JP2011509938A - Iapのインヒビター - Google Patents

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JP2011509938A
JP2011509938A JP2010542392A JP2010542392A JP2011509938A JP 2011509938 A JP2011509938 A JP 2011509938A JP 2010542392 A JP2010542392 A JP 2010542392A JP 2010542392 A JP2010542392 A JP 2010542392A JP 2011509938 A JP2011509938 A JP 2011509938A
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チュディ ンドゥバク,
ジョン エー. フライゲール,
フレデリック コーエン,
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ジェネンテック, インコーポレイテッド
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Abstract

本発明は、悪性腫瘍を治療するための治療剤として有用であるIAPの新規なインヒビターを提供し、ここで、化合物は、一般式I
Figure 2011509938

を有し、G、X、X、R、R、R、R、R'、R、R、R及びRはここに記載した通りである。

Description

この出願は、その全体を出典明示によりここに援用する2008年1月11日出願の米国仮特許出願第61/020682号の優先権を主張する。
本発明は、哺乳動物における治療及び/又は予防に有用な有機化合物、特に癌の治療に有用なIAPタンパク質のインヒビターに関する。
アポトーシス又はプログラム細胞死は、無脊椎動物並びに脊椎動物の発達及びホメオスタシスにおいて重要な役割を担っている遺伝的及び生化学的に調節されるメカニズムである。時期尚早の細胞死に至るアポトーシスにおける異常は、様々な発達障害に関連している。細胞死の欠如を生じるアポトーシスにおける欠乏症は、癌及び慢性ウイルス感染に関連している。
アポトーシスにおいて鍵となるエフェクター分子の一つはカスパーゼ(システイン含有のアルパラギン酸特異性プロテアーゼ)である。カスパーゼはアルパラギン酸残基の後を切断し、ひとたび活性化されると、細胞内から生存細胞タンパク質を消化する強力なプロテアーゼである。カスパーゼはこのように強力なプロテアーゼであるため、このファミリーのタンパク質を厳格にコントロールすることが、時期尚早の細胞死を防止するために必要である。一般的に、カスパーゼは、活性であるためには、タンパク質分解プロセシングを必要とする大抵は不活性なチモーゲンとして合成される。このタンパク質分解プロセシングは、カスパーゼが調節される唯一の方法である。第2のメカニズムは、カスパーゼに結合してこれを阻害するファミリーのタンパク質を介する。
カスパーゼを阻害する分子のファミリーは、アポトーシスのインヒビター(IAP)である。IAPは、抗アポトーシス遺伝子のP35タンパク質に置き換わるその機能的能力により、元々はバキュロウイルス中に発見された。IAPはショウジョウバエからヒトまでの範囲にわたる生物において記述されている。それらの由来にかからわず、構造的には、IAPは1〜3のバキュロウイルスIAP反復(BIR)ドメインを含み、そのほとんどがまたカルボキシル末端RINGフィンガーモチーフを有する。BIRドメイン自体は、亜鉛イオンを配位するシステイン及びヒスチジン残基を持つ4つのαヘリックスと3つのβストランドを含む約70の残基の亜鉛結合ドメインである。カスパーゼを阻害し、よってアポトーシスを阻害することにより、抗アポトーシス効果をもたらすと考えられているのはBIRドメインである。一例として、ヒトX-染色体連鎖IAP(XIAP)は、カスパーゼ3、カスパーゼ7、及びカスパーゼ9のApaf-1-チトクロムC媒介性活性を阻害する。カスパーゼ3及び7はXIAPのBIR2ドメインにより阻害される一方、XIAPのBIR3ドメインはカスパーゼ9活性の阻害の原因である。XIAPはほとんどの成人及び胎児組織に遍在的に発現しており、NCI60株化細胞パネルの多数の腫瘍細胞株で過剰発現している。腫瘍細胞におけるXIAPの過剰発現は、多様なアポトーシス誘発性刺激からの保護を付与し、化学療法に対する耐性を促進させることが示されている。これに一致して、急性骨髄性白血病を患っている患者においては、XIAPタンパク質レベルと生存率との間に強い相関関係があることが示されている。アンチセンスオリゴヌクレオチドによるXIAP発現のダウンレギュレーションにより、インビトロ及びインビボの双方において、広範囲のアポトーシス誘発剤により誘導される死に対し腫瘍細胞が過敏化することが示されている。また、Smac/DIABLO-誘導性ペプチドも、種々のアポトーシス誘発剤により誘導されるアポトーシスに対し、多数の異なる腫瘍細胞株を過敏化させることが示されている。
メラノーマIAP(ML-IAP)は、ほとんどの正常な成人組織においては検出されないIAPであるが、メラノーマにおいては強力にアップレギュレートされている。タンパク質構造の決定では、ヒトXIAP、C-IAP1及びC-IAP2に存在する対応ドメインに対し、ML-IAP BIR及びRINGフィンガードメインには有意の相同性があることが示された。ML-IAPのBIRドメインは、XIAP、C-IAP1及びC-IAP2のBIR2及びBIR3に対して多くの類似点を有していると思われ、欠失分析により測定されるように、アポトーシス阻害の原因であるともされている。さらに、ML-IAPは、化学治療剤誘発性アポトーシスを阻害可能であることが示されている。アドリアマイシン及び4-第3級ブチルフェノール(4-TBP)等の薬剤を、ML-IAPが過剰発現しているメラノーマの細胞培養系において試験し、正常なメラノサイトコントロールと比較されたが、化学治療剤は細胞の殺傷においてあまり効果的ではなかった。ML-IAPが抗アポトーシス活性を生ずるメカニズムは、部分的にはカスパーゼ3及び9の阻害を介する。ML-IAPはカスパーゼ1、2、6又は8を効果的には阻害しなかった。
アポトーシスは、複数の相互作用する要因を有する厳密にコントロールされた経路であるため、IAP自体が調節されるという発見は特異なことではなかった。ショウジョウバエDrosophilaにおいて、Reaper(rpr)、Head Involution Defective(hid)及びGRIMタンパク質は、IAPのショウジョウバエファミリーと物理的に相互作用し、その抗アポトーシス活性を阻害する。哺乳動物では、タンパク質SMAC/DIABLOは、IAPをブロックするように作用し、それによってアポトーシスが進行するのを可能にする。正常なアポトーシス中、SMACは活性型にプロセシングされ、ミトコンドリアから細胞質中に放出され、そこでIAPに物理的に結合し、IAPがカスパーゼへ結合するのを阻害することが示された。IAPのこの阻害により、カスパーゼは活性なままであり、よってアポトーシスを進行させることができる。興味深いことに、IAPインヒビター間の配列相同性には、プロセシングされた活性タンパク質のN末端に4つのアミノ酸モチーフが存在することが示されている。このテトラペプチドは、BIRドメインの疎水性ポケットに結合し、結合するBIRドメインを破壊すると思われる。
本発明の一態様では、一般式(I)
Figure 2011509938
[上式中、
、R及びRはそれぞれ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;ここで該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ及びスルホニル基は、場合によっては、ヒドロキシル、ハロゲン及びアルコキシで置換されていてもよいアミド、カルバモイル及びアリールで置換されていてもよく;又はR、R及びRの2つは共同して炭素環又はヘテロ環を形成し、他のR、R及びRは、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;又は
はHであり、R及びRはそれぞれ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;ここで該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ及びスルホニル基は、場合によっては、ヒドロキシル、ハロゲン及びアルコキシで置換されていてもよいアミド、カルバモイル及びアリールで置換されていてもよく;又はR、R及びRの2つは共同して炭素環又はヘテロ環を形成し、他のR、R及びRは、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;
及びXはそれぞれ独立して、O又はSであり;
は、H又はアリールであり;
は、それぞれハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、スルホニル、アミノ及びニトロで置換されていてもよい、アルキル、炭素環、カルボシクリルアルキル、ヘテロ環又はヘテロシクリルアルキルであり;
は、H又はハロゲンもしくはヒドロキシルで置換されていてもよいアルキルであり;又はRとRは共同して3−6のヘテロ環を形成し;
とR'は独立して、H、ヒドロキシル、アミノ、アルキル、炭素環、カルボシクロアルキル、カルボシクロアルキルオキシ、カルボシクロアルキルオキシカルボニル、ヘテロ環、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ又はヘテロシクロアルキルオキシカルボニルであり;それぞれのアルキル、カルボシクロアルキル、カルボシクロアルキルオキシ、カルボシクロアルキルオキシカルボニル、ヘテロ環、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ及びヘテロシクロアルキルオキシカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、アルコキシ、アミノ、イミノ及びニトロで置換されていてもよく;又はRとR'は共同してヘテロ環を形成し;
は、H又はアルキルであり;
Gは、式IVa〜IVd
Figure 2011509938
からなる群から選択され;ここで、
'は、H又はアルキルであり;
それぞれの場合、Rは独立して、H、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、アミジノ、グアニジノ、アルキル、炭素環、ヘテロ環又は-U-Vであり;ここで、Uは、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-NR-C(NH)-NR-、-NR-C(NH)-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-であり、Vは、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり;ここでアルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよく;
は、H、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、ここで該アルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)又は-C(O)-で置き換えられていてもよく;該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ(=O)、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよく;
は、O又はSであり;
は、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、カルボキシル、アミジノ、グアニジノ、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ又はヘテロ環で置換されていてもよい、1〜4のヘテロ原子を有する5員のヘテロ環であり;ここで、各アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シクロアルキル及びヘテロ環置換は、ヒドロキシル、ハロゲン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、アリール又はヘテロ環で置換されていてもよく;
は、1〜4のヘテロ原子N、O又はSが挿入された5員の芳香族ヘテロ環であり、一又は複数のR及びR基で置換されていてもよく;
及びQは独立して、H、アルキル、炭素環、ヘテロ環であり;ここでアルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-NR-C(NH)-NR-、-NR-C(NH)-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;アルキル、炭素環及びヘテロ環のいずれも、一又は複数のヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよく;
は、NR、O、S、SO又はSOであり;
、Z及びZは独立して、CQ又はNであり;
それぞれの場合、nは1から4であり;
但し、R、RがHであり、RがOHであり、GがIVである場合、Aはチアジアゾール-5-イル以外であり;
但し、R、RがHであり、RがFであり、GがIVbである場合、Aはチアゾール-5-イル以外であり;及び
2-アセトアミド-N-(1-(1-(フラン-2-イル)-2-メチルプロピル-アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)プロパンアミド以外である]
を有する、IAPタンパク質の新規インヒビターが提供される。
本発明の他の態様では、式Iの化合物と、担体、希釈剤又は賦形剤を含有する組成物が提供される。
本発明の他の態様では、式Iの化合物を細胞に導入することを含む、細胞にアポトーシスを誘導させる方法が提供される。
本発明の他の態様では、式Iの化合物を細胞に導入することを含む、アポトーシスシグナルに対して細胞を過敏化させる方法が提供される。
本発明の他の態様では、式Iの化合物とIAPタンパク質とを接触させることを含む、カスパーゼタンパク質とIAPタンパク質との結合を阻害する方法が提供される。
本発明の他の態様では、有効量の式Iの化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるIAPタンパク質の過剰発現に関連した病気又は症状を治療する方法が提供される。
「アシル」とは、Rが、H、アルキル、炭素環、ヘテロ環、炭素環置換アルキル又はヘテロ環置換アルキルであり、ここで、アルキル、アルコキシ、炭素環及びヘテロ環がここに定められたものである式-C(O)-Rにより表される置換基を有するカルボニルを意味する。アシル基には、アルカノイル(例えばアセチル)、アロイル(例えばベンゾイル)、及びヘテロアロイルが含まれる。
「アルキル」とは、特定しない限りは、12までの炭素原子を有する分枝状又は非分枝状で飽和又は不飽和(すなわちアルケニル、アルキニル)の脂肪族炭化水素基を意味する。例えば「アルキルアミノ」等、他の用語の一部として使用される場合、アルキル部分は飽和した炭化水素鎖であるが、不飽和の炭化水素炭素鎖、例えば「アルケニルアミノ」及び「アルキニルアミノ」も含まれる。特定のアルキル基の例は、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、2,2-ジメチルブチル、n-ヘプチル、3-ヘプチル、2-メチルヘキシル等である。「低級アルキル」「C-Cアルキル」及び「1〜4の炭素原子のアルキル」なる用語は同義語であって、交換可能に使用され、メチル、エチル、1-プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、1-ブチル、sec-ブチル又はt-ブチルを意味する。特定しない限りは、置換アルキル基は、1、例えば同一でも異なっていてもよい2、3又は4の置換基を有していてよい。置換基の例は、特に定めない限りは、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、保護されたヒドロキシル、メルカプト、カルボキシ、アルコキシ、ニトロ、シアノ、アミジノ、グアニジノ、尿素、スルホニル、スルフィニル、アミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アミノカルボニル、アシルアミノ、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、炭素環、ヘテロ環である。上述した置換アルキル基の例には、限定されるものではないが;シアノメチル、ニトロメチル、ヒドロキシメチル、トリチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、アミノメチル、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシプロピル、アルキルオキシカルボニルメチル、アリルオキシカルボニルアミノメチル、カルバモイルオキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、t-ブトキシメチル、アセトキシメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ヨードメチル、トリフルオロメチル、6-ヒドロキシヘキシル、2,4-ジクロロ(n-ブチル)、2-アミノ(イソ-プロピル)、2-カルバモイルオキシエチル等が含まれる。またアルキル基は、炭素環基で置換されていてもよい。具体例には、シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、及びシクロヘキシルメチル基、並びに対応する-エチル、-プロピル、-ブチル、-ペンチル、-ヘキシル基等が含まれる。置換アルキルには、置換メチル、例えば、「置換C−Cアルキル」基と同じ置換基で置換されたメチル基が含まれる。置換メチル基の例には、ヒドロキシメチル、保護されたヒドロキシメチル(例えばテトラヒドロピラニルオキシメチル)、アセトキシメチル、カルバモイルオキシメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、カルボキシメチル、ブロモメチル及びヨードメチル等の基が含まれる。
「アミジン」は、Rが、H、アルキル、炭素環、ヘテロ環、炭素環置換されたアルキル又はヘテロ環置換されたアルキルであり、アルキル、アルコキシ、炭素環及びヘテロ環がここに定められたものである、-C(NH)-NHR基を意味する。特定のアミジンは-NH-C(NH)-NH基である。
「アミド」とは、各Rが「アミノ」及び「アシル」基にて、それぞれのR置換基について記載した意味を有する式-NR-C(O)Rにより表されるアシルアミノ基を意味する。アミド基には、アルカノイルアミノ(例えば、エタノイルアミノ、CH-CO-NH-)、アロイルアミノ(例えば、ベンゾイルアミノ)、アラルカノイルアミノ(例えば、フェニルエタノイルアミノ)、及びヘテロ環カルボニルアミノ(例えば、ピペリジニルカルボニルアミノが含まれる。
「アミノ」とは、Rが、H、アルキル、炭素環、ヘテロ環、炭素環置換されたアルキル又はヘテロ環置換されたアルキルであり、アルキル、アルコキシ、炭素環及びヘテロ環がここに定められたものである、第1級(すなわち-NH)、第2級(すなわち-NRH)及び第3級(すなわち-NRR)アミンを意味する。特定の第2級及び第3級アミンはアルキルアミン、ジアルキルアミン、アリールアミン、ジアリールアミン、アラルキルアミン及びジアラルキルアミンであり、アルキルはここに定められ、置換されていてもよいものである。特定の第2級及び第3級アミンは、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、フェニルアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン及びジイソプロピルアミンである。
ここで使用される場合「アミノ保護基」とは、化合物上の他の官能基に対して反応が行われている間、アミノ基をブロック又は保護するのに通常用いられる基の誘導体を称する。このような保護基の例には、カルバメート類、アミド類、アルキル及びアリール基、イミン類、並びに所望するアミン基に再生するのに除去可能な、多くのN-ヘテロ原子誘導体が含まれる。特定のアミノ保護基はBoc、Fmoc及びCbzである。これらの基のさらなる例は、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts, 「Protective Groups in Organic Synthesis」, 第2版, John Wiley & Sons, Inc., New York, NY, 1991, 第7章; E. Haslam,「Protective Groups in Organic Chemistry」, J. G. W. McOmie編, Plenum Press, New York, NY, 1973, 第5章, 及びT.W. Greene, 「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley and Sons, New York, NY, 1981に見出される。「保護されたアミノ」なる用語は、上述のアミノ保護基の一つで置換されたアミノ基を意味する。
