JP2010054391A - 光学顕微鏡、及びカラー画像の表示方法 - Google Patents

光学顕微鏡、及びカラー画像の表示方法 Download PDF

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Abstract

【課題】分光器によってスペクトルを測定可能であるとともに、簡便にカラー画像を表示することができる光学顕微鏡、及びカラー画像の表示方法を提供すること。
【解決手段】本発明の第1の態様にかかる光学顕微鏡100は、レーザ光源10と、光ビームをY方向に走査するY走査装置40と、対物レンズ23と、光ビームをX方向に走査するX走査装置20と、スペクトルを測定するための分光器31と、ラインCCDカメラ50が設けられている。そして、分光器31での測定されたスペクトルを色情報に変換し、光検出器での検出結果によって輝度情報が取り出されている。色情報と輝度情報がカラー画像信号に変換される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光学顕微鏡及びカラー画像の表示方法に関し、特に詳しくは、スペクトルを測定するための分光器を備える光学顕微鏡及びカラー画像の表示方法に関する。
ラマン分光測定は、試料が気体、液体、結晶、無定形固体であることを問わず、温度は高温でも低温でも可能であり、測定において、真空などの特殊な測定雰囲気を必要としないという利点を持つ。さらに、試料の前処理を特に必要とせず、試料をそのままの状態で測定可能であるなどの長所があり、これらの長所を生かした測定が多くなされている。ラマン分光測定を利用することによって、分子を非染色で観測すること、及び半導体中の不純物を観測することができる。
このようなラマン分光測定を行うため、分光器を用いたラマン顕微鏡が開示されている(特許文献1、特許文献2)。このラマン顕微鏡では、試料にレーザ光を集光して照射している。そして、試料からのラマン散乱光を分光器で分光することにより、ラマンスペクトルを測定することができる。さらに、これらのラマン顕微鏡では、試料を移動させて測定することにより、特定の波長におけるラマン散乱光強度の空間分布を測定することができる。また、測定時間を短縮するため、シリンドリカルレンズにより試料をライン状に照明して、CCDカメラにより検出するラマン顕微鏡も開示されている(非特許文献1)。このラマン顕微鏡では、ライン状に照明しているため一度に広い領域を照射することができ、測定時間を短縮することができる。
さらに、レーザ光を偏光させて、走査する光学顕微鏡が開示されている(特許文献3)。この文献では、X方向の走査装置、及びY方向の走査装置を設けている。そして、分光器に設けられたカメラの露光時間よりもY走査装置の走査周期を短くしている(段落0042)。これにより、カメラの1フレームでライン状の領域におけるラマンスペクトルを測定することができる。
また、試料のカラー画像を表示するカラー顕微鏡撮像装置が開示されている(特許文献4)。このカラー顕微鏡撮像装置では、3つの受光素子でRGBの光を検出している。そして、RGBの光の検出結果から色情報を取り出している。さらに、コンフォーカル光学系を介して反射光を検出することで、輝度情報を取得している。そして、色情報と輝度情報に基づいて、カラー画像信号を生成している。
特開2002−14043号公報 特開2003−344776号公報 特開2007−179002号公報 特開平11−84264号公報 CHARLENE A.DRUMM、他1名「Microscopic Raman Line−Imaging With Principal Component Analysis」 APPLIED SPECTROSCOPY、1995年、49巻、第9号、p.1331−1337
ラマン散乱光によるカラー画像を表示させたいという要求がある。しかしながら、特許文献4のカラー顕微鏡撮像装置では、RGBのそれぞれに対して検出器を設けているため、装置構成が複雑になってしまうという問題点がある。すなわち、スペクトルを測定するための分光器に加えて、さらにRGBの検出器を設ける必要が生じてしまう。
このように従来の光学顕微鏡では、スペクトルを測定するための分光器を用いた構成では、カラー画像を表示するための構成が複雑になってしまうという問題点があった。
本発明は上述の問題点に鑑みてなされたものであり、スペクトルを測定するための分光器を用いた構成であっても、簡便にカラー画像を表示することができる光学顕微鏡、及びカラー画像の表示方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる光学顕微鏡は、レーザ光源と、前記レーザ光源を試料に集光して照射する対物レンズと、前記レーザ光源のレーザ波長と異なる波長となって、前記試料から前記対物レンズに出射した出射光のスペクトルを測定する分光器と、前記分光器で測定されたスペクトルを色情報に変換する第1の変換手段と、前記試料の輝度情報を取り出すため、前記試料からの光を検出する光検出器と、前記試料の色情報、及び輝度情報をカラー画像信号に変換する第2の変換手段と、前記カラー画像信号に基づいて、前記試料のカラー画像を表示する表示手段と、を備えるものである。これにより、スペクトルを測定するための分光器によって色情報を取り出すことができる。よって、簡便にカラー表示することができる。
本発明の第2の態様にかかる光学顕微鏡は、上記の光学顕微鏡であって、前記レーザ光源からの光ビームを偏向させて第1の方向に走査する第1の走査手段と、前記第1の走査手段によって走査された光ビームと前記試料との相対位置を移動させて第2の方向に走査する第2の走査手段と、前記第1の走査手段から前記試料までの光路中に配置され、前記試料に入射された光ビームのうち前記試料から前記対物レンズ側に出射する出射光と前記レーザ光源から前記試料に入射する入射光とを分離する光分岐手段と、をさらに備え、前記分光器が、前記光分岐手段により分離された出射光が集光されて入射する入射側に前記第1の方向に対応する方向に沿って配置された入射スリットを有し、前記入射スリットの方向と垂直な方向に出射光を空間的に分散させるものである。これにより、ラマンスペクトルの測定時間を短縮することができる。
本発明の第3の態様にかかる光学顕微鏡は、上記の光学顕微鏡であって、前記光検出器が、前記試料と共役な位置に配置され、前記第1の方向に対応する方向に沿って配列された受光素子を有するものである。これにより、輝度情報を取り出すための光の検出を、容易に行なうことができる。
本発明の第4の態様にかかる光学顕微鏡は、上記の光学顕微鏡であって、前記光分岐手段で分離された出射光が、前記分光器に向かうか、前記光検出器に向かうかを切換える切換手段と、を備えるものである。これにより、簡便にラマンスペクトルの測定と、光検出器による光の検出とを切換えることができる。
本発明の第5の態様にかかるカラー画像の表示方法は、レーザ光源からの光ビームを対物レンズによって試料に集光して照射し、前記レーザ光源のレーザ波長と異なる波長となって、前記試料から前記対物レンズに出射した出射光のスペクトルを分光器で測定し、前記測定されたスペクトルを色情報に変換し、前記試料の輝度情報を取り出すため、前記試料からの光を光検出器で検出し、前記試料の色情報、及び輝度情報をカラー画像信号に変換し、前記カラー画像信号に基づいて、前記試料のカラー画像を表示するものである。これにより、スペクトルを測定するための分光器によって色情報を取り出すことができる。よって、簡便にカラー表示することができる。
本発明の第6の態様にかかるカラー画像の表示方法は、上記のカラー画像の表示方法であって、前記レーザ光源からの光ビームを偏向させて第1の方向に走査し、前記第1の方向に走査された光ビームと前記試料との相対位置を移動させて第2の方向に走査し、記試料に入射された光ビームのうち、前記試料から前記対物レンズ側に出射する出射光が、前記第1の方向にデスキャンされる前に、前記出射光と前記レーザ光源から前記試料に入射する入射光とを分離し、前記分光器が、前記入射光から分離された出射光が集光されて入射する入射側に前記第1の方向に対応する方向に沿って配置された入射スリットを有し、前記入射スリットの方向と垂直な方向に出射光を空間的に分散させるものである。これにより、ラマンスペクトルの測定時間を短縮することができる。
本発明の第7の態様にかかるカラー画像の表示方法は、上記のカラー画像の表示方法であって、前記光検出器が、前記試料と共役な位置に配置され、前記第1の方向に対応する方向に沿って配列された受光素子を有しているものである。これにより、輝度情報を取り出すための光の検出を、容易に行なうことができる。
本発明の第8の態様にかかるカラー画像の表示方法は、上記のカラー画像の表示方法であって、前記出射光が、前記分光器に向かうか、前記光検出器に向かうかを切換える切換手段によって、前記出射光の光路が切り換えられることを特徴とするものである。これにより、ラマンスペクトルの測定と、光検出器による検出とを簡便に切換えることができる。
本発明によれば、スペクトルを測定するための分光器を用いた構成であっても、簡便にカラー画像を表示することができる光学顕微鏡、及び観察方法を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態が説明される。以下の説明は、本発明の実施形態を説明するものであり、本発明が以下の実施形態に限定されるものではない。説明の明確化のため、以下の記載は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、当業者であれば、以下の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能であろう。尚、各図において同一の符号を付されたものは同様の要素を示しており、適宜、説明が省略される。
発明の実施の形態1.
