JP4352972B2 - 電極およびこれを用いてなる電池 - Google Patents

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Description

本発明は、電極およびこれを用いてなる電池に関する。特に、本発明の電極は、車両のモータ駆動用電源としての二次電池に好適に用いられる。
近年、環境保護運動の高まりを背景として、電気自動車(EV)ハイブリッド自動車(HEV)、燃料電池車(FCV)の導入が強く所望されており、これらのモータ駆動用電源の開発が行われている。これらのモータ駆動用電源としては、繰り返し充電可能な二次電池が用いられる。EV、HEV、FCVは、高出力および高エネルギー密度を必要とするため、単一の大型電池で対応することは、事実上不可能である。そこで、直列に接続された複数個の電池からなる組電池を使用することが一般的である。
二次電池としては、リチウムイオン二次電池が注目されている。リチウムイオン二次電池においては、リチウムイオンが、正極活物質と負極活物質との間を往来することによって、充放電が進行する。微視的に観察すれば、例えば放電時には、電解質から集電体表面に配置された活物質へリチウムイオンが拡散することによって、リチウムイオン二次電池における放電が進行する。
つまり、リチウムイオン二次電池における充放電には、活物質と電解質との間のイオンの拡散が重要な役割を担っており、活物質と電解質との間のイオンの移動性は、電池の充放電特性に大きな影響を与える。
ここで、リチウムイオン二次電池の電極の製造方法としては、例えば、活物質、バインダ、および導電助剤等の混合物に適当な溶媒を添加して得たスラリーを、金属箔上に塗布し、乾燥させる方法が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
上記のような方法により作製された電極を有する電池を用いて、放電反応を進行させると、低出力条件下においては、イオンの移動性に特に問題はなく、電極反応が充分に進行しうる。しかしながら、高出力条件下においては、電池の内部抵抗が急激に上昇し、電池容量が低下するという問題があった(非特許文献1および2を参照)。
一方、電極を構成する集電体として発泡状金属や金属繊維焼結体を用い、これに活物質を含むスラリーを塗布することによって電極を作製し、電池容量等の特性を改善させる試みもなされている(例えば、特許文献2〜4を参照)。しかしながら、これらの電極はいずれも、集電体の有する空孔部分に活物質を塗布または充填することによって電子の伝導性を向上させ、これにより充放電性能等の電池性能を改善することを目的としており、充放電時の律速段階であるイオンの移動性の改善を目的としたものではない。
特開平7−220722号公報 特開平8−170126号公報 特開平9−213307号公報 特許第3387724号公報 大澤他、第41回電池討論会要旨集、3C15、p358(2000) 長山他、第44回電池討論会要旨集、3C22、p418(2003)
そこで、本発明の目的は、電極の周辺での内部抵抗の上昇を抑制し、高出力条件下においても、充分な充放電特性を発現させる手段を提供することである。
本発明の電極は、電解質を保持してなる多孔質集電体と、前記集電体上に形成されてなる、活物質を含む活物質層とを有する。そして、前記多孔質集電体は、粗大空孔集電体と、前記粗大空孔集電体の両面に位置する微細空孔集電体とを有する。さらに、前記粗大空孔集電体の空孔率は、前記微細空孔集電体の空孔率よりも大きい。
本発明の電極を用いた電池においては、集電体に電解質が保持されている。このため、高出力条件下においても、内部抵抗の上昇が抑制される。その結果、高出力条件下においても、充分な充放電特性が発現しうる。
本発明の第1は、電解質を保持してなる集電体と、前記集電体上に形成されてなる、活物質を含む活物質層と、を有する電極である。
本発明の電極の構成および効果について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の電極を用いてなる電池の内部における電極と電解質層との積層状態を示す模式断面図である。なお、ここではリチウムイオン電池を例に挙げて説明するが、必ずしもこれに制限されず、本発明は一般的な二次電池においても適用可能である。
図1に示す本発明の電極(正極1および負極2)において、集電体3上には、活物質を含む活物質層4が形成されている。電池の内部において本発明の電極(正極1および負極2)は、図1に示すように、電解質層5を介して積層される。活物質層4(正極活物質層4aおよび負極活物質層4b)においては、電池反応、すなわち、カソード反応またはアノード反応が進行する。活物質層4における電池反応によって生じた電子は、集電体3を通じて集められ、外部の負荷に対して、電気的仕事をする。
なお、図1は、説明の都合上、誇張して記載されており、集電体3および活物質層4の厚さ等の比率や正極1および負極2の積層数などは、実際とは異なる場合もある。これは、以下の図面についても同様である。
本発明の電極(正極1および負極2)は、集電体3に電解質が保持されてなることを特徴とする。これにより、イオンの移動性が改善されうる。