「アリール」とは、単独で又は他の用語の一部として使用される場合、示された炭素原子数を有するか、又は数が示されていない場合は、14までの炭素原子を有する縮合又は非縮合の炭素環式芳香族基を意味する。特定のアリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナントレニル、ナフタセニル(naphthacenyl)等(Lang's Handbook of Chemistry (Dean, J.A.編)13版, 表7-2[1985]を参照)である。特定のアリールはフェニルである。置換フェニル又は置換アリールとは、他に特定しない限りは、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、ヒドロキシ、保護されたヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アルキル(例えばC−Cアルキル)、アルコキシ(例えばC−Cアルコキシ)、ベンジルオキシ、カルボキシ、保護されたカルボキシ、カルボキシメチル、保護されたカルボキシメチル、ヒドロキシメチル、保護されたヒドロキシメチル、アミノメチル、保護されたアミノメチル、トリフルオロメチル、アルキルスルホニルアミノ、アルキルスルホニルアミノアルキル、アリールスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノアルキル、ヘテロシクリルスルホニルアミノ、ヘテロシクリルスルホニルアミノアルキル、ヘテロシクリル、アリール、又は他の特定された基から選択される1、2、3、4又は5、例えば1−2、1−3又は1−4の置換基で置換されたフェニル基又はアリール基を意味する。これらの置換基における一又は複数のメチン(CH)及び/又はメチレン(CH)基は、ついで上述したようなものと同様の基で置換され得る。「置換フェニル」なる用語の例には、限定されるものではないが、モノ-又はジ(ハロ)フェニル基、例えば2-クロロフェニル、2-ブロモフェニル、4-クロロフェニル、2,6-ジクロロフェニル、2,5-ジクロロフェニル、3,4-ジクロロフェニル、3-クロロフェニル、3-ブロモフェニル、4-ブロモフェニル、3,4-ジブロモフェニル、3-クロロ-4-フルオロフェニル、2-フルオロフェニル等;モノ-又はジ(ヒドロキシ)フェニル基、例えば4-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシフェニル、2,4-ジヒドロキシフェニル、それらの保護されたヒドロキシ誘導体等;ニトロフェニル基、例えば3-又は4-ニトロフェニル;シアノフェニル基、例えば4-シアノフェニル;モノ-又はジ(低級アルキル)フェニル基、例えば、4-メチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2-メチルフェニル、4-(イソ-プロピル)フェニル、4-エチルフェニル、3-(n-プロピル)フェニル等;モノ又はジ(アルコキシ)フェニル基、例えば3,4-ジメトキシフェニル、3-メトキシ-4-ベンジルオキシフェニル、3-メトキシ-4-(1-クロロメチル)ベンジルオキシ-フェニル、3-エトキシフェニル、4-(イソプロポキシ)フェニル、4-(t-ブトキシ)フェニル、3-エトキシ-4-メトキシフェニル等;3-又は4-トリフルオロメチルフェニル;モノ-又はジカルボキシフェニル又は(保護されたカルボキシ)フェニル基、例えば4-カルボキシフェニル;モノ-又はジ(ヒドロキシメチル)フェニル又は(保護されたヒドロキシメチル)フェニル、例えば3-(保護されたヒドロキシメチル)フェニル又は3,4-ジ(ヒドロキシメチル)フェニル;モノ-又はジ(アミノメチル)フェニル又は(保護されたアミノメチル)フェニル、例えば2-(アミノメチル)フェニル又は2,4-(保護されたアミノメチル)フェニル;あるいはモノ-又はジ(N-(メチルスルホニルアミノ))フェニル、例えば3-(N-メチルスルホニルアミノ))フェニルが含まれる。また、「置換フェニル」なる用語は、その置換基が異なっている二置換フェニル基、例えば3-メチル-4-ヒドロキシフェニル、3-クロロ-4-ヒドロキシフェニル、2-メトキシ-4-ブロモフェニル、4-エチル-2-ヒドロキシフェニル、3-ヒドロキシ-4-ニトロフェニル、2-ヒドロキシ-4-クロロフェニル等、並びにその置換基が異なっている三置換フェニル基、例えば3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-6-メチルスルホニルアミノ、3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-6-フェニルスルホニルアミノ、及びその置換基が異なっている四置換フェニル基、例えば3-メトキシ-4-ベンジルオキシ-5-メチル-6-フェニルスルホニルアミノを表す。特定の置換フェニル基には、2-クロロフェニル、2-アミノフェニル、2-ブロモフェニル、3-メトキシフェニル、3-エトキシ-フェニル、4-ベンジルオキシフェニル、4-メトキシフェニル、3-エトキシ-4-ベンジルオキシフェニル、3,4-ジエトキシフェニル、3-メトキシ-4-ベンジルオキシフェニル、3-メトキシ-4-(1-クロロメチル)ベンジルオキシ-フェニル、3-メトキシ-4-(1-クロロメチル)ベンジルオキシ-6-メチルスルホニルアミノフェニル基が含まれる。縮合アリール環はまた、置換アルキル基と同様の方式において、ここで特定した任意の、例えば1、2又は3の置換基で置換されていてもよい。
「カルバモイル」は、Rが、H、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキル、炭素環、ヘテロ環、炭素環置換されたアルキル又はアルコキシ、又はヘテロ環置換されたアルキル又はアルコキシであり、アルキル、アルコキシ、炭素環及びヘテロ環がここに定められたものである、式-C(O)N(R)で表されるアミノカルボニル含有置換基を意味する。カルバモイル基にはアルキルアミノカルボニル(例えば、エチルアミノカルボニル、Et-NH-CO-)、アリールアミノカルボニル(例えば、フェニルアミノカルボニル)、アラルキルアミノカルボニル(例えば、ベンゾイルアミノカルボニル)、ヘテロ環アミノカルボニル(例えば、ピペリジニルアミノカルボニル)、特にヘテロアリールアミノカルボニル(例えば、ピリジルアミノカルボニル)が含まれる。
「カルボシクリル(Carbocyclyl)」、「カルボサイクリック(carbocyclylic)」、「炭素環(carbocycle)」及び「カルボシクロ(carbocyclo)」は、単独で及びカルボシクロアルキル基のような複合基中の一部として使用される場合には、飽和又は不飽和で芳香族又は非芳香族であってよい、3〜14の炭素原子、例えば3〜7の炭素原子を有する単環式、二環式、又は三環式の脂肪族環を称する。特定の飽和したカルボシクリック基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル基である。特定の飽和した炭素環はシクロプロピルである。他の特定の飽和した炭素環はシクロヘキシルである。特定の不飽和炭素環は、芳香族、例えば上述したアリール基、特にフェニルである。「置換カルボシクリル」、「炭素環」及び「カルボシクロ」なる用語は、「置換アルキル」基と同様の置換基により置換されたこれらの基を意味する。
ここで使用される場合「カルボキシ-保護基」とは、化合物上の他の官能基に対して反応が行われている間、カルボン酸基をブロック又は保護するのに通常用いられるカルボン酸基のエステル誘導体の一つを称する。そのようなカルボン酸保護基の例には、4-ニトロベンジル、4-メトキシベンジル、3,4-ジメトキシベンジル、2,4-ジメトキシベンジル、2,4,6-トリメトキシベンジル、2,4,6-トリメチルベンジル、ペンタメチルベンジル、3,4-メチレンジオキシベンジル、ベンズヒドリル、4,4'-ジメトキシベンズヒドリル、2,2',4,4'-テトラメトキシベンズヒドリル、アルキル、例えばt-ブチル又はt-アミル、トリチル、4-メトキシトリチル、4,4'-ジメトキシトリチル、4,4',4"-トリメチトキシトリチル、2-フェニルプロプ-2-イル、トリメチルシリル、t-ブチルジメチルシリル、フェナシル、2,2,2-トリクロロエチル、ベータ-(トリメチルシリル)エチル、ベータ-(ジ(n-ブチル)メチルシリル)エチル、p-トルエンスルホニルエチル、4-ニトロベンジルスルホニルエチル、アリル、シンナミル、1-(トリメチルシリルメチル)プロプ-1-エン-3-イル等の部分が含まれる。誘導体化カルボン酸が、分子の他の位置に対する引き続く反応の条件に対して安定であり、適当な時点で分子の残りの部分を破壊することなく除去できる限り、用いられるカルボキシ保護基の種は重要ではない。特に、カルボキシ-保護された分子を強い求核塩基、例えば水酸化リチウム又はNaOH、又はLiAlH等の高活性化金属水素化物を用いる還元条件を施さないことが重要である。(このような過酷な除去条件は、下記に検討するアミノ-保護基及びヒドロキシ-保護基を除去する際でもまた避けるべきである。)特定のカルボン酸保護基は、アルキル(例えば、メチル、エチル、t-ブチル)、アリル、ベンジル及びp-ニトロベンジル基である。セファロスポリン、ペニシリン及びペプチド分野で使用されるのと同様のカルボキシ-保護基も、カルボキシ基置換基の保護に使用できる。これらの基のさらなる例は、T. W. Greene及びP. G. M. Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」, 第2版, John Wiley & Sons, Inc., New York, N.Y., 1991, 第5章;E. Haslam,「Protective Groups in Organic Chemistry」, J.G.W. McOmie編, Plenum Press, New York, N.Y., 1973, 第5章,及びT.W. Greene,「Protective Groups in Organic Synthesis」, John Wiley and Sons, New York, NY, 1981, 第5章に見出される。「保護されたカルボキシ」なる用語は、上述したカルボキシ-保護基の一つで置換されたカルボキシ基を称する。
「化合物」には、その塩及び溶媒和物(例えば、水和物)が含まれる。
「グアニジン」とは、Rが、H、アルキル、炭素環、ヘテロ環、炭素環置換されたアルキル又はヘテロ環置換されたアルキルであり、アルキル、アルコキシ、炭素環及びヘテロ環がここに定められたものである、-NH-C(NH)-NHR基を意味す。特定のグアニジンは-NH-C(NH)-NH基である。
ここで使用される場合「ヒドロキシ-保護基」とは、化合物上の他の官能基に対して反応が行われている間、ヒドロキシ基をブロック又は保護するのに通常用いられるヒドロキシ基の誘導体を称する。このような保護基の例には、テトラヒドロピラニルオキシ、ベンゾイル、アセトキシ、カルバモイルオキシ、ベンジル、及びシリルエーテル(例えば、TBS、TBDPS)基が含まれる。これらの基のさらなる例は、T.W. Greene及びP.G.M. Wuts,「Protective Groups in Organic Synthesis」、第2版, John Wiley & Sons, Inc., New York, NY, 1991, 第2-3章;E. Haslam, 「Protective Groups in Organic Chemistry」,J.G.W. McOmie編, Plenum Press, New York, NY, 1973, 第5章、及びT.W. Greene, 「Protective Groups in Organic Synthesis」,John Wiley & Sons, New York, NY, 1981に見出される。「保護されたヒドロキシ」なる用語は、上述したヒドロキシ-保護基の一つで置換されたヒドロキシ基を称する。
「ヘテロサイクリック基(heterocyclic group)」、「ヘテロサイクリック」、「ヘテロ環(heterocycle)」、「ヘテロシクリル(heterocyclyl)」又は「ヘテロシクロ(heterocyclo)」は、単独で及びヘテロシクロアルキル基のような複合基中の一部として使用される場合には、交換可能に使用され、一般に5〜約14の環状原子の、指定された原子数を有する任意の単環式、二環式又は三環式の飽和又は不飽和の芳香族(ヘテロアリール)又は非芳香族環を称し、ここで環状原子は炭素及び少なくとも一のヘテロ原子(窒素、硫黄又は酸素)、例えば1〜4のヘテロ原子である。典型的には、5員環は0〜2の二重結合を有し、6-又は7員環は0〜3の二重結合を有し、窒素又は硫黄ヘテロ原子は場合によっては酸化されていてもよく(例えばSO、SO)、任意の窒素へテロ原子は場合によっては第4級化されていてもよい。特定の非芳香族ヘテロ環は、モルホリニル(モルホリノ)、ピロリジニル、オキシラニル、オキセタニル、テトラヒドロフラニル、2,3-ジヒドロフラニル、2H-ピラニル、テトラヒドロピラニル、チイラニル、チエタニル、テトラヒドロチエタニル、アジリジニル、アゼチジニル、1-メチル-2-ピロリル、ピペラジニル及びピペリジニルである。「ヘテロシクロアルキル」基は、上述したようなアルキル基に共有結合した上述したようなヘテロ環基である。硫黄又は酸素原子と1〜3の窒素原子を有する特定の5員ヘテロ環は、チアゾリル、特にチアゾール-2-イル及びチアゾール-2-イル-N-オキシド、チアジアゾリル、特に1,3,4-チアジアゾール-5-イル及び1,2,4-チアジアゾール-5-イル、オキサゾリル、例えばオキサゾール-2-イル、及びオキサジアゾリル、例えば1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、及び1,2,4-オキサジアゾール-5-イルである。2〜4の窒素原子を有する特定の5員環ヘテロ環には、イミダゾリル、例えばイミダゾール-2-イル;トリアゾリル、例えば1,3,4-トリアゾール-5-イル;1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,2,4-トリアゾール-5-イル、及びテトラゾリル、例えば1H-テトラゾール-5-イルが含まれる。特定のベンゾ縮合した5員ヘテロ環は、ベンゾオキサゾール-2-イル、ベンゾチアゾール-2-イル及びベンズイミダゾール-2-イルである。特定の6員ヘテロ環は1〜3の窒素原子と場合によっては硫黄又は酸素原子を有し、例えばピリジル、特にピリド-2-イル、ピリド-3-イル、及びピリド-4-イル;ピリミジル、例えばピリミド-2-イル及びピリミド-4-イル;トリアジニル、例えば1,3,4-トリアジン-2-イル、及び1,3,5-トリアジン-4-イル;ピリダジニル、特にピリダジン-3-イル、及びピラジニルである。ピリジン-N-オキシド類、及びピリダジン-N-オキシド類、及びピリジル、ピリミド-2-イル、ピリミド-4-イル、ピリダジニル、及び1,3,4-トリアジン-2-イル基が特定の基である。「置換されていてもよいヘテロ環」のための置換基、例えば先に検討した5-及び6員環系のさらなる例は、米国特許第4278793号に見出すことができる。特定の実施態様では、このような置換されていてもよいヘテロ環基は、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、アミジノ及びグアニジノで置換されている。
「ヘテロアリール」とは、単独で及びヘテロアラルキル基等の複合基中の一部として使用される場合、指定された原子数を有する任意の単環式、二環式又は三環式の芳香族環系を称し、ここで少なくとも一の環は、窒素、酸素及び硫黄の群から選択される1〜4のヘテロ原子を有する5-、6-又は7員環であり、特定の実施態様では、少なくとも一のヘテロ原子は窒素である(Lang's Handbook of Chemistry, 上掲)。上述した任意のヘテロアリール環がベンゼン環に縮合している任意の二環式の基も定義に含まれる。特定のヘテロアリールには、窒素又は酸素ヘテロ原子が導入されている。次の環系:チエニル、フリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリル、オキサジアゾリル、テトラゾリル、チアトリアゾリル、オキサトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、チアジニル、オキサジニル、トリアジニル、チアジアジニル、オキサジアジニル、ジチアジニル、ジオキサジニル、オキサチアジニル、テトラジニル、チアトリアジニル、オキサトリアジニル、ジチアジアジニル、イミダゾリニル、ジヒドロピリミジル、テトラヒドロピリミジル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル及びプリニル、並びにベンゾ-縮合誘導体、例えばベンゾオキサゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾイミダゾリル及びインドリルが、「ヘテロアリール」なる用語で示される(置換された又は未置換の)ヘテロアリール基の例である。特定の「ヘテロアリール」は;1,3-チアゾール-2-イル、4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル、4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イルのナトリウム塩、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、3-メチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,3,4-トリアゾール-5-イル、2-メチル-1,3,4-トリアゾール-5-イル、2-ヒドロキシ-1,3,4-トリアゾール-5-イル、2-カルボキシ-4-メチル-1,3,4-トリアゾール-5-イルのナトリウム塩、2-カルボキシ-4-メチル-1,3,4-トリアゾール-5イル、1,3-オキサゾール-2-イル、1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、2-メチル-1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、2-(ヒドロキシメチル)-1,3,4-オキサジアゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-5-イル、2-チオール-1,3,4-チアジアゾール-5-イル、2-(メチルチオ)-1,3,4-チアジアゾール-5-イル、2-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-5-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、1-(1-(ジメチルアミノ)エト-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、2-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1-メチル-1,2,3-トリアゾール-5-イル、2-メチル-1,2,3-トリアゾール-5-イル、4-メチル-1,2,3-トリアゾール-5-イル、ピリド-2-イル-N-オキシド、6-メトキシ-2-(n-オキシド)-ピリダズ-3-イル、6-ヒドロキシピリダズ-3-イル、1-メチルピリド-2-イル、1-メチルピリド-4-イル、2-ヒドロキシピリミド-4-イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-5,6-ジオキソ-4-メチル-アス-トリアジン-3イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(ホルミルメチル)-5,6-ジオキソ-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-アストリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-アス-トリアジン-3-イルのナトリウム塩、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アストリアジン-3-イルのナトリウム塩、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-メトキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-2,6-ジメチル-アス-トリアジン-3-イル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-イル及び8-アミノテトラゾロ[1,5-b]-ピリダジン-6-イルである。「ヘテロアリール」の他の基には:4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イル、4-(カルボキシメチル)-5-メチル-1,3-チアゾール-2-イルのナトリウム塩、1,3,4-トリアゾール-5-イル、2-メチル-1,3,4-トリアゾール-5-イル、1H-テトラゾール-5-イル、1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル、1-(1-(ジメチルアミノ)エト-2-イル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(カルボキシメチル)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イル、1-(メチルスルホン酸)-1H-テトラゾール-5-イルのナトリウム塩、1,2,3-トリアゾール-5-イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-5,6-ジオキソ-4-メチル-アス-トリアジン-3-イル、1,4,5,6-テトラヒドロ-4-(2-ホルミルメチル)-5,6-ジオキソ-アス-トリアジン-3-イル、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イルのナトリウム塩、2,5-ジヒドロ-5-オキソ-6-ヒドロキシ-2-メチル-アス-トリアジン-3-イル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-イル、及び8-アミノテトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-6-イルが含まれる。ヘテロアリール基は、ヘテロ環で記載したように置換されていてもよい。
「インヒビター」とは、カスパーゼタンパク質へのIAPタンパク質の結合を低減又は防止、もしくはIAPタンパク質によるアポトーシスの阻害を低減又は防止する化合物を意味する。また「インヒビター」は、カスパーゼとX-IAPの結合相互作用又はSMACとML-IAPの結合相互作用を防止する化合物を意味する。
特定しない限りは、「置換されていてもよい」とは、基が、未置換であるか、又はその基について列挙された一又は複数(例えば0、1、2、3又は4)の置換基で置換されていてもよいことを意味し、該置換基は同一でも異なっていてもよい。一実施態様では、置換されていてもよい基は1の置換基を有している。他の実施態様では、置換されていてもよい基は2の置換基を有している。他の実施態様では、置換されていてもよい基は3の置換基を有している。
「製薬的に許容可能な塩」には、酸及び塩基との付加塩の双方が含まれる。「製薬的に許容可能な酸付加塩」は、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、炭酸、リン酸等、及びギ酸、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、アスパラギン酸、アスコルビン酸、グルタミン酸、アントラニル酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、エンボン酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸等の有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、アリール脂肪族(araliphatic)、ヘテロ環、カルボキシル及びスルホンクラスのものから選択され得る有機酸を用いて形成され、遊離塩基の生物学的効能と性質とを保持し、生物学的に又は他の形で所望されないものではない塩を称する。
「製薬的に許容可能な塩基付加塩」には、無機塩基、例えばナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムの塩等から誘導されるものが含まれる。特定の塩基付加塩は、アンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウム及びマグネシウムの塩である。製薬的に許容可能な無毒の有機塩基から誘導される塩には、第1級、第2級及び第3級アミン、自然に生じる置換アミンを含む置換アミン、環状アミン及び塩基性イオン交換樹脂、例えばイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、2-ジエチルアミノエタノール、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、ヒドラバミン(hydrabamine)、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペリジン(piperizine)、ピペリジン(piperidine)、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等が含まれる。特定の無毒の有機塩基は、イソプロピルアミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、トリメタミン、ジシクロヘキシルアミン、コリン及びカフェインである。
