JP2010197692A - 光学部材用光硬化性樹脂組成物、接着剤、及び、タッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】塗工性及び透明性に優れ、かつ、基材や光学部材との光学歪みがほとんど生じない光学部材用接着剤を得ることができる光学部材用光硬化性樹脂組成物を提供する。また、該光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤、及び、該接着剤を用いてなるタッチパネルを提供する。
【解決手段】分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性官能基を有し、かつ、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度が200mPa・s以下である化合物と、フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物と、カチオン重合開始剤とを含有し、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度が5〜500mPa・sであり、かつ、厚みを50μmとした場合の硬化物の屈折率が1.50以上である光学部材用光硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
【解決手段】分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性官能基を有し、かつ、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度が200mPa・s以下である化合物と、フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物と、カチオン重合開始剤とを含有し、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度が5〜500mPa・sであり、かつ、厚みを50μmとした場合の硬化物の屈折率が1.50以上である光学部材用光硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、塗工性及び透明性に優れ、かつ、基材や光学部材との光学歪みがほとんど生じない光学部材用接着剤を得ることができる光学部材用光硬化性樹脂組成物に関する。また、本発明は、該光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及びタッチパネルに関する。
近年、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ表面にタッチパネルの機能を設けた入力装置が広く利用されている。このタッチパネルには、保護フィルム、反射防止フィルム、ITO蒸着樹脂フィルム等が使用されている。
タッチパネルに使用される種々のフィルムは、接着剤により被着体に貼着されている。この接着剤として、透明性に優れることから、アクリル系樹脂を主剤とする接着剤が一般に使用されている。
しかしながら、アクリル系樹脂を用いた接着剤は、タッチパネルに蒸着されているITOや基材よりも屈折率が低すぎるため、光学歪みが生じるという問題があった。
しかしながら、アクリル系樹脂を用いた接着剤は、タッチパネルに蒸着されているITOや基材よりも屈折率が低すぎるため、光学歪みが生じるという問題があった。
特許文献1には、接着剤に芳香族成分を配合することで屈折率を向上させた接着剤が開示されている。しかしながら、特許文献1に開示されている接着剤は、屈折率を向上させるために、芳香族成分を多量に共重合したり、含有させたりする必要があるため、透明性が低下したり、温度変化により着色したりする等の問題があった。また、粘度が高くなりすぎて塗工性が悪くなるという問題があった。
本発明は、塗工性及び透明性に優れ、かつ、基材や光学部材との光学歪みがほとんど生じない光学部材用接着剤を得ることができる光学部材用光硬化性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、該光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤及びタッチパネルを提供することを目的とする。
本発明は、分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性官能基を有し、かつ、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度が200mPa・s以下である化合物と、フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物と、カチオン重合開始剤とを含有し、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度が5〜500mPa・sであり、かつ、厚みを50μmとした場合の硬化物の屈折率が1.50以上である光学部材用光硬化性樹脂組成物である。
以下に本発明を詳述する。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、低粘度の光カチオン重合性化合物とともに、フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物を用いることにより、塗工に適した粘度及び優れた透明性を有し、かつ、硬化物が高い屈折率を有する接着剤を得ることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性官能基を有し、かつ、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度が200mPa・s以下である化合物(以下、光カチオン重合性低粘度化合物ともいう)を含有する。
以下、本明細書における粘度は、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定して得られる値を意味する。
以下、本明細書における粘度は、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定して得られる値を意味する。
上記光カチオン重合性低粘度化合物は、粘度が200mPa・s以下で、分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性官能基を有していれば特に限定されず、例えば、分子内に少なくとも1個のエポキシ基、オキセタニル基、水酸基、ビニルエーテル基、エピスルフィド基、エチレンイミン基等を有する化合物等が挙げられる。なかでも、光カチオン重合性が高く、少ない光量でも効率的に光硬化が進行することから、分子内に少なくとも1個のエポキシ基を有する化合物(以下、エポキシ系化合物ともいう)、又は、分子内に少なくとも1個のオキセタニル基を有する化合物(以下、オキセタン系化合物ともいう)が好適である。ただし、上記光カチオン重合性低粘度化合物には、後述するフルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物は含まれない。
これら光カチオン重合性低粘度化合物の重合度は特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。また、これらの光カチオン重合性低粘度化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
これら光カチオン重合性低粘度化合物の重合度は特に限定されず、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであってもよい。また、これらの光カチオン重合性低粘度化合物は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記エポキシ系化合物は特に限定されず、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、ハロゲン化エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、異節環状型エポキシ樹脂、多官能性エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂ゴム変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、エポキシ基含有ポリエステル樹脂、エポキシ基含有ポリウレタン樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等が挙げられる。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ノボラック型エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記アルコール型エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ハロゲン化エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ系化合物は単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ノボラック型エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記アルコール型エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。