本発明の実施の形態にかかる光学顕微鏡について図1を用いて説明する。図1は本実施の形態にかかる光学顕微鏡100の光学系の構成を模式的に示す図である。光学顕微鏡100は、試料24を観察するための構成として、レーザ光源10と、ビームエキスパンダ11とレーザラインフィルタ12、Y走査装置40、リレーレンズ14、リレーレンズ15、リレーレンズ17、リレーレンズ18、エッジフィルタ19、X走査装置20、リレーレンズ21、チューブレンズ22、対物レンズ23、ハーフミラー25、結像レンズ26、切換えミラー27、分光器31、ラインCCDカメラ50、ステージ60と、を有している。
光学顕微鏡100はラマン顕微鏡であり、レーザ光源10からの光ビームを試料24に入射させ、試料24からのラマン散乱光を分光器31で検出する。ラマン散乱光を分光器31で分光するため、ラマンスペクトルを測定することができる。さらに、光学顕微鏡100では、XY方向(水平方向)及びZ方向(鉛直方向)に走査することができるため、3次元のラマンスペクトルイメージを測定することができる。さらに、光学顕微鏡100は、コンフォーカル光学系を介して反射像を撮像するために、ラインCCDカメラ50が設けられている。すなわち、試料24を反射した反射光は、ラインコンフォーカル光学系を介して検出される。ラマン散乱光のスペクトル測定を行うための光学系と、反射像を撮像するための光学系とを切換えることができる。ラマン散乱光のスペクトル測定を行うための光学系と、反射像を撮像するための光学系とは、一部の光路が共通しており、切換えミラー27によって、切換が行われる。そして、ラマン散乱光による試料の像をカラー表示している。
光学顕微鏡100の全体構成について説明する。まず、ラマンスペクトルを測定するときの照明光学系について説明する。照明光学系では、レーザ光源10は、励起光となるレーザ光を出射する。レーザ光源10は、所定のレーザ波長の光を出射する。レーザ光源10は、例えば、赤色や緑色の単色光を出射する。レーザ光源10には、例えば、スペクトラフィジックス社製Millenniaを用いることができる。このレーザ光源10はレーザ波長532nm、線幅0.24nm、最大出力が10WのNd/YVO4レーザである。レーザ光源10はこのレーザ波長を有するレーザ光を出射する。
レーザ光は、ビームエキスパンダ11で拡大される。すなわち、ビームエキスパンダ11は、レーザ光のスポットが所定の大きさとなるように、ビーム径を拡大する。この後、レーザ光は、レーザラインフィルタ12に入射する。レーザラインフィルタ12は、レーザ波長以外の光を遮光する。これにより、ノイズとなる迷光を低減することができる。そして、レーザ光は、レーザラインフィルタ12を通過して、高速スキャナ13に入射する。
高速スキャナ13は、低速スキャナ16とともに、Y走査装置40を構成する。すなわち、Y走査装置40は、高速スキャナ13と低速スキャナ16とを含んでいる。Y走査装置40は、レーザ光をY方向に偏向して、走査する。Y走査装置40は、入射した光ビームの出射角を変化させて、光ビームを偏向させる。これにより、試料24上で光ビームの入射位置がY方向に沿って変化する。例えば、高速スキャナ13は、共振型ガルバノミラーであり、約8kHzでレーザ光を走査する。具体的には、ガルバノミラーの反射面の角度が変化することで、レーザ光の方向が変わる。低速スキャナ16は、サーボガルバノミラーであり、高速スキャナ13よりも低速で動作する。これにより、レーザ光が走査される。なお、高速スキャナ13、及び低速スキャナ16はレーザ光をY方向に走査する。なお、Y走査装置40の動作については後述する。
高速スキャナ13と低速スキャナ16の間には、リレーレンズ14、15が設けられている。リレーレンズ14、15は、レーザ光を屈折して、像をリレーする。なお、リレーレンズ14とリレーレンズ15との間には、絞りが設けられていてもよい。低速スキャナ16で反射されたレーザ光は、リレーレンズ17、18に入射する。リレーレンズ17,18は、レーザ光を屈折して、像をリレーする。そして、リレーレンズ18からのレーザ光は、エッジフィルタ19に入射する。
エッジフィルタ19は、波長に応じて光を反射又は透過する。すなわち、エッジフィルタ19は、波長に応じた透過率、及び反射率を有している。具体的には、エッジフィルタ19は、レーザ波長の光を反射して、レーザ波長よりも波長の長い光を透過する。これにより、効率よく、ラマン散乱光を測定することができる。すなわち、励起光となるレーザ光のほとんどは、エッジフィルタ19で反射して、試料24の方向に向かう。一方、レーザ光よりも長い波長を有するラマン散乱光のほとんどは、エッジフィルタ19を透過して、分光器31の方向に向かう。ここでは、Semrock社製のエッジフィルタ19を用いている。
エッジフィルタ19で反射されたレーザ光は、X走査装置20に入射する。X走査装置20は、例えばサーボガルバノミラーであり、反射面の角度が変化することによって、光ビームを偏向させる。すなわち、光軸に対するX走査装置20の反射面の傾斜角度が変化するため、光ビームの出射角を変化させることができる。これにより、試料24上で光ビームの入射位置がX方向に沿って変化する。試料24上で、光ビームをX方向に走査することができる。なお、X走査装置20での偏向角は、電気信号によって制御される。また、X方向とY方向とは互いに直交する方向であるため、X走査装置20及びY走査装置40によってXY方向に走査することにより、試料24上において2次元領域を走査することができる。
そして、X走査装置20で反射されたレーザ光は、リレーレンズ21、チューブレンズ22で屈折され、対物レンズ23に入射する。対物レンズ23は、光ビームを集光して、試料24上を入射させる。すなわち、対物レンズ23は、試料24上に光ビームを集光して、試料24照明する。これにより、試料24のスポット状の領域が照明される。対物レンズ23には、例えば、ニコン製アポクロマート NA 1.2 x60を用いることができる。
対物レンズ23は、レーザ光を集光して、試料24に入射させる。このとき、X走査装置20、及びY走査装置40によって、レーザ光がXY方向に走査されている。すなわち、試料24上におけるレーザ光の入射位置が、X走査装置20、及びY走査装置40の動作に応じて変化している。これにより、試料24上において2次元領域を走査することができる。
対物レンズ23から試料24に入射した入射光は、試料24で反射される。また、試料24に入射した入射光の一部はラマン散乱される。試料24に入射した入射光のうち、対物レンズ23側に出射した光を出射光とする。すなわち、試料24から対物レンズ23側に向かう光を出射光と称する。この出射光には、レーザ波長と同じ波長のレイリー散乱光、及びレーザ波長と異なる波長のラマン散乱光が含まれている。さらに、試料24が蛍光物質を含む場合、出射光に蛍光が含まれている。