「スルホニル」とは、Rが、H、アルキル、炭素環、ヘテロ環、炭素環置換されたアルキル又はヘテロ環置換されたアルキルであり、ここでアルキル、アルコキシ、炭素環及びヘテロ環はここに定められたものである、-SO-R基を意味する。特定のスルホニル基は、アルキルスルホニル(すなわち-SO-アルキル)、例えばメチルスルホニル;アリールスルホニル、例えばフェニルスルホニル;アラルキルスルホニル、例えばベンジルスルホニルである。
本発明は、一般式(I)
Figure 2011509938
[上式中、Gは、IVa〜IVd:
Figure 2011509938
かならる群から選択され、A、A、Q、Q、X、X、X、Z、Z、Z、Z、R、R、R、R、R’、R、R’、R及びnは、ここに記載したものである]
を有する新規の化合物を提供する。特定の実施態様では、GはIVaである。特定の実施態様では、GはIVbであり、但し、R、RがHであり、RがOHである場合、Aはチアジアゾール-5-イル以外であり;R、RがHであり、RがFである場合、Aはチアゾール-5-イル以外である。特定の実施態様では、GはIVcである。特定の実施態様では、GはIVdである。
、R及びRはそれぞれ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;ここで該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ及びスルホニル基は、場合によっては、ヒドロキシル、ハロゲン及びアルコキシで置換されていてもよいアミド、カルバモイル及びアリールで置換されていてもよく;又はR、R及びRの2つは共同して炭素環又はヘテロ環を形成し、他のR、R及びRは、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルである。特定の実施態様では、R、R及びRは、それぞれメチル、ハロゲン、メトキシ、ヒドロキシ、メチルチオ、メチルスルホニルである。特定の実施態様では、R、R及びRは、それぞれメチルである。特定の実施態様では、R、R及びRは、それぞれFである。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはメチルであり、他はFである。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはメチルであり、他はヒドロキシルである。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはメチルであり、他はメトキシである。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはメチルであり、他はメチルスルホニルである。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはメチルであり、他はメチルチオである。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはメチルであり、他は4-メトキシベンジルチオである。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはメチルであり、他はアセトアミドメチルチオである。特定の実施態様では、R、R及びRの2つは共同して炭素環又はヘテロ環を形成し、他のR、R及びRは、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルである。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはヘテロ環を形成する。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはピランを形成する。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはピランを形成し、他はHである。特定の実施態様では、R、R及びRの2つはピランを形成し、他はメチルである。
また、RはHであり、R及びRはそれぞれ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;ここで該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ及びスルホニル基は、場合によっては、ヒドロキシル、ハロゲン及びアルコキシで置換されていてもよいアミド、カルバモイル及びアリールで置換されていてもよく;又はR、R及びRの2つは共同して炭素環又はヘテロ環を形成し、他のR、R及びRは、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;但し、本発明の化合物は2-アセトアミド-N-(1-(1-(フラン-2-イル)-2-メチルプロピル-アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)プロパンアミド以外である。RがHである場合、R及びRは、それぞれ、上述した特定の実施態様のものであってよく、一方、RaがHであれば、本発明の化合物は2-アセトアミド-N-(1-(1-(フラン-2-イル)-2-メチルプロピル-アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)プロパン-アミド以外である。特定の実施態様では、RがHであり、R及びRが、それぞれメチルであるならば、本発明の化合物は2-アセトアミド-N-(1-(1-(フラン-2-イル)-2-メチルプロピル-アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)プロパンアミド以外である。
は、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、カルボキシル、アミジノ、グアニジノ、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ又はヘテロ環で置換されていてもよい、1〜4のヘテロ原子を有する5員のヘテロ環であり;ここで、各アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シクロアルキル及びヘテロ環置換は、ヒドロキシル、ハロゲン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、アリール又はヘテロ環で置換されていてもよい。一実施態様では、5員環であるA基は、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、カルボキシル、アミジノ、グアニジノ、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シクロアルキル又はヘテロ環で置換されていてもよく;ここで各アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シクロアルキル及びヘテロ環置換は、ヒドロキシル、ハロゲン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、シクロアルキル、アリール又はヘテロ環で置換されていてもよい。特定の実施態様では、環Aは芳香族である。特定の実施態様では、環Aは、式IIa又はIIb:
Figure 2011509938
[上式中、Q'は、NR、O又はSであり; Q'、Q'、Q'、Q'、Q'、Q'、及びQ'は独立して、CR又はNであり;ここで、Rは、H、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、カルボキシル、アミジノ、グアニジノ、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シクロアルキル又はヘテロ環であり;ここで、各アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シクロアルキル及びヘテロ環置換は、場合によってはヒドロキシル、ハロゲン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、シクロアルキル、アリール又はヘテロ環で置換されていてもよく;Rは、H、アルキル、アシル、アリール、シクロアルキル又はヘテロ環であり;ここで、各アルキル、アリール、シクロアルキル及びヘテロ環は、ヒドロキシル、ハロゲン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、シクロアルキル、アリール又はヘテロ環で置換されていてもよく;Q'はCH又はNである]
を有する。特定の実施態様では、環Aは式IIaの基である。特定の実施態様では、環Aは、Q'がCRであり、Rが上述したように置換されていてもよいアリール又はヘテロアリールである、式IIaの基である。特定の実施態様では、環Aは、Q'がCRであり、Rがフェニルである、式IIaの基である。特定の実施態様では、環Aは、Q'がCRであり、Rがフェニルであり、Q'がCH又はCFである、式IIaの基である。他の実施態様では、環Aは、Q'がCRであり、Rがピリジン-2-イルである、式IIaの基である。他の実施態様では、環Aは、Q'がCRであり、Rがピリジン-2-イルであり、Q'がC-Meである、式IIaの基である。
他の実施態様では、IIa又はIIbの環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいピロール環である。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
[上式中、R'はH、アルキル(例えば、メチル、エチル又はプロピル)、又はアシル(例えば、アセチル)である]
からなる群から選択される。特定の実施態様では、R'はHである。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいフランである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
からなる群から選択される。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいチオフェンである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
からなる群から選択される。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいピラゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
[上式中、R'はH、アルキル(例えば、メチル、エチル又はプロピル)、又はアシル(例えば、アセチル)である]
からなる群から選択される。特定の実施態様では、R'はHである。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいイミダゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
[上式中、R'はH、アルキル(例えば、メチル、エチル又はプロピル)、又はアシル(例えば、アセチル)である]
からなる群から選択される。特定の実施態様では、R'はHである。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいオキサゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
からなる群から選択される。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいイソオキサゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、次の式:
Figure 2011509938
からなる群から選択される。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいチアゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
からなる群から選択される。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいイソチアゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
からなる群から選択される。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよい1,2,3-トリアゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
[上式中、R'はH、アルキル(例えば、メチル、エチル又はプロピル)、又はアシル(例えば、アセチル)である]
からなる群から選択される。特定の実施態様では、R'はHである。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよい1,2,4-トリアゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
からなる群から選択される。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいオキサジアゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
からなる群から選択される。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいチアジアゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
からなる群から選択される。
他の実施態様では、環Aは、ハロゲン ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、アリール又はヘテロアリールで置換されていてもよいヘテロ環アルキル、ヘテロ環、シクロアルキルアルキル、シクロアルキル、アラルキル、アリール、アルキルで置換されていてもよいテトラゾールである。一実施態様では、環Aは、アリール又はヘテロアリール基で置換されている。特定の実施態様では、環Aは、
Figure 2011509938
からなる群から選択される。
特定の実施態様では、環A
Figure 2011509938
である。
特定の実施態様では、環A
Figure 2011509938
である。
は、Q基で置換され、場合によっては一又は複数のR(環の炭素原子での置換)及び一又は複数のR(環の窒素での置換)でさらに置換されていてもよい、1〜4のヘテロ原子N、O又はSが挿入された5員の芳香族ヘテロ環である。特定の実施態様では、環Aは、一般式II:
Figure 2011509938
[上式中、Z1'はNR、O又はSであり;Z2'、Z3'及びZ4'はそれぞれ独立して、N又はCRである]
を有する。Q基は、Z2'及びZ3'の間の環メンバーで、式II及びII'の環Aに結合している。特定の実施態様では、Z1'はSである。特定の実施態様では、Z1'はOである。他の特定の実施態様では、Z1'はNR8'であり、R8'はここに定められたものである。特定の実施態様では、Z1'はNRであり、RはHである。他の特定の実施態様では、Z1'はNRであり、RはMeである。他の実施態様では、Z1'はO又はSであり、一方、Z2'はNであり、Z3'はN又はCRである。特定の実施態様では、Z1'はSであり、一方、Z2'はNであり、Z3'はCRである。特定の実施態様では、Z1'はSであり、一方、Z2'はNであり、Z3'はCHである。
特定の実施態様では、環A(Qと共に示す)が、次の式IIa−IIcc
Figure 2011509938
Figure 2011509938
[上式中、R及びRはここに定められたものである]
からなる群から選択される、芳香族ヘテロ環である。特定の実施態様では、環AがIIa-IIccからなる群から選択される場合、Rは、H、ハロゲン、OH又はハロアルキル(例えば、CF)であり;Rは、H、アルキル又はアシルである。特定の実施態様では、環AがIIa-IIccからなる群から選択される場合、RはHであり、RはHである。
及びXはそれぞれ独立して、O又はSである。特定の実施態様では、X及びXは双方ともOである。他の特定の実施態様では、X及びXは双方ともSである。他の特定の実施態様では、XはSであり、一方、XはOである。他の特定の実施態様では、XはOであり、一方、XはSである。
は、NR、O、S、SO又はSOであり;ここで、Rはここに定められたものである。一実施態様では、Zは、NR、O又はSである。一実施態様では、ZはNRであり、ここで、Rは、H、アルキル、アリール又はアラルキルである。特定の実施態様では、ZはNRであり、ここで、Rはベンジルである。特定の実施態様では、ZはNRであり、ここで、RはMeである。特定の実施態様では、ZはNRであり、ここで、RはHである。特定の実施態様では、ZはOである。特定の実施態様では、ZはSである。
、Z及びZは独立して、CQ又はNである。特定の実施態様では、ZはNである。特定の実施態様では、ZはNである。特定の実施態様では、ZはNである。一実施態様では、Z、Z及びZはCQである。一実施態様では、ZはNであり、ZはCQであり、ZはCQである。一実施態様では、ZはCQであり、ZはNであり、ZはCQである。一実施態様では、ZはCQであり、ZはCQであり、ZはNである。一実施態様では、ZはNであり、ZはCQであり、ZはNである。
及びQは独立して、H、アルキル、炭素環、ヘテロ環であり;ここでアルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-NR-C(NH)-NR-、-NR-C(NH)-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;上述したアルキル、炭素環及びヘテロ環のいずれも、場合によっては一又は複数のヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよい。「置換されていてもよい炭素環」及び「置換されていてもよいヘテロ環」の置換基は、ここに定められたものである。特定の実施態様では、このような炭素環及びへテロ環基は、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ ニトロ、アミジノ及びグアニジノで置換されている。特定の実施態様では、Q及びQは独立して、場合によってはハロゲン、アミノ、オキソ、アルキル、炭素環又はヘテロ環で置換されていてもよい炭素環又はヘテロ環であり;ここでアルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-NR-C(NH)-NR-、-NR-C(NH)-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;ここで該アルキル、炭素環又はヘテロ環は、場合によってはハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルコキシ、アルコキシアルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、アルキルチオ、アシルオキシ、アシルオキシアルコキシ、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアルキル、アルキルスルフィニル、及びアルキルスルフィニルアルキルで置換されていてもよい。
特定の実施態様では、Q及びQは独立して、次の式III-1〜III-16:
Figure 2011509938
[上式中、nは1〜4(結合価が可能な場合)、例えば1−3、例えば1−2、例えば1であり;TはO、S、NR又はCRであり;WはO、NR又はCRであり;R及びRはここに定められたものである]
からなる群から選択される炭素環又はヘテロ環である。特定の実施態様では、Q及びQが独立して、III-1〜III-16からなる群から選択される場合、Rは、H、ハロゲン、OH又はハロアルキル(例えば、CF)であり、nは1である。特定の実施態様では、Q及びQが独立して、III-1〜III-16からなる群から選択される場合、RはHであり、nは1である。
特定の実施態様では、Q及びQは独立して、次の式IIIa〜IIIs:
Figure 2011509938
[上式中、nは1−4、例えば1−3、例えば1−2、例えば1であり;TはO、S、NR又はCRであり;WはO、NR又はCRであり;R及びRはここに定められたものである]
からなる群から選択される炭素環又はヘテロ環である。特定の実施態様では、Q及びQが独立して、IIIa〜IIIiのいずれか一つであり、ここでRがHであり、Rが、H、F、Cl、Me、メトキシ、ヒドロキシエトキシ、メトキシエトキシ、アセトキシエトキシ、メチルスルホニル、メチルスルホニルメチル、フェニル及びモルホリン-4-イルからなる群から選択される。他の特定の実施態様では、Q及びQはIIIdである。特定の実施態様では、Q及びQは、Rで4位が置換されたIIIdである。他の特定の実施態様では、Q及びQは、Rで5位が置換されたIIIdである。特定の実施態様では、Q及びQは独立して、次のもの:2-Cl、3-Cl、4-Cl、2-F、3-F又は4-F置換されたベンジル、ピリド-3-イル又はピリド-4-イルのような、置換されたフェニル、フェニル、iPr、Me、Fである。
はH又はアルキルである。特定の実施態様では、RはHである。特定の実施態様では、Rはアルキルである。特定の実施態様では、Rはメチルである。特定の実施態様では、R、R及びR5'はそれぞれHである。特定の実施態様では、Rはメチルであり、一方、R及びR5'(存在するならば)は、双方ともHである。特定の実施態様では、RはHであり、Rはメチルであり、R5'(存在するならば)はHである。
は、それぞれハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アシル、ヒドロキシアシル、アルコキシアシル、スルホニル、アミノ及びニトロで置換されていてもよい、アルキル、炭素環、カルボシクリルアルキル、ヘテロ環又はヘテロシクリルアルキルである。特定の実施態様では、Rは、それぞれハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、チオン、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、アシル、ヒドロキシアシル、メトキシアシル、スルホニル、アミノ及びニトロで置換されていてもよい、アルキル、炭素環、カルボシクリルアルキル、ヘテロ環又はヘテロシクリルアルキルである。一実施態様では、Rは、それぞれハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、アルコキシ、アミノ及びニトロで置換されていてもよい、アルキル、炭素環、カルボシクリルアルキル、ヘテロ環又はヘテロシクリルアルキルである。特定の実施態様では、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロ環又はヘテロシクリルアルキルである。特定の実施態様では、Rは、アルキル、シクロアルキル又はヘテロ環である。特定の実施態様では、Rは、t-ブチル、イソプロピル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラン-4-イル、N-メチルスルホニルピペリジン-4-イル、テトラヒドロチオピラン-4-イル、テトラヒドロチオピラン-4-イル(Sは酸化形態SO又はSOで存在)、シクロヘキサン-4-オン、4-ヒドロキシシクロヘキサン、4-ヒドロキシ-4-メチルシクロヘキサン、1-メチル-テトラヒドロピラン-4-イル、2-ヒドロキシプロプ-2-イル、ブト-2-イル、チオフェン-3-イル、ピペリジン-4-イル、N-アセチルピペリジン-4-イル、N-ヒドロキシエチルピペリジン-4-イル、N-(2-ヒドロキシアセチル)ピペリジン-4-イル、N-(2-メトキシアセチル)ピペリジン-4-イル、ピリジン-3-イル、フェニル及び1-ヒドロキシエト-1-イルからなる群から選択される。本発明の一実施態様では、Rは、t-ブチル、イソプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル、フェニル又はテトラヒドロピラン-4-イルである。特定の実施態様では、Rはフェニルである。特定の実施態様では、Rはシクロヘキシルである。他の実施態様では、Rはテトラヒドロピラン-4-イルである。他の特定の実施態様では、Rはイソプロピル(すなわち、バリンアミノ酸側鎖)である。他の特定の実施態様では、Rはt-ブチルである。特定の実施態様では、Rは、それが含有するアミノ酸又はアミノ酸類似体がL-立体配置で存在するように方向付けされている。
