JP5920083B2 - 鋼鋳片の連続鋳造方法 - Google Patents

鋼鋳片の連続鋳造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5920083B2
JP5920083B2 JP2012161287A JP2012161287A JP5920083B2 JP 5920083 B2 JP5920083 B2 JP 5920083B2 JP 2012161287 A JP2012161287 A JP 2012161287A JP 2012161287 A JP2012161287 A JP 2012161287A JP 5920083 B2 JP5920083 B2 JP 5920083B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slab
roll
roll segment
reduction
load
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012161287A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014018841A (ja
Inventor
浩之 大野
浩之 大野
則親 荒牧
則親 荒牧
三木 祐司
祐司 三木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2012161287A priority Critical patent/JP5920083B2/ja
Publication of JP2014018841A publication Critical patent/JP2014018841A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5920083B2 publication Critical patent/JP5920083B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Continuous Casting (AREA)

Description

本発明は、中心偏析の軽微な鋼鋳片を製造するための鋼鋳片の連続鋳造方法に関する。
鋼の凝固過程では、炭素、燐、硫黄、マンガンなどの溶質元素は、凝固時の再分配によって未凝固の液相側に濃化される。これがデンドライト樹間に形成されるミクロ偏析である。連続鋳造機により鋳造されつつある鋳片の凝固収縮や熱収縮、連続鋳造機のロール間で発生する凝固シェルのバルジング(凝固シェルが溶鋼静圧によって膨らむ現象)などによって、鋳片の厚み中心部に空隙が形成されたり負圧が生じたりすると、この部分に溶鋼が吸引されるが、凝固末期の未凝固層には十分な量の溶鋼が存在しないので、上記のミクロ偏析によって濃縮された溶鋼が流動し、鋳片中心部に集積して凝固する。このようにして形成された偏析スポットは、溶質元素の濃度が溶鋼の初期濃度に比べて格段に高濃度となっている。これを一般にマクロ偏析と呼び、その存在部位から中心偏析と呼んでいる。
鋳片の中心偏析は、鋼製品の品質を劣化させる。例えば、石油輸送用や天然ガス輸送用のラインパイプ材においては、サワーガスの作用により中心偏析を起点として水素誘起割れ(「HIC」ともいう)が発生する。サワーガス環境で使用されるラインパイプ材において、中心偏析部にMnSやNb炭化物などが生成されると、腐食反応によって鋼内部に侵入した水素が前記MnSやNb炭化物の周囲に拡散・集積し、その内圧によって割れが発生する。更に、中心偏析部は硬度が高くなっているので、割れが伝播する。これが水素誘起割れである。
このように中心偏析は鋼製品の品質を劣化させるので、連続鋳造工程から圧延工程に至るまで、鋳片の中心偏析を低減する対策が多数提案されている。
そのなかで、鋳片の中心偏析を効果的に低減する手段として、連続鋳造機内において、未凝固層を有する凝固末期の鋳片を、凝固収縮量と熱収縮量との和に相当する程度の圧下量及び圧下速度で鋳片支持ロールによって徐々に圧下しながら鋳造する方法が採用されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。連続鋳造中の鋳片を凝固収縮量と熱収縮量との和に相当する程度の圧下量及び圧下速度で徐々に圧下する上記技術は、「軽圧下」或いは「軽圧下法」と呼ばれている。この軽圧下技術は、鋳造方向に並んだ複数対の鋳片支持ロールを用い、鋳片の凝固収縮量と熱収縮量との和に見合った軽圧下量で鋳片を徐々に圧下して未凝固層の体積を減少させ、鋳片中心部における空隙或いは負圧の形成を防止すると同時に、デンドライト樹間に形成される濃化溶鋼の流動を防止し、これによって鋳片の中心偏析を軽減するという技術である。
ところで、近年の連続鋳造機は、複数本の鋳片支持ロールが配置されたフレームを相対させて構成されるロールセグメントを鋳造方向に複数個組み合わせたロールセグメント方式の連続鋳造機が主流であり、これに伴って、鋳片に軽圧下力を付与するための圧下ロール群(以下「軽圧下帯」という)も、複数のロールセグメントで構成されることが主流になっている。この場合、相対する鋳片支持ロールのロール間隔をロールセグメントの出側よりも入り側を大きく調整することで、軽圧下帯が形成されている。軽圧下帯において、鋳造方向下流に向かって順次狭くなるように設定されたロール間隔の状態を「圧下勾配」と称している。鋳片に作用する圧下力は軽圧下帯での圧下勾配によって決まることから、ロールセグメント構造の軽圧下帯の場合には、ロールセグメント単位で軽圧下が行われることになる。また、軽圧下帯の鋳片支持ロールを、軽圧下を施すためのロールであることから「軽圧下ロール」或いは「圧下ロール」とも称している。
