JP2009520038A - ピリミジンキナーゼインヒビター - Google Patents

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Abstract

本発明は、例えば悪性腫瘍を治療するための治療剤として有用な新規のキナーゼインヒビターを提供するものであり、化合物は次の一般式I:
【化1】
Figure 2009520038

[上式中、環A、X、Y、Z、R、R、R、R、m及びnは、ここで記載したものである]
を有する。

Description

この出願は、その全てを出典明示によりここに取り込む2005年12月19日出願の米国仮出願番号第60/752,013号の優先権を主張する。
(発明の分野)
本発明は、哺乳動物における治療及び/又は予防に有用な有機化合物、特に癌の治療に有用なキナーゼ阻害剤に関する。
(発明の背景)
広範囲にわたる研究の主題である酵素の重要なクラスは、細胞増殖、遊走、分化及び代謝に影響を与える細胞シグナル伝達経路に主として関与するプロテインキナーゼである。キナーゼは、環境的及び化学的ストレスシグナル(例えば、浸透圧ショック、熱ショック、紫外線照射、菌体内毒素)、サイトカイン(例えば、インターロイキン-1及び腫瘍壊死因子アルファ)、及び増殖因子(例えば、顆粒球マクロファージ刺激因子、形質転換増殖因子、線維芽細胞増殖因子)等の刺激に応じて、ATPからホスフェート基を除去し、タンパク質のセリン、スレオニン及びチロシンアミノ酸残基上のヒドロキシル基をリン酸化することにより機能する。多くの疾患が、プロテインキナーゼ媒介性事象に誘引される異常な細胞応答に関連している。これらの疾患には、自己免疫疾患、炎症性疾患、骨疾患、代謝病、神経性及び神経変性性疾患、癌、循環器疾患、アレルギー及び喘息、アルツハイマー病、及びホルモン関連疾患が含まれる。従って、治療剤として有効なプロテインキナーゼ阻害剤を見出すために、医薬品化学においてはかなりの努力がなされている。
オーロラキナーゼは、細胞増殖に必須のセリン/スレオニンキナーゼのファミリーである。3つの公知の哺乳動物ファミリーメンバー、オーロラA(オーロラ-2、Aur-2、STK-15とも称される)、オーロラ-B(オーロラ-1、Aur-1及びSTK-12とも称される)、及びオーロラ-C(STK-13とも称される)は、染色体分離、紡錘体機能、及び細胞質***に関与する、高度に相同なタンパク質である(Bischoff, J.R. & Plowman, G.D., Trends in Cell Biology 9:454, 1999; Giet R. 及びPrigent, C. Journal of Cell Science 112:3591, 1999; Nigg, E. A., Nat. Rev. Mol. Cell Biol. 2:21, 2001; Adams, R. R. Carmena, M. 及びEarnshaw, W.C., Trends in Cell Biology 11:49, 2001)。オーロラキナーゼ発現は、休止細胞では低いか又は検出できず、発現と活性は細胞周期におけるG2期及び有糸***期の間にピークになる。哺乳動物細胞において、オーロラキナーゼに対して提供される基質には、ヒストンH3、染色体凝縮に関与するタンパク質、及びCENP-A、ミオシンII制御軽鎖、I型タンパク質ホスファターゼ1、TPX2、細胞***に必要な全てのものが含まれる。オーロラ-Aは、有糸***中の正確な染色体分離をコントロールすることで、細胞周期における役割を担っており、その誤制御によって、細胞増殖及び他の異常に至らしめるおそれがある。
1997年の発見以来、哺乳動物のオーロラキナーゼファミリーは、遺伝的安定性におけるその効果により、腫瘍形成に密接に関連している。このキナーゼを高レベルで有する細胞は、複数の中心体、及び多極紡錘体を含み、素早く異数体になる。実際、***及び胃の腫瘍におけるオーロラ-Aの遺伝子座の増幅と、染色体の不安定さとの間には相関関係が見出されている。(Miyoshi, Y., Iwao, K., Egawa, C., 及びNoguchi, S. Int. J. Cancer 92:370, 2001; Sakakura, Cら. British Journal of Cancer 84:824, 2001)。さらに、オーロラ-Aの過剰発現は、齧歯動物の線維芽細胞を形質転換させることが示されている(Bischoff, J. Rら. EMBO J. 17:3052, 1998)。
オーロラキナーゼは、広範囲のヒト腫瘍で過剰発現していることが報告されている。オーロラ-Aの高度発現は、50%超の結腸直腸癌、卵巣癌及び胃癌、94%の***の浸潤性導管腺癌で検出されている。オーロラ-Aの増幅及び/又は過剰発現はまた腎臓腫瘍、子宮頸癌、神経芽細胞腫、メラノーマ、リンパ腫、膀胱腫瘍、膵臓腫瘍及び前立腺腫瘍において報告されている。例えば、オーロラ-Aの遺伝子座(20ql 3)の増幅は、リンパ節転移陰性の乳癌を患っている患者にとっては、予後不良に相関している(Isola, J. Jら, American Journal of Pathology 147:905, 1995)。オーロラ-Bは、結腸、***、肺、メラノーマ、腎臓、卵巣、膵臓、CNS、胃管、及び白血病を含む、複数のヒト腫瘍細胞系において高度に発現している(Tatsukaら 1998 58, 4811-4816; Katayamaら, Gene 244:1)。また、オーロラ-B酵素のレベルは、原発性結腸直腸癌におけるデューク期の関数として増加することが示されている(Katayama, Hら. Journal of the National Cancer Institute 91:1160, 1999)。オーロラ-Cは一般的に精巣にのみ見出されるが、原発性結腸直腸癌、及び子宮頸部腺癌及び乳癌細胞を含む種々の腫瘍細胞系では高いパーセンテージで発現している(Kimura, Mら, Journal of Biological Chemistry 274:7334, 1999; Takahashi, Tら, Jpn. J. Cancer Res. 91:1007-1014, 2000)。
オーロラキナーゼの既知の機能に基づいて、その活性の阻害は有糸***を乱し、細胞増殖を止める細胞増殖停止に導き、よって広範囲の癌において腫瘍増殖を遅らせる。
(発明の要約)
本発明の一態様では、次の一般式(I):
Figure 2009520038
[上式中:
環Aは、5、6、又は7員環の炭素環又はヘテロ環であり;
Xは、H、ヒドロキシル、ハロ、アミノ、ニトロ、アルキル又はハロアルキルであり;
Yは、O、S又はNRであり;
Zは、-NRC(O)-又は-C(O)NR-であり;
は、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、炭素環又はヘテロ環であり;
は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、カルボキシルであり、又はヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、チオン、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、アシル、アルコキシ又はアルキルチオであり;
は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、オキソ、チオン、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、又は2つのR基が共同して炭素環又はヘテロ環を形成し;ここで該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
は独立して、H又はアルキルであり;
mは0から10であり;
nは0から3である]
を有するオーロラキナーゼの新規阻害剤が提供される。
本発明の他の態様では、式Iの化合物、及び担体、希釈液又は賦形剤を含有する組成物が提供される。
本発明の他の態様では、式Iの化合物とオーロラプロテインを接触させることを含む、細胞におけるオーロラキナーゼのシグナル伝達を阻害するための方法が提供される。
本発明の他の態様では、式Iの化合物を有効量、哺乳動物に投与することを含む、オーロラキナーゼのシグナル伝達に関連した哺乳動物の疾患又は病状を治療するための方法が提供される。
(好ましい実施態様の詳細な記述)
「アルキル」とは、他に定義しない限りは、12までの炭素原子を有する、分枝状又は非分枝状で飽和又は不飽和(すなわちアルケニル、アルキニル)の脂肪族炭化水素基を意味する。例えば「アルキルアミノ」等、他の用語の一部として使用される場合、アルキル部分は飽和した炭化水素鎖であるが、不飽和の炭化水素炭素鎖、例えば「アルケニルアミノ」及び「アルキニルアミノ」も含まれる。特定のアルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、n-ヘプチル、3-ヘプチル、2-メチルヘキシル等である。「低級アルキル」「C-Cアルキル」及び「1〜4の炭素原子のアルキル」という用語は同義語であって、交換可能に使用され、メチル、エチル、1-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、1-ブチル、sec-ブチル又はt-ブチルを意味する。特定しない限りは、置換アルキル基は、同一でも異なっていてもよい1、例えば2、3又は4の置換基を有していてよい。置換基の例は、特に定めない限りは、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミジノ、グアニジノ、尿素、スルホニル、スルフィニル、アミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アミノカルボニル、アシルアミノ、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、炭素環、ヘテロ環である。上述した置換アルキル基の例には、限定されるものではないが;シアノメチル、ニトロメチル、ヒドロキシメチル、トリチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、アミノメチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピル、アルキルオキシカルボニルメチル、アリルオキシカルボニルアミノメチル、カルバモイルオキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、t-ブトキシメチル、アセトキシメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、トリフルオロメチル、6-ヒドロキシヘキシル、2,4-ジクロロ(n-ブチル)、2-アミノ(イソ-プロピル)、2-カルバモイルオキシエチル等が含まれる。またアルキル基は、炭素環基で置換されていてもよい。具体例には、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、及びシクロヘキシルメチル基、並びに対応する-エチル、-プロピル、-ブチル、-ペンチル、-ヘキシル基等が含まれる。置換アルキルには、置換メチル基、例えば、「置換C-Cアルキル」基と同じ置換基で置換メチル基が含まれる。置換メチル基の例には、ヒドロキシメチル、保護されたヒドロキシメチル(例えばテトラヒドロピラニルオキシメチル)、アセトキシメチル、カルバモイルオキシメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、カルボキシメチル、ブロモメチル及びヨードメチル等の基が含まれる。
「アミジン」は、RがH又はアルキル又はアラルキルである、-C(NH)-NHR基を意味する。特定のアミジンは-NH-C(NH)-NH基である。
「アミノ」とは、第1級(すなわち-NH)、第2級(すなわち-NRH)及び第3級(すなわち-NRR)アミンを意味する。特定の第2級及び第3級アミンはアルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、アラルキルアミン及びジアラルキルアミンであり、アルキルはここで定義され、置換されていてもよいものである。特定の第2級及び第3級アミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン及びジイソプロピルアミンである。
ここで使用される場合「アミノ-保護基」とは、化合物上の他の官能基に対して反応が行われている間、アミノ基をブロック又は保護するのに通常用いられる基の誘導体を称する。このような保護基の例には、カルバマート類、アミド類、アルキル及びアリール基、イミン類、並びに所望するアミン基を再生するのに除去可能な、多くのN-ヘテロ原子誘導体が含まれる。特定のアミノ保護基はBoc、Fmoc及びCbzである。これらの基のさらなる例は、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts, 「Protective Groups in Organic Synthesis」, 第2版, John Wiley & Sons, Inc., New York, NY, 1991, 第7章; E. Haslam,「Protective Groups in Organic Chemistry」, J. G. W. McOmie編, Plenum Press, New York, NY, 1973, 第5章, 及びT.W. Greene, 「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley及びSons, New York, NY, 1981に見出される。「保護されたアミノ」なる用語は、上述したアミノ保護基の一つで置換されたアミノ基を称する。
