JP5905140B1 - 顕微分光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】顕微分光装置の面分析の測定時間の短縮とクロストークの回避とを両立させる。【解決手段】ラマン分光装置10は、一方向に同ピッチで並んだ複数のアパーチャー30を有するマルチスリット28を使って、レーザー光をマルチビームに整形するビーム整形手段と、マルチビームを集光して直線状に並んだ複数のビームスポットICを試料Sに形成する対物レンズ12と、複数のビームスポットICからの光の中間像IAを整形する結像レンズ18と、中間像IAの位置に設けられた分光器前スリット22と、このスリット22の通過光を分光してビームスポットICのスペクトル像を検出する分光器50およびCCD検出器60とを備える。さらに、複数のアパーチャー30を、当該アパーチャーの配列方向に半ピッチだけ進退させる移動装置32と、この移動装置32の動作およびCCD検出器60の検出サイクルを連動させる制御装置70とを備える。【選択図】 図2

Description

本発明は顕微分光装置、特に、試料の測定領域内の複数位置からの反射光、透過光、発光または散乱光についてスペクトルを取得することにより、試料の成分、物性、形状等に関する二次元または三次元のマッピング測定を行うための顕微分光装置の改良に関する。例えば、試料の測定領域を面分析するためのラマン分光装置、蛍光分光装置、赤外分光装置などが適用範囲に入る。
従来、試料の点分析に適した共焦点光学系のレーザー顕微分光装置が知られている。この装置は、試料の微小領域にレーザー光をピンポイントで照射し、1μm程度の径サイズのビームスポットを形成する。そして、その1点からの光のスペクトルを高い空間分解能で得る。具体的には、対物レンズ、結像レンズおよびシングルアパーチャーを用いて、対物レンズで試料からの光を集光し、結像レンズによりその像を形成し、結像位置にシングルアパーチャーの開孔部を合わせる。この際、対物レンズの焦点以外からの光はシングルアパーチャーで遮断されることから、その通過光を分光器にて分光し、検出器にてスペクトルを検出すれば、高い空間分解能での点分析が可能になる(特許文献1)。
近年、試料の広い領域を面分析するのに適した顕微分光装置のニーズが高くなっている。複数の測定を1点ずつ従来の点分析を繰り返していくようなマッピング測定(以降、従来型ポイントマッピングと呼ぶ。)では、測定ポイントが過多となって、測定時間の観点からニーズに十分応えられない。1点当たりの露光時間を短縮するとスペクトルのS/Nが悪くなってしまうため、それもできない。
面分析の測定時間の短縮という観点から、幾つかのマッピング測定の手法が提案されている。その1つに試料に対して照射光をライン状に照射して、その縦長の照射領域から複数点のスペクトルをまとめて取得する手法(ラインマッピングと呼ぶ。)がある。特許文献2には、1つのビームスポットを高速にY方向へ偏向させる方法で、試料にライン状の照射領域を形成するタイプのラインマッピングが開示されている。試料に照射光をスポット状に照射して、音響光学素子などの偏向手段により、1つのビームスポットをY方向に移動させると、分光器の入射スリットにおいても、スポット像がスリットに沿って移動する。CCD検出器の露光期間に、ビームスポットをY方向に1回以上移動させて、試料をライン状に照射するとともに、その読出期間に、ライン状の照射領域の複数の測定点に対応した複数のスペクトルをビニング処理によって読み出す。これにより、CCD検出器の1フレームで、ライン状の照射領域の複数点のスペクトルがまとめて取得される。1フレームの撮像が終了したら、試料をX方向にずらして同様のライン照射を繰り返す。このようなマッピング測定を本書では、「従来型ラインマッピング」と呼ぶ。
なお、本書では、次のように定義された分解能および検出感度を用いる。空間分解能は、空間的に接近している2点を識別する測定能力とする。波長分解能(スペクトル分解能とも呼ぶ。)は、スペクトル上で接近している2本のピークを識別する測定能力とする。検出感度は、試料への照射光量に対する、検出器への入射光量の割合とする。試料への照射光量が同じ場合に、検出器への入射光量が多い方が、検出感度が高い。つまり、試料への照射時間が短くても、検出器への十分な入射光量が得られる。
特開平9−72848号公報(図4) 特開2007−179002号公報(図2)
しかし、従来型ラインマッピングの場合、縦長の照射領域では、幅方向(横方向)については高い空間分解能が得られるが、縦方向についてはCCD検出面においてスペクトル同士の重なり合い(クロストーク)が避けられず、十分な空間分解能が得られないという課題があった。
また、従来型ポイントマッピングおよびラインマッピングに共通して、蛍光性の試料に強い励起光を当て続けると、蛍光が徐々に弱くなり最終的には見えなくなってしまう現象(蛍光退色)が別の課題としてあった。試料が黒い場合は、焼き付く現象もあった。
本発明は従来技術に鑑みなされたものであり、第1の課題は、顕微分光装置において、面分析の測定時間の短縮とクロストークの回避とを両立させることにあり、第2の課題は、同装置において、面分析の測定時間の短縮と照射光による試料損傷の回避とを両立させることにある。