ラマン散乱された出射光は、入射光と異なる波長となっている。すなわち、ラマンシフトによって出射光は入射光の振動数からずれて散乱される。この出射光のスペクトルがラマンスペクトルとなる。したがって、出射光のスペクトルを測定することにより、試料24中に含まれる物質の化学構造及び物理的状態を特定することができる。すなわち、ラマンスペクトルには、試料24を構成する物質の振動数の情報が含まれるため、出射光を分光器31で分光して検出することにより、試料24中の物質を特定することができる。そして、入射光の焦点位置をXYZ方向にスキャンして試料24の全面又は一部の領域からの出射光のスペクトルを測定することにより、ラマンスペクトルの3次元測定を行うことができる。測定したラマンスペクトルのうち、特定の波長に注目することにより、特定物質の3次元空間分布の測定も可能となる。具体的には、試料24を生体細胞とした場合、核酸や脂質の空間分布あるいはスクロースやポリスチレン球の空間分布を測定することができる。
なお、試料24はステージ60の上に載置されている。ステージ60は、例えば、XYZステージである。このステージ60は可動ステージであり、試料24の任意の位置を照明することができる。また、ステージ60をZ方向に駆動することによって、対物レンズ23と試料24との距離を変化させることができる。従って、対物レンズ23の焦点位置を光軸方向に沿って変化させることができる。光学顕微鏡100は、後述するようにレーザコンフォーカル顕微鏡を構成しているため、焦点位置を変化させることによって、Z方向の走査が可能となる。すなわち、Z方向にステージを移動させることによって、試料24の断層画像を撮像することができる。試料24の任意の高さからのラマン散乱光の検出することができ、3次元のラマンスペクトルイメージの測定が可能になる。
次に、試料24からの出射光を検出するための光学系について説明する。ステージ60上に載置された試料24からの出射光は、入射光と同じ光路上を伝播していく。すなわち、対物レンズ23により屈折され、チューブレンズ22及びリレーレンズ21で屈折されて、X走査装置20に入射する。X走査装置20は、入射した出射光をエッジフィルタ19の方向に反射する。このとき、出射光は、X走査装置20によってデスキャンされる。すなわち、X走査装置20で反射されることによって、出射光は、レーザ光源10からX走査装置20に入射した入射光の進行方向と反対方向に伝播する。また、試料24からのレーリー散乱光もラマン散乱光と同じ光路で伝播していく。
X走査装置20によって、反射された出射光は、エッジフィルタ19に入射する。エッジフィルタ19は、試料24からの出射光と、レーザ光源10から試料24に入射する入射光とを波長に基づいて分岐する。すなわち、エッジフィルタ19は、その反射面が入射光の光軸に対して傾いて設けられている。試料24からの出射光がエッジフィルタ19を透過することによって、試料24からの出射光の光軸が、レーザ光源10から試料24に入射する入射光の光軸と異なるものとなる。よって、試料24からの出射光を、レーザ光源10から試料24に入射する入射光から分離することができる。このように、エッジフィルタ19は、入射光と出射光とを分岐する光分岐手段を構成する。
さらに、エッジフィルタ19は、レーザ波長の光を反射して、ラマン散乱光を透過するような、特性を有している。従って、試料24からのレーリー散乱光は、エッジフィルタ19で反射され、ラマン散乱光は、エッジフィルタ19を透過する。すなわち、エッジフィルタ19を用いることによって、レーリー散乱光とラマン散乱光との波長に差に基づいてレーリー散乱光を除去することができる。さらに、レーザ光源10からのレーザ光のほとんどはエッジフィルタ19で反射され、試料24に向かう。これにより、レーザ光のロスを低減することができ、効率よくラマン散乱光のみを検出することができる。なお、エッジフィルタ19の反射特性は、測定するスペクトルの範囲に応じて決定すればよい。ここで、エッジフィルタ19は、Y走査装置40から試料24までの間に配置されている。従って、エッジフィルタ19は、Y走査装置40によってデスキャンされる前の出射光と、レーザ光源10からの光ビームとを分離する。
エッジフィルタ19を透過した出射光は、結像レンズ26に入射する。結像レンズ26は、試料24の像を入射スリット30またはラインCCDカメラ50上に結像する。さらに、結像レンズ26で屈折された出射光は、切換えミラー27で反射して、分光器31の入射側に設けられた入射スリット30に入射する。このとき、結像レンズ26は入射スリット30上に出射光を集光している。すなわち、結像レンズ26は、入射スリット30上に試料24照明された領域の拡大像を結像している。入射スリット30には、ライン状の開口部が設けられている。この開口部は、Y方向に対応する方向に沿って設けられている。すなわち、入射スリット30の開口部は試料24上におけるY走査装置40の走査方向(Y方向)に対応する方向に沿って設けられている。
結像レンズ26は出射光を屈折させて、入射スリット30上に結像する。ここで、試料24面上において入射光はスポット状に結像されているため、入射スリット30上において出射光はスポット状に集光される。入射スリット30の開口部の方向とY走査装置20の走査方向とを一致させる。出射光は、Y走査装置20によってデスキャンされずに、エッジフィルタ19に入射している。このため、Y走査装置20で走査すると、入射スリット30上で光ビームのスポット位置が入射スリット30のライン状の開口部の方向に移動する。試料24上でY方向に走査された光が入射スリット30の開口部に結像するように配置する。換言すると入射スリット30と試料24とは互いに共役な関係となるよう配置される。
したがって、ラマン顕微鏡はコンフォーカル光学系として構成される。例えば、絞り(不図示)と試料24面上とが互いに共役な関係となるように配置され、試料24面上と入射スリット30とが互いに共役な関係となるように配置されている。絞りが設けられたXY平面及び試料24面上において、入射光がスポット状に集光される。そして、試料24から散乱して出射した出射光は入射スリット30上でスポット状に集光される。入射スリット30はY方向に沿った開口部を有しており、この開口部に入射した出射光のみを分光器31の2次元検出器に透過させる。レーザ光源10から試料24までの照明光学系及び試料24からアレイ光検出器36まで観察光学系をこのような結像光学系とすることにより、共焦点ラマン顕微鏡とすることができる。これにより、Z方向の分解能の高い測定を行うことができる。そして、ステージ60をZ方向に移動することにより、試料24の任意の高さからのラマン散乱光を他の高さからのラマン散乱光から分離して検出することができる。
この入射スリット30を通過した出射光は、分光器31の本体に入射する。この分光器31について、図2を用いて説明する。図2は、分光器31の構成に示す図である。ここでは、ツェルニターナ型の分光器31を示している。分光器31には、入射スリット30、ミラー32、凹面鏡33、グレーティング34、凹面鏡35、及びアレイ光検出器36が設けられている。
