JP5670927B2 - 防護柵 - Google Patents

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Description

この発明は、山間地等の道路等の山側の位置に構築し、落石、土砂崩れ、雪崩等を受け止める防護柵に関する。
従来から、山腹の斜面部等に構築して落石等を受け止めて道路等への落下、流入を阻止する防護柵として、複数の支柱に亘ってネット体を張設した防護柵が知られている。例えば、特許文献1に開示されているように、隣接する支柱間に上ロープ材と下ロープ材とを架設し、各ロープ材の間に網体を設け、網体の上下端部を複数の緩衝具により上下ロープ材に連結した防護柵がある。この防護柵は、落石等の衝撃力を受けると網体が変形するとともに、網体から力が伝わる上下ロープ材が変形し、緩衝具により衝撃力を吸収するので、支柱に加わる力を軽減することができる。
特開2010−1679号公報
しかし、特許文献1の防護柵の場合、落石や土砂等を受けた際に網体が大きく変形し、網体の下端部と地面との間に隙間が生じるので、その隙間から土砂等の一部がすり抜けてしまうという問題があった。
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、衝撃吸収性が高く、落石や土砂等を確実に受け止めることができる防護柵を提供することを目的とする。
この発明は、山間地等の山側の斜面に立設された複数の支柱と、前記複数の支柱に亘って張設された主ネット体とを備えた防護柵であって、前記主ネット体は、化学繊維製の網ロープを編み込んで形成され、その上側領域が前記支柱の側面に取り付けられ、前記上側領域から連続する下側領域が斜面側に折り込まれて複数のアンカーで地面に固定されている。
前記主ネット体は、略矩形の網目を有する粗目ネットと、前記粗目ネットよりも細かい略矩形の網目を有する細目ネットとを重ねたものであり、前記主ネット体の前記上側領域は、前記細目ネットが斜面側に配され、前記粗目ネット及び前記細目ネットの少なくとも一方の網目を形成した網ロープの方向が、水平方向に対して斜めになるように張設されている。また、前記主ネット体の前記上側領域の上端部が、互いに隣接する前記支柱の上側部同士の間に所定の張力で架設された上ワイヤによって支持されている。
さらに、前記複数の支柱に亘って正面ネット体が張設され、前記正面ネット体は、化学繊維製の網ロープを編み込んで形成され、前記支柱の側面に取り付けられ、前記主ネット体の上側領域は、前記複数の支柱間に亘り前記正面ネット体と重なり合って前記支柱の側面に取り付けられている。この場合、前記正面ネット体は、略矩形の網目を有する正面粗目ネットと、前記正面粗目ネットよりも細かい略矩形の網目を有する正面細目ネットとを重ねたものであり、前記正面細目ネットが斜面側に配され、前記正面粗目ネット及び前記細目ネットの少なくとも一方の網目を形成した網ロープの方向が、水平方向に対して斜めになるように張設されていることが好ましい。
また、前記主ネット体の前記上側領域の上端部又は前記正面ネット体の上端部が、互いに隣接する前記支柱の上側部同士の間に所定の張力で架設された上ワイヤによって支持されていることが好ましい。
また、端位置の前記支柱が、他の前記支柱よりも前記斜面寄りの位置に立設されているものでも良い。あるいは、端位置の前記支柱から斜面に向けて、外形が他の部材から独立したサイドネット体が張設され、前記サイドネット体は、化学繊維製の網ロープを編み込んで形成され、その地面側部分が複数のアンカーで地面に固定されているものでも良い。この場合、前記サイドネット体は、略矩形の網目を有するサイド粗目ネットと、前記サイド粗目ネットよりも細かい略矩形の網目を有するサイド細目ネットとを重ねたものであり、前記サイド細目ネットが内側に配されている。前記サイド粗目ネット及び前記サイド細目ネットの少なくとも一方の網目を形成した網ロープの方向が、水平方向に対して斜めになるように張設されている。
この発明の防護柵は、構成が簡単で安価に施工可能であり、落石等を受けた際、主ネット体と地面との間に隙間が生じることがなく、落石等を確実に受け止めることができる。また、柔軟な化学繊維製の主ネット体の使用により、高い衝撃吸収性を得ることができる。
