JP2009187753A - 蓄電素子 - Google Patents

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Toshiyuki Miwa
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武志 宮崎
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Abstract

【課題】水平ドープ方式によって負極にあらかじめリチウムイオンを吸蔵させておくタイプの蓄電素子において、短時間にリチウムイオンのプレドープを完了させる。
【解決手段】リチウムイオンもしくはアニオンを可逆的に担持可能な正極1pと、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な材料からなる負極1nとをセパレータ30を介して対向配置してなる発電要素を1単位として、少なくとも1単位以上の発電要素を積層してなる電極積層体100をリチウム塩を含む電解液とともに密封封止してなる蓄電素子200において、
負極側の集電体11n表面には金属リチウム20の全部、あるいは一部が当該集電体と電気的に接触するように配置されて、前記負極には当該金属リチウムを起源としたリチウムイオンがあらかじめ吸蔵されてなり、
前記発電要素の正極と負極とセパレータのそれぞれの単位面積当たりの細孔容積の合計値が1.7μL以上である蓄電素子としている。
【選択図】図2

Description

この発明は、リチウムイオンあるいはアニオンを可逆的に担持可能な正極と、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な材料からなるとともに前記正極とセパレータを介して対向配置される負極と、リチウム塩を含んだ電解質とを備えて、正極、セパレータ、負極を積層してなる蓄電素子に関する。具体的には、負極にあらかじめリチウムイオンを吸蔵させておくタイプの蓄電素子に関する。
上記したタイプの蓄電素子(以下、プレドープ型蓄電素子)は、急速充電が可能であるとともに、リチウムイオンをあらかじめ負極に吸蔵させるため、負極の電位が下がり、大きな電圧を得ることができ、高いエネルギー容量を得ることができる。そのため、風力発電の負荷平準化装置、瞬停対策装置、自動車における回生電力の蓄電用途などに利用されることが期待されている。
従来のプレドープ型蓄電素子におけるリチウムイオンの吸蔵(プレドープ)方式には、例えば、特許3485935号公報に記載されているように、メッシュ状の集電体に負極、または正極を形成し、それを交互にセパレータを挟んで積層した電極積層体の外側に金属リチウムを貼った集電体を配置して負極と電気的接触を持たせることにより、このメッシュを通して負極にリチウムイオンをプレドープする方式がある。この方式では、金属リチウムと負極とが対向し、リチウムイオンは、負極に対して垂直方向からプレドープされる。
以下、このようなプレドープ方式を「垂直ドープ方式」と称することにすると、この垂直ドープ方式は、メッシュなど穴が空いた集電体を用いているため、コストが嵩むという問題を有していた。
そこで本発明者らは、製造や低価格化が容易なプレドープ方式として、シート状集電体の表面に負極を形成するとともに、その集電体面と同じ面に金属リチウムを貼着し、リチウムイオンを集電体の表面に沿って負極にドープする「水平ドープ方式」を採用することとした。また、水平ドープ方式は、垂直ドープ方式と比較して、吸蔵されるリチウムイオンの量を精確に設定でき、その後の電池反応を均一にすることができる、という利点があり、信頼性に優れている。このような水平ドープ方式は、負極を、例えば、ダイコート、グラビアコート、リバースコートなどの塗工技術により、容易かつ安価に集電体の表面に形成することができる。
しかし、水平ドープ方式のプレドープ型蓄電素子では、金属リチウムが配置されている負極集電体上の固定位置から遠く離れた位置にある負極にまでリチウムイオンを拡散させているため、組み立てが終わった蓄電素子を、リチウムイオンが負極活物質に対して均一に吸蔵されるまで極めて長い時間静置する必要があった。当然、蓄電素子に対する高出力化の要求に対応するために電極面積を大型化すれば、リチウムイオンを吸蔵させるためのエージング期間がさらに長くなる。