従来の電極においては、一般に、両面に活物質層が形成された金属箔等が、集電体として用いられていた。この金属箔は平滑であるか、または密着性を改善する目的で表面が粗面化されているが、電解液を内部に保持しうるようなものではない。このため、従来の電極を有する電池を高出力条件下で放電させると、電池の内部抵抗が急激に上昇し、電池容量が低下するという問題があった。これは、下記のような機構によるものと推測される。なお、以下の説明はあくまでも推測であり、内部抵抗の上昇および電池容量の低下といった問題が、以下の推測とは異なる機構により生じるものであったとしても、本発明の技術的範囲には何ら影響を及ぼすものではない。また、以下の説明においては、電極の活物質層にも電解質が含まれる場合を例に挙げて説明する。
正極においては、高レートの放電により、まず、活物質層に含まれる電解質中のリチウムイオンが活物質中に吸収され、電池反応に寄与する。この反応が進行して活物質層に含まれる電解質中のリチウムイオン濃度が低下した後、正極活物質における反応を維持するためには、活物質層に隣接する電解質層からの泳動によりリチウムイオンが補充される必要がある。
一方、リチウムイオンの対イオンであるアニオン(例えば、PF )は、放電により負極方向へ移動する。ここで、リチウムイオンの輸率は通常0.2程度と極めて低いため、放電の際の電流は、その大部分がPF 等のアニオンにより担われる。また、電極の近傍について微視的に観察すれば、電気的に中性である必要がある。このため、輸率の大きいPF 等のアニオンが負極方向へ拡散するのに伴って、リチウムイオンも負極方向へ移動し、正極の活物質の周辺においてリチウムイオンが枯渇するという現象が起こる。その結果、正極において放電反応が進行しなくなり、内部抵抗が上昇して、電池容量の低下の問題が生じるものと推測される。この問題は、従来の電極において集電体が厚くなると顕著に現れる。
また、高レート放電時の負極においては、放電の進行に伴って拡散してきたPF 等のアニオンが、活物質の周辺において飽和する。その結果、正極と同様に放電反応が進行しなくなり内部抵抗が上昇して、電池容量が低下するものと推測される。
これに対し、本発明の電極によれば、上記のような問題が解決され、高出力条件下における充放電特性の低下が防止されうる。
すなわち、本発明の電極においては、集電体が、電解質を保持している。このため、本発明の電極が適用された正極においては、活物質周辺のリチウムイオン濃度が低下した場合であっても、集電体に保持された電解質からリチウムイオンが供給される。その結果、リチウムイオンの枯渇が防止され、内部抵抗の上昇やこれに伴う電池容量の低下が抑制されるのである。
また、本発明の電極が適用された負極においては、アニオンが泳動により活物質の周辺に密集してきた場合であっても、そのアニオンの一部は集電体に保持された電解質中に移動しうる。その結果、負極の活物質の周辺におけるアニオンの飽和状態が緩和され、内部抵抗の上昇やこれに伴う電池容量の低下が抑制されうる。
よって、本発明の電極は、正極および負極のいずれにも適用されうる。正極に適用された場合と負極に適用された場合とで機構は異なるものの、いずれに適用されても電池の充放電特性を向上させうる。
次に、本発明の電極を構成する集電体および活物質層について詳細に説明する。
まず、集電体について説明する。集電体は、導電性の材料により構成され、活物質層と外部の負荷との間の電子の移動を媒介する。
本発明の電極において、集電体は、電解質を保持している。電解質を保持していることにより、前述のように、正極におけるリチウムイオンの枯渇や負極におけるアニオンの飽和が抑制されうる。その結果、電池の充放電特性が向上しうる。
電解質が保持される形態としては、例えば、集電体として多孔質集電体を用い、この多孔質集電体の有する空孔により電解質が充填される形態が挙げられる。以下、かような形態を例に挙げてより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲は、この形態のみに制限されない。例えば、電解液を内部に保持しうる中空の箱状金属の表面に小さな開口部を多数設けた形状の集電体や、ゲル状の電解質を金属メッシュで包み込んだ集電体のような形態もまた、採用されうる。
「多孔質集電体」とは、多数の空孔を有する集電体をいう。多孔質集電体の有する空孔の大きさや形状、多孔質集電体の見かけ体積に対する空孔の体積の占める割合(空孔率)等の具体的な形態は、特に制限されず、適宜調節されうる。多孔質集電体は、その全体に均一に空孔を有するものであってもよく、大きさの異なる空孔を全体に有するものであってもよい。また、多孔質集電体は、表面付近にのみ空孔を有し、内部には空孔を有しないものであってもよい。なお、多孔質集電体としては、市販のものが用いられてもよく、自ら作製したものが用いられてもよい。
多孔質集電体の有する空孔の平均直径は、後述する活物質層に含まれる活物質の平均粒径よりも小さいことが好ましい。空孔の平均直径が活物質の平均粒径以上であると、多孔質集電体の空孔中に活物質が充填されてしまう場合があり、電解質が充分に保持されない虞がある。一方、空孔が小さすぎると、イオン流量が低下する虞があり、作製も困難となる。これらの点を考慮すると、空孔の平均直径は、好ましくは0.05〜20μmであり、より好ましくは0.1〜10μmである。また、多孔質集電体の空孔率は、好ましくは10〜90%であり、より好ましくは20〜80%である。なお、多孔質集電体の有する空孔の平均直径や空孔率は、例えば、電子顕微鏡による観察などの従来公知の手法により測定されうる。
