JP2009131905A - 鋳造チタン製コンプレッサ羽根車 - Google Patents
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Abstract
【課題】生産性が高く、コスト低減が可能な鋳造チタン製コンプレッサ羽車を得る。
【解決手段】コンプレッサ羽根車のろう模型を製造する過程の間、空気通路を占め且つ羽根を画成するダイインサートを羽根によって妨害されずに引き出すことを許容し得るようにコンプレッサ羽根車を再設計する。この改変された羽根の設計は簡略化した金型を使用してろう模型を自動的に製造することを可能にする。これらのろう模型は大規模なインベストメント鋳造法にて使用することができ、高昇圧力/RPMにて空気力学的に機能する経済的な鋳造チタン製コンプレッサ羽根車を製造する。コンプレッサ羽根車はサイクルの低疲労を促進し、高温度及び温度変化に耐え、高昇圧力比である一方、軽重量、低慣性抗力、優れた応答状態にての作動を可能にする。
【選択図】図2
【解決手段】コンプレッサ羽根車のろう模型を製造する過程の間、空気通路を占め且つ羽根を画成するダイインサートを羽根によって妨害されずに引き出すことを許容し得るようにコンプレッサ羽根車を再設計する。この改変された羽根の設計は簡略化した金型を使用してろう模型を自動的に製造することを可能にする。これらのろう模型は大規模なインベストメント鋳造法にて使用することができ、高昇圧力/RPMにて空気力学的に機能する経済的な鋳造チタン製コンプレッサ羽根車を製造する。コンプレッサ羽根車はサイクルの低疲労を促進し、高温度及び温度変化に耐え、高昇圧力比である一方、軽重量、低慣性抗力、優れた応答状態にての作動を可能にする。
【選択図】図2
Description
本発明は、受容可能な空気力学的性能にて高い回転速度(RPM)で作動することができ、しかもインベストメント鋳造法により経済的に製造することのできる空気昇圧装置内で使用されるチタン製コンプレッサホイールすなわち羽根車に関する。
燃料空気の総供給量及び密度を向上させ、これにより、内燃機関の動力及び応答性を高めるため、空気昇圧装置(ターボ過給機、過給機、電気コンプレッサ等)が使用されている。ターボ過給機の設計及び機能は、例えば、その開示内容を参考として引用し本明細書に含めた、米国特許第4,705,463号、米国特許第5,399,064号、米国特許第6,164,931号のような、従来の技術に詳細に記載されている。
コンプレッサ羽根車の羽根は、(a)空気を軸方向に吸引し、(b)空気を遠心力により加速し、(c)空気を高圧力にて半径方向外方にコンプレッサハウジングの渦巻き形状のチャンバ内に排出するため、極めて複雑な形状をしている。これら3つの別個の機能を最大の効率及び最小の乱流状態にて実現するため、羽根は、3つの別個の領域を有すると説明することができる。
第一に、羽根の前縁は、空気を掬い且つ空気を軸方向に動かし得るようにされた鋭角なつる巻き線として説明することができる。羽根の前縁のみを考えるならば、片持状すなわち外側先端は、ハブに最も近い部分よりも速く移動し(MPS)、また、全体として、ハブに最も近い部分よりも大きいピッチ角度が付与されている(図1参照)。このように、羽根の前縁の迎え角は、ハブ付近の低ピッチから前縁の外先端における高ピッチまで捩れを受ける。更に、羽根の前縁は、全体として、湾曲しており且つ平面状ではない。更に、羽根の前縁は、全体として、ハブの付近の「くぼみ」と、羽根先端の外側1/3に沿った「***部」すなわち凸部とを有している。これらの設計上の特徴は、全て、空気を軸方向に吸引する機能を向上させることを目的としている。
次に、羽根の第二の領域において、これらの羽根は、空気流の方向を軸方向から半径方向に変化させると同時に、空気を遠心力により急速に旋回させ且つ空気を高速度に加速して、インペラを去った後、渦巻きチャンバ内で拡散させたとき、エネルギが上昇した圧力の形態にて回収されるような仕方にて湾曲している。羽根の間に画成され且つコンプレッサ羽根車ハウジングにおける内壁と床空間を画成するハブの半径方向に拡張したディスク状部分との間に画成された空気流の通路内に空気が捕捉される。このハウジングの床空間は空気の流動方向に狭小となる。
最後に、第三の領域において、羽根は、空気をコンプレッサ羽根車の外に半径方向に推進する設計とされた前縁にて終わる。この羽根の後縁の設計は、(a)ピッチと、(b)半径方向からずらした角度と、及び(又は)(c)後方テーパー付き又は後部屈曲若しくは後退角(back sweep)(これらは、前縁における前進角と共に、羽根に対し全体的な「S」字形の形状を与える)とが設けられており、全体として複雑である。このようにして押出された空気は、高流量であるのみならず、高圧力でもある。
最近、エンジン排気物のより厳しい規則のため、より大きい圧力比の昇圧装置への関心が高まっている。しかし、現在のコンプレッサ羽根車は、大きい圧力比(>3.8)に繰り返してさらされることに耐えることができない。アルミニウムは、低重量及び低コストのため、コンプレッサ羽根車用として選ばれる材料ではあるが、高い回転速度(RPM)時の増加した遠心力に起因する羽根先端の温度及び圧力は、従来から採用されているアルミニウム合金の能力を上廻る。アルミニウム製コンプレッサ羽根車に対して改良が加えられているが、アルミニウムの性質上の制限された強度のため、更なる有意義な改良は何ら期待できない。従って、圧力比の大きい昇圧装置は、実際には、寿命が短く、保守コストが高くなり、このため、広く普及するためには、製品の寿命コストが過度となることが分かっている。
