JP3388053B2 - データ収集システム用の伝送時間測定装置 - Google Patents

データ収集システム用の伝送時間測定装置

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JP3388053B2 JP06094195A JP6094195A JP3388053B2 JP 3388053 B2 JP3388053 B2 JP 3388053B2 JP 06094195 A JP06094195 A JP 06094195A JP 6094195 A JP6094195 A JP 6094195A JP 3388053 B2 JP3388053 B2 JP 3388053B2
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    • H04BTRANSMISSION
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    • H04B3/02Details
    • H04B3/46Monitoring; Testing
    • H04B3/462Testing group delay or phase shift, e.g. timing jitter

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  • Signal Processing (AREA)
  • Communication Control (AREA)
  • Arrangements For Transmission Of Measured Signals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、広範囲の地域に配置さ
れた観測局と、通信回線を介して観測局からのデータを
収集する収集局とを有するデータ収集システムにおい
て、任意の信号が上記通信回線内の伝送路を伝搬するの
に要する伝送時間を測定するための伝送時間測定装置に
関する。
【0002】上記のように、所望のデータを収集するこ
とを目的としたデータ収集システムでは、単一の収集局
(センターともよばれる)と、単一または複数の観測局
間を結ぶ通信回線内の伝送路における信号の伝送時間、
例えば、データ伝送に伴う信号の遅延時間の計測が必要
になる場合がある。本発明は、通常の汎用測定機器によ
っては伝送路中の信号の伝送時間を計測することが困難
な特殊なデータ収集システムに関し、システム運用の連
続性を阻害することなく、簡易にかつ迅速に信号の伝送
時間を計測するための一手法について言及するものであ
る。
【0003】
【従来の技術】通常の伝送手順によらない伝送方式、す
なわち、標準化されたプロトコルによらない伝送方式を
採用した特殊なデータ収集システムとして、アナログ量
をディジタル量に変換してリアルタイムに伝送する地震
観測システムを例として挙げることができる。
【0004】この種の地震観測システムでは、複数の観
測局の各々から収集局に到達する地震の波形の時間的ず
れに基づき、震源から各観測局までの距離を算出するこ
とによって地震の震源を決定するようにしている。地震
の情報を正確かつ迅速に把握して地震による被害を最小
限に抑えるために、地震の震源を決定するに際しては、
非常に高い精度が要求される。複数の観測局の各々から
到達する地震の波形の時刻同期性に関していえば、代表
的には、国際標準時刻に従属同期した国内の標準時刻に
対し1ミリ秒(10-3sec)以下の同期誤差を確保す
る必要がある。
【0005】一般に、各観測局と収集局との間は、通信
回線により結ばれているが、この通信回線内の伝送路
は、単なる線路により構成されているのではない。この
観測局と収集局との間の区間には、各種の変復調装置や
伝送中継装置等が数多く挿入されている。前述の地震震
源の決定の際には、これらの変復調装置や伝送中継装置
等により生ずる伝送路の遅延時間を見込んでおかないと
いけない。さらに詳しく説明すると、上記の変復調装置
や伝送中継装置等が個々に有する遅延を総和したもの
が、伝送路中のデータ伝送に伴う遅延時間に相当する。
【0006】上記のデータ収集システムでは、各観測
局、すなわち、被収集局でのデータ計測(サンプリン
グ)時点の時刻を伝送路中の遅延分だけ補正することに
より、標準時刻との同期をとっている。このため、上記
システムでは、伝送路における遅延時間を計測すること
が、地震の震源を高精度にて決定する上で重要になる。
データ収集システムの代表的な構成は、図9のブロック
図により表される。図9において、広範囲の地域に配置
された第1の観測局〜第nの観測局200−1〜200
−nからなる複数の観測局と、観測局からの各種のデー
タを収集する単一の収集局100とは、それぞれ対応す
る複数の通信回線(第1の通信回線〜第nの通信回線)
300−1〜300−nにより結ばれている。
【0007】さらに、図9においては、複数の観測局2
00−1〜200−nと複数の通信回線300−1〜3
00−nとの間には、各々の観測局で得られたデータを
含む信号を変調したり、収集局100からの各種コマン
ド等を含む信号を復調したりする変復調装置(モデムと
もよばれる)250−1〜250−nがそれぞれ設けら
れている。さらにまた、収集局100と複数の通信回線
300−1〜300−nとの間には、収集局100から
送信すべき信号を変調したり、各々の観測局から送られ
る信号を復調したりする変復調装置(モデム)150−
1〜150−nがそれぞれ設けられている。
【0008】この種の通信回線としては、第1種通信業
者等により提供される専用線や、システム運用者が運営
する私設線等が使用されており、これらの専用線や私設
線等の距離は数キロメートル(km)から数百キロメー
トルに及ぶ。代表的には、通信回線が200〜300キ
ロメートルである場合、この通信回線の往復時間により
約0.2秒(200ミリ秒)もの遅延が生ずる。さら
に、複数の通信回線300−1〜300−nは、距離が
それぞれ異なるため、互いに異なった固有の遅延を生ず
る。
【0009】さらにまた、上記の通信回線は、単なる線
