JP2010106493A - 防護体 - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量でありながら、機械的強度に優れ、組付け及び施工も容易な防護体を提供すること。
【解決手段】本発明は、網目状のネット11、該ネット11を支持する周縁ロープ12及び該周縁ロープ12を支持する支持ロープ13からなる第1衝撃吸収体と、第1衝撃吸収体の両側に配置され支持ロープ13が張設された支柱15と、を備え、ネット11及び周縁ロープ12がいずれも合成繊維からなり、周縁ロープ12がネット11の周縁の網目を交互に挿通させて取り付けられている防護体10である。
【選択図】図1

Description

本発明は、防護体に関する。
従来から、石、土砂、雪等の落下物が道路や建物に落下するのを防止するために、山腹の崖や斜面等に防護体が設置されている。
かかる防護体は、一般にネットと、該ネットが取り付けられた支柱と、該支柱を固定する支持具とから構成される。
このような防護体としては、金属製のネットを用い、支持具としてワイヤーロープを用いたものが知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
また、軽量である合成繊維からなる網(ネット)を用いた防護体が知られている(例えば、特許文献5参照)。かかる防護体においては、支持具として、控ロープが用いられている。
特開昭61−109806号公報 特開平7−300820号公報 特開平7−197423号公報 特開2000−273827号公報 特開2003−261910号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4に記載の防護体においては、総じて、金属製のネットの重量が大きいため、これらを支える支持具もワイヤーロープ等のように頑強なものが必要である。このため、これらの部材を用いた防護体の施工は大掛かりなものとなり、重機や専用設備が必要となる。その結果、工費は上がり、工期は長期化するといった問題がある。
また、通常、上記防護体の施工場所は、崖や斜面等の足場が悪いところであるため、重機や大掛かりな設備の使用には制限があり、施工性や安全性にも問題がある。
更に、金属製のネットを使っているため、延びが殆ど生じなく、衝撃を吸収しにくい。
一方、上記特許文献5記載の防護体においては、軽量である合成繊維からなる網を使用しているので、重量に対しては一応の改善が図られている。
また、合成繊維製のネット独特の塑性変形が生じることから、金属製のネットに較べて衝撃エネルギーを吸収し易いという利点もある。
ところが、合成繊維からなる網は、金属製のネットより機械的強度が小さいために、落石等の衝撃が一部に集中すると破損し易い。
また、合成繊維製のネットを使った落石防止網は、支柱に取り付けるために、該ネットを広げた状態で支持するためのロープを備えることがどうしても必要となるが、上記特許文献5記載の防護体においては、ロープ材と網の取り付けが極めて厄介であり、製造工数も増える。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、軽量でありながら、機械的強度に優れ、組付け及び施工も容易な防護体を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討したところ、ネット、周縁ロープ及び支持ロープを合成繊維とすることにより、軽量化を図り、且つ周縁ロープをネットの周縁の網目を交互に挿通させて設けることにより、意外にも、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(1)網目状のネット、該ネットを支持する周縁ロープ及び該周縁ロープを支持する支持ロープからなる第1衝撃吸収体と、第1衝撃吸収体の両側に配置され支持ロープが張設された支柱と、を備え、ネット及び周縁ロープがいずれも合成繊維からなり、周縁ロープがネットの周縁の網目を交互に挿通させて取り付けられている防護体に存する。
本発明は、(2)緩衝ロープからなる第2衝撃吸収体を更に備え、緩衝ロープがネットの裏面に添わせた状態で支柱に張設されている上記(1)記載の防護体に存する。
本発明は、(3)周縁ロープの破断伸度がネットの破断伸度よりも大きい上記(1)又は(2)に記載の防護体に存する。
本発明は、(4)周縁ロープの破断伸度が30〜300%であり、ネットの破断伸度が10〜200%である上記(1)又は(2)に記載の防護体に存する。
本発明は、(5)第2衝撃吸収体が直線状に張設された複数本の緩衝ロープからなる上記(2)記載の防護体に存する。
本発明は、(6)複数本の緩衝ロープが、互いに平行であり、該緩衝ロープ同士がベルトで連結されている上記(5)記載の防護体に存する。
本発明は、(7)緩衝ロープの破断伸度がネットの破断伸度よりも大きい上記(2)記載の防護体に存する。
本発明は、(8)緩衝ロープの破断伸度が30〜300%である上記(2)記載の防護体に存する。
なお、本発明の目的に添ったものであれば、上記(1)〜(8)を適宜組み合わせた構成も採用可能である。
本発明の防護体は、ネット及び周縁ロープが合成繊維からなるので、軽量化が図られている。このため、防護体の施工が容易であり、特別な重機が不要である。また、落石エネルギーを吸収しやすい構造のため、重量のある緩衝装置も不要である。さらに、ネットに対する周縁ロープの取り付けが極めて簡単であるので、防護体の組付けも容易である。
