JP2010270810A - ラチェット式テンショナ - Google Patents

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Abstract

【課題】長期放置後のエンジン始動時にタイミングチェーンから受けるプランジャのバックラッシュを阻止し、エンジン始動後にプランジャの進退動作を許容する油圧ピン用高圧油室内の油圧を安定して発生させてプランジャの迅速な進退動作を円滑に達成するラチェット式テンショナを提供すること。
【解決手段】ハウジング本体110の油圧ピン収容穴からラチェットに向けて摺動自在に突出して押圧する油圧ピン170をプランジャ側面のラック歯122に対するラチェット150の噛み込みを解放する方向に変位させる油圧ピン用高圧油室Pが油圧ピン収容穴113と油圧ピン170との間に形成され、この油圧ピン用高圧油室Pへ圧油を導入する第2油供給路114が外部圧油を導入する第1油供給路111から分岐せずに独立してハウジング本体110に形成されているラチェット式テンショナ100。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンのカムシャフト等を駆動するタイミングチェーンに緊張力を与えるラチェット式テンショナに関する。
従来、エンジンのカムシャフト等を駆動するタイミングチェーンに用いて、ハウジングに摺動可能に嵌挿されてハウジングとの間で油室を形成するプランジャにスプリングと外部油圧による突出力を作用させてタイミングチェーンに緊張力を与えるようにしたテンショナが知られている。
このような従来のテンショナとして、例えば、図9に示すように、先端が開口するシリンダ孔状の油室510をもつハウジング501と、プランジャ502の後退を規制する後退規制部503と、プランジャ502の開口513からの飛出しを規制する飛出し規制部504とで構成されているとともに、この飛出し規制部504が、ハウジン501に油室510の軸線とほぼ直交する向きに油室510と連通して油室510の外周側に形成されたピストン室540と、このピストン室540に移動可能に嵌挿されてプランジャ502の被係止部526と係止する係止突部542dと油室510の油圧を受圧する受圧面542a,542cとをもって受圧に伴い係止突部542dがプランジャ502の被係止部526から離脱するロックピストン542と、前記油室510の軸線とほぼ直交する向きにロックピストン542を付勢してロックピストン542の係止突部542dをプランジャ502の被係止部526に係止させる付勢バネ544とで構成されたテンショナ500が採用されている。
特開平6−94089号公報(特許請求の範囲、図1)
前述したような従来のテンショナ500では、図9に示すように、プランジャ502に油圧を加えるプランジャ内油室510とピストン542に油圧を加える油室543とがそれぞれ繋がれているため、エンジン停止後に長期放置されると、油室510にエアーが入り込み、エンジン始動時にオイルポンプから発生する外部油圧の脈動の影響を受けて油室510に十分な油圧を確保することができず、この油室510の油圧によるピストン542の後退動作が不安定となって、揺動体531の係止歯531aとラック525との噛み合いを完全かつ迅速に解放することができないばかりでなく、係止歯531aとラック525との噛み合いを破損する虞れがある。
したがって、従来のテンショナ500では、エンジン始動時に上述したような係止歯531aとラック525との噛み合いを完全かつ迅速に解放せず、エンジン始動後のプランジャ502の円滑な摺動による進退動作を達成することができないという問題があり、また、このような係止歯531aとラック525との不完全な噛み合いにより係止歯531aとラック525とが破損して、タイミングチェーンの摩耗伸びに応じたプランジャ502の付勢力を確保することができなかったり、タイミングチェーンからプランジャ502が受けるバックラッシュと称する押し戻し現象を完全に阻止してタイミングチェーンのバタツキによる異音などの騒音を解消することができないため、プランジャ502を突出させる方向に付勢させるコイルバネ522としてこのようなプランジャ502のバックラッシュに耐え得る強靭なものを採用しなければならず、テンショナ自体が大型化しているという問題があった。
そこで、本発明は、従来の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、長期放置後のエンジン始動時にタイミングチェーンから受けるプランジャのバックラッシュを阻止するとともに、エンジン始動後にプランジャの進退動作を許容するピストン部高圧油室内の油圧を安定して発生させてプランジャの迅速な進退動作を円滑に達成するラチェット式テンショナを提供することである。