入射スリット30は、分光器31の入射側に配置されている。また、入射スリットは、Y方向に沿って配置されている。入射スリット30を通過して出射光は、ミラー32、凹面鏡33で反射され、グレーティング34に入射する。グレーティング34は、入射スリット30から入射した光をその波長に応じて空間的に分散させる。ここでは、グレーティング34として、反射型回折格子を用いている。そして、グレーティング34は、入射スリット30の方向と垂直な方向に、出射光を分散させる。そして、グレーティング34で分散した光は、凹面鏡35で反射されて、アレイ光検出器36に入射する。
もちろん、上記以外の構成を有する分光器31を用いてもよい。出射光は分光器31によって入射スリット30の方向と垂直な方向に分散される。すなわち、分光器31は、入射スリット30のライン状の開口部と垂直な方向に出射光を波長分散する。分光器31により分光された出射光はアレイ光検出器36に入射する。アレイ光検出器36は受光素子がマトリクス状に配列されたエリアセンサである。具体的には、アレイ光検出器36は画素がアレイ状に配置されたCCDカメラなどの2次元アレイ光検出器である。
アレイ光検出器36には、例えば、冷却CCDを用いることができる。具体的には、アレイ光検出器36として、プリンストン・インスツルメンツ社製1024×256画素の電子冷却CCD(−25℃)を用いることができる。また、アレイ光検出器36にイメージインテンシファイアを取り付けることも可能である。アレイ光検出器36の画素は、入射スリット30に対応する方向に沿って配置されている。したがって、アレイ光検出器36の画素の一方の配列方向は入射スリット30の方向と一致し、他方の配列方向は、分光器31の分散方向と一致する。アレイ光検出器36の入射スリット30の方向に対応する方向がY方向となり、入射スリット30と垂直な方向、すなわち、分光器31によって出射光が分散される方向がX方向となる。
アレイ光検出器36は各画素で受光した出射光の光強度に応じた検出信号を処理装置71に出力する。処理装置71は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)などの情報処理装置であり、アレイ光検出器36からの検出信号をメモリなどに記憶していく。そして、検出結果に所定の処理を行い、モニターに表示する。処理装置71は、ラマン散乱光による試料24の画像をカラー表示する。さらに、処理装置71は、Y走査装置40及びX走査装置20の走査や、ステージ60の駆動を制御している。ここで、アレイ光検出器36のX方向は出射光の波長(振動数)に対応している。すなわち、X方向に配列されている画素列において、一端の画素は長波長(低振動数)の出射光を検出し、他端の画素は短波長(高振動数)の出射光を検出する。このように、アレイ光検出器36のX方向における光強度の分布はラマンスペクトルの分布を示すことになる。
Y走査装置40による走査と、アレイ光検出器36の受光画素との関係について図3を用いて詳細に説明する。図3(a)は、入射スリット30の入射面における光ビームのスポット形状を模式的に示す図である。図3(b)は、アレイ光検出器36における受光面を模式的に示す図である。図3(a)に示すように、入射スリット30には、Y方向に沿って開口部30aが設けられている。開口部30aは、Y方向におけるアレイ光検出器36の受光面に対応した長さを有している。
出射光は結像レンズ26によって入射スリット30に結像されているため、開口部30aには光ビームのスポット38が形成されている。ここで、Y走査装置40を駆動して、光ビームを走査すると、入射スリット30の入射面において、光ビームのスポット38が入射スリット30の開口部30aに沿って移動する。すなわち、入射スリット30に入射面における光ビームの入射位置がスポット38a、スポット38b、・・・、スポット38nと順次移動していく。
図3(b)には、アレイ光検出器36の受光面に設けられた受光画素37が示されている。この受光画素37には、それぞれフォトダイオードなどの受光素子が形成されている。さらに、アレイ光検出器36がCCDカメラの場合、各画素には、電荷結合素子(CCD)が形成されている。受光画素37は、マトリクス状、すなわち、縦方向及び横方向に配列されている。例えば、横方向に1024画素、縦方向に256画素が設けられている。図3(b)に示すように、マトリクス状に配列された画素のうち最上列の受光画素37を受光画素37aとする。さらに、受光画素37aの隣、すなわち、上から2列目の受光画素37を受光画素37bとし、最下列の受光画素37を受光画素37nとする。
ここで、図3(b)における縦方向(Y方向)が、入射スリット30の開口部30aに対応する方向となる。従って、光ビームがスポット38aに入射しているとき、出射光は、最上列の受光画素37aに入射する。このとき、出射光は、分光器31で分光されているので、最上列の受光画素37aの横方向は、出射光の波長(λ)に対応する。すなわち、分光器31は、入射スリット30を通過した出射光を、入射スリット30の開口部30aと垂直な方向に分散させている。従って、最上列の受光画素37aの一端には、長波長の出射光が入射し、他端には、短波長の出射光が入射する。すなわち、最上列の各受光画素37aには、異なる波長の出射光が入射する。このように、2次元アレイ状に画素が配列されたアレイ光検出器36のY方向と直交する方向に、ラマン散乱光の分光情報を展開することができる。
Y走査装置40によって、入射光をY方向に走査し、入射スリット30の開口部30aを通過した光がアレイ光検出器36の上から2列目の受光画素37bに入射するようにする。このとき、入射スリット30における光ビームの入射位置は35bとなる。また、試料上における照明位置がY方向に走査される。さらに、入射スリット30を透過した出射光は、分光器31によって分光されているため、2列目の受光画素37bの横方向は、出射光の波長(λ)に対応する。このように、アレイ状に配列された受光画素の縦方向は、Y走査装置40の走査方向に対応し、横方向はラマン散乱光の波長に対応している。
ここで、アレイ光検出器36が1フレーム撮像する間に、光ビームをY方向に1回以上走査する。すなわち、Y走査装置40の走査周期を露光時間よりも短くして、アレイ光検出器36の1フレームの露光時間内で、Y方向に1回以上走査する。これにより、アレイ光検出器36の1フレームで、走査範囲に応じたライン状の領域のラマンスペクトルを測定することができる。すなわち、露光時間内に、Y走査装置40の走査領域の全体を走査させる。これにより、露光時間内に入射スリット30上で、光ビームの入射位置がスポット38aからスポット38nまで移動する。従って、試料24上において、開口部30aに対応する領域全体に対してラマン散乱光のスペクトル測定を行うことができる。すなわち、1フレームで、入射スリット30の開口部30aに対応する長さのライン状の領域を撮像することができる。試料24上の複数の点からのラマンスペクトルを1回の露光で測定することができる。従って、アレイ光検出器36のCCDにおける電荷の転送回数及びCCDからのデータの転送回数を減少し、測定時間を短縮することができる。よって、1フレームのデータ転送で複数の点のラマンスペクトルを測定することができる。各点毎にデータ転送等を行なう必要がなくなり、測定時間を短縮することができる。この場合、アレイ光検出器36の受光画素37がa〜n列まであるため、試料24のn個の点でのラマンスペクトルを1回の露光で測定することができる。よって、測定時間を短縮することができる。よって、例えば、3次元の広い領域に対してラマンスペクトルを測定する場合でも、測定時間が長時間となるのを防ぐことができ、実用性を向上することができる。