したがって、上記防護体は、崖や斜面等の足場が悪いところであっても、十分に防護体の施工が可能であり、安全性にも優れる。
これに加え、上記防護体は、ネット及び周縁ロープが合成繊維であり、周縁ロープが動きの自由度を有するように、ネットの周縁の網目を交互に挿通させて取り付けられているので、落下物があっても、第1衝撃吸収体として局所的な力が加わり難く、落下時の衝撃力を的確に分散して吸収することができる。
このことから、上記防護体は、落下物があっても破れ難く、機械的強度及び耐久性が優れる。
本発明の防護体は、緩衝ロープからなる第2衝撃吸収体を更に備え、第2衝撃吸収体がネットの裏面に添わせた状態で支柱に張設されていると、落下物があっても、落下時の衝撃力を防護体全域で確実に吸収することができるので、より破れ難く、機械的強度及び耐久性がより優れる。
なお、緩衝ロープは、網目状のネットとは独立に設けたほうが好ましい。すなわち、網目状のネットに、緩衝ロープを網目状のネットに挿通する等して一体化しないほうが好ましい。
この場合、一体化した場合と比較して、機械的強度及び耐久性が優れる。
上記防護体において、周縁ロープの破断伸度がネットの破断伸度よりも大きい場合、ネットは落下物を受け止める際の少なくとも最初の衝撃を、ネット全体に分散させることができる。また、ネットよりも破断伸度が大きい周縁ロープは、落下物による衝撃を吸収し、あらゆる形態に変形したネットの全体を張架支持できる。なお、周縁ロープの破断伸度は30〜300%であり、ネットの破断伸度は10〜200%であることが好ましい。
上記防護体は、第2衝撃吸収体が直線状に張設された複数本の緩衝ロープからなると、落下物により局所的にネットが伸びるのを抑制できる。これにより、上記防護体はより破損し難くなる。
このとき、上記第2衝撃吸収体は、互いに平行となるように複数の緩衝ロープが並列されたものであることが好ましく、緩衝ロープ同士がベルトで連結されていることがより好ましい。
この場合の防護体は、落下物があっても、落下時の衝撃力をより確実に吸収することができるので、より一層破れ難く、機械的強度及び耐久性がより一層優れる。
上記防護体において、緩衝ロープの破断伸度がネットの破断伸度よりも大きい場合、緩衝ロープは落下物によるエネルギー衝撃を吸収し、あらゆる形態に変形したネットを確実に補助できる。なお、緩衝ロープの破断伸度は30〜300%であることが好ましい。
このため、上記防護体は、より一層破れ難くなる。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[第1実施形態]
まず、本発明に係る防護体の第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態に係る防護体を模式的に示した背面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る防護体10は、網目状のネット11、該ネット11を支持する周縁ロープ12及び該周縁ロープ12を支持する支持ロープ13からなる第1吸収体1と、ネット11の両側に配置され支持ロープ13が張設された支柱15とを備える。また、上記防護体10においては、支柱15を固定するための支持具15aを備える。
防護体10において、ネット11は長方形状となっており、該ネット11の周縁に周縁ロープ12が設けられている。
ここで、図2は、第1実施形態に係る防護体の部分P1を拡大した図である。
図2に示すように、周縁ロープ12は、ネット11の周縁の網目を交互に挿通させることによって、ネット11に取り付けられている。すなわち、このように取り付けることにより、ネット11は、周縁ロープ12に対する動きの自由度が担保されている。
また、ネット11に対する周縁ロープ12の取り付けが極めて簡単であるので、防護体10の組付けも容易である。
したがって、上記防護体10は、崖や斜面等の足場が悪いところであっても、十分に防護体10の施工が可能であり、安全性にも優れる。
ここで、図3は、第1実施形態に係る防護体の部分P2を拡大した図である。
図3に示すように、支持ロープ13は、一端が周縁ロープ12に動きの自由度をもって取り付けられており、他端が支柱15に固定して取り付けられている。
例えば、支持ロープ13は、周縁ロープ12を掬うようにして取り付けられる。これにより、周縁ロープ12に沿って支持ロープ13は移動が可能となる。なお、かかる支持ロープ13は、ネット11の形状に沿った周縁に位置する周縁ロープ12の四隅(左上、左下、右上、右下)に4つ設けられる。
防護体10においては、ネット11及び周縁ロープ12がいずれも合成繊維からなり、且つ、これらの破断伸度がいずれも10%以上に調整されていることが好ましい。なお、これらの詳細については後述する。
上記防護体10は、石、土砂、雪等の落下物をネット11で受け止める構造になっている。すなわち、上記防護体10は、落下物があると、まず、ネット11が伸びることで撓み、次に、ネット11を支持する周縁ロープ12が伸びることで、落下物の落下時の衝撃力が吸収される。
そして、周縁ロープ12が、支持ロープ13を介して固定された支柱15に取り付けられているので、落下物の落下時の衝撃を吸収した状態が維持されることになる。
