JP4938102B2 - チェーンテンショナ - Google Patents

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Description

本発明は、一方が開放した円筒状のプランジャ収容穴を有するテンショナボディにプランジャが摺動自在に挿入され、突出方向に付勢されて、チェーンの張力を適正に保持するチェーンテンショナに関するものである。
従来、エンジンルーム内のクランク軸とカム軸の夫々に設けたスプロケット間に無端懸回したローラチェーン等の伝動チェーンを、走行案内シューによって摺動案内を行うチェーンガイド機構において、張力を適正に保持するために、固定されたテンショナボディから付勢力によって突出方向に突出するプランジャを有するチェーンテンショナによって走行案内シューを有するテンショナレバーを付勢するものが周知である。
これらのチェーンテンショナにおいて、通常、付勢手段としてプランジャ収容穴に圧油を供給することで油圧ダンピングを働かせてプランジャの収容側への動きを規制しているが、エンジン始動時には圧油が供給されるまでダンピング動作が機能せずプランジャが大きく後退してエンジン始動時に打音の発生原因となるため、プランジャの外周に設けられた複数の凹凸溝とテンショナボディに設けられた係合部材によってラチェット機構を構成し、プランジャの収容側への動きを規制するものが知られている。
特許第3929680号公報(第4、5頁、図1乃至図3)
しかしながら、このような公知のチェーンテンショナのラチェット機構は、エンジンの温度変化等で発生するチェーン張力過多でプランジャの収容方向の動きも規制してしまい、プランジャが焼き付いたり、チェーンが過大な張力のまま走行してチェーンへの負担や騒音が増加するという問題があった。
そのため、チェーン張力過多によって生じるプランジャの収容方向の動きの想定される最大値にあわせてラチェット機構に所定のバックラッシュ量を設けることが行われているが、このバックラッシュ量が大きいほどエンジン始動時に打音の低減効果が少なくなるという問題があった。
そして、プランジャの外周に設けられた凹凸溝の後退側緩斜面がプランジャの突出方向に対して単純な一定の傾斜角度で形成されているため、リングからなる係合部材の弾力的な拡径動作、すなわち、バネ乗数がプランジャの前進変位に対して一定に機能せず、プランジャの前進速度がリングからなる係合部材の拡径位置により変化してダンピング力の応答性に不規則なムラが生じてプランジャの円滑な前進動作を発揮することができず、バタツキ音を発生させるという問題があった。
また、テンショナボディに設けられた係合部材が、テンショナボディの外部に突出部を有するカム機構で構成された場合、構造が複雑でテンショナボディの外形が大型化するとともに、組み付けや取り外し可能な形状とすることが困難であった。
さらに、様々な使用条件によってラチェット機構の特性の異なるものを設計する必要があるが、チェーンテンショナ全体を使用条件に応じた特性に設計する必要があり、製作コストが増加するという問題があった。
本発明は、前述したような従来技術の問題を解決するものであって、すなわち、本発明の目的は、単純な小型化した構造でプランジャの円滑な前進動作を発揮してエンジン始動時のバタツキ音を解消し、チェーン張力過多によるプランジャの後退方向の動きを許容してうなり音を低減するとともにプランジャの焼きつきを防止し、しかも、組み付け、取り外し等のメンテナンスが容易なチェーンテンショナを提供することである。
本請求項1に係る発明は、一方を開放した円筒状のプランジャ収容穴を有するテンショナボディと前記プランジャ収容穴に摺動自在に挿入される円筒状のプランジャと前記プランジャ収容穴の開放端近傍内周面に周設した環状内周溝に拡径自在に収容保持される弾性リングと前記プランジャ収容穴からプランジャを突出方向に付勢するプランジャ付勢ばねとを備え、前記プランジャの外周面に突出方向に沿って複数周設した凹凸状のラック歯と前記プランジャ収容穴の環状内周溝に収容保持された弾性リングとでラチェット機構を構成するチェーンテンショナにおいて、前記プランジャ収容穴の環状内周溝が、前記プランジャの突出方向側に形成した突出側リング制止壁面と後退方向側に形成した後退側制止壁面とで少なくとも構成され、前記プランジャのラック歯が、前記プランジャの突出方向側に形成して前記弾性リングを挟んでプランジャ収容穴の後退側制止壁面に対向する突出側急斜面と前記プランジャの後退方向側に形成して前記弾性リングを挟んでプランジャ収容穴の突出側制止壁面に対向する後退側緩斜面とで少なくとも構成され、前記プランジャ収容穴に形成した後退側制止壁面の突出方向に対する傾斜角度が、エンジン始動時にプランジャに生じる後退方向の荷重負荷で弾性リングがラック歯の歯先部を乗り越えず、チェーン張力過多時にプランジャに生じる後退方向の荷重負荷で弾性リングが拡径してラック歯の歯先部を乗り越えるように前記ラック歯に形成した突出側急斜面の突出方向に対する傾斜角度よりも大きく設定され、前記後退側緩斜面が、前記弾性リングの拡径に追従して突出するプランジャの突出速度を一定に規制するように前記プランジャの後退方向に漸次もしくは段階的に拡径された凸状曲面で形成されていることにより、前述した課題を解決するものである。