多孔質集電体は、種々の方法により表面がエッチングされたエッチング箔であってもよい。エッチング箔は、一般に、箔の表層を残しつつも、箔の内部に多数の空孔を有しており、かような空孔は、本発明において電解質を保持するための手段として特に好適である。かような空孔を物理的な穿孔やサンドブラスト等によって得ることは通常は困難である。しかし、物理的な穿孔やサンドブラスト等の手段によって、エッチング箔と同様に多数の微細な空孔を有する集電体が得られる場合には、かような手段を用いて得られた集電体が採用されてもよい。参考までに、エッチング箔を用いて作製された本発明の電極の断面を電子顕微鏡により撮影した写真を図2に示す。図2は、後述する実施例において作製された電極の断面を撮影した写真である。図2の写真において集電体3の材料であるエッチング箔6は、エッチングされていない芯部7と、前記芯部7の両側に位置する、エッチングにより形成された空孔を有する空孔部8とを有している。また、エッチング箔6の表面には、活物質層4が形成されている。なお、図2に示す写真においては、エッチング箔6の片側の表面のみに活物質層4が形成されているが、活物質層4がエッチング箔6の両側の表面に形成されていても、勿論よい。
エッチング箔6が本発明の電極を構成する集電体3として用いられる場合、図2に示すように、その内部に芯部7を有していてもよいし、芯部7を有さずに完全にエッチングされてなる空孔部8のみからなっていてもよい。箔の強度が向上し、電極および電池の製造が容易であるという観点からは、エッチング箔6は芯部7を有することが好ましいが、これに制限されない。芯部7の厚さは特に制限されないが、通常5〜20μm程度である。
集電体は、図1に示すように1層のみからなっていてもよく、2層以上からなっていてもよい。2層以上からなる集電体を有する電極の形態としては、例えば、図3に示す形態が挙げられる。図3に示す形態において、集電体3は、中央部に位置する、比較的粗大な空孔を有する集電体3a(以下、「粗大空孔集電体」と略記)と、前記粗大空孔集電体3aの両側に位置する、比較的微細な空孔を有する集電体3b(以下、「微細空孔集電体」と略記)とからなり、双方の前記微細空孔集電体3bの、前記粗大空孔集電体3aと対向する面上に、活物質層4が形成されている。つまり、電極は、活物質層4/微細空孔集電体3b/粗大空孔集電体3a/微細空孔集電体3b/活物質層4の順に積層されることにより構成されている。かような集電体3を有する電極においては、微細空孔集電体3bが存在することにより、活物質層4に含まれる活物質による空孔の閉塞が防止されうる。その一方で、粗大空孔集電体3aが存在することにより、集電体3に電解質が充分に保持されうる。その結果、より優れた本発明の効果が発現しうる。
上記の形態において、集電体3を構成する粗大空孔集電体3aおよび微細空孔集電体3bの具体的な形態については、粗大空孔集電体3aの有する空孔の平均直径が微細空孔集電体3bの有する空孔の平均直径よりも大きいこと以外は特に制限されない。上記で説明した多孔質集電体やエッチング箔等の好ましい形態が同様に採用されうる。なお、図3に示す形態が採用される場合、粗大空孔集電体3aの有する空孔の平均直径は、好ましくは10〜500μmであり、より好ましくは20〜200μmである。粗大空孔集電体3aの有する空孔の平均直径が小さすぎると、粗大空孔集電体3aを設けたことによるメリットが充分に得られない虞がある。一方、粗大空孔集電体3aの有する空孔の平均直径が大きすぎると、集電体の強度が低下する場合があり、製造時や使用時の破損の原因となる虞がある。
粗大空孔集電体3aを構成する材料としては、上記のもの以外にも、箔の一方の面から他方の面へ貫通した貫通孔を有する貫通エッチング箔や、金属メッシュ、パンチングメタル、エキスパンドメタル等が用いられうる。これらの材料は比較的大きな空孔を有しており、その空孔に電解質を充分に保持しうる。
集電体を構成する導電性の材料は、特に制限されないが、電池の正極においては、高い電位に対する耐酸化性が要求される。このため、本発明の電極が正極として用いられる場合、集電体は、金属表面に酸化被膜を形成する弁金属により構成されることが好ましい。弁金属としては、具体的には、アルミニウム、タンタル、ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス、アンチモン等の単体もしくは合金、またはステンレス合金などが例示される。これらは1種のみが単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。また、他の金属の単体または合金と併用されてもよい。本発明の電極が正極として用いられる場合、集電体は、特に好ましくはアルミニウムにより構成される。
一方、電池の負極においては、電池反応が進行する電位において、集電体がリチウムと合金を形成しないことが要求される。このため、本発明の電極が負極として用いられる場合、集電体は、銅、ニッケル、チタン、ステンレス等により構成されることが好ましい。これらは1種のみが単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。本発明の電極が負極として用いられる場合、集電体は、特に好ましくは銅またはニッケルにより構成される。