上記ハロゲン化エポキシ樹脂は特に限定されず、例えば、臭素化エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ系化合物は単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記エポキシ系化合物のうち市販されているものとしては、例えば、エピコート806、エピコート828、エピコート1001、エピコート1002、エピコートYL6753(いずれも、ジャパンエポキシレジン社製)、セロキサイド2021(ダイセル化学工業社製)等が挙げられる。
上記オキセタン系化合物は特に限定されず、例えば、フェノキシメチルオキセタン、3,3−ビス(メトキシメチル)オキセタン、3,3−ビス(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−ヒドロシロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−{[3−(トリエトキシシリル)プロポキシ]メチル}オキセタン、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル、オキセタニルシルセスキオキサン、フェノールノボラックオキセタン、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン等が挙げられる。これらのオキセタン系化合物は単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記オキセタン系化合物のうち市販されているものとしては、例えば、アロンオキセタンOXT−101、アロンオキセタンOXT−221(いずれも、東亞合成社製)等が挙げられる。
上記エポキシ系化合物及び上記オキセタン系化合物以外の光カチオン重合性低粘度化合物としては、例えば、環状エーテル類、ビニルエーテル類、ビニルアミン類、不飽和炭化水素類、環状エステル類、ラクタム類、環状カーボネート類、環状アセタール類、アルデヒド類、環状アミン類、環状スルフィド類、シクロシロキサン類、シクロトリホスファゼン類、及び、他の光カチオン重合性官能基を有する化合物が挙げられる。なかでも、環状エーテル類、不飽和炭化水素類、ビニルエーテル類、ビニルアミン類等が好適である。
上記光カチオン重合性低粘度化合物は、シクロアルカン骨格を有することが好ましい。
上記シクロアルカン骨格を有する光カチオン重合性低粘度化合物は特に限定されず、構造中又は繰り返し単位内に1つ以上のシクロアルカン骨格を有していればよいが、繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を有する化合物であることが好ましい。繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を有する化合物である場合、繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を1つだけ有する化合物であってもよいし、2以上有する化合物であってもよい。
上記シクロアルカン骨格を有する光カチオン重合性低粘度化合物は特に限定されず、構造中又は繰り返し単位内に1つ以上のシクロアルカン骨格を有していればよいが、繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を有する化合物であることが好ましい。繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を有する化合物である場合、繰り返し単位内にシクロアルカン骨格を1つだけ有する化合物であってもよいし、2以上有する化合物であってもよい。
上記シクロアルカン骨格を有する光カチオン重合性低粘度化合物は、上述した構造を有するものであれば特に限定されないが、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤が、耐光性、耐熱性に優れ、かつ、接着性にも優れるものとなることから、下記一般式(1)、(2)及び(3)からなる群より選択される少なくとも一種の構造を有するエポキシ系化合物であることが好ましい。
式(1)中、nは0〜20の整数を表す。R1及びR2は、水素、又は、直鎖状若しくは分枝鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表し、R1及びR2は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(2)中、nは0〜20の整数を表す。R3〜R10は、水素、又は、直鎖状若しくは分枝鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表し、R3〜R10はそれぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(3)中、nは0〜20の整数を表す。
上記一般式(1)、(2)及び(3)において、nは1以上であることが好ましい。上記nを1以上とすることにより、上記nが0の場合に比べて本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる光学部材用接着剤の着色防止効果をより高くすることができる。なお、上記nが0の場合には、後述する水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物を上記nが1の場合よりも多量に配合することにより、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる光学部材用接着剤の透明性をより高くすることができる。上記nが20を超えると、粘度が高くなりすぎたり、他の配合物との相溶性が悪くなったりすることがある。
また、上記一般式(1)で表される化合物の中でも、R1及びR2は、水素、メチル基、又は、エチル基であることがより好ましい。上記R1及びR2が、水素、メチル基、又は、エチル基であることにより、本発明の光学部材用接着剤は、優れた耐光性と耐湿性とを兼ね備えたものとなる。なかでも、上記R1及びR2はメチル基であることが特に好ましい。
上記光カチオン重合性低粘度化合物の粘度の上限は200mPa・sである。上記光カチオン重合性低粘度化合物の粘度が200mPa・sを超えると、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎ、塗工性が悪くなる。上記光カチオン重合性低粘度化合物の粘度の好ましい上限は50mPa・s、より好ましい上限は20mPa・sである。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物を含有する。
フルオレン骨格と、オキセタニル基及び/又はエポキシ基とを有する化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、オグソールPG、オグソールPG100、オグソールEG、オグソールEG−210(いずれも、大阪ガスケミカル社製)等が挙げられる。
ナフタレン骨格と、オキセタニル基及び/又はエポキシ基とを有する化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、HP−4032、HP−4032D(いずれも、大日本インキ化学社製)等が挙げられる。
ビフェニル骨格と、オキセタニル基及び/又はエポキシ基とを有する化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、エピコートYX4000、エピコートYX4000H、エピコートYL6121H、エピコートYL6640、エピコートYL6677(いずれも、ジャパンエポキシレジン社製)、OXBP(宇部興産社製)、デナコールEX−142(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