前記目的を達成するために本発明に係る顕微分光装置は、
一方向に同じピッチで配列された複数の光出射部を有する光学部材を使って、光源からのレーザー光をマルチビームに整形するビーム整形手段と、
前記マルチビームを集光して直線状に並んだ複数のビームスポットを試料に形成する集光レンズと、
前記複数のビームスポットからの光を集める対物レンズと、
前記対物レンズによる前記複数のビームスポットの中間像の位置に設けられた中間スリットと、
前記中間スリットの通過光を分光して前記中間像の分光スペクトルを検出する分光検出手段と、を備えた顕微分光装置であって、さらに、
前記ビーム整形手段の光出射部を、当該光出射部の配列方向に前記ピッチの半分だけ、進退させる光出射部の移動手段と、
前記光出射部の移動手段の動作および前記分光検出手段の検出を連動させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、ビーム整形手段によって整形されたマルチビームが、試料前の集光レンズによって試料に直線状に並んだ複数のビームスポットを形成する。そして、光出射部の移動手段が、ビーム整形手段の光出射部を半ピッチだけ前進(または後退)させると、試料に形成された複数のビームスポットもその配列方向に半ピッチだけ移動する。複数のビームスポットは、明部(スポット)と暗部が交互に並んだパターンと言える。隣り合う明部同士の間隔を1ピッチとした場合に、これらが半ピッチだけ移動すると、移動前の暗部が移動後の明部になる。従って、光出射部の進退に伴って、試料の直線状の領域が照射され、従来型ラインマッピングと同等の照射領域が得られる。しかも、光出射部の前進位置(または後退位置)において、ビームスポットの明部同士は重なり合わない。従って、光出射部の進退動作と分光検出手段の検出動作とを連動させることにより、スペクトル像の検出時におけるクロストークを回避したり、照射光による試料損傷を回避したりすることができる。
また、前記分光検出手段は、2次元に配置された受光素子群からなる検出部を有し、
前記制御手段は、前記検出部の露光期間および読出期間からなる検出サイクルを実行する第1ステップと、前記光出射部の移動手段によって前記光出射部を前進または後退させる第2ステップと、前記分光検出手段によって次の検出サイクルを実行する第3ステップからなる制御プログラムによって動作することが好ましい。
この構成によれば、制御手段による光出射部の進退動作と検出部の検出動作との連動が具体化されている。すなわち、光出射部の前進位置での1回の検出サイクル(第1ステップ)で、検出部は、互いに重なり合っていない複数のスペクトル像をまとめて検出できる。光出射部の後退位置においても(第3ステップ)、同様に、互いに重なり合っていない複数のスペクトル像を検出できる。従って、検出時におけるクロストークの問題が生じない。
加えて、前記制御プログラムは、前記検出サイクルの読出期間に前記検出部にビニング処理を実行させるとともに、当該ビニング処理における前記受光素子群の区画を前記光出射部の進退位置に応じて切り換えることが好ましい。この構成によれば、試料におけるビームスポットの位置の変化に伴って、検出部におけるスペクトル像の位置が変化しても、その変化に応じて検出器のビニング処理の設定を切り換えるようにしたので、ビームスポットの位置に応じたスペクトル像を正しく取得できる。
あるいは、前記制御手段は、前記検出部の露光期間および読出期間からなる検出サイクルのうちの前記露光期間を開始する第1ステップと、露光したまま前記光出射部の移動手段によって前記光出射部を連続的に進退させる第2ステップと、露光を停止して前記読出期間を開始する第3ステップからなる制御プログラムによって動作することが好ましい。
この構成によれば、制御手段による光出射部の進退動作と検出部の検出動作との連動が具体化されている。すなわち、検出部による1回の検出サイクル(第1ステップ〜第3ステップ)中に、露光したまま光出射部の進退動作を繰り返す第2ステップを設けた。つまり、試料の同じ部分には、ビームスポットが当たる期間と当らない期間が交互に生じる。試料の同じ部分に照射光が連続して照射されることがなくなり、照射光による試料の損傷を回避することができる。
なお、前記ビーム整形手段における光学部材としては、マルチスリット、マルチアパーチャー、回折格子、マイクロアレイレンズおよびバンドルファイバーの中から選ばれた1つの光学部材であることが好ましい。
ここで、前記光出射部の移動手段としては、前記ビーム整形手段における光学部材を、当該光出射部の配列方向に直線移動させる直線移動部によって構成してもよい。さらに好ましくは、前記光学部材としてのマルチスリットを、回転させる回転移動部によって構成することである。なお、前記マルチスリットは、前記複数の光出射部として複数のスリット孔を有する回転盤からなり、前記複数のスリット孔は、前記回転盤の中心から同心状に並んだ複数の円弧形であり、前記回転盤の半径方向に同じピッチで配列されている。そして、前記回転盤は、2つの半円形または4以上の偶数に等分された扇形に区画され、隣り合う前記半円形または隣り合う前記扇形について、一方の前記円弧形のスリット孔の半径が、他方の前記円弧形のスリット孔の半径よりも、前記ピッチの半分だけ異なっていることが好ましい。