長時間に渡るエージングは、生産性を低下させ、製造コストを増大させる。これでは、信頼性を確保できたとしても、水平ドープ方式の蓄電素子の製造容易性によるコストダウンの可能性を阻害してしまう。したがって本発明の目的は、短時間にリチウムイオンのプレドープを完了させることで、信頼性が高く、高出力な蓄電素子を安価に提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明者らは、まず、水平ドープ方式では、電極面に水平な方向に物質移動経路が形成されていることに着目した。そして、水平ドープ方式では、リチウムイオンの移動媒体となる電解液中に溶解した金属リチウムが電極面を平行(水平)に拡散しながら負極活物質中に吸蔵されるため、そのリチウムイオンの移動経路中に存在している電解液量が多いほど、リチウムイオンの移動が円滑に行われると考えた。
電解液は、蓄電素子を構成する各要素における細孔(負極電極中の細孔、正極電極中の細孔、セパレータ中の細孔)、および各構成要素の界面(正極とセパレータ、負極とセパレータ等)に含まれていることから、この細孔容積について鋭意研究を重ね、その結果、セパレータを介して対向配置される一組の正極と負極からなるセルにおいて、正極、負極、およびセパレータにおける単位面積当たりの細孔容積の値に、上記目的を達成するための最適条件が存在することを見いだした。
本発明は上記知見に基づきなされたもので、リチウムイオンもしくはアニオンを可逆的に担持可能な正極と、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な材料からなる負極とをセパレータを介して対向配置してなる発電要素を1単位として、少なくとも1単位以上の発電要素を積層してなる電極積層体をリチウム塩を含む電解液とともに密封封止してなる蓄電素子において、
負極側の集電体表面には金属リチウムの全部、あるいは一部が当該集電体と電気的に接触するように配置されて、前記負極には当該金属リチウムを起源としたリチウムイオンがあらかじめ吸蔵されてなり、
前記発電要素の正極と負極とセパレータのそれぞれの単位面積当たりの細孔容積の合計値が1.7μL以上である蓄電素子としている。
また、当該蓄電素子において、前記負極の単位面積当たりの細孔容積が0.3μL/cm以上、前記正極の単位面積当たりの細孔容積が0.7μL/cm以上、セパレータの単位面積当たりの細孔容積が0.7μL/cm以上のいずれかの条件を充足する蓄電素子、あるいは、これらの条件を適宜に組み合わせ条件を満たす蓄電素子とすればより好ましい。
本発明者らは、リチウムイオンをより均一に負極に拡散させる条件として、負極材料のモード径に注目し、当該モード径の最適化を試みた。本発明は、このモード径を最適化した蓄電素子にも及んでおり、当該発明は、上記いずれかの蓄電素子において、前記負極は、細孔分布測定によるモード径が0.1μm以上6.0μm以下である蓄電素子としている。
さらに本発明らは、水平プレドープ方式においてリチウムイオンの移動媒体となる電解液量と細孔容積との関係について、以下の考察(1)〜(3)に基づいて検討した。
(1)電極積層体の細孔容積の容量に対して電解液量が小さい(A/B<1)と、電解液が存在しない細孔部を有することになり、リチウムイオンの移動経路が十分に確保できない。
(2)電解液が、正極、負極、セパレータの細孔のみに包含されたとしても、細孔容積の総量以上の電解液は必要。
(3)電解液が、正極、負極、セパレータの細孔のみに存在するわけではなく、蓄電素子内部の隙間に保持される分も存在する。
そして、これら考察に基づく検討の結果、電解液量と細孔容積との関係においても最適条件が存在することを知見し、その最適条件を満たす蓄電素子についても本発明の範囲とし、当該発明は、上記何れかの蓄電素子において、当該蓄電素子に充当される電解液の容積Aと、当該蓄電素子に含まれる前記電極積層体の正極と負極とセパレータのそれぞれの細孔容積の合計値Bとの比率A/Bが1.4以上であることとしている。
本発明によれば、短時間にリチウムイオンのプレドープを完了させることができ、それによって、信頼性が高く、高出力な蓄電素子を安価に提供することができる。
===蓄電素子の構造===
図1に本発明の第1の実施例における蓄電素子の負極側の概略構造(A)と正極側の概略構造(B)とを示した。(A)と(B)には、それぞれ、負極側の電極体(負極電極体)1nと正極側の電極体(正極電極体)1pの平面図と側面図とを示した。負極電極体1nは、略矩形の一辺に端子接続部12nが突設された銅箔を負極集電体11nとし、その負極集電体11nの端子接続部12n以外の略矩形領域の表裏両面に負極活物質が塗布されるとともに、当該略矩形の領域の一部を所定形状に剥離して負極活物質が塗布されていない電極未塗布部13nを設け、その未塗布部13nに金属リチウム20を貼着した構造を基本としている。
