JP5960023B2 - 落下物防護柵の支柱構造および落下物防護柵 - Google Patents
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Description
この落石防護柵100は、斜面幅方向に間隔をあけて立設された複数の支柱101と、これら複数の支柱101によって保持されると共にその端部が斜面側方のアンカー102に固定される上側サポートロープ103及び下側サポートロープ104と、斜面谷側に配置される共にその上縁及び下縁が各サポートロープに結合される金網105とを備え、この金網105によって落石を受け止め、近隣の道路等に対する落石を防止している。
斜面からの落下物を防御する落下物防護柵の支柱構造であって、
前記落下物防護柵の面材を斜面山側に支持する支柱本体と、この支柱本体から斜面山側に張り出された面材支持部とを有し、
前記支柱本体は、前記面材支持部を介して斜面山側に面材を支持し、且つこの面材と前記支柱本体との間には、支柱本体に対する前記面材の衝突を回避するための空間が形成されていることを特徴とする。
このように本発明では、斜面山側に張り出す面材支持部を支柱本体に設けることで、落下物防護柵の面材を支柱本体から離して斜面山側に支持している。よって、支柱本体の損傷が回避され、また、斜面山側での施工・保守管理が可能になった。
この構成では、斜面山側に張り出した面材支持部を支柱本体に対してその上下方向に間隔をあけて複数設けると共に、これら面材支持部を連結部材で相互に連結した。このため支柱本体に対して斜面谷側に曲げ応力が掛かった場合でも、各面材支持部を繋ぐ連結部材が斜面山側で抗力を発揮する。よって、支柱本体の変形が抑制される。
この構成では、連結部材を張ることで支柱本体の曲げ剛性を一層高めることができる。また、テンションが掛けられた連結部材が支柱本体の斜面山側に位置するため、連結部材が支柱本体の防護体となり、面材と支柱本体との衝突がこの連結部材によっても阻止される。また、支柱本体に対する落下物の直撃も防止できる。
この構成では、面材が連結部材に拘束されることなく動くことができるため、落下物の衝撃を面材の全域に拡散させることができる。
この構成では、支柱本体がヒンジを介して斜面谷側に傾斜可能であるため、支柱本体の根本に掛かる負荷をヒンジによって斜面谷側に逃がすことができる。
斜面からの落下物を防御する落下物防護柵であって、
前記斜面からの落下物を防御する面材と、この面材を斜面山側に支持する支柱本体と、前記支柱本体から斜面山側に張り出された面材支持部とを有し、
前記面材は、前記面材支持部を介して斜面山側に支持され、且つこの面材と前記支柱本体との間には、支柱本体に対する前記面材の衝突を回避するための空間が形成されていることを特徴とする。
落下物防護柵1は、斜面の下縁(法尻)に沿ってその斜面幅方向(左右方向)に立設される複数本の支柱10と、各支柱10を斜面山側に引きつけて固定するための支柱控えロープ2と、支柱10に対してその上下方向に配索される連結部材である支柱補強ロープ3と、各支柱10に支持されて斜面幅方向に延びる上部横ロープ4及び下部横ロープ5と、これら上部横ロープ4及び下部横ロープ5間に設けられる高張力金網6(面材)と、を備えている。
このブラケット12は、支柱10の頭部と地面直近の上下2カ所に設けられ、支柱10を立てた状態で斜面山側を向くように溶接されている。
また、各ブラケット12,12の先端部分には支柱補強ロープ3を結索するためのU字ボルト13が組み付けられている。そして、各ブラケット12,12に支柱補強ロープ3の端部がそれぞれ接続され、両ブラケット12,12は支柱補強ロープ3によって相互に連結される。
ここで支柱控えロープ2の端部には、支柱10の直径よりも大きい輪(ループ)を有するアイ加工が施されており、支柱頭部が挿通された支柱控えロープ2が、この通しボルト14に引っ掛かることで、支柱10の頭部から滑り落ちることなく支柱10の頭部に係止される。
上部横ロープ4及び下部横ロープ5は、3×7φ18の鋼製ワイヤロープであり、支柱10の上下方向に設けられたブラケット12,12を介して支柱10の斜面山側に支持されている。詳細には、ブラケット12に組み付けられた支柱補強ロープ3のアイ加工部分(リング状端部3b,3c)の輪を通すように各横ロープ4,5が配索されている。すなわち、各横ロープ4,5はブラケット12にその動きを拘束されることなく支持されている。
具体的には、実長1〜2m程のエネルギー吸収ロープ51に対して1.3〜1.5倍程度の余長を有する従来型の汎用鋼製ロープ52を付設し、エネルギー吸収ロープ51の各端部を両端アイ加工で汎用鋼製ロープ52側にかしめ束ね合わせている。
なお、試験体のロープ仕様は、φ18(3×7 SS/O)、断面積A:134m2、破断荷重RBS:80kN、弾性伸びEL1:5%、塑性伸びEL2:15%(衝突エネルギーを受けた後の伸び EL1<EL2)、ロープ長L1:1〜20mである。
なお、エネルギー吸収ロープとしては、上記表1に示した試験体のロープの他、他の仕様のものを用いることができる。