高強度及び軽重量であることが既知のチタンは、最初、次世代の適宜な材料であろうと考えられた。大型のチタン製コンプレッサ羽根車は、実際上、B−52B/RB−52BからF−22までターボエンジン及びジェットエンジンにて永年、使用されてきた。しかし、チタンは、加工が最も難しい金属の1つであり、現在、チタン製コンプレッサ羽根車に関係した製造コストは、極めて高くなり、チタンの広い採用を制限している。
現在、自動車又はトラック業界規模のチタン製コンプレッサ羽根車を製造するための経済的な製造技術は何も知られていない。自動車業界は、経済性に支配される。高性能コンプレッサ羽根車が必要とされているが、このコンプレッサ羽根車は妥当なコストで製造し得るものでなければならない。
コンプレッサ羽根車の鋳造を教示する特許の一例は、「脆弱で且つ複雑な形状品の鋳造方法及び装置(M ethod and Device for Casting of Fragile and Complex Shapes)」という名称の米国特許第4,556,528号(ゲルシエ(Gersch)ら)である。この特許は、コンプレッサ羽根車の複雑な設計(上記に詳細に説明したように)及びその後に、金型を製作するために使用される弾性的な模型を製造するときに関係する複雑な方法を記載している。より具体的には、ゲルシエらは、インペラの中実な陽型の弾性的な原模型を適宜な型枠内に配置することと、シラスティック又は白金ゴム材料のような可撓性で且つ弾性的な材料を原模型の上に鋳込むことと、原模型の逆すなわち陰型キャビティを有する可撓性の金型を製作し得るようにインペラの中実な原模型を硬化させ且つ可撓性の材料から引抜くこととを備える方法を教示している。次に、可撓性で且つ弾性的な硬化可能な材料を逆金型のキャビティ内に鋳込む。可撓性で且つ弾性的な材料が硬化してインペラの陽型の可撓性の模型を製作した後、その模型を可撓性の陰型金型から除去する。次に、可撓性の陽型模型を頂部開放の金属製の型枠内に配置し、その型枠内に鋳造用石膏を鋳込む。石膏が硬化した後、陽型の可撓性の模型を石膏から除去し、陰型の石膏金型が残るようにする。石膏金型内に非鉄の溶融材料(例えば、アルミニウム)を鋳込む。非鉄の溶融材料が凝固し且つ冷却した後、石膏を破壊し且つ除去して、原部品の陽型の非鉄複製品を製造する。
ゲルシエらの方法は、鋳造アルミニウム製コンプレッサ羽根車を製造するのに効果的ではあるが、この方法は、非鉄すなわち低温度又は最小反応性鋳造材料に限定されており、鉄金属及びチタンのような高温度鋳造材料にて部品を製造するために使用することはできない。チタンは、極めて高反応性であるためセラミック製シェルを必要とする。
「複雑な金属部品の鋳造方法(Method of Casting a Complex Metal Part)」という名称の米国特許第6,019,927号(ギャリンジャー(Galliger))は、チタン製ガスタービンインペラの鋳造方法を教示するが、このインペラはコンプレッサ羽根車と形状が相違するが、アンダーカット空間を画成する壁又は羽根を有する複雑な幾何学的形状である。可撓性で且つ弾性的な陽型模型が形成され、この模型を乾燥及び硬化が可能なセラミック製成形媒体内に浸漬させる。可撓性の模型の上にセラミック層を形成し得るように模型をこの媒体から除去し、層を砂にて被覆し且つ空気乾燥させてセラミック層を形成する。多層のセラミックシェルを形成し得るように浸漬、砂被覆及び乾燥工程を数回繰り返す。必要であるならば、部品を画成する陰型キャビティを有する第一のセラミックシェル金型を製作し得るように吸引力により部分的につぶれさせることにより、可撓性の壁模型をシェルから除去する。部品の後部及び鋳込み通路を画成し得るように第二のセラミックシェル金型を第一のシェル金型上に形成し、その組み合わせたシェル金型を炉内で焼く。高温度鋳造材料をシェル金型内に鋳込み、鋳造材料が凝固した後、破断させることによりシェル金型を除去する。
ギャリンジャーのガスタービンの可撓性の模型は、(a)つぶれ可能であり、(b)ジェット又はターボジェットエンジン用の大型のガスタービンインペラを製造することを目的とするものであることが明らかである。この技術は非つぶれ型模型を使用して薄い羽根を有する自動車規模のコンプレッサ羽根車を大量生産するには適していない。ギャリンジャーは、自動車業界に適用可能にする方法を教示していない。
上述した鋳造金型を製作する「ゴム模型」技術に加えて、コンプレッサ羽根車を製造するために使用することができ、(1)片持状翼型を有するハブのろう模型を作成することと、(2)ろう模型の周りに耐火性塊体を鋳造することと、(3)鋳造金型を製作し得るように溶剤又は熱的手段によりろうを除去することと、(4)鋳造材を鋳込み且つ凝固させることと、(5)成形材料を除去することとを備える、「インベストメント鋳造」と称される周知の方法が存在している。