この構成によれば、回転盤の中心から外周に向けた方向(半径方向と呼ぶ)に、ライン状のレーザー光の長手方向を合わせるようにして、ライン状ビームを回転盤に照射すると、複数のスリット孔の通過光がマルチビームとして形成される。そして、回転盤を一方向に回転させるだけで、光出射部(スリット孔)をその配列方向に半ピッチだけ進退させることができるので、ビームスポットを高速で切り換える場合に適する。
前記ビーム整形手段は、さらに、
前記光源からのレーザー光をライン状に整形するラインビーム整形部と、
前記ライン状のビームの中間像を形成する中間像形成部と、を有し、
前記ビーム整形手段の光学部材は、前記ライン状のビームの中間像の位置に設けられ、
当該光学部材における前記複数の光出射部は、前記ライン状のビームの中間像の形成範囲に配列されていることが好ましい。
この構成によれば、ライン状ビームの中間像の位置に、ビーム整形手段の光学部材が配置される。従って、この位置で整形されたマルチビームの像が、後段の集光レンズなどのレンズ系によって保存され、試料に複数のビームスポットとして正確な像を結ぶことができる。
以上のような構成によれば、ビーム整形手段によって整形されたマルチビームが試料に複数のビームスポットを形成するが、ビームスポット(明部)同士は重なり合わない。そして、移動手段が光出射部をその配列方向へ半ピッチだけ前進(または後退)させることで、試料の複数のビームスポット(明部)もその配列方向に半ピッチだけ移動するが、この場合も、ビームスポット(明部)同士は重なり合わない。従って、光出射部の進退動作と分光検出手段の検出動作とを連動させることにより、面分析の測定時間の短縮を達成しつつ、スペクトル像の検出時におけるクロストークを回避したり、照射光による試料損傷を回避したりすることができる。
一実施形態に係るマルチビーム照射と分光器前の縦長スリットとの組み合せにより構成された顕微分光装置の概略構成図である。 前記装置の光学構成を詳細に示した全体構成図である。 前記装置の励起光学系におけるマルチビームの整形手段として、レーザーラインジェネレータレンズとマルチスリットを併用した構成を示す図である。 前記装置の励起光学系におけるマルチスリットの移動に伴って生じる、複数のビームスポットによるY方向走査を説明するための図である。 前記ビームスポットによるY方向走査とCCD検出器のビニング設定との関係を示す図である。 クロストーク回避モードにおける試料の走査順序を示す図である。 試料ダメージ軽減モードにおける試料の走査順序を示す図である。 前記マルチスリットを移動させる構成について、回転方式および直線移動方式の例を示す図である。 前記マルチビームの整形手段として用いる光学部材の例を示す図である。 前記マルチビームの整形手段としてバンドルファイバーを用いた場合の顕微分光装置の変形例を示す図である。
以下、図面に基づき本発明の好適な実施形態について説明する。特に、一列に並んだ複数のビームスポットによって、試料がどのように走査され、複数の分光スペクトルがどのように取得されるかを中心に説明する。図1は、本発明の顕微分光装置の一実施形態である顕微レーザーラマン分光光度計(以下、ラマン分光装置10と呼ぶ。)の概略構成図である。ラマン分光装置10は、励起光を照射したときに生じる試料(S)からのラマン散乱光を分光検出し、ラマンスペクトルを取得するための装置である。加えて、複数の測定ポイントからそれぞれ取得されるラマンスペクトルに基づき、マッピングデータを構成することもでき、二次元または三次元の広範囲マッピング測定に適する。
図1には、ラマン分光装置10の骨格になる構成のみを示す。すなわち、ラマン分光装置10は、試料Sに対向する対物レンズ12と、励起光を試料側へ反射するとともに試料Sからのラマン光を透過するビームスプリッタBS14(またはダイクロイックミラーDM)、ノッチフィルター16、結像レンズ18、分光器前スリット22、および、分光検出手段(50,60)を備えている。なお、図示を省略するが、その他、励起光学系、可動テーブル、および、マッピング制御装置を備える。
励起光は、平行光束で対物レンズ12に入射する。試料Sは対物レンズ12の焦点位置に合うように位置決めされているため、試料Sには励起光の像が形成される。この像のサイズは微小であり、拡大すると図1のような直線状に並んだ複数のビームスポットIになっている。これらのビームスポットIからのラマン光は、共焦点光学系を構成する対物レンズ12および結像レンズ18によって分光器前スリット22の位置に中間像Iを結ぶ。分光器前スリット22は、図1のように縦長スリット孔24を有する。このスリット孔24は、中間像Iにおける複数のスポット像の配列方向に細長く形成されている。ここでは、縦長スリット孔24の幅は、スポット像の直径と一致するか、若しくは、スポット像よりも多少大きくなるように設定されている。
図2に、本実施形態の詳しい光学構成を示す。