「アリール」とは、単独で又は他の用語の一部として使用される場合、指定の炭素原子数を有するか、又は数が指定されない場合は、14までの炭素原子を有する、縮合又は非縮合のカルボシクリック式芳香族基を意味する。特定のアリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントレニル、ナフタセニル(naphthacenyl)等(Lang's Handbook of Chemistry (Dean, J.A.編)13版, 表7-2[1985]参照)である。特定のアリールはフェニルである。置換フェニル又は置換アリールとは、他に特定しない限りは、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル(例えばC-Cアルキル)、アルコキシ(例えばC-Cアルコキシ)、ベンジルオキシ、カルボキシ、保護されたカルボキシ、カルボキシメチル、保護されたカルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護されたヒドロキシメチル、アミノメチル、保護されたアミノメチル、トリフルオロメチル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルアミノアルキル、アリールスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノアルキル、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又は他の特定された基から選択される1、2、3、4又は5、例えば1-2、1-3又は1-4の置換基で置換されたフェニル基又はアリール基を意味する。これらの置換基における一以上のメチン(CH)及び/又はメチレン(CH)基は、ついで上述したようなものと同様の基で置換され得る。「置換フェニル」という用語の例には、限定されるものではないが、モノ-又はジ(ハロ)フェニル基、例えば2-クロロフェニル、2-ブロモフェニル、4-クロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、4-ブロモフェニル、3,4-ジブロモフェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル、2-フルオロフェニル等;モノ-又はジ(ヒドロキシ)フェニル基、例えば4-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、それらの保護されたヒドロキシ誘導体等;ニトロフェニル基、例えば3-又は4-ニトロフェニル;シアノフェニル基、例えば4-シアノフェニル;モノ-又はジ(低級アルキル)フェニル基、例えば、4-メチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2-メチルフェニル、4-(イソ-プロピル)フェニル、4-エチルフェニル、3-(n-プロピル)フェニル等;モノ又はジ(アルコキシ)フェニル基、例えば3,4-ジメトキシフェニル、3-メトキシ-4-ベンジルオキシフェニル、3-メトキシ-4-(1-クロロメチル)ベンジルオキシ-フェニル、3-エトキシフェニル、4-(イソプロポキシ)フェニル、4-(t-ブトキシ)フェニル、3-エトキシ-4-メトキシフェニル等;3-又は4-トリフルオロメチルフェニル;モノ-又はジカルボキシフェニル又は(保護されたカルボキシ)フェニル基、例えば4-カルボキシフェニル;モノ-又はジ(ヒドロキシメチル)フェニル又は(保護されたヒドロキシメチル)フェニル、例えば3-(保護されたヒドロキシメチル)フェニル又は3,4-ジ(ヒドロキシメチル)フェニル;モノ-又はジ(アミノメチル)フェニル又は(保護されたアミノメチル)フェニル、例えば2-(アミノメチル)フェニル又は2,4-(保護されたアミノメチル)フェニル;あるいはモノ-又はジ(N-(メチルスルホニルアミノ))フェニル、例えば3-(N-メチルスルホニルアミノ))フェニルが含まれる。また、「置換フェニル」という用語は、その置換基が異なっている二置換フェニル基、例えば3-メチル-4-ヒドロキシフェニル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル、2-メトキシ-4-ブロモフェニル、4-エチル-2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシ-4-ニトロフェニル、2-ヒドロキシ-4-クロロフェニル等、並びにその置換基が異なっている三置換フェニル基、例えば3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-6-メチルスルホニルアミノ、3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-6-フェニルスルホニルアミノ、及びその置換基が異なっている四置換フェニル基、例えば3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-フェニルスルホニルアミノを表す。特定の置換フェニル基には、2-クロロフェニル、2-アミノフェニル、2-ブロモフェニル、3-メトキシフェニル、3-エトキシ-フェニル、4-ベンジルオキシフェニル、4-メトキシフェニル、3-エトキシ-4-ベンジルオキシフェニル、3,4-ジエトキシフェニル、3-メトキシ-4-ベンジルオキシフェニル、3-メトキシ-4-(1-クロロメチル)ベンジルオキシ-フェニル、3-メトキシ-4-(1-クロロメチル)ベンジルオキシ-6-メチルスルホニルアミノフェニル基が含まれる。縮合アリール環はまた、置換アルキル基と同様の方式において、ここで特定した任意の、例えば1、2又は3の置換基で置換されていてもよい。
「カルボシクリル(Carbocyclyl)」、「カルボシクリリック(carbocyclylic)」、「炭素環(carbocycle)」及び「カルボシクロ(carbocyclo)」は、単独で及びカルボシクロアルキル基のような複合基中の一部として使用される場合には、飽和又は不飽和で芳香族又は非芳香族であってよい、3〜14の炭素原子、例えば3〜7の炭素原子を有する単環式、二環式、又は三環式の脂肪族環を称する。特定の飽和したカルボシクリック基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル基である。特定の飽和した炭素環はシクロプロピルである。他の特定の飽和した炭素環はシクロヘキシルである。特定の不飽和炭素環は、芳香族、例えば上述したアリール基、特にフェニル基である。「置換カルボシクリル」、「炭素環」及び「カルボシクロ」なる用語は、「置換アルキル」基と同様の置換基により置換された基を意味する。
ここで使用される場合「カルボキシ保護基」とは、化合物上の他の官能基に対して反応が行われている間、カルボン酸基をブロック又は保護するのに通常用いられるカルボン酸基のエステル誘導体の一つを称する。そのようなカルボン酸保護基の例には、4-ニトロベンジル、4-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、2,4,6-トリメトキシベンジル、2,4,6-トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4-メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4'-ジメトキシベンズヒドリル、2,2',4,4'-テトラメトキシベンズヒドリル、アルキル、例えばt-ブチル又はt-アミル、トリチル、4-メトキシトリチル、4,4'-ジメトキシトリチル、4,4',4"-トリメチトキシトリチル、2-フェニルプロプ-2-イル、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、フェナシル、2,2,2-トリクロロエチル、ベータ-(トリメチルシリル)エチル、ベータ-(ジ(n-ブチル)メチルシリル)エチル、p-トルエンスルホニルエチル、4-ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、1-(トリメチルシリルメチル)プロプ-1-エン-3-イル等の部分が含まれる。誘導体化カルボン酸が、分子の他の位置における引き続く反応の条件に対して安定であり、適当な時点で分子の残りの部分を破壊することなく除去できる限り、用いられるカルボキシ保護基の種は重要ではない。特に、カルボキシ-保護された分子を強い求核塩基、例えば水酸化リチウム又はNaOH、又はLiAlH等の高活性化金属水素化物を用いる還元条件を施さないことが重要である。(このような過酷な除去条件は、下記に検討するアミノ-保護基及びヒドロキシ-保護基を除去する際でもまた避ける。)特定のカルボン酸保護基は、アルキル(例えば、メチル、エチル、t-ブチル)、アリル、ベンジル及びp-ニトロベンジル基である。セファロスポリン、ペニシリン及びペプチド分野で使用されるのと同様のカルボキシ保護基も、カルボキシ基置換基の保護に使用できる。これらの基のさらなる例は、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」, 第2版, John Wiley & Sons, Inc., New York, N.Y., 1991, 第5章;E. Haslam,「Protective Groups in Organic Chemistry」, J.G.W. McOmie編, Plenum Press, New York, N.Y., 1973, 第5章,及びT.W. Greene,「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley及びSons, New York, NY, 1981, 第5章に見出される。「保護されたカルボキシ基」なる用語は、上述したカルボキシ-保護基の一つで置換されたカルボキシ基を称する。
「グアニジン」とは、RがH又はアルキル又はアラルキルである、-NH-C(NH)-NHR基を意味す。特定のグアニジンは-NH-C(NH)-NH基である。
ここで使用される場合「ヒドロキシ-保護基」とは、化合物上の他の官能基に対して反応が行われている間、ヒドロキシ基をブロック又は保護するのに通常用いられるヒドロキシ基の誘導体を称する。このような保護基の例には、テトラヒドロピラニルオキシ、ベンゾイル、アセトキシ、カルバモイルオキシ、ベンジル、及びシリルエーテル(例えば、TBS、TBDPS)基が含まれる。これらの基のさらなる例は、T.W. Greene及びP.G.M. Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」、第2版, John Wiley & Sons, Inc., New York, NY, 1991, 第2-3章;E. Haslam, 「Protective Groups in Organic Chemistry」,J.G.W. McOmie編, Plenum Press, New York, NY, 1973, 第5章、及びT.W. Greene, 「Protective Groups in Organic Synthesis」,John Wiley & Sons, New York, NY, 1981に見出される。「保護されたヒドロキシ」なる用語は、上述したヒドロキシ-保護基の一つで置換されたヒドロキシ基を称する。
「ヘテロサイクリック基(heterocyclic group)」、「ヘテロサイクリック(heterocyclic)」、「ヘテロ環(heterocycle)」、「ヘテロシクリル(heterocyclyl)」又は「ヘテロシクロ(heterocyclo)」は、単独で及びヘテロシクロアルキル基のような複合基中の一部として使用される場合には、交換可能に使用され、一般に5〜約14の環状原子の、指定の原子数を有する任意の単環式、二環式又は三環式の飽和又は不飽和の芳香族(ヘテロアリール)又は非芳香族環を称し、ここで環状原子は炭素及び少なくとも一のヘテロ原子(窒素、硫黄又は酸素)、例えば1〜4のヘテロ原子である。典型的には、5-員環は0〜2の二重結合を有し、6-又は7-員環は0〜3の二重結合を有し、窒素又は硫黄ヘテロ原子は場合によっては酸化されていてもよく(例えばSO、SO)、任意の窒素へテロ原子は場合によっては第4級化されていてもよい。特定の非芳香族ヘテロ環は、モルホリニル(モルホリノ)、ピロリジニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、2,3-ジヒドロフラニル、2H-ピラニル、テトラヒドロピラニル、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチエタニル、アジリジニル、アゼチジニル、1-メチル-2-ピロリル、ピペラジニル及びピペリジニルである。「ヘテロシクロアルキル」基は、上述したようなアルキル基に共有結合した上述したようなヘテロ環基である。硫黄又は酸素原子と1〜3の窒素原子を有する特定の5-員ヘテロ環は、チアゾリル、特にチアゾール-2-イル及びチアゾール-2-イル-N-オキシド、チアジアゾリル、特に1,3,4-チアジアゾール-5-イル及び1,2,4-チアジアゾール-5-イル、オキサゾリル、例えばオキサゾール-2-イル、及びオキサジアゾリル、例えば1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、及び1,2,4-オキサジアゾール-5-イルである。2〜4の窒素原子を有する特定の5-員環ヘテロ環には、イミダゾリル、例えばイミダゾール-2-イル;トリアゾリル、例えば1,3,4-トリアゾール-5-イル;1,2,3-トリアゾール-5イル、1,2,4-トリアゾール-5-イル、及びテトラゾリル、例えば1H-テトラゾール-5-イルが含まれる。特定のベンゾ縮合した5-員ヘテロ環は、ベンズオキサゾール-2-イル、ベンズチアゾール-2-イル及びベンズイミダゾール-2-イルである。特定の6-員ヘテロ環は1〜3の窒素原子と場合によっては硫黄又は酸素原子を有し、例えばピリジル、特にピリド-2-イル、ピリド-3-イル、及びピリド-4-イル;ピリミジル、例えばピリミド-2-イル及びピリミド-4-イル;トリアジニル、例えば1,3,4-トリアジン-2-イル、及び1,3,5-トリアジン-4-イル;ピリダジニル、特にピリダジン-3-イル、及びピラジニルである。ピリジン-N-オキシド類、及びピリダジン-N-オキシド類、及びピリジル、ピリミド-2-イル、ピリミド-4-イル、ピリダジニル、及び1,3,4-トリアジン-2-イル基が特定の基である。「置換されていてもよいヘテロ環」のための置換基、例えば先に検討した5-及び6-員環系のさらなる例は、W. Druckheimer等の米国特許第4278793号に見出すことができる。特定の実施態様において、このような置換されていてもよいヘテロ環基は、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ(=O)、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、アミジノ又はグアニジノで置換されている。「置換されていてもよい」とは、ヘテロ環が、特定された一以上の同一又は異なった置換基で置換されていてもよいことを意味すると理解されるであろう。同様に、「置換されていてもよい」ここに記載の他の基は、同一でも異なっていてもよい、一以上の特定の置換基で置換されていてもよい。