本請求項2に係る発明は、請求項1に記載されたチェーンテンショナの構成に加えて、前記ラック歯の歯先部が、前記ラック歯の突出側急斜面と後退側緩斜面との間に介在する均一な外径の摺接外周面で構成されていることにより、前述した課題を解決するものである。
本請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたチェーンテンショナの構成に加えて、前記弾性リングが、Cリングであることにより、前述した課題を解決するものである。
本請求項4に係る発明は、請求項1または請求項2に記載されたチェーンテンショナの構成に加えて、前記弾性リングが、外周側にレバー部を延設した環状リングであることにより、前述した課題を解決するものである。
本請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載されたチェーンテンショナの構成に加えて、前記テンショナボディが、エンジンブロック壁を介して外方から挿入螺着する取付用基端外周部を有していることにより、前述した課題をさらに解決するものである。
本請求項1に係る発明は、一方を開放した円筒状のプランジャ収容穴を有するテンショナボディと前記プランジャ収容穴に摺動自在に挿入される円筒状のプランジャと前記プランジャ収容穴の開放端近傍内周面に周設した環状内周溝に拡径自在に収容保持される弾性リングと前記プランジャ収容穴からプランジャを突出方向に付勢するプランジャ付勢ばねとを備えていることにより、弾性リングがプランジャ収容穴内に収容されてラチェット機構として作用するため、テンショナボディを小型化することができる。
そして、プランジャ収容穴の環状内周溝がプランジャの突出方向側に形成した突出側リング制止壁面と後退方向側に形成した後退側制止壁面とで少なくとも構成され、プランジャのラック歯がプランジャの突出方向側に形成して前記弾性リングを挟んでプランジャ収容穴の後退側制止壁面に対向する突出側急斜面と前記プランジャの後退方向側に形成して前記弾性リングを挟んでプランジャ収容穴の突出側制止壁面に対向する後退側緩斜面とで少なくとも構成されていることにより、プランジャ収容穴の環状内周溝とプランジャのラック歯との傾斜角度を設定するだけでプランジャの突出側、後退側双方向のラチェット機構の規制力を個別に容易に設定することができるため、単純な構造で多様な使用条件に応じた設計を行うことができ、製作コストを低減することができる。
また、プランジャ収容穴に形成した後退側制止壁面の突出方向に対する傾斜角度が、チェーン始動時にプランジャに生じる後退方向の荷重負荷で弾性リングがラック歯の歯先部を乗り越えず、チェーン張力過多時にプランジャに生じる後退方向の荷重負荷で弾性リングが拡径してラック歯の歯先部を乗り越えるように前記ラック歯に形成した突出側急斜面の突出方向に対する傾斜角度よりも大きく設定されていることにより、チェーン張力過多によって生じるプランジャの後退方向の動きを許容するため、チェーン張力過多時に生じがちなうなり音を低減してプランジャの焼きつきを防止することができる。
さらに、後退側緩斜面が、弾性リングの拡径に追従して突出するプランジャの突出速度を一定に規制するようにプランジャの後退方向に漸次もしくは段階的に拡径された凸状曲面で形成されていることにより、弾性リングの弾力的な拡径動作、すなわち、バネ乗数が弾性リングの拡径位置に拘わらずプランジャの前進変位に対して一定に機能して、プランジャの一定した前進速度が安定したダンピング力を発揮するため、プランジャの円滑な前進動作でエンジン始動時のバタツキ音を解消することができる。
本請求項2に係る発明のチェーンテンショナは、請求項1に係るチェーンテンショナが奏する効果に加えて、ラック歯の歯先部がラック歯の突出側急斜面と後退側緩斜面との間に介在する均一な外径の摺接外周面で構成されていることにより、プランジャがプランジャ収容穴の内周面に対する接触面圧を低減させた状態で摺動するため、プランジャの円滑な前進後退動作を達成することができる。
本請求項3に係る発明のチェーンテンショナは、請求項1または請求項2に係るチェーンテンショナが奏する効果に加えて、弾性リングがCリングであることにより、テンショナボディの外部に突出部を設ける必要がなく、単純な構造でリング溝内での拡径や縮径が容易に行われるため、さらにテンショナボディを小型化することができるとともに、弾性の設定を容易に正確に行うため、さらに製作コストを低減することができる。
本請求項4に係る発明のチェーンテンショナは、請求項1または請求項2に係るチェーンテンショナが奏する効果に加えて、弾性リングが外周側にレバー部を延設した環状リングであることにより、単純な構造でリング溝内での拡径や縮径が容易に行われるため、弾性の設定を容易に正確に行うことができるとともに、レバー部によって作業者の操作で簡単に拡径や縮径を行うため、組み付け、取り外し、メンテナンスを容易に行うことができる。
本請求項5に係る発明のチェーンテンショナは、請求項1乃至請求項4のいずれかに係るチェーンテンショナが奏する効果に加えて、テンショナボディがエンジンブロック壁を介して外方から挿入螺着する取付用基端外周部を有していることにより、テンショナボディの小型化が可能となるとともに、エンジンルームを開放することなく外から組み付けや取り外しを可能とするため、組立やメンテナンスが容易となる。