このように、2次元アレイ状に受光画素が配列されたアレイ光検出器36のY方向と直交する方向に、ラマン散乱光の分光情報を展開する。そして、試料24における直線状の領域の分光情報を1度に取得する。従って、高速にラマンスペクトルを測定することができる。また、スポット光で照明しているため、均一に照明することができ、正確に測定を行うことができる。すなわち、スポット光で試料24を照明しているため、スペックルノイズを防ぐことができる。さらに、スポット光を走査しているため、試料24上の位置に応じた照明光輝度の変動を低減することができる。よって、正確な測定を短時間で行うことができる。
このようにして、ライン状の領域のラマンスペクトルの測定を行うことができる。そして、上記の1フレームの撮像が終了したら、X走査装置20によってX方向に1照明領域分照明位置をずらす。そして、同様1フレームの撮像を行い、ライン状の領域のラマンスペクトルを測定する。これを繰り返し行なうことによって、試料24上の2次元の領域のラマンスペクトルを測定することができる。このとき、対物レンズの照明領域毎にラマンスペクトルを測定することができるため、2次元ラマンスペクトルイメージを測定することができる。すなわち、X走査装置20によってX方向に走査しているため、試料の各点におけるラマン分光測定が可能になる。すなわち、試料24上の2次元領域におけるラマンスペクトルを測定することができる。さらに、ステージ60をXY方向に移動することにより、より広い領域のラマンスペクトルを測定することができる。また、ステージ60をZ方向に駆動して、焦点位置を光軸に沿って移動させることによって、3次元測定が可能になる。すなわち、2次元領域のスペクトル測定が終了したら、焦点位置をZ方向にずらして、同様に2次元領域のラマンスペクトル測定を行う。これにより、ラマンスペクトルの3次元測定が可能になる。このように、Y方向に走査することで、アレイ光検出器36の露光時間内では、光がライン状となる。すなわち、アレイ光検出器36の露光時間を考慮すると、試料24がライン状に照明されていることになる。そして、ラインコンフォーカル(スリットコンフォーカル)光学系を介して、ラマン散乱光を検出する。
なお、露光時間における走査は整数回行うことが好ましい。すなわち、走査周期を露光時間の整数倍とすることが好ましい。ここで、1回の走査は、走査範囲の一端から他端までとする。例えば、露光時間内に、Y方向の走査をn回(nは自然数)往復させ、露光の開始時と終了時において、試料24上で照明光が入射する位置を同じにする。あるいは、アレイ光検出器36の露光とY走査装置40の走査とを同期させ、露光の開始と同時に走査範囲の一端から走査を開始して、走査範囲の他端又は一端となったら露光を終了するようにする。これにより、露光時間内において、ライン状の領域に照射される照明光の光量が均一になる。従って、アレイ光検出器36の縦方向の画素列のそれぞれに対応する照明領域における照明量が均一になり、より正確にラマンスペクトルを測定することができる。具体的には、1回の露光時間で100回以上走査を行う。さらに、1回の露光時間での走査回数を多くすることによって、光源の光強度の揺らぎによる影響を低減し、より均一に照明することができる。
次に、反射光による反射像を撮像するための光学系について、図1を用いて説明する。反射像を撮像する場合、エッジフィルタ19を光路上から取り除く。そして、エッジフィルタ19が挿入されていた位置に、ハーフミラー25を挿入する。すなわち、エッジフィルタ19、及びハーフミラー25を挿脱可能に設けて、いずれか一方のみを光路中に挿入するようにする。エッジフィルタ19、及びハーフミラー25は排他的に使用される。レーザ波長と同じ波長の反射光を検出する場合、ハーフミラー25が使用され、ラマン散乱光を検出する場合、エッジフィルタ19が使用される。さらに、レーザ波長と同じ波長の反射光を検出する場合、切換えミラー27が光路上から取り除かれる。なお、これら以外の構成については、ラマン散乱光を検出する場合と同じであるため、説明を省略する。
リレーレンズ18からのレーザ光は、ハーフミラー25に入射する。ハーフミラー25は、入射した光の一部を反射し、一部を透過する。ここでは、ハーフミラー25に入射したレーザ光の半分がX走査装置20の方向に反射される。そして、ラマン散乱光を検出する場合と同様に、レーザ光が試料24に入射する。そして、試料24からの出射光が同様に、X走査装置20でデスキャンされて、ハーフミラー25に入射する。ハーフミラー25は、出射光の半分を結像レンズ26の方向に透過する。なお、ハーフミラー25は、波長によらず、透過率及び反射率が一定である。このため、ラマン散乱光の一部もハーフミラー25を透過するが、ラマン散乱光は、反射光(レイリー散乱光)に比べて十分に弱いため、反射像の撮像には、問題ない。
そして、ハーフミラー25を透過した出射光は、結像レンズ26で屈折される。ラインCCDカメラ50の方向に向かう。このとき、切換えミラー27が光路上から離脱している。このため、出射光が、分光器31の方向に反射されずに、ラインCCDカメラ50の方向に向かう。結像レンズ26が出射光をラインCCDカメラ50の受光面に結像している。ラインCCDカメラ50は、Y方向に対応する方向に沿って配列された受光画素を有している。
さらに、Y走査装置40は、1フレーム撮像する間に、光ビームをY方向に1回以上走査する。すなわち、Y走査装置40の走査周期を露光時間よりも短くして、ラインCCDカメラ50の1フレームの露光時間内で、Y方向に1回以上走査する。これにより、ラインCCDカメラ50の1フレームで、走査範囲に応じたライン状の領域のラマンスペクトルを測定することができる。すなわち、露光時間内に、Y走査装置40の走査領域の全体を走査する。したがって、反射光はラインコンフォーカル(スリットコンフォーカル)光学系を介して検出される。上記の1フレームの撮像が終了したら、X走査装置20によってX方向に1照明領域分、照明位置をずらす。そして、同様に1フレームの撮像を行い、ライン状の領域の反射光を検出する。これを繰り返し行なうことによって、試料24上の2次元領域の反射像を撮像することができる。なお、ラインCCDカメラ50での検出信号は、処理装置71に出力される。そして、処理装置71で処理が行われて、反射像となる。
ラインCCDカメラ50は、アレイ光検出器36よりも露光時間が短くなっている。よって、高速に反射像を撮像することができる。すなわち、撮像時間を短縮することができる。さらに、分光器31を介さずに、出射光がラインCCDカメラ50に入射する。よって、画像がぼけることがなくなり、高分解能での撮像が可能になる。よって、ラマンスペクトルを測定可能な光学顕微鏡100でも、高速、かつ高分解能で、反射像を撮像することができる。また、Y方向に高速に走査することで、ラインCCDカメラ50の露光時間内では、光がライン状となる。すなわち、ラインCCDカメラ50の露光時間を考慮すると、試料24がライン状に照明されていることになる。
