JP2009043643A - アルカリ電池用正極およびアルカリ電池 - Google Patents

アルカリ電池用正極およびアルカリ電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2009043643A
JP2009043643A JP2007209316A JP2007209316A JP2009043643A JP 2009043643 A JP2009043643 A JP 2009043643A JP 2007209316 A JP2007209316 A JP 2007209316A JP 2007209316 A JP2007209316 A JP 2007209316A JP 2009043643 A JP2009043643 A JP 2009043643A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spinel
positive electrode
manganese oxide
alkaline battery
type manganese
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007209316A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5235060B2 (ja
Inventor
Shinichi Iwamoto
真一 岩本
Yoshihisa Hirose
敬久 弘瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Maxell Holdings Ltd
Original Assignee
Hitachi Maxell Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Maxell Ltd filed Critical Hitachi Maxell Ltd
Priority to JP2007209316A priority Critical patent/JP5235060B2/ja
Priority to US12/188,036 priority patent/US8153298B2/en
Publication of JP2009043643A publication Critical patent/JP2009043643A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5235060B2 publication Critical patent/JP5235060B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/06Electrodes for primary cells

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

【課題】 高容量で、負荷特性に優れたアルカリ電池と、該アルカリ電池を構成し得るアルカリ電池用正極を提供する。
【解決手段】 少なくともスピネル型マンガン酸化物を正極活物質として有するアルカリ電池用正極であって、前記スピネル型マンガン酸化物は、Hg/HgO参照電極に対する電位が0.26〜0.34Vであり、全正極活物質中における前記スピネル型マンガン酸化物の含有量が、30質量%以上であることを特徴とするアルカリ電池用正極と、該正極を有するアルカリ電池により、前記課題を解決する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、負荷特性に優れた高容量のアルカリ電池と、該アルカリ電池を構成し得るアルカリ電池用正極に関するものである。
二酸化マンガンを正極活物質とするアルカリ電池については、近年、デジタルカメラの電源用途など、比較的大きな電流値での放電が要求される用途への適用が増えており、負荷特性向上の要請がある。
このような事情を受けて、正極活物質にスピネル型二酸化マンガン(ラムダ型二酸化マンガン)を適用することで、アルカリ電池の負荷特性を高める技術が検討されている(例えば、特許文献1〜2)。
特開2007−48737号公報 特開2007−123149号公報
ところで、スピネル型二酸化マンガンを正極活物質に使用したアルカリ電池では、負荷特性が向上する一方で、放電容量が非常に小さくなるという問題がある。このため、前記の特許文献1や特許文献2では、従来のアルカリ電池で使用されている電解二酸化マンガン(ガンマ型二酸化マンガン)をスピネル型二酸化マンガンと併用しており、これにより放電容量の低下を回避している。