中心偏析改善のための軽圧下ロールは、内部に未凝固層を有する鋳片を圧下することを前提としており、この場合の軽圧下ロールへの圧下抵抗は厚み方向の凝固が完了した鋳片短辺部のみであり、軽圧下ロールへの負荷荷重は少なく、軽圧下帯がロールセグメント構造であっても凝固収縮量と熱収縮量との和に相当する軽圧下量をそれぞれの軽圧下ロールで鋳片に付加することができる。一方、凝固完了後の鋳片を圧下する場合には、鋳片の幅全体が圧下抵抗となり、ロールセグメント構造の軽圧下ロールでは圧下力が不足して圧下できず、耐荷重を超えた場合には、ロールセグメントの損傷を防止するために、油圧や皿バネによってフレームが開放するように構成されている。
従来、軽圧下技術においては、一般的に、鋳片の凝固完了位置(「クレータエンド位置」ともいう)を軽圧下帯の範囲内に制御することが行われていた。しかしながら、この軽圧下技術においては、以下の問題点がある。
即ち、凝固完了位置を軽圧下帯の範囲内に制御する方法では、凝固完了位置が軽圧下帯を形成するロールセグメント内の鋳造方向のどの位置に存在するかで、凝固末期の鋳片に実際に施される軽圧下量が変化してしまうという問題が発生する。つまり、凝固完了位置が軽圧下帯を形成するロールセグメントの出側に存在する場合は、そのロールセグメント内における鋳片の厚み中心部は未凝固層が大半を占めることから、鋳片の圧下抵抗が小さく、設定値どおり或いは設定値に近い軽圧下を行うことができる。
一方、凝固完了位置が、軽圧下帯を形成するロールセグメントの入り側に存在する場合には、そのロールセグメント内の大部分の鋳片は凝固完了しているので、この鋳片を軽圧下することによって過大な荷重がロールセグメントに負荷され、負荷荷重が耐荷重を超えた場合には、油圧や皿バネによってフレームが開放してしまう。この過負荷防止のための油圧や皿バネによってフレームが開放すると、相対する軽圧下ロールのロール間隔は設定値よりも大きくなり、所定の圧下勾配を確保できなくなり、場合によっては、入り側のロール間隔と出側のロール間隔とが同一になり、軽圧下を行うことができなくなることも発生する。
中心偏析を軽減するための軽圧下量には、最適の範囲があり(例えば、特許文献3を参照)、フレームが開放して軽圧下量が不足すると、濃化溶鋼の流動が生じ、V字偏析が発生したり、中心偏析が悪化したりする。
また、実際の連続鋳造操業においては、二次冷却水の水温や、溶鋼温度、鋳片引き抜き速度が変化することから、鋳片の凝固完了位置は鋳造方向で変動する。従って、軽圧下帯を所定位置に固定し、且つ、二次冷却水量及び鋳片引き抜きを同一にして中心偏析の低減を図っていても、凝固完了位置の変動に伴って鋳片に付与される軽圧下量が鋳片の鋳造方向で大きく変動している可能性があり、鋳造方向全ての鋳片におい中心偏析が防止されていない虞がある。
特開平8−132203号公報 特開平8−192256号公報 特開昭62−275556号公報
連続鋳造鋳片に対する品質要求レベルは高まり、以前にも増して中心偏析の軽微な鋳片が求められている。そのために、中心偏析対策として軽圧下帯を形成するロールセグメントで鋳片に最適と考えられる軽圧下が行われているが、前述したように、実際には、凝固完了位置の鋳造方向での変動に起因して鋳片に施される軽圧下量は最適値から大きく外れることが発生する。
また、軽圧下を必須とする鋼種が増えていることから、軽圧下を実施する鋳造比率が以前よりも増加している。軽圧下では、軽圧下を実施しない場合に比較してロールセグメントにより多くの荷重が掛かり、更に、軽圧下対象部位が凝固完了部位を含む場合も鋳片からの負荷荷重が耐荷重を超えるまではロールセグメントは開放せず、このような鋳片からの繰返しの荷重により、軽圧下帯を形成するロールセグメントの寿命が短命化している。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、鋳造中に鋳片の凝固完了位置が変動しても、設定した値に近い軽圧下量を鋳片に付与することができ、且つ、軽圧下帯を形成するロールセグメントの寿命を向上させることのできる、鋼鋳片の連続鋳造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]複数本の軽圧下ロールが組み込まれた、1基または2基以上のロールセグメントから構成される軽圧下帯を用いて、凝固末期の鋳片を凝固収縮量と熱収縮量との和に相当する軽圧下量で圧下しながら連続鋳造する、鋼鋳片の連続鋳造方法において、軽圧下帯を形成するロールセグメントには、ロールセグメントの過負荷を防止するための皿バネがロールセグメントの各タイロッドに設置されており、該皿バネが変化し始める負荷荷重を、軽圧下される鋳片の前記ロールセグメント入口における鋳片厚み中心部固相率が0.8であるときに、該鋳片を設定した圧下速度で圧下した際に各タイロッドに負荷される荷重の100〜105%に設定した上で、鋳片を軽圧下することを特徴とする、鋼鋳片の連続鋳造方法。
[2]前記皿バネの負荷荷重の設定値を、ロールセグメントの上流側に設置される皿バネの設定値よりもロールセグメントの下流側に設置される皿バネの設定値を大きくすることを特徴とする、上記[1]に記載の鋼鋳片の連続鋳造方法。