路で構成されているのではなく、各々の通信回線の区間
には変復調装置や各種の伝送中継装置等が複数挿入され
ている。これらの変復調装置や伝送中継装置等が個々に
有する遅延をすべて加算したものが、通信回線内の伝送
路の遅延時間になる。特に、近年は、伝送方式の高度化
による変復調装置のインテリジェント化や伝送装置のデ
ィジタル化(すなわち、多数のバッファ装置を使用した
ことによるバッファリング化)に伴い、通信回線内の伝
送路の遅延時間はますます増加する傾向にあり、単純に
距離との相関を評価したのみでは、この遅延時間を推定
することが困難になってきている。
【0010】図10は、一般のデータ収集システムにお
けるデータ伝送手順を説明するためのタイミングチャー
トである。ここでは、前述の図9のシステム例における
データの伝送方式を図10により説明することとする。
図10に示すように、収集局100(図9)から各観測
局への信号、および、各観測局から収集局100へのデ
ータの信号は、直列形式(シリアル形式)で伝送され、
それぞれ対応する変復調装置を介して授受される。
【0011】さらに詳しく説明すると、図10のに示
す如く、収集局100からは、標準時刻に同期した1秒
信号により、1秒毎に観測局に対してデータのサンプリ
ング(採集)開始の指令(信号C)を送出する。この信
号Cは、固定されたビット配列により構成されており、
1秒毎の同期信号として用いられる。さらに、図10の
に示す如く、この同期信号(信号C)は、観測局側の
変復調装置および通信回線、さらに、観測局側の変復調
装置を経由して時間T1後に観測局に到達する。
【0012】この観測局では、図10のに示す如く、
サンプリング開始の指令を表す信号Cを検出すると、直
ちにデータのサンプリング(採集)を開始する。さら
に、同図のに示す如く、一定の処理時間T2後、収集
局100へのアンサーとしてのデータ返送通知(信号
A)を付してデータを返送する。この信号Aは、収集局
100で生成される信号Cと同じように、固定されたビ
ット配列により構成されている。
【0013】返送された信号A、および、この信号Aに
続くデータは、図10のに示す如く、観測局の変復調
装置および通信回線、さらに、収集局100の変復調装
置を通り時間T3後に収集局100に到達する。収集局
100では、返送通知を表す信号Aを検出すると、直ち
にデータの処理に入る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】図10のような特殊な
データ形式およびデータ伝送方式を採用した場合、各々
の通信回線300−1〜300−n内の伝送路の遅延時
間は、次のようにして算出することができる。最初に、
標準時刻に同期した信号、すなわち、絶対時刻を示す信
号を、データのサンプリング開始の指令を表す信号Cの
形で収集局100から送出する。
【0015】2番目に、この送出した信号Cのエコー
が、信号Aの形で観測局から返ってくるまで待つ。3番
目に、伝送路中の往きの伝送時間と帰りの伝送時間が同
じであると仮定し、上記の時間T1、T2およびT3を
個々に計測して加算した結果(計測対象時間)を2で割
ることにより、伝送路の片道の遅延時間が求められる。
【0016】収集局100では、この片道の遅延時間に
よる遅れを見込んでその分だけ早めに指令(コマンド)
を出すことにすれば、この指令が伝送路を伝搬する際に
遅延時間が補償されるので、観測局では、標準時刻に一
致した時刻に収集局100からの指令を受け取ることが
できるはずである。ところが、図9に示したような一般
のデータ収集システムにおいては、従来、各々の通信回
線の遅延時間に関係する時間T1、T2およびT3をシ
ステム総体として簡易に計測するための手段は一切有し
ていなかった。
【0017】さらに、上記の時間T1、T2およびT3
の各々を部分的に計測するに際しては、多くの計測器と
システムを一時停止の状態にすることが必要であり、こ
のような時間T1、T2およびT3の計測の実施には幾
多の問題が伴っていた。特に、観測局および通信回線の
数が増加するに伴い、時間計測に際してのシステムの一
時停止の回数が多くなる傾向にあるので、システムの稼
働効率を低下させることなく遅延時間の計測を迅速に遂
行することはますます困難になってきた。
【0018】しかしながら、前述の如く、伝送装置のデ
ィジタル化やネットワークの複雑化に伴い、伝送系の遅
延の総和が既存システムの限界を越える事態が散見され
るまでに至ったために、システム総体での計測を簡易に
かつ定期的に実施すべき命題が生じている。本発明は、
上記問題点に鑑みてなされたものであり、通信回線内の
伝送路中の伝送装置のディジタル化等に伴い、通常の汎
用測定機器によっては伝送路中の信号の伝送時間を計測
することが困難になっているようなデータ収集システム
において、システム運用の連続性を阻害することなく、
簡易にかつ迅速に信号の伝送時間を計測することが可能
な伝送時間測定装置を提供することを目的とするもので
ある。
【0019】
【課題を解決するための手段】図1は、本発明の原理構
成を示すブロック図である。ただし、ここでは、収集局
1は、変復調装置を含む場合もあるし、変復調装置をも
たない場合もある。さらに、観測局2もまた、変復調装
置を含む場合もあるし、変復調装置をもたない場合もあ
る。
【0020】図1に示すように、本発明の伝送時間測定
装置は、所定の地域に配置された単一または複数の観測
局2と、通信回線3を介してこの観測局2からのデータ
を収集する単一の収集局1と、この通信回線3内の伝送
路を伝送する任意の信号の状態を光により表示する発光
素子を含む信号表示部4とを有するデータ収集システム
において、この任意の信号が伝送路を伝搬するのに要す
る伝送時間を測定することに向けられている。
【0021】さらに詳しく説明すると、本発明の伝送時
測定装置は、データ収集を開始するために収集局1か
ら観測局2へ送出される第1の信号S1 、および、この
第1の信号S1 を受信したことを通知するために上記観
測局2から上記収集局1へ返送される第2の信号S2
を、信号表示部4の発光素子から放出される光信号を受
光して電気信号に変換して出力する受光部を備えてい
る。
【0022】さらに、本発明の伝送時間測定装置は、