しかしながら、電解二酸化マンガンをスピネル型二酸化マンガンと併用する方法で実用性のある放電容量を確保するには、正極活物質中のスピネル型二酸化マンガン量を非常に低く設定する必要があるため、スピネル型二酸化マンガンの使用による効果の確保にも限界がある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、高容量で、負荷特性に優れたアルカリ電池と、該アルカリ電池を構成し得るアルカリ電池用正極を提供することにある。
前記目的を達成し得た本発明のアルカリ電池用正極は、少なくともスピネル型マンガン酸化物を正極活物質として有するアルカリ電池用正極であって、前記スピネル型マンガン酸化物は、Hg/HgO参照電極に対する電位が0.26〜0.34Vであり、全正極活物質中における前記スピネル型マンガン酸化物の含有量が、30質量%以上であることを特徴とするものである。
また、本発明のアルカリ電池は、本発明のアルカリ電池用正極を有するものである。
本発明によれば、高容量で、負荷特性に優れたアルカリ電池と、該アルカリ電池を構成し得るアルカリ電池用正極を提供することができる。
本発明のアルカリ電池用正極では、正極活物質に、Hg/HgO参照電極に対する電位が0.26V以上0.34V以下のスピネル型マンガン酸化物(以下、「低電位スピネル型マンガン酸化物」という場合がある)を使用する。
一般にアルカリ電池で使用が検討されているスピネル型二酸化マンガンは、Hg/HgO参照電極に対する電位が0.34Vを超え、0.44V以下程度であるが、前記の通り、このようなスピネル型二酸化マンガンを正極活物質に使用した場合、アルカリ電池の負荷特性を高めることが可能である一方で、放電容量が非常に小さくなる。そのため、正極活物質にスピネル型二酸化マンガンを使用している従来のアルカリ電池では、電解二酸化マンガン(ガンマ型二酸化マンガン)を併用し、しかもスピネル型二酸化マンガンの比率を少量に抑えることで、放電容量を確保している。
また、通常のスピネル型二酸化マンガンのみを正極活物質に用いたアルカリ電池では、その電池電圧が1.7V超と高くなる。現在汎用されているアルカリ電池(二酸化マンガンを正極活物質に用いたアルカリ電池)の多くは、その電池電圧が1.6V程度であり、アルカリ電池を適用する機器も、かかる電圧に基づいて設計されている。そのため、現在汎用されているアルカリ電池の代替電池として、通常のスピネル型二酸化マンガンのみを正極活物質に用いたアルカリ電池を使用すると、機器内部の電子回路や回路部品の負担が大きく、発熱が生じたり機器寿命が損なわれたりする虞があり、また、白熱電球を有する懐中電灯などでは、電球の発熱量が大きくなってフィラメントの寿命が短くなる虞がある。このようなことからも、正極活物質にスピネル型二酸化マンガンを使用している従来のアルカリ電池では、電解二酸化マンガン(ガンマ型二酸化マンガン)を併用し、しかもスピネル型二酸化マンガンの比率を少量に抑えることで、電池電圧が上がり過ぎないように調節している。
更に、通常のスピネル型二酸化マンガンは、アルカリ電池に係る電解液(アルカリ電解液)中では結晶構造の安定性が低いため、スピネル型二酸化マンガンを正極活物質に用いた従来のアルカリ電池では、貯蔵後の電池特性(例えば負荷特性)が低下するという問題もある。
これに対し、本発明に係る低電位スピネル型マンガン酸化物を正極活物質に使用した場合には、アルカリ電池の負荷特性を高めると共に、放電容量も大きくすることができる。そのため、本発明に係る低電位スピネル型マンガン酸化物を正極活物質に使用する場合には、全正極活物質の30質量%以上を前記低電位スピネル型マンガン酸化物とすることが可能であり、スピネル型マンガン酸化物の使用による効果(負荷特性向上効果)を良好に確保することができる。
しかも、本発明に係る低電位スピネル型マンガン酸化物を正極活物質に使用したアルカリ電池では、電池電圧も、例えば1.7V以下に抑えることができる。そのため、本発明に係る低電位スピネル型マンガン酸化物を正極活物質に使用してアルカリ電池を構成する場合には、全正極活物質の30質量%以上を前記低電位スピネル型マンガン酸化物としても、現在汎用されているアルカリ電池(二酸化マンガンを正極活物質とするアルカリ電池)に置き換えることが可能である。