本発明によれば、ロールセグメント構造の軽圧下帯を用いて鋳片を軽圧下しながら連続鋳造する際に、軽圧下帯を形成するロールセグメントに設置される皿バネの負荷荷重を、このロールセグメントの入口における鋳片厚み中心部の固相率が0.8のときに負荷される荷重の100〜105%に設定して連続鋳造するので、ロールセグメント入口での鋳片厚み中心部の固相率が0.8未満の鋳片には、そのロールセグメントにおいて設定した軽圧下量或いは設定した軽圧下量に近似した軽圧下量が施され、一方、軽圧下をすることが不要な、ロールセグメント入口での鋳片厚み中心部の固相率が0.8以上となった鋳片には、皿バネの収縮によって軽圧下が施されず、その結果、鋳片の中心偏析の低減と、軽圧下帯を形成するロールセグメントの長寿命化とが実現される。
軽圧下帯を構成するロールセグメントの1例を示す概略断面図である。 本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の側面概略図である。 鋳片の中心偏析(偏析対象成分;マンガン)の調査結果を本発明例と比較例とで対比して示す図である。 鋳片厚み中心部の固相率が0.8である位置が存在するロールセグメントよりも1つ下流側の軽圧下帯ロールセグメントにおける皿バネの変化量を測定した結果を本発明例と比較例とで対比して示す図である。 軽圧下帯を形成するロールセグメントの交換までの鋳造チャージを本発明例と従来例とで対比して示す図である。
以下、本発明を具体的に説明する。先ず、本発明に至った経緯を説明する。
本発明者らは、ロールセグメント構造の軽圧下帯を用いて凝固末期の鋳片を凝固収縮量と熱収縮量との和に相当する圧下量で軽圧下する場合に、凝固末期の鋳片を目標とする圧下量で確実に軽圧下すると同時に、軽圧下帯を形成するロールセグメントの寿命を向上させることを目的として、ロールセグメント構造の軽圧下帯における鋳片の軽圧下挙動を調査した。図1は、軽圧下帯を構成するロールセグメントの1例を示す概略断面図である。尚、図1は、軽圧下ロールとして5対の鋳片支持ロール6が1つのロールセグメント15に配置された例を示す図である。
図1に示すように、ロールセグメント15は、ロールチョック21を介して5対の鋳片支持ロール6を保持した1対のフレーム16及びフレーム16′からなり、このロールセグメント15においては、フレーム16及びフレーム16′を貫通させて合計4本(上流側の両サイド及び下流側の両サイド)のタイロッド17が配置され、このタイロッド17に設置されているウオームジャッキ19をモーター20にて遠隔駆動させることにより、フレーム16とフレーム16′との間隔の調整、つまり、ロールセグメント15における圧下勾配(鋳造方向下流に向かって順次狭くなるように設定されたロール間隔の状態)の調整が行われるようになっている。鋳造中は、ウオームジャッキ19はセルフロックされ、未凝固層を有する鋳片10のバルジング力に対抗しており、鋳片10が存在しない条件下で、即ち鋳片支持ロール6に鋳片10からの負荷が作用しない条件下で、圧下勾配の調整が行われるように構成されている。図1は、鋳片支持ロール6の設置数が5対の例であるが、ロールセグメント構造の軽圧下帯では、鋳片支持ロール6の設置数に関係することなく、このようにして圧下勾配の調整が行われる。
また、タイロッド17には、フレーム16′とウオームジャッキ19との間に皿バネ18が設置されている。皿バネ18は、1個の皿バネで構成されるものではなく、複数個の皿バネを重ねて構成されるものである(多数個の皿バネを重ねるほど剛性が高くなる)。この皿バネ18は、皿バネ18に或る所定の荷重以上の負荷荷重が作用しない場合には収縮せずに一定の厚みを呈しているが、或る所定の負荷荷重が作用した場合に収縮し始め、或る所定の負荷荷重を超えた以降は負荷荷重に比例して収縮するように構成されている。つまり、鋳片10が凝固完了した場合には、凝固完了した鋳片10を軽圧下することによってロールセグメント15に過大な荷重が負荷されるが、このような過大な荷重が負荷される場合には、皿バネ18が収縮することで、フレーム16′が開放し、ロールセグメント15に過大な荷重が負荷されないように構成されている。
この構成のロールセグメント15を鋳造方向に複数基並べて軽圧下帯とし、鋳片引き抜き速度及び二次冷却水量を変更することにより鋳片10の凝固完了位置を変化させて鋳片10を軽圧下し、そのときのフレーム16′の鋳造方向上流側端部及び鋳造方向下流側端部での圧下方向の変位(設定位置からの変化量)を測定した。尚、下面側のフレーム16は、連続鋳造機の基礎に固定されていて鋳造中には動かないように構成された連続鋳造機である。
その結果、フレーム16′の圧下方向の変位は、鋳造方向上流側よりも鋳造方向下流側の方が大きくなる傾向があること、特に、凝固完了位置が存在するロールセグメントでは下流側での変位が大きくなることがわかった。また、鋳片の中心偏析を調査した結果、上流側でのフレーム16′の変位と下流側でのフレーム16′の変位とがともにゼロ近傍で同等の場合には、中心偏析が軽微であることがわかった。また、皿バネ18が収縮し始める負荷荷重を高く設定すると、フレーム16′の変位は小さくなるが、ロールチョック21の軸受及び鋳片支持ロール6の磨耗や損傷が大きくなることがわかった。
ところで、鋼の連続鋳造において、鋳片10の厚み中心部の固相率が流動限界固相率以上の範囲では、仮に、バルジングなどによって鋳片10の厚み中心部に空隙が形成されたり負圧が生じたりしても、未凝固層は移動することができず、鋳片10の中心偏析がそれ以上に悪化することはないことが知られている(例えば、特許文献3を参照)。つまり、鋳片10の中心偏析を軽減するための軽圧下法において、鋳片10の厚み中心部の固相率が流動限界固相率以上の範囲は軽圧下する必要がないことが知られている。