なかでもフルオレン骨格と、オキセタニル基及び/又はエポキシ基とを有する化合物が好適であり、特に、下記一般式(4)で表される化合物であることがより好適である。
ナフタレン骨格と、オキセタニル基及び/又はエポキシ基とを有する化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、HP−4032、HP−4032D(いずれも、大日本インキ化学社製)等が挙げられる。
ビフェニル骨格と、オキセタニル基及び/又はエポキシ基とを有する化合物のうち、市販されているものとしては、例えば、エピコートYX4000、エピコートYX4000H、エピコートYL6121H、エピコートYL6640、エピコートYL6677(いずれも、ジャパンエポキシレジン社製)、OXBP(宇部興産社製)、デナコールEX−142(ナガセケムテックス社製)等が挙げられる。
なかでもフルオレン骨格と、オキセタニル基及び/又はエポキシ基とを有する化合物が好適であり、特に、下記一般式(4)で表される化合物であることがより好適である。
式(4)中、R11、R12、R13、及び、R14は、水素、又は、直鎖状若しくは分枝鎖状の炭素数1〜12のアルキル基を表す。
上記光カチオン重合性低粘度化合物の含有量と上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量との合計100重量部に対して、上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量の好ましい下限は1重量部、好ましい上限は50重量部である。上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量が1重量部未満であると、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の硬化物の屈折率が低くなったり、透明性に劣るものとなったりすることがある。上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量が50重量部を超えると、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の硬化性や接着性が悪くなったり、粘度が高くなりすぎて塗工性が悪くなったりすることがある。上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は30重量部である。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、カチオン重合開始剤を含有する。
上記カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、イオン性光酸発生型であってもよいし、非イオン性光酸発生型であってもよい。
上記カチオン重合開始剤は、光照射によりプロトン酸又はルイス酸を発生するものであれば特に限定されず、イオン性光酸発生型であってもよいし、非イオン性光酸発生型であってもよい。
上記カチオン重合開始剤は特に限定されないが、下記一般式(5)で表されるオニウム塩が好適である。上記カチオン重合開始剤として下記一般式(5)で表されるオニウム塩を用い、かつ、増感剤として後述する一般式(7)で表されるベンゾフェノン誘導体を用いることにより、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の光や熱による着色を抑制することができる。
式(5)中、R15及びR16は、水素、炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、又は、炭素数1〜20のカルボン酸アルキルエステル基を表す。上記R15及びR16は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(5)中、X−は、PF6 −、AsF5 −、BF4 −、又は、下記一般式(6)で表されるボロン酸を表す。
式(5)中、X−は、PF6 −、AsF5 −、BF4 −、又は、下記一般式(6)で表されるボロン酸を表す。
なかでも、上記カチオン重合開始剤は、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤が透明性に優れ、液晶パネルの電極との界面で電極の酸化が発生しにくく、耐久性に優れるものとなるため、上記一般式(6)で表される嵩高いボロン酸を対アニオンとする塩からなるものが好適である。
上記カチオン重合開始剤の含有量は特に限定されないが、上記光カチオン重合性低粘度化合物の含有量と上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量との合計100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記カチオン重合開始剤の含有量が0.1重量部未満であると、カチオン重合が充分に進行しなかったり、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の硬化反応が遅くなりすぎたりすることがある。上記カチオン重合開始剤の含有量が10重量部を超えると、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の硬化反応が速くなりすぎて、作業性が低下したり、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物が不均一な硬化物となったりすることがある。上記カチオン重合開始剤の含有量のより好ましい下限は0.3重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、下記一般式(7)で表されるベンゾフェノン誘導体からなる増感剤を含有することが好ましい。上記増感剤は、上記カチオン重合開始剤の重合開始効率をより向上させて、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物の硬化反応をより促進させる役割を有する。
式(7)中、R17及びR18は、水素、下記一般式(8−1)で表される置換基、又は、下記一般式(8−2)で表される置換基を表す。上記R17及びR18は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
式(8−1)、(8−2)中、R19は、水素、炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、又は、炭素数1〜20のカルボン酸アルキルエステル基を表す。
上記一般式(7)表されるベンゾフェノン誘導体としては、具体的には例えば、ベンゾフェノン、2,4−ジクロロベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド等が挙げられる。
上記増感剤の含有量は特に限定されないが、上記光カチオン重合性低粘度化合物の含有量と上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量との合計100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は3重量部である。上記増感剤の含有量が0.05重量部未満であると、増感効果が充分に得られないことがある。上記増感剤の含有量が3重量部を超えると、吸収が大きくなりすぎて深部まで光が伝わらないことがある。上記増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は1重量部である。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、更に、硬化遅延剤を含有することが好ましい。上記硬化遅延剤を含有することにより、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤はポッドライフが長くなり、塗工性が向上する。また、いったん光を照射してから接着や封止を行うことができることから、有機EL素子等の光により劣化する可能性のある部材の接着や封止を行うことも可能となる。
上記硬化遅延剤は特に限定されず、例えば、ポリエーテル化合物等が挙げられる。
上記ポリエーテル化合物は特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、クラウンエーテル化合物等が挙げられる。なかでも、クラウンエーテル化合物が好適である。