の受光部から出力される電気信号のパターンと、予め登
録されているパターンとを比較して両方のパターンが一
致するか否かを確認する比較手段とを含み、上記の両方
のパターンが一致したときに、上記第1および第2の信
号の少なくとも一方が検出されたとみなす信号検出手段
5と、上記第1および第2の信号が検出された時刻の差
に基づき、通信回線3内の伝送路中の信号の伝送時間を
算出する伝送時間算出手段7を備えている。
【0023】好ましくは、上記信号検出手段5による第
1および第2の信号の検出結果は、電気信号によって出
力される。さらに、好ましくは、本発明の伝送時間測定
装置は、上記信号検出手段5による第1および第2の信
号の検出結果、関係する発光素子の発光によって表示
する表示手段を備える。さらに、上記信号検出手段5
は、第1および第2の信号のパターンを抽出するために
用いられるタイミング信号を生成するための瞬時同期形
タイミング生成手段を備える。
【0024】また一方で、図1の本発明の原理構成を示
すブロック図において、データ収集に関係する2種の信
号、すなわち、前述の第1の信号S1 および第2の信号
S2を使用する代わりに、データ収集に関連する特定の
信号(例えば、第1の信号S1 または第2の信号S2 の
いずれか一方)と、データ収集に関連する信号とは別種
の基準信号(例えば、標準時刻刻時信号)とを使用した
場合を考える。
【0025】この場合、本発明の伝送時間測定装置は、
データ収集システムを稼働させたままで、かつ、この伝
送路との電気的な非結合状態を維持した状態で、データ
収集に関連する特定の信号を、信号表示部4から取り出
して検出する信号検出手段を備えている。この信号検出
手段には、上記のデータ収集に関連する信号とは別種の
基準信号が入力される。
【0026】さらに、本発明の伝送時間測定装置は、上
記特定の信号が検出された時刻と、上記基準信号が検出
された時刻の差に基づき、伝送路中の信号の伝送時間を
算出する伝送時間算出手段を備えている。好ましくは、
上記信号表示部4は、通信回線3内の伝送路における任
意の信号の状態を光により表示する発光素子を有してい
る。さらに、上記信号検出手段は、この発光素子から放
出される光信号を受光して電気信号に変換する受光部
と、この受光部から出力される電気信号のパターンと、
予め登録されている所定のパターンとを比較して両方の
パターンが一致するか否かを確認する比較手段とを有し
ている。この場合、上記の両方のパターンが一致したと
きに、上記のデータ収集に関連する特定の信号が検出さ
れたとみなすようになっている。
【0027】さらに、好ましくは、上記基準信号は、電
気信号として信号検出手段に入力される。二者択一的な
例として、上記基準信号は、発光により放出される光信
号であり、この光信号が信号検出手段に入力される。さ
らに、本発明の他の実施態様においても、上記のデータ
収集に関連する特定の信号、および、上記基準信号に基
づき観測局2からのデータを抽出するために用いられる
タイミング信号を予め定められた時間内に生成するため
の瞬時同期形タイミング生成手段が設けられる。
【0028】
【作用】本発明の伝送時間測定装置の特徴を明確にする
ために、前述の図10も参照しながら、伝送路中の信号
の伝送時間、例えば、データ伝送に伴う信号の遅延時間
の計測や、同期ビット配列の検出や、計測対象信号の取
り出しや、タイミング信号の生成を行う手順をより詳細
に説明する。ただし、ここでは、データ収集を開始する
ための第1の信号、および、この第1の信号を受信した
ことを通知するための第2の信号を使用する場合を代表
して説明することとする。
【0029】(1) 遅延時間の計測について 図10に基づいて既に説明したように、一般のデータ収
集システムにおけるデータの流れの中で、システム総体
としての総遅延時間は、時間T1、T2およびT3の和
として求まる。この遅延時間は、図10のの信号(第
1の信号)Cの始点からの信号(第2の信号)Aの始
点までの長さとして表されるが、信号Cおよび信号A
は、それぞれの終点、すなわち、最終ビットでなければ
検出することができない。
【0030】前述の図9および図10のシステム例で
は、信号Cおよび信号Aのビット長が等しく設定されて
いるため、遅延時間の計測は図10に示す(a) 〜 (b)の
区間を対象とすればよいことになる。本発明は、前述の
如く収集局からのデータサンプリング開始指令(信号
C)を検出してから、観測局より返送される返送通知
(信号A)を検出するまでの時間を計測することによ
り、システム総体としての総遅延時間を測定することを
特徴としている。
【0031】ここで、収集局および観測局に変復調装置
が設けられている場合、これらの変復調装置の各々の遅
延は、種々の形式について単体の値を確定することがで
きる。また、観測装置の各々の処理時間は、設計条件に
より一定値になっているため、総遅延時間から上記処理
時間を減算することによって通信回線内の伝送路の遅延
時間が求まるのである。
【0032】(2)同期ビット配列の検出 本発明の対象となる遅延時間計測は、前述の如く、特定
のビット配列により構成されているデータサンプリング
開始指令(信号C)および観測局から返送される返送通
知(信号A)を検出することにより行われる。さらに詳
しく説明すると、この種の信号検出を実行する場合、ま
ず初めに、収集局からの第1の信号(後述の送出データ
信号SDに代表される)および観測局からの第2の信号
(後述の返送データ信号RDに代表される)を、信号C
および信号Aと同一のビット長を有する保持回路等に上
記信号の基本周波(基準周波)によるクロックで時系列
的に保持(例えば、シフトレジスタ等により)する。次
に、比較回路等を有する比較手段により、保持回路等に
保持した結果と、予め設定(登録)された特定ビット配
列とを1クロック毎に比較する。この比較結果に基づ
き、予め設定された特定ビット配列と一致するか否かが
検証される。
【0033】このような1クロック毎の時系列信号比較
に際しては、回路を構成する論理素子の速度により、1
0ナノ秒(10-8sec)程度で検出することができ
る。それゆえに、上記の信号検出の速度は、本発明の遅
延時間測定に要求される精度0.1ミリ秒(10-2se