請求項1に係る本発明は、外部圧油を導入する第1油供給路を形成したハウジング本体と該ハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと前記ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと前記プランジャ収容穴の底部に組み込まれて高圧油室内から第1油供給路へ圧油の逆流を阻止する逆止弁ユニットと前記ハウジング本体の前方部位に揺動自在に軸支されてプランジャのプランジャ側面に形成したラック歯に噛み合わせてプランジャの前進変位を許容して後退変位を阻止するラチェットと該ラチェットをプランジャ側面のラック歯に噛み込むように付勢するラチェット付勢用ばねとを備えたラチェット式テンショナにおいて、前記ハウジング本体の油圧ピン収容穴からラチェットに向けて摺動自在に突出して押圧する油圧ピンをプランジャ側面のラック歯に対するラチェットの噛み込みを解放する方向に変位させる油圧ピン用高圧油室が、前記油圧ピン収容穴と油圧ピンとの間に形成され、前記油圧ピン用高圧油室へ圧油を導入する第2油供給路が、前記第1油供給路から分岐せずに独立してハウジング本体に形成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項2に係る本発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記第2油供給路が、前記外部圧油を油圧ピン用高圧油室へ直接導入するようにハウジング本体に形成されていることにより、前述したような課題を解決したものである。
請求項3に係る本発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前記第2油供給路が、前記高圧油室の圧油を油圧ピン用高圧油室へ直接導入するようにハウジング本体に形成されていることにより、前述したような課題をさらに解決したものである。
請求項4に係る本発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記第2油供給路が、前記外部圧油の脈動を吸収するオリフィスを備えていることにより、前述したような課題をさらに解決したものである。
請求項5に係る本発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る発明の構成に加えて、前記油圧ピンを支持してプランジャ側面のラック歯に対するラチェットの歯飛びと過剰な噛み込みを阻止する油圧ピン支持ばねが、前記油圧ピン用高圧油室内に設けられていることにより、前述した課題を解決したものである。
請求項6に係る本発明は、請求項5に係る発明の構成に加えて、前記ラチェット付勢用ばねの付勢力が、前記油圧ピン支持ばねの弾発力より大きくなっていることにより、前述した課題を解決したものである。
請求項7に係る本発明は、請求項1乃至請求項6のいずれかに係る発明の構成に加えて、前記ラチェットが、前記プランジャ側面のラック歯に一点で噛み合う単一のラチェット爪部を備えていることにより、前述した課題を解決したものである。
そこで、本発明のラチェット式テンショナは、外部圧油を導入する第1油供給路を形成したハウジング本体とこのハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと前記ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと前記プランジャ収容穴の底部に組み込まれて高圧油室内から第1油供給路へ圧油の逆流を阻止する逆止弁ユニットと前記ハウジング本体の前方部位に揺動自在に軸支されてプランジャのプランジャ側面に形成したラック歯に噛み合わせてプランジャの前進変位を許容して後退変位を阻止するラチェットとこのラチェットをプランジャ側面のラック歯に噛み込むように付勢するラチェット付勢用ばねとを備えていることによって、ラチェット付勢用ばねの付勢力がラチェットに作用するため、長期放置後の高圧油室内にエアが入り込んだ状態であってもエンジン始動時にラチェットをプランジャ側面のラック歯に噛み合わせてバックラッシュが生じたプランジャの前進変位を許容し後退変位を阻止してタイミングチェーンのバタツキ音を抑制し、エンジン始動後に圧油を満たすとラチェットとプランジャ側面のラック歯との噛み合いを解放してプランジャの進退動作を円滑に許容し、しかも、ラチェット付勢用ばねの付勢力を調整することにより噛み外れのタイミングを調整することができるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏することができる。
すなわち、請求項1に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、ハウジング本体の油圧ピン収容穴からラチェットに向けて摺動自在に突出して押圧する油圧ピンをプランジャ側面のラック歯に対するラチェットの噛み込みを解放する方向に変位させる油圧ピン用高圧油室が油圧ピン収容穴と油圧ピンとの間に形成されていることにより、長期放置した状態のエンジン始動後に圧油で満たされた油圧ピン用高圧油室の油圧がラチェット付勢用ばねの付勢力より大きくなると、ラチェット付勢用ばねの付勢力に抗してラチェットをプランジャ側面のラック歯から解放してプランジャの進退動作を達成することができる。