しかし、コンプレッサ羽根車のろう模型を製作するという最初のステップに関係する顕著な問題点がある。ろう模型を鋳造するためダイが使用されるとき、製品を剥離するため鋳造ダイを開放しなければならない。金型の幾つかの部品(金型インサート)の各々を全体として直線(半径方向)線内でのみ引込めなければならない。
上述したように、コンプレッサ羽根車の羽根は複雑な形状をしている。複合的な曲線を有する個々の空気翼型の捩れにより形成されるアンダーカットリセス部及び(又は)後方テーパー部分を有するコンプレッサ羽根車の複雑な幾何学的形態は、羽根の前縁に沿ってへこみ及び突起を生じるのはもちろんのこと、ダイのインサートの引き抜きをも妨害する。
これらの複雑さを回避するため、ろう羽根の各々及びろうハブに対し別個の金型を製作することが既知である。別個のろう羽根及びハブを次に組み立て且つ融接してろうのコンプレッサ羽根車の模型を形成する。しかし、翼の同一平面性、適正な迎え角又は捩れ角及び等しい間隔で、必要な程度の精度にて別個のろう部品からコンプレッサ模型を組み立てることは困難である。更に、組み立て中、応力が生じて組み立て保持具から除去した後、変形を生じさせる。最後に、これは労働集約的であり、このため、コスト高の工程である。この技術は工業的規模で採用することはできない。
確かに、チタン製コンプレッサ羽根車は、アルミニウム又はスチール製コンプレッサ羽根車よりも望ましいように思われるであろう。チタンは丈夫で且つ軽量であるため、遠心力に起因する過度の応力を受けることなく高い回転速度(RPM)にて駆動することのできる薄く軽量なコンプレッサ羽根車を製造するため、それ自体利用可能である。
しかし、上述したように、チタンは、最も加工が難しい材料の1つであり、その結果、コンプレッサ羽根車の製造は、実施できない程に高コストとなる。この製造コストは、その広範囲に亙る採用を妨げている。コスト面の利点を伴わない限り、新しい技術を工業的に採用することはできない。
このため、チタン製コンプレッサ羽根車を大量生産するための簡単で且つ経済的な方法、並びにこの方法により製造された低コストのチタン製コンプレッサ羽根車が必要とされている。この方法は、特に、薄い羽根において、寸法上又は構造上の欠陥があるという従来技術の問題点を伴わずにコンプレッサ羽根車を確実に且つ反復的に製造することができなければならない。
本発明は、内燃機関に対する空気圧力を昇圧させ且つ総供給量を増加させると共に、次の2つの(矛盾すると思われる)必要条件を満足させ得るようにチタン製コンプレッサ羽根車を設計することができるかどうかという問題点を課題とするものである。
空気力学性;チタン製コンプレッサ羽根車が作動可能である高い回転速度(RPM)にて作動するときの空気力学的効率は、複雑で最新式のコンプレッサ羽根車の設計の効率と同程度でなければならない。
製造の容易性;コンプレッサ羽根車は、従来から採用されている上述の方法よりも効率的な仕方にて大量生産できるものでなければならない。
この問題点は、当該発明者達によって驚くべき仕方にて解決された。簡単に説明すれば、当該発明者達は、独自の考えに基づいてこの問題点を解決しようと試みた。従来、製品を設計し、次に、その製品の製造方法を案出することにより製造過程は開始する。殆どのコンプレッサ羽根車は、最適な空気力学的効率が得られるように設計されており、このため、羽根間の間隔は短く、また、前縁及び後縁の設計は複雑なものとなる(余剰なすくい角、アンダーカット、後部屈曲、複雑な曲がり及び前縁のへこみ及び突起)。
従来の技術的アプローチ法と相違して且つ最初に、最終製品を検討せずに、ろう模型を製作する色々な過程を検討することにより、驚くべきことに本発明が為された。次に、当該発明者達は、「引出し可能性」(引出し可能なダイインサートを使用して製造可能な能力である)に基づいて色々なコンプレッサ羽根車を設計し、次に、これらの簡略化した模型から製造された色々なコンプレッサ羽根車の作動特性を、高い回転速度(RPM)で反復的な負荷サイクルにて且つ長時間かけて試験した(実際的な環境内での長時間の使用を模擬するため)。その結果は、(a)チタンを鋳造することによりそれ自体、経済的な製造が実現可能であり、また、(b)高い回転速度(RPM)にて、完全に満足し得る空気力学的性能を発揮する、簡略化したコンプレッサ羽根車の設計が得られた。
より具体的には、本発明は、空気力学的に、複雑なコンプレッサ羽根車の羽根の設計と同程度の効率を有し、しかも、製造上の観点からして、自動型(及び「引出し可能な」)ダイから低コストにて容易に製造可能なろう模型を使用してインベストメント鋳造法(ろう原型法)にて経済的に製造することのできる、簡略化した設計の羽根を備える、チタン製コンプレッサ羽根車を提供するものである。
この知見に基づいて、一般的な自動車の技術のため、チタン製コンプレッサ羽根車に有利なように、経済的な等式を始めて工夫した。従って、第一の実施の形態において、本発明は、次のような、簡略化した羽根の設計のコンプレッサ羽根車に関するものである。
すなわち、ろう模型は、コンプレッサ羽根車の1つの空気通路当たり(すなわち、羽根の間の空間当たり)、1つ又はより多くのダイインサートから成り、好ましくは、1つの空気通路当たり2つのダイインサートから成るようにする。
また、ダイインサートは、容易に除去し得るように、ろう模型を露出させるべくダイインサート(複数)を半径方向に又は相当に複合的な曲線又は軸に沿って自動的に引抜くことができるようにする。