特に、周縁ロープ12が、ネット11の周縁の網目を交互に挿通させることによって取り付けられているので、ネット11に衝撃が加わっても力が分散され、ネット11や周縁ロープ12の一部に力が集中することがない。
上記防護体10は、ネット11及び周縁ロープ12が合成繊維からなるので、軽量化が図られており、崖や斜面等の足場が悪いところであっても防護体10の施工が容易であり、そのための特別な重機や専用設備が不要である。
また、上記防護体10は、ネット11及び周縁ロープ12が合成繊維からなるものの、上述したように、落下物の落下時の衝撃を十分に吸収できることから、破れ難く、機械的強度及び耐久性が優れるものである。
上記防護体10は、石、土砂、雪等の落下物が道路や建物に落下するのを防止するために、主に、山腹の崖や斜面等に好適に用いられる。
以下、ネット11、周縁ロープ12、支柱15及び緩衝ロープ18について更に詳細に説明する。
(ネット)
本実施形態に係る防護体10において、ネット11は、全体が網状に編成された長方形状の構造を有する。
かかるネット11の編み構成には、特に限定はなく、結節タイプ、無結節タイプのいずれであってもよい。
また、ネット11の形状、網目の大きさ(目合い)、太さにも限定はなく、設置される場所で予想される落石等の規模に応じて、適宜決定すればよい。
ネット11には、合成繊維(以下便宜的に「ネット用合成繊維」という。)が用いられる。
この場合、従来技術に記載した金属製のネットと比較して、施工性や安全性に優れる。
かかるネット用合成繊維としては、特に限定されないが、落石等を受け止めるために高強度で高弾性な素材が適しており、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、超高分子量ポリエチレン繊維、低圧ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66等のポリアミド繊維、ポリパラテレフタルアミド、ポリメタテレフタルアミド等のアラミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、炭素繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリオキシケトン繊維、アクリル繊維、レーヨン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、ネット用合成繊維がポリエステル繊維であることが好ましい。
ネット用合成繊維がポリエステル繊維であると、耐久性が優れる。また、汎用性にも優れるので安価に製造できる。
特に、ネット用合成繊維がポリエチレンテレフタレートと、ポリパラテレフタルアミド又はポリメタテレフタルアミドと、を混合した混合繊維であることがより一層好ましい。この場合、繊維自体を太くしなくても、強度が優れるものとなる。
ネット11の破断伸度は10%以上に調整されていることが好ましい。この場合、落下物を受け止める際の衝撃を、ネット11全体に分散させることができる。
また、破断伸度は、10〜200%であることがより好ましく、50〜200%であることがより一層好ましい。
破断伸度が200%を超えると、破断伸度が上記範囲内にある場合と比較して、落下物を受け止める際の衝撃が分散されず、局所的にネット11が伸び、ひいてはネット11が破断してしまう場合がある。
ここで、本明細書において、破断伸度とは、試料に荷重を負荷して伸張させ、試料が破断した場合において、その破断時の試料の長さをA、荷重を負荷する前の当初の試料の長さをBとした場合に、(B−A)×100/Aで表される値(%)であり、具体的には、社団法人仮設工業会「安全ネットの構造等に関する安全基準と解説」の6.2に準拠して測定された値である。
ネット11の破断強度は5〜40kNであることが好ましく、5〜10kNであることがより好ましい。
上記ネット11の破断強度が5kN未満であると、破断強度が上記範囲内にある場合と比較して、衝撃を吸収することはできても衝撃に耐えられず破断する場合があり、強度が40kNを超えると、強度が上記範囲内にある場合と比較して、ネット11の直径が大きくなるために重くなり、防護体施工時の作業性が悪くなる傾向にある。
ここで、本明細書において、破断強度とは、試料に荷重を負荷して伸張させ、試料が破断した場合において、その破断時の荷重の負荷の値であり、具体的には、社団法人仮設工業会「安全ネットの構造等に関する安全基準と解説」の6.2に準拠して測定した値である。
上記ネット11は、光触媒、着色剤、紫外線向上剤、難燃剤等の添加剤が付与されたものであってもよい。
(周縁ロープ)
周縁ロープ12は、ネット11の周縁を囲うように設けられ、四隅に支持ロープ13が取り付けられている。
かかる周縁ロープ12は、ネット11の周縁の網目を交互に挿通させることによって、ネット11に取り付けられている。すなわち、周縁ロープ12は、ネット11を支持すると共に、ネット11の周縁ロープ12に対する動きの自由度を担保している。そのため、ネット11のある部分に衝撃が加わった場合、ネット11が周縁ロープ12に沿ってスライドし、衝撃がネット11全体に波及して分散される。なお、ネット11に対する周縁ロープ12の取り付けは、上述したように極めて簡単である。