c)に対して充分の速度であるといえる。 (3) 計測対象信号の取り出し 計測の対象となる信号は、収集局から観測局へ送出され
る第1の信号(例えば、後述の送出データ信号SD)、
および、観測局から収集局へ到達する第2の信号(例え
ば、後述の返送データ信号RD)の2つである。
【0034】これらの信号は、図1に示す(w) の位置で
取り出し可能である。しかし、システム運用の連続性確
保の観点からすれば、測定機器接続を行うために観測局
側の観測動作の一時停止を伴うので、上記の(w) の位置
での信号取り出しは不適当である。本発明の伝送時間測
定装置は、これまで説明したような通信回線内の伝送時
間測定に際しての不都合な点を解消することを主たる特
徴としている。
【0035】一般のデータ収集システムの観測局内の変
復調装置等の前面部には、通信回線内の伝送路を伝送す
る任意の信号の状態を表示する信号表示部(例えば、各
種信号状態表示機構)が設けられている。前述の2つの
信号は、信号表示部が有する発光ダイオード(LED)
等の発光素子によって視覚的に認識することができるよ
うになっている(後述の図6参照)。
【0036】換言すれば、本発明の伝送時間測定装置
は、通信回線内の伝送路との電気的な非結合状態を維持
した状態で、例えば、上記発光素子を利用した光結合に
よって、上記の各種信号状態表示機構等から対象信号を
取り出すことを特徴としている。視覚認識に供される信
号表示部の発光素子は、寿命および小形化の動向から、
現在では、ほとんどすべてが発光ダイオードによるもの
となっている。この発光ダイオードは、前述の利点以外
に、応答速度が速いという最も大きな長所を備えてい
る。本発明はこの点に着目し、前述の変復調装置等の各
種信号状態表示機構中の発光素子が、伝送路中を伝搬す
るデータに応じて点滅する際に放出される光を光信号と
して取り出した後に電気信号に変換して、高速でデータ
を取り出す構成を基本にしている。
【0037】(4) 同期信号の生成 変復調装置等から取り出した第1および第2の信号に基
づいてデータを抽出するため、これらの第1および第2
の信号からタイミング信号(同期信号)を生成する必要
がある。通常の変復調装置では、位相制御形同期発振器
(PLL発振器等)により第1および第2の信号(例え
ば、送出データ信号SDおよび返送データ信号RD)の
基本周波を抽出して生成するが、本システムの条件で
は、同期安定までの時間が長く、計測には不向きである
ため、本発明では新たに、瞬時同期形タイミング生成方
式を採用する。
【0038】さらに、本発明の好ましい実施態様におい
ては、第1および第2の信号に基づき、観測局2からの
データを抽出するために用いられるタイミング信号を予
め定められた時間内に生成するための瞬時同期形タイミ
ング生成手段が設けられる。通常の変復調装置では、位
相制御形同期発振器により第1および第2の信号の基本
周波数に相当する信号を抽出してタイミング信号を生成
するが、この種の位相制御形同期発振器は、積分動作を
利用しているため、同期安定までの時間が長い。それゆ
えに、本発明が適用される地震観測システム等のデータ
収集システムのように、高精度の遅延時間測定精度が要
求される条件の下での計測には不向きな場合もあるた
め、本発明の伝送時間測定装置では新たに、瞬時同期形
タイミング生成手段を備えた瞬時同期形タイミング生成
方式を採用することとする。
【0039】さらに、本発明の拡張応用によれば、伝送
時間測定装置の信号検出手段内に基準信号(例えば、標
準時刻の刻時信号)を入力することにより、この基準信
号に対する遅延を計測することができる。このようにす
れば、伝送路の遅延時間を片道毎に測定することが可能
となる。かくして、本発明では、一般のデータ収集シス
テムの変復調装置等の前面部に設けられているような発
光素子等を有する信号表示部により、データ収集システ
ムを稼働させたままで、かつ、伝送路との電気的な非結
合状態を維持した状態で、伝送時間測定の対象となる計
測対象信号を取り出すことができるので、システム運用
の連続性を阻害することなく、簡易にかつ高精度で信号
の伝送時間を計測することが可能になる。
【0040】さらに、標準時刻の刻時信号を基準信号と
して伝送時間測定装置内に挿入することにより、この基
準信号に対する遅延を計測することができるので、通信
回線内の信号の伝送時間を伝送路の片道毎に測定すると
共に、2つの計測対象信号を用いた場合よりも高精度で
もって信号の伝送時間を算出することが可能になる。
【0041】
【実施例】以下添付図面(図2〜図8)を用いて本発明
の実施例を詳細に説明する。図2および図3は、本発明
の一実施例の構成を示す回路ブロック図(その1および
その2)である。なお、これ以降、前述した構成要素と
同様のものについては、同一の参照番号を付して表すこ
ととする。
【0042】図2に示す本発明の伝送時間測定装置の一
実施例の一部においては、伝送路から光結合により信号
を取り出すための信号表示部4(図1)として、観測局
内(または収集局内)の被測定系変復調装置10内に信
号表示器11、12が設けられている。この信号表示器
11、12は、後述の各種信号状態機構(図6および図
7)に示すような発光ダイオード等を内蔵した構造を有
しており、伝送路内を信号が通過する毎に速い応答速度
でもって発光ダイオード等が発光するような構成になっ
ている。この場合、図2中の一方の信号表示器11か
ら、前述の信号C(図10参照)に相当する送出データ
信号SDが、光信号の形で放出される。さらに、他方の
信号表示器12から、前述の信号A(図10参照)に相
当する返送データ信号RDが、光信号の形で放出され
る。ついで、上記の送出データ信号SDおよび返送デー
タ信号RDの信号の流れに従って、本発明の一実施例の
構成および機能を説明することとする。
【0043】(1) 送出データ信号SDの信号の流れ 図2における50aは、信号検出手段5(図1)の一部
を構成する送出データ信号検出部を表している。この送
出データ信号検出部50aは、ホトトランジスタやホト
ダイオード等の受光素子を含む受光回路51を備えてい
る。この受光回路51は、信号表示器11から光信号の