「ヘテロアリール」とは、単独で及びヘテロアラルキル基等の複合基中の一部として使用される場合、指定の原子数を有する任意の単環式、二環式又は三環式の芳香族環系を称し、ここで少なくとも一の環は、窒素、酸素及び硫黄の群から選択される1〜4のヘテロ原子を有する5-、6-又は7-員環であり、特定の実施態様では、少なくとも一のヘテロ原子は窒素である(Lang's Handbook of Chemistry, 上掲)。上述した任意のヘテロアリール環がベンゼン環に縮合している任意の二環式の基も定義に含まれる。特定のヘテロアリールには、窒素又は酸素ヘテロ原子が導入されている。次の環系:チエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、チアジニル、オキサジニル、トリアジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、テトラジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル及びプリニル、並びにベンゾ-縮合誘導体、例えばベンゾオキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル及びインドリルが、「ヘテロアリール」という用語で示される(置換された又は未置換にかかわらず)ヘテロアリール基の例である。特定の「ヘテロアリール」は;1,3-チアゾール-2-イル、4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル、4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イルのナトリウム塩、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,3,4-トリアゾール-5-イル、2-メチル-1,3,4-トリアゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-1,3,4-トリアゾール-5-イル、2-カルボキシ-4-メチル-1,3,4-トリアゾール-5-イルのナトリウム塩、2-カルボキシ-4-メチル-1,3,4-トリアゾール-5イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、2-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、2-(ヒドロキシメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-5-イル、2-チオール-1,3,4-チアジアゾール-5-イル、2-(メチルチオ)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル、2-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-5-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、1-(1-(ジメチルアミノ)エト-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、2-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1-メチル-1,2,3-トリアゾール-5-イル、2-メチル-1,2,3-トリアゾール-5-イル、4-メチル-1,2,3-トリアゾール-5-イル、ピリド-2-イル-N-オキシド、6-メトキシ-2-(n-オキシド)-ピリダズ-3-イル、6-ヒドロキシピリダズ-3-イル、1-メチルピリド-2-イル、1-メチルピリド-4-イル、2-ヒドロキシピリミド-4-イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-5,6-ジオキソ-4-メチル-アス-トリアジン-3イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(ホルミルメチル)-5,6-ジオキソ-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-アストリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-アス-トリアジン-3-イルのナトリウム塩、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アストリアジン-3-イルのナトリウム塩、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-メトキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-2,6-ジメチル-アス-トリアジン-3-イル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-イル及び8-アミノテトラゾロ[1,5-b]-ピリダジン-6-イルである。「ヘテロアリール」の他の基には:4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル、4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イルのナトリウム塩、1,3,4-トリアゾール-5-イル、2-メチル-1,3,4-トリアゾール-5-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、1-(1-(ジメチルアミノ)エト-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-5,6-ジオキソ-4-メチル-アス-トリアジン-3-イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-ホルミルメチル)-5,6-ジオキソ-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イルのナトリウム塩、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-イル、及び8-アミノテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-イルが含まれる。ヘテロアリール基は、ヘテロ環で記載したように置換されていてもよい。
「阻害剤(インヒビター)」とは、オーロラキナーゼのリン酸化を低減又は防止、もしくはオーロラキナーゼのシグナル伝達を低減又は防止する化合物を意味する。また「インヒビター」は、細胞周期のG2期において、細胞を停止させる化合物を意味する。
「製薬的に許容可能な塩」には、酸及び塩基との付加塩の双方が含まれる。「製薬的に許容可能な酸付加塩」は、フリーの塩基の生物学的効能と性質とを保持し、生物学的に又は他の形で所望されないものではない塩を称するもので、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等を用いて形成され、有機酸は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、エンボン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等の有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族(araliphatic)、ヘテロ環、カルボキシル及びスルホンクラスのものから選択され得る。
「製薬的に許容可能な塩基付加塩」には、無機塩基、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩等から誘導されるものが含まれる。特定の塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムの塩である。製薬的に許容可能な無毒の有機塩基から誘導される塩には、第1級、第2級及び第3級アミン、自然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジエチルアミノエタノール、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペリジン(piperizine)、ピペリジン(piperidine)、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等が含まれる。特定の無毒の有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである。
本発明は、次の一般式I:
Figure 2009520038
[上式中:
環A、及びX、Y、Z、R、R、R、R、m及びnはここで記載したものである]
を有する新規の化合物を提供する。本発明の化合物には、その塩及び溶媒和物が含まれると理解される。一実施態様において、本発明の化合物は水和物である。一実施態様において、本発明の化合物は塩である。
環Aは、0から10のR置換基で置換された、5、6又は7員環の炭素環又はヘテロ環である(原子価が許容される場合)。特定の実施態様において、環Aは5-7員の炭素環である。特定の実施態様において、環Aは5-7員のヘテロ環である。特定の実施態様において、環Aのヘテロ環は、N、O、S、SO及びSOから選択される1から4のヘテロ原子を有している。一実施態様において、環Aは0から5のR置換基で置換されている。一実施態様において、環Aは1から3のR置換基で置換されている。特定の実施態様において、環Aは窒素含有5-員環である。特定の実施態様において、環Aはピロリジン、オキサゾリジン、ジオキソラン、ジオキサン、イミダゾリジン、ピラゾール、チアゾール、チアゾリジン、イソチアゾール、又はイソチアゾリジン環である。
特定の実施態様において、環Aは次の式:
Figure 2009520038
[上式中、R、R5’及びRはここに記載されたものである。点線は、環Aが縮合しているベンゼン環からの結合を表す]
からなる群から選択される。
特定の実施態様において、環Aは次の式:
Figure 2009520038
からなる群から選択される。
Xは、H、ヒドロキシル、ハロ、アミノ、ニトロ、アルキル又はハロアルキルである。一実施態様において、XはHである。他の実施態様において、Xはハロアルキル、例えばCFである。一実施態様において、XはOHである。一実施態様において、XはClである。一実施態様において、XはFである。
YはO、S又はNRであり、Rはここで記載したものである。一実施態様において、YはSである。一実施態様において、YはOである。一実施態様において、YはNRであり、ここでRはHである。一実施態様において、YはNRであり、Rはアルキルである。一実施態様において、YはNRであり、Rはメチルである。
Zは-NRC(O)-又は-C(O)NR-である。特定の実施態様において、Zは-NRC(O)-である。特定の実施態様において、Zは-C(O)NR-である。特定の実施態様において、Zは、それが結合しているベンゼン環のパラ位に位置している。特定の実施態様において、Zは、それが結合しているベンゼン環のオルト位に位置している。
は、アルキル、炭素環又はヘテロ環で、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ(=O)、アミノ、カルボキシル及びアルコキシで置換されていてもよいものである。特定の実施態様において、Rは、アルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールで、それぞれヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいものである。特定の実施態様において、Rはシクロプロピルである。特定の実施態様において、Rはアルキル、例えば第3級ブチルである。特定の実施態様において、Rはハロゲンで置換されていてもよいフェニルである。特定の実施態様において、Rはピリジルである。
は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、カルボキシルであり、又はRは、アルキル、アシル、アルコキシ又はアルキルチオで、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、チオン(=S)、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいものである。特定の実施態様において、Rは、アルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルチオ、アルコキシカルボニル又はアミノカルボニルである。特定の実施態様において、Rはハロゲンである。特定の実施態様において、Rはクロロである。特定の実施態様において、RはCFである。特定の実施態様において、Rはアルキルである。特定の実施態様において、Rはメチルである。