は、H又はハロゲンもしくはヒドロキシルで置換されていてもよいアルキルであり;又はRとRは共同して3-6のヘテロ環を形成する。一実施態様では、RはH又はアルキルであり;又はRとRは共同して3-6のヘテロ環を形成する。一実施態様では、Rは、H又はメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルである。特定の実施態様では、RはH又はメチルである。他の特定の実施態様では、Rはメチルである。他の特定の実施態様では、Rはフルオロメチルである。他の特定の実施態様では、Rはエチルである。他の特定の実施態様では、Rはヒドロキシエチルである。特定の実施態様では、Rはフルオロメチルである。特定の実施態様では、Rはヒドロキシエチルである。他の実施態様では、Rは、それが含有するアミノ酸又はアミノ酸類似体がL-立体配置で存在するように方向付けされている。特定の実施態様では、R及びRはそれらが依存する原子と共同して、3-6のヘテロ環を形成する。特定の実施態様では、R及びRは共同して、アゼチジン環を形成する。特定の実施態様では、R及びRは共同して、ピロリジンを形成する。
とR'は独立して、H、ヒドロキシル、アミノ、アルキル、炭素環、カルボシクロアルキル、カルボシクロアルキルオキシ、カルボシクロアルキルオキシカルボニル、ヘテロ環、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ又はヘテロシクロアルキルオキシカルボニルであり;それぞれのアルキル、カルボシクロアルキル、カルボシクロアルキルオキシ、カルボシクロアルキルオキシカルボニル、ヘテロ環、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ及びヘテロシクロアルキルオキシカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、アルコキシ、アミノ、イミノ及びニトロで置換されていてもよく;又はRとR'は共同してヘテロ環を形成する。一実施態様では、RとR'は独立して、H、ヒドロキシル、アミノ、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、又はヘテロアリールアルキルであり;それぞれのアルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール及びヘテロアリールアルキルは、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、アルコキシ、アミノ及びニトロで置換されていてもよく;又はRとR'は共同してヘテロ環を形成する。特定の実施態様では、RとR'は共同して、ヘテロ環、例えばアゼチジン環、又はピロリジン環を形成する。特定の実施態様では、RとR'は双方ともHである。他の特定の実施態様では、Rはメチルであり、R'はHである。特定の実施態様では、RとR'の一方はヒドロキシル(OH)であり、他方はHである。他の実施態様では、RとR'の一方はアミノ、例えばNH、NHMe及びNHEtであり、他方はHである。特定の実施態様では、R'はHであり、Rは、H、アルキル、アリール、アラルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール又はヘテロアリールアルキルである。特定の実施態様では、Rは、
Figure 2011509938
からなる群から選択される基である。
は、H又はアルキルである。特定の実施態様では、Rは、H又はメチルである。特定の実施態様では、RはHである。他の特定の実施態様では、Rはメチルである。
それぞれの場合、Rは独立して、H、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、アミジノ、グアニジノ、アルキル、炭素環、ヘテロ環又は-U-Vであり;ここで、Uは、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-NR-C(NH)-NR-、-NR-C(NH)-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-であり、Vは、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり;ここでアルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-NR-C(NH)-NR-、-NR-C(NH)-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよい。「置換されていてもよい炭素環」及び「置換されていてもよいヘテロ環」の置換基は、ここに定められたものである。特定の実施態様では、このような炭素環及びへテロ環基は、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ ニトロ、アミジノ及びグアニジノで置換されている。一実施態様では、Rは、H、ハロゲン、アルキル、アリール、アラルキル、アミノ、アリールアミノ、アルキルアミノ、アラルキルアミノ、アルコキシ、アリールオキシ又はアラルキルオキシである。一実施態様では、Rは、H、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、又はアラルキルである。特定の実施態様では、Rはハロゲン、例えばCl又はFである。特定の実施態様では、RはHである。
は、H、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、ここで該アルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)又は-C(O)-で置き換えられていてもよく;該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ(=O)、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよい。「置換されていてもよい炭素環」及び「置換されていてもよいヘテロ環」の置換基は、ここに定められたものである。特定の実施態様では、このような炭素環及びへテロ環基は、ヒドロキシル、アルキル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ ニトロ、アミジノ及びグアニジノで置換されている。特定の実施態様では、Rは、H、アルキル、又はアシルである。一実施態様では、Rはメチルである。他の実施態様では、Rはアセチルである。特定の実施態様では、RはHである。R及びR、並びにここでの全ての他の可変基の置換は、許容可能な結合価に従属すると理解される。
nは1〜4である。一実施態様では、nは1である。一実施態様では、nは2である。一実施態様では、nは3である。一実施態様では、nは4である。
本発明の化合物は不斉炭素原子を含む。従って、化合物はジアステレオマー、エナンチオマー又はそれらの混合物として存在し得る。化合物の合成は、出発物質又は中間体として、ラセミ化合物、ジアステレオマー又はエナンチオマーを使用してもよい。ジアステレオマー化合物はクロマトグラフィー又は結晶化法により分離されうる。同様に、エナンチオマー混合物は、同技術又は当該分野で知られた他の技術を使用して分離されうる。特に立体化学配位が言及されない限り、各不斉炭素原子はR又はS配置で存在し得、これらの配置の双方が本発明の範囲内である。
本発明の他の態様では、式U-M-Uを有する二量体が提供され、ここでU及びUはそれぞれ独立して、式Iの化合物及びMであり、MはUとUとを共有結合させる結合基である。特定の実施態様では、二量体化合物は一般式:
Figure 2011509938
を有する。
特定の実施態様では、本発明の二量体化合物は、次の式V又はVa
Figure 2011509938
を有する。
特定の実施態様では、本発明の化合物は、次の式VI又はVIa
Figure 2011509938
を有する。
特定の実施態様では、本発明の化合物は、次の式X、Xa又はXb
Figure 2011509938
を有する。
また本発明は、上述の化合物のプロドラッグも包含する。適用可能である場合、適切なプロドラッグには、放出され、例えば加水分解されて、生理学的条件下で親化合物を生じる既知のアミノ-保護及びカルボキシ-保護基が含まれる。特定のクラスのプロドラッグは、アミノ、アミジノ、アミノアルキレンアミノ、イミノアルキレンアミノ又はグアニジノ基の窒素原子が、ヒドロキシ(OH)基、アルキルカルボニル(-CO-R)基、アルコキシカルボニル(-CO-OR)、アシルオキシアルキル-アルコキシカルボニル(-CO-O-R-O-CO-R)基で、Rが一価又は二価の基であり、上述の通りであるもの、又は式-C(O)-O-CP1P2-ハロアルキルを有する基で、P1及びP2は同一か又は異なっており、H、低級アルキル、低級アルコキシ、シアノ、低級ハロアルキル又はアリールであるもので置換された化合物である。特定の実施態様では、窒素原子は、本発明の化合物のアミジノ基の窒素原子の一つである。これらのプロドラッグ化合物は、上述した本発明の化合物と活性化アシル化合物とを反応させ、本発明の化合物中の窒素原子を活性化アシル化合物のカルボニルに結合させることで調製される。適切な活性化カルボニル化合物はカルボニル炭素に結合する良好な脱離基を有しており、アシルハロゲン化物、アシルアミン類、アシルピリジニウム塩、アシルアルコキシド、特にアシルフェノキシド、例えばp-ニトロフェノキシアシル、ジニトロフェノキシアシル、フルオロフェノキシアシル、及びジフルオロフェノキシアシルを含む。反応は一般的に発熱反応で、例えば−78から約50℃の低い温度にて不活性溶媒中で行われる。反応は通常は無機塩基、例えば炭酸カリウム又は重炭酸ナトリウム、あるいは有機塩基、例えばピリジン、トリエチルアミン等を含むアミンの存在下で行われる。
式Iの特定の化合物には、次のもの:
Figure 2011509938
Figure 2011509938
Figure 2011509938
が含まれる。
本発明の化合物は、種々の共鳴形態で存在していてよく、このような共鳴形態の全てが本発明の範疇に入る。
合成
本発明の化合物は、商業的に入手可能な出発物質及び試薬から、標準的な有機合成技術を使用して調製される。本発明の化合物の調製に使用される合成手順は、化合物に存在している特定の置換基に依存しており、有機合成において標準とされる種々の保護及び脱保護工程が必要であるが、次のスキームには例証しない場合もあると理解されるであろう。一般合成スキームでは、本発明の化合物は、典型的なアミドカップリング手順を用い、アミノ酸残基類似体をカップリングさせることにより、典型的なペプチド化学技術を使用して調製されうる。簡便には、式Iの化合物は、4つのアミノ酸類似体領域P1、P2、P3及びP4により表すことができる。
Figure 2011509938
スキーム1では、アミン保護されたアミノ酸残基類似体P1ないしP4は、式Iの最終化合物を得るのに任意の順で連続的にカップリングされうる。例えば、本発明の化合物は、スキームIa又はIbに示す工程に従って調製されうる。
Figure 2011509938
又はR'がH以外である化合物は、標準的な有機化学技術、例えば出発アミノ酸残基類似体、特にNH-CH(R)-C(O)-OHを、適切なアルデヒド又はケトンと反応させ、以下のスキームに例証されるように、所望のR及びR'置換基が得られる還元的アミン化により調製されうる。ついで、得られたR/R'置換アミノ酸中間体P1を、標準的なペプチドカップリング技術を使用し、次のアミノ酸中間体P2、又は化合物の残余部分(P2-P3-P4)にコンジュゲートさせることができる。
Figure 2011509938
特定の実施態様では、アラニンを1-メチルインドール-2-カルボキシアルデヒドと反応させ、1%のHOAc/DMFに溶解したシアノ水素化ホウ素ナトリウムを用いて還元させることで、以下のスキームに示されるような、本発明の化合物の調製に使用され得るN-置換アラニンP1残基が得られる。
Figure 2011509938
あるいは、R/R'置換基を導入するための還元的アミン化手順は、化合物の調製における最終工程である。
又はR'置換基がH以外である場合、それらは、所望するアミンで、離脱基が導入された適切な酸中間体を置換することにより調製されうる。例えば、Br-CH(R)-C(O)-OHを、次のスキームに従い、アミンR-NH又はR-NH-R'で置換する。
Figure 2011509938
あるいは、R又はR'置換基を導入する置換反応は、次のスキームに例証されるように化合物の調製における最終工程として実施されてもよい。
Figure 2011509938
特定の実施態様では、2-ブロモプロピオン酸を、DMFに溶解させた以下のアミン類と反応させ、置換が完了するまでバブリングし、N-置換アラニンP1残基を形成させる。
Figure 2011509938
又はXのいずれかが硫黄である本発明の化合物、すなわちチオアミドが組み込まれた化合物は、確立された有機化学技術に従い調製されうる。例えば、Xが硫黄である化合物は、ローソン試薬又はP10等のチオン酸化試薬と反応させられるFmoc保護アミノ酸残基類似体NH-CH(R)-COOHから出発して、調製されうる。
Gが式IVbの基である化合物は、標準的なアミドカップリング技術を使用し、アミン置換された環Aを、カルボキシル置換されたP3中間体にカップリングさせることにより調製されてよい。この本文において、=X基はP3の一部であり、NR'はP4の一部であると理解される。アミン置換された環Aは商業的に入手可能であるか、又は標準的な有機化学技術により調製される。例えば1-アリール-5-アミノテトラゾール、例えばフェニル-5-アミノテトラゾールは、アジ化ナトリウムと塩化第2水銀とを反応させることにより、商業的に入手可能なフェニルチオ尿素から、以下のスキームに従い調製されてよい。
Figure 2011509938
3-アリール-5-アミノ-1,2,3-トリアゾール類、例えば3-フェニル-3H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルアミンは、J. Org. Chem, 1981, 46:856-9に記載され、フェニルアミンをアミノアセトニトリルと反応させることによる以下のスキームに例証される手順に従い調製されうる。
Figure 2011509938
同様に、5-アミノ-1-フェニル-1H-[1,2,3]トリアゾール-4-カルボニトリルは、以下のスキームに例証されるように、フェニルアミンを2-アミノ-マロノニトリルと反応させることにより調製されうる。
Figure 2011509938
4-アリール-5-アミノ-1,2,5-オキサジアゾール類、例えば4-フェニル-フラザン-3-イルアミンは、Lakhanら(Indian Journal of Chemistry, Section B: Organic Chemistry Including Medicinal Chemistry (1987) 26B(7):690-2)に記載され、ベンゾイルシアニドをヒドロキシルアミンと反応させることによる以下のスキームに例証される手順に従い調製されうる。
Figure 2011509938
4-アリール-3-アミノ-1,2,4-トリアゾール類、例えば4-フェニル-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-イルアミンは、フェニルイソチオシアナートをヒドラジンカルボキシイミダミドと反応させることにより調製され得、以下のスキームに例証されるように、チオール基がラネーニッケル触媒を用いて除去され得る5-アミノ-4-フェニル-4H-[1,2,4]トリアゾール-3-チオールが得られる。
Figure 2011509938
4-アリール-5-アミノ-1,2,3-トリアゾール類、例えば3,5-ジフェニル-3H-[1,2,3]トリアゾール-4-イルアミンは、J. Org. Chem., 1990, 55:3351-62に記載されており、ベンゼンアセトニトリルをアジドベンゼン(又は、トリメチルシリルアジド、TMS-N)と反応させることによる以下のスキームに例証されるようにして調製されうる。
Figure 2011509938
4-アリール-3-アミノピラゾール類、例えば4-フェニル-2H-ピラゾール-3-イルアミンは、欧州特許出願公開第269859号に記載されており、ベンゼンアセトニトリルをオルトギ酸トリエチルエステルと反応させることによる以下のスキームに例証される手順に従い調製され得、ヒドラジンと反応させられる3-オキソ-2-フェニル-プロピオニトリルが得られる。
Figure 2011509938
ヒドラジン及びベンゼンアセトニトリル誘導体を使用し、以下のスキームに例証されるようにして、置換-4-アリール-3-アミノピラゾール類を調製することができる。
Figure 2011509938
1-アリール-5-アミノピラゾール類、例えば2-フェニル-2H-ピラゾール-3-イルアミンは、フェニルヒドラジンを3-オキソ-プロピオニトリルと反応させることにより調製されうる。様々なニトリル類を使用し、以下のスキームに例証するように、ピラゾール環の3位に置換を導入することができる。
Figure 2011509938
3-アリール-4-アミノイミダゾール類、例えば3-フェニル-3H-イミダゾール-4-イルアミンは、以下のスキームに例証するように、フェニルアミンをアミノアセトニトリル及びオルトギ酸トリエチルエステルと反応させることにより調製されうる。イミダゾールの2位における置換は、以下のようにして、オルトギ酸トリエチルエステルの類似体を使用して導入することができる。
Figure 2011509938
5-アリール-4-アミノイミダゾール類、例えば5-フェニル-3H-イミダゾール-4-イルアミンは、以下のスキームに例証するように、ホルムアミジンをアミノフェニルアセトニトリルと反応させることにより調製されうる。イミダゾール環の2位における置換は、ホルムアミジンの類似体を使用して導入することができる。
Figure 2011509938
4-アリール-[1,2,3]チアジアゾール-5-イルアミン類、例えば4-フェニル-[1,2,3]チアジアゾール-5-イルアミンは、以下のスキームに従い、調製されうる。2-ブロモ-1-フェニル-エタノンをリチウムフタルイミドと反応させ、置換生成物をヒドラジンカルボキシレートエチルエステルと反応させる。得られたヒドラジンカルボキシレートエチルエステルを環化させ、塩化チオニルと反応させ、続いてヒドラジンでフタルイミド基を除去することにより、チアジアゾールを形成させる。
Figure 2011509938
Gが式IVcを有する化合物は、標準的な有機化学技術を使用し、商業的に入手可能な試薬から作製される。例えば、環Aがチアゾールである場合、中間体は、次のスキームに従って調製されうる:
Figure 2011509938
[ここで、Q、R、R、R及びRはここに定められたものであり、Prはアミン保護基である]。アルファ窒素が例えばBoc又はCbzで保護された(Pr)アミド化P3中間体は、例えばWilliamsら(J. Org. Chem, 2001, 66:8463)に記載された手順に従い、ローソン試薬を使用し、対応するチオアミドに転換される。ついで、適切な臭化物を用いてチアミドを環化し、例えばCiufoliniら(J. Org. Chem. 1997, 62: 3804)に記載の手順を使用することで、Qで置換された所望のチアゾールが得られる。あるいは、本スキーム中の臭化物は、環化工程から形成されるチアゾールに所望のQ基をカップリングさせるために使用され得る官能基を取り込んでもよい。
Gが、環Aがオキサゾールである式IVcを有する化合物について、中間体は以下のスキームに従い調製されうる。
Figure 2011509938
[ここで、Q、R、R、R及びRはここに定められたものであり、Prはアミン保護基である]。出発P3中間体を、標準的なアミド形成手順を使用し、適切なアミンと反応させる。得られたアミドを、Pihkoら(J. Org. Chem., 1999, 64:652)に記載の手順に従い、例えばバージェス(Burgess)試薬を使用して環化させると、ジヒドロ-オキサゾールが得られる。ついで、ジヒドロ-オキサゾールを還元すると、Qで置換された所望のオキサゾールが得られる。あるいは、スキームの第1工程のアミンは、環化工程から形成されるチアゾールに所望のQ基をカップリングさせるために直接又は間接的に使用され得る官能基をQの代わりに導入してもよい。
Gが式IVdを有する化合物は、典型的なアミドカップリング手順を使用し、アミノ酸残基類似体をカップリングすることにより調製されうる。以下のスキームでは、Q、X、X、Z、Z、Z、Z、R、R、R、R、R'、R、R、R及びRは、ここに定められたものであり、Prは適切な保護基であり、アミノ保護されたアミノ酸中間体はカップリングされ、連続して脱保護されて、最終化合物が得られる。
Figure 2011509938
また、Gが式IVdを有する化合物は、任意の順序でアミノ酸中間体をカップリングさせることにより調製され得、当該分野で常套的な固相支持体を使用して調製されうる。例えば、次のスキームは、代替のアミノ酸残基類似体カップリング経路を例証するものである。
Figure 2011509938
がSである式IVdに相当するP3-P4縮合チアゾール中間体は、Q、Z、Z、Z、R、R、R及びRがここに定められたものであり、Prが適切な保護基である、以下のスキームに従い調製されうる。
Figure 2011509938
アミンを、標準的なアミド形成手順を使用し、P3中間体とカップリングさせてアミドを形成し、これがローソン試薬との反応により、対応するチアミド に転換される。チオアミドは、例えばEtOHにKFe(CN)が入ったものを用いて環化され、脱保護されたが形成されて、所望のP3-P4中間体が得られる。
あるいは、ZがSである式IVdに相当するヘテロアリール-縮合チアゾール中間体は、以下のスキームに従い調製されうる。
Figure 2011509938
クロロ置換されたアミンが、酸塩化物とカップリングされてアミドが得られ、これが、ローソン試薬と反応させられ、加熱されて、環化化合物が得られる。ついで、化合物を脱保護すると、本発明の化合物の調製に使用される所望のP3-P4縮合チアゾール中間体が得られる。
がOである式IVdに相当する縮合オキサゾール中間体は、以下のスキームに例証するような、Wangら(Bioorganic & Medicinal Chemistry (2004), 12(1):17-21)により記載された手順に従い調製されうる。
Figure 2011509938
先のスキームと同様に、酸塩化物をアミンとカップリングさせ、アミドが得られる。しかしながら、アミドは、トルエン中のp-トルエンスルホン酸溶液で還流されてが得られ、保護基Prが除去されて、所望のP3-P4縮合オキサゾール中間体が得られる。