本発明の第1実施例であるチェーンテンショナの使用態様図。 本発明の第1実施例であるチェーンテンショナの概要を示す断面図。 本発明の第1実施例であるチェーンテンショナの正面図。 図2に示すチェーンテンショナに用いたプランジャの概要図。 本発明の第1実施例で用いた弾性リングの概要図と一部拡大図。 図2に示すチェーンテンショナのラチェット機構を拡大した説明図。 図5に示す弾性リングのリング変形特性を説明する図。 エンジン始動時のプランジャに後退方向の荷重が負荷された瞬間を示す図。 エンジン始動時のプランジャがバックストップ状態になった図。 プランジャ前進で弾性リングがラック歯を乗り越え始める状態を示す図。 プランジャ前進で弾性リングがラック歯を乗り越える瞬間の状態を示す図。 プランジャ前進で弾性リングがラック歯を乗り越えた直後の状態を示す図。 プランジャ前進で弾性リングがラック歯を乗り越えて縮径した状態を示す図。 プランジャ前進で弾性リングが拡径を開始した直後の状態を示す図。 プランジャ前進で弾性リングが後退側緩斜面で拡径する状態を示す図。 プランジャ前進で弾性リングが後退側緩斜面で更に拡径した状態を示す図。 プランジャ前進で弾性リングが最大限に拡径した状態を示す図。 チェーン張力過多時のプランジャが後退させられる状態を示す図。 プランジャ後退で弾性リングがラック歯を乗り越え始める状態を示す図。 プランジャ後退で弾性リングがラック歯を乗り越える瞬間を示す図。 プランジャ後退で弾性リングがラック歯を乗り越えた状態を示す図。 本発明の第2実施例であるチェーンテンショナの概要を示す断面図。 本発明の第2実施例であるチェーンテンショナの正面図。 本発明の第2実施例で用いた弾性リングを示す部品図。 本発明の第3実施例であるチェーンテンショナの使用態様図と要部拡大図。
本発明は、一方を開放した円筒状のプランジャ収容穴を有するテンショナボディと前記プランジャ収容穴に摺動自在に挿入される円筒状のプランジャと前記プランジャ収容穴の開放端近傍内周面に周設した環状内周溝に拡径自在に収容保持される弾性リングと前記プランジャ収容穴からプランジャを突出方向に付勢するプランジャ付勢ばねとを備え、プランジャの外周面に突出方向に沿って複数周設した凹凸状のラック歯とプランジャ収容穴の環状内周溝に収容保持された弾性リングとでラチェット機構を構成するチェーンテンショナにおいて、プランジャ収容穴の環状内周溝がプランジャの突出方向側に形成した突出側リング制止壁面と後退方向側に形成した後退側制止壁面とで少なくとも構成され、プランジャのラック歯がプランジャの突出方向側に形成して前記弾性リングを挟んでプランジャ収容穴の後退側制止壁面に対向する突出側急斜面と前記プランジャの後退方向側に形成して弾性リングを挟んでプランジャ収容穴の突出側制止壁面に対向する後退側緩斜面とで少なくとも構成され、プランジャ収容穴に形成した後退側制止壁面の突出方向に対する傾斜角度がチェーン始動時にプランジャに生じる後退方向の荷重負荷で弾性リングがラック歯の歯先部を乗り越えず、チェーン張力過多時にプランジャに生じる後退方向の荷重負荷で弾性リングが拡径してラック歯の歯先部を乗り越えるようにラック歯に形成した突出側急斜面の突出方向に対する傾斜角度よりも大きく設定され、後退側緩斜面が弾性リングの拡径に追従して突出するプランジャの突出速度を一定に規制するようにプランジャの後退方向に漸次もしくは段階的に拡径された凸状曲面で形成され、単純な小型化した構造でプランジャの円滑な前進動作を発揮してエンジン始動時のバタツキ音を解消し、チェーン張力過多によるプランジャの後退方向の動きを許容してうなり音を低減するとともにプランジャの焼きつきを防止し、しかも、組み付け、取り外し等のメンテナンスを容易に行うものであれば、その具体的な実施態様は如何なるものであっても何ら構わない。
たとえば、本発明のチェーンテンショナは、エンジンのクランクシャフト側スプロケットとカムシャフト側スプロケットとの間に掛け回されるタイミングチェーンを対象にして説明しているが、このようなタイミングシステムに限らず、バランサーシステムやオイルポンプシステムなどに掛け回されるチェーンにも適用可能であり、さらに、ベルトに対しても同様に適用可能であることは言うまでもない。
また、本発明のチェーンテンショナとしては、タイミングチェーンに対してプランジャを押圧付勢するものであれば良く、例えば、バネのみ付勢力を用いてプランジャを押圧付勢するもの、あるいは、バネと油圧の付勢力を用いてプランジャを押圧付勢するものの何れであっても何ら構わない。
本発明のチェーンテンショナに用いるテンショナボディの具体的形態については、エンジンブロックに装着されるものであれば如何なるものであっても良く、例えば、内装式と称するエンジン内部にボルトなどの固着手段を用いてハウジング本体を密閉装着するもの、あるいは、外装式と称するエンジン外部からエンジン内部のタイミングチェーンに向けてテンショナボディがエンジンブロック壁を介して外方から挿入螺着する取付用基端外周部を有しているもののいずれであっても何ら構わない。