は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、オキソ、チオン、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、又は2つのR基は共同して、炭素環又はヘテロ環を形成し;ここで、該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。CH基は、末端CH基を含むアルキル鎖に沿った任意の位置で置き換えられていてもよく、そのケースで、置換基は先に炭素原子、続いて水素に結合していると理解されるであろう。例えばプロピル置換基におけるCH基は、以下種々の方法:-O-CH-CH、-CH-O-CH又は-CH-CH-O-Hにて、-O-で置き換えられていてもよい。また「アルキル基」とは、Rの定義における任意のアルキル基を称すると理解される。特定の実施態様において、Rはアルキル、オキソ又はチオンであり、ここでアルキル基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。特定の実施態様において、Rはアルキルであり、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。例えば、Rは、オキソ、チオン、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル又はアミノカルボニルで置換されていてもよいアルキルである。特定の実施態様において、Rはオキソである。特定の実施態様において、Rはチオンである。特定の実施態様において、Rはメチルである。特定の実施態様において、Rはエチルである。特定の実施態様において、Rはアリルである。特定の実施態様において、Rはイソプロピルである。特定の実施態様において、Rはプロピルである。特定の実施態様において、Rはエチルオキシカルボニルメチルである。特定の実施態様において、Rはカルボキシメチルである。特定の実施態様において、RはHである。他の特定の実施態様において、2つのR基は共同して、炭素環又はヘテロ環を形成する。他の特定の実施態様において、2つのR基はスピロ炭素環又はヘテロ環を形成する。
はいかなる場合も独立して、H、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、該アルキル基の一以上のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-NH-、又は-C(O)-で置き換えられていてもよく;該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環、又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよい。特定の実施態様において、RはH又はアルキルである。特定の実施態様において、RはHである。一実施態様において、Rはアルキルである。一実施態様において、Rはエチルである。一実施態様において、Rはメチルである。
及びR'は独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、オキソ、チオン、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、又はR及びR'は共同して、炭素環又はヘテロ環を形成し、ここで、該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。CH基は、末端CH基を含むアルキル鎖に沿った任意の位置で置き換えられていてもよく、そのケースで、置換基は先に炭素原子、続いて水素に結合していると理解されるであろう。例えばプロピル置換基におけるCH基は、以下種々の方法:-O-CH-CH、-CH-O-CH又は-CH-CH-O-Hにて、-O-で置き換えられていてもよい。また「アルキル基」とは、Rの定義における任意のアルキル基を称すると理解される。特定の実施態様において、R及びR'は独立して、H、又は置換されていてもよいアルキル、炭素環又はヘテロ環であり、ここで置換基は、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ及びメルカプトであり、該アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。特定の実施態様において、R及びR'は独立して、置換されていてもよい炭素環又はヘテロ環である。特定の実施態様において、R及びR'は独立して、置換されていてもよいアリール又はヘテロアリール環である。特定の実施態様において、R及びR'は独立して、H又はアルキルであり、該アルキル部分の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(S)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。特定の実施態様において、R及びR'は独立して、アルキル、例えばメチルである。特定の実施態様において、R及びR'は双方ともHである。特定の実施態様において、R及びR'は双方ともメチルである。特定の実施態様において、R及びR'は双方ともエチルである。特定の実施態様において、R及びR'は共同して、炭素環(すなわち、R及びR'が依存している炭素原子に対してスピロ)を形成している。特定の実施態様において、R及びR'は共同して、シクロペンタン環を形成する。
は、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、ここで該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。特定の実施態様において、Rは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよいアルキルであり、ここでアルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。CH基は、末端CH基を含むアルキル鎖に沿った任意の位置で置き換えられていてもよく、そのケースで、置換基は先に炭素原子、続いて水素に結合していると理解されるであろう。特定の実施態様において、Rはアルキルであり、ここでアルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい。例えばRは、オキソ、チオン、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル又はアミノカルボニルで置換されていてもよいアルキルである。特定の実施態様において、Rはメチルである。特定の実施態様において、Rはエチルである。特定の実施態様において、Rはアリルである。特定の実施態様において、Rはイソプロピルである。特定の実施態様において、Rはプロピルである。特定の実施態様において、Rはエチルオキシカルボニルメチルである。特定の実施態様において、Rはカルボキシメチルである。特定の実施態様において、RはHである。
mは0から10である。一実施態様において、mは0から5である。一実施態様において、mは1から5である。一実施態様において、mは2から5である。一実施態様において、mは3から5である。
nは0から5である。一実施態様において、nは0から3である。一実施態様において、nは0から2である。一実施態様において、nは0から1である。特定の実施態様において、nは1である。特定の実施態様において、nは0である。
一実施態様において、本発明の化合物は、次の一般式IIa:
Figure 2009520038
[上式中、X、Y、Z、R、R、R、R、R、R'及びnは、ここで記載したものであり、QはH、O、S又はNRであり、Rはここで記載したものである]
を有する。特定の実施態様において、QはOである。他の実施態様において、QはSである。特定の実施態様において、QはHである(すなわち、2つの水素原子が隣接する炭素原子からペンダントしている)。特定の実施態様において、QはNRであり、Rはここで記載したものである。特定の実施態様において、QはNRであり、RはHである。他の実施態様において、QはNRであり、Rはアルキルである。特定の実施態様において、QはNRであり、Rはメチルである。他の実施態様において、-NRC(O)-R部分は、それが結合しているベンゼン環のパラ位に存在する。他の実施態様において、-NRC(O)-R部分は、それが結合しているベンゼン環のオルト位に存在する。
一実施態様において、本発明の化合物は、次の一般式IIb:
Figure 2009520038
[上式中、X、Y、Z、R、R、R、R、R、R'及びnは、ここで記載したものであり、QはH、O、S又はNRであり、Rはここで記載したものである]
を有する。特定の実施態様において、QはOである。他の実施態様において、QはSである。特定の実施態様において、QはHである(すなわち、2つの水素原子が隣接する炭素原子からペンダントしている)。特定の実施態様において、QはNRであり、Rはここで記載したものである。特定の実施態様において、QはNRであり、RはHである。他の実施態様において、QはNRであり、Rはアルキルである。特定の実施態様において、QはNRであり、Rはメチルである。他の実施態様において、-C(O)NR-R部分は、それが結合しているベンゼン環のパラ位に存在する。他の実施態様において、-C(O)NR-R部分は、それが結合しているベンゼン環のオルト位に存在する。
本発明の化合物は、一以上の不斉炭素原子を有していてもよい。従って、化合物はジアステレオマー、エナンチオマー又はそれらの混合物として存在し得る。化合物の合成は、出発物質又は中間体として、ラセマート、ジアステレオマー又はエナンチオマーを使用してよい。ジアステレオマー化合物はクロマトグラフィー又は結晶化法により分離してもよい。同様に、エナンチオマー混合物は、同技術又は当該分野で公知の他の技術を使用して分離してもよい。各不斉炭素原子はR又はS配置に存在していてよく、これらの配置の双方が本発明の範囲内である。
また本発明は、ここで記載した化合物のプロドラッグも含む。適切なプロドラッグには、生理学的条件下で親化合物を生成するために、例えば加水分解されて放出される公知のアミノ-保護及びカルボキシ-保護基が含まれる。特定のクラスのプロドラッグは、アミノ、アミジノ、アミノアルキレンアミノ、イミノアルキレンアミノ又はグアニジノ基の窒素原子が、ヒドロキシ(OH)基、アルキルカルボニル(-CO-R)基、アルコキシカルボニル(-CO-OR)、アシルオキシアルキル-アルコキシカルボニル(-CO-O-R-O-CO-R)基で、Rが一価又は二価の基であり、上述の通りであるもの、又は式-C(O)-O-CP1P2-ハロアルキルを有する基で、P1及びP2は同一か又は異なっており、H、低級アルキル、低級アルコキシ、シアノ、低級ハロアルキル又はアリールであるもので置換された化合物である。特定の実施態様において、窒素原子は、本発明の化合物のアミジノ基の窒素原子の一つである。これらのプロドラッグ化合物は、上述した本発明の化合物と活性化アシル化合物とを反応させ、本発明の化合物中の窒素原子を活性化アシル化合物のカルボニルに結合させることで調製される。適切な活性化カルボニル化合物はカルボニル炭素に結合した良好な脱離基を有しており、アシルハロゲン化物、アシルアミン類、アシルピリジニウム塩、アシルアルコキシド、特にアシルフェノキシド、例えばp-ニトロフェノキシアシル、ジニトロフェノキシアシル、フルオロフェノキシアシル、及びジフルオロフェノキシアシルを含む。反応は一般的に発熱反応で、例えば-78から約50℃の低い温度にて不活性溶媒中で行われる。反応は通常は無機塩基、例えば炭酸カリウム又は重炭酸ナトリウム、あるいは有機塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン等を含むアミンの存在下で行われる。
式Iの特定の化合物には、次の式:
Figure 2009520038
Figure 2009520038
Figure 2009520038
Figure 2009520038
Figure 2009520038
Figure 2009520038
Figure 2009520038
のものが含まれる。
合成
本発明の化合物は、商業的に入手可能な出発物質及び試薬から、標準的な有機合成技術を使用して調製される。使用される合成手順は、存在している特定の置換基に依存しており、次の一般スキームには例証しない場合を除いて、有機合成において標準とされる種々の保護及び脱保護工程が必要であると理解される。YがNHである本発明の化合物は、一般合成スキーム1に従い調製されてよく、ここで、環A、X、Z、R、R、R、R、m及びnはここで記載したものである。
Figure 2009520038
スキーム1においては、アニリンaと2,4-ジクロロピリミジンbとを反応させることで、クロロ中間体cが付与される。ついで、クロロ中間体cをアミンeにカップリングさせて、最終生成物dが付与される。
YがOである本発明の化合物は、一般合成スキーム2に従い調製されてよく、ここで、環A、X、Z、R、R、R、R、m及びnはここで記載したものである。
Figure 2009520038
スキーム2においては、フェノキシaと2,4-ジクロロピリミジンbとを反応させることで、クロロ中間体cが付与される。ついで、クロロ中間体cをアミンdにカップリングさせて、最終生成物eが付与される。
一実施態様において、YがNHである式IIbの化合物は、一般スキーム3に従い調製されてよい。
Figure 2009520038
一実施態様において、YがOである式IIbの化合物は、一般スキーム3に従い調製されてよい。
Figure 2009520038
式IIa及びIIbの化合物には、適切にクロロ-置換されたピリミジン部分と、対応するアミン-置換された二環とをカップリングさせることにより調製され得る二環部分(例えば、置換されたインドール又はインドロン)が組み込まれている。アミン-置換された二環は、以下のスキーム5のもののような、標準的な有機合成反応を使用し、商業的に入手可能な出発化合物から調製されてよい。
Figure 2009520038
スキーム5において、Q、R、R及びR5'はここで記載したものであり、Wはハロゲン、例えばI、Br又はClである。出発化合物aを硝酸及び硫酸と反応させてニトロ化することで、bが付与される。R置換基は、bとハロ-置換されたR(例えばR-I)及びNaHとを反応させることで導入され、cが付与され、続いて、例えばパラジウム触媒を用いて還元することで、アミンdが付与される。