また、油圧ピン用高圧油室へ圧油を導入する第2油供給路が第1油供給路から分岐せずに独立してハウジング本体に形成されていることにより、油圧ピン用高圧油室が第1油供給路から圧油を導入する高圧油室の容積よりも小さな容積であっても、油圧ピン用高圧油室が第1油供給路へ導入される外部油圧の脈動の直接的な影響を回避することが可能となり、エンジン始動後に油圧ピン用高圧油室内が圧油で満たされるとプランジャの進退動作を許容する油圧ピン用高圧油室内の油圧を安定して発生させてプランジャの迅速な進退動作を円滑に達成することができる。
請求項2に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、第2油供給路が外部圧油を油圧ピン用高圧油室へ直接導入するようにハウジング本体に形成されていることにより、第2油供給路が第1油供給路の設置位置と無関係に配置可能となり、外部圧油を油圧ピン用高圧油室へ最短距離で導入することができ、しかも、簡便に製作することができる。
請求項3に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、第2油供給路が高圧油室の圧油を油圧ピン用高圧油室へ直接導入するようにハウジング本体に形成されていることにより、高圧油室の脈動を受けたとしてもこの高圧油室の脈動に同期して作動するため、エンジン始動後にプランジャの進退動作に直ちに呼応してラチェットとプランジャ側面のラック歯との噛み合いを瞬時に解放してプランジャの進退動作を円滑に許容することができる。
請求項4に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、第2油供給路が外部圧油の脈動を吸収するオリフィスを備えていることにより、第2油供給路を介して油圧ピン用高圧油室へ導入される外部圧油が過剰な場合にはオリフィスよりその導入量を抑制し、第2油供給路を介して油圧ピン用高圧油室へ導入される外部圧油が過小な場合にはオリフィスより押圧ピン用高圧油室内に導入された圧油のリークを抑制するため、オイルポンプによる外部圧油に生じがちな脈動を吸収して押圧ピン用高圧油室における安定した外部圧油を確保することができる。
請求項5に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1乃至請求項4のいずれかに係る発明が奏する効果に加えて、油圧ピンを支持してプランジャ側面のラック歯に対するラチェットの歯飛びと過剰な噛み込みを阻止する油圧ピン支持ばねが油圧ピン用高圧油室内に設けられていることにより、油圧ピン支持ばねが油圧ピン用高圧油室内から油圧ピンを弾発的に下支えしているため、エンジン始動時にラチェット付勢用ばねの付勢力によって生じがちなラチェット爪部のラック歯に対する歯飛びと過剰な噛み込みを阻止した状態で確実に噛み合わせてバックラッシュが生じたプランジャの前進変位を許容し後退変位を阻止してタイミングチェーンのバタツキ音を抑制することができる。
請求項6に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項5に係る発明が奏する効果に加えて、ラチェット付勢用ばねの付勢力が油圧ピン支持ばねの弾発力より大きくなっていることにより、油圧ピン用高圧油室が外部圧油で充分に満たされていない長期放置後のエンジン始動時において、油圧ピン支持ばねの弾発力に勝るラチェット付勢用ばねがラチェットをプランジャ側面のラック歯に強制的に噛み合わせるため、バックラッシュが生じたプランジャの前進変位を許容し後退変位を確実に阻止してタイミングチェーンのバタツキ音を抑制することができる。
請求項7に係る本発明のラチェット式テンショナによれば、請求項1乃至請求項6のいずれかに係る発明が奏する効果に加えて、ラチェットがプランジャ側面のラック歯に一点で噛み合う単一のラチェット爪部を備えていることにより、ラチェットがプランジャ側面のラック歯に対して過剰に噛み込むことなく、長期放置後のエンジン始動時にラチェットが円滑に噛み外れるため、エンジン始動後にラチェットとプランジャ側面のラック歯との噛み合いを瞬時に解放してプランジャの進退動作を迅速に許容することができる。
本発明の第1実施例であるラチェット式テンショナ100の使用態様図。 図1に示すラチェット式テンショナ100の断面図。 図1に示すラチェット式テンショナ100の側面図。 ラチェットとプランジャとの噛み合い状態を示した断面図。 ラチェットとプランジャとの噛み合いが解放された状態を示した断面図。 本発明の第2実施例であるラチェット式テンショナ200の断面図。 本発明の第3実施例であるラチェット式テンショナ300の断面図。 本発明の第4実施例であるラチェット式テンショナ400の断面図。 従来のラチェット式テンショナ500の断面図。