あるいは、式IVdに相当する縮合オキサゾール中間体は、以下のスキームに例証するような、Kauffmanら(Journal of Heterocyclic Chemistry (2002), 39(5), 981-988)により記載された手順に従い調製されうる。
Figure 2011509938
を、ジオキサン、チオニルクロリド及びN-メチルピロリジノンと共に不活性ガス下で還流し、得られた酸塩化物をヒドロキシ/アミンとカップリングさせ、アミドが得られる。ついで、これを、ジブチルカルビトール中のホウ酸と共に加熱することで、が得られ、保護基Prが除去されて、所望のオキサゾール中間体が得られる。
がNHである式IVdに相当する縮合イミダゾール中間体は、以下のスキームに例証するような、Kumarら(Bioorganic & Medicinal Chemistry 2002, 10(12):3997-4004)により記載された手順に従い調製されうる。
Figure 2011509938
酸塩化物はニトロ置換アミンとカップリングされてアミドが得られる。アミドのニトロ基は、例えば鉄を用いて、対応するアミドに還元され、ついで、酢酸と共に加熱されることにより環化され、が得られる。の保護基Prが除去されて、所望のP3-P4縮合イミダゾール中間体が得られる。
本発明の二量体化合物は、標準的な有機化学技術を使用して調製される。それらは、簡便には、モノマーUを用いて出発され、第2のモノマーUとカップリングさせることにより、調製可能である。特定の実施態様では、二量体化合物は、モノマーが、Rで、ピペリジンを介して結合している式Vaを有しうる。このような二量体は、ジオキサンにHCl入ったものと共に、Rで、Boc保護されたピペリジン、及びFmoc保護されたP1アミンを有するモノマーを溶解させ、ジイソシアナートと反応させることにより調製されうる。
Figure 2011509938
特定の実施態様では、二量体化合物は、モノマーがRでフェニル基を介して結合している一般式VIaを有する。このような二量体は、ジオキサンにHCl入ったものと共に、RでBoc保護されたピペリジン及びFmoc保護P1アミンを有するモノマーを溶解させ、ジイソシアナートと反応させることにより調製されうる。
特定の実施態様では、本発明の二量体化合物は、Rがフェニルである一般式VIaを有する。このような二量体は、臭化プロパルギルとモノマーとを反応させることで調製され得、アセトニトリル中のPd(OAc)、CuI及びDABCOを組合せることにより二量体化されるプロピニルオキシモノマーが得られ、続いてジオキサンにHClが入ったものでBoc除去される。
Figure 2011509938
一実施態様では、本発明の二量体化合物は、モノマーがP3位に結合した一般式VIIaを有する。
Figure 2011509938
このような二量体は、対応するアルコールから調製される4-エチニルベンジルブロミドと、ヒドロキシ置換残基を反応させることにより調製されうる。得られたエチニルベンジルオキシ残基を使用し、例えばP1-P2中間体をカップリングさせることによりモノマーを調製し、アセトニトリル中のPd(OAc)、DABCO及びCuIを組合せることにより二量体化し、続いてジオキサンにHClが入ったものでBoc脱保護される。
適応症
本発明の化合物は、カスパーゼ及び/又はSmacへのIAPタンパク質の少なくともいくつかの結合を阻害する。特定の実施態様では、本発明の化合物はSmacへのX-IAPの結合を阻害する。特定の実施態様では、本発明の化合物は、カスパーゼ3及び7とのX-IAP結合相互作用を阻害する。他の特定の実施態様では、本化合物は、ML-IAPのSmacへの結合を阻害する。他の特定の実施態様では、本発明の化合物はC-IAP1のSmacへの結合を阻害する。他の特定の実施態様では、本発明の化合物はC-IAP2のSmacへの結合を阻害する。従って、本発明の化合物は、特に癌細胞における、アポトーシスシグナルに対して細胞を過敏化させ、又は細胞にアポトーシスを誘導するのに有用である。本発明の化合物は、IAPタンパク質が過剰発現している細胞にアポトーシスを誘導させるのに有用である。また、本発明の化合物は、例えばBcl-2のアップレギュレーション又はBax/Bakのダウンレギュレーションにより、ML-IAPタンパク質からのSmacの放出が阻害されるように、ミトコンドリアアポトーシス経路を破壊するアポトーシスを細胞に誘導するのに有用である。より広義には、本化合物は、アポトーシスを受けるのに失敗した全ての癌タイプの治療に使用することができる。このような癌のタイプの例には、神経芽細胞種、腸癌腫、例えば直腸癌、結腸癌、家族性大腸腺腫症癌、及び遺伝性非ポリポーシス大腸癌、食道癌、***癌、咽頭癌、下咽頭癌、舌癌、唾液腺癌、胃癌、腺癌、甲状腺髄様癌、甲状腺乳頭癌、腎臓癌、腎実質癌、卵巣癌、頸部癌、子宮体癌、子宮内膜癌、絨毛癌、膵癌、前立腺癌、精巣癌、乳癌、尿癌(urinary carcinoma)、黒色腫、脳腫瘍、例えば神経膠芽腫、星細胞腫、髄膜腫、髄芽腫、及び末梢神経外胚葉性腫瘍、ホジキンリンパ腫、非-ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、急性リンパ性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、成人T細胞白血病リンパ腫、肝細胞癌、胆嚢癌、気管支癌、小細胞肺癌、非-小細胞肺癌、多発性骨髄腫、基底細胞腫、奇形腫、網膜芽細胞腫、脈絡膜黒色腫、精上皮腫、横紋筋肉腫、頭蓋咽頭腫、骨肉腫、軟骨肉腫、筋肉腫、脂肪肉腫、線維肉腫、ユーイング肉腫、及び形質細胞腫が含まれる。
本発明の化合物は、アポトーシスシグナルに対して細胞を過敏化させるのに有用である。従って、本化合物は、放射線治療、又は細胞増殖抑制剤又は抗悪性腫瘍剤による化学療法の前、同時又は後に投与されてよい。適切な細胞増殖を抑制する化学療法用化合物には、限定されるものではないが、(i)代謝拮抗剤、例えばシタラビン、フルダラビン、5-フルオロ-2'-デオキシウイリジン(uiridine)、ゲムシタビン、ヒドロキシ尿素又はメトトレキサート;(ii)DNA-断片化剤、例えばブレオマイシン、(iii)DNA-架橋剤、例えばクロランブシル、シスプラチン、シクロホスファミド又はナイトロジェンマスタード;(iv)挿入剤、例えばアドリアマイシン(ドキソルビシン)又はミトキサントロン;(v)タンパク質合成インヒビター、例えばL-アスパラギナーゼ、シクロヘキシミド、ピューロマイシン又はジフテリア毒素;(vi)トポイソメラーゼI毒素、例えばカンプトテシン又はトポテカン;(vii)トポイソメラーゼII毒素、例えばエトポシド(VP-16)又はテニポシド;(viii)微小管に対する薬剤(microtubule-directed agents)、例えばコルセミド、コルヒチン、パクリタキセル、ビンブラスチン又はビンクリスチン;(ix)キナーゼインヒビター、例えばフラボピリドール(flavopiridol)、スタウロスポリン、STI571(CPG 57148B)又はUCN-01(7-ヒドロキシスタウロスポリン);(x)種々の治験薬、例えばチオプラチン(thioplatin)、PS-341、フェニルブチラート、ET-18-OCH、又はファルネシルトランスフェラーゼインヒビター(L-739749、L-744832);ポリフェノール類、例えばケルセチン、リスベラトロール、ピセタノール、没食子酸エピガロカテキン、テアフラビン、フラバノール、プロシアニジン、ベツリン酸及びその誘導体;(xi)ホルモン類、例えばグルココルチコイド類又はフェンレチニド(fenretinide);(xii)ホルモンアンタゴニスト、例えばタモキシフェン、フェナステリド、又はLHRHアンタゴニストが含まれる。特定の実施態様では、本発明の化合物は、シスプラチン、ドキソルビシン、タキソール、タキソテール、及びマイトマイシンCからなる群から選択される細胞増殖抑制化合物と同時投与される。特定の実施態様では、細胞増殖抑制化合物はドキソルビシンである。
本発明で使用可能な他のクラスの活性化合物は、デスレセプターに結合することによりアポトーシスを誘導する又は過敏化可能なもの(「デスレセプターアゴニスト」)である。このようなデスレセプターのアゴニストには、デスレセプターリガンド、例えば腫瘍壊死因子a(TNF-α)、腫瘍壊死因子β(TNF-β、リンホトキシン-β)、LT-β(リンホトキシン-β)、TRAIL(Apo2L、DR4リガンド)、CD95(Fas、APO-1)リガンド、TRAMP(DR3、Apo-3)リガンド、DR6リガンド、並びに任意の該リガンドの断片及び誘導体が含まれる。一実施態様では、デスレセプターリガンドはTNF-αである。特定の実施態様では、デスレセプターリガンドはApo2L/TRAILである。さらに、デスレセプターアゴニストは、デスレセプターに対するアゴニスト抗体、例えば抗CD95抗体、抗TRAIL-R1(DR4)抗体、抗TRAIL-R2(DR5)抗体、抗TRAIL-R3抗体、抗TRAIL-R4抗体、抗DR6抗体、抗TNF-R1抗体、及び抗TRAMP(DR3)抗体、並びに任意の該抗体の断片及び誘導体を含む。
アポトーシスに対して細胞を過敏化させる目的では、本発明の化合物は、放射線治療と組合せて使用することができる。「放射線治療」なる用語は、異常増殖の処置に、電磁気又は微粒子放射線を使用することを意味する。放射線治療は、標的領域に送達される高線量の放射線により、腫瘍及び正常組織の双方において再生細胞を死亡させるという原理に基づく。線量投与計画は、放射線吸収量(rad)、時間及び分割に関して一般的に定められており、腫瘍学者により注意深く定められなくてはならない。患者が受容する放射線の量は種々の検討事項に依存するが、最も重要な2つの検討事項は、体の他の重要な構造体又は器官に対する腫瘍の位置と、腫瘍の広がり程度である。放射線治療剤の例は、限定されるものではないが、放射線治療において提供されるものであり、当該分野(Hellman, Principles of Radiation Therapy, Cancer, Principles I and Practice of Oncology, 24875 (Devitaら, 4th ed., vol 1, 1993)で知られている。放射線治療における近年の進歩には、3次元原体外照射、強度変調放射線治療(IMRT)、定位的放射線治療及び近接放射療法(組織内照射治療)が含まれ、後者は、インプラントされる「シード」として、腫瘍に直接放射線源が配される。これらの新規な処置法により、より多くの線量の放射線が腫瘍に送達せしめられ、標準的な外照射療法と比較した場合に、それらの効果が増大するものとなっている。
β放出放射性核種を有する電離放射線は、電離粒子(電子)の中程度の線エネルギー付与(LET)及びその中距離(典型的には組織においては数ミリメートル)のため、放射線治療への応用において最も有用であると思われる。γ線は、より長い距離において低レベルの線量を送達する。α粒子は全く正反対で、非常に高いLET線量を送達するが、極度に制限された範囲を有し、よって、処置される組織の細胞と密接に接触させなければならない。さらに、α放射体は一般的に重金属であり、実施可能な化学は限定され、処置される領域から放射性核種が漏出する危険性も存在する。処置される腫瘍に応じて、全種類の放射体が、本発明の範疇に入ると考えられる。
さらに、本発明は非電離放射線のタイプ、例えば紫外線(UV)、高エネルギーの可視光線、マイクロ波照射(温熱治療)、赤外線(IR)及びレーザーを含む。本発明の特定の実施態様においては、UV線が適用される。
また本発明は、本発明の化合物と、治療用の不活性な担体、希釈剤又は賦形剤を含有する製薬用組成物又は医薬、並びにこのような組成物及び医薬を調製するための、本発明の化合物の使用方法も含む。典型的には、本発明の方法に使用される式Iの化合物は、周囲温度、適切なpHで、所望する純度にて、生理学的に許容可能な担体、すなわち生薬投与形態に使用される用量及び濃度でレシピエントに無毒な担体と混合することにより製剤化される。製剤のpHは、主として化合物の濃度及び特定の用途に依存するが、いずれでも約3〜8の範囲であってよい。pH5の酢酸バッファー中での製剤が適切な実施態様である。一実施態様では、ここで使用される阻害化合物は滅菌される。通常、化合物は固体組成物として保存されるが、凍結乾燥製剤又は水溶液も許容可能である。
本発明の組成物は、良好な医療行為と一致した様式にて、製剤化、用量決定及び投与されるであろう。ここで考慮される要因には、処置される特定の疾患、処置される特定の哺乳動物、患者個人の病状、疾患の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医者に知られている他の要因が含まれる。投与される化合物の「有効量」は、このような考慮により決定され、カスパーゼとIAPとの相互作用を阻害し、アポトーシスを誘導させ、又はアポトーシスシグナルに対して悪性細胞を過敏化させるのに必要な最小量である。このような量は、正常細胞、又は全体として哺乳動物に毒性のある量以下である。
一般的に、一回当たりに非経口投与される本発明の化合物の当初の製薬的有効量は、一日当たり患者の体重に対して約0.01〜100mg/kg、例えば約0.1〜20mg/kgの範囲であり、使用される化合物の典型的な当初の範囲は、0.3〜15mg/kg/日である。経口単位用量形態、例えば錠剤及びカプセルは、本発明の化合物を約25〜約1000mg含みうる。
本発明の化合物は、経口、局所、経皮、非経口、皮下、腹膜内、肺内、及び鼻孔内、局部的治療が所望されている場合は病巣内部への投与を含む、任意の適切な手段により投与されうる。非経口的注入には、筋肉内、静脈内、動脈内、腹膜内、又は皮下投与が含まれる。適切な経口投与形態の例は、約25mg、50mg、100mg、250mg又は500mgの本発明の化合物と、約90〜30mgの無水ラクトース、約5〜40mgのクロスカルメロース(croscarmellose)ナトリウム、約5〜30mgのポリビニルピロリドン(PVP)K30、及び約1〜10mgのステアリン酸マグネシウムを含有する錠剤である。パウダー状の成分をまず最初に混合し、次にPVPの溶液と混合する。得られた組成物を乾燥し、粒化し、ステアリン酸マグネシウムと混合し、一般的な装置を使用して錠剤の形態に圧密化することができる。エアゾール製剤は、リン酸バッファー等の適切なバッファー溶液に、例えば5〜400mgの本発明の化合物を溶解させ、所望するならば、塩類、例えば塩化ナトリウム等の強壮剤(tonicifier)を添加することにより調製することができる。典型的には、不純物及び汚染物を除去するために、例えば0.2ミクロンのフィルターを使用して溶液を濾過する。
本発明は、次の実施例を参照することにより、さらに十分に理解されるであろう。しかしながら、それらは本発明の範囲を制限すると解釈されてはならない。試薬及び溶媒は商業的供給源から得、受け取ったまま使用した。
ここで使用される略語は以下の通りである:
AcOH:酢酸;
ACN:アセトニトリル;
Chg:シクロヘキシルグリシン;
DCM:ジクロロメタン;
DIC:N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド;
DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;
DMAP:4-ジメチルアミノピリジン;
DME:1,2-ジメトキシエタン;
DMF:ジメチルホルムアミド;
DMSO:ジメチルスルホキシド;
EDC:1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド;
EEDQ:2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン;
EtOAc:酢酸エチル;
EtOH:エタノール;
LCMS:液体クロマトグラフィー質量分析;
HATU:O-(7-アゾベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート;
HOAt:1-ヒドロキシ-7-アゾベンゾトリアゾール
HOBt:N-ヒドロキシベンゾトリアゾール;
HBTU:2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチル-ウロニウムヘキサフルオロホスファート;
HPLC:高速液体クロマトグラフィー;
MeOH:メタノール;
NBS:N-ブロモスクシンアミド;
PyAOP:7-アザベンゾトリアゾール-1-イルオキシ-トリス-(ピロリジノ)ホスホニウム-ヘキサフルオロホスファート:
TASF:トリス(ジメチルアミノ)スルホニウムジフルオロトリメチルシリカート;
TEA:トリエチルアミン;
TFA:トリフルオロ酢酸;
THF:テトラヒドロフラン。
実施例1 2-[tert-ブトキシカルボニル-(1H-ピロール-2-イルメチル)-アミノ]-プロピオン酸
Figure 2011509938
アラニンエチルエステル(5g、32.5mmol)、ピロール-2-カルボキシアルデヒド(3.1g、32.5mmol)、シアノホウ化水素ナトリウム(2.04g、32.5mmol)及びAcOH(1%)をDMF中で混合し、一晩攪拌した。反応体をHOで失活させ、DMFを蒸発させた。混合物をEtOAcで希釈し、0.1NのNaOHで洗浄し、乾燥させ、濃縮して2.5gの生成物を得た。得られたエステル(2.5g、12.8mmol)、ジ-tert-ブチルジカルボナート(3.06g、14mmol)を、NaHCOと共にTHF、HO中で混合し、一晩攪拌した。THFを蒸発させ、混合物をEtOAcで希釈し、1NのNaOH、飽和NHCl及びブラインで洗浄した。乾燥後、混合物を濃縮し、3.3gのBoc-保護されたエステルを得た。Boc-保護されたエステル(1.67g、5.6mol)、水酸化リチウム一水和物(284mg、6.77mmol)を、0℃で、THF及びHO中で混合した。THFを吸引し、溶液を希HSOで酸性化させ、EtOAcで2回抽出した。有機相を組合せ、乾燥させ、蒸発させて、生成物2-[tert-ブトキシカルボニル-(1H-ピロール-2-イルメチル)-アミノ]-プロピオン酸を得た。
実施例2 テトラヒドロピラニルグリシン
Figure 2011509938
テトラヒドロピラニルグリシンを、NovaBiochemから購入するか、又は文献:Ghosh, A. K.; Thompson, W. J.; holloway, M. K.; McKee, S. P.; Duong, T. T.; Lee, H. Y.; Munson, P. M.; Smith, A. M.; Wai, J. M; Darke, P. L.; Zugay, J. A.; Emini, E. A.;Schleife, W. A.; Huff, J. R.; Anderson, P. S. J. Med. Chem, 1993, 36, 2300-2310に従い合成した。
実施例3 ピペリジニルグリシン
Figure 2011509938
ピペリジニルグリシンを、Shiehら(Tetrahedron: Asymmetry, 2001, 12, 2421-2425により記載の手順に従い合成した。
実施例4 4,4-ジフルオロシクロヘキシルグリシン
Figure 2011509938
4,4-ジフルオロシクロヘキシルグリシンを、米国特許出願第20030216325号に記載の手順に従い作製した。
実施例5 Boc(S)-2-アミノ-2-(4-ヒドロキシシクロヘキシル)酢酸
Figure 2011509938
Sheihら(Tetrahedron: Asymmetry, 2001, 12, 2421-2425)により記載の手順に従い、ケトン(8.4g)とEtOAc(30mL)の溶液を、N-Cbz-ホスホノグリシンメチルエステル、TMG(4.5mL)及びEtOAc(30mL)の溶液に添加した。溶液を室温で48時間維持し、ついで、1NのHCl(3×50mL)、ブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残留物をセライトに吸着させ、クロマトグラフィーにより精製し、ついで、EtOAc/ヘキサンから再結晶させてさらに精製し、5.2gの生成物を得た。
Figure 2011509938
Sheih(Tetrahedron: Asymmetry, 2001, 12, 2421-2425)により記載の手順に従い、エネアミド(5.0g)、(S,S)-Me-BPE-Rh(I)(1.5g、Strem Chemicals, Newburyport, MA)、及びMeOH(100mL)の溶液を、70psiのH下、48時間激しく振揺した。減圧下で溶媒を除去した。残留物をEtOAcに溶解させ、さらなるEtOAcと共にSiOを通して濾過した。減圧下で溶媒を除去し、無色の固形物として4.0gの生成物を得た。
Figure 2011509938
Cbz-カルバメート(4.0g) BocO、(2.9g)、20%のPd(OH)・C(1.0g)及びMeOH(30mL)の混合物を、1気圧のH下、6時間保持した。混合物を、MeOHと共にセライトを通して濾過した。減圧下で溶媒を除去し、4.5gの残留物を得、これを直接取り上げた。
Figure 2011509938
上述の残留物を、HO(10mL)、AcOH(30mL)、THF(5mL)、及びジクロロ酢酸(3mL)に溶解させ、室温で一晩保持した。水(5mL)を添加し、HPLC-MSによりモニターして、加水分解が完了するまで保持した。ガスの発生が止まるまで、固体状のNaCOを注意深く添加し、混合物をNaHCO水で希釈し、10%のEtOAc/DCMで抽出した。組合せた有機相をブラインで1回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィーにより精製して2.9gの生成物を得た。
Figure 2011509938
ケトン(1.5g) MeOH(50mL)の混合物を、0℃で20分、NaBH4(290mg)で処理した。10%のクエン酸水を用いて、混合物を〜pH1まで酸性化させ、減圧下でMeOHを除去した。残留物を水で希釈し、20%のEtOAc/DCMで抽出した。組合せた有機相をブラインで1回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮した。残留物をクロマトグラフィーにより精製し、1.17gの生成物と0.23gの生成物を得た。
Figure 2011509938
エステルg(1.17g) LiOH・HO(160mg)、THF(3mL)及び水(4.5mL)の混合物を、室温で一晩激しく攪拌した。混合物をブラインで希釈し、EtOAcで徹底的に抽出した。組合せた有機相をブラインで1回洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、濃縮して、酸(525mg)を得た。
実施例6 N-Boc-N-シクロプロピルメチル-L-アラニン
Figure 2011509938
L-アラニンメチルエステルヒドロクロリド(5g、35.8mmol)とシクロプロパンカルボキシアルデヒド(2.67ml、35.8mmol)を、50mlのTHFw/1% AcOHに懸濁させた。5mLのCHOHを添加して、透明になる、濁った溶液を作製した。NaCNBH(2.25g、35.8mmol)を添加し、反応混合物を一晩攪拌した。1NのNaOH水を添加することにより反応を失活させ、EtOAcで2回抽出し、有機層をNaSO上で乾燥させ、濃縮乾固した。30%のEtOAc/ヘキサンを使用するクロマトグラフィー(ニンヒドリンにより染色)により粗物質を精製し、化合物(1g、18%)を得た。化合物(1g、6.37mmol)及びジ-t-bocジカルボナート(2.1g、9.55mmol)をTHF(20ml)とHO(20ml)で希釈し、NaHCO(1.3g、15.9mmol)を添加した。反応混合物を一晩攪拌して完全にした。減圧下でTHFを除去し、水層をEtOAcで3回抽出した。組合せた有機層を1NのNaOH、飽和したNHCl、続いてブラインにより洗浄し、濃縮乾固した。Boc-保護された化合物(1.39g、5.40mmol)を、THF(20ml)とHO(20ml)にLiOH.HO (1.14g、27mmol)が入ったものと共に、室温で一晩攪拌した。THFを取り除き、10%のクエン酸を添加することにより、水層をpH=4に調節し、ついでEtOAcで3回抽出した。組合せた有機層をブラインで洗浄し、濃縮した。0%-50%のアセトニトリル/HOにより溶離する逆相C-18カラムにより、粗物質を精製し、白色の固形物として純粋な化合物(794mg)を得た。