従来、凝固完了位置を軽圧下帯の範囲内に制御している理由は、凝固完了位置は鋳造中でも変化することから、流動限界固相率以上の範囲のみを軽圧下帯の範囲から外すことが困難であることに基づくもの、つまり、鋳片10の流動限界固相率未満の範囲を確実に軽圧下帯の範囲内に制御することに基づくものである。尚、鋼鋳片の流動限界固相率に関しては0.7〜0.9が一般的に知られているが、本発明者らは、中心偏析を確実に防止するために、流動限界固相率を0.8とした。ここで、固相率とは、凝固開始前を固相率=0、凝固完了時を固相率=1.0と定義されるものである。
上述したフレーム16′の鋳造中の変位の測定結果、並びに、鋳片厚み中心部の固相率が流動限界固相率以上の範囲は軽圧下の必要がないとの2点から、軽圧下帯を形成するロールセグメント15の皿バネ18が変化し始める負荷荷重(以下、「限界負荷荷重」とも記す)を、このロールセグメント15の入口における鋳片10の厚み中心部固相率が0.8のときにこの鋳片10を設定した圧下速度で軽圧下するときに鋳片10から受ける負荷荷重に相当する値にすることで、鋳片厚み中心部の固相率が0.8未満である限界固相率未満の鋳片には所定量の軽圧下が施され、限界固相率を超えた鋳片にはフレーム16′の開放によって過剰の軽圧下が施されず、これにより、鋳片10の中心偏析低減と、軽圧下帯を形成するロールセグメント15の寿命向上とを両立させることができるとの知見を得た。尚、軽圧下帯を形成するロールセグメント15に負荷される荷重は、鋳片10のサイズ、圧下速度、鋳片の液相の割合によって決定される。
本発明は上記知見に基づくもので、本発明に係る鋼鋳片の連続鋳造方法は、複数本の軽圧下ロールが組み込まれた、1基または2基以上のロールセグメントから構成される軽圧下帯を用いて、凝固末期の鋳片を凝固収縮量と熱収縮量との和に相当する軽圧下量で圧下しながら連続鋳造する、鋼鋳片の連続鋳造方法において、軽圧下帯を形成するロールセグメントには、ロールセグメントの過負荷を防止するための皿バネがロールセグメントの各タイロッドに設置されており、該皿バネが変化し始める負荷荷重を、軽圧下される鋳片の前記ロールセグメント入口における鋳片厚み中心部固相率が0.8であるときに、該鋳片を設定した圧下速度で圧下した際に各タイロッドに負荷される荷重の100〜105%に設定した上で、鋳片を軽圧下することを特徴とする。
以下、本発明の具体的な実施方法を、図面を参照して説明する。図2は、本発明を実施する際に用いたスラブ連続鋳造機の側面概略図である。
図2に示すように、スラブ連続鋳造機1には、溶鋼9を注入して凝固させ、鋳片10の外殻形状を形成するための鋳型5が設置され、この鋳型5の上方所定位置には、取鍋(図示せず)から供給される溶鋼9を鋳型5に中継供給するためのタンディッシュ2が設置されている。タンディッシュ2の底部には、溶鋼9の流量を調整するためのスライディングノズル3が設置され、このスライディングノズル3の下面には、浸漬ノズル4が設置されている。一方、鋳型5の下方には、サポートロール、ガイドロール及びピンチロールからなる複数対の鋳片支持ロール6が配置されている。鋳造方向に隣り合う鋳片支持ロール6の間隙には、水スプレーノズル或いはエアーミストスプレーノズルなどのスプレーノズル(図示せず)が配置された二次冷却帯が構成され、二次冷却帯のスプレーノズルから噴霧される冷却水(「二次冷却水」ともいう)によって鋳片10は引抜かれながら冷却されるようになっている。また、鋳造方向最終の鋳片支持ロール6の下流側には、鋳造された鋳片10を搬送するための複数の搬送ロール7が設置されており、この搬送ロール7の上方には、鋳造される鋳片10から所定の長さの鋳片10aを切断するための鋳片切断機8が配置されている。
鋳片10の凝固完了位置13を挟んで下流側及び上流側には、鋳片10を挟んで対向する鋳片支持ロール間の間隔(この間隔を「ロール間隔」と呼ぶ)を鋳造方向下流側に向かって順次狭くなるように設定された、つまり圧下勾配が設定された、複数対の鋳片支持ロール群から構成される軽圧下帯14が設置されている。軽圧下帯14では、その全域または一部選択した領域で、鋳片10に軽圧下を行うことが可能である。軽圧下帯14の各鋳片支持ロール間にも鋳片10を冷却するためのスプレーノズルが配置されている。
尚、通常、圧下勾配は、鋳造方向1mあたりのロール間隔絞り込み量、つまり「mm/m」で表示されており、従って、軽圧下帯14における、鋳片10の圧下速度(mm/min)は、この圧下勾配(mm/m)に鋳片引き抜き速度(m/min)を乗算することで得られる。
このスラブ連続鋳造機1においては、軽圧下帯14は、3対の軽圧下ロールを1組とするロールセグメントが鋳造方向に3基つながって構成されている。ここで、ロールセグメントの構造は、鋳片支持ロール6が3対であること以外は、図1に示すロールセグメント15と同一構造である。つまり、下フレーム(フレーム16に相当)及び上フレーム(フレーム16′に相当)を貫通するタイロッドに設置されたウオームジャッキによって遠隔でロールセグメントの圧下勾配が調整できるようになっている。また、図示はしないが、軽圧下帯以外の鋳片支持ロール6もロールセグメント構造となっている。