本発明のラチェット式テンショナは、外部圧油を導入する第1油供給路を形成したハウジング本体とこのハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと前記ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと前記プランジャ収容穴の底部に組み込まれて高圧油室内から第1油供給路へ圧油の逆流を阻止する逆止弁ユニットと前記ハウジング本体の前方部位に揺動自在に軸支されてプランジャのプランジャ側面に形成したラック歯に噛み合わせてプランジャの前進変位を許容して後退変位を阻止するラチェットとこのラチェットをプランジャ側面のラック歯に噛み込むように付勢するラチェット付勢用ばねとを備えるとともに、ハウジング本体の油圧ピン収容穴からラチェットに向けて摺動自在に突出して押圧する油圧ピンをプランジャ側面のラック歯に対するラチェットの噛み込みを解放する方向に変位させる油圧ピン用高圧油室が油圧ピン収容穴と油圧ピンとの間に形成され、油圧ピン用高圧油室へ圧油を導入する第2油供給路が第1油供給路から分岐せずに独立してハウジング本体に形成されて、長期放置後の高圧油室内にエアが入り込んだ状態であってもエンジン始動時にタイミングチェーンから受けるプランジャのバックラッシュを阻止するとともにエンジン始動後に圧油を満たすとプランジャの進退動作を許容する押圧ピン用高圧油室内の油圧を安定して発生させてプランジャの迅速な進退動作を円滑に達成するものであれば、その具体的な態様は如何なるものであっても構わない。
たとえば、本発明のラチェット式テンショナにおけるハウジング本体の基本的な形態については、オイルポンプから供給される圧油をハウジング本体に形成した第1油供給路に直接的に導入するもの、あるいは、オイルポンプから供給される圧油をハウジング本体に形成した第1油供給路に導入する前にハウジング本体の背面部分に一旦貯溜する油リザーバー部を凹設したもののいずれであっても何ら構わない。
また、本発明のラチェット式テンショナに用いられる逆止弁ユニットの具体的なユニット形態については、プランジャ収容穴の底部に組み込まれて高圧油室内の圧油の第1油供給路への逆流を阻止するものであれば、如何なる形態のものであっても良く、例えば、第1油供給路に連通して高圧油室側へ圧油を供給するボールシートとこのボールシートの弁座に対向するチェックボールとこのチェックボールをボールシートに押圧付勢するボール付勢用ばねとチェックボールの移動量を規制する鐘状リテーナとを備えたものであっても何ら構わない。
以下、本発明の一実施例であるラチェット式テンショナ100を図1乃至図7に基づいて説明する。
ここで、図1は、本発明の第1実施例であるラチェット式テンショナ100の使用態様図であり、図2は、図1に示すラチェット式テンショナ100を拡大した断面図であり、図3は、その側面図であり、図4は、ラチェットとプランジャとの噛み合い状態を示した断面図であり、図5は、ラチェットとプランジャとの噛み合いが解放された状態を示した断面図である。
まず、図1に示すように、本発明の第1実施例であるラチェット式テンショナ100は、エンジンのクランクシャフトで回転される駆動側スプロケットS1とカムシャフトに固定されている被駆動側スプロケットS2の間に掛け廻されているタイミングチェーンCの弛み側でエンジン本体に取り付けられて、そのハウジング本体110の前面からプランジャ120が出没自在に突出しており、プランジャ120がエンジン本体側に揺動自在に支持されている可動レバーLの揺動端近傍の背面を押圧することにより、可動レバーLを介してタイミングチェーンCの弛み側に張力を付与している。
なお、タイミングチェーンCの張り側にはタイミングチェーンCの走行を案内する固定ガイドGがエンジン本体側に取り付けられている。
そして、駆動側スプロケットS1が矢印の方向に回転すると、タイミングチェーンCが矢印の方向に走行し、次いで、このタイミングチェーンCの走行によって被駆動側スプロケットS2が矢印の方向に回動し、駆動側スプロケットS1の回動が被駆動側スプロケットS2に伝達するようになっている。
そこで、図2に示すように、本実施例のラチェット式テンショナ100は、エンジンブロック側から供給された外部圧油を導入する第1油供給路111を形成したハウジング本体110と、このハウジング本体110のプランジャ収容穴112から走行チェーン(図示せず)に向けて摺動自在に突出する円柱状のプランジャ120と、ハウジング本体110のプランジャ収容穴112とプランジャ120の中空部121との間に形成される高圧油室Rに収納されてプランジャ120の突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばね130と、プランジャ収容穴112の底部に組み込まれて高圧油室R内から第1油供給路111へ圧油の逆流を阻止する逆止弁ユニット140と、ハウジング本体110の前方部位に揺動自在に軸支されてプランジャ120のプランジャ側面に形成したラック歯122に噛み合わせてプランジャ120の前進変位を許容して後退変位を阻止するラチェット150と、このラチェット150をプランジャ側面のラック歯122に噛み込むように付勢するラチェット付勢用ばね160とを備えている。
そして、前述した逆止弁ユニット140の具体的なユニット構造については、プランジャ収容穴112の底部に組み込まれて高圧油室R内から第1油供給路111へ圧油の逆流を阻止するものであれば、公知の如何なるものであっても差し支えないが、本実施例では、前述したハウジング本体110の第1油供給路111に繋がる油路を有するボールシート141と、このボールシート141の弁座に着座するチェックボール142と、このチェックボール142をボールシート141に押圧付勢するボール付勢用ばね143と、このボール付勢用ばね143を支持してチェックボール142の移動量を規制する鐘状リテーナ144とから構成された逆止弁ユニット140が採用されている。