正面ネット体を設けることによって、主ネット体を補強することができる。さらに、端位置の支柱を斜面寄りの位置に配置したり、所定のサイドネット体を設けたりすることによって、主ネット体の正面で受け止めた土砂等が、側端からずり落ちるのを防止できる。
主ネット体、正面ネット体、サイドネット体として、所定の粗目及び細目ネットを重ねたネット体を使用することによって、小さな小石等でも確実に受け止めることができる。特に、斜面側の細目ネットが受けた衝撃力、粗目ネットを通じて分散される効果があるので、化学繊維製の網ロープを編み込んで形成されたネットであっても高強度で、全体として効率よく衝撃を吸収できる。
この発明の第一実施形態の防護柵を示す平面図(a)、正面図(b)である。 第一実施形態の防護柵を示す左側面図である。 第一実施形態の防護柵のA−A断面の模式図(a)、C部の拡大模式図(b)である。 第一実施形態の防護柵の粗目ネットと細目ネットを説明する模式図である。 第一実施形態の防護柵のB−B断面の模式図(a)、D部の拡大模式図(b)である。 第一実施形態の防護柵の各ネット体の記載を省略した部分背面図(a)、部分平面図(b)である。 図6のE部の構造を説明する拡大背面図(a)、拡大平面図(b)である。 図6のG部の構造を説明する拡大背面図である。 この発明の第二実施形態の防護柵を示す平面図(a)、正面図(b)である。 第二実施形態の防護柵を示す左側面図である。 この発明の第三実施形態の防護柵を示す平面図(a)、正面図(b)である。 第三実施形態の防護柵のI−I断面の模式図(a)、J部の拡大模式図(b)である。
この発明の防護柵の第一実施形態について、図1〜図8に基づいて説明する。この実施形態の防護柵10は、山間地等の道路や線路等の山側の位置に設けられ、落石、土砂崩れ、雪崩等が発生し得る危険箇所に沿って設置される。防護柵10は、図1、図2に示すように、山側の斜面12の下流側の平地面14に、所定の間隔を置いて立設された4本の支柱16,18,20,22を備えている。支柱16〜18は、一端が平地面14に深く打ち込まれ、他端が平地面14から突出している。ここでは、一例として各支柱の突出高さは約3mであり、約4mの間隔を空けてほぼ直線的に配置されている。
互いに隣接する支柱同士の間に、それぞれ主ネット体24,26,28が取り付けられている。主ネット体24は外形が略矩形であり、ここでは、縦寸法が支柱の突出高さよりも長い約4mに、横寸法が各支柱の間隔に合わせて約4mに形成されている。支柱16,18の間に張り渡されているのは、主ネット体24の縦方向の約3mの部分(以下、上側領域24aと称す。)である。上側領域24aから連続する残り約1mの部分(以下、下側領域24bと称す。)は、斜面12の側にL字状に折り込まれ、複数のアンカー30を用いて地面である斜面12又は平地面14に固定されている。
主ネット体24は、図3に示すように、粗目ネット32と細目ネット34とを重ねて構成されている。粗目ネット32は、図4に示すように、紫外線等に対する耐候性を有したポリエチレン等の柔軟な化学繊維製の網ロープを略矩形の網目に編み込んで形成され、落石等を受けた際の衝撃吸収性を高めることを重視し、網目が粗くなっている。一方、細目ネット34は、同様のポリエチレン等の化学繊維製の網ロープを略矩形の網目に編み込んで形成され、網目を小石等が通過するのを阻止することを重視し、粗目ネット32よりも網目が細かくなっている。主ネット体24aを支柱16,18の間に張り渡すときは、細目ネット32が斜面12の側に配されている。粗目ネット32と細目ネット34の網目を形成した網ロープの方向は、水平方向に対して斜めになるように各粗目ネット32及び細目ネット34が張設されている。
主ネット体26も、主ネット体24と同様の構成を有し、支柱18,20の間に上側領域26aが張り渡され、細目ネット34が斜面12の側に配されている。また、下側領域26bが斜面12の側にL字状に折り込まれ、複数のアンカー30を用いて地面(斜面12又は平地面14)に固定されている。
主ネット体28も、主ネット体24と同様の構成を有し、支柱20,22の間に上側領域28aが張り渡され、細目ネット34が斜面12の側に配されている。また、下側領域28bが斜面12の側にL字状に折り込まれ、複数のアンカー30を用いて地面(斜面12又は平地面14)に固定されている。
