JP6038592B2 - 衝撃吸収機構、および衝撃吸収機構を有する落下物防護装置 - Google Patents
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Description
この落石防護柵100は、斜面幅方向に間隔をあけて立設された複数の支柱101と、これら複数の支柱101によって保持されると共にその端部が斜面側方のアンカー102に固定される上側サポートロープ103及び下側サポートロープ104と、斜面谷側に配置されてその上縁及び下縁が各サポートロープに連結される金網105とを備え、この金網105によって落石を受け止めて近隣の道路等に対する落石を防止している。
第1のロープと、この第1のロープに並列に接続される第2のロープとを備え、
前記第1のロープは、前記第2のロープに対する余長を有し、且つ、その余長が確保された状態で前記第2のロープが接続されていることを特徴とする。
この構成では、衝撃作用時に第2のロープが伸びきるため、第2のロープによる衝突エネルギーの吸収力を最大限まで引き出すことができる。また、エネルギーの吸収量が飽和して第2のロープが仮に破断しても第1のロープでその接続状態を維持できる。
この構成では、伸びしろに対して余長が少ないため、第2のロープが破断する前に第1のロープによる衝突エネルギーの吸収が開始される。すなわち、初期の高い衝突エネルギーを第2のロープに積極的に吸収させ、次いで、衝撃が十分に弱まったところで第1のロープ及び第2のロープ双方で衝撃を吸収する。よって、エネルギー吸収量の飽和による第2のロープの破断を抑制できる。
また、第1のロープ及び第2のロープは共にエネルギー吸収型のロープであってもよい。
斜面幅方向に張設される防護網と、この防護網に連結されて防護網を支持する索体と、この索体を固定するためのアンカーと、前記索体とアンカーとの間に設けられる衝撃吸収機構と、を備えた落下物防護装置であって、
前記衝撃吸収機構は、第1のロープと、この第1のロープに並列に接続される第2のロープとを備え、
前記第1のロープは、前記第2のロープに対する余長を有し、且つ、その余長が確保された状態で前記第2のロープが接続されていることを特徴とする。
この構成では、第2のロープのエネルギー吸収力を最大限まで引き出すことができると共に、そのエネルギーの吸収量が飽和して第2のロープが仮に破断したとしても第1のロープで索体とアンカーとの連結状態を維持できる。
はじめに落下物防護装置1は、斜面の下縁(法尻)に沿ってその斜面幅方向(左右方向)に立設される複数本の支柱10と、各支柱10を斜面山側に引きつけて固定するための支柱控えロープ2と、支柱10に対してその上下方向に配索される連結部材である支柱補強ロープ3と、各支柱10に支持されて斜面幅方向に延びる上部横ロープ4及び下部横ロープ5と、これら上部横ロープ4及び下部横ロープ5間に設けられる高張力金網である高張力防護網6(面材)と、を備えている。
このブラケット12は、支柱10の頭部と地面直近の上下2カ所に設けられ、支柱10を立てた状態で斜面山側を向くように溶接されている。
また、各ブラケット12,12の先端部分には支柱補強ロープ3を結索するためのU字ボルト13が組み付けられている。そして、各ブラケット12,12に支柱補強ロープ3の端部がそれぞれ接続され、両ブラケット12,12は支柱補強ロープ3によって相互に連結されている。
ここで支柱控えロープ2の端部には、支柱10の直径よりも大きい輪(ループ)を有するアイ加工が施されており、支柱頭部が挿通された支柱控えロープ2の端部が、この通しボルト14に引っ掛かることで、支柱控えロープ2は支柱10の頭部から滑り落ちることなく支柱10の頭部に係止される。
上部横ロープ4及び下部横ロープ5は、3×7φ18の鋼製ワイヤロープであり、支柱10の上下方向に設けられたブラケット12,12を介して支柱10の斜面山側に支持されている。詳細には、ブラケット12に組み付けられた支柱補強ロープ3のアイ加工部分(リング状端部3b,3c)の輪を通すように各横ロープ4,5が配索されている。すなわち、各横ロープ4,5はブラケット12にその動きを拘束されることなく支持されている。
具体的には、実長1〜2m程のエネルギー吸収ロープ51(第2のロープ)に対して1.3〜1.5倍程度の余長を有する従来型の汎用鋼製ロープ52を付設し、エネルギー吸収ロープ51の各端部を汎用鋼製ロープ52(第1のロープ)側にかしめ束ね合わせている。
なお、試験体のロープ仕様は、φ18(3×7 SS/O)、断面積A:134m2、破断荷重RBS:80kN、弾性伸びEL1:5%、塑性伸びEL2:15%(衝突エネルギーを受けた後の伸び EL1<EL2)、ロープ長L1:1〜20mである。
なお、エネルギー吸収ロープとしては、上記表1に示した試験体のロープのほか、他の仕様のものを用いることができる。
具体的には、各素線に楕円状の螺旋を描くスパイラル加工を施し、隣り合う素線において、一方の素線を他の素線のピッチ間に順次差し込むように編み込む。また、同様にして他の素線6cを高張力金網6の幅方向に継ぎ足して網状にする。
各グラフにおいて縦軸は、試験荷重(単位:N)、横軸は、変形量(mm)を示している。