また、ハウジング本体110には、プランジャ収容穴112に並列配置した油圧ピン収容穴113を設け、この油圧ピン収容穴113からラチェット150に向けて摺動自在に突出して押圧する油圧ピン170を嵌挿し、油圧ピン収容穴113と油圧ピン170との間で油圧ピン用高圧油室Pが形成されている。
そして、この油圧ピン用高圧油室P内には、突出させる油圧ピン170の後端部分を下支え状態で支持してプランジャ側面のラック歯122に対するラチェット150の歯飛びと過剰な噛み込みを阻止する油圧ピン支持ばね180が設けられている。
すなわち、油圧ピン支持ばね180は、油圧ピン用高圧油室P内においてプランジャ側面のラック歯122に対してラチェット150が噛み込んでいるときに弾発力を作用させ、プランジャ側面のラック歯122に対するラチェット150の噛み込みが解放されたときに油圧ピン用高圧油室P内に満たされた圧油により押し上げられた油圧ピン170の後端部分が離脱して弾発力を作用させないように配置されている。
これにより、油圧ピン支持ばね180が油圧ピン用高圧油室P内から油圧ピン170を弾発的に下支えしているため、エンジン始動時にラチェット付勢用ばね160の付勢力によって生じがちなラチェット爪部151のラック歯122に対する歯飛びと過剰な噛み込みを阻止した状態で確実に噛み合わせてバックラッシュが生じたプランジャ120の前進変位を許容し後退変位を阻止してタイミングチェーンのバタツキ音を抑制するようになっている。
なお、前述したラチェット付勢用ばね160を適宜交換することにより、ラチェット付勢用ばね160の付勢力を油圧ピン支持ばね180の弾発力に対して相対的に変更すると、ラチェット150とプランジャ側面のラック歯122との噛み合いを解放するタイミングが任意にチューニングされることは言うまでもない。
また、前述した油圧ピン支持ばね180の弾発力は、ラチェット付勢用ばね160の付勢力よりも小さく設計されている。
これにより、油圧ピン用高圧油室Pが外部圧油で充分に満たされていない長期放置後のエンジン始動時に、油圧ピン支持ばね180の弾発力に勝るラチェット付勢用ばね160がラチェット150をプランジャ側面のラック歯122に強制的に噛み合わせるため、バックラッシュが生じたプランジャ120の前進変位を許容し後退変位を確実に阻止してタイミングチェーンのバタツキ音を抑制するようになっている。
そして、この油圧ピン用高圧油室Pには、図3に示すように、圧油を導入する第2油供給路114がハウジング本体110に形成されている。
そして、この油圧ピン用高圧油室Pに外部圧油を導入することにより、油圧ピン170を突出させてラチェット150を押圧し、プランジャ側面のラック歯122に対するラチェット150の噛み込みを解放するようになっている。
さらに、前述したラチェット150は、単一のラチェット爪部151を備え、この単一のラチェット爪部151がプランジャ側面のラック歯122に一点で噛み合うことにより、ラチェット150がプランジャ側面のラック歯122に対して過剰に噛み込むことなく、長期放置後のエンジン始動時にラチェット150が円滑に噛み外れるため、エンジン始動後にラチェット150とプランジャ側面のラック歯122との噛み合いを瞬時に解放してプランジャ120の進退動作を迅速に許容するようになっている。
本実施例では、ラチェット150の好ましい形態として、プランジャ側面のラック歯122に一点で噛み合う単一のラチェット爪部151を備えているものを示したが、エンジン始動後にラチェット150とプランジャ側面のラック歯122との噛み合いを瞬時に解放してプランジャ120の進退動作を迅速に許容するものであれば、これに限られるものではない。
そこで、本発明の第1実施例であるラチェット式テンショナ100が最も特徴とする油圧ピン用高圧油室Pへ圧油を導入するための第2油供給路114について、詳しく説明する。
すなわち、本実施例における第2油供給路114は、図3に示すように、第1油供給路111から分岐せずに独立してハウジング本体110に形成され、さらに、具体的には、エンジンブロック側から供給された外部圧油を油圧ピン用高圧油室Pへ直接導入するようにハウジング本体110に形成されている。
これにより、油圧ピン用高圧油室Pが第1油供給路111から圧油を導入する高圧油室Rの容積よりも小さな容積であっても、油圧ピン用高圧油室Pが第1油供給路111へ導入される外部油圧の脈動の直接的な影響を回避することが可能となり、また、エンジン始動後に油圧ピン用高圧油室P内が圧油で満たされるとプランジャ120の進退動作を許容する油圧ピン用高圧油室P内の油圧を安定して発生させてプランジャ120の迅速な進退動作を円滑に達成するようになっている。
また、第2油供給路114を第1油供給路111の設置位置と無関係に異なる位置に配置することにより、外部圧油が油圧ピン用高圧油室Pへ最短距離で導入され、第2油供給路114の設置を簡便に達成している。