(有用性)
本発明の化合物は、オーロラキナーゼのシグナル伝達、特にオーロラキナーゼのリン酸化を阻害する。従って、本発明の化合物は、オーロラキナーゼの異常なシグナル伝達、過剰発現及び/又は増幅に関連した全ての疾患を阻害するのに有用である。また本発明の化合物は、細胞周期のG2期において、細胞を停止させるのに有用である。特に本化合物は、オーロラキナーゼの異常なシグナル伝達、増幅及び/又は過剰発現に関連した癌を治療するのに使用することができる。このような癌型の例には、神経芽細胞種、腸癌腫、例えば直腸癌、結腸癌、家族性大腸腺腫症癌、及び遺伝性非ポリポーシス大腸癌、食道癌、***癌、咽頭癌、下咽頭癌、舌癌、唾液腺癌、胃癌、腺癌、甲状腺髄様癌、甲状腺乳頭癌、腎臓癌、腎実質癌、卵巣癌、頸部癌、子宮体癌、子宮内膜癌、絨毛癌、膵癌、前立腺癌、精巣癌、乳癌、尿癌(urinary carcinoma)、黒色腫、脳腫瘍、例えば神経膠芽腫、星細胞腫、髄膜腫、髄芽腫、及び末梢神経外胚葉性腫瘍、ホジキンリンパ腫、非-ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、成人T細胞白血病リンパ腫、肝細胞癌、胆嚢癌、気管支癌、小細胞肺癌、非-小細胞肺癌、多発性骨髄腫、基底細胞腫、奇形腫、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、精上皮腫、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫、骨肉腫、軟骨肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫、及び形質細胞腫が含まれる。特に、本発明の化合物は、結腸直腸癌、卵巣癌、胃癌、乳癌(例えば浸潤性導管腺癌)、腎癌、子宮頸癌、メラノーマ、リンパ腫、膀胱癌、膵癌、前立腺癌、肺癌、CNS(例えば)、子宮頸癌及び白血病を治療するのに有用である。
本化合物は、放射線治療、又は細胞増殖抑制剤又は抗悪性腫瘍剤による化学療法の前、同時又は後に投与されてよい。適切な細胞増殖抑制剤による化学療法用化合物には、限定されるものではないが、(i)代謝拮抗剤、例えばシタラビン、フルダラビン、5-フルオロ-2'-デオキシウイリジン(uiridine)、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素又はメトトレキサート;(ii)DNA-断片化剤、例えばブレオマイシン、(iii)DNA-架橋剤、例えばクロランブシル、シスプラチン、シクロホスファミド又はナイトロジェンマスタード;(iv)挿入剤、例えばアドリアマイシン(ドキソルビシン)又はミトキサントロン;(v)タンパク質合成インヒビター、例えばL-アスパラギナーゼ、シクロヘキシミド、ピューロマイシン又はジフテリア毒素;(vi)トポイソメラーゼI毒素、例えばカンプトテシン又はトポテカン;(vii)トポイソメラーゼII毒素、例えばエトポシド(VP-16)又はテニポシド;(viii)微小管-定方向剤(microtubule-directed agents)、例えばコルセミド、コルヒチン、パクリタキセル、ビンブラスチン又はビンクリスチン;(ix)キナーゼインヒビター、例えばフラボピリドール(flavopiridol)、スタウロスポリン、STI571(CPG 57148B)又はUCN-01(7-ヒドロキシスタウロスポリン);(x)種々の治験薬、例えばチオプラチン(thioplatin)、PS-341、フェニルブチラート、ET-18-OCH、又はファルネシルトランスフェラーゼインヒビター(L-739749、L-744832);ポリフェノール類、例えばケルセチン、リスベラトロール、ピセタノール、没食子酸エピガロカテキン、テアフラビン、フラバノール、プロシアニジン、ベツリン酸及びその誘導体;(xi)ホルモン類、例えばグルココルチコイド類又はフェンレチニド(fenretinide);(xii)ホルモンアンタゴニスト、例えばタモキシフェン、フェナステリド、又はLHRHアンタゴニストが含まれる。特定の実施態様において、本発明の化合物は、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソール、タキソテール、及びマイトマイシンCからなる群から選択される細胞増殖抑制化合物と同時投与される。特定の実施態様において、細胞増殖抑制化合物はドキソルビシンである。
本発明の化合物は、アポトーシスを誘発する他の化合物、例えばデスレセプターに対するリガンド(「デスレセプターアゴニスト」)と同時投与されてよい。このようなデスレセプターアゴニストには、デスレセプターリガンド、例えば腫瘍壊死因子a(TNF-α)、腫瘍壊死因子β(TNF-β、リンホトキシン-β)、LT-β(リンホトキシン-β)、TRAIL(Apo2L、DR4リガンド)、CD95(Fas、APO-1)リガンド、TRAMP(DR3、Apo-3)リガンド、DR6リガンド、並びに任意の該リガンドの断片及び誘導体が含まれる。一実施態様において、デスレセプターリガンドはTNF-αである。特定の実施態様において、デスレセプターリガンドはApo2L/TRAILである。さらに、デスレセプターアゴニストは、デスレセプターに対するアゴニスト抗体、例えば抗-CD95抗体、抗-TRAIL-R1(DR4)抗体、抗-TRAIL-R2(DR5)抗体、抗-TRAIL-R3抗体、抗-TRAIL-R4抗体、抗-DR6抗体、抗-TNF-R1抗体、及び抗-TRAMP(DR3)抗体、並びに任意の該抗体の断片及び誘導体を含む。
本発明の化合物は、放射線治療と組合せて使用することができる。「放射線治療」なる用語は、異常増殖の治療に、電磁気又は微粒子放射線を使用することを称する。放射線治療は、標的領域に送達される高線量の放射線により、腫瘍及び正常組織の双方において再生細胞を死亡させるという原則に基づく。線量投与計画は、放射線吸収量(rad)、時間及び分割に関して一般的に定められており、腫瘍学者により注意深く定められなくてはならない。患者が受容する放射線の量は種々の検討材料に依存するが、最も重要な2つの検討材料は、体の他の重要な構造体又は器官に対する腫瘍の位置と、腫瘍の広がり程度である。放射線治療剤の例は、限定されるものではないが、放射線治療において提供されるものであり、当該技術(Hellman、Principles of Radiation Therapy、Cancer、Principles I及びPractice of Oncology、24875 (Devitaら、4th ed.、vol 1、1993)において公知である。放射線治療における近年の進歩には、3次元原体外照射、強度変調放射線治療(IMRT)、定位放射線照射及び近接放射療法(組織内照射治療)が含まれ、後者は、インプラントされる「種」として、腫瘍に直接放射線源が配される。これらの新規な治療法により、より多くの線量の放射線が腫瘍に送達せしめられ、標準的な外照射療法と比較した場合に、それらの効果が増大する原因となっている。
ベータ-放出放射性核種を有する電離放射線は、電離粒子(電子)の中程度の線エネルギー付与(LET)及びその中距離(典型的には組織においては数ミリメートル)の故に、放射線治療への応用において最も有用であると思われる。ガンマ線は、より長い距離において低レベルの線量を送達する。アルファ粒子は全く正反対で、非常に高いLET線量を送達するが、極度に制限された範囲を有し、よって、処置される組織の細胞と密接に接触させなければならない。さらに、アルファ放射体は一般的に重金属であり、実施可能な化学は限定され、処置される領域から放射性核種が漏出する危険性も存在する。処置される腫瘍に応じて、全種類の放射体が、本発明の範疇に入ると考えられる。
さらに、本発明は非電離放射線のタイプ、例えば紫外線(UV)、高エネルギーの可視光線、マイクロ波照射(温熱治療)、赤外線(IR)及びレーザーを含む。本発明の特定の実施態様においては、UV線が適用される。
また本発明は、本発明の化合物と、治療用の不活性な担体、希釈剤又は賦形剤を含有する製薬用組成物又は医薬、並びにこのような組成物及び医薬を調製するための、本発明の化合物の使用方法を提供する。典型的には、本発明の方法に使用される式Iの化合物は、周囲温度、適切なpHで、所望する純度にて、生理学的に許容可能な担体、すなわち生薬投与形態に使用される用量及び濃度でレシピエントに無毒な担体と混合することにより処方される。製剤のpHは、主として化合物の濃度及び特定の用途に依存するが、いずれでも約3〜8の範囲であってよい。適切な実施態様においては、pH5の酢酸バッファー中で処方される。一実施態様において、ここで使用される阻害化合物は滅菌されている。通常、化合物は固体組成物として保管されるが、凍結乾燥された製剤又は水溶液も許容可能である。
本発明の組成物は、良好な医療行為と一致した様式にて、処方、服用及び投与されるであろう。ここで考慮される要因には、治療される特定の疾患、治療される特定の哺乳動物、患者個人の病状、疾患の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医者に公知の他の要因が含まれる。投与される化合物の「有効量」は、このような考慮により決定され、オーロラキナーゼのシグナル伝達を阻害するのに必要な最小量である。このような量は、概して、正常細胞又は哺乳動物に対して毒となる量以下である。また、本発明の化合物の「有効量」は、癌細胞の増殖を阻害するのに必要な量、又は腫瘍の成長を阻害するのに必要な量であってよい。一般的に、一回当たりに非経口投与される本発明の化合物の当初の製薬的有効量は、一日当たり患者の体重に対して約0.01〜1000mg/kg、例えば約0.1〜100mg/kgの範囲であり、使用される化合物の典型的な当初の範囲は、0.3〜50mg/kg/日である。経口単位用量形態、例えば錠剤及びカプセルは、本発明の化合物を約0.5〜約1000mg含有していてよい。
本発明の化合物は、経口、局所、経皮、非経口、皮下、腹膜内、肺内、及び鼻孔内、局部的治療が所望されている場合は病巣内部への投与を含む、任意の適切な手段により投与されてよい。非経口的注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹膜内、又は皮下投与が含まれる。適切な経口投与形態の例は、約25mg、50mg、100mg、250mg又は500mgの本発明の化合物と、約90〜30mgの無水ラクトース、約5〜40mgのクロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウム、約5〜30mgのポリビニルピロリドン(PVP)K30、及び約1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを混合して含有する錠剤である。パウダー状の成分をまず最初に混合し、次にPVPの溶液と混合する。得られた組成物を乾燥させ、粒化し、ステアリン酸マグネシウムと混合し、従来からの装置を使用して錠剤の形態に圧密化する。エアゾール製剤は、リン酸バッファー等の適切なバッファー溶液に、例えば5〜400mgの本発明の化合物を溶解させ、所望するならば、塩類、例えば塩化ナトリウム等の浸透圧剤(tonicifier)を添加することにより調製することができる。典型的には、溶液は、例えば0.2ミクロンのフィルターを使用して濾過され、不純物及び汚染物が除去される。
実施例
本発明は、次の実施例を参照することにより、さらに十分に理解されるであろう。しかしながら、それらは本発明の範囲を制限すると解釈されるものではない。試薬及び溶媒は商業的供給源から得、入手して使用した。ISCOクロマトグラフィーとは、Teledyne-Isco、Inc. Lincoln、Nebraskaによるコンピュータシステムにおける、プレ-パックされたシリカゲルカラムの使用を称する。全ての化合物の同一性及び純度を、LCMS及びH NMR分析によりチェックした。
ここで使用される略語は以下の通りである:
ACN:アセトニトリル;
Chg:シクロヘキシルグリシン;
DCM:ジクロロメタン;
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン;
DME:1,2-ジメトキシエタン;
DMF:ジメチルホルムアミド;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
EDC:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;
EEDQ:2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン;
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析
LHMDS:リチウムヘキサメチルジシラジド(lithium hexamethyldisylazide);
HATU:O-(7-アゾベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート;
HOBt:N-ヒドロキシベンゾトリアゾール;
HBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチル-ウロニウムヘキサフルオロホスファート;
HPLC:高速液体クロマトグラフィー;
NBS:N-ブロモスクシンアミド;
TASF:トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリカート;
TEA:トリエチルアミン;
TFA:トリフルオロ酢酸;
THF:テトラヒドロフラン。
実施例1 5-アミノ-1-エチル-3,3-ジメチルインドリン-2-オン
Figure 2009520038
Robertsonら(J. Med. Chem. 29(10) 1832-1840 (1986))により記載された手順に従い調製された化合物a(38.4g)を、機械的攪拌を用いて300mlの濃硫酸に溶解させ、攪拌が困難になるまで、−40℃の冷却浴を使用して冷却した。10.1mlの発煙硝酸と50mlの濃硫酸の溶液を滴下し、反応体を12時間攪拌しつつ、周囲温度まで温めた。反応混合物を氷冷水に注ぎ、濾過により化合物bを収集し、乾燥させた(収率:31g)。