実施例7 N-Boc-N-メチル-L-アラニン-L-シクロヘキシルグリシン
Figure 2011509938
DCM(50mL)とDIPEA(5.6mL、32mmol)にFmoc-L-シクロヘキシルグリシン(3.6g、9.6mmol)を溶解させた溶液を、2-クロロトリチルクロリド樹脂(5g、8mmol)に添加し、室温で3時間、ゆっくりと攪拌した。樹脂をDCMで4回、DCM/MeOH/DIPEA(17:2:1)で3回、DCMで3回、ジメチルアセトアミド(DMA)で2回洗浄した。15分、20%のピペリジン/DMA(50mL)で樹脂を処理することにより、Fmoc基を除去した。樹脂をDMAで6回洗浄した。Boc-N-メチルアラニン(3.3g、16mmol)、HBTU(6.1g、16mmol)、及びDIPEA(5.6mL、32mmol)及びDMA/DCM(1:1、50mL)の溶液を樹脂に添加し、室温で2時間、ゆっくりと攪拌した。樹脂をDMAで5回、DCMで2回洗浄し、減圧下で乾燥させた。室温で2時間、HOAc/TFE/DCM(1:1:3、100mL)と共にゆっくりと攪拌することにより、ジペプチドを樹脂から切断した。樹脂を濾過により除去し、溶液を濃縮した。ヘキサン(15倍容量)で共沸することにより、残留AcOHを除去した。固形残留物を逆相HPLC(C18、MeCN-HO、0.1%のTFA)により精製し、凍結乾燥により溶媒を除去し、白色のパウダーとして1.2g(43%)のジペプチド-N-Boc-N-メチル-L-アラニン-L-シクロヘキシルグリシンを得た。
実施例8 N-Boc-N-メチル-L-アラニン-L-デヒドロピラニルグリシン
Figure 2011509938
N-Cbz-デヒドロピラニルグリシンメチルエステル(Burk, M. J.;Gross, M. F.; Martinez, J. P. J. Am Chem. Soc. 1995, 117, 9375、及びそこでの参考文献)(5.2g、17mmol)、5%のPd・C(500mg)、MeOH(75mL)及びTHF(25mL)の混合物を、24時間、H雰囲気下で保持した。混合物をセライトを通して濾過し、セライトをMeOHで洗浄し、減圧下で濃縮し、無色の油として定量的収率のアミンを得、これを直接使用した。
Figure 2011509938
上で調製されたアミンを、CHCl(40mL)、NaHCO飽和水溶液(40mL)と組合せ、0℃まで冷却した。ついで、ベンジルオキシカルボニルクロリド(3.0mL)を滴下し、混合物を一晩激しく攪拌した。相を分離させ、水相をCHCl(3×20mL)で抽出した。組合せた有機相をブライン(1×50mL)で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、濾過し、セライトに吸着させ、クロマトグラフィー(ISCO、120gのシリカカラム、勾配溶離5−55%のEtOAc-ヘキサン)を実施し、4.15g(80%)のラセミのCbz-ピラニルグリシンメチルエステルを得た。10%のEtOH-ヘキサンを用いて溶出させるChiracel ODカラムでエナンチオマーを分離した。これらの条件下で所望のS-エナンチオマーが最初に溶出する。
Figure 2011509938
(S)-N-Cbz-ピラニルグリシン メチルエステル(2.4g、7.82mmol)10%のPd・C(700mg)、MeOH(80mL)の混合物を、24時間、1気圧のH下で保持した。混合物を、MeOHと共にセライトを通して濾過し、減圧下で濃縮し、無色の油として、1.35g(100%)のアミンを得た。また、ピラニルグリシンは、Ghosh(Ghosh, A. K.; Thompson, W. J.; Holloway, M. K.; McKee, S. P.; Duong, T. T.; Lee, H. Y.; Munson, P. M.; Smith, A. M.; Wai, J. M.; Darke, P. L.; Zugay, J. A.; Imini, E. A.; Schleif, W. A.; Huff, J. R.; Anderson, P. S. J. Med. Chem., 1993, 36, 2300)の手順に従い、エナンチオピュアな形態で合成することができる。
Figure 2011509938
アミン(1.35g、7.8mmol)、N-Boc-N-メチルアラニン(1.74g、8.6mmol)、EDC(1.65g 8.8mmol)及びMeCN(50mL)の混合物を、室温で一晩保持した。減圧下でMeCNを除去し、残留物をEtOAcで希釈し、0.5NのHCl(3×10mL)、0.5NのNaOH(3×10mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮し、透明な油として、2.1g(75%)の保護されたジペプチドを得た。
Figure 2011509938
エステル(2.10g、5.86mmol)とTHF(50mL)の0℃の溶液に、LiOH・HO(1.23g、29.3mmol)と水(2mL)を添加した。混合物を0℃で2時間保持し、ついで、冷浴を取り除き、混合物を一晩攪拌した。ついで、減圧下でほとんどのTHFを取り除き、残留物をCHClで希釈し、0.5NのHClで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、濾過し、濃縮し、無色の固形物として、1.53g(78%)のジペプチド-N-Boc-N-メチル-L-アラニン-L-デヒドロピラニルグリシンを得た。
実施例9 7-フェニル-2-(ピロリジン-2-イル)チアゾロ[5,4-b]ピリジン
Figure 2011509938
(2-クロロ-4-ヨード-ピリジン-3-イル)-カルバミン酸-tert-ブチルエステル(4.20g、11.8mmol)、フェニルボロン酸(1.90g、15.6mmol)、炭酸カリウム(2.42g、17.5mmol)及びテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(0.68g、0.59mmol)を計量して20mlのマイクロ波バイアルに入れた。バイアルを空にし、ついで、窒素ガスを3回パージした。16.7mlの無水DMF、ついで3.3mlの水を添加し、一晩中、窒素をバブリングさせることにより脱気した。ついで、バイアルにキャップをし、130℃で40分、マイクロ波照射をした。得られた溶液を250mlの水に注ぎ、EtOAc(3×50ml)で抽出した。組合せた有機物をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた油をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(150gのSiO、ヘキサンに0%〜40%のEtOAc)により精製し、それぞれ黄色及び白色の固形物として、2-クロロ-3-アミノ-4-フェニルピリジン(0.84g、4.1mmol、35%)及びBoc-保護された2-クロロ-3-アミノ-4-フェニルピリジン(1.74g、5.7mmol、48%)を得た。
実施例10 7-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)チアゾロ[5,4-c]ピリジン
Figure 2011509938
4-アミノ-3,5-ジクロロピリジン(2.0g、12.3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(696mg、0.6mmol)、フェニルボロン酸(1.9g、15.9mmol)及び炭酸カリウム(2.2g、15.9mmol)を、N雰囲気下、10mLのマイクロ波バイアル中で混合した。DMF(6mL)と脱酸素化HO(1.2mL)を添加した。5分、Nを混合物を通してバブリングし、マイクロ波にて、140℃で20分、混合物を加熱した。混合物を水(30mL)で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。組合せた有機相を水(50mL)及びブライン(50mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。得られた褐色の油をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(SiO、0%〜70%の酢酸エチル/ヘキサン)により精製し、無色の油として、970mg(37%)のを得た。MS:m/z=205(M+H)。
実施例11 7-フェニル-2-((S)-ピロリジン-2-イル)チアゾロ[5,4-d]ピリミジン
Figure 2011509938
鉄粉(12.5g、112mmol)を、酢酸(70mL)に4,6-ジクロロ-5-ニトロピリミジン(7.0g、36.1mmol)が入った懸濁液に添加した。混合物を40℃で45分攪拌した。混合物を氷に注ぎ、固体状の重炭酸ナトリウムを添加することにより中和した。水相をEtOAc(3×200mL)で抽出した。組合せた有機相をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、淡黄色の固形物を得た。温酢酸エチルから再結晶化させ、オフホワイト色の針状体として3.6g(61%)の化合物を得た。MS:m/z=165(M+H)。
実施例12 2,3-ジアミノビフェニル
Figure 2011509938
2-アミノビフェニル(21.9289g、130mmol)を、AcO(30mL、318mmol)に溶解させ、10分攪拌した。更なる量のAcO(10mL、106mmol)を添加し、ついで10分以上攪拌した。サンプルを氷に注いだ。得られた固形物を吸引濾過し、HOで洗浄し、N-アセチル-2-アミノビフェニル(26.955g、128mmol、98%)を得た。
Figure 2011509938
Stepan(Stepan, A.H.ら, J. Am. Chem. Soc., 1949, 71, 2438)の一般的手順に従い、N-アセチル-2-アミノビフェニル(7.198g、34.1mmol)、HOAc(6mL)及びAcO(5mL)を混合し、N-アセチル-2-アミノビフェニルが溶解するまで、120℃で数分加熱した。サンプルを室温まで冷却した。氷浴において、HOAc(1.5mL)を2.3mLの発煙HNO(2.3mL、54.5mmol)にゆっくりと添加した。26.5℃未満の温度を保持しつつ、1.5mLのHNO混合物を素早く添加し、ついで残ったHNO混合物を、N-アセチル-2-アミノビフェニルに滴下した。サンプルを室温で4時間攪拌し、ついで、4℃で一晩保存した。反応混合物を氷に注ぎ、ベンゼンで1回抽出した。ベンゼン層を4℃で1時間保存した。得られた固形物を吸引濾過し、冷ベンゼンで洗浄し、N-アセチル-2-アミノ-3-ニトロビフェニル(2.346g、9.15mmol、27%)を得た。
Figure 2011509938
N-アセチル-2-アミノ-3-ニトロビフェニル(1.008g、3.93mmol)、EtOH(19mL、325mmol)、及び濃HCl(5mL、50mmol)を混合し、120℃で一晩還流した。サンプルをシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(12gのSiO、ヘキサンに0-33%のEtOAc)により精製し、2-アミノ-3-ニトロビフェニル(0.720g、3.36mmol、85%)を得た。
Figure 2011509938
2-アミノ-3-ニトロビフェニル(0.613g、2.86mmol)を、30分、窒素下でパージし、ついで、HOAc(5mL)、ついで鉄粉(0.4895g、8.76mmol)を添加した。サンプルを60℃で30分加熱し、ついでHOAc(5mL)を添加した。サンプルを60℃で1時間攪拌し、ついで氷に注いだ。サンプルをEtOAc(3×100mL)で抽出した。EtOAc抽出物を飽和NaHCO(3×100mL)で洗浄した。EtOAc層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、2,3-ジアミノビフェニル(0.439g、2.38mmol、83%)を得た。
実施例13 3-アミノ-4-クロロ-2-フェニルピリジン
Figure 2011509938
Norman(Norman, M.H.ら, J. Med. Chem., 2000, 43, 4288)の一般的手順に従い、2,4-ジヒドロキシピリジン(4.931g、44.4mmol)とHSO(20mL)を組合せ、0℃まで冷却した。NHO(20mL、444mmol)を滴下した。サンプルを30分攪拌し、ついで氷上に注いだ。得られた固形物を4℃で1時間保存し、ついで吸引濾過し、2,4-ジヒドロキシ-3-ニトロピリジン(5.143g、32.9mmol、74%)を得た。
Figure 2011509938
Norman(Norman, M.H.ら, J. Med. Chem., 2000, 43, 4288)の一般的手順に従い、2,4-ジヒドロキシ-3-ニトロピリジン(2.0013g、12.9mmol)とPOCl(25mL、268mmol)を、窒素下で組合せた。混合物を106℃まで加熱し、一晩攪拌した。サンプルを濃縮し、氷上に注いだ。反応混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。EtOAc抽出物を飽和NaCl(1×100mL)で洗浄した。EtOAc層をMgSO上で乾燥させ、濾過した。粗物質をシリカゲルに吸着させ、シリカゲルのプラグ(ヘキサンに50%のEtOAc)を通して濾過し、濃縮し、2,4-ジクロロ-3-ニトロピリジン(2.058g、10.7mmol、83%)を得た。
Figure 2011509938
2,4-ジクロロ-3-ニトロピリジン(2.058g、10.7mmol)を、窒素下、HOAc(10mL)に溶解させた。鉄粉(1.9191g、34.4mmol)を添加した。サンプルを40℃で2時間加熱した。反応混合物を氷上に注ぎ、ついでNaHCOを添加し、中性溶液を得た。サンプルをEtOAc(3×100mL)で抽出した。EtOAc抽出物を飽和NaHCO(1×100mL)で洗浄した。組合せた水層を、100mLのEtOAcで1回逆抽出した。組合せたEtOAc抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮し、3-アミノ-2-4-ジクロロピリジン(1.510g、9.26mmol、87%)を得た。
Figure 2011509938
3-アミノ-2-4-ジクロロピリジン(0.7047g、4.32mmol)、フェニルボロン酸(0.5177g、4.24mmol)、KCO(0.8023g、5.80mmol)、及びPd(PPh)d(0.0702g、0.0607mmol)を組合せた。サンプルを排出し、窒素で3回パージした。無水DMF(2mL)と脱酸素化HO(0.4mL)を添加した。サンプルを、130℃で40分、マイクロ波照射した。反応混合物をHO(50mL)で希釈し、EtOAc(3×50mL)で抽出した。EtOAc抽出物をMgSO上で乾燥させ、濾過した。粗物質をシリカゲルに吸着させ、フラッシュクロマトグラフィー(40gのSiO、ヘキサンに0-30%のEtOAc)により精製し、3-アミノ-4-クロロ-2-フェニルピリジン(0.435g、2.12mmol、49%)を得た。
実施例14 N-Boc-保護された環状のスルホニルアミノ酸
Figure 2011509938
Shieh[Shieh, W-C.;Xue, S.,;Reel, N.:Wu, R.;Fitt, J.;Repic, O. Tetrahedron:Asymmetry, 2001, 12, 2421-2425]の一般的手順に従い合成された硫化物(810mg、2.5mmol)を、メタノール(25mL)に溶解させた。オキソン(4.5g)を脱イオン水(25mL)に溶解させた。基質のメタノール溶液を−10℃まで冷却し、オキソン水溶液を反応体にゆっくりと添加した。反応体を氷上で保持し、一晩攪拌させつつ、徐々に室温まで温めた。脱イオン水を使用し、反応体を約150mLまで希釈し、ついで抽出のために、90%の酢酸エチル-ヘキサンに注いだ。有機相を乾燥させ(NaSO)、セライトに吸着させ、ISCO CombiFlashの40gカラム、5-90%の酢酸エチル-ヘキサンによるクロマトグラフィーで30分以上かけて精製し、804mg(2.27mmol、91%)の生成物スルホンを得た。
Figure 2011509938
Burk[Burk, M.J.;Gross, M.F.;Martinez, J.P. J. Am. Chem. Soc. 1995, 117, 9375-9376]の一般的手順に従い、アルケン(774mg、2.19mmol)、無水メタノール(40mL)、及び[(S,S)-Me-BPE-Rh(COD)]OTf(500mg、0.8mmol)を、窒素でパージされたパール(Parr)振揺フラスコにおいて混合した。パールフラスコを空にし、ついで、60psiの水素ガスを充填し、一晩激しく振揺した。減圧下でメタノールを除去し、粗生成物を、酢酸エチルを使用するシリカゲルの小プラグを通して濾過した。溶媒を蒸発させ、730mg(2.0mmol、94%)の生成物が>98%の収率で生じた。
Figure 2011509938
Z-保護されたアミノエステル(804mg、2.27mmol)を、メタノール(16mL)に溶解させた。この溶液に、BOC-無水物(1.5g、6.8mmol)、ついで20%のPd(OH)・C(250mg)を添加した。掃除機により、反応フラスコから全ての空気を除去し、混合物を5分激しく攪拌した。ついで、フラスコに水素ガスを満たし、室温で6時間、激しく攪拌した。水素雰囲気を排出した後、混合物を、メタノールを使用し、セライトを通して濾過し、溶媒を蒸発させることにより、粗生成物(508mg、1.56mmol、70%の収率)を得た。
Figure 2011509938
エステル(508mg、1.56mmol)を8mLのTHFに溶解させた。脱イオン水(4mL)、続いてLiOH・HO(120mg、2.8mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、1NのHCl水を使用して酸性化させ、酢酸エチル(3×25mL)において抽出した。さらに有機抽出物をNaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮し、精製が実施されない、372mg(1.21mmol、78%の収率)のN-Boc-保護された環状のスルホニルアミノ酸を得た。
実施例15 N-エチル-Boc-グリシン
Figure 2011509938
Grigg[Blaney, P.; Grigg、R.; Rankovic, Z.; Thornton-Pett, M.; Xu, J. Tetrahedron, 2002, 58, 1719-1737]の一般的手順に従い、丸底フラスコに水素化ナトリウム(480mgの油における60%分散液、12.0mmol、4.0当量)を充填し、窒素で15分パージした。THF(6.0mL)をフラスコに添加し、氷冷水浴を使用して、懸濁液を0℃まで冷却した。分別フラスコにBoc-グリシン(525mg、3.0mmol)、無水THF(6.0mL)及びヨウ化エチル(1.0mL、12mmol、4当量)を充填した。この混合物を、0℃で激しく攪拌しつつ、THFにNaHが入った懸濁液に滴下した。1時間攪拌した後、反応体を室温まで温め、一晩攪拌した。反応体を再度0℃まで冷却し、メタノール(4mL)を非常にゆっくりと添加し、過度の水素化物を失活させた。脱イオン水を添加し、混合物を希釈し、減圧下でメタノールを除去した。不純物を90%の酢酸エチル-ヘキサンに抽出し、ついで、pHが2-3に達するまで固形のクエン酸を添加することにより、水層を酸性化させた。生成物を90%の酢酸エチル-ヘキサンに抽出した。この有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過した。減圧下で溶媒を除去し、定量的収率の生成物N-エチル-Boc-グリシンを得た。
実施例16 Boc-フルオロ-グリシン
Figure 2011509938
2-アミノ-3-フルオロプロパノン酸(775mg、7.24mmol)及び炭酸ナトリウム(1.69g、16.0mmol)の混合物を、脱イオン水とTHF(各15mL)の1:1溶液に溶解させた。この混合物にBOC-無水物(1.73g、7.96mmol)を添加した。混合物を室温で一晩攪拌し、減圧下でTHFを除去した。ついで、飽和したクエン酸水を用いて、混合物をpH2-3に酸性化させ、生成物を10%酢酸エチル-ジクロロメタンに抽出した。有機層を乾燥させ(NaSO)、濾過し、減圧下で濃縮し、さらなる精製をすることなく使用される、清浄なBoc-保護されたアミノ酸(1.40g、6.7mmol、93%)を得た。
実施例17 Boc-N-Me-Gly-(シクロヘキシル)Gly-OH
Figure 2011509938
N-Me,Boc-Ala(4.7g、23.1mmol)、Chg-OMe(4g、19.2mmol)、BOP(10.2g、23.1mmol)及びDIPEA(7.4ml、42.3mmol)を、15mlのDMFにおいて、4時間攪拌した。EtOAcを溶液に添加し、有機層を飽和したNaHCO水で2回、ブラインで2回洗浄し、MgSO 上で乾燥させ、濃縮した。
を含有する粗残留物を30mlのTHFに溶解させ、30mlの水に水酸化リチウム(1.7g、40.8mmol)が入ったものを添加し、1.5時間攪拌した。溶液を蒸発させ、THFを除去し、クエン酸水(約>2当量)を用いて、溶液をpH〜3に酸性化させた。溶液をEtOAcで2回抽出し、EtOAc層を組合せ、水及びブラインで2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。ついで、酸Boc-N-Me-Gly-(シクロヘキシル)Gly-OHをHPLCにより精製し、凍結乾燥後に、白色のふわふわした固形物を得た。
実施例18 Fmoc-N-Me(Bu)Gly-OH
Figure 2011509938
Fmoc-L-α-t-ブチルグリシン(2.0g、5.7mmol)を、Dean-Stark装置及び還流冷却器を具備する250-mLのフラスコにおいて、無水トルエン(110mL)に溶解させた。パラホルムアルデヒド(1.12g)、ついでp-トルエンスルホン酸一水和物(0.67mmol、127mg)を添加した。得られた混合物を112℃まで加熱し、1時間攪拌した。この期間後、フラスコを室温まで冷却し、反応混合物をEtO(200mL)で希釈した。この溶液をNaHCOの飽和水溶液(2×20ml)及びブライン(20mL)で洗浄した。有機部分をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮し、オキサゾリジノンを含有する粗残留物を得た。この残留物をCHCl(114mL)に溶解させ、塩化アルミニウム(11.2mmol、1.49g)を添加した。反応混合物は、直ちに緑色になった。ついで、トリエチルシラン(11.4mmol、1.82mL)を添加し、得られた黄色の混合物を,周囲温度で5時間攪拌した。1NのHCl水溶液(35mL)を添加することにより、反応を失活させた。混合物をHO(100mL)を用いてさらに希釈し、二相性混合物に分割させた。水層をCHCl(2×50mL)で抽出し;組合せた有機層を1NのHCl(30mL)及びNaHCOの飽和水溶液(30mL)及びブライン(30mL)で洗浄した。有機部分をMgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮させた。残留物をISCOクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキサン、緩慢な勾配)により精製し、白色のフレーク状固形物として、Fmoc-N-Me(Bu)Gly-OH(1.46g、2工程以上で収率70%)を得た。LC/MS分析により、所望の生成物の同一性を確認した(MW=367.4、実測M+H=368.1)。