集電体の厚さ(集電体が2層以上からなる場合は全ての層の合計の厚さ)は、特に制限されないが、好ましくは5〜200μm、より好ましくは10〜50μmである。集電体が薄すぎると、電解質が充分に保持されない虞があり、また集電体表面に活物質層を形成する際の応力に耐えられず、切断や亀裂が生じる虞がある。一方、集電体が厚すぎると、製造コストが上昇し、電池が大型化する虞がある。さらに、多孔質集電体を用いる場合には、集電体が厚すぎると脆くなり、取扱いが困難となる虞がある。ただし、上記の範囲を外れる厚さの集電体が用いられてもよい。
集電体の大きさは、電極の使用用途に応じて適宜決定されうる。大型の電池に用いられる大型の電極を作製するのであれば、面積の大きな集電体が用いられる。小型の電池に用いられる小型の電極を作製するのであれば、面積の小さな集電体が用いられる。
多孔質集電体に充填される電解質は、特に制限されない。従来、二次電池の電解質層に含まれていた電解質と同様の電解質が用いられうる。電解質は、非水電解質であることが好ましい。非水電解質は、リチウム塩等の電解質塩を含有する。また、非水電解質は、非水系溶媒(可塑剤)や電解質用高分子(ホストポリマー)の含有の有無によって、液体電解質、ゲル高分子電解質、および全固体高分子電解質に分類される。
電解質中の上記各種成分の含有量は、特に制限されず、所望の電池性能等に応じて適宜調節されうる。本発明の電極は、正極のみに適用される場合、負極のみに適用される場合、および両極に適用される場合の3つの場合が考えられるが、正極への適用により充電時の性能を向上させたい場合には、通常より電解質塩の濃度を下げて、充電時の塩濃度の上昇を抑えるのが効果的である。また、正極側への適用により放電時の性能を向上させたい場合には、通常より電解質塩の濃度を上げて、放電時の塩濃度の低下を抑えるのが効果的である。負極において適用される場合には、イオンの移動方向が逆になるので上記の正極への適用についての説明とは逆に塩濃度を調節することが好ましい。ただし、これはあくまでも一例であり、充電と放電の性能のバランスを考慮した上で、塩濃度が適宜決定されうる。これは、本発明の電極が正極および負極の双方に適用される場合にも同様である。
続いて、活物質層について説明する。活物質層は、前記集電体上に形成され、活物質を含む。活物質層の具体的な形態については、電池反応が進行しうるのであれば何ら制限はない。従来の活物質層に採用されていた形態が同様に用いられうる。具体的には、活物質層には、活物質のほか、導電助剤、バインダ、電解質塩、溶媒等も含まれうる。活物質層におけるイオン伝導性を向上させるために、高分子電解質が含まれてもよい。これらの各成分の配合量については、特に限定はない。既に得られている知見に基づいて、各成分の配合量が決定されればよい。なお、本発明の電極において、活物質層は、集電体の片面にのみ形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。また、一の集電体の両面に活物質層が形成される場合、双方の活物質層は、同一の極(正極どうしまたは負極どうし)であってもよく、異なる極(正極と負極)であってもよい。例えば、後述するように、一般リチウムイオン電池に採用される場合、本発明の電極は、集電体の両面に同一の極の活物質層が形成されてなる電極である。一方、バイポーラ電池に採用される場合、本発明の電極は、集電体の両面に異なる極の活物質層が形成されてなる電極(バイポーラ電極)である。
活物質層の厚さは、特に制限されない。ここで、活物質層が薄すぎると、電池容量が不充分となる虞がある。一方、活物質層が厚すぎると、活物質層中のイオン伝導性が低下する場合があり、特に高出力条件下における充放電特性が不充分となる虞がある。しかしながら、本発明の電極によれば、集電体が電解質を保持しているため、活物質層が比較的厚い場合であっても、活物質層中のイオン伝導性の低下に伴う充放電特性の低下が抑制されうる。かような観点から、活物質層の厚さは、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜50μmである。
電極には、必要に応じて、その他の部材が配置される。例えば、電極を電池外装体の中に封入して電池を作製する場合に、電池外層体の外部に電力を取り出す目的で、電池の外部に引き出されるタブが配置される。この他にも、電極に種々の改良が施されてもよい。
続いて、本発明の電極の製造方法について説明する。
本発明の電極は、例えば、集電体に電解質を保持させ、この集電体の表面に、活物質を含むスラリーを塗布することにより製造されうる。
以下、集電体として多孔質集電体を用いる場合を例に挙げ、上記の製造方法の好ましい一形態について説明するが、本発明の技術的範囲は、下記の形態のみに限定されない。
まず、多孔質集電体を準備する。多孔質集電体の好ましい形態としては、上記で説明したのと同様の形態が用いられるため、ここでは説明を省略する。
前述のように、多孔質集電体は市販のものでもよいが、自ら作製する場合には、エッチング法を用いて作製するとよい。以下、エッチング法により多孔質集電体を作製する際の好ましい形態について説明する。