また、本実施の形態に示す高張力金網6の評価結果を図8(a)の実線に示し、比較対象の従来型ひし形金網の評価結果を図8(b)の実線に示す。また、試験体として、各防護網の目合いを再現した交点強度供試体を使用した。なお、各試験体で再現した網仕様は、交点角度85°φ4の編網で比較した。また、図9に試験体を示している。各試験体60は上下一対の凸型ピース61,61からなり、この凸型ピース61,61間に素線62を編網して目合いを再現している。また、試験体60は各金網毎に3体準備し、この試験体を試験機にかけて上下に引っ張り荷重をかけることで、その耐荷重を計測する。
すなわち、高張力金網6は耐荷重及び伸びしろが多く、従来型のひし形金網に比べて最大許容荷重で2倍程度高いと言える。
例えば、本実施の形態では 支柱10の下部にヒンジ17を設けて支柱10を設置しているが、例えば、地中に埋設した鋼管杭18を利用して支柱10を設置することもできる。この場合、図10に示すように支柱10の下端から、例えば約1/6を地中に埋設する。埋設する支柱10の下端の長さは上記に限定されるものではないが、具体的には、基礎となる鋼管杭18を地中深くまで差し込み、次いで、この鋼管杭18の内部に支柱10の下端を差し入れ、更にその隙間にコンクリート19を流し込んで支柱10を定着させる。
2 支柱控えロープ
2a ターンバックル
3 支柱補強ロープ
3b,3c 支柱補強ロープのアイ加工部分(リング状端部)
4 上部横ロープ
4a ターンバックル
5 下部横ロープ
5a ターンバックル
6 高張力防護網(面材, 高張力金網)
6a,6b,6c 素線
6d 素線の交点
8 衝突回避用の空間
10 支柱
11 支柱の本体部分(支柱本体)
12 ブラケット(面材支持部)
13 U字ボルト
14 通しボルト
16 結合コイル
17 ヒンジ
17a 支軸
18 鋼管杭
19 コンクリート
50 衝撃吸収機構
51 エネルギー吸収ロープ
52 従来型の汎用鋼製ロープ
53 巻付グリップ
60 試験体
61 凸型ピース
62 素線
100 落石防護柵
101 支柱
102 アンカー
103 上側サポートロープ
103a ブレーキ装置
104 下側サポートロープ
104a ブレーキ装置
105 金網
110 ループ管
111 緊締部材
Claims (10)
- 衝撃作用部位に接続される衝撃吸収機構であって、
第1のロープと、この第1のロープに並列に接続される第2のロープとを備え、
前記第1のロープは、前記第2のロープに対する余長を有し、且つ、その余長が確保された状態で前記第2のロープが接続され、
前記第2のロープは、前記第1のロープに較べて縦弾性係数が小さく且つ同じ長さで比較したときに、その破断に至る伸びしろが前記第1のロープに較べて長いエネルギー吸収型のロープであることを特徴とする衝撃吸収機構。 - 前記第1のロープの余長を前記第2のロープの伸びしろよりも多く設定したことを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収機構。
- 前記第1のロープの余長を前記第2のロープの伸びしろよりも少なく設定したことを特徴とする請求項1に記載の衝撃吸収機構。
- 前記第1のロープの余長は、この第1のロープの長さが前記第2のロープの長さに対して1.0〜2.0倍となるように設定されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の衝撃吸収機構。
- 前記第1のロープを撓めて前記第2のロープに対する余長を確保したことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の衝撃吸収機構。
- 斜面幅方向に張設される防護網と、この防護網に連結されて防護網を支持する索体と、
この索体を固定するためのアンカーと、前記索体とアンカーとの間に設けられる衝撃吸収機構と、を備えた落下物防護装置であって、
前記衝撃吸収機構は、第1のロープと、この第1のロープに並列に接続される第2のロープとを備え、
前記第1のロープは、前記第2のロープに対する余長を有し、且つ、その余長が確保された状態で前記第2のロープが接続され、
前記第2のロープは、前記第1のロープに較べて縦弾性係数が小さく且つ同じ長さで比較したときに、その破断に至る伸びしろが前記第1のロープに較べて長いエネルギー吸収型のロープであることを特徴とする落下物防護装置。 - 前記第1のロープの余長を前記第2のロープの伸びしろよりも多く設定したことを特徴とする請求項6に記載の落下物防護装置。
- 前記第1のロープの余長を前記第2のロープの伸びしろよりも少なく設定したことを特徴とする請求項6に記載の落下物防護装置。
- 前記第1のロープの余長は、この第1のロープの長さが前記第2のロープの長さに対して1.0〜2.0倍となるように設定されていることを特徴とする請求項6〜8の何れかに記載の落下物防護装置。
- 前記第1のロープを撓めて前記第2のロープに対する余長を確保したことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載の落下物防護装置。
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