形で放出される送出データ信号SDの明暗に応じた電気
信号を出力する。さらに、上記の受光回路51による光
信号の受光状態を視覚的に確認するために、表示器51
dが設けられている。
【0044】さらに、送出データ信号検出部50aは、
レベル変換回路52を備えている。このレベル変換回路
52は、閾値回路により構成され、最も信号歪みの少な
い閾値に基づき受光回路51内の受光素子の出力を抽出
することによって、後続の回路への電気信号SD′にレ
ベル変換するものである。上記の受光回路51およびレ
ベル変換回路52により、本発明の受光部の主要部分が
構成される。
【0045】さらに、レベル変換回路52の出力側に
は、タイミング生成回路53およびシフトレジスタ54
が設けられている。このタイミング生成回路53は、シ
フトレジスタ54を動作させるためのクロックCLKを
出力するクロック生成回路であり、位相引込型帰還制御
発振器(フェーズロックドループともよばれる:通常、
PLLと略記する)による同期発振器の機能を有する。
例えば、この同期発振器は、送出データ信号SDの伝送
速度および位相に追従した2400ヘルツ(Hz)の周
波数の信号を発振する。
【0046】上記シフトレジスタ54は、レベル変換回
路52からの直列信号を並列信号に展開するための24
ビット・シフトレジスタからなる。シフトレジスタ54
が24ビット・シフトレジスタにより構成される理由と
して、データサンプリング開始指令(図10の信号C)
が24ビットで構成されていることが挙げられる。さら
に、送出データ信号検出部50aは、パターン設定回路
55を備えている。このパターン設定回路55は、デー
タサンプリング開始指令を検出する目的で予めビット配
列設定を行うための回路である。このパターン設定回路
55においては、24ビットのパターン配列を任意に設
定することができる。具体的には、上記パターン設定回
路55は、ディップスイッチやディジタルスイッチによ
り構成されており、これらのディップスイッチ等を操作
して各ビットの“1”または“0”の状態を指定するこ
とによって24ビットのパターン配列を設定するように
なっている。
【0047】さらに、送出データ信号検出部50aは、
本発明の比較手段として機能する比較回路56を備えて
いる。この比較回路56は、シフトレジスタ54の内容
と、パターン設定回路55内で設定されたビット配列と
の照合を行うための比較回路であり、24個のエクスク
ルシブオア(排他的論理和:通常、EXORと略記す
る)回路により構成されている。
【0048】上記の比較回路56での照合は、直列信号
の1ビット毎に行われ、予め設定されたビット配列とシ
フトレジスタの内容とが24ビットすべてに対し一致し
たときに、一致検出信号を出力する。この一致検出信号
の出力は、データサンプリング開始指令が送出されたこ
とを意味する。 (2) 返送データ信号RDの信号の流れ 図2における50bは、信号検出手段5(図1)の一部
を構成する返送データ信号検出部を表している。この返
送データ信号検出部50bの構成および機能は、前述の
送出データ信号検出部50bの場合とほぼと同様であ
る。以下に、返送データ信号RDの流れに従って返送デ
ータ信号検出部50bの構成および機能を説明する。
【0049】図2の返送データ信号検出部50bは、ホ
トトランジスタやホトダイオード等の受光素子を含む受
光回路57を備えている。この受光回路57は、信号表
示器12から光信号の形で放出される返送データ信号R
Dの明暗に応じた電気信号を出力する。さらに、上記の
受光回路57による光信号の受光状態を視覚的に確認す
るために、表示器57dが設けられている。
【0050】さらに、返送データ信号検出部50bは、
レベル変換回路58を備えている。このレベル変換回路
58は、閾値回路により構成され、最も信号歪みの少な
い閾値に基づき受光回路57内の受光素子の出力を抽出
することによって、後続の回路への電気信号RD′にレ
ベル変換するものである。上記の受光回路57およびレ
ベル変換回路58により、本発明の受光部の主要部分が
構成される。
【0051】さらに、レベル変換回路58の出力側に
は、タイミング生成回路59およびシフトレジスタ60
が設けられている。このタイミング生成回路59は、シ
フトレジスタ60を動作させるためのクロックCLKを
出力するクロック生成回路であり、位相引込型帰還制御
発振器による同期発振器の機能を有する。例えば、この
同期発振器は、送出データ信号SDの場合と同じよう
に、返送データ信号RDの伝送速度および位相に追従し
た2400ヘルツ(Hz)の周波数の信号を発振する。
【0052】上記シフトレジスタ60は、レベル変換回
路58からの直列信号を並列信号に展開するための24
ビット・シフトレジスタからなる。シフトレジスタ60
が24ビット・シフトレジスタにより構成される理由と
して、データ返送通知(図10の信号A)が24ビット
で構成されていることが挙げられる。さらに、返送デー
タ信号検出部50bは、パターン設定回路61を備えて
いる。このパターン設定回路61は、データ返送通知を
検出する目的で予めビット配列設定を行うための回路で
ある。このパターン設定回路61においては、24ビッ
トのパターン配列を任意に設定することができる。具体
的には、上記パターン設定回路61は、前述のパターン
設定回路55の場合と同じように、ディップスイッチや
ディジタルスイッチにより構成されており、これらのデ
ィップスイッチ等を操作して各ビットの“1”または
“0”の状態を指定することによって24ビットのパタ
ーン配列を設定するようになっている。
【0053】さらに、返送データ信号検出部50bは、
前述の比較回路56と共に、本発明の比較手段として機
能する比較回路62を備えている。この比較回路62
は、シフトレジスタ60の内容と、パターン設定回路6
1内で設定されたビット配列との照合を行うための比較
回路であり、24個のエクスクルシブオア回路により構
成されている。
【0054】上記の比較回路62での照合は、直列信号
の1ビット毎に行われ、予め設定されたビット配列とシ
フトレジスタの内容とが24ビットすべてに対し一致し
たときに、一致検出信号を出力する。この一致検出信号
の出力は、データ返送通知が受信されたことを意味す