コンプレッサ羽根車の羽根の設計は、曲率を有するものとすることができ、また、羽根の前縁が何らのへこみ又は突起を有しない限り、また、羽根が、ダイインサートを半径方向に引抜き又は何らかの曲線部又は円弧に沿って簡単な方法にて除去するのを妨げる程度の複合的曲線部を有するアンダーカットリセス部分及び(又は)後方テーパー付き部分が個々の空気翼型を捩ることにより形成されることがない限り、任意の設計とすることができる。
最も簡単な形態において、各空気通路に相応する1つのダイインサートを有するダイからろう金型が製作される。羽根が簡単なダイインサートを引き出すことを許容するように(すなわち、1つの空気通路当たり1つのダイインサートがある)設計とされるならば、このことは可能である。しかし、以下に説明するように、ダイは、2つ又はより多くのダイインサートから成るが、経済上の理由のため、1つの空気通路当たり2つのインサートがあるようにすることが好ましい。
より先端的な形態において、羽根は、ある程度のすくい角又は後部曲がりすなわち曲率を有する設計とされているが、その曲率の程度は、1つの空気通路当たり、2つ又はより多数、好ましくは、2つのインサートを容易に自動的に引抜くことができる程度に過ぎない。かかる配置は、ろう成形金型のコスト及び細工を僅かに増加させるが、より複雑な形状のろう金型、従って、コンプレッサ羽根車を製造することを許容する。1つの空気通路当たり、2つのインサートが引き出される場合、引張り方向は、必ずしも、対のインサートの部材の各々に対し同一である必要はない。2つの羽根の間に1つの空気の通路領域を画成する1つのダイインサートは、僅かに前方に傾けて半径方向に引張ることができる一方、他の通路部分を画成する第二のダイインサートは、羽根の僅かな後部屈曲若しくは後退角のため僅かな円弧に沿って引張ることができる。この実施の形態は、「複合ダイインサート」の実施の形態と称されている。引出し可能性を説明する1つの方法は、羽根表面が凸型でないことである。すなわち、引出し軸に沿って確実な抜け勾配が存在する。
一度びろう模型が製作されたならば、チタンのインベストメント鋳造法は、従来の方法にて続行する。本発明は、内燃機関に対し容易に製造できる長寿命のチタン製コンプレッサ羽根車を提供することと、燃焼空気の総供給量及び密度を高め且つ排気分を減少させるべく高い回転速度(RPM)にてチタン製コンプレッサ羽根車を駆動することとを備える、内燃機関を作動させる経済的な方法に更に関するものである。
本発明のチタン製コンプレッサ羽根車は、簡略化した極めて自動化した方法にて製造することが可能である設計を有する。上述したことは、以下の本発明の詳細な説明を一層良く理解することができるようにまた、技術に対し本発明が寄与する程度をより完全に理解し得るようにするため、本発明のより関連し且つ重要な特徴をかなり広く概説したものである。
本発明の更なる特徴は、以下に説明するが、これらは、本発明の請求の範囲の主題を構成するものである。当該技術分野の当業者は、開示した着想及び特定の実施の形態が、本発明と同一の目的を達するようにその他のコンプレッサ羽根車を改変し又は設計するための基礎として容易に利用することができることが理解されよう。また、当該技術分野の当業者には、かかる等価物的な構造は、特許請求の範囲に記載された本発明の精神及び範囲から逸脱しないことをも理解されよう。
本発明の性質及び目的を一層完全に理解するため、添付図面と共に、以下の詳細な説明を参照すべきである。
本発明の1つの主な特徴は、最初に、利用された完全な形状品として自動ダイ内で製造可能な鋳造したチタン製コンプレッサ羽根車を製造するときの基本となるろう模型を製作し得るように空気力学的に受容可能な設計又は羽根の幾何学的形態を調節することに基づくものである。本発明は、(a)簡略化した型を使用してろう模型を製作することを許容し、また、(b)空気力学的に効果的である簡略化した羽根の設計を提供するものである。この改変した羽根の設計は、鋳造チタンコンプレッサ羽根車を製造するための簡単で且つ経済的な方法の基礎となるものである。
本発明は、簡単、低コストで且つ経済的な方法によりチタン製コンプレッサ羽根車を大量生産するための方法を初めて提供するものである。以下に、本発明は、最初に、簡単なダイインサート(複数の)、すなわち、1つの空気通路当たり、1つのダイインサートを使用する場合について説明し、その後、複合ダイインサートを有する実施の形態、すなわち、1つの空気通路当たり、2つ又はより多くのダイインサートを使用する実施の形態について説明する。
「チタン製コンプレッサ羽根車」という語は、本明細書にて、専らチタンで出来たコンプレッサ羽根車を指し、また、好ましくは、チタンアルミニウム合金のような軽量な合金であるチタン合金を含む。
本発明の理解の開始点として、羽根の形状、輪郭及び湾曲は、一方にて、高い回転速度(RPM)にて空気力学的に受容可能な特性を提供し、他方にて、自動複合ダイを使用して経済的にろう模型を製作することを可能にする設計を提供し得るように改変してある。すなわち、ろう模型を鋳造する間、空気通路を画成すべく使用するダイインサートは、「引出し可能」であること、すなわち、半径方向に又は湾曲に沿って引き出すことができることが本発明にとって中心的なことである。ダイインサートを引込み可能とするため、以下の特徴を考慮に入れた。