周縁ロープ12には、合成繊維(以下便宜的に「周縁ロープ用合成繊維」という。)が用いられる。この場合、従来技術に記載したワイヤーロープ等と比較して、施工性や安全性に優れる。
かかる周縁ロープ用合成繊維としては、特に限定されないが、ネット11を支持するため高強度な素材が適しており、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66等のポリアミド繊維、ポリパラテレフタルアミド、ポリメタテレフタルアミド等のアラミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、炭素繊維等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、周縁ロープ用合成繊維がポリエステル繊維又はポリアミド繊維であることが好ましい。
周縁ロープ用合成繊維が汎用性に優れるポリエステル繊維又はポリアミド繊維であると、安価に製造できるメリットがあり、伸度が優れるものとなる。
また、周縁ロープ12は屋外で使用されることが大半であるため、周縁ロープ用合成繊維が耐候性に優れるポリエチレンテレフタレートであることが特に好ましい。なお、周縁ロープ用合成繊維は、上述したネット用合成繊維と同一であっても異なっていてもよい。
なお、周縁ロープ用合成繊維がポリエステル繊維である場合、ポリエステル繊維を合成する際には、主原料の他、イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物等の第3成分が含まれていてもよい。換言すると、ポリエステルの主原料と第3成分とを共重合させてもよい。
この場合、第3成分に基づく物性を付加することができる。
周縁ロープ12の太さは、ネット11の目を通過できる太さであれば使用可能であるが、径が10〜40mmであることが好ましい。
周縁ロープ12は、マルチフィラメントから形成されるものであることが好ましい。
かかるフィラメントの断面形態は丸断面であっても、楕円、三角等の異形断面であっても、中空であってもよい。
周縁ロープ12は、繊度やフィラメント数に特に制限はないが、機械的強度の観点から、繊度が0.5〜20dtexのフィラメントが、100〜1000本の束(ヤーン)になっているものであることが好ましい。
周縁ロープ12の破断伸度は30%以上に調整されていることが好ましい。この場合、落下物を受け止めたネット11を弾性変形及び永久変形によって確実に支持することができる。
また、破断伸度は、30〜300%であることがより好ましく、100〜300%であることがより一層好ましく、150〜300%であることが特に好ましい。
通常のロープのように破断伸度が30%未満であると、破断伸度が上記範囲内にある場合と比較して、ネット11を十分に支持できない場合があり、破断伸度が300%を超えると、破断伸度が上記範囲内にある場合と比較して、周縁ロープ12が伸びすぎるため、ネット11が吸収した衝撃力が、防護体10の他の部位に及ぶおそれがある。
周縁ロープ12の破断伸度は、ネット11の破断伸度よりも大きいことが好ましい。
この場合、周縁ロープ12は、ネット11が落下物によるエネルギー衝撃を吸収し、あらゆる形態に変形した場合であっても、ネット11の全体を確実に支持できる。
周縁ロープ12の破断強度はネットの破断強度よりも大きいことが好ましく、具体的には、30〜100kNであることが好ましい。
破断強度が30kN未満であると、破断強度が上記範囲内にある場合と比較して、衝撃を吸収することはできても衝撃に耐えられず破断する場合があり、破断強度が100kNを超えると、破断強度が上記範囲内にある場合と比較して、ロープの直径が40mm以上となるために重くなり、防護体施工時の作業性が悪くなる傾向にある。
上記周縁ロープ12は、光触媒、着色剤、紫外線向上剤、難燃剤等の添加剤が付与されたものであってもよい。
(支持ロープ)
支持ロープ13は、周縁ロープ12と支柱15との間に介在し、周縁ロープ12を支持して、固定された支柱15に繋げる働きをする。
支持ロープ13は、一端を周縁ロープ12に動きの自由度を有するようにして取り付け、他端を支柱15に固定される。なお、かかる支持ロープ13は、ネット11の形状に沿った周縁に位置する周縁ロープ12の四隅(左上、左下、右上、右下)に4つ設けられている。
ここで、支持ロープ13が自由度を有するようにするには、支持ロープ13を、周縁ロープ12を掬うようにして取り付ければよい。そうすると、周縁ロープ12に沿って支持ロープ13は移動可能となる。
支持ロープ13としては、金属性のワイヤーや合成繊維からなるロープが用いられる。なお、かかる合成繊維は上述した周縁ロープ12に用いられる合成繊維と同義である。
支持ロープ13が、合成繊維である場合、ポリエステル繊維又はアラミド繊維であることが好ましい。
上記合成繊維が汎用性に優れるポリエステル繊維であると、安価に製造できるメリットがあり、アラミド繊維であると、繊維自体を太くしなくても、強度が優れるものとなる。
なお、支持ロープ13に用いられる合成繊維は、上述したネット用合成繊維と同一であっても異なっていてもよく、上述した周縁ロープ用合成繊維と同一であっても異なっていてもよい。
(支柱)
支柱15は、ネット11の両側に配置され、周縁ロープ12が取り付けられる。