可動ステージ26は、X−Y平面に平行な載置面を有するX−Yの2軸ステージであり、載置面の試料Sの測定箇所を対物レンズ12の集光位置に位置決めできる。可動ステージ26によって試料SがX方向に後退(図において手前に移動)すれば、相対的に複数のスポットIはX方向に前進するので、試料SをX方向に走査することができる。すなわち、複数のビームスポットIの位置に試料Sを位置決めするための可動ステージ26を備える。マッピング制御装置70が、可動ステージ26を、後述するマルチスリット28の移動装置32およびCCD検出器60の制御に連動させて、二次元または三次元のマッピング測定を実行する。なお、可動ステージがX−Y−Zの3軸ステージであれば、試料の深さ方向(Z方向)への位置決めを効率よくできる。透光性の試料であれば、試料に埋もれた異物測定などができる。Z方向については、3軸ステージに限られず、専用のZ軸調整装置を設けてもよい。
また、ビームスプリッタ14とノッチフィルター16の間には、対物レンズ12の光軸と分光器50の光軸とを一致させるために、一対のアライメントミラー34が配置されている。
励起光学系は、マルチビームを試料Sに照射するために設けられ、レーザー光源36、光源からのレーザー光を拡張して光軸調整を行う前処理部(38,42,44,46)、前処理部からのレーザー光をライン状のビームに整形するラインビーム整形部(48,52)、および、マルチビーム整形部(28,54,56)を有する。本発明において、マルチビームとは、マルチスリット28における一方向に配列された複数のアパーチャー30(本発明の光出射部に相当する。)、または光源から発せられた光束群を指す。本発明では、これら複数のアパーチャー30は同じ構造であり、かつ、一定のピッチで並んでいる。
前処理部では、例えば、レーザー光源36からの円形断面のレーザー光が一対のエキスバンド38によって拡張される。そのレーザー光は、レーザーラインフィルター42とミラー44を介して、一対のアライメントミラー46に導かれる。一対のアライメントミラー46は、光源からのレーザー光の光軸がレーザーラインジェネレータレンズの光軸に一致するようにアライメントを調整する。
ビーム整形部は、2段階でビームを整形する。まず、前処理部からのレーザー光を、一旦、細長形の断面のラインビームに整形する。そして、移動装置32を有するマルチスリット28を通過させることにより、ラインビームをマルチビームに整形する。
ビーム整形部の具体的な構成を図3に基づいて説明する。図3(B)に示すように、ビーム整形部は、前処理部からのレーザー光からライン状のビームを整形するビーム拡張型のレーザーラインジェネレータレンズ48、ラインビームを平行光にするコリメータレンズ52、ラインビームの中間像Iを形成するための一対のレンズ54,56、および、その中間像Iの位置に設けられたマルチスリット28からなる。比較のため、図3(A)にライン照明用の光学構成を示す。ライン照明の場合は、ラインビームの中間像I’の位置にマルチスリットを置かない。そのため、縦長の中間像I’の形状が、そのまま試料Sに映されて、縦長の照射領域I’が形成される。これに対して、本実施形態では、ラインビームの中間像のサイズに合わせて、微小なアパーチャー30を一定ピッチで一列に並べたマルチスリット28を用いる。図3(B)のように、中間像Iの位置において複数のアパーチャー28を通過した光が、マルチビームとなって後段のコリメータレンズ56に入射する。そして、対物レンズ12によって、マルチビームはY方向に並んだ複数のビームスポットIを試料に形成する。つまり、試料における個々のビームスポットIは、マルチスリット28の個々のアパーチャー30から出射した光の像である。ここで、複数のアパーチャー30の配列ピッチは、試料Sにおけるビームスポット(明部)Iと隣のビームスポット(明部)Iとの間に一定のスペース(暗部)が確保されるように調整されている。
なお、レーザーラインジェネレータレンズ48に代えて、シリンドリカルレンズを用いてもよい。また、ビーム拡張型ではなく、ビーム走査型のラインビーム整形手段を用いてもよい。例えば、ガルバノミラーなどを用いて、円形断面のレーザー光を高速に平行移動させることで、細長形のライン状の照射領域を中間像の位置に形成してもよい。
マルチスリット28は、本発明のビーム整形手段の光学部材の一例である。互いに平行に並んだスリット孔を有するマルチスリットを用いてもよい。また、マルチスリットに代えて、回折格子、マイクロアレイレンズ、ライン状のバンドルファイバーなどをビーム整形手段の光学部材として用いてもよい。これらの光学部材を用いて、マルチビームを整形する方法を図9に示す。なお、光学部材は一方向に並ぶ複数の光出射部を有するが、それぞれの形態で、アパーチャー、スリット孔、回折格子の溝、マイクロレンズ、光ファイバー端部などが、本発明の光出射部に相当する。
ここで、ジェネレータレンズ48を照射光学系の光軸から外せるようにしてもよい。また、ジェネレータレンズ48から通常のビーム拡張素子への切換装置を設けてもよい。切り換えたビーム拡張素子を用いれば、円形断面の照射光による単独のビームスポットが試料に形成される。このような切換手段を設ければ、マルチビームによる広範囲のマッピング測定から狭い範囲を対象とするポイントマッピング測定へスムーズに移行することができる。