軽圧下帯14は、このようなロールセグメント構造であるので、それぞれのロールセグメントに配置される3対の軽圧下ロールのロール間隔が一括して調整される。この場合、遠隔操作による上フレーム(フレーム16′に相当)の移動量は、ウオームジャッキの回転数により測定・制御されており、それぞれのロールセグメントの圧下勾配がわかるようになっている。尚、図2では、軽圧下帯14が3基のロールセグメントで構成されているが、1基であってもまた2基であっても構わず、更には4基以上であっても構わない。また、1基のロールセグメントに配置する鋳片支持ロールは3対であるが3対とする必要はなく、2対以上であれば幾つであっても構わない。
軽圧下帯を形成する各ロールセグメントに設置された皿バネの限界負荷荷重を、予め、ロールセグメントの入口における鋳片厚み中心部固相率が0.8である鋳片10をこのロールセグメントで軽圧下するときに鋳片10から受ける負荷荷重の100〜105%に設定する。
ロールセグメントの入口における鋳片厚み中心部固相率が0.8である鋳片10をこのロールセグメントで軽圧下するときに鋳片10から受ける負荷荷重を求める方法としては、鋳片厚み中心部の固相率と、予定する圧下速度と、鋳造する鋳片のサイズとを用いて数値シミュレーションによって算出する方法や、歪ゲージによって実測する方法などを用いることができる。荷重を実測する場合は、伝熱凝固計算或いは鋳片を透過する超音波の鋳片での伝播時間などから、軽圧下帯を形成するロールセグメントの入口における鋳片厚み中心部の固相率を求め、ロールセグメントの入口における鋳片厚み中心部の固相率が0.8のときにロールセグメントに掛かる荷重をロールセグメントのフレーム16′やロールチョック21の軸受に歪ゲージなどの測定機器を取り付けて求めることで、測定することができる。
このようにして、ロールセグメントの入口における鋳片厚み中心部固相率が0.8のときの負荷荷重を軽圧下量及び鋳片のサイズ別に予め求めておき、鋳造の前に、鋳造条件に応じて、皿バネの限界負荷荷重を予め求めた負荷荷重の100〜105%に設定する。皿バネの限界負荷荷重は、皿バネの材質の変更及び設置する皿バネの個数で調整することができる。
尚、軽圧下量、鋳片の凝固完了位置及び鋳片サイズが同一であっても、鋳片厚み方向の温度分布の違いなどによってロールセグメントに掛かる荷重に多少の誤差が生じる可能性がある。誤差分を考慮しない場合には、ロールセグメント内に軽圧下すべき鋳片があるにも拘わらず、皿バネが収縮して設定した軽圧下を行うことができなくなる可能性がある。そこで、本発明では、誤差分を考慮して、ロールセグメントの入口における鋳片厚み中心部固相率が0.8のときの負荷荷重の105%を上限として設定する。この誤差分を大きくすることは、ロールセグメントの寿命を短くする原因となるので好ましくない。
本発明において、軽圧下帯14における、凝固末期の鋳片10に対する圧下速度は、0.4〜1.5mm/minの範囲内とすることが好ましく、従って、予定する鋳片引き抜き速度に応じて軽圧下帯14の圧下勾配を予め設定する。圧下速度が0.4mm/min未満では、中心偏析を軽減する効果が少なく、一方、圧下速度が1.5mm/minを超えると、濃化溶鋼が鋳造方向とは逆方向に絞り出され、鋳片中心部には負偏析が生成される恐れがあるからである。また、総軽圧下量は2〜6mm程度とすれば十分である。
このようにして構成されるスラブ連続鋳造機1を用い、以下のようにして本発明を実施する。
取鍋からタンディッシュ2に溶鋼9を注入してタンディッシュ2に所定量の溶鋼9を滞留させ、次いで、タンディッシュ2に滞留した溶鋼9を、浸漬ノズル4を介して鋳型5に注入する。鋳型5に注入された溶鋼9は、鋳型5で冷却されて凝固シェル11を形成し、外殻を凝固シェル11とし、内部に未凝固層12を有する鋳片10として、鋳片支持ロール6に支持されながらピンチロールによって鋳型5の下方に連続的に引抜かれる。鋳片10は、鋳片支持ロール6を通過する間、二次冷却帯の二次冷却水で冷却され、凝固シェル11の厚みを増大し、軽圧下帯14で軽圧下されながら凝固完了位置13で内部までの凝固を完了する。その後、凝固完了した鋳片10は、鋳片切断機8によって切断されて鋳片10aとなる。
この場合、定常鋳造域においては、鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置が、軽圧下帯14よりも鋳造方向下流側にならないように、鋳片引き抜き速度及び二次冷却水量を調整する。鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置が軽圧下帯14を通り抜けると、鋳片厚み中心部固相率が0.8未満の範囲では未凝固層12が移動し、中心偏析が発生する虞があるからである。鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置が、確実に軽圧下帯14よりも鋳造方向下流側にならないようにするために、凝固完了位置13が軽圧下帯14の範囲内になるように制御することが好ましい。これは、予め伝熱凝固計算などの手法を用いて上記条件を満足する鋳片引き抜き速度及び二次冷却水量を求めておくことで、実現することができる。
また、鋳片10の中心偏析を軽減するには、少なくとも、鋳片中心部固相率が0.4となる時点には鋳片10を軽圧下帯14で圧下する必要があり、従って、これを満足するように、軽圧下帯14の鋳造方向長さを設定する必要がある。これは、鋳片中心部の固相率が0.4未満の範囲は未凝固層12が多く溶鋼流動が発生しても中心偏析には至らないが、0.4以上では溶鋼流動が発生すると中心偏析が悪化するからである。この軽圧下帯14の必要長さも、伝熱凝固計算によって求めることができる。