さらに防護柵10は、図1、図2に示すように、端位置の支柱16,22から斜面12に向けて、サイドネット体36,38が張設されている。サイドネット体36は、ここでは外形が略矩形であり、縦寸法が支柱の突出高さよりも長い約4mに、横寸法が支柱16の上側部16aから斜面12までを略水平に結ぶ間隔に合わせて約5mに形成されている。支柱16と斜面12との間に張り渡されているのは、サイドネット体36の縦方向の約3mの台形状領域(以下、上側領域36aと称す。)である。上側領域36aから連続する残りの領域(以下、地面側領域36bと称す。)は、内側にL字状に折り込まれ、複数のアンカー40を用いて地面(斜面12又は平地面14)に固定されている。
サイドネット体36は、図5に示すように、サイド粗目ネット42とサイド細目ネット44とを重ねて構成されている。サイド粗目ネット42は、柔軟な化学繊維製の網ロープを略矩形の網目に編み込んで形成され、落石等を受けた際の衝撃吸収性を高めることを重視し、網目が粗くなっている。ここでは、図4の粗目ネット32と同様の網目サイズになっている。一方、サイド細目ネット44は、化学繊維製の網ロープを略矩形の網目に編み込んで形成され、網目を小石等が通過するのを阻止することを重視し、サイド粗目ネット42よりも網目が細かくなっている。ここでは、図4の細目ネット34と同様の網目サイズになっている。サイドネット体36を張り渡すときは、サイド細目ネット44が内側に配されている。
サイドネット体38も、サイドネット体36と同様の構成を有し、支柱22から斜面12に向けて、上側領域38aが張り渡され、サイド細目44が内側に配されている。また、地面側領域38bが内側にL字状に折り込まれ、複数のアンカー40を用いて地面(斜面12又は平地面14)に固定されている。
サイドネット体36の上側領域36aと主ネット体24の上側領域24aとが交差する角度は、斜面を流下する落石等が防護柵10の内側に入り易いようにするため、直角又はやや外側に広がった鈍角に設定することが好ましい。サイドネット体38の上側領域38aと主ネット体28の上側領域28aとが交差する角度についても、同様である。
次に、主ネット体24、サイドネット体36を支柱16,18に取り付ける構造について説明する。図6(a)は、施工後の防護柵10における支柱16,18の部分を斜面側から見た図であって、各ネット体の記載を省略した図である。
支柱18の上側部18aには、図7(a),(b)に示すように、斜面12に対向する側面の位置に、矩形の第一プレート46が固着されている。なお、図7(a)では、説明の便宜のため、後述する押さえプレート48と固定ボルト50が省略してある。第一プレート46には、斜面12側の面の上寄りの位置に一対の長ネジ52a,52bが立設され、下寄りの位置にも一対の長ネジ52c,52dが立設されている。また、第一プレート46の反対側の面の上寄りの位置には、一対の長ネジ54a,54bが立設されている。他の支柱16,20,22の上側部16a.20a,22aにも、同様の第一プレート46が設けられている。
支柱18の下端部18bには、図8に示すように、斜面12に対向する側面の位置に、矩形の第二プレート56が固着されている。なお、図8においても、後述する押さえプレートと固定ボルトの記載が省略してある。第二プレート56には、斜面12側の面の上寄りの位置に一対の長ネジ58a,58bが立設され、下寄りの位置にも一対の長ネジ58c,58dが立設されている。また、第二プレート56の反対側の面の下寄りの位置には、一対の長ネジ60a,60bが立設されている。他の支柱16,20,22の下端部16b,20b,22bにも、同様の第二プレート56が設けられている。