更に、本発明に係る低電位スピネル型マンガン酸化物は、アルカリ電解液中での安定性が良好であるため、これを正極活物質に用いた本発明のアルカリ電池は、貯蔵による電池特性の低下を抑制することもできる。
前記の通り、本発明に係る低電位スピネル型マンガン酸化物は、Hg/HgO参照電極に対する電位を、0.26V以上0.34V以下に調整したものである。このような電位を有するスピネル型マンガン酸化物は、通常のスピネル型二酸化マンガンから結晶構造が若干変化しており、これにより低電位を示すと共に、アルカリ電解液中での安定性が向上していると考えられる。
すなわち、Hg/HgO参照電極に対する電位が高すぎるスピネル型マンガン酸化物では、アルカリ電池の負荷特性を高めつつ放電容量も大きくする効果が十分に確保できない。また、Hg/HgO参照電極に対する電位が低すぎるスピネル型マンガン酸化物では、アルカリ電池の負荷特性を十分に高めることができない。低電位スピネル型マンガン酸化物のHg/HgO参照電極に対する電位は、0.27V以上であることが好ましく、0.28V以上であることがより好ましく、また、0.32V以下であることが好ましい。
なお、本明細書でいう「スピネル型マンガン酸化物のHg/HgO参照電極に対する電位」は、以下のようにして測定される値である。スピネル型マンガン酸化物100質量部と、2質量%濃度のカルボキシメチルセルロース(CMC)溶液10質量部と、水20質量部と、60質量%濃度のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ディスパージョン1質量部とを混合してペーストを調製し、このペーストを三次元ニッケル発泡体に充填後、これにニッケル線をスポット溶接する。前記の三次元ニッケル発泡体を、ZnOを2.18質量%含有する32質量%濃度のKOH水溶液(アルカリ電解液)中に浸漬し、Hg/HgOを参照電極として、室温で三次元ニッケル発泡体中のスピネル型マンガン酸化物の電位を測定する。
本発明に係る低電位スピネル型マンガン酸化物としては、例えば、(1)Mnの一部がCuで置換されたスピネル型マンガン酸化物;(2)Hg/HgO参照電極に対する電位が0.34Vを超えるスピネル型マンガン酸化物(すなわち、通常のスピネル型二酸化マンガン)を、180〜220℃で15〜25時間熱処理してなるスピネル型マンガン酸化物;が挙げられる。
通常のスピネル型二酸化マンガンは、例えば、電解二酸化マンガン(ガンマ型二酸化マンガン)とLi化合物(炭酸リチウム、水酸化リチウムなど)との混合物を、950〜1100℃で15〜30時間焼成してリチウムマンガンスピネルを合成し、このリチウムマンガンスピネルを硫酸、硝酸、塩酸などの酸で処理するなどして、リチウムマンガンスピネルからLiを抜くことにより製造される。(1)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物は、前記のリチウムマンガンスピネルの合成工程において、電解二酸化マンガンとLi化合物との混合物に、更にCu化合物(酸化銅、水酸化銅など)を混合し、これを前記と同様の条件で焼成してMnの一部をCuで置換したリチウムマンガンスピネルとし、これから前記と同様の条件でLiを抜くことで製造することができる。
(1)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物は、一般式Mn1−xCu(ただし、0.01≦x≦0.2)で近似的に表すことができる。すなわち、(1)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物において、Cuの量は、MnとCuとの合計100モル%(ただし、後記のようにLiを含有している場合には、MnとCuとLiとの合計100モル%)中、1〜20モル%であることが好ましい。Cu量が少なすぎると、Hg/HgO参照電極に対するスピネル型マンガン酸化物の電位が高くなりすぎる虞があり、多すぎると、Hg/HgO参照電極に対するスピネル型マンガン酸化物の電位が低くなりすぎる虞がある。(1)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物におけるCuの量は、前記の合成法を採用する場合、電解二酸化マンガンとLi化合物とCu化合物との組成比を調節することで調整できる。