実施例19 1-(4-(4-フルオロナフタレン-1-イル)チアゾール-2-イル)-2-(4-メトキシベンジルチオ)-2-メチルプロピルカルバミン酸(S)-tert-ブチル
Figure 2011509938
ペニシラミン誘導体(2.0g、5.4mmol)を30mlのDCMに溶解させ、2.4mlのDIPEAを添加した。溶液を0℃まで冷却し、2.3mlのクロロエチルホルマートを滴下した。反応体を、1時間以上かけて室温まで温め、ついで、0℃まで冷却した。この溶液に、30mlの30%NHOHを添加し、反応体を2時間攪拌した。層分離させ、DCM層を、50mlの0.5N NaOH、水、及びブラインでそれぞれ1回抽出し、ついで、NaSOで乾燥させた。酢酸エチル/ヘキサン溶媒システムを有するSiOクロマトグラフィーを使用し、アミド(1.5g、76%)を単離した。生成物の同一性を、エレクトロスプレー質量分析により確認した(M+H=369.1)。
アミド(1.5g、4.1mmol)を15mlのトルエンに溶解させ、1.0g(2.5mmol)のローソン試薬を添加した。N雰囲気下、4時間、反応体を65℃まで加熱した。反応体をセライトに乾充填し、酢酸エチル/ヘキサン溶媒システムを有するSiOクロマトグラフィーを使用し、チオアミド(850mg、53%)を単離した。エレクトロスプレー質量分析により、生成物の質量がM+H=385.1と示された。
還流EtOHにおいて、チオアミド(850mg、2.2mmol)を臭化物(710mg、2.7mmol)と組合せた。チアゾールを逆相HPLCにより単離した。エレクトロスプレー質量分析により、生成物の質量がM+H=453.1と示された。
実施例20 3-(アセトアミドメチルチオ)-1-(2,2-ジフェニルエチルアミノ)-3-メチル-1-オキソブタン-2-イルカルバミン酸(R)-tert-ブチル
Figure 2011509938
5mlの無水DMFに(360mg、1.13mmol)が入った攪拌溶液に、HATU(428mg、1.13mmol)、ジフェニルエチルアミン(171mg、0.87mmol)及びDIPEA(365μL、2.1mmol)を添加した。反応体を、N下で2時間、室温で攪拌し、ついで、EtOAcで希釈し、飽和したNaHCOで2×洗浄し、ブラインで2×洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。ISCOクロマトグラフィーの後、化合物を得た。MS=500.4(M+H)。
次のP3-P4中間体を、上述した手順を使用して調製した:
Figure 2011509938
実施例21 3-(4-メトキシベンジルチオ)-3-メチル-1-(3-メチル-1-フェニル-1H-ピラゾール-5-イルアミノ)-1-オキソブタン-2-イルカルバミン酸(R)-tert-ブチル
Figure 2011509938
Boc-Pen(PMB)-OH(540mg、1.46mmol)を無水DCM(5mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、ピリジン(118μL、1.46mmol)及びフッ化シアヌル(123μL、1.46mmol)を添加した。混合物を放置し、室温まで温め、45分攪拌し、ついでDCMで希釈し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。中間体を無水DCM(5mL)に溶解させ、0℃まで冷却し、ついで、5-アミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール(169mg、0.97mmol)を添加し、放置して室温まで温め、12時間攪拌し、ついでDCMで希釈し、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥させ、濃縮した。残留物を4NのHCl/ジオキサン(10mL)に溶解させ、室温で30分攪拌した。溶媒を除去し、分取HPLCにより精製し、化合物を得た。MS=425.5(M+1)。
実施例22 P3及びP4ユニットのEDC/HOBtカップリング
Figure 2011509938
アジド化合物(360mg、1.8mmol)をDMF(3.5ml)に溶解させ、4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-アミン(3.6mmol、620mg)を添加した。ついで、ジイソプロピルエチルアミン(1.8mmol、310μL)、3-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.8mmol、241mg)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミド(1.8mmol、341mg)を混合物に添加し、窒素雰囲気下で72時間、得られた反応混合物を60℃まで加熱した。反応体を室温まで冷却し、塩化アンモニウムの飽和水溶液(10mL)で失活させた。さらに、EtOAc(100mL)及び水(50mL)を用いた溶解を実施した。水層をEtOAc(50mL)で抽出し、組合せた有機層を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(2×30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、ついでMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。ISCOクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキサン)により粗残留物を精製し、オフホワイト色の固形物として、生成物を得た(630mg、収率98%)。この物質(630mg、1.75mmol)をTHF(20mL)に溶解させ、PPh(3.6mmol、940mg)を添加した。室温で3時間攪拌した後、HO(18.0mmol、330μL)を全て一度に添加し、得られた混合物を16時間攪拌した。混合物を重炭酸ナトリウムの飽和水溶液(10mL)で失活させ、ついでHO(100mL)及びEtOAc(100mL)で希釈した。層を分割させ、水層をEtOAc(50mL)で抽出した。組合せた有機物をMgSOで乾燥させ、濾過し、濃縮した。LC/MS分析は、残留トリフェニルホスフィン酸化物と共に、所望の化合物(S)-2-アミノ-2-(4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イル)-N-(4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-イル)アセトアミド(MW=332.4、実測M+H=333.5)の存在を示した。
また、上述したEDC/HOBt手順を使用し、次のP3及びP4ユニットをカップリングさせた:
Figure 2011509938
実施例23 (S)-tert-ブチル-3,3-ジメチル-1-オキソ-1-(4-フェニル-2-(ピラジン-2-イル)チアゾール-5-イルアミノ)ブタン-2-イルカルバメート
Figure 2011509938
N-Boc-L-α-tert-ブチルグリシン(0.38g、0.0016 mol)を、N,N-ジメチルホルムアミド(0.98mL、0.013 mol)に溶解させ、4-フェニル-2-(ピラジン-2-イル)チアゾール-5-アミン(410mg、0.0016mol)、ついでN-(3-ジメチルアミノプロピル)-N'-エチルカルボジイミドヒドロクロリド(310mg、0.0016mol)及び1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(220mg、0.0016mol)、最後にN,N-ジイソプロピルエチルアミン(380uL、0.0022mol)を添加した。反応体を60℃まで加熱し、3日攪拌し、ついで、重炭酸ナトリウムの飽和水溶液を添加することにより失活させた。水層をEtOAcで抽出し、組合せた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、蒸発させた。ISCOクロマトグラフィー(40gのカラム、0〜50%のEtOAc/ヘキサン)により、粗残留物を精製し、119mgの生成物(収率16%)を得た。
実施例24 (S)-3,3-ジメチル-2-(メチルアミノ)-N-(4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-イル)ブタンアミド
Figure 2011509938
Fmoc-N-Me-t-ブチルグリシン(709mg、1.93mmol)をDMF(1.72mL)に溶解させ、4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-アミン(1.83mmol、318mg)を添加した。ついで、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.95mmol、264mg)及び1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチル-カルボジイミド(1.95mmol、377mg)を混合物に添加した。得られた反応混合物を、窒素雰囲気下で3日、60℃まで加熱した。反応体を室温まで冷却し、塩化アンモニウムの飽和水溶液(10mL)で失活させた。EtOAc(100mL)及び水(50mL)を用いたさらなる溶解を実施した。水層をEtOAc(50mL)で抽出し、組合せた有機層を重炭酸ナトリウムの飽和溶液(2×30mL)及びブライン(30mL)で洗浄し、ついで、MgSO上で乾燥させ、濾過し、濃縮した。ISCOクロマトグラフィー(0〜100%のEtOAc/ヘキサン)により、粗残留物を精製し、483mgの生成物(収率82%)を得た。
実施例25 P3及びP4ユニットのPyAOP/コリジンカップリング
Figure 2011509938
PyAOP(1.62mmol、845mg)を、0℃で、(1.6mmol、400mg)、4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-アミン(2.43mmol、430mg)及び2,4,6-コリジン(3.24mmol、428μL)を含有するジクロロメタン(7mL)溶液に、一回で添加した。反応混合物を放置し、20時間以上かけて、徐々に室温まで温め、ついで、EtOAc(30mL)を収容する分液漏斗に注ぎ、10%のクエン酸水(10mL)、NaHCOの飽和水溶液(10mL)、及びブライン(10mL)で洗浄し、ついでMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。ISCOクロマトグラフィー(0〜50%のEtOAc/ヘキサン)により、得られた粗物を精製し、黄色の油として、520mgの生成物(収率79%)を得た。LC/MS分析により、所望の生成物の同一性を確認した(MW=406.5、実測M+H=407.7)。
上述したPyAOP/コリジン手順を使用し、次のP3-P4中間体を調製した:
Figure 2011509938
実施例26 FMOC-保護されたジメチルペニシラミンP3-P4中間体
Figure 2011509938
MeOHにおいて、13.1mLの0.5N NaOMeに(R)-2-アミノ-3-メルカプト-3-メチルブタン酸(500mg、3.35mmol)が入った攪拌溶液に、CHI(784mg、5.56mmol)を添加し、反応体を室温で一晩攪拌した。溶媒を除去し、ついで5mLの無水DMFに再溶解させ、DIPEA(600μL、3.44mmol)及びFmoc-OSu(1.1g、3.30mmol)を添加し、N下、室温で一晩、反応体を攪拌した。減圧下でDMFを除去し、DCMを添加し、ついで、HOで1×、10%のクエン酸及びブラインで2×洗浄し、MgSOで乾燥させ、ついで濃縮した。物質を、HOに0-10%のMeOHのフラッシュクロマトグラフィーを介して精製し、Fmoc-N-メチル中間体を得た。MS=401.2(M+1)。
4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-アミン(145mg、0.82mmol)及びTOTU(269mg、0.82mmol)を、3mLの無水DMFにおいて組合せ、中間体(327mg、0.82mmol)及びDIPEAを添加し、N下、室温で一晩、反応体を攪拌した。ついで、反応体をEtOAcで希釈し、飽和したNaHCOで2×、HOで2×、ブラインで1×洗浄し、MgSOで乾燥させ、ついで濃縮した。調製用クロマトグラフィー介して精製し、中間体を得た。MS=559.2(M+1)。
実施例27 1-(2,2-ジフェニルエチルアミノ)-3-メチル-3-(メチルチオ)-1-オキソブタン-2-イルカルバミン酸(R)-tert-ブチル
Figure 2011509938
ジクロロメタン(3mL)に、(105mg、0.24mmol)、2,2-ジフェニルエチルアミン(44mg、0.22mmol)、及び2,4,6-コリジン(64μL、0.48mmol)が入った溶液に、0℃で、PyOAP(125mg、0.24mmol)を1回で添加した。反応体を放置して、室温まで一晩温めた。反応混合物を、EtOAc(15mL)を収容する分液漏斗に注ぎ、ついで、10%のクエン酸水(15mL)、飽和したNaHCO(15mL)、及びブライン(15mL)で洗浄した。組合せた水層をEtOAc(3×10ml)で抽出し、組合せた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。ISCOクロマトグラフィー(0〜100%のEtOAc/ヘキサン、緩慢な勾配)により、白色の固形物として、50mgの(収率46%)を得た。LCMS分析により、所望の生成物の同一性が確認された(MW=422.4、実測M+H=443.6)。
上述した手順に従い、次のP3-P4中間体を調製した:
Figure 2011509938
実施例28 化合物1ないし3及び5ないし6
Figure 2011509938
チアジアゾール化合物(75mg、0.19mmol)を、10mLの4N HCl/ジオキサンで30分処理し、溶媒を除去した。Boc-L-シクロヘキシルグリシン(53mg、0.20mmol)、HATU(78mg、0.20mmol)、DIPEA(72ul、0.40mmol)を、2mLのDMFにおいて組合せ、室温で一晩攪拌した。標準的作業:酢酸エチルを添加し、有機層を重炭酸ナトリウム水で2回洗浄し、ブラインで2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。中間体の残留物はLC/MSによる正確な質量を持つ単一ピークであり、精製をすることなく次の工程に使用した。ついで、この中間体を、10mLの4N HCl/ジオキサンで30分処理し、溶媒を除去した。Boc-N-メチルアラニン(42mg、0.20mmol)、HATU(78mg、0.20mmol)及びDIPEA(72ul、0.40mmol)を、2mlのDMFにおいて組合せ、室温で3時間攪拌した。標準的作業:酢酸エチルを添加し、有機層を重炭酸ナトリウム水で2回洗浄し、ブラインで2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。得られた混合物を10mLの4N HCl/ジオキサンで30分処理し、溶媒を除去した。残留物をHPLCにより精製し、溶媒を凍結乾燥させた後に、9mg(5工程以上で収率8%)の化合物1が生じた。構造の同一性をLC/MSに基づき割り当てた(MW=514.7、実測M+H=515.9)。
上述した手順に従い、適切な中間体から次の化合物を調製した。ラセミP3残留物が導入された中間体から調製された化合物について、最終化合物は、次の条件下、キラルHPLCにより、ジアステレオマー混合物から分離した:250×30mmのPhenomenexC18カラムを使用し、75mL/分で30分、25〜45%のアセトニトリル。ここでの生物学的アッセイによる活性を有するジアステレオマーに、活性に必要であることが知られている立体化学配向性に基づき、最終化合物の立体化学を割り当てた。
Figure 2011509938
実施例29 化合物8
Figure 2011509938
化合物(1.08g、2.55mmol)を、1,4-ジオキサン(96ml)において、4NのHClで処理し、室温で1時間攪拌した。飽和したNaHCOを滴下することにより反応を失活させ、pH8-9が達成されるまで、1NのNaOHでさらに塩基性化した。反応混合物をEtOAc(4×25ml)で抽出し、組合せた有機層をMgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮し、黄色の固形物として、1.02g(定量的収率)の粗生成物を得た。ジクロロメタン(16mL)に溶解した粗生成物の一部350mg(1.09mmol、1.0当量)に、Boc(Me)AlaChg二量体(562mg、1.64mmol)及びHOAt(223mg、1.64mmol)を添加した。混合物を室温で5分攪拌し、DIC(256μL、1.64mmol、1.5当量)を添加した。反応混合物を室温で一晩攪拌し、ついで、飽和したNaHCO(20mL)を用いて失活させ、水層をジクロロメタン(3×10mL)で抽出し、MgSO上で乾燥させ、濾過し、真空で濃縮した。ISCOクロマトグラフィーにより、白色のパウダー状固形物として、438mg(62%)のBoc保護された化合物を得た。(LC/MS MW=646.7、実測M+H=647.4)。ジクロロメタン(16mL)にBoc-保護された化合物(438mg、0.677mmol、1.0当量)が入った溶液に、TFA(16mL)を添加し、溶液を室温で30分攪拌し、ついで、真空で濃縮し、最終化合物2を得た。LCMS分析により、所望の生成物の同一性が確認された(MW=546.6、実測M+H=547.3)。
実施例30 化合物20 (R)-2-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)-アセトアミド)-3-メチル-3-(メチルチオ)-N-(4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-イル)ブタンアミド
Figure 2011509938
化合物(40mg、0.09mmol)を、10mLの4N HCl/ジオキサンに溶解させ、30分攪拌し、化合物を得た。
Boc-Chg-OH(30mg、0.12mmol)及びHATU(45mg、0.12mmol)を、1.5mLのDMFに溶解させ、化合物に添加し、続いてジイソプロピルエチルアミン(42μL、0.24mmol)を添加した。反応体を、N下、室温で2時間攪拌した。EtOAcで希釈し、飽和したNaHCOで2×、ブラインで2×洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。濃縮物を4NのHCl/ジオキサン(10mL)に溶解させ、室温で30分攪拌した。溶媒を除去し、化合物を得た。MS=462.2(M+1)。
Boc-NMeAla-OH(24mg、0.12mmol)及びHATU(45mg、0.12mmol)を1.5mlのDMFに溶解させ、化合物に添加し、続いて、ジイソプロピルエチルアミン(42μL、0.24mmol)を添加した。反応体を、N下、室温で2時間攪拌した。EtOAcで希釈し、飽和したNaHCOで2×、ブラインで2×洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。濃縮物を4NのHCl/ジオキサン(10mL)に溶解させ、室温で30分攪拌した。溶媒を除去し、分取HPLCを介して生成物を精製し、化合物20を得た。MS=547.0(M+1)。
実施例31 化合物23 (R)-2-((S)-2-シクロヘキシル-N-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)-プロパンアミド)アセトアミド)-3-メチル-3-(メチルチオ)-N-(4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-イル)ブタンアミド
Figure 2011509938
5mLのDMFに(55mg、0.1mmol)が入った攪拌溶液に、4-アミノメチルピペリジン(60μL、0.5mmol)を添加した。3時間後、反応を完了させ、分取HPLCにより精製し、を得た。MS=337.0(M+1)。
Boc-Chg-OH(24mg、0.09mmol)及びHATU(36mg、0.09mmol)を1.5mLのDMFに溶解させ、化合物(26mg、0.08mmol)に添加し、続いて、ジイソプロピルエチルアミン(33μL、0.19mmol)を添加した。反応体を、N下、室温で2時間攪拌した。EtOAcで希釈し、飽和したNaHCOで2×、ブラインで2×洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。濃縮物を4NのHCl/ジオキサン(10mL)に溶解させ、室温で30分攪拌した。溶媒を除去し、化合物を得た。MS=476.2(M+1)。
Boc-NMeAla-OH(19mg、0.09mmol)及びHATU(34mg、0.09mmol)を1.5mlのDMFに溶解させ、化合物に添加し、続いて、ジイソプロピルエチルアミン(33μL、0.19mmol)を添加した。反応体を、N下、室温で2時間攪拌した。EtOAcで希釈し、飽和したNaHCOで2×、ブラインで2×洗浄し、MgSOで乾燥させ、濃縮した。濃縮物を4NのHCl/ジオキサン(10mL)に溶解させ、室温で30分攪拌した。溶媒を除去し、分取HPLCを介して生成物を精製し、最終化合物を得た。MS=561.0(M+1)。
実施例32 化合物24 (S)-2-((S)-2-シクロヘキシル-N-メチル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパン-アミド)アセトアミド)-3,3-ジメチル-N-(4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-イル)ブタンアミド
Figure 2011509938
Fmoc-L-メチル-t-ブチルグリシン(416mg、1.128mmol)、4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-アミン(100mg、0.564mmol)、EDC(204mg、1.064mmol)、HOBt(144mg、1.064mmol)、DIPEA(492ul、2.82mmol)を組合せ、2mlのDMFにおいて、60℃で2日攪拌した。酢酸エチルとNaHCOの飽和水溶液を添加した。水層を分離し、酢酸エチルで抽出した。有機層を組合せ、NaHCO水及びブラインで洗浄した。有機層をMgSO上で乾燥させ、褐色の残留物になるまで濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより、純粋な化合物を得た。算出分子量526.6、実測527.2。