る。さらに、図3に示す本発明の一実施例の他の部分に
おいては、伝送路中の信号の伝送時間を算出する伝送時
間算出手段7(図1)として、計数部70が設けられて
いる。この計数部70は、ゲート式のフリップフロップ
(通常、F/Fと略記する)73、基準周波発振器7
4、計数回路75および計数表示器76を備えている。
これらの構成要素の各々は、以下の機能を有する。
【0055】第1に、フリップフロップ73は、セット
・リセット(RS)型のフリップフロップであり、デー
タサンプリング開始指令が送出された時点から、データ
返送通知が受信されるまで計数回路75のゲートを開く
機能を有する。第2に、基準周波発振器74は、計数回
路75を歩進するための高精度の発振器からなる。この
基準周波発振器74は、温度補償により、精度±3pp
mを確保するようにしている。例えば、基準周波発振器
74の表示桁数は4・1/2 桁になっている。さらに、上
記の基準周波発振器74においては、0.1ミリ秒(1
-4sec)の測定分解能を得るため、計数回路75へ
の供給周波数を10キロヘルツ(kHz)に設定してい
る。
【0056】第3に、計数回路75は、10進5桁のカ
ウンタからなり、ゲートが開かれている期間において基
準周波発振器74からのパルスを計数するものである。
上記の計数回路75による計数結果は、ゲートが閉じる
タイミング、すなわち、データ返送通知が受信されるタ
イミングで計数表示器76へ伝達される。第4に、計数
表示器76は、上記の計数結果を表示するための5桁の
数字表示器からなる。上記の計数表示器76は、計数回
路75内のゲートが閉じるタイミングで計数結果を受け
取り、次の受け取りまで表示を保持する。
【0057】図4は、図2のタイミング生成回路の具体
例を示す回路ブロック図、図5は、図4のタイミング生
成回路の動作を説明するためのタイミングチャートであ
る。図4においては、図2に示したタイミング生成回路
53(または59)のより詳細な構成を例示しており、
図5においては、このタイミング生成回路53の各部の
動作を時間軸tに沿って図示している。
【0058】図4中のタイミング生成回路53(または
59)は、高精度の基本周波数を有する基準信号を生成
する発振器15と、この発振器15からの基準信号を分
周して基本周波数の1/Nの信号(すなわち、タイミン
グ信号Stm)を生成する1/N回路17と、この送出デ
ータ信号SD(または、返送データ信号RD)を微分し
てリセット信号RSTを生成し、1/N回路17に入力
する微分回路16とを備えている。
【0059】上記のタイミング生成回路の目的は、抽出
された送出データ信号SD(または、返送データ信号R
D)をもとに、データの極性を判定するタイミング信号
を生成することである。本発明では、抽出された送出デ
ータ信号SD(または、返送データ信号RD)の立ち上
がり毎に瞬時に同期化する瞬時同期タイミング生成方式
を採っている。
【0060】既述したように、通常の変復調装置に使用
される位相制御形同期発振器(PLL)により、送出デ
ータ信号SDや返送データ信号RDの基本周波数に相当
する信号を抽出してタイミング信号を生成することがで
きる。しかしながら、この種の位相制御形同期発振器
は、積分動作を利用しているため、同期安定までの時間
が長い。それゆえに、本発明が適用されるデータ収集シ
ステムのように、位相制御形同期発振器は、高精度の遅
延時間測定精度が要求される条件の下での計測には適し
ていない場合も生じてくる。このために、本発明の好ま
しい実施例では、瞬時同期形タイミング生成手段を備え
た瞬時同期形タイミング生成方式を採用することとす
る。
【0061】さらに詳しく説明すると、図5中のにお
ける送出データ信号SDの例に見るように、データサン
プリング開始指令を示す信号Cは、1秒の内、有効信号
E(図5中のに拡大して示す)の長さが10ミリ秒
(10-2sec)程度しかなく、ほとんどすべての期間
が信号休止の状態になるため、位相制御型の方式では、
同期引き込みまでに長時間を要し、計測に時間がかかる
傾向にある。上記の瞬時同期形タイミング生成方式は、
このような不都合な事態を回避するための一手法であ
る。
【0062】また、本発明の伝送時間測定装置では、図
5に示すように、1秒毎にリセットがかかるために、本
発明の主旨からは同期逸脱を追尾する必要がないことに
も着目して瞬時同期形タイミング生成方式を採用してい
る。図5中のは、送出データ信号SD(または、返送
データ信号RD)のビットの区切を表している。
【0063】本発明の伝送時間測定装置により、直列信
号を誤りなく検出するためには、上記のビット区切の中
点近傍において送出データ信号SD(または、返送デー
タ信号RD)を抽出(サンプリング)する必要がある。
ビット区切の周期の生成は、伝送時間測定の対象となる
システムまたは変復調装置で規定される周期に基づき、
図4中の発振器15および1/N回路17によって行わ
れる。さらに、図5中のに示すように、微分回路16
へ入力される送出データ信号SD(または、返送データ
信号RD)の微分出力により1/N回路17をリセット
することによって、1/N回路17から出力されるタイ
ミング信号Stmを、送出データ信号SD(または、返送
データ信号RD)内の有効信号Eと同期させるようにし
ている(図5中の参照)。
【0064】上記実施例では、1/N回路17からのタ
イミング信号Stm(図5中の参照)は、2400Hz
の繰り返し周波数を有する。さらに、発振器15は、水
晶振動子により構成され、その発振周波数の精度とし
て、10-4程度を確保することができる。このため、送
出データ信号SD中の990ミリ秒(0.99sec)
の休止期間の自走による同期ずれは、ビット区切の半分
より充分小さい値になる。
【0065】さらに、前述の図3においては、伝送時間
測定装置内の他の回路の各々に電力を供給するための電
源回路80を含む電源8が設けられている。この電源
回路80は、交流(AC)100Vをもとに、各回路に
必要な直流(DC)+5Vを生成する。上記の電源回路
80は、充分可能な2次電池による浮動充電方式を採用
しているが、電池での使用も可能としている。
【0066】ついで、本発明の実施例がデータ収集シス