上記ポリエーテル化合物は特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、クラウンエーテル化合物等が挙げられる。なかでも、クラウンエーテル化合物が好適である。
上記クラウンエーテル化合物は特に限定されず、例えば、12−クラウン−4、15−クラウン−5、18−クラウン−6、24−クラウン−8、及び、下記一般式(9)で表される構造を有する化合物等が挙げられる。
式(9)中、R20〜R31は、少なくとも1つが炭素数1〜20のアルキル基を表す。また、上記アルキル基は、炭素数1〜20の直鎖状又は分枝状のアルコキシル基、ハロゲン原子、水酸基、カルボキシル基、及び、炭素数1〜20のカルボン酸アルキルエステル基からなる群より選択される1以上の官能基で置換されていてもよく、更に、隣接するRn及びRn+1(但し、nは、20〜30の偶数を表す)は、共同して環状アルキル骨格を形成していてもよい。
上記一般式(9)で表される構造を有する硬化遅延剤のなかでも、少なくとも1つのシクロヘキシル基を有するものが好適である。上記シクロヘキシル基を有することにより、クラウンエーテルの骨格が安定し、遅延効果が高まる。
上記シクロヘキシル基を有する上記一般式(9)で表される構造を有する硬化遅延剤としては、具体的には例えば、下記化学式(10)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
上記シクロヘキシル基を有する上記一般式(9)で表される構造を有する硬化遅延剤としては、具体的には例えば、下記化学式(10)で表される構造を有する化合物が挙げられる。
上記化学式(10)で表される構造を有する化合物は、18−クラウン−6−エーテル分子の中央を通る線に対して線対称となる位置に2個のシクロヘキシル基を有するため、18−クラウン−6−エーテル分子の骨格に歪み等を生じさせることなく遅延効果が高くなると考えられる。
上記硬化遅延剤の含有量は特に限定されないが、上記光カチオン重合性低粘度化合物の含有量と上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量との合計100重量部に対して、好ましい下限は0.05重量部、好ましい上限は5.0重量部である。上記硬化遅延剤の含有量が0.05重量部未満であると、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物に遅延効果を充分に付与できないことがある。上記硬化遅延剤の含有量が5.0重量部を超えると、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物を硬化させる際に発生するアウトガス等が多くなり、上記アウトガス等が大きな影響を与える用途に本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物を使用しにくくなることがある。上記硬化遅延剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は3重量部である。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、更に、水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物を含有することが好ましい。
上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物を含有することにより、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、非常に高い透明性を示し、かつ、硬化物が紫外線や熱に曝された場合にも非常に高い透明性を維持することができる。
上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物を含有することにより、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、非常に高い透明性を示し、かつ、硬化物が紫外線や熱に曝された場合にも非常に高い透明性を維持することができる。
本明細書において、上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物とは、不飽和二重結合を有さない脂肪族炭化水素骨格と水酸基とからなる化合物を意味する。
上記脂肪族炭化水素骨格としては特に限定されないが、炭素数が2〜50の脂肪族炭化水素骨格であることが好ましい。上記炭素数が2未満であると、親水性が強くなりすぎて、相溶性が悪くなったり、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の吸湿性が高くなったりすることがある。上記炭素数が50を超えると、溶解性が悪くなったり、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎたりすることがある。
上記脂肪族炭化水素骨格としては特に限定されないが、炭素数が2〜50の脂肪族炭化水素骨格であることが好ましい。上記炭素数が2未満であると、親水性が強くなりすぎて、相溶性が悪くなったり、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の吸湿性が高くなったりすることがある。上記炭素数が50を超えると、溶解性が悪くなったり、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の粘度が高くなりすぎたりすることがある。
上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物は特に限定されず、例えば、(ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシドール等が挙げられる。なかでも、(ポリ)プロピレングリコール、(ポリ)テトラメチレングリコールが好適である。
なお、上記光カチオン重合性低粘度化合物が水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物である場合、該光カチオン重合性低粘度化合物を、上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物として用いてもよい。上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物である光カチオン重合性低粘度化合物は特に限定されないが、例えば、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等が挙げられる。なかでも、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが好適である。
なお、上記光カチオン重合性低粘度化合物が水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物である場合、該光カチオン重合性低粘度化合物を、上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物として用いてもよい。上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物である光カチオン重合性低粘度化合物は特に限定されないが、例えば、3−メチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等が挙げられる。なかでも、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンが好適である。
また、上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物は、pKa値の好ましい下限が15、好ましい上限が19である。上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物のpKa値が15未満であると、酸性が強すぎて貯蔵安定性が悪くなることがある。上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物のpKa値が19を超えると、塩基性が強くなりすぎて発生する酸を弱めるため硬化阻害が起きることがある。