負極電極体1nの具体的な作成方法としては、まず、難黒鉛化性炭素材料とポリフッ化ビニリデン樹脂を95:5の重量比で混合したものに、溶剤としてN−メチル−2−ピロリジノン(NMP)を加えてペースト状に混練したものを負極集電体11nとなる厚さ14μnの銅箔の表裏両面に略矩形状に塗布し乾燥させる。なお、負極集電体11nの表裏一方の面における負極材料は、乾燥後に負極材料の単位面積当たりの細孔容積が所定値となるように塗布される。なお、細孔容積は、塗布重量、厚さ、空孔率を調整することで制御できる。そして、端子接続部12nを備えた電極体形状となるように銅箔を切断した上で、電極未塗布部13nとなる部分の負極活物質を剥離する。本実施例では、塗布領域の左右中央を上下に延長する帯状に剥離して電極未塗布部13nを形成して負極電極部10nを形成するとともに、当該未塗布部13nの形状に沿う帯状の金属リチウム20を貼着している。なお、上記炭素材料は、易黒鉛化性炭素、難黒鉛化性炭素、黒鉛などが使用可能であるが、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な材料であれば特に限定されるわけではない。
一方、正極電極体1pは、略矩形の一辺に端子接続部12pが突設されたアルミニウム箔を正極集電体11pとし、その正極集電体11pの端子接続部12p以外の略矩形領域の表裏両面に正極活物質を塗布した構造を基本としている。正極電極体1pの具体的な作成方法としては、活性炭粉末90重量部、アセチレンブラック10重量部、およびポリフッ化ビニリデン粉末10重量部を混合し、その混合物にNNPを加えて混練してペースト状に混練したものを厚さ20μmのアルミニウム箔の表裏両面に略矩形状に塗布して乾燥させる。集電体の表裏一方の面における正極材料も、負極と同様に、乾燥後に負極材料の単位面積当たりの細孔容積が所定値となるように調整される。
正極材料をアルミニウム箔の集電体両面に塗布して乾燥した後、正極の端子接続部12pを備えた電極体形状となるようにアルミニウム箔を切断する。そして、負極電極体1nと対向させたときに、金属リチウムが貼着される未塗布領域13nと位置が合致するように塗布領域の左右中央を上下に延長する帯状に剥離して電極未塗布部13pを形成する。
このように作成された両極の電極体(1p,1n)は、双方の前記電極未塗布(13p,13n)の形状を合わせるようにセパレータを介して対向させて積層され構造体(電極積層体)に組み立てられる。本実施例では、セパレータは、ポリオレフィン系マイクロポーラスフィルムを使用しているが、素材としてはポリエチレン、ポリプロピレン、アラミド、PET、セルロース、セロハンなどを少なくとも1種以上用いた多孔質フィルム、不織布など、イオン透過性を有し、正負極間を電気的に分離できるのであれば、適宜なものを採用することができる。また、セパレータの空孔率についても、正負極間が短絡しなければ特に限定されるものではない。通常は、30〜70%の空孔率である。
図2(A)(B)に、当該電極積層体100の断面図と平面図とを示した。一つのセパレータ30と、そのセパレータ30を介して対面する一対の正極と負極とによる構成を一つの正負極対向部50とし、電極積層体100は、この正負極対向部50を複数積層したものである(A)。本実施例では、10組の正負極対向部50を積層している。そして、正極と負極のそれぞれの端子接続部(12p,12n)は、同じ方向に突出するように、かつ積層方向で上下に重ならないように互い違いとなるようにそれぞれの集電体を積層する(B)。
さらに、このように電極積層体100を組み立てた後、図3に示すように、それぞれの正負極対向部50の正極の端子接続部12p同士、および負極の端子接続部12n同士を重ねた状態で一括してリード端子板60に溶接し、次いで、3辺を融着して袋状に形成したアルミラミネートフィルムの外装体70内にリード端子60を外部に導出した状態で電極積層体100を配置し、当該外装体70内に、電解液(LiPFの濃度が1モル/Lとなるように調整されたプロピレンカーボネート)を注入し、袋状外装体70の開口を真空封止して構造体としての蓄電素子200を完成させる。なお、上記構造において、負極における金属リチウムの貼着方法は、図1に示した位置や配置に限らず、例えば、図4(A)〜(C)に示すように、様々な位置や配置が考えられる。
上述した蓄電素子200の構造は従来から知られている蓄電素子と同様である。しかし本発明は、正極、負極、およびセパレータの各構成要素における細孔構造に着目し、各構成要素における単位面積当たりの細孔容積を最適化することによりプレドープ期間の短縮化を達成している。
===プレドープについての評価方法===
上記構造の蓄電素子において、負極、正極、セパレータのそれぞれにおける細孔容積、およびそれら容積を合計した合計細孔容積、さらに負極材料におけるモード径の各条件がそれぞれ異なる多種多様な蓄電素子をサンプルとして作製した。そして、これらサンプルにおけるプレドープ速度やプレドープの均一性などについて評価した。