支柱15の材質や大きさは、施工される場所で予想される落石の規模に応じて強度や構造等が適宜設計すればよい。
例えば、支柱15としては、コンクリート製支柱、コンクリートと鋼管で構成される構造体を基礎コンクリートや地中に埋設したもの等が挙げられる。また、落石の規模が比較的低いと予想される場合には、自然の立木を支柱として利用してもよい。
防護体10においては、支柱15に支持具15aが取り付けられる。これにより、支柱15がより安定した状態で固定される。
かかる支持具15aとしては、従来のものが適宜用いられる。なお、防護体10は、軽量であるために、支持具15aを必ずしも頑強なものにする必要はないが、安全性向上の観点から、ワイヤーロープ等のように頑強なものとしてもよい。
次に、本実施形態に係る防護体10の組付け及び施工方法の一例について説明する。
まず、山腹の崖や斜面等の防護体10設置予定場所にコンクリートからなる支柱15を2本設置する。このとき、支柱15の一部を地中に埋めて固定する。
そして、両方の支柱15に支持具15aを取り付けることにより、両方の支柱15が確実に固定される。
一方で、周縁ロープ12を、ネット11の周縁の網目を交互に通すようにしてネット11に取り付ける。
そして、ネット11の四隅に位置する周縁ロープ12に支持ロープ13の一端を取り付ける。なお、これらの作業は現場で行ってもよく、製造工場で行ってもよい。
次いで、支持ロープ13の他端を上記支柱15の上部と下部とに括り付けて固定する。すなわち、左上の支持ロープ13の他端は、左側の支柱15の上部に取り付けられ、左下の支持ロープ13の他端は、左側の支柱15の下部に取り付けられ、右上の支持ロープ13の他端は、右側の支柱15の上部に取り付けられ、右下の支持ロープ13の他端は、右側の支柱15の下部に取り付けられる。これにより、ネット11が周縁ロープ12により支持され、周縁ロープ12が支持ロープ13を介して支柱15に取り付けられる。
以上の工程により、上記防護体10が設置予定場所に組付け施工される。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る防護体の第2実施形態について説明する。
図4は、第2実施形態に係る防護体を模式的に示した背面図であり、図5は、第2実施形態に係る防護体を模式的に示した側面図である。
図4に示すように、本実施形態に係る防護体20は、網目状のネット11、該ネット11を支持する周縁ロープ12及び該周縁ロープ12を支持する支持ロープ13からなる第1衝撃吸収体1と、ネット11の裏面に添わせた緩衝ロープ18からなる第2衝撃吸収体2と、ネット11の両側に配置され支持ロープ13及び緩衝ロープ18を張設する支柱15と、を備える。
また、上記防護体20においては、確実に支柱15を固定するための支持具15aが設けられている。
すなわち、図5に示すように、本実施形態に係る防護体20は、第1実施形態に係る防護体10に加え、更に独立した第2衝撃吸収体2(緩衝ロープ18)を備えている点で、第1実施形態に係る防護体10と異なる。
ここで、本明細書において、「ネットの裏面」とは、ネットが落下物を受ける面とは反対側の面を意味する。
上記防護体20においては、第1衝撃吸収体のネット11、周縁ロープ12及び第2衝撃吸収体の緩衝ロープ18がいずれも合成繊維からなり、周縁ロープがネットの周縁の網目を交互に挿通させて取り付けられている。
上記防護体20は、最初に第1衝撃吸収体が落下物を受け止める構造になっている。すなわち、上記防護体20は、落下物があると、まず、第1衝撃吸収体1のネット11が伸びることで撓み、衝撃を分散させ、且つ、ネット11を支持する周縁ロープ12が伸びることで、落下物の落下時の衝撃力が吸収される(第1段衝撃吸収)。
そして、周縁ロープ12が、支持ロープ13を介して固定された支柱15に取り付けられているので、落下物の落下時の衝撃を吸収した状態が維持される。
次に、第2衝撃吸収体2において、緩衝ロープ18が落下物の落下位置により局所的にネット11が大きく伸びることを抑制する。その際、緩衝ロープ18も伸びることにより衝撃を吸収する(第2段衝撃吸収)。
このように、第1衝撃吸収体1と第2衝撃吸収体2とにより、2段の衝撃吸収が行われる。
上記防護体20は、第1衝撃吸収体のネット11、周縁ロープ12及び第2衝撃吸収体の緩衝ロープ18が合成繊維からなるので、軽量化が図られており、崖や斜面等の足場が悪いところであっても防護体20の施工が容易であり、そのための特別な重機や専用設備が不要である。
また、上記防護体20は、ネット11、周縁ロープ12及び緩衝ロープ18が合成繊維からなるものの、上述したように、落下物の落下時の衝撃を確実に吸収できることから、より破れ難く、機械的強度及び耐久性がより優れるものである。
上記防護体20は、石、土砂、雪等の落下物が道路や建物に落下するのを防止するために、山腹の崖や斜面等に好適に用いられる。
以下、第2の衝撃吸収機能を有する緩衝ロープ18について更に詳細に説明する。なお、ネット11、周縁ロープ12、支持ロープ13及び支柱15は上述した第1実施形態に係る防護体10と同義である。
(緩衝ロープ)
第2衝撃吸収体の緩衝ロープ18は、ネット11の裏面に直線状になるように支柱15に張設される。
本実施形態に係る防護体20においては、図5に示すように、5本の緩衝ロープ18が互いに平行となるように直線状に取り付けられている。