上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物の含有量としては特に限定されないが、上記光カチオン重合性低粘度化合物の含有量と上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量との合計100重量部に対して、好ましい下限は5重量部、好ましい上限は50重量部である。上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物の含有量が5重量部未満であると、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物が紫外線や熱に曝された場合に充分な透明性を維持することができないことがある。上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物の含有量が50重量部を超えると、硬化反応が阻害されたり、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の硬化物の吸水率が高くなったりすることがある。上記水酸基を有する脂肪族炭化水素化合物の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は40重量部である。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、更に、熱硬化剤を含有することが好ましい。
上記熱硬化剤を含有することで、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物に熱硬化性を付与することができる。
上記熱硬化剤を含有することで、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物に熱硬化性を付与することができる。
上記熱硬化剤は特に限定されず、例えば、ヒドラジド化合物、イミダゾール誘導体、酸無水物、ジシアンジアミド、グアニジン誘導体、変性脂肪族ポリアミン、各種アミンとエポキシ樹脂との付加生成物等が挙げられる。
上記ヒドラジド化合物は特に限定されず、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等が挙げられる。
上記イミダゾール誘導体は特に限定されず、例えば、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記酸無水物は特に限定されず、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。
これらの熱硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記ヒドラジド化合物は特に限定されず、例えば、1,3−ビス[ヒドラジノカルボノエチル−5−イソプロピルヒダントイン]等が挙げられる。
上記イミダゾール誘導体は特に限定されず、例えば、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−[2−(2−メチル−1−イミダゾリル)エチル]尿素、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、N,N’−ビス(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)尿素、N,N’−(2−メチル−1−イミダゾリルエチル)−アジポアミド、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記酸無水物は特に限定されず、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、エチレングリコールービス(アンヒドロトリメリテート)等が挙げられる。
これらの熱硬化剤は、単独で用いられてもよいし、2種類以上が併用されてもよい。
上記熱硬化剤の含有量は特に限定されないが、上記光カチオン重合性低粘度化合物の含有量と上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量との合計100重量部に対して、好ましい下限は0.5重量部、好ましい上限は30重量部である。上記熱硬化剤の含有量が0.5重量部未満であると、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物に充分な熱硬化性を付与できないことがある。上記熱硬化剤の含有量が30重量部を超えると、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の保存安定性が不充分となったり、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物の硬化物の耐湿性が悪くなったりすることがある。上記熱硬化剤の含有量のより好ましい下限は1重量部、より好ましい上限は15重量部である。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、更に、シランカップリング剤を含有することが好ましい。上記シランカップリング剤は、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤と液晶パネルや基板等との接着性を向上させる役割を有する。
上記シランカップリング剤としては、具体的には例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらのシラン化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記シランカップリング剤の含有量は特に限定されないが、上記光カチオン重合性低粘度化合物の含有量と上記フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量との合計100重量部に対して、好ましい下限は0.1重量部、好ましい上限は10重量部である。上記シランカップリング剤の含有量が0.1重量部未満であると、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤の接着性を向上させる効果がほとんど得られないことがある。上記シランカップリング剤の含有量が10重量部を超えると、余剰のシランカップリング剤がブリードアウトすることがある。上記シランカップリング剤の含有量のより好ましい下限は0.5重量部、より好ましい上限は5重量部である。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない範囲で充填剤を含有してもよい。
上記充填剤は特に限定されず、例えば、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。
上記無機フィラーは特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土等が挙げられる。
上記有機フィラーは特に限定されず、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
上記充填剤は特に限定されず、例えば、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。
上記無機フィラーは特に限定されず、例えば、タルク、石綿、シリカ、スメクタイト、ベントナイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、モンモリロナイト、珪藻土、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ガラスビーズ、硫酸バリウム、石膏、珪酸カルシウム、セリサイト活性白土等が挙げられる。
上記有機フィラーは特に限定されず、例えば、ポリエステル微粒子、ポリウレタン微粒子、ビニル重合体微粒子、アクリル重合体微粒子等が挙げられる。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、ホモディスパー、ホモミキサー、万能ミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、3本ロール等の混合機を用いて、光カチオン重合性低粘度化合物と、フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物と、カチオン重合開始剤と、必要に応じて添加する熱硬化剤、シランカップリング剤等の添加剤とを混合する方法が挙げられる。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度の下限が5mPa・s、上限が500mPa・sである。上記光学部材用光硬化性樹脂組成物の粘度が5mPa・s未満であると、例えば、得られる光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤を用いて基板の貼り合わせを行う場合に、塗工層が形状を維持できなくなる。上記光学部材用光硬化性樹脂組成物の粘度が500mPa・sを超えると、均一に塗工することが困難となる。上記光学部材用光硬化性樹脂組成物の粘度の好ましい下限は20mPa・s、好ましい上限は300mPa・sである。上記光学部材用光硬化性樹脂組成物の粘度のより好ましい下限は25mPa・s、より好ましい上限は200mPa・sである。