(2)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物は、例えば前記の方法により合成した通常のスピネル型二酸化マンガン(Hg/HgO参照電極に対する電位が0.34Vを超えるスピネル型マンガン酸化物)を、例えば、電気炉(Barnstead社製「Type 1400 Furnaces」など)で180〜220℃で15〜25時間熱処理することで製造できる。前記の熱処理時間が短すぎるか、または熱処理温度が低すぎると、スピネル型マンガン酸化物のHg/HgO参照電極に対する電位が高くなりすぎる虞があり、熱処理時間が長すぎるか、または熱処理温度が高すぎると、スピネル型マンガン酸化物のHg/HgO参照電極に対する電位が低くなりすぎる虞がある。
(2)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物は、一般式MnOで近似的に表すことができる。
なお、(1)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物、(2)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物のいずれにおいても、その前駆体となるリチウムマンガンスピネル[(1)の態様においては、Cuも含有するリチウムマンガンスピネル]からLiを抜く際には、できるだけLiを多く抜くことが、理論上の放電容量を大きくできる観点から好ましいが、Liを完全に抜くことは比較的困難であるため、多少であればLiが残存していてもよい。すなわち、(1)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物、(2)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物のいずれにおいても、多少であればLiを含有していても構わない。
具体的には、(1)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物の場合、MnとCuとLiとの合計100モル%中、Liは10モル%以下であることが好ましい。また、(2)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物の場合、MnとLiとの合計100モル%中、Liは10モル%以下であることが好ましい。
なお、理論上の放電容量を大きくする観点からは、(1)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物、(2)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物のいずれにおいても、Liを含有していないことが特に好ましい。しかし、リチウムマンガンスピネルからLiを抜く工程での効率を考慮すると、(1)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物においては、Li量の下限を、MnとCuとLiとの合計100モル%中に0.1モル%程度、(2)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物においては、Li量の下限を、MnとLiとの合計100モル%中に0.11モル%程度とすることが現実的である。
前記の(1)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物、および(2)の態様の低電位スピネル型マンガン酸化物における「スピネル型」であるとは、前記のマンガン酸化物のX線回折データを、スピネル型の結晶構造である空間群Fd3m(No.227)としてリートベルト法で解析したとき、解析誤差の指標であるS値が2未満であるものをいう。
本発明のアルカリ電池に係る正極では、全正極活物質中の低電位スピネル型マンガン酸化物の含有量(全正極活物質中の配合量)が、30質量%以上、好ましくは60質量%以上であり、正極中の低電位スピネル型マンガン酸化物量をこのように高含量としても、高容量で、しかも電圧が従来公知のガンマ型二酸化マンガンを正極活物質とするアルカリ電池と同等程度のアルカリ電池を構成することができる。また、本発明のアルカリ電池に係る正極では、全正極活物質中の低電位スピネル型マンガン酸化物量を100質量%とすることもできる。
本発明に係る正極において、低電位スピネル型マンガン酸化物以外の正極活物質を使用する場合には、例えば、電解二酸化マンガンを用いることが好ましい。全正極活物質中の電解二酸化マンガンの含有量(全正極活物質中の配合量)は、70質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましい。