コンプレッサ羽根車は十分な羽根間の間隔を有すること;コンプレッサ羽根車は、羽根の前縁又は後縁の過剰なすくい角及び(又は)後部屈曲を示さないこと;羽根に過剰な捩れが存在しないこと;ダイインサートの引出しを妨げるであろうへこみ又は突起が羽根の前縁に沿って存在しないこと;羽根を過剰に湾曲させないこと;ろう模型を製作するときに使用されるダイインサートは、直線又は簡単な曲線に沿って引込み可能であること。
一度び上記の必要条件を満足させるろう模型が製作されたならば、鋳造技術の残りの部分は、チタンを鋳造するため当該技術分野で既知の改変を加えて従来のインベストメント鋳造法とすることができる。ろう模型は、何回もセラミックスラリー中に浸漬させる。乾燥過程後、シェルを「脱ろう」し、加熱により硬化させる。次のステップは、金型に溶融金属を充填することを含む。溶融チタンは、極めて反応性を有し、利用可能な酸素無しにて特殊なセラミックシェル材料を必要とする。鋳込みは、また、高真空圧にて行うことも好ましい。一部の鋳造所は、金型を充填するため遠心鋳造法を使用する。殆どは、良好な鋳造を実現し得るように、複雑な湯口による重力鋳込み法を使用する。冷却した後、シェルを破壊し且つ除去し、通常、化学的フライス加工によって、金型−金属の反応層を除去すべく鋳物に対し特殊な加工を施す。
過程がさもなければ過剰な内部空隙を残すならば、HIP(熱間静水圧圧縮成形法)による何らかの圧密化が必要となる。以下に、従来技術のコンプレッサ羽根車と、本発明のコンプレッサ羽根車を図面を参照しつつ比較することにより、本発明を詳細に説明する。
図1及び図3には、基部3を形成し得るように基部部分にて半径方向外方に伸びる環状ハブ2を備える、従来技術のコンプレッサ羽根車1が図示されている。ハブから基部への遷移部分は湾曲させる(溝付きとする)ことができ、又は、角度を付けることができる。均一に隔てられた一連の薄肉厚の完全な羽根4及び「スプリッタ」羽根5は、コンプレッサ羽根車の一体部分を形成する。スプリッタ羽根は、主としてその前縁が完全な羽根と比較したとき、更に軸方向下流にて開始する点にて、完全な羽根と相違している。コンプレッサ羽根車は、羽根の自由外端縁がコンプレッサハウジングの内壁に接近した状態でコンプレッサハウジング内に配置される。空気は、コンプレッサ入口内に吸引されると、速く回転するコンプレッサ羽根車の空気通路を通って流れ、コンプレッサ羽根車の基部に沿って外方に環状の渦巻きチャンバ内に放出され(遠心力により)、この圧縮された空気は、次に、エンジン吸気口に運ばれる。羽根の前縁に沿ったへこみ6及び突起7と、個々の空気翼型を複合的な曲率にて捩ることにより形成されたアンダーカットリセス部9と、羽根の後縁におけるすくい角又は後方テーパー付き部分(後部屈曲)8とを有するコンプレッサ羽根車の複雑な幾何学的形態は、その幾何学的形態がダイインサート又は金型部材を引抜くことを妨げるから、かかる形状品を自動的な過程にて単一物として鋳造することを不可能にする。
図2及び図4には、ダイインサートを容易に引込み可能とし、このため、十分な羽根の間隔、羽根の前縁及び後縁の余剰なすくい角及び(又は)後部屈曲の不存在、前縁に沿ったへこみ又は突起の不存在、及び直線又は簡単な曲線に沿ってダイインサートを引抜く可能性という相互に関係した思想を最優先的に考慮して設計された、本発明によるコンプレッサ羽根車が比較のため図示されている。簡単に説明すると、本発明の主たる特徴的な性質は、インサートの「引出し可能性」を妨げるであろう羽根の特徴が存在しないことである。
これらの設計上の考慮により、図2及び図4に図示するように、コンプレッサ羽根車11が得られる(ろう模型は、最終的なチタン製品と同一形状である。図面は、ろう模型又は鋳造したチタン製コンプレッサ羽根車の何れかを示すものとして見ることができる)。この羽根車は、ハブ基部13を有するハブ12と、均一に隔てた一連の薄肉厚の完全な羽根14と、コンプレッサ羽根車の一体部分として鋳造された「スプリッタ」羽根15とを備えている。
羽根の前縁17は、ダイインサートの半径方向への引抜きを妨げるであろうへこみ又は突起が無い、実質的に直線状であることが理解できる。すなわち、羽根がハブに接続する箇所たる、僅かな丸型の***部分18(すなわち、羽根のピッチに沿った羽根の連続部分)が存在するが、この曲率は、ダイインサートの引出し可能性を妨げない。
羽根の間隔は十分に広く、また、羽根のすくい角及び(又は)後部屈曲は、直線又は簡単な曲線に沿ってインサートを引抜くのを妨げる程、大きくは無いことが理解できる。
羽根14の後縁16は、1つの設計において、ハブの中心(ハブの軸)から相対的に半径方向外方に伸びるようにし、又は、より好ましくは、ハブディスクの外端縁上の1点からハブ軸の外(前)周縁上の1点まで仮想線に沿って伸びるようにする。コンプレッサ羽根車の側部から見たときの羽根の後縁は、ハブ軸に対して平行に方向決めすることができるが、図2に図示するように、ハブの基部を越えて片持状に支え且つ基部を越えて三角形に伸びるようにすることが好ましく、また、羽根の他の部分と同一とし、又は増大させることのできるピッチにて傾斜させてある。最後に、図11に図示するように、羽根は、僅かな程度の後部屈曲(これは、前縁の前進角と共に見たとき、僅かに「S」字形の形状を生じた)を有するが、後縁付近の羽根の領域は、比較的平坦であることが好ましい。