支柱16と支柱18の間には、例えばステンレス線などの断線しにくい強い金属ワイヤ62が架設されている。図6〜図8に示すように、金属ワイヤ62は、複数のワイヤクリップ等を用いて両端を輪にする処理がなされ、一端が支柱18の下端部18bの長ネジ60bに差し込まれ、支柱18の上側部18aの長ネジ54b、支柱16の上側部20aの長ネジ54aを経由して、他端が支柱16の下端部16bの長ネジ60aに差し込まれ、所定の強い張力でコの字状に張られている。そして、支柱18の長ネジ60b,54b、支柱16の長ネジ52a,60aに大径の固定ナット50を締め付け、金属ワイヤ62が外れないようになっている。以下、金属ワイヤ62のコの字状の3辺について、支柱18の上側部18aと下端部18bの間にある部分を縦金属ワイヤ62(1)、支柱18の上側部18aと支柱16の上側部16aの間にある部分を上金属ワイヤ62(2)、支柱16の上側部16aと下端部16bの間にある部分を縦金属ワイヤ62(3)と称する。
支柱18の上側部18aと下端部18bとの間には、例えば化学繊維製の太いロープである縦ロープ64が架設されている。縦ロープ64は、両端を輪にする処理がなされ、一端が下端部18bの長ネジ58bに差し込まれ、他端が上側部18aの長ネジ52dに差し込まれ、所定の強い張力で張られている。
支柱18の上側部18aと支柱16の上側部16aとの間にも、例えば化学繊維製の太いロープ材である上ロープ66が架設されている。上ロープ66は、両端を輪にする処理がなされ、一方の輪が上側部18aの長ネジ52bに差し込まれ、他方の輪が支柱16の上側部16aの長ネジ52aに差し込まれ、所定の強い張力で張られている。
支柱16の上側部16aと下端部16bとの間にも、縦ロープ64と同様の縦ロープ68,70が架設されている。縦ロープ68は、一端が上側部16aの長ネジ52cに差し込まれ、他端が支柱16の下端部16bの長ネジ58aに差し込まれ、所定の強い張力で張られている。縦ロープ70は、一端が上側部16aの長ネジ52dに差し込まれ、他端が下端部16bの長ネジ58bに差し込まれ、所定の強い張力で張られている。
そして、縦ロープ64,68,70、上ロープ66が架設された後、図7(b)に示すように、長ネジ用貫通孔48aが開口した押さえプレート48を第一プレート46及び第二プレート56に対向させ、長ネジ用貫通孔48aから突出した各長ネジ(支柱18の長ネジ52b,52d,58b、支柱16の長ネジ52a、52c,58a)に固定ナット50を締め付け、縦ロープ64,68,70、上ロープ66が外れないようになっている。
上述した第一及び第二プレート46,56等の固定具、金属ワイヤ62、縦ロープ64,68,70及び上ロープ66は、主ネット体24及びサイドネット体36を支柱16,18に張設するための補助的な部材であり、実際の張設作業は、例えば次の手順で行うことができる。あらかじめ第一及び第二プレート46,56を支柱16,18に取り付けておき、支柱16,18を打ち込んで立設させた後、金属ワイヤ62を架設する。縦ロープ64,68及び上ロープ66は、あらかじめ主ネット体24の端部に編み込んでおき、まず、上ロープ66を、図示しない複数のフック金具等を用いて上金属ワイヤ62(2)に支持させ、両端の輪を支柱16,18に取り付ける。次に、主ネット体24の一端に編み込んだ縦ロープ64を支柱18に取り付け、主ネット体24の上側領域24aを左右に広げ、主ネット体24の他端に編み込んだ縦ロープ68を支柱16に取り付ける。そして、縦ロープ64,68を図示しないフック金具等を用いて縦金属ワイヤ62(1),62(3)に取り付ける。その後、下側領域24bを斜面12の側に折り込んで、複数のアンカー30で斜面12又は平地面14に固定する。
さらに、縦ロープ70は、あらかじめサイドネット体36の端部に編み込んでおき、支柱16に取り付ける。次に、上側領域36aを斜面12の方向に広げ、その上端部の斜面12側の部分をアンカー40で斜面40に固定する。そして、縦ロープ70を複数のフック金具等を用いて縦金属ワイヤ62(3)に取り付ける。その後、地面側領域36bを内側に折り込んで、複数のアンカー40で地面(斜面12又は平地面14)に固定する。
この構造によれば、主ネット体24の上側領域24aを、上金属ワイヤ62(2)と上ロープ66とで成る上ロープ72によって支持するので、主ネット体24の施工が容易であり、上金属ワイヤ62(2)の強い張力により上端の垂れが防止され、柵としての高さが確保され、見た目もよい。