テムに実際に使用される状況を示すこととする。図6
は、本発明の伝送時間測定装置が計測対象とする変復調
装置の各種信号状態表示機構を示す概略図であり、図7
は、本発明の伝送時間測定装置の使用状態を示す概略図
である。
【0067】図6に示すように、本発明の伝送時間測定
装置が計測対象とする被測定系変復調装置10の前面部
には、通常、電源スイッチ14以外に、通信回線内の伝
送路を伝送する各種信号の状態を表示する各種信号状態
表示機構40が設けられている。この各種信号状態表示
機構40においては、電源のオン・オフ状態を示す“P
OWER”や、計測対象信号である送出データ信号およ
び返送データ信号が伝搬したことを示す“SD”および
“RD”や、データ収集システムが試験中であることを
示す“TEST”等の表示部が発光ダイオード等の発光
素子により構成されている。
【0068】本発明の伝送時間測定装置では、これらの
各種信号中の2つの計測対象信号(送出データ信号SD
および返送データ信号RD)が、発光ダイオード等の発
光素子により視覚的にも認識して確認ができる点を考慮
し、発光素子を利用した光結合によって、システムを稼
働させたまま計測対象信号を表示する部分から放出され
る光信号を取り出すことを特徴としている。
【0069】視覚認識に供される各種信号状態表示機構
40中の発光素子は、寿命および小形化の動向から、現
在では、ほとんどすべてが発光ダイオードによるものと
なっている。この発光ダイオードは、視覚的な確認がで
きるという利点以外に、応答速度が速いという最も大き
な長所を備えている。本発明はこの点に着目し、前述の
各種信号状態表示機構40中の発光素子が、伝送路中を
伝搬するデータに応じて点滅する際に放出される光を光
信号として取り出した後に電気信号に変換して、高速で
データを取り出すことを実行している。
【0070】図7において、本発明の伝送時間測定装置
9には、計測対象信号(送出データ信号SDおよび返送
データ信号RD)を取り出すための2個のプローブ、す
なわち、ケーブル66、69をそれぞれ付加したSD用
プローブ65およびRD用プローブ68が装備されてい
る。SD用プローブ65は、送出データ信号SDを光と
して検出するSD受光部64と、このSD受光部64が
送出データ信号を捉えたことを表示する表示器51d
(図2参照)とを有する。また一方で、RD用プローブ
68は、返送データ信号RDを光として検出するRD受
光部67、このRD受光部67が返送データ信号を捉え
たことを表示する表示器57d(図2参照)とを有す
る。
【0071】測定者は、表示器51d、57dによる表
示を頼りに、各種信号状態表示機構40中の計測対象表
示部の最適な位置に上記2個のプローブを当てて計測を
行う。これらのプローブを計測対象表示部に当てる作業
を行う際に、各種信号状態表示機構とプローブとの電気
的な結合は一切必要としないので、システム運用の連続
性を阻害することなく、簡易にかつ迅速に信号の伝送時
間を計測することが可能になる。上記2個のプローブに
よる計測対象信号の計測結果は、伝送時間測定装置9内
の計数表示器91に表示される。
【0072】さらに、伝送時間測定装置9内の信号表示
器91は、送出データ信号SDおよび返送データ信号R
Dに関する信号の状態と、これらの2つの信号が、予め
設定されたビット列に一致した時点とを表示する表示器
からなる。この表示器による表示は、光信号として出力
することにより、伝送時間測定以外の用途にも利用する
ことができる。
【0073】図8は、本発明の他の実施例の構成を示す
回路ブロック図である。ここでは、GPS(Global Pos
itioning System )等から標準時刻の刻時信号を信号検
出部に入力した場合の伝送時間測定装置の構成が図示さ
れている。なお、この場合、説明を簡単にするために、
伝送時間測定装置中の主要部のみを示すこととする。図
8に示す本発明の他の実施例では、被測定系変復調装置
10内の計測対象信号表示部において、送出データ信号
SDの状態を表示する信号表示器11から放出される光
信号(または、返送データ信号SDの状態を表示する信
号表示器12から放出される光信号)のみを、信号検出
部により検出している。上記の送出データ信号SDを受
光するための送出データ信号検出部50aの構成は、前
述の図2の送出データ信号検出部の構成と同じなので、
ここでは、その説明を省略することとする。
【0074】さらに、図8においては、GPS等から得
られる標準時刻の刻時信号を発生させるための標準時刻
刻時信号生成部85から出力される標準時刻刻時信号S
Tが、電気信号の形で信号検出部50cに入力されるよ
うになっている。この信号検出部50cは、上記の送出
データ信号検出部50a内のそれぞれ対応する構成要素
と同じ機能を有するタイミング生成回路59c、シフト
レジスタ60c、パターン設定回路61cおよび比較回
路62cをそれぞれ備えている。ただし、この信号検出
部50cでは、標準時刻刻時信号STが電気信号の形で
入力されるので、ホトトランジスタやホトダイオード等
の受光素子を含む受光回路や、この受光回路からの光信
号を電気信号に変換するためのレベル変換回路等は不要
となり、信号検出部の回路構成の簡略化が図れる。
【0075】二者択一的な例として、GPS等から標準
時刻刻時信号が発光により放出される場合、この標準時
刻刻時信号を示す光信号は、送出データ信号検出部50
aと同じ構成の信号検出部により検出する必要が生じて
くる。ただし、この場合には、電気的な結合を必要とせ
ずに、標準時刻刻時信号を取り込むことができるという
利点が生ずる。
【0076】上記の他の実施例では、伝送時間測定装置
の信号検出部内に標準時刻刻時信号のような絶対基準信
号を入力することにより、この絶対基準信号に対する遅
延を高精度で計測することができる。このような計測方
式を採用することにより、伝送路の遅延時間を片道毎に
測定することが可能となる。さらに、この実施例による
伝送時間測定装置を異なる2地点間で使用すれば、これ
らの2地点間の信号伝送による遅延時間を測定すること
もできる。GPSの刻時信号はマイクロ秒(10-6se
c)のオーダーといわれており、本発明の遅延時間計測