本発明の第1実施例であるラチェット式テンショナ100は、以下のように作動する。
まず、図4に示すように、エンジン停止時やエンジン始動時は、外部圧油がエンジンブロック側から第2油供給路114を介して供給されず、油圧ピン用高圧油室Pの油圧がラチェット付勢用ばね160の付勢力より小さいため、ラチェット付勢用ばね160の付勢力によりラチェット150のラチェット爪部151をプランジャ側面のラック歯122に噛み合わせた状態を維持してタイミングチェーンから受けるプランジャ120のバックラッシュを阻止する。
他方、図5に示すように、エンジン始動後は、外部圧油がエンジンブロック側から第2油供給路114を介して供給されて、油圧ピン用高圧油室Pの圧油がラチェット付勢用ばね160の付勢力に抗してラチェット150のラチェット爪部151をプランジャ側面のラック歯122から歯飛びさせずに矢印X方向へ回転させて解放するため、プランジャ120の進退動作を許容する油圧ピン高圧油室P内の油圧を安定して発生させてプランジャ120のY方向における迅速な進退動作を円滑に達成する。
このようにして得られた本発明の第1実施例であるラチェット式テンショナ100は、長期放置後の高圧油室R内にエアが入り込んだ状態であってもラチェット付勢用ばね160の付勢力が高圧油室R内の油圧不足を補ってラチェット150に作用するため、エンジン始動時にラチェット150をプランジャ側面のラック歯122に噛み合わせてバックラッシュが生じたプランジャ120の前進変位を許容し後退変位を阻止してタイミングチェーンのバタツキ音を抑制し、また、油圧ピン用高圧油室Pへ圧油を導入する第2油供給路114を第1油供給路111から分岐せずに独立して外部圧油を油圧ピン用高圧油室Pへ直接導入するようにハウジング本体110に形成したことにより、油圧ピン用高圧油室Pが第1油供給路111へ導入される外部油圧の脈動の直接的な影響を回避することが可能となり、エンジン始動後に油圧ピン用高圧油室P内に圧油が満たされるとこの圧油が油圧ピン170を押し上げてラチェット150とプランジャ側面のラック歯122との噛み合いを瞬時に解放してプランジャ120の進退動作を円滑かつ迅速に許容できる。
しかも、第2油供給路114を第1油供給路111の設置位置と無関係に配置して外部圧油を油圧ピン用高圧油室Pへ最短距離で導入したり、第2油供給路114を簡便に製作したり付勢力の異なるラチェット付勢用ばね160に交換して噛み外れのタイミングを調整したりすることができるなど、その効果は甚大である。
つぎに、本発明の第2実施例であるラチェット式テンショナ200について、図6に基づいて説明する。
まず、図6に示すラチェット式テンショナ200も、前述したラチェット式テンショナ100と同様に、図1に示すようなエンジン本体に取り付けて使用される。
本実施例のラチェット式テンショナ200は、前述したラチェット式テンショナ100と対比すると、油圧ピン用高圧油室Pへ圧油を導入する第2油供給路214には、エンジンブロック側から供給された外部圧油の脈動を吸収するオリフィス290を設けたことが異なっており、その他の具体的な構成は、前述したラチェット式テンショナ100と同じである。
したがって、図6に示すラチェット式テンショナ200は、ラチェット式テンショナ100と同一の部材について対応する200番代の符号を付して重複する説明を省略する。
これにより、第2油供給路214を介して油圧ピン用高圧油室Pへ導入される外部圧油が過剰な場合には、オリフィス290よりその導入量を抑制し、他方、第2油供給路214を介して油圧ピン用高圧油室Pへ導入される外部圧油が過小な場合には、オリフィス290より油圧ピン用高圧油室P内に導入された圧油のリークを抑制している。
このようにして得られた本発明の第2実施例であるラチェット式テンショナ200は、前述した本発明の第1実施例であるラチェット式テンショナ100が奏する効果と同様に、長期放置後の高圧油室R内にエアが入り込んで高圧油室R内に油圧不足を生じている状態であってもエンジン始動時にラチェット250をプランジャ側面のラック歯222に噛み合わせてバックラッシュが生じたプランジャ220の前進変位を許容し後退変位を阻止してタイミングチェーンのバタツキ音を抑制し、また、油圧ピン用高圧油室Pへ圧油を導入する第2油供給路214を第1油供給路211から分岐せずに独立して外部圧油を油圧ピン用高圧油室Pへ直接導入するようにハウジング本体210に形成したことにより、エンジン始動後に油圧ピン用高圧油室P内に圧油が満たされるとラチェット250とプランジャ側面のラック歯222との噛み合いを瞬時に解放してプランジャ220の進退動作を円滑かつ迅速に許容できる。
しかも、第2油供給路214が外部圧油の脈動を吸収するオリフィス290を備えていることにより、第2油供給路214を介して油圧ピン用高圧油室Pへ導入される外部圧油が過剰な場合にはオリフィス290よりその導入量を抑制し、第2油供給路214を介して油圧ピン用高圧油室Pへ導入される外部圧油が過小な場合にはオリフィス290より油圧ピン用高圧油室P内に導入された圧油のリークを抑制するため、オイルポンプによる外部圧油に生じがちな脈動を吸収して油圧ピン用高圧油室Pにおける安定した外部圧油を確保することができるなど、その効果は甚大である。