また、主ネット体24及びサイドネット体26の上側領域24a,36aの縦方向の端部が、強い張力で張られた縦金属ワイヤ62(1)、62(3)に取り付けられるので、落石や土砂等を受けて各ネット体が変形しても、各ネット体と支柱16,18との間に隙間が生じにくい。ただし、縦方向の端部に隙間が全く発生しないようにしたいときは、縦方向の端部を別ロープで支柱16,18自体に縛り付けるとよい。また、支柱16,18を挟んで隣に張設される各ネット体24,26,36を、複数の支柱16,18等に亘って張設される切れ目のない大きなネット体で一体に構成してもよい。
他の主ネット体26,28及びサイドネット体38を支柱28,20,22に取り付ける構造についても、上述した主ネット体24及びサイドネット体36の場合と同様である。
以上説明したように、この実施形態の防護柵10は、構成が簡単で安価に施工可能であり、落石等を受けた際、各ネット体24,26,28,36,38と地面との間に隙間が生じるのを防止し、落石等を確実に受け止めることができる。また、サイドネット体36,38により、主ネット体24,28で受け止めた土砂等が側端からずり落ちるのを防止することができる。
さらに、各ネット体24,26,28,36,38として、柔軟な化学繊維製のネット体を使用し、かつ、網目が粗い粗目ネット32,42に網目が細かい細目ネット34,44を重ねたネット体を使用しているので、小さな小石等でも確実に受け止めることができる。しかも、粗目ネット32,42よりも相対的に変形量が少ない細目ネット34,44が受けた衝撃力も、粗目ネット32,42を通じて分散される効果があるので、ネット全体として効率よく衝撃を吸収できる。また、各ネット体の各上側領域を張設する際、矩形の網目の何れかの対角線が略水平になるように取り付けてあるので、ネット体の局部に受けた衝撃力が網体全体に伝搬分散しやすい。
次に、この発明の防護柵の第二実施形態について、図9、図10に基づいて説明する。ここで、第一実施形態の防護柵10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の防護柵74は、図9、図10に示すように、山側の斜面12の下方の平地面14に、所定の間隔を置いて立設された6本の支柱76,16,18,20,22,78を備えている。個々の支柱の構造は、上記の防護柵10の支柱16〜22と同様である。新たな支柱76は、支柱16の外側にある端位置の支柱であり、支柱16〜22よりも斜面12寄りの位置に立設されている。新たな支柱78は、支柱22の外側にある端位置の支柱であり、支柱16〜22よりも斜面12寄りの位置に立設されている。
互いに隣接する支柱同士の間には、それぞれ主ネット体80,24,26,28,82が取り付けられている。主ネット体24〜28は、上記の防護柵10のものと同様の構成であり、新たな主ネット体80,82についても、横寸法を除いて同様の構成となっている。主ネット体24〜28は、横寸法が一律に約4mであるが、主ネット体80,82は、支柱16,76の間隔、又は支柱22,78の間隔に合わせ、横寸法が約3mに形成されている。主ネット体80が支柱16,76の間に張り渡されるのは、縦方向の約3mの部分(以下、上側領域80aと称す。)であり、上側領域78aから連続する残り約1mの部分(以下、下側領域80bと称す。)が内側に折り込まれ、他の下側領域24b〜28bと同様に、複数のアンカー30を用いて地面に固定されている。また、主ネット体82が支柱22,78の間に張り渡されるのは、縦方向の約3mの部分(以下、上側領域82aと称す。)であり、上側領域82aから連続する残り約1mの部分(以下、下側領域82bと称す。)が内側に折り込まれ、他の下側領域24b〜28bと同様に、複数のアンカー30を用いて地面に固定されている。
主ネット体80を支柱76,16の間に張設する構造や、主ネット体82を支柱22,78の間に張設する構造などは、他の主ネット体24〜28と同様である。
この実施形態の防護柵74は、主ネット体80,82により、主ネット体24,28で受け止めた土砂等が側端からずり落ちるのを防止することができる。上記の防護柵10の場合、サイドネット体36,38が同様の役割を果たしているが、防護柵74のように主ネット体80,82が支柱の間にしっかりと張設される構造にすることによって、柵の側端からずり落ちる土砂等を受け止める面の強度を向上させることができる。防護柵74の構造は、平地面14の長さ(図10における左右方向の長さ)が長い場合に好適である。
