.3μm、細孔容積1.6ml/gのシリカ粒子のエチレングリコールスラリーを粒子含有量として0.2質量部添加した。15分後、得られたエステル化反応生成物を重縮合反応缶に移送し、280℃で減圧下重縮合反応を行った。
重縮合反応終了後、95%カット径が5μmのナスロン製フィルターで濾過処理を行い、ノズルからストランド状に押出し、予め濾過処理(孔径:1μm以下)を行った冷却水を用いて冷却、固化させ、ペレット状にカットした。得られたポリエチレンテレフタレート樹脂(A)の固有粘度は0.62dl/gであり、不活性粒子及び内部析出粒子は実質上含有していなかった。(以後、PET(A)と略す。)
一方、上記PET(A)の製造において、シリカ粒子を全く含有しない固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(B)を得た。(以後、PET(B)と略す。)
上記PET(A)の製造において、平均粒径2.4μm、細孔容積2.0ml/gのシリカ粒子を用いる以外は同様の方法にて、固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(C)を得た。(以後、PET(C)と略す。)
上記PET(A)の製造において、平均粒径3.5μm、細孔容積1.6ml/gのシリカ粒子を用いる以外は同様の方法にて、固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(D)を得た。(以後、PET(D)と略す。)
上記PET(A)の製造において、平均粒径2.0μm、細孔容積1.2ml/gのシリカ粒子を用いる以外は同様の方法にて、固有粘度0.62dl/gのポリエチレンテレフタレート樹脂(E)を得た。(以後、PET(E)と略す。)
乾燥させた紫外線吸収剤(2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(4H−3,1−ベンズオキサジノン−4−オン)10質量部、粒子を含有しないPET(B)(固有粘度が0.62dl/g)90質量部を混合し、混練押出機を用い、紫外線吸収剤含有するポリエチレンテレフタレート樹脂(F)を得た。(以後、PET(F)と略す。)
基材フィルム中間層用原料として粒子を含有しないPET(B)樹脂ペレット90質量部と紫外線吸収剤を含有したPET(F)樹脂ペレット10質量部を135℃で6時間減圧乾燥(1Torr)した後、押出機2(中間層II層用)に、また、PET(A)とPET(B)をシリカ粒子の含有量を0.020質量%となるよう混合調整し、常法により乾燥して押出機1(外層I層および外層III用)にそれぞれ供給し、285℃で溶解した。この2種のポリマーを、それぞれステンレス焼結体の濾材(公称濾過精度10μm粒子95%カット)で濾過し、2種3層合流ブロックにて、積層し、口金よりシート状にして押し出した後、静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャスティングドラムに巻きつけて冷却固化し、未延伸フィルムを作った。この時、I層、II層、III層の厚さの比は10:80:10となるように各押し出し機の吐出量を調整した。
実施例1において外層IとIIIに使用するPET(B)をPET(C)に変更した以外は同様の方法で、厚み約38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1においてキャスティングの速度を変更した以外は同様の方法で行い、厚み約25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1において最外層と中間層の比率を(I層、II層、III層の比率)、45:30:45となるように各押し出し機の吐出量を調整し、キャスティングの速度を変更した以外は同様の方法で行い、厚み約50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。実施例4においてL/hが50以下である突起の比率を測定したところ、17.5%であった。
未延伸フィルムを長手方向に3.0倍、幅方向に3.2倍延伸した以外は実施例1と同様の方法で製膜を行い、厚み約38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
未延伸フィルムを長手方向に3.8倍、幅方向に3.6倍延伸した以外は実施例1と同様の方法で製膜を行い、厚み約38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1と同様の方法で未延伸フィルムを得た後、コート液(A)を片面に乾燥後の塗布量が0.3g/m2になるように塗布した後、80℃で20秒間乾燥した。
次いで、塗布層を有する未延伸フィルムの両端をクリップで把持して同時二軸延伸機に導き、100℃に予熱を行った後、110℃で縦方向に3.7倍、横方向に3.7倍の延伸倍率で同時二軸延伸した。クリップ間隔一定の状態で、220℃で12秒間の熱処理を施した。その後、180℃で、縦、横方向に3%の緩和処理を行った。
実施例1において中間層II層の原料をPET(B)100質量部とし、外層IとIIIに使用するPET(A)とPET(B)をシリカ濃度が0.050質量%となるように混合した以外は同様の方法で、厚み約38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1において最外層と中間層の比率を(I層、II層、III層の比率)、3:94:3となるように各押し出し機の吐出量を調整した以外は同様の方法で、厚み約38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1において外層IとIIIに使用するPET(B)をPET(D)に変更した以外は同様の方法で、厚み約38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1において外層IとIIIに使用するPET(B)をPET(E)に変更した以外は同様の方法で、厚み約38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
未延伸フィルムを長手方向に85℃で1.05倍、幅方向に95℃で3.5倍延伸し、210℃で熱固定を行い、その後幅方向に5%弛緩を行った以外は実施例1と同様の方法で製膜を行い、厚み約38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
フィルム厚みを約80μmとした以外は実施例9と同様の方法で製膜を行い、ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1において外層IとIIIに使用する樹脂として粒子を含有しないPET(B)のみに偏光した以外は同様の方法で製膜を行い、ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
実施例1において中間層用原料として粒子を含有しないPET(B)のかわりに、PET(A)とPET(B)をシリカ粒子の含有量を0.020質量%になるように混合調整したものを用いた以外は同様の方法で製膜を行い、ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。
Claims (4)
- 共押出法により3層以上の積層構成を有する二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルムであって、両最外層には不活性粒子を含有し、
最外層表面の十点平均粗さ(SRz)が0.5μm以上であり、
下記式(1)で求められるレターデーションが1800nm以下であり、
フィルム幅方向においてレターデーションの変動が400nm/m以下であり、
かつフィルムの面配向係数ΔPが0.160〜0.175である、
二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
(レターデーション)=│n1−n2│×(フィルム厚み)・・・・(1)
(ここで、n1はフィルム面内において配向主軸方向の屈折率、n2はフィルム面内において配向主軸に対して垂直方向の屈折率) - 最外層以外のいずれかの層に紫外線吸収剤を含有し、波長380nmの光線透過率が20%以下である、請求項1に記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
- 前記最外層に含有する不活性粒子の平均粒径が2.1〜2.5μmであり、前記最外層の厚みは不活性粒子の平均粒径以上であり、前記最外層表面の中心面平均粗さ(SRa)が0.008〜0.015μmであり、十点平均粗さ(SRz)が0.5〜1.5μmである、請求項1または2のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
- 前記最外層中の不活性粒子が細孔容積1.5〜2.0ml/gの不定形塊状シリカであり、前記最外層中の不活性粒子含有量が0.015〜0.030質量%である、請求項1から3のいずれかに記載の二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム。
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