厚みを50μmとした場合の本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物の硬化物の屈折率の下限は1.50である。上記屈折率が1.50未満であると、タッチパネルの基板間に用いた場合、ITO等の部材との屈折率差が大きくなり、得られるタッチパネルが光学特性に劣るものとなる。上記屈折率の好ましい下限は1.55、好ましい上限は1.7である。上記屈折率のより好ましい上限は1.65である。
なお、上記屈折率は、厚さ50μmの試料に対して、25℃において、アッベ屈折率計を用いて、光源としてナトリウムD線を用いることにより測定することができる。
なお、上記屈折率は、厚さ50μmの試料に対して、25℃において、アッベ屈折率計を用いて、光源としてナトリウムD線を用いることにより測定することができる。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物の硬化物の厚さを50μmとしたときの可視光領域における光線透過率の好ましい下限は90%である。上記硬化物の光線透過率が90%未満であると、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤が光学特性に劣ることがある。
JIS K6253のタイプEに準拠して測定した、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物の硬化物の硬度の好ましい下限は10、好ましい上限は60である。上記硬化物の硬度が10未満であると、強度が充分に得られないことがある。上記硬化物の硬度が60を超えると、本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤と部材との線膨張率の差を吸収できず、応力による部材の変形や剥離が生じることがある。上記硬化物の硬度のより好ましい下限は20、より好ましい上限は50である。
本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物は、例えば、有機EL素子等の封止剤や、液晶表示装置の液晶パネルと透明部材との貼り合わせに用いる接着剤等の用途に好適に用いることができる。本発明の光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤もまた、本発明の1つである。
本発明の接着剤は、基材に直接塗工してもよいし、別の基材に塗工した後、目的の基材に転写してもよい。塗工後の本発明の接着剤による粘着層の厚さは、材質や用途等により適宜決定されるが、一般には1〜200μm程度である。
上記基材は特に限定されず、例えば、プラスチックフィルム、ガラス、偏光板、レンズ、プリズム等が挙げられる。
本発明の接着剤を塗工する方法は特に限定されず、例えば、ロールコーターやダイコーター等の塗工機を用いて行うことができる。特に、均一に塗工するためには、ダイコーター等により加熱しながら基材に塗工することが好ましい。
本発明の接着剤は、塗工後、300nm〜400nmの波長及び300〜3000mJ/cm2の積算光量の光を照射することによって硬化させることができる。
本発明の接着剤は、光を照射した後硬化反応が進行し、接着ができなくなるまでの可使時間が1分以上であることが好ましい。上記可使時間が1分未満であると、基板等を貼り合わせる前に硬化が進行してしまい、充分な接着強度が得られなくなることがある。上記可使時間は、上述した水酸基を有する脂肪族炭化水素や硬化遅延剤の添加量を調整することで、適宜調整することができる。
本発明の接着剤は、光を照射した後硬化反応が進行し、接着ができなくなるまでの可使時間が1分以上であることが好ましい。上記可使時間が1分未満であると、基板等を貼り合わせる前に硬化が進行してしまい、充分な接着強度が得られなくなることがある。上記可使時間は、上述した水酸基を有する脂肪族炭化水素や硬化遅延剤の添加量を調整することで、適宜調整することができる。
本発明の接着剤に光を照射するための光源は特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、エキシマレーザ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、メタルハライドランプ、ナトリウムランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、蛍光灯、太陽光、電子線照射装置等が挙げられる。これらの光源は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。これらの光源は、上記カチオン重合開始剤の吸収波長に合わせて適宜選択される。
上記光源の本発明の接着剤への照射手順としては、例えば、各種光源の同時照射、時間差をおいての逐次照射、同時照射と逐次照射との組み合わせ照射等が挙げられ、いずれの照射手段を用いてもよい。
本発明の接着剤の硬化に際しては、光カチオン重合性低粘度化合物等の光カチオン重合をより促進して、硬化時間をより短縮するために、光照射と同時に加熱を行ってもよい。上記加熱を行う場合の加熱温度は特に限定されないが、50〜100℃程度であることが好ましい。
本発明の接着剤の硬化に際しては、光カチオン重合性低粘度化合物等の光カチオン重合をより促進して、硬化時間をより短縮するために、光照射と同時に加熱を行ってもよい。上記加熱を行う場合の加熱温度は特に限定されないが、50〜100℃程度であることが好ましい。
本発明の接着剤を用いてなるタッチパネルもまた、本発明の一つである。
本発明のタッチパネルを製造する方法としては、例えば、一方の基材の全面又は一部に本発明の接着剤を塗布し、光を照射した後、本発明の接着剤を介して、一方の基材に他方の基材を貼り合わせ、常温又は加熱下で硬化させる工程を有する方法を用いることができる。
具体的には、例えば、2枚のITOガラスについて、一方のITOガラスの接着面に本発明の接着剤を塗布し、紫外線を照射した後、他方のITOガラスを貼り合わせ、硬化するまで常温又は加熱下で固定する方法が挙げられる。
このようなタッチパネルの製造方法は、例えば、基材の表面に不透明電極やブラックマトリックス等が形成されていて、基材を介して本発明の接着剤に光を照射しにくい場合であっても、好適に用いることができる。更に、貼り合わせ後、硬化するまでに位置を合わせたり、加圧しながら硬化させたりすることができるため、寸法精度を向上させることができる。
具体的には、例えば、2枚のITOガラスについて、一方のITOガラスの接着面に本発明の接着剤を塗布し、紫外線を照射した後、他方のITOガラスを貼り合わせ、硬化するまで常温又は加熱下で固定する方法が挙げられる。
このようなタッチパネルの製造方法は、例えば、基材の表面に不透明電極やブラックマトリックス等が形成されていて、基材を介して本発明の接着剤に光を照射しにくい場合であっても、好適に用いることができる。更に、貼り合わせ後、硬化するまでに位置を合わせたり、加圧しながら硬化させたりすることができるため、寸法精度を向上させることができる。
本発明のタッチパネルを製造する他の方法としては、例えば、一方の基材と他方の基材との間に、本発明の接着剤を注入した後、光の照射等によって本発明の接着剤を硬化させる方法を用いることができる。
本発明の接着剤を注入する際、周囲の一部を封じることにより漏れが無く充填することができる。また、注入口を設けて、内部を真空にすることにより気泡を巻き込むことなく接着剤を注入することができる(図1)。
本発明の接着剤を注入する際、周囲の一部を封じることにより漏れが無く充填することができる。また、注入口を設けて、内部を真空にすることにより気泡を巻き込むことなく接着剤を注入することができる(図1)。
本発明によれば、塗工性及び透明性に優れ、かつ、基材や光学部材との光学歪みがほとんど生じない光学部材用接着剤を得ることができる光学部材用光硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤、及び、該接着剤を用いてなるタッチパネルを提供することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
(実施例1)