つぎに、本発明の第3実施例であるラチェット式テンショナ300について、図7に基づいて説明する。
まず、図7に示すラチェット式テンショナ300も、前述したラチェット式テンショナ100と同様に、図1に示すようなエンジン本体に取り付けて使用される。
本実施例のラチェット式テンショナ300は、前述したラチェット式テンショナ100と対比すると、油圧ピン用高圧油室Pへ圧油を導入する第2油供給路314の配置形態のみが異なっており、その他の具体的な構成は、前述したラチェット式テンショナ100と同じである。
したがって、図7に示すラチェット式テンショナ300は、ラチェット式テンショナ100と同一の部材について対応する300番代の符号を付して重複する説明を省略する。
そこで、本発明の第3実施例であるラチェット式テンショナ300が最も特徴とする油圧ピン用高圧油室Pへ圧油を導入するための第2油供給路314について、詳しく説明する。
すなわち、本実施例における第2油供給路314は、第1油供給路311から分岐せずに独立してハウジング本体310に形成され、さらに、具体的には、高圧油室Rの圧油を油圧ピン用高圧油室Pへ直接導入するため、ハウジング本体310に形成されたプランジャ収容穴312の底部近傍で高圧油室Rと連通するように形成されている。
これにより、油圧ピン用高圧油室Pの油圧が高圧油室Rの脈動を受けたとしてもこの高圧油室Rの脈動に同期して油圧ピン370が作動するため、エンジン始動後にプランジャ320の進退動作に直ちに呼応してラチェット350のラチェット爪部351とプランジャ側面のラック歯322との噛み合いを瞬時に解放してプランジャ320の進退動作を円滑に許容するようになっている。
このようにして得られた本発明の第3実施例であるラチェット式テンショナ300は、長期放置後の高圧油室R内にエアが入り込んだ状態であってもラチェット付勢用ばね160の付勢力が高圧油室R内の油圧不足を補ってラチェット150に作用するため、エンジン始動時にラチェット350のラチェット爪部351をプランジャ側面のラック歯322に噛み合わせてバックラッシュが生じたプランジャ320の前進変位を許容し後退変位を阻止してタイミングチェーンのバタツキ音を抑制し、油圧ピン用高圧油室Pへ圧油を導入する第2油供給路314を高圧油室Rの圧油を油圧ピン用高圧油室Pへ直接導入するようにハウジング本体310に形成したことにより、エンジン始動後に高圧油室Rの脈動を受けたとしてもこの高圧油室Rの脈動に同期して油圧ピン用高圧油室P内に圧油が満たされると、エンジン始動後にプランジャ320の進退動作に直ちに呼応してラチェット350のラチェット爪部351とプランジャ側面のラック歯322との噛み合いを瞬時に解放してプランジャ320の進退動作を円滑にかつ迅速許容でき、しかも、付勢力の異なるラチェット付勢用ばね360に交換して噛み外れのタイミングを調整したりすることができるなど、その効果は甚大である。
つぎに、本発明の第4実施例であるラチェット式テンショナ400について、図8に基づいて説明する。
まず、図8に示すラチェット式テンショナ400も、前述したラチェット式テンショナ100と同様に、図1に示すようなエンジン本体に取り付けて使用される。
本実施例のラチェット式テンショナ400は実施例3であるラチェット式テンショナ300と対比して、第2油供給路にオリフィス490を設けて外部圧油の脈動をさらに吸収するようにした点でのみが異なっており、その他の具体的な構成は、前述したラチェット式テンショナ300と同じである。
したがって、図8に示すラチェット式テンショナ400は、ラチェット式テンショナ300と同一の部材について対応する400番代の符号を付して重複する説明を省略する。
このようにして得られた本発明の第4実施例であるラチェット式テンショナ400は、前述した本発明の第3実施例であるラチェット式テンショナ300が奏する効果と同様に、長期放置後の高圧油室R内にエアが入り込んで高圧油室R内に油圧不足を生じている状態であってもエンジン始動時にラチェット450をプランジャ側面のラック歯422に噛み合わせてバックラッシュが生じたプランジャ420の前進変位を許容し後退変位を阻止してタイミングチェーンのバタツキ音を抑制し、また、油圧ピン用高圧油室Pへ圧油を導入する第2油供給路414を高圧油室Rの圧油を油圧ピン用高圧油室Pへ直接導入するようにハウジング本体410に形成したことにより、エンジン始動後に高圧油室Rの脈動を受けたとしてもこの高圧油室Rの脈動に同期して油圧ピン用高圧油室P内に圧油が満たされると、エンジン始動後にプランジャ120の進退動作に直ちに呼応してラチェット450のラチェット爪部451とプランジャ側面のラック歯422との噛み合いを歯飛びせずに瞬時に解放してプランジャ420の進退動作を円滑にかつ迅速許容でき、しかも、付勢力の異なるラチェット付勢用ばね460に交換して噛み外れのタイミングを調整したりすることができる。