また、本発明に用いたテンショナボディのプランジャ収容穴に形成する環状内周溝の具体的形態については、プランジャの突出方向側に形成した突出側リング制止壁面と後退方向側に形成した後退側制止壁面とで少なくとも構成されていれば良く、例えば、プランジャの突出方向に対して突出側リング制止壁面がなす挟角、すなわち、突出側リング制止壁面の傾斜角度α1については、プランジャの突出方向に対して略90°の角度範囲とし、プランジャの突出方向に対して後退側制止壁面がなす挟角、すなわち、後退側制止壁面の傾斜角度α2については、プランジャの突出方向に対して45°〜75°の角度範囲とするのが好ましい。
さらに、本発明に用いるプランジャのラック歯の具体的形態については、プランジャの突出方向側に形成されて弾性リングを挟んでプランジャ収容穴の後退側制止壁面に対向する突出側急斜面と、プランジャの後退方向側に形成されて弾性リングを挟んでプランジャ収容穴の突出側制止壁面に対向する後退側緩斜面とで少なくとも構成されているとともに、この後退側緩斜面が弾性リングの拡径に追従して突出するプランジャの突出速度を一定に規制するようにプランジャの後退方向に漸次もしくは段階的に拡径された凸状曲面で形成されていれば良い。
特に、プランジャの突出方向に対して突出側急斜面がなす挟角、すなわち、突出側急斜面の傾斜角度β1については、プランジャの突出方向に対して35°〜55°の角度範囲とするのが好ましい。
したがって、本発明では、プランジャ収容穴に形成した後退側制止壁面の突出方向に対する傾斜角度は、ラック歯に形成した突出側急斜面の突出方向に対する傾斜角度よりも大きく設定されており、チェーン始動時にプランジャに生じる後退方向の荷重負荷で弾性リングがラック歯の歯先部を乗り越えず、チェーン張力過多時にプランジャに生じる後退方向の荷重負荷で弾性リングが拡径してラック歯の歯先部を乗り越えるようになっている。
さらに、ラック歯の歯先部がラック歯の突出側急斜面と後退側緩斜面との間に介在する均一な外径の摺接外周面で構成したものであれば、プランジャがプランジャ収容穴の内周面に対する接触面圧を低減させた状態で摺動するため、プランジャの円滑な前進後退動作を達成することができる。
加えて、本発明のチェーンテンショナのテンショナボディやプランジャの具体的な素材は、チェーンの張力を適正に保持するための強度を有するものであれば如何なるものでも良く、強度、加工性、経済性の観点から鋼材や鋳鉄等の鉄系材料を用いるのが好ましい。
また、本発明のチェーンテンショナの付勢手段は、ばね等の弾性部材や油圧等の高圧流体、あるいはそれらを組み合わせたもの等、如何なるものであっても良い。
第1実施例
以下に、本発明の第1実施例であるチェーンテンショナについて、図面に基づいて以下説明する。
そこで、図1は、本発明の第1実施例であるチェーンテンショナの使用態様図であり、図2は、本発明の第1実施例であるチェーンテンショナの概要を示す断面図であり、図3は、本発明の第1実施例であるチェーンテンショナの正面図であり、図4は、図2に示すチェーンテンショナに用いたプランジャの概要図であり、図5は、弾性リングの概要図と一部拡大図であり、図6は、図2に示すチェーンテンショナのラチェット機構を拡大した説明図であり、図7は、図5に示す弾性リングのリング変形特性を説明する図である。
そして、図8乃至図9は、エンジン始動時のプランジャに後退方向の荷重が負荷された場合の動作図であり、図10乃至図13は、プランジャが前進する場合の動作図であり、図14乃至図17は、プランジャ前進で弾性リングがラック歯を乗り越える際の動作図であり、図18乃至図21は、チェーン張力過多時のプランジャが後退する場合の動作図である。
まず、図1に示すように、本発明の第1実施例であるチェーンテンショナ100は、エンジンのタイミングシステムに使用される。
すなわち、エンジンのタイミングシステムは、エンジンブロック壁Eに形成されるエンジンルーム内のクランク軸に取付けた駆動スプロケットS1とカム軸に取付けた従動スプロケットS2との間に無端懸回した伝動チェーンTCを用いて、伝動チェーンTCの張力を適正に保持して伝動チェーンTCをガイドするテンショナレバーLと伝動チェーンTCの走行を案内する固定ガイド部材Gとを押接させている。
テンショナレバーLは、エンジンルームに揺動自在に取付けられ、エンジンブロック壁Eにエンジンルーム外から挿入固定されたチェーンテンショナ100により押圧付勢されており、固定ガイド部材Gは、エンジンルームに固定されている。
そこで、本発明の第1実施例であるチェーンテンショナ100は、図2乃至図3に示すように、テンショナボディ110と、このテンショナボディ110に摺動自在に挿入される円筒状のプランジャ120と、弾性リングであるCリング130と、プランジャ120をテンショナボディ110から突出する方向に付勢するプランジャ付勢ばね140と、圧油の逆流を阻止するチェックバルブ機構150を有している。
そして、前述したテンショナボディ110は、図4に示すようなプランジャ120が摺動自在に挿入される一方が開放した円筒状のプランジャ収容穴111を有している。