水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、「エピコートYL6753」、粘度190mPa・s)40重量部と、ジ[1―エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(東亜合成社製、「アロンオキセタンOXT−221」、粘度13mPa・s)30重量部と、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成社製、「アロンオキセタンOXT−101」、粘度20mPa・s)25重量部と、フルオレン骨格とエポキシ基とを有する化合物としてオグソールEG(大阪ガスケミカル社製)5重量部と、カチオン重合開始剤としてヨウドニウムボレート系のカチオン重合開始剤(ローディア社製、「RP2074」)1重量部と、増感剤として4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド0.1重量部とを混合し80℃に加熱後、ホモディスパー型攪拌混合機(特殊機化工業社製、「ホモディスパーL型」)を用い、攪拌速度3000rpmで均一に攪拌混合して、光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
水素化ビスフェノールF型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製、「エピコートYL6753」、粘度190mPa・s)40重量部と、ジ[1―エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(東亜合成社製、「アロンオキセタンOXT−221」、粘度13mPa・s)30重量部と、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(東亜合成社製、「アロンオキセタンOXT−101」、粘度20mPa・s)25重量部と、フルオレン骨格とエポキシ基とを有する化合物としてオグソールEG(大阪ガスケミカル社製)5重量部と、カチオン重合開始剤としてヨウドニウムボレート系のカチオン重合開始剤(ローディア社製、「RP2074」)1重量部と、増感剤として4−ベンゾイル−4’メチルジフェニルサルファイド0.1重量部とを混合し80℃に加熱後、ホモディスパー型攪拌混合機(特殊機化工業社製、「ホモディスパーL型」)を用い、攪拌速度3000rpmで均一に攪拌混合して、光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例2)
ジ[1―エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルの配合量を25重量部に変更し、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を30重量部に変更し、増感剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
ジ[1―エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルの配合量を25重量部に変更し、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を30重量部に変更し、増感剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例3)
カチオン重合開始剤としてRP2074(ローディア社製)1重量部の代わりに、CPI−210(サンアプロ社製)1重量部を用い、増感剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
カチオン重合開始剤としてRP2074(ローディア社製)1重量部の代わりに、CPI−210(サンアプロ社製)1重量部を用い、増感剤を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例4)
ジ[1―エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルを用いず、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を55重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
ジ[1―エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルを用いず、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を55重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
(実施例5)
ジ[1―エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルの配合量を20重量部に変更し、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を20重量部に変更し、フルオレン骨格とエポキシ基とを有する化合物としてオグソールEG(大阪ガスケミカル社製)5重量部の代わりにオグソールEG−210(大阪ガスケミカル社製)5重量部を用い、カチオン重合開始剤としてRP2074(ローディア社製)1重量部とともに、CPI−210(サンアプロ社製)1重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
ジ[1―エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテルの配合量を20重量部に変更し、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を20重量部に変更し、フルオレン骨格とエポキシ基とを有する化合物としてオグソールEG(大阪ガスケミカル社製)5重量部の代わりにオグソールEG−210(大阪ガスケミカル社製)5重量部を用い、カチオン重合開始剤としてRP2074(ローディア社製)1重量部とともに、CPI−210(サンアプロ社製)1重量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
(比較例1)
フルオレン骨格とエポキシ基とを有する化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
フルオレン骨格とエポキシ基とを有する化合物を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
(比較例2)
エピコートYL6753の配合量を20重量部に変更し、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を20重量部に変更し、オグソールEG(大阪ガスケミカル社製)の配合量を30重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
エピコートYL6753の配合量を20重量部に変更し、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンの配合量を20重量部に変更し、オグソールEG(大阪ガスケミカル社製)の配合量を30重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
(比較例3)
40重量部のエピコートYL6753の代わりに、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコートYX8000(ジャパンエポキシレジン社製、粘度18500mPa・s)95重量部を用い、ジ[1―エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
40重量部のエピコートYL6753の代わりに、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコートYX8000(ジャパンエポキシレジン社製、粘度18500mPa・s)95重量部を用い、ジ[1―エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル及び3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタンを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして光学部材用光硬化性樹脂組成物を作製した。
(評価)