化合物b(9.38g)を100mlのDMFに溶解させ、25mlのDMFに水素化ナトリウム(2g)が入った攪拌懸濁液に滴下した。水素放出が停止した時に、4mlのヨウ化エチルを添加し、tlcにより反応が完了するまで、反応混合物を攪拌した。反応体は酢酸エチルと水の間に分配された。有機抽出物を濃縮し、粗化合物cをエーテル/ヘキサンから再結晶させた(収率:8.52g)。
18時間攪拌しつつ、100mlのメタノールに1gの10%Pd/C触媒が入った懸濁液において、1気圧の水素下、化合物c(8.25g)を還元した。濾過により触媒を除去し、溶媒を蒸発させたところ、5.8gの化合物d(5-アミノ-1-エチル-3,3-ジメチルインドリン-2-オン)が付与された。
実施例2 5-アミノ-1,3-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2(3H)-オン
Figure 2009520038
DMF(10ml)を、N下、100mLの丸底フラスコにおいて、0.6gの60%NaH(15.12mM)に添加した。10mLのDMFに1.29gの5-ニトロ-2-ベンズイミダゾリノン(7.20mM)が入ったものをフラスコに添加し、10mL以上のDMFで洗浄した。溶液を25分攪拌し、10.22gのMeI(72mM)を添加し、ついでさらに3時間攪拌した。HCl(200mL、1M)を溶液に添加し、ついでEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO上で乾燥させ、真空で濃縮し、ヘキサン中に0〜100%のEtOAcにてフラッシュさせたところ、1.4gの1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2(3H)-オン(93%の収率)が付与された。
Figure 2009520038
1.4gの1,3-ジメチル-5-ニトロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2(3H)-オンを、100mLのEtOHと100uLの濃HClに懸濁させ、2さじの10%Pd/Cを添加し、Hバルーンを取り付け、一晩攪拌した。ついで、溶液をセライトを通して濾過し、真空で濃縮したところ、1.27gのアミン-5-アミノ-1,3-ジメチル-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2(3H)-オン(106%の収率)が付与された。
実施例3 2-(5-アミノ-3,3-ジメチル-2-オキソインドリン-1-イル)酢酸メチル
Figure 2009520038
20mLのDMFを、N下、250mLの丸底フラスコにおいて、0.87gの95%NaH(34.47mM)に添加した。ついで、30mLのDMFに6.46gのオキシインドール(31.34mM)が入ったものを添加した。溶液を20分攪拌し、それに5.27gのメチルブロモアセタート(34.47mM)を添加し、朝まで攪拌した。真空で濃縮した後、200mLの1M HClを添加し、ついで、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空で濃縮し、ヘキサン中に0〜50%のEtOAcにてフラッシュさせたところ、8.14gの2-(3,3-ジメチル-5-ニトロ-2-オキソインドリン-1-イル)酢酸メチル(93%の収率)が生じた。
Figure 2009520038
2.3gの2-(3,3-ジメチル-5-ニトロ-2-オキソインドリン-1-イル)酢酸メチル(8.3mM)を、100mLのEtOH、0.2mLの濃HClに懸濁させ、約100mgの10%Pd/Cを添加し、Hバルーンを取り付け、反応体を朝まで攪拌した。ついで、溶液をセライトを通して濾過し、真空で濃縮したところ、2-(5-アミノ-3,3-ジメチル-2-オキソインドリン-1-イル)酢酸メチル(98%の収率)が付与された。
実施例4 5-アミノ-1,3,3-トリエチルインドリン-2-オン
Figure 2009520038
水素化ナトリウム(油中に60%の分散液、4.8g)を、ヘキサンを用いて粉末にし、2回デカントし、油を除去し、ついで攪拌しつつ30mlの無水DMFに懸濁させ、0℃まで冷却した。148mlの無水DMFに10gのN-アセチルオキシインドールaが入った溶液を、1時間以上かけて滴下した。水素放出が停止した時に、11mlのヨードエタンを10分以上かけて添加した。反応混合物を放置して室温まで温め、tlcにより完了した時に氷冷水に注ぎ、酢酸エチルを用いて生成物を抽出した。酢酸エチル溶液を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、シリカにおける自動フラッシュクロマトグラフィーにより生成物を精製したところ、無色の油として、13.2gの化合物bが付与された。
白色沈殿物が形成され、tlcが反応が完了したことを示した2時間、化合物b(8.43g)を6N HClにおいて還流した。反応混合物を冷却し、沈殿物を減圧濾過により収集し、水で洗浄し、乾燥させたところ、白色の固形物として、6.39gの化合物cが付与された。
化合物c(6.37g)を52mlの硫酸に懸濁させ、ドライアイス/アセトニトリル浴において機械的に攪拌しつつ、粘性が出るまで冷却した。10.5mlの硫酸に1.43mlの発煙硝酸が入った溶液を、10分以上かけて添加した。反応体を放置して室温まで温めた。6時間後、反応混合物を氷に注ぎ、沈殿した生成物を減圧濾過にて収集した。生成物を水で2回洗浄し、真空乾燥させたところ、7.58gの化合物dが付与された。
化合物d(3.46g)を、41mlのDMFに9.64gの炭酸セシウムと1.78mlのヨードエタンが入ったものと組合せ、80℃で6時間攪拌した。さらに1.0mlのヨードエタンを添加し、一晩攪拌しつつ、反応混合物を80℃で維持した。反応体を冷却し、濾過し、ついで、酢酸エチルと水の間に分配し、ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮したところ、黄色の固形物として、1.76gの化合物eが付与された。
化合物e(1.2g)を、16時間、メタノール(12ml)に10%Pd/Cが入ったものにおいて、1気圧の水素(バルーン)にて還元した。濾過により触媒を除去し、濃縮した生成物をヘキサン及び酢酸エチルから再結晶させたところ、褐色の固形物として、0.325gの化合物f(5-アミノ-1,3,3-トリエチルインドリン-2-オン)が付与された。
実施例5 5-アミノ-1-イソプロピル-3,3-ジメチルインドリン-2-オン
Figure 2009520038
化合物a(1.37g)を20mlのDMFに溶解させ、窒素下、0℃で攪拌しつつ冷却した。水素化ナトリウム(239mg)、20分後に4.1mlの2-ブロモプロパンを添加した。反応混合物を4時間、60℃まで温め、ついで濃縮し、酢酸エチルと10%クエン酸の間に分配させた。有機相をブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカにおける自動フラッシュクロマトグラフィーにより精製したところ、1.8gの化合物bが付与された。
化合物b(1.8g)を、2時間、10%パラジウム炭上で、50mlのメタノールと10mlに酢酸において、水素(バルーン)にて還元した。セライトを通して濾過することにより触媒を除去した。溶媒を蒸発させたところ、1.8gの化合物c(5-アミノ-1-イソプロピル-3,3-ジメチルインドリン-2-オン)が付与された。
実施例6 5-アミノ-1-イソブチル-3,3-ジメチルインドリン-2-オン
Figure 2009520038
化合物a(1.0g)を25mlの無水DMFに溶解させ、0℃まで冷却し、脱気し、窒素で覆った。水素化ナトリウム(175mg)を添加し、反応混合物を30分攪拌した。イソブルチル(bultyl)ブロミド(3.99g)を添加し、一晩攪拌しつつ、反応混合物を放置して周囲温度まで温めた。TLCは反応が完了したことを示し、混合物を濃縮し、10%クエン酸と酢酸エチルの間に分配させた。有機相を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、濃縮したところ、褐色の油として、1.19gの化合物bが付与された。
化合物b(1.19g)を、メタノール及び5%酢酸に10%Pd/Cが入ったものを用い、1気圧の水素下で還元した。触媒を濾過し、溶媒を蒸発させたところ、褐色の油として、0.99gの化合物c(5-アミノ-1-イソブチル-3,3-ジメチルインドリン-2-オン)が付与された。
実施例7 1-(2-(2-メトキシエトキシ)エチル)-5-アミノ-3,3-ジメチルインドリン-2-オン
Figure 2009520038
化合物a(1.0g)を25mlの無水DMFに溶解させ、脱気し、0℃まで冷却した。水素化ナトリウム(175mg)を添加し、反応体を30分攪拌した。1-ブロモ-2-(2-メトキシエトキシ)エタン(3.26ml)を添加し、反応体を3時間攪拌した。反応混合物を10%クエン酸に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。有機相を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ、濾過し、濃縮したところ、精製することなく使用される1.52gの粗物bが付与された。
化合物b(1.52g)を、10/1のメタノール/酢酸に10%Pd/Cが入ったものを用い、1気圧の水素下、2.5時間還元した。触媒を濾過により除去し、濾液を濃縮したところ、1.72gの化合物c(1-(2-(2-メトキシエトキシ)エチル)-5-アミノ-3,3-ジメチルインドリン-2-オン)が付与された。
実施例8 6-アミノ-3-エチルベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-オン
Figure 2009520038
カルバマートbを、John H.Musserら(J.Med.Chem. 1985, 28, 1255-1259)に記載の手順に従い調製した。
カルバマートb(1.29g、7.17mmol)をDMF(18ml)に溶解させ、DMF(18ml)に水素化ナトリウム(0.60g)が入った冷懸濁液に滴下した。水素放出が停止した時に、ヨウ化エチル(1.7ml、21.5mmol)を添加し、反応混合物を室温で一晩攪拌した。反応混合物をHOでクエンチし、EtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、NaSO 上で乾燥させた。溶媒を真空で除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル、ヘキサン中に0→50%のEtOAc、勾配溶離)にかけたところ、c(661mg、44%)が提供された。
18時間攪拌しつつ、メタノール(7ml)に10%Pd/C触媒(1g)が入った懸濁液において、1気圧の水素下、ニトロ化合物c(661mg、3.18mmol)を還元した。触媒を濾過により除去し、溶媒を蒸発させたところ、アミンd(6-アミノ-3-エチルベンゾ[d]オキサゾール-2(3H)-オン)(530mg)が付与された。
実施例9 化合物18
Figure 2009520038
100mlの丸底フラスコに、塩化ピリミジンa(1.67g、10mmol)、続いてフェノールb(1.77g、10mmol)、無水炭酸カリウム(2.76g、20mmol)、及びDMF(10ml)を充填した。反応が完了した時に、混合物を23℃で2時間攪拌した。混合物を100mlのdHOで希釈したところ、白色の懸濁液が付与され、それを濾過した。白色のケーキをさらに50mlのdHOで洗浄し、50mlの無水メタノール、ついで50mlの無水トルエンから共沸させたところ、純粋な生成物cが付与された。
c(H NMR、CDCl)δ(ppm):8.44(d,J=2.0Hz,1H)、7.93(d,J=8.8Hz,2H)、7.27(d,J=8.7Hz,2H)、2.86(m,1H)、0.84(s,6H)、0.68(m,2H)。
Figure 2009520038
攪拌棒を具備した10mlのマイクロ波チューブに、c(46mg、0.15mmol)、続いてd(53mg、0.3mmol、2.0当量)、N-メチルピロリジノン(0.4ml)、及び1,4-ジオキサン(2.0ml)を充填した。ついで、1,4-ジオキサン(2.0当量)に0.05mlの4N HClが入った溶液を、1回で添加した。チューブを密封し、LCMSにより分析して反応が完了した時に、100℃の油浴で14時間加熱した。ロータリーエバポレータを介して混合物を濃縮し、揮発性溶媒を除去し、得られたオレンジ色の粘度の高い油をrpHPLC(0-100%のアセトニトリル/HO)により精製したところ、化合物18 N-シクロプロピル-4-(5-フルオロ-2-(1,3,3-トリメチル-2-オキソインドリン-5-イルアミノ)ピリミジン-4-イルオキシ)ベンズアミドが付与された。
(H NMR、CDCl)δ(ppm):8.13(d,J=3.2Hz,1H)、7.89(d,J=8.7Hz,2H)、7.28(d,J=8.6Hz,2H)、7.12(d,J=8.0Hz,1H)、6.61(d,J=8.0Hz,1H)、6.49(s,1H)、2.94(s,3H)、2.91(m,1H)、1.19(s,6H)、0.90(m,2H)、0.63(m,2H)。
最終工程で適切なアミンを使用し、類似した方法を使用して、化合物1、9、14、27及び51を調製した。また、最終工程で、適切なアミンとフェノールbとして4-ヒドロキシ-N-(ピリジン-2-イル)ベンズアミドを使用し、類似した方法で、化合物56、57及び59を調製した。
実施例10 N-(2-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イルアミノ)フェニル)-シクロプロパンカルボキシアミド
Figure 2009520038