本実施の形態では、出射光の光路を切換える切換え手段として、切換えミラー27が設けられている。切換えミラー27は、出射光の光路中に挿脱可能に設けられている。切換えミラー27が光路中に挿入されることで、出射光が反射されて、分光器31の方向に向かう。一方、切換えミラー27が光路中から取り除かれると、出射光が切換えミラー27の挿入位置を直進して、ラインCCDカメラ50の方向に向かう。このように、切換えミラー27を挿脱することで、ラマンスペクトル測定か、反射像の撮像かを切換えることができる。もちろん、切換えミラー27を挿入時に、反射像を撮像してもよい。この場合、スペクトル測定時には、切換えミラー27が光路から取り除かれる。切換えミラー27を動作させることで、分光器31による測定か、ラインCCDカメラ50による測定かを選択することができる。入射光から分離された出射光が分光器31に向かう光路51又はラインCCDカメラ50に向かう光路52を伝播するように、切換えミラー27が光路を切換える。なお、光路を切換える切換え手段は、切換えミラー27に限られるものではない。例えば、光を屈折するプリズムなどであってもよい。また、切換えミラー27の代わりにハーフミラーなどを用いて、反射光の検出と、ラマン散乱光の検出を同時に行ってもよい。
次に、Y走査装置40について説明する。本実施の形態では、Y方向に走査するY走査装置40として、高速スキャナ13、及び低速スキャナ16の2つが設けられている。そして、用途に応じて、一方のスキャナーを駆動する。例えば、分光器31でスペクトル測定を行う場合、高速スキャナ13を用いる。高速スキャナ13は、例えば、共振型ガルバノミラーであり、例えば、8kHzの周波数で動作する。
低速スキャナ16は、サーボ型ガルバノミラーであり、高速スキャナ13よりも低い周波数で動作する。高速スキャナ13は低速スキャナ16よりも高速にレーザ光を走査する。なお、いずれか一方のスキャナで十分な場合は、一方のスキャナのみでY走査装置40を構成してもよい。
例えば、ラマン散乱光を検出するラマンモードの場合、高速スキャナ13を固定して、低速スキャナ16を動作させる。すなわち、アレイ光検出器36の露光時間がラインCCDカメラ50の露光時間よりも長いため、低速スキャナ16による低速スキャンで十分となる。このとき、アレイ光検出器36と低速スキャナ16を同期させる。ラマンモードの場合、X走査装置20も動作させる。このとき、光路上からは、ハーフミラー25が取り除かれ、光路中にはエッジフィルタ19が挿入されている。また、切換えミラー27も光路中に挿入されている。これにより、分光器31で分光測定が可能になる。なお、ラマンモードでは、高速スキャナ13を動作させて、低速スキャナ16を固定してもよい。
一方、ラインCCDカメラ50の露光時間は、アレイ光検出器36の露光時間よりも短い。よって、レーザ光と同じ波長の反射光を検出する反射モードでは、高速スキャナ13を動作させて、低速スキャナ16を固定する。これにより、ラインCCDカメラ50の露光時間で、Y方向に、レーザ光が1回以上走査される。反射モードの場合、X走査装置20も動作させる。このとき、光路上からは、エッジフィルタ19が取り除かれ、光路中にはハーフミラー25が挿入されている。また、切換えミラー27が光路上から取り除かれている。これにより、ラインCCDカメラ50で反射光検出が可能になる。ラインCCDカメラ50は、アレイ光検出器36よりも露光時間が短いため、高速スキャナ13で走査することが好ましい。
また、試料24の特定位置を観察する場合、低速スキャナ16でレーザ光をその特定位置に照射する。そして、レーザ光の走査を停止して、照射位置をその位置で固定する。このとき、高速スキャナ13の動作は停止している。これにより、特定の位置での像の変化を観察することができる。このように、位置決め精度が必要な場合、低速スキャナ16のみを用いてレーザ光の照射位置を移動させる。すなわち、特定の位置を照明するため、低速スキャナ16で位置決めする。これにより、レーザ光の照射位置が特定の位置で固定される。一方、高速スキャナ13は、反射光の検出時に用いる。もちろん、1つのスキャナで十分な場合は、1つのスキャナのみでY方向に走査してもよい。このように、Y方向に走査する走査手段として、低速スキャナ16と高速スキャナ13を設ける。そして、2つのスキャナを用途に応じて使い分ける。
さらに、この構成では、蛍光を検出することができる。蛍光を検出する蛍光モードの場合、高速スキャナ13を動作させて、低速スキャナ16を固定する。蛍光モードの場合、X走査装置20も動作させる。このとき、光路上からは、ハーフミラー25が取り除かれ、光路中にはエッジフィルタ19が挿入されている。これにより、蛍光から励起光を分岐することができる。すなわち、レーザ波長と異なる波長の蛍光がエッジフィルタ19を通過し、レーザ光がエッジフィルタ19で反射される。また、切換えミラー27が光路上から取り除かれている。これにより、ラインCCDカメラ50で蛍光像を取得することができる。このように、蛍光モード、反射モード、ラマンモードの切り替えを簡便に行うことができる。さらに、エッジフィルタ19とハーフミラー25を排他的に使用することで、別途、帯域フィルタ等を設ける必要がなくなる。よって、装置構成を簡便にすることができる。
本実施の形態では、入射光を高速に走査して、試料24のXY平面における任意のポイントのラマンスペクトルを測定している。このため、スペクトルの測定時間を短縮化することができる。すなわち、試料24の広い領域におけるラマンスペクトルの測定を短時間で行うことができる。よって、試料24の観察領域を広くした場合でも、長い測定時間が必要とならない。これにより、ラマンスペクトルの波長分解能を向上した場合や、より広い範囲のスペクトルを測定した場合でも、測定時間が長時間とならず、実用的な観察を行なうことができる。例えば、任意の波長(振動数)のラマン散乱光に着目した2次元像の観察や試料24の特定の点におけるラマンスペクトルの測定を高い分解能で行なうことができる。
さらに、本実施の形態では、ラマン散乱光を集光するスリットコンフォーカル光学系として構成している。これにより、Z方向の分解能を向上することができるため、ラマンスペクトルの3次元測定が可能になる。すなわち、対物レンズ23と試料24との距離を変化させ、試料24上の焦点位置をZ方向に走査することができる。これにより、XYZ方向の走査が可能となり、ラマンスペクトルを3次元空間分布の測定をすることができる。換言すると、立体的な試料24の任意にポイントにおいて、ラマンスペクトルを測定することができる。このような、ラマンスペクトルの3次元空間分布を測定した場合でも、ライン状の領域を一度に測定することにより、測定時間を短縮することができる。よって、実用的な時間で測定を行うことができる。このように、上記の構成では、XYZ−λの4次元の測定を行うことができる。4次元測定を行うことにより、様々なスペクトル解析を行なうことができる。そして、解析結果を処理装置のディスプレイに表示させることにより、より高度な分析が可能になる。