ここで、緩衝ロープ18は、網目を通さず、ネット11の裏面に接するようにネット11に添った状態で配置することが好ましい。
この場合、緩衝ロープ18とネット11とが別体であるので、独立して機能を発揮できる。なお、緩衝ロープをネット11の網目に交互に挿通するように設けると、落石時の衝撃力を、緩衝ロープとネットの間の狭い領域で受けることになる。
上述したように、防護体20においては、第2衝撃吸収体2を更に備えることで、落下物により局所的にネット11が伸びるのを抑制できる。これにより、上記防護体10はより破損し難くなる。
また、防護体20においては、緩衝ロープ18が伸びることにより第2段衝撃吸収が達成され、ネット11等の第1衝撃吸収体と緩衝ロープ18の第2衝撃吸収体によって2段の衝撃吸収が行われる。なお、この衝撃吸収作用は、現実的には、瞬時に、且つほぼ同時に行われる。
緩衝ロープ18には、合成繊維(以下便宜的に「緩衝ロープ用合成繊維」という。)が用いられる。
かかる緩衝ロープ用合成繊維としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン繊維、ポリアリレート繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド46、ポリアミド66等のポリアミド繊維、ポリパラテレフタルアミド、ポリメタテレフタルアミド等のアラミド繊維、ポリベンゾオキサゾール繊維、炭素繊維等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種類以上を混合して用いてもよい。
これらの中でも、緩衝ロープ用合成繊維がポリエステル繊維又はポリアミド繊維であることが好ましい。
緩衝ロープ用合成繊維が汎用性に優れるポリエステル繊維又はポリアミド繊維であると、安価に製造できるメリットがあり、伸度が優れるものとなる。
また、緩衝ロープ18は屋外で使用されることが大半であるため、緩衝ロープ用合成繊維が耐候性に優れるポリエチレンテレフタレートであることが特に好ましい。なお、緩衝ロープ用合成繊維は、上述したネット用合成繊維と同一であっても異なっていてもよく、上述した周縁ロープ用合成繊維と同一であっても異なっていてもよい。
なお、緩衝ロープ用合成繊維がポリエステル繊維である場合、ポリエステル繊維を合成する際には、主原料の他、イソフタル酸、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物等の第3成分が含まれていてもよい。換言すると、ポリエステルの主原料と第3成分とを共重合させてもよい。
この場合、第3成分に基づく物性を付加することができる。
緩衝ロープ18の太さは、取扱い性の観点から、径が10〜40mmであることが好ましく、15〜30mmであることがより好ましい。
緩衝ロープ18は、マルチフィラメントから形成されるものであることが好ましい。
かかるフィラメントの断面形態は丸断面であっても、楕円、三角等の異形断面であっても、中空であってもよい。
緩衝ロープ18は、繊度やフィラメント数に特に制限はないが、機械的強度の観点から、繊度が0.5〜20dtexのフィラメントが、100〜1000本の束(ヤーン)になっているものであることが好ましい。
ここで、緩衝ロープ18の破断伸度は20%以上に調整されていることが好ましい。この場合、落下物を受け止めたネット11を弾性変形及び永久変形によって確実に支持することができる。
また、破断伸度は、30〜300%であることがより好ましく、100〜300%であることがより一層好ましく、150〜300%であることが特に好ましい。
通常のロープのように破断伸度が30%未満であると、破断伸度が上記範囲内にある場合と比較して、落下物によるネット11の変形を拘束してしまう傾向にあり、破断伸度が300%を超えると、破断伸度が上記範囲内にある場合と比較して、緩衝ロープ18が伸びすぎるため、ネット11の変形を受け止める効果が発揮できなくなる傾向にある。
緩衝ロープ18の破断伸度は、ネット11の破断伸度よりも大きいことが好ましい。
この場合、緩衝ロープ18は、ネット11が落下物によるエネルギー衝撃を吸収し、あらゆる形態に変形した場合であっても、ネット11の全体の変形を確実に受け止めることができる。
緩衝ロープ18の破断強度は30〜100kNであることが好ましい。
破断強度が30kN未満であると、破断強度が上記範囲内にある場合と比較して、衝撃を吸収することはできても衝撃に耐えられず破断する場合があり、破断強度が100kNを超えると、破断強度が上記範囲内にある場合と比較して、ロープの直径が40mm以上となるために重くなり、防護体施工時の作業性が悪くなる傾向にある。
上記緩衝ロープ18は、光触媒、着色剤、紫外線向上剤、難燃剤等の添加剤が付与されたものであってもよい。
次に、本実施形態に係る防護体20の組付け及び施工方法の一例について説明する。
本実施形態に係る防護体20は、上述した第1実施形態に係る防護体10と同様にして第1衝撃吸収体1を組付け及び施工した後、第2衝撃吸収体2が組付け及び施工される。
第2衝撃吸収体2は、一方の支柱15から他方に支柱15に向かって5本の緩衝ロープ18をネット11の裏面に沿って、横方向に直線状となるように張設される。なお、緩衝ロープ18は、両端の支柱15に括り付ける等して固定される。