これにより、テンショナボディ110のプランジャ収容穴111にプランジャ120が収容され、プランジャ120のプランジャ付勢ばね収容孔121に収容されたプランジャ付勢ばね140によって、プランジャ120がテンショナボディ110から前進突出する方向に付勢されて伝動チェーンの張力を保持している。
また、テンショナボディ110には、プランジャ収容穴111の底面に連通するための圧油供給孔112が設けられ、プランジャ付勢ばね140のプランジャ収容穴111の端面には、チェックバルブ機構150が当接していることにより、チェックバルブ機構150を介して供給される圧油によってもプランジャ120をテンショナボディ110から突出する方向に付勢しつつ、プランジャ120が往復動の動きを緩衝するダンパとして機能している。
なお、図2における符号113は、本実施例のチェーンテンショナ100をエンジン内のエンジンブロック壁Eに取り付けるための取り付け孔であり、図3に示す符号Pは、本実施例のチェーンテンショナ100をエンジン内に組みつけるまでプランジャ120の不用意な飛び出しを防止するための係止ピンであり、図2乃至図3に示す符号115は、係止ピンPを挿入するためのテンショナボディ110に設けたピン挿入穴である。
また、Cリング130からなる弾性リングは、図5に示すように、円環の一部円弧部を開放部131として切欠きくことで縮径、拡径可能な断面円形の弾性材料で構成されており、自由状態(力が加わらず縮径、拡径していない状態)で、外周径DLがテンショナボディ110のプランジャ収容穴111の内径より大きく、内周径DSがプランジャ120の外径より小さく形成されている。
このプランジャ収容穴111の開放端近傍内周面には、図5に示すようなCリング130からなる弾性リングを拡径自在に収容保持するための環状円周溝116が周設けられている。
そして、前述したプランジャ収容穴111の環状内周溝116は、図6に示すように、プランジャ120の突出方向側においてプランジャ収容穴111の内周面から直交する方向に切り欠いて形成した突出側リング制止壁面116aと、この突出側リング制止壁面116aに対面して後退方向側に形成した後退側制止壁面116bと、突出側リング制止壁面116aと後退側制止壁面116bとに連続する環状溝底面116cとで構成されている。
他方、プランジャ120は、図2乃至図4に示すように、テンショナボディ110のプランジャ収容穴111に摺動自在に挿入される円筒形状に構成されており、付勢手段であるプランジャ付勢ばね140を収容するために一方を開放したプランジャ付勢ばね収容孔121を有している。
そして、プランジャ120の外周部には、テンショナボディ110の環状円周溝116に収容されたCリング130が係合してラチェット機構を構成する凹凸状のラック歯122がプランジャ120の外周面の突出方向に沿って複数周設されている。
なお、図3に示す符号123は、前述したピン挿入穴115と共働して係止ピンPを係止するための係止溝である。
さらに、このプランジャ120のラック歯122は、図6に拡大して示すように、プランジャ120の突出方向側に形成されてCリング130を挟んでプランジャ収容穴111の後退側制止壁面116bに対向する突出側急斜面122aと、プランジャ120の後退方向側に形成してCリング130を挟んでプランジャ収容穴111の突出側制止壁面116aに対向する後退側緩斜面122bと、これらの突出側急斜面122aと後退側緩斜面122bとの間に介在する均一な外径の摺接外周面122cとで構成されている。
これにより、本実施例のチェーンテンショナ100では、プランジャ収容穴111の環状内周溝116とプランジャ120のラック歯122との傾斜角度を設定するだけでプランジャ120の突出側、後退側双方向のラチェット機構の規制力を個別に容易に設定することが可能になるため、単純な構造で多様な使用条件に応じた設計を行い、製作コストを低減している。
また、前述した後退側緩斜面122bは、図6に拡大して示すように、プランジャ120の後退方向に漸次に拡径された緩やかな円弧状に膨出する凸状曲面で形成されている。
これにより、後退側緩斜面122bは、図5に拡大して示すようなCリング130の拡径に追従して、突出前進するプランジャ120の突出速度を一定に規制している。
要するに、図7に示すように、後退側緩斜面122bは、Cリング130の弾力的な拡径動作、すなわち、バネ乗数がCリング130の拡径位置に拘わらずプランジャ120の前進変位に対して一定に機能するため、このプランジャ120の一定した前進変位、すなわち、前進速度が安定したダンピング力を発揮するようになっている。
なお、図7における実線は、後退側緩斜面122b上におけるCリング130からなる弾性リングの拡径の度合いと拡径に要する力との関係を示し、2点破線は、Cリング130のみを拡径させる場合の拡径の度合いと拡径に要する力との関係を示している。
また、図7に示す拡径度合いを意味する符号aと符号(1)、(2)、(3)、(4)は、図5に示す符号aと符号(1)、(2)、(3)、(4)にそれぞれ対応している。
さらに、本実施例のチェーンテンショナ100では、前述したプランジャ120の突出方向に対して後退側制止壁面116bがなす挟角の傾斜角度α2は、70°前後に設計されており、プランジャ120の突出方向に対して突出側急斜面122aがなす挟角の40°前後の傾斜角度β1よりも大きく設定されている。