さらに、反射光や蛍光を検出するための光学系をスリットコンフォーカル光学系としている。よって、ステージ60をZ方向に移動させることで、任意の高さにおける反射像や蛍光像を取得することができる。これにより、断層画像を高速かつ高分解能で取得することができる。よって、3次元観察を容易に行うことができる。
なお、上記の説明では、アレイ光検出器36、及びラインCCDカメラ50をCCDカメラとして説明したが、これらはCCDカメラに限られるものではない。すなわち、受光画素がマトリクス状に配列されている2次元光検出器を分光測定用に用いることができる。また、受光画素が1列に配列された1次元光検出器を反射光検出用に用いることができる。さらに、一定の露光時間だけ検出信号を積分して、出力する積分型の光検出器とする。
さらに、ラマン散乱光とレーザ光を分岐するビームスプリッタは、エッジフィルタ19に限られるものではない。例えば、波長に応じて光を分岐するダイクロイックミラーをビームスプリッタとして用いてもよい。また、X走査装置20はビームを偏向させるものに限られるものではなく、ステージ60を駆動するものでもよい。なお、Y走査装置40の代わりにシリンドリカルレンズなどを用いてスリットコンフォーカル光学系を構成してもよい。すなわち、光をライン状にする光変換手段をY走査装置40の代わりに用いる。そして、ライン状の光のスポットを試料24上に形成すれば、スリットコンフォーカル光学系を構成することができる。さらに、光分岐手段として、ハーフミラー25とエッジフィルタ19を排他的に用いることが好ましい。
次に、本実施の形態にかかる光学顕微鏡100における処理について説明する。図4は、処理装置71の構成を示すブロック図である。処理装置71には、第1変換回路72と、第2変換回路73と、表示部74と、を備えている。処理装置71が所定の処理を行うことによって、ラマン散乱光による試料の二次元カラー画像を表示することができる。処理装置71は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信用のインターフェースなどを有する演算処理装置であり、スペクトルや試料の像を表示するための処理を行う。また、処理装置71は、着脱可能なHDD、光ディスク、光磁気ディスク等を有し、各種プログラムや制御パラメータなどを記憶し、そのプログラムやデータを必要に応じてメモリ(不図示)等に供給する。また、処理装置71には、スペクトルデータや画像データを作成、表示するためのプログラムが格納されている。
第1変換回路72には、アレイ光検出器36で検出された検出信号が入力されている。ここでは、アレイ光検出器36からは、ラマンスペクトルに対応する検出信号が増幅されて、入力されている。第1変換回路72は、ラマンスペクトルに含まれる3原色信号を抽出する。すなわち、第1変換回路72は、アレイ光検出器36からの3原色信号が入力されている。3原色信号には、赤色の色信号(R信号)と、緑色の色信号(G信号)と、青色の色信号(B信号)が含まれている。たとえば、ラマンスペクトルのうち、赤色の波長に対応する検出信号をR信号とする。同様に、ラマンスペクトルのうち、緑色の波長に対応する検出信号をG信号とし、青色の波長に対応する検出信号をB信号とする。
具体的には、赤色の帯域における受光画素列のデータがR信号となる。すなわち、アレイ光検出器36の受光面に展開されたデータのうち、Y方向に沿った1列、または複数列のデータを抽出して、R信号とする。すなわち、Y方向に沿った列の各受光画素でのデータがR信号となる。同様に、緑色の帯域における受光画素列のデータがG信号となる。同様に、青色の帯域における受光画素列のデータがB信号となる。このように、スペクトルデータの一部を抽出して、R信号、G信号、B信号とする。これにより、簡便に色信号を生成することができる。
第1変換回路72は、RGBの色信号から色情報を生成する。第1変換回路72は、CIELAB(L,a,b)表色系における色情報a,bを所定の式にしたがって、算出する。ここで、a,bを色度信号とする。カラー表示する際、この色度信号a,bに基づいて、表示色が決定する。このように、第1変換回路72は、3原色信号を色情報、すなわち、色度信号a,bに変換する。色度信号a,bは、色相と彩度に関係するものである。このとき、明度信号Lが生成されるが、この信号は使用されない。
また、処理装置71には、ラインCCDカメラ50で検出された検出信号が入力されている。ラインCCDカメラ50からの検出信号は、増幅器54を介して、第2変換回路73に入力される。第2変換回路73は、この検出信号に基づいて、輝度情報Lを生成する。すなわち、ラインCCDカメラ50からの検出信号が輝度情報Lに対応する。輝度情報Lは、CIELAB(L,a,b)におけるメトリック明度と呼ばれているものである。輝度情報に対応する検出信号は、コンフォーカル光学系を介して、取得されている。すなわち、輝度情報は、コンフォーカル光学系を介して検出された検出信号に基づいて算出されている。高解像度での輝度情報を取得することができる。
第2変換回路73は、輝度情報L、及び色情報a,bを表示用のカラー画像信号に変換する。すなわち、第2変換回路73は、輝度情報L、及び色情報a,bに基づいて、R,G,Bのカラー画像信号を算出する。第2変換回路73は、CIELAB(L,a,b)表色系の信号を、所定の式にしたがって、表示用のカラー画像信号に変換する。ここで、輝度情報L、及び色情報a,bとは、同期している。従って、試料24上の同じ位置からの輝度情報L、及び色情報a,bに基づいて、その位置のカラー画像信号が生成される。カラー画像信号には、R、G、Bのデータが含まれている。各画素に対するR、G、Bの表示データが算出される。
そして、カラー画像信号が表示部74に出力される。表示部74はカラー液晶ディスプレイなどの表示装置とそのコントローラ等を備えている。そして、処理装置71は、各位置における色情報と輝度情報を対応付けて、メモリ等に記憶している。従って、試料24の任意の位置におけるカラー表示用のデータが表示部74に出力される。そして、表示部74は、R、G、Bの表示用データに基づいて、試料24の像をカラーで表示する。すなわち、試料24の各位置におけるカラー画像信号に基づいて、2次元のカラー画像を表示する。これにより、ラマン散乱光による試料24のカラー画像を表示することができる。
このように、コンフォーカル光学系を介して、輝度情報、及び色情報を取り出しているため、高解像度でのカラー画像表示が可能となる。さらに、ラマンスペクトルを測定するための分光器31によって、色情報が取り出されている。よって、色情報を取り出すための検出器を別途設ける必要がなくなる。よって、装置構成を簡素化することができる。これにより、簡便に試料24の像をカラー表示することができる。また、反射光によって、輝度情報が取り出される。これにより、試料24によらず、輝度情報を安定して取り出すことができる。すなわち、反射光は、通常、ラマン散乱光よりも輝度が高くなる。よって、安定して反射光を取り出すことができる。さらに、反射光は、コンフォーカル光学系を介して検出されているため、高解像度で輝度情報を取り出すことができる。もちろん、反射光以外の出射光によって、輝度情報を取り出してもよい。この場合、ラマン散乱光よりも輝度が高い光によって、輝度情報を取り出すことが好ましい。これにより、安定して、輝度情報を取り出すことができる。また、輝度情報を取り出すための光学系は、コンフォーカル光学系でなくてもよい。