このようにして鋳造することで、ロールセグメント入口での鋳片厚み中心部の固相率が0.8未満の鋳片10には、そのロールセグメントにおいて設定した軽圧下量或いは設定した軽圧下量に近似した軽圧下量が施され、一方、軽圧下をすることが不要である、ロールセグメント入口での鋳片厚み中心部の固相率が0.8以上となった鋳片10には、皿バネの収縮によって軽圧下が施されず、その結果、鋳片10の中心偏析の低減と、軽圧下帯14を形成するロールセグメントの長寿命化とが達成される。
低炭素アルミキルド鋼を、鋳片厚みが250mm、鋳片幅が2000mmのサイズに連続鋳造する試験を行った。軽圧下帯を形成するロールセグメントは、メニスカス(鋳型内溶鋼湯面位置)から21〜23mのNo.8セグメント(No.8seg)、メニスカスから23〜25mのNo.9セグメント(No.9seg)、メニスカスから25〜27mのNo.10セグメント(No.10seg)、メニスカスから27〜29mのNo.11セグメント(No.11seg)である。二次冷却の比水量は1.3〜1.6L/kg−鋼とし、鋳片引き抜き速度は1.2〜1.4m/minとした。
事前の伝熱凝固計算によって凝固末期の流動を防止するために必要な軽圧下量を算出し、本発明例及び比較例ともに、No.8セグメントからNo.11セグメントの圧下勾配を0.35〜0.45mm/m(1つのロールセグメントあたり0.7〜0.9mm)に設定した。
表1に、各試験において設定した圧下勾配、鋳片引き抜き速度及び圧下速度を示す。また、ロールセグメント入口での鋳片厚み中心部の固相率が0.8であるときにロールセグメントの各タイロッドに負荷される荷重を数値シミュレーションによって計算して求めた負荷荷重、並びに、皿バネが収縮するときの設定荷重(限界負荷荷重)、計算して求めた前記負荷荷重に対する設定荷重(限界負荷荷重)の割合を併せて表1に示す。尚、皿バネが収縮するときの設定荷重(限界負荷荷重)は、各ロールセグメント間で差はなく、No.8〜11セグメントにおいて同一である。
Figure 0005920083
表1に示すように、本発明例1〜5では、ロールセグメントの上流側タイロッドに設置した皿バネ及び下流側タイロッドに設置した皿バネともに、本発明の範囲内である100〜105%の範囲に設定した。これに対して、比較例1〜3では、ロールセグメントの上流側タイロッドに設置した皿バネ及び下流側タイロッドに設置した皿バネともに、本発明の範囲外である100%未満に設定し、比較例4、5では、ロールセグメントの上流側タイロッドに設置した皿バネのみを本発明の範囲内である100〜105%の範囲に設定し、ロールセグメントの下流側タイロッドに設置した皿バネは本発明の範囲外である100%未満に設定した。
連続鋳造時、No.11セグメントに設置した超音波送受信子を介して縦波超音波を鋳片に透過させ、この縦波超音波の鋳片での伝播時間を測定し、この伝播時間に基づいて鋳片の凝固完了位置(鋳片厚み中心部の固相率が1.0になった位置)を検出した。更に、伝熱凝固計算によって、縦波超音波の伝播時間に基づいて求めた凝固完了位置から鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置までの距離を算出し、鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置が存在するロールセグメントを特定した。表2に、メニスカスから鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置までの距離、及び、鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置が存在するロールセグメントを示す。鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置が存在するロールセグメントは、鋳片引き抜き速度に応じて、No.9セグメントの出側からNo.10セグメントの出側の範囲内になった。
Figure 0005920083
また、No.8セグメントからNo.11セグメントにおいて、各ロールセグメントの下流側のタイロッドに設置した皿バネの変化量(収縮量)を過電流式距離計によって測定した。表2に、鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置が存在するロールセグメントにおける下流側タイロッドの皿バネの収縮の有無を示す。本発明例1〜5では、鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置がそのロールセグメントのどこの位置に存在しても皿バネは収縮しなかった。一方、比較例1では、鋳片厚み中心部の固相率が0.8となる位置がNo.10セグメントの出側に位置していたことから皿バネは収縮しなかったが、比較例2〜5では、皿バネが収縮し、ロールセグメントの下流側部位でフレームが開放することが確認された。
また、鋳造中に各ロールセグメントの上フレーム(フレーム16′に相当)の上流側端部及び下流側端部でフレームの圧下方向の変位をレーザー距離計によって測定し、この変位からロールセグメントの実際の圧下勾配を求め、求めた圧下勾配から圧下速度を算出した。表2に、鋳片厚み中心部の固相率が0.8の位置が存在するロールセグメントで実測した圧下速度を示す。本発明例1〜5においては、設定値どおり、または設定値に近い圧下速度で軽圧下が行われていることが確認できた。一方、比較例においては、皿バネの収縮が見られなかった比較例1では設定値に近い圧下速度で軽圧下が行われていたが、比較例2〜5では、設定値と大きく乖離した圧下速度になっていた。