エッチング法としては、例えば、交流エッチング法が用いられる。交流エッチング法とは、交流電流を印加しうる電極が対峙して設けられた電解槽中に、塩酸溶液のようなエッチング用電解液を満たし、この溶液に所望の導電性の材料からなる箔を浸漬させ、交流電流を印加することにより、箔をエッチングする方法である。交流エッチング法によれば、箔の両面において、箔の厚さ方向に均等に空孔が形成される。このため、交流エッチング法は、本発明の電極の製造において好適に用いられうる。本発明の電極を構成する多孔質集電体をエッチング法により製造する際には、集電体の好ましい形態の欄において説明した、導電性の材料からなる箔が用いられうる。
多孔質集電体を交流エッチング法により製造する場合のエッチング条件については、特に制限はない。従来の交流エッチング法についての公知の知見が、適宜参照されうる。一例を挙げれば、エッチング用電解液は、塩酸を1〜10質量%程度含有することが好ましい。エッチング用電解液の温度は、15〜80℃程度が好ましい。また、エッチングの際に印加される電流の電流密度は、50〜5000A/m程度が好ましく、エッチング時間は、1〜60分間程度が好ましい。なお、これらの条件はあくまでも一例であり、これらの範囲を外れる条件が採用されてもよい。また、交流エッチング法に限らず、直流エッチング法、化学的エッチング法等の他のエッチング法が用いられてもよい。
図3に示すように、集電体3が2層以上からなる場合、各層の間、例えば、粗大空孔集電体3aと微細空孔集電体3bとの間は、単に積層されるのみで、他の手段によりさらに固定されていなくてもよい。また、本発明の効果を阻害しないのであれば、各層の間を固定するための他の手段が採用されてもよい。
続いて、上記で準備した多孔質集電体に保持させるための電解質を準備する。
多孔質集電体に保持される電解質の具体的な形態は、特に制限されない。前述したように、電解質は、液体電解質、ゲル高分子電解質、および全固体高分子電解質等の非水電解質であることが好ましい。
一般に、液体電解質は、非水系溶媒および電解質塩を含む。前記非水系溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)等の環状カーボネート類;ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)等の鎖状カーボネート類;γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトニトリル等のニトリル類;酢酸メチル、ギ酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;ジメチルホルムアミド等のアミド類;などの非プロトン性有機溶媒、およびこれらの混合物が挙げられる。また、前記電解質塩としては、アルカリ塩が好ましく、リチウム塩が特に好ましい。前記リチウム塩としては、LiPF、LiBF、LiAsF、LiClO、LiBETI(Li(CSON)、LiN(SOCF)、Li(SO)、LiBOB(リチウムビスオキサイドボレート)等が挙げられる。
ゲル高分子電解質は、電解質用高分子(ホストポリマー)、非水系溶媒(可塑剤)、および電解質塩を含む。前記電解質用高分子(ホストポリマー)としては、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリプロピレンオキシド(PPO)等のイオン伝導性高分子;ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のイオン伝導性を有しない高分子;およびこれらの共重合体等が挙げられる。前記非水系溶媒(可塑剤)および前記電解質塩の好ましい形態は、上記の液体電解質の場合と同様である。
全固体高分子電解質は、可塑剤としての非水系溶媒を含まず、電解質用高分子(ホストポリマー)、および電解質塩を含む。この電解質用高分子(ホストポリマー)および電解質塩の好ましい形態は、上記のゲル高分子電解質の場合と同様である。また、この際、ポリマーがファンデルワールス力などの物理的な結合で架橋した物理架橋ゲルが用いられてもよい。
本発明の集電体に保持される電解質において、含有される上記の各成分の含有量の割合は特に制限されず、既に得られている知見に基づき、使用用途や所望の電池特性等に応じて適宜決定されうる。
多孔質集電体に電解質を充填する具体的な方法は、特に制限されず、多孔質集電体の有する空孔の量および大きさや、充填される電解質の種類および量などに応じて、適宜選択されうる。
電解質として液体電解質を用いる場合には、例えば、上記で準備した多孔質集電体の表面に液体電解質を滴下することにより、多孔質集電体に電解質を充填することが可能である。電解質層において液体電解質が採用される電池に本発明の電極が用いられる場合には、本発明の電極により前記電解質層を挟持する際に前記液体電解質を多孔質集電体の有する空孔中に浸透させることによって、多孔質集電体に液体電解質を充填してもよい。
また、電解質としてゲル高分子電解質を用いる場合には、まず、電解質塩を含有する非水系溶媒(可塑剤)に、重合により電解質用高分子となるモノマー(電解質用高分子原料)と重合開始剤とを添加し、プレゲル溶液を調製する。ここで、重合開始剤は、電解質用高分子原料の架橋性基に作用して、架橋反応を進行させるために添加される。重合開始剤は、開始剤として作用させるための外的要因に応じて、光重合開始剤、熱重合開始剤等に分類される。重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)やベンジルジメチルケタール(BDK)などが挙げられる。