また、スペクトルを測定する分光器31からの検出信号に基づいて、色情報が算出されている。従って、R信号、G信号、B信号を求めるための画素列を変えることで、簡便に色を調整することができる。色を調整するため、例えば、R信号、G信号、B信号を求めるための違う画素列にしたり、画素列の数を増減させたりすることができる。すなわち、R信号、G信号、B信号を抽出するための、帯域を変えることができる。すなわち、R信号、G信号、B信号を取り出すための画素列の位置をメモリ等に記憶させておけばよい。なお、上記の説明では、ラマン散乱光による試料の像をカラー表示させる場合について説明したが、これ以外の光により試料の像をカラー表示してもよい。すなわち、入射レーザ光と異なる波長となって出射される出射光により試料の像をカラー表示する光学顕微鏡に適用することができる。また、同じレーザ光源を用いて、色情報、及び輝度情報を取り出している。すなわち、反射光を検出するための照明光と、ラマンスペクトルを測定するための励起光とが同じレーザ光となっている。これにより、装置構成を簡便にすることができる。
なお、色情報、及び輝度情報を取り出して、カラー画像を表示するための処理は、アナログ処理及びデジタル処理のいずれを用いてもよい。デジタル処理の場合、予め記憶されたコンピュータプログラムにしたがって、処理装置71が演算を行う。これにより、色情報、及び輝度情報が取り出される。そして、この色情報、及び輝度情報に基づいて、カラー画像を表示する。もちろん、アナログ処理の場合は、所定の処理を行うアナログ回路を用いて、色情報、及び輝度情報を取り出す。さらには、アナログ処理とデジタル処理を組み合わせても、処理を行ってもよい。
本発明の実施の形態にかかる光学顕微鏡の構成を示す図である。 光学顕微鏡に用いられる分光器の構成を模式的に示す斜視図である。 入射スリットの入射面における光ビームのスポット形状、並びに、アレイ光検出器の受光面を模式的に示す図である。 本発明の実施の形態にかかる光学顕微鏡における処理装置の構成を示すブロック図である。
符号の説明
10 レーザ光源
11 ビームエキスパンダ
12 レーザラインフィルタ
13 高速スキャナ
14 リレーレンズ
15 リレーレンズ
16 低速スキャナ
17 リレーレンズ
18 リレーレンズ
19 エッジフィルタ
20 X走査装置
21 リレーレンズ
22 チューブレンズ
23 対物レンズ
24 試料
25 ハーフミラー
26 結像レンズ
27 切換えミラー
30 入射スリット
31 分光器
32 ミラー
33 凹面鏡
34 グレーティング
35 凹面鏡
36 2次元CCDカメラ
37 受光画素
40 Y走査装置
50 ラインCCDカメラ
51 増幅器
60 ステージ
71 処理装置
72 第1変換回路
73 第2変換回路
74 表示部

Claims (8)

  1. レーザ光源と、
    前記レーザ光源を試料に集光して照射する対物レンズと、
    前記レーザ光源のレーザ波長と異なる波長となって、前記試料から前記対物レンズに出射した出射光のスペクトルを測定する分光器と、
    前記分光器で測定されたスペクトルを色情報に変換する第1の変換手段と、
    前記試料の輝度情報を取り出すため、前記試料からの光を検出する光検出器と、
    前記試料の色情報、及び輝度情報をカラー画像信号に変換する第2の変換手段と、
    前記カラー画像信号に基づいて、前記試料のカラー画像を表示する表示手段と、を備える光学顕微鏡。
  2. 前記レーザ光源からの光ビームを偏向させて第1の方向に走査する第1の走査手段と、
    前記第1の走査手段によって走査された光ビームと前記試料との相対位置を移動させて第2の方向に走査する第2の走査手段と、
    前記第1の走査手段から前記試料までの光路中に配置され、前記試料に入射された光ビームのうち前記試料から前記対物レンズ側に出射する出射光と前記レーザ光源から前記試料に入射する入射光とを分離する光分岐手段と、をさらに備え、
    前記分光器が、前記光分岐手段により分離された出射光が集光されて入射する入射側に前記第1の方向に対応する方向に沿って配置された入射スリットを有し、前記入射スリットの方向と垂直な方向に出射光を空間的に分散させる請求項1に記載の光学顕微鏡。
  3. 前記光検出器が、前記試料と共役な位置に配置され、前記第1の方向に対応する方向に沿って配列された受光素子を有する請求項1、又は2に記載の光学顕微鏡。
  4. 前記光分岐手段で分離された出射光が、前記分光器に向かうか、前記光検出器に向かうかを切換える切換手段と、を備える請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学顕微鏡。
  5. レーザ光源からの光ビームを対物レンズによって試料に集光して照射し、
    前記レーザ光源のレーザ波長と異なる波長となって、前記試料から前記対物レンズに出射した出射光のスペクトルを分光器で測定し、
    前記測定されたスペクトルを色情報に変換し、
    前記試料の輝度情報を取り出すため、前記試料からの光を光検出器で検出し、
    前記試料の色情報、及び輝度情報をカラー画像信号に変換し、
    前記カラー画像信号に基づいて、前記試料のカラー画像を表示するカラー画像の表示方法。
  6. 前記レーザ光源からの光ビームを偏向させて第1の方向に走査し、
    前記第1の方向に走査された光ビームと前記試料との相対位置を移動させて第2の方向に走査し、
    前記試料に入射された光ビームのうち、前記試料から前記対物レンズ側に出射する出射光が、前記第1の方向にデスキャンされる前に、前記出射光と前記レーザ光源から前記試料に入射する入射光とを分離し、
    前記分光器が、前記入射光から分離された出射光が集光されて入射する入射側に前記第1の方向に対応する方向に沿って配置された入射スリットを有し、前記入射スリットの方向と垂直な方向に出射光を空間的に分散させる請求項5に記載のカラー画像の表示方法。
  7. 前記光検出器が、前記試料と共役な位置に配置され、前記第1の方向に対応する方向に沿って配列された受光素子を有している請求項5、又は6に記載のカラー画像の表示方法。
  8. 前記出射光が、前記分光器に向かうか、前記光検出器に向かうかを切換える切換手段によって、前記出射光の光路が切り換えられることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項に記載のカラー画像の表示方法。
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