1つの基本的な実施の形態において、コンプレッサ羽根車は、8乃至12枚の完全な羽根を有するが、スプリッタ羽根は無い。1つの好ましい実施の形態において、コンプレッサ羽根車は、4乃至8枚、好ましくは6枚の完全な羽根を有し、また、同数のスプリッタ羽根を有する。
図3には、羽根の前縁がダイインサートの半径方向への引き抜きを妨げる形状を生ずるへこみ6及び突起7を呈する、従来技術の部分的なコンプレッサ羽根車が側面外形図で図示されている。
図4には、図3の羽根車と同様の寸法とした部分的コンプレッサ羽根車が図示されているが、理解し得るように、ネック部18から先端19まで羽根の実質的に直線上の肩部を有している。
図5には、へこみ6と、突起7と、前縁の湾曲状態及び曲率とを示す、従来技術の設計のコンプレッサ羽根車の拡大部分断面図が立面斜視図で図示されている。「捩れ」(前縁に沿ったピッチの差)は、曲率に加えて、ダイインサートを半径方向に引抜くことを不可能にすることも理解できる。
図6には、図5と同様の寸法としたが、本発明に従った設計とされる、本発明による部分コンプレッサ羽根車の拡大断面図が図示されており、直線状の前縁19を示し且つダイインサートの引出しを妨げるであろう何らの程度の捩れ及び曲率が存在しない状態が示されている。
もちろん、上記の寸法はろう模型及び完成したコンプレッサ羽根車の双方に等しく当て嵌まる。ろう模型は、主として、ろう漏斗が含まれる点にて最終製品と相違する。このことは、鋳造中、溶融金属が鋳込まれるセラミック鋳型空隙内に漏斗を形成する。鋳造後にこの漏斗領域に残る全ての余剰な金属は通常機械加工によって最終製品から除去する。
図7において、ろう形態物を製作する工具又はダイは、図6に図示した断面線8に沿って且つ本発明の必須な特徴を一層良く理解し得るように簡略化して(機械的引抜き手段を省略する等)断面図で閉じた状態で図示され、コンプレッサ羽根車形状の金型の断面を示している。該金型は、ハブキャビティと、羽根の間の空気通路を占める多数のインサート20とを画成し、これにより羽根と、ハブの壁と、ハブの基部の空気通路の床部分とを画成する。これらインサートが図7に図示した所要位置にあるとき、溶融した犠牲材料としてのろうをダイ内に鋳込む。ろうは冷却させ、個々のインサート20は、図8に図示するように自動的に半径方向に引き抜かれ又は図9、図10に図示するように幾つかの簡単な又は複合的曲線に沿って引き抜かれ、中実なろう模型21を露出させ且つダイから模型を除去することを可能にする。図7及び図8には、半径方向への引抜き状態が図示され、図9及び図10には、オフセットアーム22を使用して簡単な曲線に沿った引抜き状態が比較のため図示されている。
図7乃至図10には、図面の便宜上6個のダイと、6枚の羽根とが図示されている。しかし、上述したように、ダイは、合計で6枚の完全な長さの羽根、及び6枚の「スプリッタ」羽根を形成し得るよう合計12個(簡略型)又は24個(複合型)インサートを有することが好ましい。上述したように、24個の複合型インサートの場合、最初に、12個の相応するインサートから成る一組みを同時に引き抜き、次に、12個の相応するインサートの第二の組みを同時に引抜く。複合型ダイインサートは、空気キャビティを2つの部分に分割することにより製造し、また、ダイインサートを羽根の設計に依存して、半径方向に又は曲線に沿って引抜くことができる。
本発明によるろう鋳造法は完全に自動的に行われる。インサートを組み立てて金型を製作し、ろうを射出し、連動して引込ませる機構によりインサートを最適なタイミングで引抜く。
一度びろう模型(鋳込み漏斗を有する)が製作されたならば、セラミック金型の製作過程及びチタン鋳造法を従来の仕方にて行う。鋳込み漏斗を有するろう模型をセラミックスラリーに浸漬させ、スラリーから取り出し且つ砂又はバーミキュライトにて被覆し、ろう模型にセラミック層を形成する。層を乾燥させ、浸漬、砂被覆及び乾燥工程を数回繰り返して組み合わさったろう模型を取り囲み又は包み込む多層セラミックシェル型を製作する。シェル型及び鋳込み漏斗を有するろう模型を次に炉内に投入し且つ焼いてろうを除去し、鋳込み漏斗を有するセラミックシェル型を硬化させる。
溶融チタンをシェル型内に鋳込み、チタンが硬化した後、金型を壊してシェル型を除去し、高い回転速度(RPM)及び高温度に耐えることのできる軽量、精密な鋳造コンプレッサ羽根車を製作する。
本発明のチタン製コンプレッサ羽根車は、簡略化した極めて自動化した過程にて製造することがそれ自体可能である設計を有している。その結果、コンプレッサ羽根車が、弾性的な変形可能な金型を使用するときに生じ又は従来技術の方法に従って別個の羽根をハブに組み立てるときに生じるような何らの変形は生じない。
同様の設計のアルミニウム製コンプレッサ羽根車と比較試験したとき、アルミニウム製コンプレッサ羽根車は高い圧力比に繰り返して露呈させることに耐えることができない一方、チタン製コンプレッサ羽根車は、アルミニウム製コンプレッサ羽根車の作動サイクル数の13倍以上も運転したときでさえ、何ら疲労の兆候が見られなかった。