図3に、鋳片の中心偏析(偏析対象成分;マンガン)の調査結果を本発明例と比較例とで対比して示す。この中心偏析は、鋳片断面の中心部をEPMAによってマンガン分析し、EPMAによって求めたマンガン濃度を溶鋼から採取した試料のマンガン濃度で除算した値である。図3の横軸は、表1に示す設定の圧下速度に対して、表2に示す実際に鋳片に付与された圧下速度の割合を示す。比較例においては、設定した圧下速度に対して、軽圧下できている場合と軽圧下できていない場合とがあり、その結果、中心偏析の程度もばらついていたが、本発明例では、設定値どおり、または設定値に近い圧下速度で軽圧下が行われていることから、中心偏析が良好であった。
低炭素アルミキルド鋼を、鋳片厚みが250mm、鋳片幅が2000mmのサイズに連続鋳造する試験を行った。軽圧下帯を形成するロールセグメントは、メニスカスから21〜23mのNo.8セグメント、メニスカスから23〜25mのNo.9セグメント、メニスカスから25〜27mのNo.10セグメント、メニスカスから27〜29mのNo.11セグメントである。二次冷却の比水量は1.3〜1.6L/kg−鋼とし、鋳片引き抜き速度は1.2〜1.4m/minとした。
事前の伝熱凝固計算によって凝固末期の流動を防止するために必要な軽圧下量を算出し、本発明例及び比較例ともに、No.8セグメントからNo.11セグメントの圧下勾配を0.35〜0.45mm/m(1つのロールセグメントあたり0.7〜0.9mm)に設定した。
本発明例では、各ロールセグメントのタイロッドに設置される皿バネが収縮するときの設定荷重(限界負荷荷重)を、数値シミュレーションによって計算して求めた、ロールセグメント入口での鋳片厚み中心部の固相率が0.8のときにロールセグメントの各タイロッドに負荷される荷重の100〜105%に設定し、一方、比較例では、各ロールセグメントのタイロッドに設置される皿バネが収縮するときの設定荷重(限界負荷荷重)を、数値シミュレーションによって計算して求めた、ロールセグメント入口での鋳片厚み中心部の固相率が0.8のときにロールセグメントの各タイロッドに負荷される荷重の105%超え120%以下に設定した。
このような鋳造条件で本発明例及び比較例をそれぞれ10チャージずつ連続鋳造した。
図4に、鋳片厚み中心部の固相率が0.8である位置が存在するロールセグメントよりも1つ下流側の軽圧下帯ロールセグメントにおける皿バネの変化量(収縮量)を測定した結果を示す。図4に示すように、比較例では皿バネが変化しておらず、鋳片厚み中心部の固相率が0.8を超えた鋳片も軽圧下されており、この部位のロールセグメントには過大な荷重が負荷されていたことがわかった。一方、本発明例では、皿バネが収縮しており、鋳片厚み中心部の固相率が0.8である位置が存在するロールセグメントよりも1つ下流側の軽圧下帯ロールセグメントでは鋳片は軽圧下されることはなく、このロールセグメントにおいて過大な荷重が負荷されることが防止されていたことが確認できた。尚、図4の比較例では、皿バネが若干変化しているような値になっているが、これはロールセグメント自体に「ガタ」が存在し、皿バネが収縮していなくとも常に0.2mm程度のガタ分が測定されることによる。
その後も本発明を適用して連続鋳造した結果、図5に示すように、本発明例を適用することで、軽圧下帯を形成するロールセグメントの交換までの平均鋳造チャージは4000チャージを上回り、従来は、2000チャージ程度でロールセグメントを交換していたことに対し、ロールセグメントの寿命を大幅に延長することができた。
1 スラブ連続鋳造機
2 タンディッシュ
3 スライディングノズル
4 浸漬ノズル
5 鋳型
6 鋳片支持ロール
7 搬送ロール
8 鋳片切断機
9 溶鋼
10 鋳片
11 凝固シェル
12 未凝固層
13 凝固完了位置
14 軽圧下帯
15 ロールセグメント
16 フレーム
17 タイロッド
18 皿バネ
19 ウオームジャッキ
20 モーター
21 ロールチョック

Claims (1)

  1. 複数本の軽圧下ロールが組み込まれた、1基または2基以上のロールセグメントから構成される軽圧下帯を用いて、凝固末期の鋳片を凝固収縮量と熱収縮量との和に相当する軽圧下量で圧下しながら連続鋳造する、鋼鋳片の連続鋳造方法において、
    軽圧下帯を構成するロールセグメントには、ロールセグメントの過負荷を防止するための皿バネがロールセグメントの各タイロッドに設置されており、該皿バネが変化し始める負荷荷重を、軽圧下される鋳片の前記ロールセグメント入口における鋳片厚み中心部固相率が0.8であるときに該鋳片を設定した圧下速度で圧下した際に各タイロッドに負荷される荷重の100〜105%に設定し、且つ、前記皿バネの負荷荷重の設定値を、ロールセグメントの上流側に設置される皿バネの設定値よりもロールセグメントの下流側に設置される皿バネの設定値を大きく設定し、前記ロールセグメント入口での鋳片厚み中心部の固相率が0.8以上となった、軽圧下をすることが不要な鋳片には軽圧下が施されないように設定した上で、鋳片を前記軽圧下帯で軽圧下することを特徴とする、鋼鋳片の連続鋳造方法。
JP2012161287A 2012-07-20 2012-07-20 鋼鋳片の連続鋳造方法 Active JP5920083B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012161287A JP5920083B2 (ja) 2012-07-20 2012-07-20 鋼鋳片の連続鋳造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012161287A JP5920083B2 (ja) 2012-07-20 2012-07-20 鋼鋳片の連続鋳造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014018841A JP2014018841A (ja) 2014-02-03