の目的に対しては、2桁を上回る精度になっている。
【0077】システムを稼働させたままで通信回線内の
遅延時間を計測することは、NTT等の第1種通信業者
によっても必要になってきているが、現在のところ、適
切な伝送時間測定装置がないようである。したがって、
本発明の伝送時間測定装置は、このような第1種通信業
者等により有効に利用されることが期待できる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、地
震観測システム等のデータ収集システムの変復調装置等
の前面部に設けられているような発光素子等を有する信
号表示部により、データ収集システムを稼働させたまま
で、かつ、伝送路との電気的な非結合状態を維持した状
態で、伝送時間測定の対象となる計測対象信号を取り出
すことができる。したがって、システム運用の連続性を
阻害することなく、簡易にかつ高精度で信号の伝送時間
を計測することが可能になる。
【0079】さらに、本発明によれば、各種信号状態表
示機構との光結合を利用することにより、収集局からの
データサンプリング開始指令の検出、データ返送通知の
検出がシステム外で実行可能になる。これにより、瞬時
同期形生成方式を用いてデータ収集システム用の伝送方
式の同期信号が容易かつ迅速に得られるために、他の種
々の汎用機器の連動観測を実行することが可能になる。
【0080】さらに、本発明によれば、伝送時間測定装
置内の信号検出機能や計数機能等の専用機能を集約する
ようにしたため、測定装置を含む全体の測定系が従来測
定器群に比較して1/100程度に小型化され、1/5
00程度に軽量化された。この結果、狭隘な観測局舎の
中でも伝送時間が測定可能となった。さらに、上記の専
用機能毎に伝送時間測定装置がきちんと分離されるよう
に上記伝送時間測定装置を用意したため、測定装置の操
作性が格段に向上した。
【0081】実際に、本発明の伝送時間測定装置により
測定を実行したところ、従来5日間程度要すると考えら
れていた100局もの観測局の計測が、たったの1.5
日間で終了した。さらに、本発明によれば、GPS等か
ら得られる標準時刻の刻時信号を絶対的な基準信号とし
て伝送時間測定装置内に挿入することにより、この基準
信号に対する遅延を計測することができるので、通信回
線内の任意の2地点間の伝送時間を伝送路の片道毎に測
定すると共に、2つの計測対象信号を用いた場合よりも
高精度でもって信号の伝送時間を算出することが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の構成を示す回路ブロック図
(その1)である。
【図3】本発明の一実施例の構成を示す回路ブロック図
(その2)である。
【図4】図2のタイミング生成回路の具体例を示す回路
ブロック図である。
【図5】図4のタイミング生成回路の動作を説明するた
めのタイミングチャートである。
【図6】本発明の伝送時間測定装置が計測対象とする変
復調装置の各種信号状態表示機構を示す概略図である。
【図7】本発明の伝送時間測定装置の使用状態を示す概
略図である。
【図8】本発明の他の実施例の構成を示す回路ブロック
図である。
【図9】一般のデータ収集システムの構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】一般のデータ収集システムにおけるデータ伝
送手順を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】 1…収集局 2…観測局 3…通信回線 4…信号表示部 5…信号検出手段 7…伝送時間算出手段 8…電源部 10…被測定系変復調装置40 …各種信号状態表示機構 50a…送出データ信号検出部 50b…返送データ信号検出部 51、57…受光回路 53、59…タイミング生成回路 55、61…パターン設定回路 56、62…比較回路 70…計数部 80…電源回路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の地域に配置された観測局と通信
    回線を介して該観測局からのデータを収集する収集局
    、該通信回線内の伝送路を伝送する任意の信号の状態
    光により表示する発光素子を含む信号表示部とを有す
    るデータ収集システムにおいて、該信号が該伝送路を伝
    搬するのに要する伝送時間を測定する伝送時間測定装置
    であって、 前記データの 収集を開始するために前記収集局から前記
    観測局へ送出される第1の信号、および、該第1の信号
    を受信したことを通知するために前記観測局から前記
    集局へ返送される第2の信号を、前記信号表示部の前記
    発光素子から放出される光信号を受光して電気信号に変
    換して出力する受光部と、該受光部から出力される電気信号のパターンと、予め登
    録されているパターンとを比較して両方のパターンが一
    致するか否かを確認する比較手段とを含み、前記の両方
    のパターンが一致したときに、前記第1および第2の信
    号の少なくとも一方が検出されたとみなす信号検出手段
    と、 前記第1および第2の信号が検出された時刻の差に基づ
    き、前記伝送路中の信号の伝送時間を算出する伝送時間
    算出手段とを備えることを特徴とするデータ収集システ
    ム用の伝送時間測定装置。
  2. 【請求項2】 前記信号検出手段による前記第1および
    第2の信号の検出結果が、電気信号によって出力される
    請求項1記載の伝送時間測定装置。
  3. 【請求項3】 前記信号検出手段による前記第1および
    第2の信号の検出結果を、関係する発光素子の発光によ
    って表示する表示手段を備える請求項1記載の伝送時間
    測定装置。
  4. 【請求項4】 前記信号検出手段が、さらに、 前記第1および第2の信号のパターンを抽出するために
    用いられるタイミング信号を生成するための瞬時同期形
    タイミング生成手段を備える請求項1から3のいずれか
    一項に記載の伝送時間測定装置。
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