これにより、エンジン始動時にプランジャ120に生じる後退方向の荷重負荷でCリング130が、ラック歯122の摺接外周面122cからなる歯先部を乗り越えず、チェーン張力過多時にプランジャ120に生じる後退方向の荷重負荷でCリング130が、拡径してラック歯122の摺接外周面122cからなる歯先部を乗り越えるため、チェーン張力過多によって生じるプランジャ120の後退方向の動きのみを許容するようになっている。
なお、本実施例のチェーンテンショナ100では、前述したプランジャ120の突出方向に対して突出側リング制止壁面116aがなす挟角の傾斜角度α1については、プランジャ120の突出方向に対して略90°の角度範囲となっている。
次に、本実施例のチェーンテンショナ100においてテンショナボディ110の環状内周溝116に収容されたCリング130とプランジャ120のラック歯122とで構成されるラチェット機構の動作について説明する。
まず、図8乃至図9に示すように、エンジン始動時のプランジャに後退方向の荷重が負荷された場合、Cリング130は、拡径することなく、図8に示すようなテンショナボディ110の突出側リング制止壁面116aとプランジャ120の後退側緩斜面122bとの間に挟持された状態から図9に示すようなテンショナボディ110の突出側リング制止壁面116aとプランジャ120の突出側急斜面122aとの間に挟持された状態へ速やかに移行して、プランジャ120の更なる後退を阻止規制する、所謂、バックストップ状態を発揮する。
なお、図8乃至図9に示す仮想線Aは、エンジン始動時に後退方向の荷重F1が負荷されたプランジャ120の突出開始位置である。
そして、図10乃至図17に示すように、エンジン始動後の稼動時にプランジャが前進する場合、Cリング130は、図10に示すようなCリング130が縮径してプランジャ120の突出側急斜面122aと後退側緩斜面122bとに跨がって保持された状態から図11に示すようなCリング130が拡径してプランジャ120の歯先部である摺接外周面122cを乗り越える状態に移行した後に図12に示すようなCリング130が縮径しながら乗り越えた状態に移行する。
このようなプランジャ120の前進突出動作を繰り返すことにより、図13に示すようなCリング130が縮径してプランジャ120の突出側急斜面122aと後退側緩斜面122bとに跨がって保持される状態を再び呈して、プランジャ120がテンショナボディ110から前進突出する方向に付勢されて伝動チェーンの適正な張力を保持するようになっている。
なお、図10乃至図13に示す仮想線Bは、エンジン始動後の稼動時に突出方向の荷重F2が負荷されたプランジャ120の突出開始位置である。
ここで、図10から図11に示すようなプランジャ前進でCリング130がラック歯122の後退側緩斜面122bを乗り越える際の動作を、図14乃至図17に基づいて更に詳しく説明する。
プランジャが前進する場合、Cリング130は、図14に示すようなCリング130が拡径を開始した直後の状態(図5に示す(1)の状態も合わせて参照。)、図15に示すようなCリング130が後退側緩斜面122bで拡径する状態(図5に示す(2)の状態も合わせて参照。)、図16に示すようなCリング130が後退側緩斜面122bで更に拡径した状態(図5に示す(3)の状態も合わせて参照。)、図17に示すようなCリング130が最大限に拡径した状態(図5に示す(4)の状態も合わせて参照。)のいずれであっても、後退側緩斜面122bにおいてCリング130の弾力的な拡径動作、すなわち、バネ乗数がCリング130の拡径位置に拘わらずプランジャ120の前進変位に対して一定に機能するため、このプランジャ120の一定した前進変位b、すなわち、前進速度が安定したダンピング力を発揮するようになっている。
なお、図14乃至図17に示す仮想線Bは、エンジン始動後の稼動時に突出方向の荷重F2が負荷されたプランジャ120の突出開始位置である。
他方、図18乃至図21に示すように、チェーン張力過多時のプランジャ120が後退する場合、Cリング130は、図18に示すようなCリング130が縮径してプランジャ120の突出側急斜面122aと後退側緩斜面122bとに跨がって保持された状態から図19に示すようなCリング130がテンショナボディ110の後退側制止壁面116bに沿って拡径しながらプランジャ120の突出側急斜面122a乗り越える状態に移行した後に図20に示すようなCリング130が最大限に拡径した状態を経て図21に示すようなCリング130が縮径した状態になる。
このようなプランジャ120の後退動作を繰り返すことにより、チェーン張力過多によって生じるプランジャ120の後退方向の動きを許容するになっている。
なお、図18乃至図21に示す仮想線Cは、チェーン張力過多時に後退方向の荷重F3が負荷されたプランジャ120の後退開始位置である。