なお、上記のようにエネルギー吸収ロープ51は塑性変形域で多くのエネルギーを吸収するため、エネルギーの吸収量が飽和するとロープが破断し易くなる。このため本衝撃緩和装置50では、エネルギー吸収ロープ51に従来型の汎用鋼製ロープ52を余長を持たせてかしめ束ね合わせることで仮にエネルギー吸収ロープ51が伸びきって破断したとしてもこの従来型の汎用鋼製ロープ52によって各ロープ2,4,5とアンカーとをつなぎ止めるようにしている。
具体的には、各素線に楕円状の螺旋を描くスパイラル加工を施し、隣り合う素線において、一方の素線を他の素線のピッチ間に順次差し込むように編み込む。また、同様にして他の素線6cを高張力金網6の幅方向に継ぎ足して網状にする。
各グラフにおいて縦軸は、試験荷重(単位:N)、横軸は、変形量(mm)を示している。
また、本実施の形態に示す高張力金網6の評価結果を図7(a)の実線に示し、比較対象の従来型ひし形金網の評価結果を図7(b)の実線に示す。また、試験体として、各金網を再現した交点強度供試体を使用した。なお、各試験体で再現した網仕様は、交点角度85°φ4の編網で比較した。また、図8に試験体を示している。各試験体60は上下一対の凸型ピース61,61からなり、この凸型ピース61,61間に素線62を編網して目合いを再現している。また、試験体60は各金網毎に3体準備し、この試験体を試験機にかけて上下に引っ張り荷重をかけることで、その耐荷重を計測する。
すなわち、高張力金網6は耐荷重及び伸びしろが多く、従来型のひし形金網に比べて最大許容荷重で2倍程度高いと言える。
例えば、上記した実施の形態では、支柱10にブラケット12を設けて斜面山側に高張力金網6を設けたが、ブラケット12を用いず、支柱10の先端部分を斜面山側に傾斜させてもよい。すなわち、横ロープ4、5を支柱10から離して支持できれば、ブラケット12に替わる他の構造を採用してもよい。
2 支柱控えロープ
2a ターンバックル
2b,2c 支柱控えロープのアイ加工部分(リング状端部)
3 支柱補強ロープ
4 上部横ロープ
4a ターンバックル
5 下部横ロープ
5a ターンバックル
6 高張力金網(面材)
6a,6b,6c 素線
6d 素線の交点
8 衝突回避用の空間
10 支柱
11 支柱の本体部分(支柱本体)
12 ブラケット(面材支持部)
13 U字ボルト
14 通しボルト
16 結合コイル
17 ヒンジ
17a 支軸
18 鋼管杭
19 コンクリート
50 衝撃緩和装置
51 エネルギー吸収ロープ
52 従来型の汎用鋼製ロープ
53 巻付グリップ
60 試験体
61 凸型ピース
62 素線
100 落石防護柵
101 支柱
102 アンカー
103 上側サポートロープ
103a ブレーキ装置
104 下側サポートロープ
104a ブレーキ装置
105 金網
Claims (9)
- 斜面からの落下物を防御する落下物防護柵の支柱構造であって、
前記落下物防護柵の面材を斜面山側に支持する支柱本体と、この支柱本体から斜面山側に張り出された面材支持部とを有し、
前記支柱本体は、前記面材支持部を介して斜面山側に面材を支持し、且つこの面材と前記支柱本体との間には、支柱本体に対する前記面材の衝突を回避するための空間が形成されていることを特徴とする落下物防護柵の支柱構造。 - 前記面材支持部が、前記支柱本体の上下方向に間隔を空けて設けられ、各面材支持部は、連結部材によって相互に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の落下物防護柵の支柱構造。
- 前記連結部材に対して前記面材が移動可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の落下物防護柵の支柱構造。
- 前記支柱本体の下端には、この支柱本体を斜面谷側に傾斜可能に支持するヒンジが設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の落下物防護柵の支柱構造。
- 斜面からの落下物を防御する落下物防護柵であって、
前記斜面からの落下物を防御する面材と、この面材を斜面山側に支持する支柱本体と、前記支柱本体から斜面山側に張り出された面材支持部とを有し、
前記面材は、前記面材支持部を介して斜面山側に支持され、且つこの面材と前記支柱本体との間には、支柱本体に対する前記面材の衝突を回避するための空間が形成されていることを特徴とする落下物防護柵。 - 前記面材支持部が、前記支柱本体の上下方向に間隔を空けて設けられ、各面材支持部は、連結部材によって相互に連結されていることを特徴とする請求項5に記載の落下物防護柵。
- 前記連結部材に対して前記面材が移動可能に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の落下物防護柵。
- 前記支柱本体の下端には、この支柱本体を斜面谷側に傾斜可能に支持するヒンジが設けられていることを特徴とする請求項5〜7の何れかに記載の落下物防護柵。
- 前記支柱本体が、前記斜面の下縁に沿って設けられていることを特徴とする請求項5〜8の何れかに記載の落下物防護柵。
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