本発明に係る正極は、前記の低電位スピネル型マンガン酸化物、または低電位スピネル型マンガン酸化物と他の活物質(例えば、電解二酸化マンガン)との混合物からなる正極活物質に、導電助剤、電解液、バインダなどを混合して正極合剤とし、その正極合剤を金型や電池の外装缶に充填してリング状(中空円筒状)に成形したものを用いることができる。
導電助剤としては、例えば、黒鉛、ケッチェンブラック、アセチレンブラックなどを用いることができる。正極合剤中の導電助剤量は、例えば、5〜20質量%とすることが好ましい。
バインダとしては、例えば、PTFE、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴムなどを用いることができる。正極合剤中のバインダ量は、例えば、0.2〜20質量%とすることが好ましい。
電解液としては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物を水に溶解させたアルカリ水溶液や、それに酸化亜鉛などを添加したものなどが用いられる。電解液中のアルカリ金属の水酸化物の濃度としては、例えば水酸化カリウムの場合、40〜60質量%であることが好ましく、また、酸化亜鉛を使用する場合、その濃度は、1.0〜4.0質量%であることが好ましい。
本発明のアルカリ電池は、前記の正極(本発明の正極)を有していればよく、その他の構成・構造については特に制限は無く、従来公知のアルカリ電池で採用されている構成・構造を適用することができる。
本発明のアルカリ電池に係る負極としては、例えば、亜鉛または亜鉛合金の粒子(以下、両者を纏めて「亜鉛系粒子」という)と、電解液と、ゲル化剤とを有するゲル状の負極合剤が使用される。
亜鉛系粒子は、アルカリ電池の負荷特性を高める観点からは、粒径が10〜75μmの粒子の割合を、20質量%以上とすることが好ましく、30質量%以上とすることがより好ましい。
なお、亜鉛系粒子は、通常、ガスアトマイズ法により製造され、その粒径や粒度分布は、レーザー散乱式粒度分布測定装置などを用いて測定することもできるが、より簡便に、特定の篩い目をもつ篩を通過する粒子の割合を基に判断することも可能である。例えば、200メッシュの篩い目をもつ篩を用いて負極に用いる亜鉛系粒子を分級することにより、75μm以下の粒径の亜鉛系粒子の割合を求めることができる。このうち、10μm未満の亜鉛系粒子の割合は、ふるいによる分級では求めにくいため、前記粒度分布測定装置による測定を併用して10μm未満の亜鉛系粒子の割合を求め、これを前記の75μm以下の粒径の亜鉛系粒子の割合から差し引くことにより、10〜75μmの亜鉛系粒子の割合を求めることができる。また、200メッシュの篩い目を通過した亜鉛系粒子を、更に細かい目の篩で分級して10μm未満の粒子を取り除き、残った粒子を負極の作製に用いる方法を採用してもよい。
一方、亜鉛系粉末を負極に用いたアルカリ電池では、亜鉛と電解液との反応による水素ガスの発生の問題が生じる場合があるため、負極において、この反応をできるだけ抑制することが好ましい。負極における前記の水素ガス発生を抑制し、また、負極合剤の流動性を良好に保って、電池の生産性を向上させる観点からは、亜鉛系粒子中の粒径が10〜75μmの粒子の割合を、70質量%以下とすることが好ましく、50質量%以下とすることがより好ましい。更に、粒径が10μmより小さい亜鉛系粒子は、ガス発生が多くなって貯蔵特性に悪影響を与える上に、表面にできる酸化物のために電気的な接触がとり難くなって、放電反応に寄与し難くなるため、このような微小粒子はできる限り少なくするのが望ましい。負荷特性と貯蔵特性のバランスを考慮すれば、本発明のアルカリ電池に係る亜鉛系粒子全体の平均粒径(前記の篩を用いた方法により測定される重量平均粒子径)は、80〜200μmとするのが適当である。
また、前述した亜鉛からの水素ガス発生反応を防止するためには、亜鉛系粒子として、インジウム、ビスマス、アルミニウムなどの元素を少なくとも1種含有する亜鉛合金粒子を用いることが効果的である。特に、少なくともインジウムとビスマスを含有させることが望ましい。亜鉛合金粒子に係る亜鉛合金中のこれら元素の含有量は、インジウムでは0.01質量%以上、ビスマスでは0.003質量%以上、アルミニウムでは0.0001質量%以上とするのがよく、インジウムでは0.03〜0.07質量%、ビスマスでは0.007〜0.07質量%、アルミニウムでは0.001〜0.007質量%とするのが好適である。これらの元素を含有する亜鉛合金の場合、残部は、例えば亜鉛および不可避不純物である。