以上に説明したような本実施例のチェーンテンショナ100によれば、プランジャ収容穴111の環状内周溝116が突出側リング制止壁面116aと後退側制止壁面116bと摺接外周面122cとで構成され、プランジャ120のラック歯122がプランジャ120の突出方向側に形成してCリング130を挟んでプランジャ収容穴111の後退側制止壁面116bに対向する突出側急斜面122aとプランジャ120の後退方向側に形成してCリング130を挟んでプランジャ収容穴111の突出側制止壁面116aに対向する後退側緩斜面122bとで少なくとも構成されていることにより、プランジャ収容穴111の環状内周溝116とプランジャ120のラック歯122との傾斜角度を設定するだけでプランジャ120の突出側、後退側双方向のラチェット機構の規制力を個別に容易に設定することができるため、単純な構造で多様な使用条件に応じた設計を行うことができ、製作コストを低減することができる。
また、プランジャ収容穴111に形成した後退側制止壁面116bの突出方向に対する傾斜角度が、ラック歯122に形成した突出側急斜面122aの突出方向に対する傾斜角度よりも大きく設定されていることにより、チェーン張力過多時に生じがちなうなり音を低減してプランジャ120の焼きつきを防止することができる。
さらに、後退側緩斜面122bが、Cリング130の拡径に追従して突出するプランジャ120の突出速度を一定に規制するようにプランジャ120の後退方向に漸次拡径された緩やかな凸状曲面で形成されていることにより、Cリング130の弾力的な拡径動作、すなわち、バネ乗数がCリング130の拡径位置に拘わらずプランジャ120の前進変位に対して一定に機能して、プランジャ120の一定した前進速度が安定したダンピング力を発揮するため、プランジャ120の円滑な前進動作でエンジン始動時のバタツキ音を解消することができる。
そして、弾性リングがCリング130であることにより、テンショナボディ110の外部に突出部を設ける必要がなく、単純な構造でプランジャ収容穴111の環状内周溝116内での拡径や縮径が容易に行われるため、さらにテンショナボディ110を小型化することができるとともに、弾性の設定を容易に正確に行うため、さらに製作コストを低減することができるなど、その効果は甚大である。
第2実施例
以下に、本発明の第2実施例であるチェーンテンショナ200について、図面に基づいて以下説明する。
そこで、図22は、本発明の第2実施例であるチェーンテンショナの概要を示す断面図であり、図23は、本発明の第2実施例であるチェーンテンショナの正面図である。
図24は、本発明の第2実施例で用いた弾性リングであって、(a)はその正面図であり、(b)はその側面図である。
ここで、本発明の第2実施例であるチェーンテンショナ200は、前述した第1実施例のチェーンテンショナ100と比較すると、弾性リング230の具体的な形態のみが異なっており、その余の装置構成については、第1実施例のチェーンテンショナ100と全く同じであるため、これらの具体的な説明は、符号100番代の数字を200番代に読み替えることによって、これらの説明を省略する。
本実施例のチェーンテンショナ200では、弾性リング230が、外周側にレバー部231、232を延設した縮径、拡径可能な断面円形の弾性材料からなる環状リングで構成されている。
そして、テンショナボディ210には、プランジャ収容穴211の環状内周溝216の一部の外周から外部まで連通する切欠き217が設けられている。
環状リンクからなる弾性リング230の環状部分の外周径および内周径は、前述したCリング130と同様に形成されている。
また、一方のレバー部231は、切欠き217を通って外部まで伸びるとともに、他方のレバー部232は、L字状に形成され切欠き217内で環状リング230の周方向の移動を規制するように構成されている。
なお、この場合、レバー部231がテンショナボディ210の外部まで伸びるため、テンショナボディ210は、前述したエンジンブロックEにエンジンルーム外から挿入固定される形状ではなく、従来のチェーンテンショナと同様に、エンジンルーム内部で別途固定される形状とするのが好適である。
以上に説明したような本実施例のチェーンテンショナ200によれば、本実施例のチェーンテンショナ100が奏する効果に加えて、単純な構造でプランジャ収容穴211の環状内周溝216内での拡径や縮径が容易に行われるため、弾性の設定を容易に正確に行うことができるとともに、レバー部231、232によって作業者の操作で簡単に拡径や縮径を行うため、組み付け、取り外し、メンテナンスを容易に行うことができるなど、その効果は甚大である。
第3実施例
以下に、本発明の第3実施例であるチェーンテンショナ300について、図面に基づいて以下説明する。
そこで、図25は、本発明の第3実施例であるチェーンテンショナの使用態様図と要部拡大図である。
ここで、本発明の第2実施例であるチェーンテンショナ300は、前述した第1実施例のチェーンテンショナ100と比較すると、テンショナボディ310とチェックバルブ機構350の具体的な形態のみが異なっており、その余の装置構成については、第1実施例のチェーンテンショナ100と同じであるため、これらの具体的な説明は、符号100番代の数字を300番代に読み替えることによって、これらの説明を省略する。
なお、図25に示す符号Eは、本実施例のチェーンテンショナ300をエンジンの外部から装着する位置にあるエンジンブロック壁であり、符号Lは、エンジンの内部に設けたテンショナレバーである。