次いで、上記で準備した多孔質集電体にこのプレゲル溶液を充填し、適当な外的要因によって電解質用高分子原料を重合させて、電解質用高分子とする。これにより、ゲル高分子電解質が充填された多孔質集電体が得られる。
さらに、電解質として全固体高分子電解質を用いる場合には、例えば、上記で説明した物理架橋ゲルを加熱することにより溶融させ、溶融した物理架橋ゲルを多孔質集電体に充填し、次いで冷却することにより、全固体高分子電解質が充填された多孔質集電体が得られる。
一方、活物質層を形成するための、活物質を含むスラリー(以下「活物質スラリー」とも称する)を調製する。
活物質スラリーは、少なくとも活物質を、適当なスラリー粘度調整溶媒中に添加することにより調製する。また、必要であれば、前記活物質スラリー中には、バインダ、導電助剤、およびリチウム塩(支持電解質)等の他の成分が含まれてもよい。活物質層におけるイオン伝導性を向上させるために、重合によって高分子電解質となる高分子電解質原料および重合開始剤が、活物質スラリー中に含まれてもよい。
活物質は、本願においては特に制限されない。正極活物質としては、LiMnなどのLi−Mn系複合酸化物やLiNiOなどのLi−Ni系複合酸化物が挙げられる。場合によっては、2種以上の正極活物質が併用されてもよい。負極活物質としては、結晶性炭素材や非結晶性炭素材が挙げられる。具体的には、天然黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、活性炭、カーボンファイバー、コークス、ソフトカーボン、ハードカーボンなどが挙げられる。場合によっては、2種以上の負極活物質が併用されてもよい。
バインダとしては、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)が挙げられる。
導電助剤とは、電極層の導電性を向上させるために配合される添加物をいう。導電助剤としては、グラファイトなどのカーボン粉末が挙げられる。
リチウム塩(支持電解質)としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiN(SOなどが挙げられる。
高分子電解質原料としては、スラリー塗布後の重合により、高分子電解質となりうる化合物であれば、特に制限されない。また、重合開始剤については、上記の電解質の好ましい形態の説明の欄において説明したのと同様の形態が採用されうるため、ここでは説明を省略する。
活物質スラリー中に含有される成分の配合比は、特に制限されない。活物質スラリー中の活物質の含有量は、特に制限されないが、通常は30〜70質量%程度である。
なお、前記活物質スラリーを調製する際には、各成分の添加の順序などは特に制限されない。例えば、前記スラリー中に含まれる溶媒以外の全ての成分の混合物を調製した後、前記混合物に溶媒を添加し、混合して活物質スラリーを調製してもよい。また、前記スラリー中に含まれる溶媒以外のいくつかの成分の混合物を調製した後、前記混合物に溶媒を添加し、混合した後、さらに残りの成分を添加し、混合して活物質スラリーを調製してもよい。この際、各成分の添加や混合のために用いられる装置は特に制限されず、例えば、ホモミキサー等が挙げられる。
次いで、上記で調製された活物質スラリーを、同じく上記で作製された、電解質が充填された多孔質集電体の表面に塗布する。塗布する際の具体的な形態としては、従来公知の方法および装置等が適宜採用されうる。その後、活物質スラリーが塗布された多孔質集電体を乾燥させて、スラリー中に含有される溶媒を除去する。乾燥させる際には、例えば、真空乾燥機が用いられうる。また、乾燥条件は、スラリーの種々の性状に応じて変化するため、一義的に決定されえないが、通常、50〜180℃で1分〜2時間程度である。
ここで、活物質層中に含まれる高分子電解質原料およびこれを重合させるための重合開始剤が活物質層中に含まれる場合には、活物質スラリーの塗布後、種々の方法により前記高分子電解質原料を重合(架橋)させて、電極を完成させる。この際の重合(架橋)方法は特に制限されず、活物質層中に含まれる重合開始剤の種類に応じて適宜選択されうる。なお、場合によっては、この重合工程において、多孔質集電体に充填された高分子電解質原料を重合させてもよい。
以上、集電体として多孔質集電体を用いる場合を例に挙げ、本発明の電極の製造方法の好ましい一形態について説明したが、上記のように、本発明の技術的範囲はこの形態のみに制限されない。例えば、図3に示すように、集電体3が微細空孔集電体3b/粗大空孔集電体3a/微細空孔集電体3bと積層されてなる場合には、本発明の電極は、図4に示す形態により製造されうる。以下、かかる形態について詳細に説明するが、この形態のみには制限されない。
まず、微細空孔集電体3bを準備する。この微細空孔集電体3bの片面に上記と同様に活物質スラリーを塗布し、乾燥させて、活物質層4を形成する。また、もう一方の微細空孔集電体3bにも、同様に活物質層4を形成する。次いで、粗大空孔集電体3aを準備する。この粗大空孔集電体3aを、2枚の微細空孔集電体3bにより挟持することによって、図3に示す形態の多孔質集電体が作製されうる。
また、必要であれば、上記の方法により製造された電極にプレス操作を行ってもよい。このプレス操作を行うことで、得られる電極の表面をより平坦化させたり、厚さを調節したり、集電体が2層以上からなる場合には、層間の剥離を防止したりすることが可能となる。前記プレス操作に用いられる装置および条件は特に制限されず、従来公知の装置および方法が適宜用いられうる。