しかも、第2油供給路414が外部圧油の脈動を吸収するオリフィス490を備えていることにより、第2油供給路414を介して油圧ピン用高圧油室Pへ導入される外部圧油が過剰な場合にはオリフィス490よりその導入量を抑制し、第2油供給路414を介して油圧ピン用高圧油室Pへ導入される外部圧油が過小な場合にはオリフィス490より押圧ピン用高圧油室P内に導入された圧油のリークを抑制するため、オイルポンプによる外部圧油に生じがちな脈動を吸収して油圧ピン用高圧油室Pにおける安定した外部圧油を確保することができるなど、その効果は甚大である。
100,200,300,400 ・・・ ラチェット式テンショナ
110,210,310,410 ・・・ ハウジング本体
111,211,311,411 ・・・ 第1油供給路
112,212,312,412 ・・・ プランジャ収容穴
113,213,313,413 ・・・ 油圧ピン収容穴
114,214,314,414 ・・・ 第2油供給路
120,220,320,420 ・・・ プランジャ
121,221,321,421 ・・・ 中空部
122,222,322,422 ・・・ ラック歯
130,230,330,430 ・・・ プランジャ付勢用ばね
140,240,340,440 ・・・ 逆止弁ユニット
141,241,341,441 ・・・ ボールシート
142,242,342,442 ・・・ チェックボール
143,243,343,443 ・・・ ボール付勢用ばね
144,244,344,444 ・・・ 鐘状リテーナ
150,250,350,450 ・・・ ラチェット
151,251,351,451 ・・・ ラチェット爪部
160,260,360,460 ・・・ ラチェット付勢用ばね
170,270,370,470 ・・・ 油圧ピン
180,280,380,480 ・・・ 油圧ピン支持ばね
290,490 ・・・ オリフィス
P ・・・ 油圧ピン用高圧油室
R ・・・ 高圧油室
500 ・・・ 従来のラチェット式テンショナ
501 ・・・ ハウジング
502 ・・・ プランジャ
503 ・・・ 後退規制部
504 ・・・ 飛出し規制部
510 ・・・ 油室
522 ・・・ コイルバネ
531 ・・・ 揺動体
531a ・・・ 係止歯
540 ・・・ ピストン室
542 ・・・ ロックピストン
542a,542c ・・・ 受圧面
542d ・・・ 係止突部
544 ・・・ 付勢バネ


Claims (7)

  1. 外部圧油を導入する第1油供給路を形成したハウジング本体と該ハウジング本体のプランジャ収容穴から走行チェーンに向けて摺動自在に突出するプランジャと前記ハウジング本体のプランジャ収容穴とプランジャの中空部との間に形成される高圧油室に収納されてプランジャの突出方向に付勢するプランジャ付勢用ばねと前記プランジャ収容穴の底部に組み込まれて高圧油室内から第1油供給路へ圧油の逆流を阻止する逆止弁ユニットと前記ハウジング本体の前方部位に揺動自在に軸支されてプランジャのプランジャ側面に形成したラック歯に噛み合わせてプランジャの前進変位を許容して後退変位を阻止するラチェットと該ラチェットをプランジャ側面のラック歯に噛み込むように付勢するラチェット付勢用ばねとを備えたラチェット式テンショナにおいて、
    前記ハウジング本体の油圧ピン収容穴からラチェットに向けて摺動自在に突出して押圧する油圧ピンをプランジャ側面のラック歯に対するラチェットの噛み込みを解放する方向に変位させる油圧ピン用高圧油室が、前記油圧ピン収容穴と油圧ピンとの間に形成され、
    前記油圧ピン用高圧油室へ圧油を導入する第2油供給路が、前記第1油供給路から分岐せずに独立してハウジング本体に形成されていることを特徴とするラチェット式テンショナ。
  2. 前記第2油供給路が、前記外部圧油を油圧ピン用高圧油室へ直接導入するようにハウジング本体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラチェット式テンショナ。
  3. 前記第2油供給路が、前記高圧油室の圧油を油圧ピン用高圧油室へ直接導入するようにハウジング本体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のラチェット式テンショナ。
  4. 前記第2油供給路が、前記外部圧油の脈動を吸収するオリフィスを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のラチェット式テンショナ。
  5. 前記油圧ピンを支持してプランジャ側面のラック歯に対するラチェットの歯飛びと過剰な噛み込みを阻止する油圧ピン支持ばねが、前記油圧ピン用高圧油室内に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のラチェット式テンショナ。
  6. 前記ラチェット付勢用ばねの付勢力が、前記油圧ピン支持ばねの弾発力より大きくなっていることを特徴とする請求項5に記載のラチェット式テンショナ。
  7. 前記ラチェットが、前記プランジャ側面のラック歯に一点で噛み合う単一のラチェット爪部を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載のラチェット式テンショナ。
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