ここで、本実施形態において特徴的なことは、複数のビームスポットIによる試料Sの走査手段として、マルチスリット28のアパーチャー30を配列方向(縦方向)に移動させる移動装置32を設けたことである。移動装置32の具体的な構成は後述するが、少なくとも、マルチスリット28の複数のアパーチャー30を、当該アパーチャー30の配列方向へその配列ピッチの半分だけ進退させる構成であればよい。また、可動ステージ26のY方向の移動速度よりも高速に移動できる装置であるとよい。このような移動装置32を用いれば、移動の遅い可動ステージ26をY方向に動かさなくて済む。
図4に示すように、マルチスリット28が縦方向に進退移動しても、マルチスリット28の表面に形成されるラインビームの中間像40の位置は変わらないが、マルチスリット28に形成された複数のアパーチャー30の位置は移動する。従って、マルチスリット28が縦方向に半ピッチだけ移動すると、試料Sにおける複数のビームスポットIの位置もY方向に半ピッチだけ移動する。すなわち、マルチスリット28の移動によって、複数のビームスポットIによる試料のY方向への走査が生じる。なお、マルチスリット28から縦長スリット28’への切換手段を設けておくと、必要に応じて通常のライン照明にスムーズに切り替えることができる。
次に、共焦点光学系について図2に戻って説明する。共焦点光学系は、一対のレンズ(対物レンズ12、結像レンズ18)、レイリー光をカットするためのノッチフィルター16、および、分光器前スリット22から構成される。対物レンズ12は、励起光学系からの励起光を試料Sに集光させ、複数のビームスポットIを形成する役目と、ビームスポットIからのラマン光を集光する役目とを担う。結像レンズ18は、対物レンズ12からの光を後段の分光器前スリット22の位置に結像させ、スリット位置にビームスポットの像Iを形成する。
分光器前スリット22は、細長形の開口部24または隙間を有する。開口部24の長手方向は、ビームスポットの像Iの配列方向に平行である。このスリット22は、分光器50の入射光の取り込み口に位置しており、分光器50の入射スリットとして機能する。スリットの開口部24の幅が狭いほど分光器の波長分解能が向上する。
分光器50として、一般的な分散型分光器の構成を説明する。分光器50は、スリットの通過光を平行光束にする前段ミラー58(コリメートミラー)と、前段ミラー58からの平行光束を回折する回折格子62と、回折格子62からの回折光を後段のCCD検出器60において再び結像させるための後段ミラー64(コリメートミラー)とからなる。回折格子62の姿勢は、その分散方向がCCD検出器60でのビームスポットの像の配列方向に直交する方向になるように、設定されている。ここで、回折格子64の分散方向がCCD検出器60での像の配列方向に直交する方向とは、光軸に直交する平面上での直交方向である。
CCD検出器60は、二次元アレイ型の光検出手段の一例であり、ビームスポットの像の配列方向およびこれに直交する分散方向の2方向に配置された受光素子群からなる。本発明では、受光素子を単に画素とも呼ぶ。
前述の分光器前スリット22での結像Iはあらゆる波長の光が混ざった状態であるため、そのままでは波長ごとのラマン光量を検出できない。これに対し、CCD検出器60には、図5、6に示すように、分光器50によって波長に応じて分散方向に結像位置がずれた状態の像(スペクトル像とも呼ぶ。)が形成される。CCD検出器60の受光面では、ビームスポットの像の配列方向(図における縦方向)に対して、分光器50の分散方向(図における横方向)が直交しているので、分散した波長ごとの像が互いに重なる面積が最小になる。特に、検出器60の受光面の像は、予め縦長になるように分光器の光学要素が設定されている。また、入射スリットとしてビームスポットの結像Iに合った幅の細いものを使用する。このような工夫によって、分光器50を介して受光面に映し出される像から、高い波長分解能でスペクトルデータを得ることができる。
マッピング測定制御装置
制御装置70はラマン分光装置全体を制御するためのものであるが、本実施形態では、CCD検出器60のビニング処理(CCDイメージ処理とも言う。)を利用したマッピング測定に関する事項を中心に説明する。図2に示すように、制御装置70は、マルチスリットの移動装置32、可動ステージ26およびCCD検出器60の連動によるマッピング測定を実現させるため、マッピング範囲設定部72、マルチスリット制御部74、ステージ制御部76、光検出制御部78、および、マッピングデータ構成部80を含んでいる。制御装置70は、例えば、マイクロコントローラユニット(MCU)で構築してもよいし、分光装置10に専用の制御コンピュータで構築してもよい。そして、制御装置70は、これらの各機能を実行するための制御プログラムを有している。