実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物について、以下の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)粘度の測定
コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物の粘度を測定した。
コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物の粘度を測定した。
(2)屈折率の測定
実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物をPETフィルムの上に塗布し、もう一枚のPETフィルムで張り合わせ、1500mJ/cm2の紫外線を照射した後、80℃にて10分間保持して光学部材用光硬化性樹脂組成物を硬化させた。硬化後の樹脂の厚みはほぼ50μmであった。
屈折率はアッベ屈折率計(アタゴ社製、「DR−M2」)を用い、25℃において、光源としてナトリウムD線を用いて測定した。
実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物をPETフィルムの上に塗布し、もう一枚のPETフィルムで張り合わせ、1500mJ/cm2の紫外線を照射した後、80℃にて10分間保持して光学部材用光硬化性樹脂組成物を硬化させた。硬化後の樹脂の厚みはほぼ50μmであった。
屈折率はアッベ屈折率計(アタゴ社製、「DR−M2」)を用い、25℃において、光源としてナトリウムD線を用いて測定した。
(3)初期光線透過率
厚さ0.7mmのITOガラスの間を50μmに保ち、このガラスの間に実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物を注入し、1500mJ/cm2の紫外線を照射後、80℃にて10分間保持して光学部材用光硬化性樹脂組成物を硬化させ、実施例及び比較例に係るサンプルをそれぞれ作製した。
得られたサンプルを用いて、分光光度計(日立製作所社製、U−3000、条件300〜800nm)を用いて、波長400nm、550nm及び780nmの吸光度を測定し、初期の光線透過率を算出した。
厚さ0.7mmのITOガラスの間を50μmに保ち、このガラスの間に実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物を注入し、1500mJ/cm2の紫外線を照射後、80℃にて10分間保持して光学部材用光硬化性樹脂組成物を硬化させ、実施例及び比較例に係るサンプルをそれぞれ作製した。
得られたサンプルを用いて、分光光度計(日立製作所社製、U−3000、条件300〜800nm)を用いて、波長400nm、550nm及び780nmの吸光度を測定し、初期の光線透過率を算出した。
(4)加熱後光線透過率
(3)と同様にして作製した実施例及び比較例に係るサンプルを、85℃に設定されたオーブン(エスペック社製、「パーフェクトオーブン PH−201」)にて1000時間加熱した。その後、分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」)を用いて、波長400nm、550nm、及び、780nmの各サンプルの吸光度を測定し、耐熱性試験後の光線透過率を算出した。
(3)と同様にして作製した実施例及び比較例に係るサンプルを、85℃に設定されたオーブン(エスペック社製、「パーフェクトオーブン PH−201」)にて1000時間加熱した。その後、分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」)を用いて、波長400nm、550nm、及び、780nmの各サンプルの吸光度を測定し、耐熱性試験後の光線透過率を算出した。
(5)紫外線照射後光線透過率
耐光性ウエザロメーター(スガ試験機社製、「スーパーキセノンウェザーメーター SX75」)を用いて、(3)と同様にして作製した実施例及び比較例に係るサンプルに対して、耐光性試験を1000時間行った。その後、各サンプルを分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」)を用いて、波長400nm、550nm、及び、780nmの各サンプルの吸光度を測定し、耐光性試験後の光線透過率を算出した。
耐光性ウエザロメーター(スガ試験機社製、「スーパーキセノンウェザーメーター SX75」)を用いて、(3)と同様にして作製した実施例及び比較例に係るサンプルに対して、耐光性試験を1000時間行った。その後、各サンプルを分光光度計(日立製作所社製、「U−3000」)を用いて、波長400nm、550nm、及び、780nmの各サンプルの吸光度を測定し、耐光性試験後の光線透過率を算出した。
(6)透明性
図1に示したように基材としてITOガラスを2枚張り合わせた後、実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物を接着剤として真空注入した。目視で確認して透明な場合を「○」とし、白濁等で透明ではない場合を「×」として評価した。
図1に示したように基材としてITOガラスを2枚張り合わせた後、実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物を接着剤として真空注入した。目視で確認して透明な場合を「○」とし、白濁等で透明ではない場合を「×」として評価した。
(7)真空注入性
図1に示したように基材としてITOガラスを2枚張り合わせた後、接着剤として実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物を真空注入した。張り合わせたITOガラス間の真空度を3×10−2mmHgとし、実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物にディップしてから10分以内で上部まで注入が終わる場合を「○」とし、上部まで注入が終わるのに10分を超える場合を「×」として評価した。
図1に示したように基材としてITOガラスを2枚張り合わせた後、接着剤として実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物を真空注入した。張り合わせたITOガラス間の真空度を3×10−2mmHgとし、実施例及び比較例で得られた光学部材用光硬化性樹脂組成物にディップしてから10分以内で上部まで注入が終わる場合を「○」とし、上部まで注入が終わるのに10分を超える場合を「×」として評価した。
本発明によれば、塗工性及び透明性に優れ、かつ、基材や光学部材との光学歪みがほとんど生じない光学部材用接着剤を得ることができる光学部材用光硬化性樹脂組成物を提供することができる。また、本発明によれば、該光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなる接着剤、及び、該接着剤を用いてなるタッチパネルを提供することができる。
1 基材
2 接着剤
2 接着剤
Claims (5)
- 分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性官能基を有し、かつ、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度が200mPa・s以下である化合物と、
フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物と、
カチオン重合開始剤とを含有し、
コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度が5〜500mPa・sであり、かつ、厚みを50μmとした場合の硬化物の屈折率が1.50以上である
ことを特徴とする光学部材用光硬化性樹脂組成物。 - 分子内に少なくとも1個の光カチオン重合性官能基を有し、かつ、コーンローター式粘度計を用いて25℃、10rpmの条件で測定したときの粘度が200mPa・s以下である化合物の含有量と、フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量との合計100重量部に対して、フルオレン骨格、ナフタレン骨格、及び、ビフェニル骨格から選ばれる少なくとも一種の構造、並びに、オキセタニル基及び/又はエポキシ基を有する化合物の含有量が1〜50重量部であることを特徴とする請求項1又は2記載の光学部材用光硬化性樹脂組成物。
- 請求項1、2又は3記載の光学部材用光硬化性樹脂組成物を用いてなることを特徴とする接着剤。
- 請求項4記載の接着剤を用いてなることを特徴とするタッチパネル。
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