この工程により、上記防護体20が設置予定場所に施工される。
[第3実施形態]
次に、本発明に係る防護体の第3実施形態について説明する。
図6は、第3実施形態に係る防護体を模式的に示した背面図である。
図6に示すように、本実施形態に係る防護体30は、網目状のネット11、該ネット11を支持するための周縁ロープ12及び該周縁ロープ12を支持する支持ロープ13からなる第1衝撃吸収体1と、ネット11の裏面に設けられた複数の緩衝ロープ18及び該緩衝ロープ同士を連結するベルト19からなる第2衝撃吸収体2と、ネット11の両側に配置され支持ロープ13及び緩衝ロープ18が取り付けられた支柱15と、を備える。また、上記防護体30においては、確実に支柱15を固定するための支持具15aを備える。すなわち、本実施形態に係る防護体30は、緩衝ロープ18が6本になっており、該緩衝ロープ18同士がベルト19で連結されている点で、第2実施形態に係る防護体20と異なる。また、後述する緩衝ロープ18の支柱15への張設方法も異なる。なお、防護体30において、ネット11、周縁ロープ12、支持ロープ13、支柱15及び緩衝ロープ18自体は上述した第2実施形態に係る防護体20と同じである。
防護体30は、第2衝撃吸収体において、緩衝ロープ18同士が適所にベルト19で連結されているので、落下物によって、緩衝ロープ18同士の間隔が広がりにくい。また、ベルト19は緩衝ロープに固定されていないため、緩衝ロープ18の伸びを拘束しない。このため、緩衝ロープ18の落下物に対する衝撃吸収力が担保される。
したがって、落下物があっても、局所的に間隔が広がらないので防護体30としての形が崩れず、落下時の衝撃力をより確実に吸収することができる。
このため、防護体30は、第1実施形態に係る防護体10又は第2実施形態に係る防護体20よりも、衝撃吸収能力が高いため、より破れ難く、機械的強度及び耐久性が一層優れる。
図7は、第3実施形態に係る防護体において、緩衝ロープとベルトとの接続部の例を示す概略図である。
図7に示すように、防護体30のベルト19には、緩衝ロープ18が挿通可能な開口が複数設けられている。具体的には、ベルト19を二つ折りにし、適宜、縫着することで開口が形成されているので、その中に緩衝ロープ18を挿通させて、上下の緩衝ロープ18同士が連結される。
このため、緩衝ロープ18は、横方向(緩衝ロープ18の長手方向)に拘束されず、伸縮自在である。一方、緩衝ロープ18は、縦方向(ベルト19の長手方向)には拘束されるので、緩衝ロープ18同士が縦方向に広がり、ネット11が伸びてもそれを抑制することができなくなるようなことが防止できる。そのため、衝撃を吸収できなくなるという事態を回避できる。なお、複数の緩衝ロープ18は、互いに平行に配列されているので、ベルト19は、複数の緩衝ロープ18と直交する方向に配置することが好ましい。
次に、本実施形態に係る防護体30の組付け及び施工方法の一例について説明する。
本実施形態に係る防護体30は、上述した第2実施形態に係る防護体20と同様に、第1衝撃吸収体1を組付け及び施工した後、第2衝撃吸収体2が組付け及び施工される。
第2衝撃吸収体2は、一方の支柱15から他方に支柱15に向かって緩衝ロープ18(ここでは6本)をネット11の裏面に沿って、横方向に直線状となるように張設される。このとき、ベルト19を用いて、緩衝ロープ18同士を互いに連結させる。
また、緩衝ロープ18を支柱15に張設する方法は、図6に示すように、一定間隔に貫通孔のあるチェーンや繊維製ベルト等の固定材21を支柱15に固定し、この固定材21に緩衝ロープ18がループ状に通される。なお、緩衝ロープ18をリング状にするには、緩衝ロープ18の端末同士を圧着やさつま結び等緩衝ロープ18の強度を損なわない方法で連結させればよい。
かかる方法よれば、緩衝ロープ18の自由度が優れると共に、施工が容易となる。
このような工程手順により、上記防護体30が設置予定場所に的確に施工される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、第2実施形態に係る防護体20においては、5本の緩衝ロープ18を、第3実施形態に係る防護体30においては、6本の緩衝ロープ18を用いているが、緩衝ロープ18の本数はこれらに限定されるものではない。すなわち、1〜4本であってもよく、7本以上であってもよい。なお、偶数本であると、上述したように、緩衝ロープ18をリング状とすることができるので、自由度が優れると共に、施工が容易となる。
第1〜3実施形態に係る防護体10,20,30においては、長方形のネット11を用いているが、正方形、多角形、円形、楕円形、菱形等であってもよい。
また、ネット11は二重にして用いてもよい。
第1〜3実施形態に係る防護体10,20,30においては、支持ロープ13を用い、周縁ロープ12を支柱15に固定しているが、周縁ロープ12が支持ロープ13を兼ねていてもよい。換言すると、支持ロープ13を用いず、周縁ロープ12の一部を直接支柱15に括り付ける等して固定させてもよい。
例えば、ネット11の四隅に相当する部分の周縁ロープ12を延長して弛ませ、直接支柱15に括り付けて固定してもよい。
第1〜3実施形態に係る防護体10,20,30を用いた施工方法においては、支柱15を2本用いているが、支柱15の本数は特に限定されない。なお、防護体の衝撃吸収効果をより発揮させるためには、支柱同士の間隔は、3〜10mであることが好ましい。