マッピング範囲設定部72は、試料Sに図6の上段に示すようなマッピング範囲を設定する。マッピング範囲は複数のマスを2次元または3次元的に並べたものである。図6のマッピング範囲は、説明の都合上、縦方向に並ぶマスを結合して1列に見えるようにした。通常、1マスの形状は正方形であり、サイズ(一辺の寸法)がマッピング測定の空間分解能を表わす。使用する対物レンズ12、結像レンズ18、CCD検出器60によって、1マスの一辺の設定可能なサイズ範囲は変わる。
例えば、1マスを1μmの正方形とした場合、縦方向に80マス並べたものをマッピング範囲(80μm×80μm)とすることができる。このマッピング範囲に対して、直径1μmのビームスポットを40個、2μmピッチで一列に並べたものを複数のビームスポットとして使用することができる。
マルチスリット制御部74は、マルチスリット28の進退位置の切換を制御する。ステージ制御部76は、可動ステージ26を制御して、試料をX−Y方向において位置決めする。光検出制御部78は、CCD検出器60の光検出サイクルを制御する。CCD検出器60の光検出サイクルは、露光期間および読出期間からなる。露光期間は、受光素子を露光状態に維持する期間であり、読出期間は、受光量を読み出す期間である。
マッピングデータ構成部80は、光検出サイクル毎に取得されたスペクトルデータを蓄積し、これらのスペクトルデータに基づいてマッピングデータを構成する。
以降、制御装置70について、本発明に特徴的な「クロストーク回避モード」と「試料ダメージ回避モード」とに分けて説明する。
クロストーク回避モード
クロストーク回避モードでは、CCD検出器60の露光期間および読出期間からなる検出サイクルを実行する第1ステップと、マルチスリットの移動装置32によってマルチスリット28を前進または後退させる第2ステップと、CCD検出器60によって次の検出サイクルを実行する第3ステップからなる制御プログラムを制御装置70が実行する。
制御プログラムは、検出サイクルの読出処理の際に、CCD検出器60にビニング処理を実行させる。この処理において、当該ビニング処理における受光素子群の区画をマルチスリット28の進退位置に応じて切り換えている。図5に、検出器の受光面82に形成されたスペクトル像を示す。受光面82の横方向は、ビームスポット像の分散方向であり、縦方向は、スペクトル像の配列方向である。
図5の例では、縦方向の空間分解能の性能について着目すると、スペクトル像は縦方向に5画素ピッチで分布している。この縦方向の配列ピッチは、励起光光学系におけるマルチスリット28の複数のアパーチャー30の配列ピッチに対応する。また、1つのスペクトル像は縦方向に並んだ約4画素によって読み取られる。マルチスリット28の後退位置と前進位置との間で、受光面82上のスペクトル像の形成位置が半ピッチ(2.5画素)分だけ縦方向に移動するが、配列ピッチおよびスペクトル像の縦方向の大きさは変わらない。この図5から、マルチスリット28の進退いずれの位置においても、CCD検出器60においてクロストークが回避され、高い波長分解能でのスペクトル検出が可能であることが分かる。
なお、図5から明らかなように、後退位置(初期位置)でのビニング位置に対して、ビ前進位置でのビニング位置を半ピッチ(2.5画素)だけ縦方向に移動させるという、ビニング位置の再割り当てが必要になる。
この制御プログラムの流れを図6に基づいて説明する。第1ステップで、ビームスポットIは図6(A)に示すマッピング範囲84の一列目に形成される。CCDの検出サイクルを実行して同図(A)の受光面82に形成されるスペクトル像を検出する。第2ステップで、ビームスポットIをY方向に半ピッチだけ前進させる。これに伴って、分光器前スリット22におけるビームスポット像Iの位置も半ピッチだけ縦方向に移動する。第3ステップで、CCDの検出サイクルを実行して同図(B)の受光面82に形成されるスペクトル像を検出する。この際、ビニング位置の再割り当てをしてから、読み取り処理を実行する。以上のステップによって、マッピング範囲84の一列目の全てのマスについてのスペクトルデータが得られる。
次に、マルチスリット制御部74によってビームスポットIをY方向に半ピッチだけ後退させるとともに、ステージ制御部76によって可動ステージ26をX方向に移動させる。ビームスポットは、図6(C)に示すマッピング範囲84の2列目に移動する。そして、第1から第3ステップをくり返すことで、二列目の全てのマスについてスペクトルデータが得られる。
この結果、マッピング範囲84の一列分に着目すると、ビームスポットのY方向の前進位置および後退位置のそれぞれの位置において、複数のスペクトルデータをまとめて取得することができる。従って、面分析において、高速測定・高空間分解能測定・高波長分解能測定を両立することができる。
試料ダメージ回避モード
次に、試料ダメージ回避モードでは、CCD検出器60の露光期間を開始する第1ステップと、露光したままマルチスリットの移動装置32によって複数のアパーチャー30を連続的に縦方向に進退させる第2ステップと、露光を停止して読出期間を開始する第3ステップからなる制御プログラムを制御装置70が実行する。