500mLの丸底フラスコに、5-クロロウラシルa(25.0g、170mmol、1.0当量)及び塩化ホスホリル(159mL、1.7mol、10当量)を充填した。反応管にvigoreauxカラムを備え付け、続いて、1分以上かけて、ジイソプロピルエチルアミン(59mL、340mmol、2.0当量)を注意深く添加した。ジイソプロピルエチルアミンの添加中、白色の煙霧の発生が観察された。ついで、反応体を110℃まで加熱し、3時間攪拌した。反応体を周囲温度まで冷却し、褐色の粗油になるまで真空で濃縮した。残留した油を氷片、ついで冷水(100mL)を注意深く添加することによりクエンチした。水性混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機相をブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮したところ、黄色の粗油が生じた。粗油をシリカゲルクロマトグラフィー、0-10%のEtOAc/ヘキサンで精製したところ、無色の油として、2,4,5-トリクロロピリミジンb(21.4g、69%)が提供された。
1Lの丸底フラスコに、1,2-フェニレンジアミン(20.0g、185mmol、1.0当量) トリエチルアミン(27.8mL、200mmol、1.08当量)及びDMF(372mL、0.05M)を充填した。攪拌溶液に、2-tert-ブトキシカルボニルオキシアミノ)-2-フェニルアセトニトリル(49.2g、200mmol、1.08当量)を添加した。ついで、反応が完了したと思われる時に、55℃の油浴にて、反応体を12時間攪拌した。反応体を周囲温度まで冷却し、溶液をトルエン(300mL)とブライン(300mL)の間に分配させた。有機相を1.0N NaOH(水溶液)(2x250mL)及びブライン(250mL)で抽出した。有機相を無水MgSO4上で乾燥させ、濾過し、褐色の油性固形物になるまで真空で濃縮した。粗固形物を1:1のクロロホルム:ヘキサンから再結晶させたところ、オフホワイトの結晶性固形物として、tert-ブチル-2-アミノフェニルカルバマートc(13.6g、38%)が提供された。
500mLの丸底フラスコに、2,4,5-トリクロロピリミジンb(11.9g、64.9mmol、1.0当量)、ジイソプロピルエチルアミン(22.6mL、129.8mmol、2.0当量)、及びエタノール(238mL、0.275M)を充填した。攪拌溶液に、tert-ブチル-2-アミノフェニルカルバマートc(13.6g、64.9mmol、1.0当量)を添加した。ついで、反応が完了したと思われる時に、85℃の油浴にて、得られた溶液を12時間攪拌した。反応体を周囲温度まで冷却し、HO(100mL)を用いて粉末にしたところ、白色の固形物として、tert-ブチル-2-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イルアミノ)フェニルカルバマートdの沈殿が起こった。減圧濾過を介して固形物を収集し、ついで一定重量(21.1g、91.5 %)になるまで乾燥させた。
250mLの丸底フラスコに、化合物d(21.1g、59.4mmol、1.0当量)と1,4-ジオキサン(74mL、0.8M)に4N HClが入ったものを充填した。得られた均質溶液を周囲温度で2時間攪拌した。粗反応体を真空で濃縮したところ、HCl塩の形態で白色の固形物として、N-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)ベンゼン-1,2-ジアミンe(19.8g、>99%)が提供された。
1Lの丸底フラスコに、N1-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イル)ベンゼン-1,2-ジアミンe(19.8g、60.4mmol、1.0当量)、ジクロロメタン(431mL、0.14M)、及びジイソプロピルエチルアミン(15.8mL、90.5mmol、1.5当量)を充填した。攪拌した均質溶液に、シクロプロパンカルボニルクロリド(6.6mL、72.4mmol、1.20当量)を添加した。反応が完了したと思われるまで、得られた均質溶液を周囲温度で12時間攪拌した。ベージュ色の油になるまで、粗溶液を真空で濃縮した。メタノール(50mL)及びHO(150mL)を用いて、油を粉末にすると、白色の沈殿固形物が生じた。減圧濾過を介して固形物を収集し、真空下、80℃で一晩乾燥させたところ、N-(2-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イルアミノ)フェニル)-シクロプロパンカルボキシアミドg(16.8g、85.9 %)が提供された。
実施例9と類似した手順を使用し、適切なアミンと化合物gとを反応させると、最終化合物16、32、39、40、41及び42が付与される。最終工程で、適切なアミンと酸塩化物fとして塩化ピバロイルを使用することを除き、類似した手順を使用して、化合物60を調製した。
実施例11 2-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イルアミノ)-N-シクロプロピルベンズアミド
Figure 2009520038
500mLの丸底フラスコに、5-クロロウラシルa(25.0g、170mmol、1.0当量)及び塩化ホスホリル(159mL、1.7mol、10当量)を充填した。反応管にvigoreauxカラムを備え付け、続いて、1分以上かけて、ジイソプロピルエチルアミン(59mL、340mmol、2.0当量)を注意深く添加した。ジイソプロピルエチルアミンの添加中、白色の煙霧の発生が観察された。ついで、反応体を110℃まで加熱し、3時間攪拌した。反応体を周囲温度まで冷却し、褐色の粗油になるまで真空で濃縮した。残留した油を氷片、ついで冷水(100mL)を注意深く添加することによりクエンチした。水性混合物をジエチルエーテルで抽出し、有機相をブラインで洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮したところ、黄色の粗油が生じた。粗油をシリカゲルクロマトグラフィー、0-10%のEtOAc/ヘキサンで精製したところ、無色の油として、2,4,5-トリクロロピリミジンb(21.4g、69%)が提供された。
1Lの丸底フラスコに、2-アミノ安息香酸c(25.0g、182mmol、1.0当量)及び1:1のTHF:HO溶液(364mL、0.5M)を充填した。得られた均質混合物を、2N NaOH(水溶液)を添加することにより、pH10に調節した。ジ-tertブチルジカルボナート(43.7g、200mmol、1.1当量)を反応体に添加し、得られた均質溶液を周囲温度で一晩攪拌した。ロータリーエバポレータを介してTHFを除去した後、15%クエン酸を添加することにより、水溶液をpH4に調節すると、白色の結晶性固形物として、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸dの沈殿が生じた。減圧濾過を介して結晶性固形物を収集し、ついで、真空オーブンで乾燥させた(36.0g、88%)。
500mLの丸底フラスコに、2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)安息香酸d(10.0g、42.2mmol、1.0当量)及び211mLのDMF(0.2M)を充填した。得られた均質溶液に、ジイソプロピルエチルアミン(8.8mL、50.6mmol、1.2当量)及びHATU(17.6g、46.4mmol、1.1当量)を添加した。得られた均質溶液を周囲温度で5分攪拌し、続いてシクロプロピルアミン(5.8mL、84.4mmol、2.0当量)を添加した。得られた溶液を周囲温度で1時間攪拌した。粗反応体を、酢酸エチルと飽和重炭酸ナトリウム(2x)の間に分配させた。組合せた有機相をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濾過し、シリカゲル上で直接、真空にて濃縮した。粗生成物を、シリカゲルクロマトグラフィー、10-50%のEtOAc/ヘキサンで精製したところ、白色の固形物として、tert-ブチル-2-(シクロプロピルカルバモイル)フェニルカルバマートe(8.6g、74%)が提供された。
100mLの丸底フラスコに、tert-ブチル-2-(シクロプロピルカルバモイル)-フェニルカルバマートe(8.6g、31.1mmol、1.0当量)及び 1,4-ジオキサン(50mL、0.6M、6.5当量)に4N HClが入ったものを充填した。得られた均質溶液を周囲温度で2時間攪拌した。粗反応体を真空で濃縮したところ、HCl塩の形態で白色の固形物として、2-アミノ-N-シクロプロピルベンズアミドf(6.7g、>99%)が提供された。
500mLの丸底フラスコに、2-アミノ-N-シクロプロピルベンズアミドf(6.7g、38.4mmol、1.0当量)、ジイソプロピルエチルアミン(13.4mL、76.8mmol、2.0当量)、及びエタノール(140mL、0.275M)を充填した。得られた均質懸濁液に、2,4,5-トリクロロピリミジンb(6.9g、38.4mmol、1.0当量)を添加した。得られた溶液を油浴にて、85℃で一晩攪拌した。反応体を周囲温度まで冷却し、水(100mL)で処理すると、白色の固形物として、2-(2,5-ジクロロピリミジン-4-イルアミノ)-N-シクロプロピルベンズアミドgの沈殿が生じた。減圧濾過を介して白色の固形物を収集し、ついで、真空オーブンで乾燥させた(7.5g、61%)。
実施例9と類似した手順に従い、適切なアミンと化合物gとを反応させると、化合物43、44、45、46及び48が付与された。化合物cとして4-アミノ安息香酸を使用し、シクロプロピルアミンの代わりに2-クロロアニリンと得られたBoc-保護中間体とを反応させ、適切なアミンとgに対応する得られた中間体とを反応させることを除き、類似した手順に従い、化合物4、21及び24を調製した。
実施例12 化合物37
Figure 2009520038
50-mlの丸底フラスコに、2,4-ジクロロ-5-フルオロピリミジンa(1.02g、6.1mmol)、続いてN-(2-アミノフェニル)シクロプロパンカルボキシアミドb(1.07g、6.1mmol)、DIPEA(2.12mL、12.2mmol)、及び無水エタノール(15ml)を充填した。80℃の油浴で7時間、混合物を加熱した。反応混合物を濃縮し、ついで、50mlのEtOAcで希釈し、飽和NHCl(2x25mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレータを介して濃縮した。0-80%のEtOAc/ヘキサンを用いたフラッシュクロマトグラフィーにより粗生成物を精製したところ、白色の固形物として、N-(2-(2-クロロ-5-フルオロピリミジン-4-イルアミノ)フェニル)シクロプロパン-カルボキシアミドcが付与された。
攪拌棒を具備した10-mlのマイクロ波チューブに、c(62mg、0.2mmol)、続いて5-アミノ-1-(2-ヒドロキシエチル)-3,3-ジメチルインドリン-2-オンd(48mg、0.22mmol)、1-ブタノール(2.0mL)及び濃HCl(15uL)を充填した。チューブを密封し、LCMSにより分析して反応が完了するまで、100℃の油浴で加熱した。ロータリーエバポレータを介して混合物を濃縮し、揮発性溶媒を除去し、得られた粘度の高い油をrpHPLC(0-100%のアセトニトリル/HO)で精製したところ、N-(2-(5-フルオロ-2-(1-(2-ヒドロキシエチル)-3,3-ジメチル-2-オキソインドリン-5-イルアミノ)ピリミジン-4-イルアミノ)フェニル)シクロプロパンカルボキシアミド(化合物37)が付与された。
化合物37を調製したのと類似した手順に従い、化合物34、35、36、38、52、53、54、55を調製した。
実施例13 オーロラA及びオーロラBのインビトロキナーゼアッセイ
キナーゼの活性を、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)により測定した:マキシソープ(Maxisorp)384-ウェルプレート(Nunc)を、グルタチオン-S-トランスフェラーゼのN-末端に融合したヒストンH3の残基1-15を含有する組換え融合タンパク質でコーティングした。ついで、プレートをリン酸緩衝生理食塩水に1mg/mLのI-ブロック(Tropix Inc)が入った溶液でブロックした。テスト用化合物及び30μMのATPと、適切な量のAur A及びBキナーゼ及び/又はその変異体とを組合せることにより、ELISAプレートのウェルにおいてキナーゼ反応を実施した。反応用バッファーは、1μg/mLのI-ブロックが補足された1xキナーゼバッファー(Cell Signaling Technologies)である。25mMのEDTAを添加することにより、45分後に反応を停止した。洗浄後、基質のリン酸化度を、抗-ホスホ-ヒストンH3(Ser10)6G3mAb(Cell Signaling cat#9706)及びヒツジ抗-マウスpAb-HRP(Amersham cat#NA931V)を添加し、ついでTMBを用いて比色展開(colorimetric development)することにより検出した。
実施例14 細胞の増殖/生存能のアッセイ
細胞増殖及び/又は細胞生存能の阻害におけるテスト用化合物の効力を、細胞ATPアッセイ(Cell-Titer-Glo, Promega)を使用して評価した。細胞(HCT116、HT29結腸癌細胞系、MCF-7乳癌細胞系)を、384-ウェルプレート(Greiner μClear)において、10%のウシ胎仔血清が補足された50:50のDMEM/Hams F-12培地に適切な密度で播種し、一晩付着させた。次に、テスト用化合物をDMSO、ついで培養培地に希釈し、適切な濃度の細胞を添加した。化合物と共に、細胞を5日間インキュベートした。細胞の数/生存能を、製造者の使用説明書に従い、Cell-Titer-Glo試薬(Promega)を使用して評価した。
実施例15 細胞ホスホヒルトン/有糸***アッセイ