本実施例のチェーンテンショナ300では、環状リンク330の環状部分の外周径および内周径が、前述したCリング130と同様に形成されている。
そして、テンショナボディ310がエンジンブロック壁Eを介して外方から挿入螺着する取付用基端外周部318を有している。
以上に説明したような本実施例のチェーンテンショナ300によれば、本実施例のチェーンテンショナ100が奏する効果に加えて、テンショナボディ310の小型化が可能となるとともに、エンジンルームを開放することなく外部から組み付けや取り外しを可能とするため、組立やメンテナンスが容易となるなど、その効果は甚大である。
100、200、300 ・・・チェーンテンショナ
110、210、310 ・・・テンショナボディ
111 ・・・プランジャ収容穴
112 ・・・圧油供給孔
113 ・・・取り付け孔
115 ・・・ピン挿入穴
116 ・・・環状円周溝
116a・・・突出側リング制止壁面
116b・・・後退側制止壁面
116c・・・環状溝底面
120 ・・・プランジャ
121 ・・・プランジャ付勢ばね収容孔
122 ・・・ラック歯
122a・・・突出側急斜面
122b・・・後退側緩斜面
122c・・・摺接外周面
123 ・・・係止溝
130 ・・・Cリング(弾性リング)
131 ・・・開放部
140 ・・・プランジャ付勢ばね
150 ・・・チェックバルブ機構
217 ・・・切欠き
230 ・・・環状リング(弾性リング)
330 ・・・環状リング(弾性リング)
231、331 ・・・レバー部
232、332 ・・・レバー部
318 ・・・取付用基端外周部
E ・・・エンジンブロック壁
G ・・・固定ガイド部材
L ・・・テンショナレバー
S1 ・・・駆動スプロケット
S2 ・・・従動スプロケット
TC ・・・伝動チェーン
P ・・・係止ピン
A ・・・エンジン始動時に荷重F1が負荷されたプランジャの突出開始位置
B ・・・稼動時に荷重F2が負荷されたプランジャの突出開始位置
C ・・・チェーン張力過多時に荷重F3が負荷されたプランジャの後退開始位置
a ・・・弾性リングの拡径度合い
b ・・・プランジャの前進変位
α1 ・・・突出側リング制止壁面の傾斜角度
α2 ・・・後退側制止壁面の傾斜角度
β1 ・・・突出側急斜面の傾斜角度

Claims (5)

  1. 一方を開放した円筒状のプランジャ収容穴を有するテンショナボディと前記プランジャ収容穴に摺動自在に挿入される円筒状のプランジャと前記プランジャ収容穴の開放端近傍内周面に周設した環状内周溝に拡径自在に収容保持される弾性リングと前記プランジャ収容穴からプランジャを突出方向に付勢するプランジャ付勢ばねとを備え、前記プランジャの外周面に突出方向に沿って複数周設した凹凸状のラック歯と前記プランジャ収容穴の環状内周溝に収容保持された弾性リングとでラチェット機構を構成するチェーンテンショナにおいて、
    前記プランジャ収容穴の環状内周溝が、前記プランジャの突出方向側に形成した突出側リング制止壁面と後退方向側に形成した後退側制止壁面とで少なくとも構成され、
    前記プランジャのラック歯が、前記プランジャの突出方向側に形成して前記弾性リングを挟んでプランジャ収容穴の後退側制止壁面に対向する突出側急斜面と前記プランジャの後退方向側に形成して前記弾性リングを挟んでプランジャ収容穴の突出側制止壁面に対向する後退側緩斜面とで少なくとも構成され、
    前記プランジャ収容穴に形成した後退側制止壁面の突出方向に対する傾斜角度が、チェーン始動時にプランジャに生じる後退方向の荷重負荷で弾性リングがラック歯の歯先部を乗り越えず、チェーン張力過多時にプランジャに生じる後退方向の荷重負荷で弾性リングが拡径してラック歯の歯先部を乗り越えるように前記ラック歯に形成した突出側急斜面の突出方向に対する傾斜角度よりも大きく設定され、
    前記後退側緩斜面が、前記弾性リングの拡径に追従して突出するプランジャの突出速度を一定に規制するように前記プランジャの後退方向に漸次もしくは段階的に拡径された凸状曲面で形成されていることを特徴とするチェーンテンショナ。
  2. 前記ラック歯の歯先部が、前記ラック歯の突出側急斜面と後退側緩斜面との間に介在する均一な外径の摺接外周面で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のチェーンテンショナ。
  3. 前記弾性リングが、Cリングであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチェーンテンショナ。
  4. 前記弾性リングが、外周側にレバー部を延設した環状リングであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のチェーンテンショナ。
  5. 前記テンショナボディが、エンジンブロック壁を介して外方から挿入螺着する取付用基端外周部を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のチェーンテンショナ。
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