このプログラムの流れを図7に基づいて説明する。ビームスポットIは、図7(A),(B)のように、マッピング範囲84の一列目に形成されているとする。まず、第1ステップで、CCD60の検出サイクルの露光を開始する。第2ステップでは、第1ステップの露光の開始後、すぐにビームスポットIをY方向に半ピッチ(1マス分)だけ繰り返し進退させる。例えば、図7(A)のマッピング範囲84の1列目の下から3つのマス(Y,Y,Y)に着目し、ビームスポットIの進退によって、これらのマスにビームスポット(明部)Iが当たる期間を図7(C)に示す。この図7(C)から明らかなように、露光開始から露光終了までの間に、各マスにはビームスポットIの照射時間と非照射時間とが繰り返される。そして、第3ステップで、露光を止めて、ビニング処理によるスペクトルデータの取得を実行する。それと同時に、可動ステージ26をX方向に移動させて、ビームスポットIが2列目に形成されるようにする。その後、第1から第3ステップをくり返して、二列目の全てのマスからスペクトルデータを得る。
このように、マッピング範囲84の個々のマス目に着目すると、露光測定中に、マルチスリット28を高速に進退させることにより、試料Sに形成されるビームスポットIが小刻みにY方向に進退する。この結果、1マス(1測定点)に対して、ビームスポットが連続的に長時間照射することが無くなり、試料ダメージを軽減することができる。特に、蛍光の試料の退色回避に有効である。また、試料(特に黒色の試料)の焼き付き防止にもなる。
上記の2通りの制御プログラムによって取得されるスペクトルデータは、組成成分の濃度分布など分光測定の目的に応じたマッピングデータとして構築され、必要に応じてモニター等に表示される。マッピングデータを構成する個々の情報は、マッピング範囲84のマス目ごとのスペクトルデータである。このような測定方法によれば、1回の検出サイクルで複数点のスペクトルを同時に取得するので、試料の広範囲を高速にマッピング測定できる。
図8には、マルチスリット28の移動装置32の例を示す。図8(A),(B)は、円盤状のマルチスリット28Aを回転させるモータによって、回転駆動式の移動装置32Aが構成されている。マルチスリット28Aは、複数の光出射部として複数のスリット孔30A,30Bを有する。複数のスリット孔30A,30Bは、円盤の中心から同心状に並んだ複数の円弧形であり、回転盤の半径方向に同じピッチで配列されている。回転盤は、図8(B)のように2つの半円形に区画されている。または4以上の偶数に等分された扇形に区画してもよい。隣り合う半円形(または扇形)については、一方の円弧形のスリット孔30Aの半径が、他方の円弧形のスリット孔30Bの半径よりも、ピッチの半分だけ異なっている。このような円盤状のマルチスリット28Aに対して、ラインビームを当てる範囲を長方形40で示す。ラインビームを照射すると、複数のスリット孔30A(または30B)の通過光がマルチビームになる。マルチスリット28Aをモータで回転させると、半回転ごとにスリット孔30A,30Bのパターンが変わる。つまり、スリット孔30A,30Bをその配列方向(円盤の半径方向)に半ピッチだけ進退させることができる。円盤を一方向に回転させるだけで、ビームスポットIを高速で切り換えることができるため、ビームスポットIを繰り返し進退させる場合に有効である。また、回転速度を制御することで、連続露光期間を調整することもできる。なお、エンコーダーを設けて円盤の回転位置を検出してもよい。また、円盤の外周に設けたハネ部66をフォトインタラプタ68などの検出器で検知することによって、円盤の回転位置を検出してもよい。このように検出した円盤の回転位置を、CCDの検出サイクルのトリガーとして用いることができる。
図8(C)は、ピエゾ素子などを用いた直線駆動式の移動装置32Bである。複数のアパーチャーの位置をその配列方向に沿って正確に半ピッチだけ進退させることができる。また、図8(D)に示すように、2本のアパーチャー列が、その配列方向に半ピッチだけずれた位置関係で、平行に並べられたマルチスリット28Cを用いてもよい。この場合、マルチスリット28Cをアパーチャーの配列方向に直角の方向に進退させるとよい。
図10は、マルチビームの整形手段としてライン状のバンドルファイバーを用いた場合の顕微分光装置の概略構成図である。バンドルファイバーの端面は、個々のファイバーの出射口が一定のピッチで直線状に並んでいる。よって、バンドルファイバーからの光束群をコリメータレンズでビームスプリッタBSに導くことで、対物レンズを介して試料に複数のビームスポットを形成することができる。また、バンドルファイバーを駆動するピエゾ素子などの駆動素子を動作させて、試料上でビームスポットをその配列方向に進退させることができる。従って、上記の実施形態と同様に、クロストーク回避モードや試料ダメージ回避モードでのマッピング測定をすることができる。なお、図10のように、対物レンズから分光器前スリットまでの共焦点光学系において、ビームスプリッタBSとノッチフィルターの間に空間アパーチャー(中間スリット)を配置してもよい。