負極に用いる電解液としても、正極に用いる電解液と同様に、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物を水に溶解させたアルカリ水溶液や、それに酸化亜鉛などを添加したものなどが用いられる。電解液中のアルカリ金属の水酸化物の濃度としては、例えば水酸化カリウムの場合、28〜38質量%であることが好ましく、また、酸化亜鉛を使用する場合、その濃度は、1.0〜4.0質量%であることが好ましい。
負極に用いるゲル化剤としては、例えば、ポリアクリル酸類(ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸アンモニウムなど)、セルロース類(CMC、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースや、それらのアルカリ塩など)が挙げられる。また、特開2001−307746号公報に開示されているように、架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマー(例えば、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸アンモニウムなど)と、それら以外のゲル化剤とを併用することも好ましい。架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーと併用するゲル化剤としては、前述のセルロース類や、架橋分枝型ポリアクリル酸またはその塩類(例えば、ソーダ塩、アンモニウム塩など)などが挙げられる。なお、前記の架橋ポリアクリル酸またはその塩類型吸水性ポリマーは、平均粒子径が10〜100μmで、かつその形状が球状であることが望ましい。
負極合剤における亜鉛系粒子の含有量としては、例えば、50〜75質量%であることが好ましい。また、負極合剤における電解液の含有量は、例えば25〜50質量%であることが好ましい。更に、負極合剤におけるゲル化剤の含有量は、例えば、0.01〜1.0質量%であることが好ましい。
また、負極合剤には、酸化インジウムなどのインジウム化合物や、酸化ビスマスなどのビスマス化合物を少量含有させることもできる。これらの化合物を含有させることにより、亜鉛系粒子と電解液との腐食反応によるガス発生をより効果的に防ぐことができる。ただし、これらの化合物は、あまり含有させすぎると電池の負荷特性を低下させる虞があるので、このような問題の生じない範囲で、必要に応じた含有量を決定することが好ましい。例えば、インジウム化合物、ビスマス化合物共に、亜鉛系粒子100質量部に対して、0.003〜0.05質量部程度とすることが推奨される。
正極および負極に使用する以外に電池内に注入するための電解液(アルカリ電解液)としては、前記の正極や負極に係る電解液と同様に、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物の水溶液からなるアルカリ水溶液や、それに酸化亜鉛を添加したものなどを用いることができる。電解液中のアルカリ金属の水酸化物の濃度としては、例えば水酸化カリウムの場合、28〜38質量%であることが好ましく、また、酸化亜鉛を使用する場合、その濃度は、1.0〜4.0質量%であることが好ましい。
セパレータとしては、例えば、ビニロンとレーヨンを主体とする不織布、ビニロン・レーヨン不織布、ポリアミド不織布、ポリオレフィン・レーヨン不織布、ビニロン紙、ビニロン・リンターパルプ紙、ビニロン・マーセル化パルプ紙などを用いることができる。
本発明のアルカリ電池では、その形状などについては特に制限は無いが、例えば、筒形(円筒形や角筒形など)の形状のものが挙げられる。以下、図面を用いて、本発明の電池の構造を説明する。図1は、本発明のアルカリ電池の一例を示す断面図である。図1のアルカリ電池は、金属製(Niメッキを施した鉄、ステンレス鋼など)の外装缶1内に、リング状に成形された正極2(正極合剤成形体)が配置されており、その内側にコップ状のセパレータ3が配置され、アルカリ電解液(図示しない)がセパレータ3の内側から注入されている。更にセパレータ3の内側には亜鉛系粒子を含む負極4(ゲル状の負極合剤)が充填されている。外装缶1における1bは正極端子である。