JP5920083B2 true JP5920083B2 (ja) 2016-05-18

Family

ID=50194329

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012161287A Active JP5920083B2 (ja) 2012-07-20 2012-07-20 鋼鋳片の連続鋳造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5920083B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6098577B2 (ja) * 2014-06-27 2017-03-22 Jfeスチール株式会社 連続鋳造機のロール間隔調整方法および鋼片の連続鋳造方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5779978B2 (ja) * 2010-05-31 2015-09-16 Jfeスチール株式会社 連続鋳造における鋳片の軽圧下方法
JP5707850B2 (ja) * 2010-10-22 2015-04-30 Jfeスチール株式会社 連続鋳造における鋳片の軽圧下制御方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014018841A (ja) 2014-02-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6115735B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2012011459A (ja) 連続鋳造における鋳片の軽圧下方法
JP5092642B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造機
WO2016103293A1 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5380968B2 (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法
JP6384679B2 (ja) 熱延鋼板の製造方法
JP5779978B2 (ja) 連続鋳造における鋳片の軽圧下方法
JP5494350B2 (ja) 鋼鋳片の連続鋳造方法
JP6044746B1 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP6075336B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5045408B2 (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法
JP5870966B2 (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法
JP5920083B2 (ja) 鋼鋳片の連続鋳造方法
JP2012245527A (ja) 連続鋳造方法
JP5707850B2 (ja) 連続鋳造における鋳片の軽圧下制御方法
JP2011005525A (ja) 鋼鋳片の連続鋳造方法
JP6152824B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5707849B2 (ja) 連続鋳造における鋳片の軽圧下制御方法
JP5929836B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP4998734B2 (ja) 連続鋳造鋳片の製造方法
KR102387625B1 (ko) 강의 연속 주조 방법
WO2016121355A1 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5910577B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP5915453B2 (ja) 鋼の連続鋳造方法
JP2010104991A (ja) 鋼の連続鋳造方法及び連続鋳造機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150326

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20151124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20151201

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160315

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160328

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5920083

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250