なお、工業的な生産過程においては、生産性を向上させるために、最終的な電池のサイズよりも大きい電極を作製し、これを所定の大きさにカットする工程を採用してもよい。
本発明の第2は、正極、電解質層、および負極が、この順序で積層されてなる電池であって、前記正極または前記負極の少なくとも一方が前記記載の電極である電池である。本発明の電極は正極であってもよいし、負極であってもよい。正極および負極の少なくとも一方に本発明の電極が採用されていればよい。好ましくは、正極および負極の双方が、本発明の電極である。
外装材内部に電池要素が収納される場合には、タブが外装材の外部に引き出される形で、前記電池要素が収納される。そして、内部の密封性を確保するために、電池要素が収納されていない部位の外装材はシールされる。前記外装材としては、高分子金属複合フィルムが用いられうる。高分子金属複合フィルムとは、少なくとも金属薄膜および樹脂フィルムが積層されたフィルムである。このような外装材によって、薄いラミネート電池が形成されうる。
一般的な電池においては、正極、電解質層、および負極がこの順序に配置され、これらが外装材中に封止される。前記電解質層中に含まれる電解質の形態は特に制限されず、従来公知の形態が採用されうる。電解質は、液体電解質であってもよく、ゲル高分子電解質であってもよく、全固体高分子電解質であってもよい。具体的には、本発明の電極において保持されうる電解質が同様に用いられうる。電解質層に含まれる電解質と電極に保持される電解質とは、異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。また、電池中で積層される正極、電解質層、および負極の積層数は、特に制限されず、所望の電池電圧に応じて適宜決定されうる。
本発明の電池は、好ましくは、リチウムイオン二次電池である。また、より好ましくは、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)である。参考までに、図5に、バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池(一般リチウムイオン電池)10の概略断面図を示し、図6に、バイポーラ型のリチウムイオン二次電池(バイポーラ電池)20の概略断面図を示す。図5および図6からわかるように、一般リチウムイオン電池10とバイポーラ電池20とは、その電極の配置構成が異なるのみである。通常、一般リチウムイオン電池は電池容量が大きく高エネルギー型の電池であり、長期間持続して電力を供給する性能に優れる。これに対し、バイポーラ電池は高出力密度の電池であり、短時間に大きな電力を供給する性能に優れる。したがって、いずれの形態を採用するかは、必要とする電力の形態に応じて適宜決定されうる。なお、本発明の技術的範囲は、これらの図面の内容に制限されない。
複数個の本発明の電池を、または、少なくとも1つの本発明の電池と他の種類の電池とを、並列接続、直列接続、並列−直列接続、または直列−並列接続により接続し、電池モジュールとしてもよい。すなわち、本発明の第3は、本発明の電池を含む、電池モジュールである。これにより、使用目的ごとの電池容量や出力に対する要求に、新たに電池を作製することなく、比較的安価に対応することが可能になる。電池モジュールを製造する際の具体的な形態は特に制限されず、電池モジュールについて現在用いられている公知の知見が採用されうる。さらに、本発明の電池モジュールを複数接続して、複合電池モジュールとしてもよい。
本発明の電池および電池モジュールは、好ましくは、駆動用電源や補助電源として車両に用いられうる。すなわち、本発明の第4は、本発明の電池または本発明の電池モジュールを搭載する車両である。
本発明の電池または組電池が搭載されうる車両としては、特に制限されないが、電気自動車、燃料電池自動車やこれらのハイブリッド電気自動車が好ましい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。しかし、下記実施例は、一実施例を例示したに過ぎず、本発明の技術的範囲は、下記の形態に限定されない。
<実施例>
図7に示すコイン型電池40を以下の手順により作製した。
アルミニウム箔(純度:99.9質量%、厚さ:50μm)に、10質量%の塩酸、0.1質量%の硫酸、2質量%の塩化アルミニウムを含む40℃のエッチング用電解液中で、電流密度50A/mの電流を交流50Hzで1分間印加することにより、多孔質集電体としてのエッチング箔を作製した。
また、正極活物質であるマンガン酸リチウム(平均粒径:5μm)、導電助剤であるアセチレンブラック、およびバインダであるポリフッ化ビニリデンを、90:5:5の質量比で混合し、スラリー粘度調整溶媒である適量のN−メチル−2−ピロリドンを添加して、正極活物質スラリーを調製した。
上記で調製した正極活物質スラリーを、同じく上記で作製した多孔質集電体(エッチング箔)に塗布し、150℃で10分間乾燥させて、厚さ30μmの活物質層を形成させた。コイン型電池40に用いるため、得られた電極を15mmφで打ち抜き、本発明の正極41を作製した。得られた本発明の正極の断面を電子顕微鏡により撮影した写真を図2に示す。なお、得られた電極において、集電体であるエッチング箔の有する空孔の平均直径を、電子顕微鏡を用いて観察することにより測定した。その結果、エッチング箔の有する空孔の平均直径は、0.8μmであった。