第1〜3実施形態に係る防護体10,20,30においては、支柱15を固定するための支持具15aが設けられているが、支持具15aは、必須の構成要件ではない。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(ネットの準備)
表1に示す物性のネットを準備した。
Figure 2010106493
(ロープの準備)
表2に示す物性のロープを準備した。
Figure 2010106493
(実施例1〜10)
まず、ロープ(周縁ロープ)をネットの周縁の網目に交互に挿通させることにより取り付けた。
そして、ネットの四隅に位置するロープ(周縁ロープ)に支持ロープ(アラミド繊維)の一端を取り付け、他端をコンクリートからなる支柱に括り付けた。
また、実施例6〜10においては、ネットに沿って、落下物を受ける面とは反対側に直線状にロープ(緩衝ロープ)を張設した。
なお、実施例8においては、緩衝ロープをネットの網目に交互に挿通させた。
また、実施例9及び実施例10においては、直線状に取り付けた緩衝ロープをベルトによって結束させた。
また、緩衝ロープは、支柱に固定させた繊維製ベルトを介して、リング状にして取り付けた。
こうして、防護体のサンプルを作製した。
なお、防護体のサンプルを作製する際に用いたネット、周縁ロープ、緩衝ロープの一覧を下記表3に示す。
Figure 2010106493
(評価1)
実施例1〜10で得られた防護体のサンプルを用いて、落下試験を行った。
防護体のサンプルを水平に配置し、上方から直径900mmの重鎮を落下させ、防護体のサンプルの状態を目視にて確認した。
なお、重錘の重さは、実施例1〜4が5kN、実施例5〜10が9kNである。
用いたネットとロープの組み合わせ、及び、重鎮を落下させる高さに対する得られた結果を表4及び表5に示す。
表4及び表5中、防護体のサンプルに破損が認められなかったものを「○」とし、防護体のサンプルに破損が認められたものを「×」とし、防護体が伸びすぎて測定できなかったものを「△」とする。
なお「−」は測定を省略した項目である。
Figure 2010106493
Figure 2010106493
また、実施例1〜7、9及び10の防護体のサンプルの最大エネルギー(kJ)を算出した。
得られた結果を表6に示す。
なお、表6中、最大エネルギー(kJ)とは、「落下高さ×重量」に基づく、位置エネルギーである。
Figure 2010106493
表4〜6から明らかなように、本発明の防護体を用いた実施例1〜10は、周縁ロープの破断伸度がネットの破断伸度より大きい方が、機械的強度に優れることが確認された。
また、緩衝ロープを用いると機械的強度が優れることが確認された。さらに、緩衝ロープをベルト結束すると機械的強度が特に優れることが確認された。なお、緩衝ロープを用いた実施例10は、機械的強度が格別に優れるものであった。
図1は、第1実施形態に係る防護体を模式的に示した背面図である。 図2は、第1実施形態に係る防護体の部分P1を拡大した図である。 図3は、第1実施形態に係る防護体の部分P2を拡大した図である。 図4は、第2実施形態に係る防護体を模式的に示した背面図である。 図5は、第2実施形態に係る防護体を模式的に示した側面図である。 図6は、第3実施形態に係る防護体を模式的に示した背面図である。 図7は、第3実施形態に係る防護体において、緩衝ロープとベルトとの接続部を示す概略図である。
符号の説明
1・・・第1衝撃吸収体
2・・・第2衝撃吸収体
10,20,30・・・防護体
11・・・ネット
12・・・周縁ロープ
13・・・支持ロープ
15・・・支柱
15a・・・支持具
18・・・緩衝ロープ
19・・・ベルト
21・・・固定材
P1,P2・・・部分

Claims (8)

  1. 網目状のネット、該ネットを支持する周縁ロープ及び該周縁ロープを支持する支持ロープからなる第1衝撃吸収体と、
    前記第1衝撃吸収体の両側に配置され前記支持ロープが張設された支柱と、
    を備え、
    前記ネット及び前記周縁ロープがいずれも合成繊維からなり、
    前記周縁ロープが前記ネットの周縁の網目を交互に挿通させて取り付けられている防護体。
  2. 緩衝ロープからなる第2衝撃吸収体を更に備え、
    前記緩衝ロープが前記ネットの裏面に添わせた状態で前記支柱に張設されていることを特徴とする請求項1記載の防護体。
  3. 前記周縁ロープの破断伸度が前記ネットの破断伸度よりも大きい請求項1又は2に記載の防護体。
  4. 前記周縁ロープの破断伸度が30〜300%であり、前記ネットの破断伸度が10〜200%である請求項1又は2に記載の防護体。
  5. 前記第2衝撃吸収体が直線状に張設された複数本の緩衝ロープからなる請求項2記載の防護体。
  6. 前記複数本の緩衝ロープが、互いに平行であり、該緩衝ロープ同士がベルトで連結されている請求項5記載の防護体。
  7. 前記緩衝ロープの破断伸度が前記ネットの破断伸度よりも大きい請求項2記載の防護体。
  8. 前記緩衝ロープの破断伸度が30〜300%である請求項2記載の防護体。
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