オーロラB-依存性ヒストンH3のリン酸化及び有糸***を介したプログレッション阻害における化合物の効能を、自動顕微鏡及び画像分析により評価した。HT29結腸癌細胞を、384-ウェルプレート(Greiner μClear)において、10%のウシ胎仔血清が補足された50:50のDMEM/Hams F-12培地に適切な密度で播種し、一晩付着させた。次に、テスト用化合物をDMSO、ついで培養培地に希釈し、適切な濃度の細胞を添加した。化合物と共に16時間インキュベートした後、細胞を免疫蛍光顕微鏡法用にプロセシングした。4%のパラホルムアルデヒドで細胞を固定し、5%の魚ゼラチン(Sigma)を用いてウェルをブロックし、ついで抗-ホスホ-ヒストンH3(Ser10)ウサギポリクローナル抗体(Cell Signaling)及び抗-MPM2モノクローナル抗体(Cell Signaling)と共にインキュベートし、次にヤギ抗-ウサギ-AlexaFluor555及びヒツジ抗-マウスAlexaFluor488(Invitrogen)及びHoechst3334で対比染色された核と共にインキュベートした。ディスカバリー(Discovery)-1自動顕微鏡システム(Molecular Devices)を使用して画像を得、メタモーフ(MetaMorph)ソフトウェア(Molecular Devices)を使用して分析し、MPM2及びホスホ-ヒストンH3に対してポジティブな細胞スコアリングのパーセンテージを算出した。
ELISAアッセイでテストされた本発明の化合物は、0.5μM未満のIC50で、オーロラA及び/又はオーロラBキナーゼ活性を阻害することが見出された。例えばオーロラAキナーゼ活性は、0.0108μMのIC50を有する化合物5、0.0231μMのIC50を有する化合物26、0.0072μMのIC50を有する化合物38、0.0021μMのIC50を有する化合物44、0.0248μMのIC50を有する化合物48、0.0060μMのIC50を有する化合物50、0.0006μMのIC50を有する化合物58、及び0.0104μMのIC50を有する化合物59により阻害された。特定の実施態様において、本発明の化合物は、0.2μM未満のIC50で、オーロラA及び/又はオーロラBキナーゼの活性を阻害する。特定の実施態様において、本発明の化合物は、0.1μM未満のIC50で、オーロラA及び/又はオーロラBキナーゼの活性を阻害する。特定の実施態様において、本発明の化合物は、0.05μM未満のIC50で、オーロラA及び/又はオーロラBキナーゼの活性を阻害する。特定の実施態様において、本発明の化合物は、0.01μM未満のIC50で、オーロラA及び/又はオーロラBキナーゼの活性を阻害する。
また、細胞の増殖/生存能のアッセイでテストされた本発明の化合物は、25μM未満のIC50で、HCT116、HT29及び/又はMCF-7細胞の増殖及び/又は生存能を阻害することが見出された。例えば、化合物49は、0.1104のIC50でHCT116細胞の増殖、0.100のIC50でHT29を阻害した。特定の実施態様において、本発明の化合物は、1μM未満のIC50で、HCT116、HT29及び/又はMCF-7細胞の増殖及び/又は生存能を阻害する。特定の実施態様において、本発明の化合物は、0.5μM未満のIC50で、HCT116、HT29及び/又はMCF-7細胞の増殖及び/又は生存能を阻害する。特定の実施態様において、本発明の化合物は、0.1μM未満のIC50で、HCT116、HT29及び/又はMCF-7細胞の増殖及び/又は生存能を阻害する。特定の実施態様において、本発明の化合物は、0.05μM未満のIC50で、HCT116、HT29及び/又はMCF-7細胞の増殖及び/又は生存能を阻害する。
また、ホスホヒストンアッセイでテストされた本発明の化合物は、10μM未満のIC50で、オーロラB-依存性ヒストンH3のリン酸化及び有糸***を介したHT29細胞のプログレッションを阻害することが見出された。一実施態様において、本発明の化合物は、5μM未満のIC50で、オーロラB-依存性ヒストンのリン酸化及び有糸***を介したHT29細胞のプログレッションを阻害する。一実施態様において、本発明の化合物は、0.5μM未満のIC50で、オーロラB-依存性ヒストンのリン酸化及び有糸***を介したHT29細胞のプログレッションを阻害する。一実施態様において、本発明の化合物は、0.1μM未満のIC50で、オーロラB-依存性ヒストンのリン酸化及び有糸***を介したHT29細胞のプログレッションを阻害する。一実施態様において、本発明の化合物は、0.05μM未満のIC50で、オーロラB-依存性ヒストンのリン酸化及び有糸***を介したHT29細胞のプログレッションを阻害する。

Claims (20)

  1. 次の式I:
    Figure 2009520038
    [上式中:
    環Aは、5、6又は7員環の炭素環又はヘテロ環であり;
    Xは、H、ヒドロキシル、ハロ、アミノ、ニトロ、アルキル又はハロアルキルであり;
    Yは、O又はNRであり;
    Zは、-NRC(O)-又は-C(O)NR-であり;
    は、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、炭素環又はヘテロ環であり;
    は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、カルボキシルであり、又はヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、チオン、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、アシル、アルコキシ又はアルキルチオであり;
    は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、オキソ、チオン、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、又は2つのR基が共同して炭素環又はヘテロ環を形成し;ここで該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく;アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
    は独立して、H又はアルキルであり;
    mは0から10であり;
    nは0から5である]
    の化合物、及びその塩及び溶媒和物。
  2. 環Aが、次の式:
    Figure 2009520038
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  3. 環Aが、次の式:
    Figure 2009520038
    からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  4. が、それぞれヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、シクロアルキル、アリール及びヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物。
  5. Xがハロゲンである、請求項1に記載の化合物。
  6. YがNHである、請求項1に記載の化合物。
  7. YがOである、請求項1に記載の化合物。
  8. Zが-NHC(O)-である、請求項1に記載の化合物。
  9. Zが-C(O)NH-である、請求項1に記載の化合物。
  10. が、オキソ、チオン、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、又はアミノカルボニルで置換されていてもよいアルキルである、請求項1に記載の化合物。
  11. 前記化合物が次の一般式IIa:
    Figure 2009520038
    [上式中、
    Xは、H、ヒドロキシル、ハロ、アミノ、アルキル又はハロアルキルであり;
    Yは、O、S又はNRであり;
    Qは、H、O、S又はNRであり;
    は、アルキル、炭素環又はヘテロ環で、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいものであり;
    は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、カルボキシルであり、又はヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、チオン、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、アシル、アルコキシ又はアルキルチオであり;
    は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、オキソ、チオン、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、又は2つのR基は共同して、炭素環又はヘテロ環を形成し;ここで、該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
    は独立して、H又はアルキルであり;
    及びR'は独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、オキソ、チオン、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、又はR及びR'は共同して、炭素環又はヘテロ環を形成し、ここで、該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
    は、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、ここで該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
    mは0から10であり;
    nは0から5である]
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  12. QがOである、請求項11に記載の化合物。
  13. QがNRであり、Rがハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよいアルキルであり、アルキル基の一以上のCH基が、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい、請求項11に記載の化合物。
  14. 前記化合物が次の一般式IIb:
    Figure 2009520038
    [上式中、
    Xは、H、ヒドロキシル、ハロ、アミノ、アルキル又はハロアルキルであり;
    Yは、O又はNRであり;
    Qは、H、O、S又はNRであり;
    は、アルキル、炭素環又はヘテロ環で、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいものであり;
    は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、カルボキシルであり、又はヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、チオン、アミノ、カルボキシル又はアルコキシで置換されていてもよいアルキル、アシル、アルコキシ又はアルキルチオであり;
    は、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、オキソ、チオン、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、又は2つのR基は共同して、炭素環又はヘテロ環を形成し;ここで、該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
    は独立して、H又はアルキルであり;
    及びR'は独立して、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アミノ、オキソ、チオン、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、又はR及びR'は共同して、炭素環又はヘテロ環を形成し、ここで、該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
    は、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、ここで該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ハロゲン、ヒドロキシル、カルボキシル、アミノ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよく、アルキル基の一以上のCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;
    mは0から10であり;
    nは0から5である]
    を有する、請求項1に記載の化合物、及びその塩及び溶媒和物。
  15. QがOである、請求項14に記載の化合物。
  16. QがNRであり、Rがハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよいアルキルであり、アルキル基の一以上のCH基が、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよい、請求項14に記載の化合物。
  17. 哺乳動物の癌を治療する方法において、請求項1に記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。
  18. 腫瘍細胞の増殖を阻害する方法において、請求項1に記載の化合物と腫瘍細胞とを接触させることを含む方法。
  19. オーロラキナーゼのシグナル伝達に関連した哺乳動物の疾患又は病状を治療する方法において、前記哺乳動物に請求項11に記載の化合物の有効量を投与することを含む方法。
  20. オーロラキナーゼのシグナル伝達に関連した哺乳動物の疾患又は病状を治療する方法において、請求項14に記載の化合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む方法。
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