なお、本発明は、ラマン分光装置に限られず、蛍光分光装置や赤外分光装置などへも適用される。本実施形態では照射光にレーザー光を用いるが、赤外分光装置などには高輝度セラミック光源やハロゲンランプ等からの赤外光を照射光として用いる。また、ラマンスペクトルの測定に限られず、試料への照射光の反射光や透過光、励起光による発光などのスペクトルの測定装置にも適用される。透過光測定用の顕微装置においては、対物レンズと集光レンズとが独立して設けられる。その他の顕微装置では、通常、透過光を集光する対物レンズが、照射光のスポットを形成するための集光レンズとして兼用される。
10 ラマン分光装置(顕微分光装置)
12 対物レンズ
22 分光器前スリット(中間スリット)
26 可動ステージ
28,28A マルチスリット(光学部材)
30 複数のアパーチャー(複数の光出射部)
30A 複数のスリット孔(複数の光出射部)
32,32A マルチスリットの移動装置(光出射部の移動手段)
48 レーザーラインジェネレータレンズ(ラインビーム整形部)
50 分光器(分光検出手段)
60 CCD検出器(検出部)
70 制御装置(制御手段)

Claims (7)

  1. 一方向に同じピッチで配列された複数の光出射部を有する光学部材を使って、光源からのレーザー光をマルチビームに整形するビーム整形手段と、
    前記マルチビームを集光して直線状に並んだ複数のビームスポットを試料に形成する集光レンズと、
    前記複数のビームスポットからの光を集める対物レンズと、
    前記対物レンズによる前記複数のビームスポットの中間像の位置に設けられた中間スリットと、
    前記中間スリットの通過光を分光して前記中間像の分光スペクトルを検出する分光検出手段と、を備えた顕微分光装置であって、さらに、
    前記ビーム整形手段の光出射部を、当該光出射部の配列方向に前記ピッチの半分だけ、進退させる光出射部の移動手段と、
    前記光出射部の移動手段の動作および前記分光検出手段の検出を連動させる制御手段と、を備えることを特徴とする顕微分光装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記分光検出手段は、2次元に配置された受光素子群からなる検出部を有し、
    前記制御手段は、前記検出部の露光期間および読出期間からなる検出サイクルを実行する第1ステップと、前記光出射部の移動手段によって前記光出射部を前進または後退させる第2ステップと、前記分光検出手段によって次の検出サイクルを実行する第3ステップからなる制御プログラムによって動作することを特徴とする顕微分光装置。
  3. 請求項2記載の装置において、
    前記制御プログラムは、前記検出サイクルの読出期間に前記検出部にビニング処理を実行させるとともに、当該ビニング処理における前記受光素子群の区画を前記光出射部の進退位置に応じて切り換えることを特徴とする顕微分光装置。
  4. 請求項1記載の装置において、
    前記分光検出手段は、2次元に配置された受光素子群からなる検出部を有し、
    前記制御手段は、前記検出部の露光期間および読出期間からなる検出サイクルのうちの前記露光期間を開始する第1ステップと、露光したまま前記光出射部の移動手段によって前記光出射部を連続的に進退させる第2ステップと、露光を停止して前記読出期間を開始する第3ステップからなる制御プログラムによって動作することを特徴とする顕微分光装置。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の装置において、
    前記ビーム整形手段における光学部材は、マルチスリット、マルチアパーチャー、回折格子、マイクロアレイレンズおよびバンドルファイバーの中から選ばれた1つの光学部材であることを特徴とする顕微分光装置。
  6. 請求項5記載の装置において、
    前記光出射部の移動手段は、前記マルチスリットを回転させる回転移動部からなり、
    前記マルチスリットは、前記複数の光出射部として複数のスリット孔を有する回転盤からなり、
    前記複数のスリット孔は、前記回転盤の中心から同心状に並んだ複数の円弧形であり、前記回転盤の半径方向に同じピッチで配列されており、
    前記回転盤は、2つの半円形または4以上の偶数に等分された扇形に区画され、
    隣り合う前記半円形または隣り合う前記扇形について、一方の前記円弧形のスリット孔の半径が、他方の前記円弧形のスリット孔の半径よりも、前記ピッチの半分だけ異なっていることを特徴とする顕微分光装置。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の装置において、
    前記ビーム整形手段は、さらに、
    前記光源からのレーザー光をライン状に整形するラインビーム整形部と、
    前記ライン状のビームの中間像を形成する中間像形成部と、を有し、
    前記ビーム整形手段の前記光学部材は、前記ライン状のビームの中間像の位置に設けられ、
    当該光学部材における前記複数の光出射部は、前記ライン状のビームの中間像の形成範囲に配列されていることを特徴とする顕微分光装置。
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