化合物(76mg、0.144mmol)を、10mlのDCMにおいて1時間、4-アミノメチルピペリジン(110ul、1.44mmol)で処理した。溶液を蒸発させ、標準的作業を実施し、残留物をHPLCにより精製した。標準的作業:酢酸エチルを添加し、有機層を重炭酸ナトリウム水で2回洗浄し、ブラインで2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濃縮した。精製された脱保護残留物(32mg、0.105mmol)を、2mlのDMFにおいて、35℃で4日、Boc-L-シクロヘキシルグリシン(30mg、0.116mmol)、HATU(44mg、0.116mmol)及びDIPEA(40ul、0.232mmol)と反応させた。上述した様にして、標準的作業を実施し、化合物2をHPLCにより精製した。算出分子量543.7、実測544.3。
化合物2(5mg、0.0092mmol)を10mlの4N HCl/ジオキサンで、30分処理し、TEA(4ul、0.0184mmol)で中和させ、2mlのDMFにおいて3時間、Boc-L-メチルアラニン(4mg、0.0184mmol)、PyBOP(10mg、0.0184mmol)及びDIPEA(4ul、0.0184mmol)と反応させた。標準的作業を実施し、濃縮残留物を10mlの4N HCl/ジオキサンで30分処理し、濃縮し、HPLCにより精製し、4.0mg(7%)の最終化合物が生じた。
算出分子量528.7、実測529.3。
実施例33 化合物4 (S)-2-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)-アセトアミド)-3-メチル-N-(4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-イル)ブタンアミド
Figure 2011509938
3-メチル-1-オキソ-1-(4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-イルアミノ)ブタン-2-イルカルバミン酸(S)-tert-ブチル(0.7g、2mmol)を、1,4-ジオキサン(46ml)において、4MのHClで希釈し、室温で30分攪拌した。反応混合物を真空で濃縮した。ついで、残留物をジクロロメタンに溶解させ、(S)-2-((S)-2-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパンアミド)-2-シクロヘキシル酢酸(0.96g、2.8mmol)を添加し、続いて、1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾール(380mg、2.8mmol)を添加し、5分攪拌し、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(440uL、2.8mmol)を添加した。得られた反応混合物を室温で一晩攪拌し、進行させ、ISCOクロマトグラフィー(0-40%のEtOAc/ヘキサン)により精製し、化合物(1.0g、2工程以上で収率30%)を得た。
化合物(307mg、0.51mmol)をDCM(4ml)に溶解させ、TFA(4mL、100当量)で処理し、室温で1時間攪拌した。真空で濃縮し、HPLCにより精製し、最終化合物4(S)-2-((S)-2-シクロヘキシル-2-((S)-2-(メチルアミノ)プロパンアミド)-アセトアミド)-3-メチル-N-(4-フェニル-1,2,3-チアジアゾール-5-イル)ブタンアミド(314mg、収率56%)を得た。
実施例34 IAP阻害アッセイ
以下の蛍光偏光実験においては、110残基の11がXIAP BIR3に見出されるものに相当し、残りがML-IAP BIRに相当するMLXBIR3SGと呼ばれるキメラBIRドメインを使用した。キメラタンパク質MLXBIR3SGは、天然BIRドメインのいずれよりも著しく良好にカスパーゼ-9に結合して阻害することが示されているが、天然ML-IAP-BIRのものに類似した親和性を有する成熟Smac及びSmac-ベースのペプチドにも結合した。キメラBIRドメインMLXBIR3SGのカスパーゼ-9阻害度の改善度合いは、MCF7細胞に形質移入した場合に、ドキソルビシン誘導アポトーシスの阻害の増加と相関している。
MLXBIR3SG配列:
MGSSHHHHHHSSGLVPRGSHMLETEEEEEEGAGATLSRGPAFPGMGSEELRLASFYDWPLTAEVPPELLAAAGFFHTGHQDKVRCFFCYGGLQSWKRGDDPWTEHAKWFPGCQFLLRSKGQEYINNIHLTHSL(配列番号:1)
TR-FRETペプチド結合アッセイ
時間分解蛍光共鳴エネルギー移動競合実験を、Kolbら(Journal of Biomolecular Screening, 1996, 1(4):203)の手順に従い、Wallac Victor2 Multilabeled Counter Reader(Perkin Elmer Life and Analytical Sciences、Inc.)で実施する。300nMのhis-タグIAP(又はそのBIRコンストラクト、例えばMLXBIR3GS);200nMのビオチン化SMACペプチド(AVPI);5μg/mLの抗hisアロフィコシアニン(XL665)(CISBio International);及び200ng/mLのストレプトアビジン-ユーロピウム(Perkin Elmer)を含有する試薬混合物を、試薬用バッファー(50mMのトリス[pH7.2]、120mMのNaCl、0.1%のウシグロブリン、5mMのDTT及び0.05%のオクチルグルコシド)で調製する。(あるいは、この混合物は、それぞれ6.5nM及び25nM濃度のユーロピウムで標識された抗His(Perkin Elmer)及びストレプトアビジン-アロフィコシアニン(Perkin Elmer)を使用して作製することもできる)。試薬混合物を室温で30分インキュベートする。インキュベート後、384-ウェルブラックFIAプレート(Greiner Bio-One、Inc.)において、アンタゴニスト化合物(出発濃度は50μM)の1:3連続希釈液に、混合物を添加する。室温での90分のインキュベート後、ユーロピウムの励起(340nm)用及びユーロピウム(615nm)及びアロフィコシアニン(665nm)の発光波長用のフィルターを用いて、蛍光を読み取る。615nmにおけるユーロピウムの発光に対する665nmにおけるアロフィコシアニンの発光シグナルの比率として、アンタゴニストデータを算出する(データ操作を容易にするために、これらの比率に10000の因数をかける)。得られた値をアンタゴニスト濃度の関数としてプロットし、Kaleidographソフトウエア(Synergy Software、Reading,PA)を使用し、4パラメータ等式にあてはめる。アンタゴニスト能の効能はIC50値から決定する。
蛍光偏光ペプチド結合アッセイ
偏光実験を、IAPタンパク質BIRドメインと蛍光プローブとの間の解離定数(K)を決定するために、アナリストHT96-384リーダー(Molecular Devices Corp.)において実施した。蛍光偏光親和実験のためのサンプルを、偏光用バッファー(50mMのトリス[pH7.2]、120mMのNaCl、1%のウシグロブリン、5mMのDTT及び0.05%のオクチルグルコシド)において、一連の希釈度のIAP BIRドメイン(C-IAP1 BIR3、C-IAP-2 BIR3、ML/X-IAPキメラMLXBIR3SG及びX-IAP BIR3)を、最終濃度5nMの5-カルボキシフルオレセイン-コンジュゲートAVPジ-Phe-NH(AVP-ジPhe-FAM)に添加することにより調製した。
Figure 2011509938
384ウェルのブラックプレート(Molecular Devices Corp)において、フルオレセインフルオロプローブ(λex=485nm;λem=530nm)用の標準的なカットオフフィルターを用い、室温で1時間のインキュベート時間の後、反応を読み取った。蛍光偏光値をタンパク質濃度の関数としてプロットし、Kaleidographソフトウエア(Synergy Software、Reading, PA)を使用し、データを4パラメータ等式にあてはめることで、有効濃度50(EC50)値を得た。見かけのKd値をEC50値から決定した。アンタゴニストに対する阻害定数(K値)を、偏光用バッファーにおいて200μMの濃度で出発し、1:3の一連の希釈度を有するアンタゴニスト化合物、並びに5nMのAVP-ジPhe-FAMプローブを含むウェルに、0.06μMのMLXBIR3SG、0.5μMのX-IAP BIR3、0.2μMのC-IAP1 BIR3又は0.4μMのC-IAP-2 BIR3を添加することにより決定した。1時間のインキュベート後、サンプルを読み取った。蛍光偏光値をアンタゴニスト濃度の関数としてプロットし、Kaleidographソフトウエア(Synergy Software, Reading, PA)を使用し、データを4パラメータ等式にあてはめることでIC50を得た。Keating, S.M., Marsters, J, Beresini, M., Ladner, C., Zioncheck, K., Clark, K., Arellano, F.,及びBodary., S.(2000) Proceedings of SPIE : In Vitro DiagnosticInstrumentation (Cohn, G.E.編) pp 128-137, Bellingham, WAの手順に従い、IC50値から、アンタゴニストのK値を決定した。このアッセイで試験された本発明の化合物は、IAP BIRドメインに対して、以下の表に示すようなIC50及びK値を示した。全ての値はマイクロモルである。
Figure 2011509938

Claims (21)

  1. 次の式(I)
    Figure 2011509938
    [上式中、
    、R及びRはそれぞれ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;ここで該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ及びスルホニル基は、場合によっては、ヒドロキシル、ハロゲン及びアルコキシで置換されていてもよいアミド、カルバモイル及びアリールで置換されていてもよく;又はR、R及びRの2つは共同して炭素環又はヘテロ環を形成し、他のR、R及びRは、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;又は
    はHであり、R及びRはそれぞれ独立して、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;ここで該アルキル、アルコキシ、アルキルチオ及びスルホニル基は、場合によっては、ヒドロキシル、ハロゲン及びアルコキシで置換されていてもよいアミド、カルバモイル及びアリールで置換されていてもよく;又はR、R及びRの2つは共同して炭素環又はヘテロ環を形成し、他のR、R及びRは、H、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、アルコキシ、アルキルチオ又はスルホニルであり;
    及びXはそれぞれ独立して、O又はSであり;
    は、H又はアリールであり;
    は、それぞれハロゲン、ヒドロキシル、オキソ、チオン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、アルキルチオ、スルホニル、アミノ及びニトロで置換されていてもよい、アルキル、炭素環、カルボシクリルアルキル、ヘテロ環又はヘテロシクリルアルキルであり;
    は、H又はハロゲンもしくはヒドロキシルで置換されていてもよいアルキルであり;又はRとRは共同して3-6のヘテロ環を形成し;
    とR'は独立して、H、ヒドロキシル、アミノ、アルキル、炭素環、カルボシクロアルキル、カルボシクロアルキルオキシ、カルボシクロアルキルオキシカルボニル、ヘテロ環、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ又はヘテロシクロアルキルオキシカルボニルであり;ここでそれぞれのアルキル、カルボシクロアルキル、カルボシクロアルキルオキシ、カルボシクロアルキルオキシカルボニル、ヘテロ環、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルオキシ及びヘテロシクロアルキルオキシカルボニルは、ハロゲン、ヒドロキシル、メルカプト、カルボキシル、アルキル、アルコキシ、アミノ、イミノ及びニトロで置換されていてもよく;又はRとR'は共同してヘテロ環を形成し;
    は、H又はアルキルであり;
    Gは、式IVa〜IVd:
    Figure 2011509938
    からなる群から選択され;ここで、
    'は、H又はアルキルであり;
    それぞれの場合、Rは独立して、H、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、アミジノ、グアニジノ、アルキル、炭素環、ヘテロ環又は-U-Vであり;ここで、Uは、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-NR-C(NH)-NR-、-NR-C(NH)-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-であり、Vは、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり;ここでアルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよく;
    は、H、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり、ここで該アルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)又は-C(O)-で置き換えられていてもよく;該アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ(=O)、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよく;
    は、O又はSであり;
    は、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、カルボキシル、アミジノ、グアニジノ、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、シクロアルキル、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ又はヘテロ環で置換されていてもよい、1〜4のヘテロ原子を有する5員のヘテロ環であり;ここで、各アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シクロアルキル及びヘテロ環置換は、ヒドロキシル、ハロゲン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、シアノ、シクロアルキル、アリール又はヘテロ環で置換されていてもよく;
    は、1〜4のヘテロ原子N、O又はSが挿入された5員の芳香族ヘテロ環であり、一又は複数のR及びR基で置換されていてもよく;
    及びQは独立して、H、アルキル、炭素環、ヘテロ環であり;ここでアルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-NR-C(NH)-NR-、-NR-C(NH)-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;アルキル、炭素環及びヘテロ環のいずれも、一又は複数のヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ、ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよく;
    は、NR、O、S、SO又はSOであり;
    、Z及びZは独立して、CQ又はNであり;
    それぞれの場合、nは1から4であり;
    但し、R、RがHであり、RがOHであり、GがIVである場合、Aはチアジアゾール-5-イル以外であり;
    但し、R、RがHであり、RがFであり、GがIVbである場合、Aはチアゾール-5-イル以外であり;及び
    2-アセトアミド-N-(1-(1-(フラン-2-イル)-2-メチルプロピル-アミノ)-1-オキソプロパン-2-イル)プロパンアミド以外である]
    を有する化合物。
  2. Gが次の式IVd:
    Figure 2011509938
    の基であり、ここでQが式IIIa−IIIs:
    Figure 2011509938
    [上式中、nは1−4であり;TはO、S、NR又はCRであり;WはO、NR又はCRであり;Rは、H、ハロゲン、アルキル、アリール、アラルキル、アミノ、アアリールアミノ、アルキルアミノ、アラルキルアミノ、アルコキシ、アリールオキシ又はアラルキルオキシである]
    からなる群から選択される炭素環又はヘテロ環である、請求項1に記載の化合物。
  3. Gが式IVa:
    Figure 2011509938
    の基であり、ここで
    'は、H又はアルキルであり;
    それぞれの場合、Rは独立して、H、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、ニトロ、カルボキシル、アミジノ、グアニジノ、アルキル、炭素環、ヘテロ環又は-U-Vであり;ここで、Uは、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-NR-C(NH)-NR-、-NR-C(NH)-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-であり、Vは、アルキル、炭素環又はヘテロ環であり;ここでアルキルの一又は複数のCH又はCH基は、-O-、-S-、-S(O)-、S(O)、-N(R)-、-C(O)-、-C(O)-NR-、-NR-C(O)-、-SO-NR-、-NR-SO-、-NR-C(O)-NR-、-C(O)-O-又は-O-C(O)-で置き換えられていてもよく;アルキル、炭素環及びヘテロ環は、ヒドロキシル、アルコキシ、アシル、ハロゲン、メルカプト、オキソ、カルボキシル、アシル、ハロ-置換されたアルキル、アミノ、シアノ ニトロ、アミジノ、グアニジノ、置換されていてもよい炭素環又は置換されていてもよいヘテロ環で置換されていてもよく;
    は、O又はSであり;
    それぞれの場合、nは1から4である、請求項1に記載の化合物。
  4. Gが次の式IVc:
    Figure 2011509938
    の基であり;ここでAは、式IIa−IIcc:
    Figure 2011509938
    Figure 2011509938
    からなる群から選択される芳香族ヘテロ環である、請求項1に記載の化合物。
  5. Gが次の式IVb:
    Figure 2011509938
    の基であり;ここでAが次の式IIa又はIIb:
    Figure 2011509938
    [上式中:
    、R及びR5'はそれぞれHであり;
    はOであり;
    Q'は、NR、O又はSであり;Q'、Q'、Q'、Q'、Q'、Q'、及びQ'は独立して、CR又はNであり;ここで、Rは、H、アミノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、カルボキシル、アミジノ、グアニジノ、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シクロアルキル又はヘテロ環であり;ここで、各アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、アシル、アシルオキシ、アシルアミノ、シクロアルキル及びヘテロ環置換は、場合によってはヒドロキシル、ハロゲン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、シクロアルキル、アリール又はヘテロ環で置換されていてもよく;Rは、H、アルキル、アシル、アリール、シクロアルキル又はヘテロ環であり;ここで、各アルキル、アリール、シクロアルキル及びヘテロ環は、ヒドロキシル、ハロゲン、メルカプト、カルボキシル、アルキル、ハロアルキル、アミノ、ニトロ、シクロアルキル、アリール又はヘテロ環で置換されていてもよく;Q'はCH又はNである]
    を有する、請求項1に記載の化合物。
  6. がHである、請求項1に記載の化合物。
  7. が、アルキル、シクロアルキル又はヘテロ環である、請求項1に記載の化合物。
  8. が、t-ブチル、イソプロピル、シクロヘキシル、テトラヒドロピラン-4-イル、N-メチルスルホニルピペリジン-4-イル、テトラヒドロチオピラン-4-イル、テトラヒドロチオピラン-4-イル(Sは酸化形態SO又はSOで存在)、シクロヘキサン-4-オン、4-ヒドロキシシクロヘキサン、4-ヒドロキシ-4-メチルシクロヘキサン、1-メチル-テトラヒドロピラン-4-イル、2-ヒドロキシプロプ-2-イル、ブト-2-イル、チオフェン-3-イル、ピペリジン-4-イル、N-アセチルピペリジン-4-イル、N-ヒドロキシエチルピペリジン-4-イル、N-(2-ヒドロキシアセチル)ピペリジン-4-イル、N-(2-メトキシアセチル)ピペリジン-4-イル、ピリジン-3-イル、フェニル及び1-ヒドロキシエト-1-イルからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  9. がメチルである、請求項1に記載の化合物。
  10. がH又はメチルであり、R'がHである、請求項1に記載の化合物。
  11. がH又はメチルである、請求項1に記載の化合物。
  12. が炭素環又はヘテロ環である、請求項1に記載の化合物。
  13. 及びXが双方ともOである、請求項1に記載の化合物。
  14. がHであり;Rが、イソプロピル、t-ブチル、シクロヘキシル又はピランであり;Rがメチルであり;Rがメチルであり、R'がHであり;RがHであり;X及びXが双方ともOである、請求項2に記載の化合物。
  15. 請求項1に記載の化合物を細胞内に導入することを含む、細胞にアポトーシスを誘導させる方法。
  16. アポトーシスシグナルに対して細胞を過敏化させる方法において、請求項1に記載の化合物を前記細胞に導入することを含む方法。
  17. 前記アポトーシスシグナルが、シタラビン、フルダラビン、5-フルオロ-2'-デオキシウイリジン、ゲムシタビン、メトトレキサート、ブレオマイシン、シスプラチン、シクロホスファミド、アドリアマイシン(ドキソルビシン)、ミトキサントロン、カンプトテシン、トポテカン、コルセミド、コルヒチン、パクリタキセル、ビンブラスチン、ビンクリスチン、タモキシフェン、フェナステリド、タキソテール、及びマイトマイシンCからなる群から選択される化合物又は放射線に細胞を接触させることにより誘導される、請求項16に記載の方法。
  18. 前記アポトーシスシグナルが、Apo2L/TRAILに前記細胞を接触させることにより誘導される、請求項16に記載の方法。
  19. カスパーゼタンパク質へのIAPタンパク質の結合を阻害する方法において、請求項1の化合物に前記IAPタンパク質を接触させることを含む方法。
  20. 哺乳動物におけるIAPの過剰発現に関連した病気又は症状を治療する方法において、請求項1に記載の化合物の有効量を前記哺乳動物に投与することを含む方法。
  21. 癌を治療する方法において、請求項1に記載の化合物の有効量を哺乳動物に投与することを含む方法。
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