次に、この発明の防護柵の第三実施形態について、図11、図12に基づいて説明する。ここで、第一実施形態の防護柵10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の防護柵86は、支柱16,18,20,22と斜面12とに亘って主ネット体24,26,28及びサイドネット体36,38が張設されている点で図1の防護柵10と同様であるが、さらに、主ネット体24,26,28における上側領域24a,26a,28aの外側に重なる正面ネット体88,90,92が新たに設けられている点で構成が異なる。
正面ネット体88の外形は略矩形であり、ここでは、縦寸法が支柱の突出高さと略等しい約3mに、横寸法が各支柱の間隔に合わせて約4mに形成され、支柱16,18の間に張り渡されている。正面ネット体88は、図12に示すように、正面粗目ネット94と正面細目ネット96とを重ねて構成されている。正面粗目ネット94は、柔軟な化学繊維製の網ロープを略矩形の網目に編み込んで形成され、落石等を受けた際の衝撃吸収性を高めることを重視し、網目が粗くなっている。ここでは、図4の粗目ネット32と同様の網目サイズになっている。一方、正面細目ネット96は、化学繊維製の網ロープを略矩形の網目に編み込んで形成され、網目を小石等が通過するのを阻止することを重視し、正面粗目ネット94よりも網目が細かくなっている。ここでは、図4の細目ネット34と同様の網目サイズになっている。正面ネット体88を張り渡すときは、正面細目ネット96を斜面12の側に配されている。他の正面ネット体90,92の構成も、正面ネット体88と同様である。
主ネット体24,26,28は、図1の防護柵のものに比べ、上側領域24a,26a,28aの縦寸法(高さ)が1/3〜1/2程度に短く(低く)なっており、正面ネット体88,90,92の下端寄りの領域と重なっている。
正面ネット体88を支柱16,18に取り付ける場合、図6〜図8で説明した取り付け構造を利用することができる。例えば、縦ロープ64,68及び上ロープ66を、正面ネット体88の側端部及び上端部に編み込んでおき、支柱16,18に取り付けた第一及び第二プレート46,56に取り付け、金属ワイヤ72で支持する。さらに、上ロープ66と同構造の下ロープを正面ネット体88の下端部に編み込んでおき、下ロープを支柱16,18の各第二プレート56間に取り付けるとよい。また、支柱16,18を挟んで隣に張設される各ネット体88,90,36を、切れ目のない大きなネット体で一体に構成してもよい。
主ネット体24の上側領域24aは、張設された正面ネット体88に重ねて取り付ければよく、例えば、縦方向の端部を別ロープで支柱16,18に縛り付ける方法が考えられる。他の正面ネット体90,92及び主ネット体26,28を支柱28,20,22に取り付ける構造は、上述した正面ネット体88及び主ネット体24の場合と同様である。
この実施形態の防護柵86は、上記の防護柵10と同様の作用効果を得ることができ、さらに、正面ネット体88〜92を設けることによって、最も落石等の衝撃を受けやすい領域、すなわち、主ネット体24〜28の上側領域24a〜28aの下端寄りの領域を補強することができる。ここで、防護柵86は、上側領域24a〜28aの縦寸法をできるだけ短くし、使用するネット部材の面積を小さくすることによってコストダウンを図っているが、例えば、上側領域24a〜28aが正面ネット体88〜92の全領域と重なるようにして、補強される範囲を広くしても構わない。
なお、この発明の防護柵は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、落石等の危険がある斜面の幅が狭く、主ネット体24〜28の幅で十分に対応できるときは、図1、図11のサイドネット体36,38を省略することができ、同様に、図9の主ネット体80,82を省略することができる。