本発明は、チタン製コンプレッサ羽根車に関してある程度具体的にその好ましい形態について説明したが、好ましい形態のこの開示は単に一例として記載したものであり、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに、構造及び組み合わせの組成の細部の点で多数の変更が可能であることが理解される。
図11には、羽根の後縁16に僅かな程度の後部屈曲が提供される点を除いて、実質的に図2のコンプレッサ羽根車に相応するコンプレッサ羽根車が図示されている。羽根の前縁に沿った前方すくい角と共にこの僅かな程度の後部屈曲は空気通路の全体を画成する単一のダイインサートを容易に引抜くことを困難にするであろう。ダイインサートの除去を容易にするため図11に図示したコンプレッサ羽根車は、複合型ダイインサート、すなわち、空気通路の最初すなわち入口領域を画成する第一のダイインサートと、残りの空気通路の領域を画成する第二のダイインサートとを使用して製造することができる。空気通路を2つの領域に分割する方法は特に重要ではなく、第一及び第二のダイインサートを同時に又は順次に引抜くことができるようにすれば十分である。
自動車又はトラック業界に適した実施の形態に関して鋳造チタン製コンプレッサ羽根車について極めて詳細に説明したが、コンプレッサ羽根車及びその製造方法は、燃料電池作動乗物のような多数のその他の適用例にて使用するのに適していることが容易に明らかであろう。本発明は自動車の内燃機関のコンプレッサ羽根車に関し特に具体的にその好ましい形態にて説明したが、好ましい形態のこの開示は単に一例として記載したものであり、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに構造及び組み合わせの組成の細部の点で多数の変更が具体化可能であることが理解される。
本発明に関連する好ましい態様として、以下のものをあげることができる。
[1] インベストメント鋳造法により形成されたチタン製コンプレッサ羽根車において、回転軸を画成するハブ(1)と、該ハブの表面の上に保持された空気力学的羽根(4、5)とを備え、前記チタン製コンプレッサ羽根車が金型内でインベストメント鋳造法により形成され、前記金型がコンプレッサ羽根車の模型(21)の周りでロストワックス法により形成され、前記コンプレッサ羽根車の模型が複数のダイインサート(20)を含むダイ内に犠牲材料を鋳込み、その後、前記ダイインサート(20)を半径方向に又は曲線に沿って引抜いて前記コンプレッサ羽根車の模型を露出させることにより形成される、チタン製コンプレッサ羽根車。
[2] 上記[1]に記載のチタン製コンプレッサ羽根車において、空気通路が前記羽根の間に画成され、前記ダイが、1つの空気通路当たり1つ乃至3つのダイインサート(20、20´)を備える、チタン製コンプレッサ羽根車。
[3] 上記[2]に記載のチタン製コンプレッサ羽根車において、前記ダイインサートが同時に引抜かれる、チタン製コンプレッサ羽根車。
[4] 上記[1]に記載のチタン製コンプレッサ羽根車において、前記空気力学的羽根が交互に現れる完全な羽根(4)及びスプリッタ羽根(5)を備える、チタン製コンプレッサ羽根車。
[5] 鋳造チタン製コンプレッサ羽根車において、環状ハブ(1)と、各々が前縁(18)と、コンプレッサハウジングに対し近接して通過し得るようにされた外端縁と、後縁(16)とを有する複数の羽根(4、5)とを備え、前記前縁(18)が実質的に直線状端縁であり、前記羽根(4、5)が、隣接する羽根の間で空間を画成する単一のダイインサート(20)を隣接する羽根の間に挿入し且つ半径方向又は湾曲経路に沿って引込めることができるような設計とされた、鋳造チタン製コンプレッサ羽根車。
[1] インベストメント鋳造法により形成されたチタン製コンプレッサ羽根車において、回転軸を画成するハブ(1)と、該ハブの表面の上に保持された空気力学的羽根(4、5)とを備え、前記チタン製コンプレッサ羽根車が金型内でインベストメント鋳造法により形成され、前記金型がコンプレッサ羽根車の模型(21)の周りでロストワックス法により形成され、前記コンプレッサ羽根車の模型が複数のダイインサート(20)を含むダイ内に犠牲材料を鋳込み、その後、前記ダイインサート(20)を半径方向に又は曲線に沿って引抜いて前記コンプレッサ羽根車の模型を露出させることにより形成される、チタン製コンプレッサ羽根車。
[2] 上記[1]に記載のチタン製コンプレッサ羽根車において、空気通路が前記羽根の間に画成され、前記ダイが、1つの空気通路当たり1つ乃至3つのダイインサート(20、20´)を備える、チタン製コンプレッサ羽根車。
[3] 上記[2]に記載のチタン製コンプレッサ羽根車において、前記ダイインサートが同時に引抜かれる、チタン製コンプレッサ羽根車。
[4] 上記[1]に記載のチタン製コンプレッサ羽根車において、前記空気力学的羽根が交互に現れる完全な羽根(4)及びスプリッタ羽根(5)を備える、チタン製コンプレッサ羽根車。
[5] 鋳造チタン製コンプレッサ羽根車において、環状ハブ(1)と、各々が前縁(18)と、コンプレッサハウジングに対し近接して通過し得るようにされた外端縁と、後縁(16)とを有する複数の羽根(4、5)とを備え、前記前縁(18)が実質的に直線状端縁であり、前記羽根(4、5)が、隣接する羽根の間で空間を画成する単一のダイインサート(20)を隣接する羽根の間に挿入し且つ半径方向又は湾曲経路に沿って引込めることができるような設計とされた、鋳造チタン製コンプレッサ羽根車。