プレドープ速度は、作製した各サンプルを45℃の高温槽内に100時間静置保存したのち、静置保存開始1時間後のセル電圧Va1と、100時間経過後のセル電圧Va2を測定し、その電圧値の差(セル電圧変化)ΔVa(=Va1−Va2)によって評価した。すなわち、ΔVaが大きいほどプレドープ速度が速いことになる。
また、十分かつ均一にリチウムイオンが負極にプレドープされているかどうかについては、蓄電素子のプレドープを完了させた後、セル抵抗値Rを計測することで評価できる。セル抵抗値Rは、サンプルを10日間放置した後、25℃で3.8Vまで1Aで充電して1分間休止し、次いで100Aの電流値で放電を行い、放電開始直前の電圧値Vb1と放電開始100msec経過時点での電圧値Vb2として、それら電圧値の差ΔVb(=Vb1−Vb2)と電流値I(=100A)から、R=ΔVb/Iの式によって求めた。
細孔容積については、水銀圧入法を測定原理とした細孔分布測定装置(Quantachrome社製ポロシメータPoreMaster60)を用いて測定した圧力Pより細孔径Dを算出し、最終的に細孔容積を算出した。具体的には、20〜60,000PSI(0.138〜414MPa)の範囲で圧力Pを測定し、まず、細孔(直)径Dを、Washburnの式
D=4γcosθ/P
に基づいて算出した。ここで、γは水銀の表面張力(480dyn/cm)であり、θは、水銀と細孔壁面との接触角(140゜)である。そして、例えば、セパレータの細孔容積は、
セパレータの見かけの体積−(セパレータ重量/セパレータ素材の密度)
により算出する。なお、見かけの体積はセパレータの外径サイズにより求めることができる。
===細孔容積によるプレドープ速度の評価===
表1に、各サンプルについての負極材料、正極材料、セパレータの各細孔容積と、これらの合計細孔容積、およびプレドープ速度の指標となるセル電圧変化ΔVaを示した。
Figure 2009187753
表1において、実施例1〜16のサンプルが本発明に係る蓄電素子に対応し、比較例1〜4のサンプルが従来の蓄電素子に対応している。ここで、まず、合計細孔容積に着目すると、実施例5の1.70μL/cm以上である実施例の各サンプルはセル電圧変化ΔVaが最低でも0.6V程度であった。一方、比較例の各サンプルでは、0.5V以下であり、プレドープ速度が低下していることを示している。したがって、負極、正極、セパレータのそれぞれの単位面積当たりの細孔容積の合計値は1.7μL/cmであることが望ましい。
上述したように、水平ドープ方式では、リチウムイオンの移動媒体となる電解液中に溶解した金属リチウムが電極面を平行(水平)に拡散しながら負極活物質中に吸蔵されるため、そのリチウムイオンの移動経路中に存在している電解液量が多いほど、リチウムイオンの移動が円滑に行われると考えられる。すなわち、水平ドープ方式では、電解液は、各構成要素における細孔(負極電極中の細孔、正極電極中の細孔、セパレータ中の細孔)、および各構成要素の界面(正極とセパレータ、負極とセパレータ等)に含まれており、電解液を含んでいる各構成要素の細孔容積の合計容積が大きいほど、拡散経路を形成する電解液の量が多くなる。表1は、その合計容積の下限が1.7μm/cmであることを示している。
ところで、表1の結果からも分かるように、細孔容積の合計値とセル電圧変化ΔVaの値とは比例していない。これは、プレドープ速度を速めるための必要条件として所定以上の細孔容積の合計値が存在する一方、負極、正極、セパレータの個々の構成要素における細孔容積にも最適条件があることを示唆している。ここで、実施例1〜16と比較例1〜4について、各構成要素の細孔容積を比較し、表1の結果を纏めてみた。図5に、その纏めとして、各構成要素の細孔容積に応じた各実施例1〜16(s1〜s16)の分類区分を示した。この図から、負極、正極、セパレータのそれぞれの細孔容積における必要条件が見いだせる。負極については0.3μm/cm以上、正極とセパレータについてはそれぞれ0.7μm/cm以上であると言える。そして、これらの条件の全てを満たす実施例1〜10については、セル電圧変化ΔVaが0.79V〜1.06Vであり、実施例11〜16の0.58V〜0.65Vよりも格段に大きく、プレドープ速度が極めて大きいことが分かる。
===負極のモード径によるプレドープ均一性の評価===
次に、リチウムイオンがプレドープされる負極について、細孔構造における孔の大きさの指標となるモード径とプレドープの均一性との関係について評価した。この評価に際しては、正極とセパレータの細孔容積が同じ値となるサンプルを使用した。ここでは、正極とセパレータのそれぞれの細孔容積を、3.44μL/cmと1,38μL/cmとし、表1における実施例7〜10と、比較例となる新たなサンプル(比較例5)を使用した。そして、各サンプルのセル抵抗値Rによってプレドープの均一性、すなわち、負極にリチウムイオンが遍く吸蔵されているかどうかを評価した。