また、各ネット体を支柱に取り付ける構造は、図6〜図8で説明した取り付け構造に限定されず、公知の取り付け構造を自由に使用することができる。また、主ネット体等の上端部が垂れないようにするための上ワイヤを設ける場合、例えば主ネット体等が軽量であれば、上金属ワイヤ62(2)と上ロープ66とを組み合わせた上ワイヤ72に代えて、上金属ワイヤのみで成る上ワイヤや、上ロープのみで成る上ワイヤを使用し、取り付け構造を簡単化することも可能である。
また、支柱の長さや本数、支柱を立設する間隔、各ネット体の網目サイズ、外形寸法や枚数についても特に限定されず、施工する現場の地形、受け止める対象物(石、土砂、雪)等に鑑みて、自由に設定することができる。
10,74,86 防護柵
12 斜面
14 平地面
16,18,20,22,76,78 支柱
16a,18a,20a,22a,76,78 上側部
16b,18b,20b,22b,76b,78b 下端部
24,26,28,80,82 主ネット体
24a,26a,28a,80a,82a 上側領域
24b,26b,28b,80b,82b 下側領域
30,40 アンカー
32 粗目ネット
34 細目ネット
36,38 サイドネット体
36a,38b 上側領域
36b,38b 地面側領域
42 サイド粗目ネット
44 サイド細目ネット
62(1),62(3) 縦金属ワイヤ
62(2) 上金属ワイヤ
64,68,70 縦ロープ
66 上ロープ
72 上ワイヤ
88,90,92 正面ネット体
94 正面粗目ネット
96 正面細目ネット

Claims (6)

  1. 山側の斜面に立設された複数の支柱と、前記複数の支柱に亘って張設された主ネット体とを備えた防護柵において、
    前記主ネット体は、略矩形の網目を有する粗目ネットと、前記粗目ネットよりも細かい略矩形の網目を有する細目ネットとを重ねたものであり、前記粗目ネット及び前記細目ネットは、共に化学繊維製の網ロープを編み込んで形成され、
    前記主ネット体は、その上側領域が前記支柱の側面に取り付けられ、前記上側領域から連続する下側領域が前記斜面側に折り込まれて複数のアンカーで地面に固定され、この状態で、前記主ネット体の前記上側領域は、前記細目ネットが前記斜面側に配され、前記粗目ネット及び前記細目ネットの少なくとも一方の網目を形成した網ロープの方向が、水平方向に対して斜めになるように張設されていることを特徴とする防護柵。
  2. 前記主ネット体の前記上側領域の上端部が、互いに隣接する前記支柱の上側部同士の間に所定の張力で架設された上ワイヤによって支持されている請求項1記載の防護柵。
  3. 前記複数の支柱に亘って正面ネット体が張設され、
    前記正面ネット体は、略矩形の網目を有する正面粗目ネットと、前記正面粗目ネットよりも細かい略矩形の網目を有する正面細目ネットとを重ねたものであり、前記正面粗目ネット及び正面細目ネットは、共に化学繊維製の網ロープを編み込んで形成され、
    前記正面ネット体は、前記支柱の側面に取り付けられ、この状態で、前記正面細目ネットが前記斜面側に配され、前記正面粗目ネット及び前記細目ネットの少なくとも一方の網目を形成した網ロープの方向が、水平方向に対して斜めになるように張設され、前記主ネット体の上側領域前記複数の支柱間に亘り前記正面ネット体と重なり合う請求項1記載の防護柵。
  4. 前記主ネット体の前記上側領域の上端部又は前記正面ネット体の上端部が、互いに隣接する前記支柱の上側部同士の間に所定の張力で架設された上ワイヤによって支持されている請求項3記載の防護柵。
  5. 端位置の前記支柱が、他の前記支柱よりも前記斜面寄りの位置に立設されている請求項1乃至4の何れか記載の防護柵。
  6. 端位置の前記支柱から前記斜面に向けて、外形が他の部材から独立したサイドネット体が張設され、
    前記サイドネット体は、略矩形の網目を有するサイド粗目ネットと、前記サイド粗目ネットよりも細かい略矩形の網目を有するサイド細目ネットとを重ねたものであり、前記サイド粗目ネット及び前記サイド細目ネットは、共に化学繊維製の網ロープを編み込んで形成され、
    前記サイドネット体は、前記サイド細目ネットを内側に配して張設され、その地面側部分が複数のアンカーで地面に固定されている請求項1乃至5の何れか記載の防護柵。
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