一方、負極42として、リチウム金属箔(厚さ:100μm)をステンレス製の電池蓋43にはめ込み、圧着した。
また、上記で作製した正極41を、ステンレスの外装缶44内に配し、これにポリプロピレン微多孔膜(厚さ:20μm)のセパレータ45を載置した。このセパレータ45に、1M LiPF/EC+DEC(1:1(体積比))の電解質を注液して一旦真空引きすることにより脱泡した。その後、前記電池蓋43を載せて、スチレンブタジエンゴムとピッチとの混合物からなるシーラント46を隙間なく充填することにより封口して、図7に示すコイン型電池40を作製した。この電池の寸法は、直径25mm、高さ2mmである。
<比較例1>
多孔質集電体としてのエッチング箔に代えて、アルミニウム箔(純度:99.9質量%、厚さ:50μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様の手法により、コイン型電池を作製した。
<電池容量の評価>
上記で作製した実施例1および比較例1のコイン型電池について、それぞれ0.1mA、1mA、5mA、10mA、50mA、および100mAの電流で充放電を行い、電池容量を測定した。結果を下記の表1に示す。
表1からわかるように、充放電時の電流値が大きくなるに従って、本発明の電極を正極に採用した電池の方が、比較例に比べて電池容量の低下が抑制され、100mAの電流値では約2倍の電池容量を示す。これより、本発明の電極およびこれを用いてなる電池は、高出力条件下においても、電池容量等の電池特性の低下が抑制されうることが示される。
本発明の電極を用いてなる電池の内部における電極と電解質層との積層状態を示す模式断面図である。 実施例において得られた本発明の正極の断面を電子顕微鏡により撮影した写真である。 本発明の電極の好ましい一形態を示す模式断面図である。 図3に示す形態の電極を製造する際の好ましい一形態を示す模式断面図である。 バイポーラ型でないリチウムイオン二次電池(一般リチウムイオン電池)の模式断面図である。 バイポーラ型のリチウムイオン二次電池の模式断面図である。 実施例および比較例において作製されたコイン型電池の模式断面図である。
符号の説明
1 正極、
2 負極、
3 集電体、
3a 粗大空孔集電体、
3b 微細空孔集電体、
4 活物質層、
4a 正極活物質層、
4b 負極活物質層、
5 電解質層、
6 エッチング箔、
7 芯部、
8 空孔部、
10 一般リチウムイオン電池、
13 正極、
15 負極、
17 電解質層、
21 正極集電体、
23 負極集電体、
25 正極タブ、
29 負極タブ、
30 バイポーラ電池、
31 集電体、
33 単電池(セル)、
35 絶縁層、
37 積層体(電池要素)、
40 コイン型電池、
41 正極、
42 負極、
43 電池蓋、
44 外装缶、
45 セパレータ、
46 シーラント。

Claims (13)

  1. 電解質を保持してなる多孔質集電体と、
    前記集電体上に形成されてなる、活物質を含む活物質層と、
    を有する電であって、
    前記多孔質集電体が、粗大空孔集電体と、前記粗大空孔集電体の両面に位置する微細空孔集電体とを有し、
    前記粗大空孔集電体の空孔率が前記微細空孔集電体の空孔率よりも大きいことを特徴とする、電極。
  2. 前記粗大空孔集電体の有する空孔の平均直径が、前記微細空孔集電体の有する空孔の平均直径よりも大きいことを特徴とする、請求項1に記載の電極。
  3. 前記微細空孔集電体の有する空孔の平均直径は、前記活物質の平均直径以下である、請求項1または2に記載の電極。
  4. 前記多孔質集電体の有する空孔の平均直径は、0.05〜20μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極。
  5. 前記多孔質集電体は、エッチング箔である、請求項〜4のいずれか1項に記載の電極。
  6. 前記多孔質集電体は、貫通エッチング箔、金属メッシュ、パンチングメタル、およびエキスパンドメタルからなる群から選択される1種または2種以上を含む、請求項〜4のいずれか1項に記載の電極。
  7. 前記多孔質集電体を構成する材料はアルミニウムであり、正極として用いられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極。
  8. 前記多孔質集電体を構成する材料は銅またはニッケルであり、負極として用いられる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の電極。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電極を用いた電池。
  10. リチウムイオン二次電池である、請求項9に記載の電池。
  11. バイポーラ電池である、請求項10に記載の電池。
  12. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の電池を含む、電池モジュール。
  13. 請求項9〜11のいずれか1項に記載の電池、または請求項12に記載の電池モジュールを搭載する車両。
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