表2に負極のモード径とセル抵抗値との関係を纏めた。
Figure 2009187753
この表2において、セル抵抗値Rは、上述のR=ΔVb/Iの式によって求めた。なお、表中の抵抗値Rは、実施例10における抵抗値Rを基準(100%)としたときの相対値によって示している。表2より、比較例5のセル抵抗値が基準より70%近く増加していることが分かる。そして、負極のモード径は、0.1〜6.0μmであることが望ましい、ということが分かった。
===電解液容積について===
正極、負極、セパレータのそれぞれの容積と同一量の電解液が電極積層体100の各正負極対向部50に供給されていないと電解液が欠如した部位が存在することになる。また電解液は、各構成要素間の界面にも分布可能であることから、良好なプレドープを実現するためには、細孔容積に対して過剰量の電解液を電極積層体100に対して与える必要がある。そこで、蓄電素子200の外装体内70に封入した電解液の容積、すなわち蓄電素子200に充当される電解液の容積(Aとする)と、電極積層体100の正負極対向部50における細孔容積の合計値、すなわち正極電極部10p、負極正極部10n、セパレータ30における細孔容積の合計値(Bとする)との関係において、良好なリチウムプレドープが可能である条件を検討した。ここで、実施例1のサンプルを用い、比率A/Bを変えたときのセル電圧変化ΔVaによって当該条件について検討した。
表3にその検討結果を示した。
Figure 2009187753
当該検討結果より、比率A/Bが1.4未満の場合、電解液が不足する領域が生じ、プレドープに際してリチウムイオンが電極表面に沿って均一に拡散しにくくなることが判明した。以上により、本発明では、正負極対向部50に含まれる電解液の容積について、前記比率A/B≧1.4を規定した。
本発明の実施例における蓄電素子の電極構造を示す図である。 上記実施例における蓄電素子を構成する電極積層体の概略構造図である。 上記実施例における蓄電素子の概略図である。 上記蓄電素子において、金属リチウムのその他の貼着位置や配置を示す図である。 上記実施例における細孔構造の条件を示す図である。
符号の説明
1p 正極電極体
1n 負極電極体
10p 正極電極部
10n 負極電極部
11p 正極集電体
11n 負極集電体
12p、12n 端子接続部
20 金属リチウム
30 セパレータ
50 正負極対向部
100 電極積層体
200 蓄電素子

Claims (6)

  1. リチウムイオンもしくはアニオンを可逆的に担持可能な正極と、リチウムイオンの吸蔵・放出が可能な材料からなる負極とをセパレータを介して対向配置してなる発電要素を1単位として、少なくとも1単位以上の発電要素を積層してなる電極積層体をリチウム塩を含む電解液とともに密封封止してなる蓄電素子において、
    負極側の集電体表面には金属リチウムの全部、あるいは一部が当該集電体と電気的に接触するように配置されて、前記負極には当該金属リチウムを起源としたリチウムイオンがあらかじめ吸蔵されてなり、
    前記発電要素の正極と負極とセパレータのそれぞれの単位面積当たりの細孔容積の合計値が1.7μL以上である
    ことを特徴とする蓄電素子。
  2. 前記負極の単位面積当たりの細孔容積が0.3μL/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記正極の単位面積当たりの細孔容積が0.7μL/cm以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電素子。
  4. 前記セパレータの単位面積当たりの細孔容積が0.7μL/cm以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電素子。
  5. 前記負極は、細孔分布測定によるモード径が0.1μm以上6.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電素子。
  6. 当該蓄電素子に充当される電解液の容積Aと、当該蓄電素子に含まれる前記電極積層体の正極と負極とセパレータのそれぞれの細孔容積の合計値Bとの比率A/Bが1.4以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蓄電素子。
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