[6] チタン製コンプレッサ羽根車の製造方法において、回転軸を画成するハブ(1)と、該ハブの上に保持された空気力学的羽根(4、5)とを備えるコンプレッサ羽根車の模型を形成し得るように犠牲材料を複数のダイインサート(20)を含むダイ内に導入することと、前記ダイインサート(20)を半径方向に又は曲線に沿って引抜き前記コンプレッサ羽根車の模型を露出させることと、前記コンプレッサ羽根車の模型(21)の周りにロストワックス法により金型を形成することと、金型内でインベストメント鋳造法により前記チタン製コンプレッサ羽根車を形成することとを備える、製造方法。
[7] 上記[6]に記載の方法において、前記ダイインサートの引抜きが自動化した方法により行われる、方法。
[8] 上記[7]に記載の方法において、前記自動化した方法が液圧、空圧又は電気的方法である、方法。
[9] 上記[7]に記載の方法において、前記ダイインサートが同時に引抜かれる、方法。
[10] 鋳造チタン製コンプレッサ羽根車の製造方法において、環状ハブ(1)と、複数の羽根(4、5)とを備え、羽根の各々が前縁(18)と、コンプレッサハウジングに対して近接して通過し得るようにされた外端縁と、後縁(16)とを有するようにコンプレッサ羽根車の模型の形状を設計し、前記前縁(18)が実質的に直線状端縁であり、前記羽根(4、5)は、隣接する羽根の間の空間が、隣接する羽根の間に挿入され且つそれぞれ自動化した方法により半径方向又は湾曲経路に沿って引込み可能である3つ以下のダイインサート(20)によって画成されるような、輪郭とされ、複数のダイインサート(20)から成るダイ内に犠牲材料を導入することにより前記コンプレッサ羽根車の模型を形成することと、前記コンプレッサ羽根車の模型を露出させ得るように前記ダイインサート(20)を半径方向に又は曲線に沿って自動的に引抜くことと、前記コンプレッサ羽根車の模型(21)の周りにロストワックス法により金型を製作することと、前記金型内でインベストメント鋳造法により前記チタン製コンプレッサ羽根車を形成することとを備える、製造方法。
[7] 上記[6]に記載の方法において、前記ダイインサートの引抜きが自動化した方法により行われる、方法。
[8] 上記[7]に記載の方法において、前記自動化した方法が液圧、空圧又は電気的方法である、方法。
[9] 上記[7]に記載の方法において、前記ダイインサートが同時に引抜かれる、方法。
[10] 鋳造チタン製コンプレッサ羽根車の製造方法において、環状ハブ(1)と、複数の羽根(4、5)とを備え、羽根の各々が前縁(18)と、コンプレッサハウジングに対して近接して通過し得るようにされた外端縁と、後縁(16)とを有するようにコンプレッサ羽根車の模型の形状を設計し、前記前縁(18)が実質的に直線状端縁であり、前記羽根(4、5)は、隣接する羽根の間の空間が、隣接する羽根の間に挿入され且つそれぞれ自動化した方法により半径方向又は湾曲経路に沿って引込み可能である3つ以下のダイインサート(20)によって画成されるような、輪郭とされ、複数のダイインサート(20)から成るダイ内に犠牲材料を導入することにより前記コンプレッサ羽根車の模型を形成することと、前記コンプレッサ羽根車の模型を露出させ得るように前記ダイインサート(20)を半径方向に又は曲線に沿って自動的に引抜くことと、前記コンプレッサ羽根車の模型(21)の周りにロストワックス法により金型を製作することと、前記金型内でインベストメント鋳造法により前記チタン製コンプレッサ羽根車を形成することとを備える、製造方法。
1 従来技術のコンプレッサ羽根車
2 環状ハブ
3 基部
4 完全な羽根
5 「スプリッタ」羽根
6 へこみ
7 突起
8 後方テーパー付き部分(後部屈曲)
9 アンダーカットリセス部
11 コンプレッサ羽根車
12 ハブ
13 ハブ基部
14 羽根
15 「スプリッタ」羽根
16 羽根の後縁
17 羽根の前縁
18 ***部分/ネック部
19 先端
20 ダイインサート
21 ろう模型/コンプレッサ羽根車の模型
22 オフセットアーム
2 環状ハブ
3 基部
4 完全な羽根
5 「スプリッタ」羽根
6 へこみ
7 突起
8 後方テーパー付き部分(後部屈曲)
9 アンダーカットリセス部
11 コンプレッサ羽根車
12 ハブ
13 ハブ基部
14 羽根
15 「スプリッタ」羽根
16 羽根の後縁
17 羽根の前縁
18 ***部分/ネック部
19 先端
20 ダイインサート
21 ろう模型/コンプレッサ羽根車の模型
22 オフセットアーム
Claims (1)
- チタン製コンプレッサ羽根車の製造方法において、回転軸を画成するハブ(1)と、該ハブの上に保持された空気力学的羽根(4、5)とを備えるコンプレッサ羽根車の模型を形成し得るように犠牲材料を複数のダイインサート(20)を含むダイ内に導入することと、前記ダイインサート(20)を半径方向に又は曲線に沿って引抜き前記コンプレッサ羽根車の模型を露出させることと、前記コンプレッサ羽根車の模型(21)の周りにロストワックス法により金型を形成することと、金型内でインベストメント鋳造法により前記チタン製コンプレッサ羽根車を形成することとを備える、製造方法。
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