外装缶1の開口端部1aには、金属製(Niメッキを施した鉄、ステンレス鋼など)の負極端子板7が配されており、樹脂製の封口体6の外周縁部62を介して開口端部1aが内側に折り曲げられて封口されている。負極端子板7には、金属製(Snメッキなどを施した真鍮など)の負極集電棒5が、その頭部で溶接されており、負極集電棒5は、封口体6の中央部61に設けられた透孔64を通じて負極4内に挿入されている。また、封口時の負極端子板7の変形を防ぎ、かつ封口体6を内側から支える支持手段として、金属ワッシャ9(円板状の金属板)が配置されている。
そして、樹脂製の封口体6には、防爆用の薄肉部63が形成されている。短絡時に電池内においてガスが発生した場合、封口体6の薄肉部63が優先的に開裂し、生じた裂孔からガスが金属ワッシャ9側に移動する。金属ワッシャ9および負極端子版7にはガス抜き孔が設けられており(図示しない)、電池内のガスは、これらのガス抜き孔を通じて電池外に排出される。
図2に、本発明のアルカリ電池の他の例の断面図を示す。図2中、図1と同じ作用を有する要素は同じ符号を付して、重複説明を避ける。図2中、8は、外装缶1と負極端子板とを絶縁するための絶縁板であり、20は、発電要素を収納している胴部分である。
図1に示すアルカリ電池では、金属ワッシャ9を使用している関係上、封口部分(図1中、10)の占める体積が大きくなってしまう。これに対し、この図2の電池のように金属ワッシャをなくし、封口体6を内側から支える支持手段として負極端子板7を利用することで、封口部分10の占める体積を減少させて発電要素を収容できる胴部分20の体積を大きくすることができ、正極2および負極4の各合剤の充填量を、図1の電池よりも高めることができる。
本発明のアルカリ電池は、負荷特性に優れると共に高容量であり、しかも、電池電圧が電解二酸化マンガンなどのガンマ型二酸化マンガンを正極活物質に用いたアルカリ電池と同等程度で、更に貯蔵特性が良好である。よって、本発明のアルカリ電池は、このような特性を生かして、大電流での放電が要求される用途(例えば、デジタルカメラの電源用途)の他、二酸化マンガン(ガンマ型二酸化マンガン)を正極活物質とする従来のアルカリ電池と同様と用途に使用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は、本発明を制限するものではない。
<スピネル型マンガン酸化物の合成>
合成例1
電解二酸化マンガン(平均粒径20μm)と、Li化合物である水酸化リチウムとを乾式混合した。ここで、電解二酸化マンガンと水酸化リチウムとの混合比率は、Li/Mnの比率が0.53になるようにした。前記の混合物を1000℃で20時間焼成して、リチウムマンガンスピネルを合成した。
合成されたリチウムマンガンスピネル粉末を、乳鉢を用いて軽く粉砕し、粉砕後の粉末50gを2Nの硫酸2000ml中に攪拌しながら、ゆっくり投入し、そのまま3時間攪拌した後、吸引濾過により粉末を採取し、その粉末に蒸留水を注ぎ中性になるまで洗浄した。このようにして、リチウムマンガンスピネルからLiを抜いた粉末を得た。前記の粉末を50℃にて20時間乾燥した後、乳鉢により凝集を崩し、粉砕して、スピネル型マンガン酸化物(1)を得た。
合成例2
リチウムマンガンスピネルの合成時に、電解二酸化マンガンおよび水酸化リチウムに加えて、酸化銅(CuO)を乾式混合した以外は、合成例1と同様にして、スピネル型マンガン酸化物(2)を得た。なお、電解二酸化マンガン、水酸化リチウムおよび酸化銅の混合比は、Li/(MnとCuの和)の比率が0.53になるようにし、かつCuの量が、MnとCuとの合計100モル%中、5モル%となるようにした。
合成例3
スピネル型マンガン酸化物(1)を電気炉(Barnstead社製「Type 1400 Furnaces」)にて200℃で20時間熱処理して、スピネル型マンガン酸化物(3)を合成した。
合成例4
リチウムマンガンスピネルの合成時に、電解二酸化マンガンおよび水酸化リチウムに加えて、水酸化ニッケル[Ni(OH)]を乾式混合した以外は、合成例1と同様にして、スピネル型マンガン酸化物(4)を得た。なお、電解二酸化マンガン、水酸化リチウムおよび水酸化ニッケルの混合比は、Li/(MnとNiの和)の比率が0.53になるようにし、かつNiの量が、MnとNiとの合計100モル%中、5モル%となるようにした。
合成例5
リチウムマンガンスピネルの合成時に、電解二酸化マンガンおよび水酸化リチウムに加えて、二酸化チタン(TiO)を乾式混合した以外は、合成例1と同様にして、スピネル型マンガン酸化物(5)を得た。なお、電解二酸化マンガン、水酸化リチウムおよび二酸化チタンの混合比は、Li/(MnとTiの和)の比率が0.53になるようにし、かつTiの量が、MnとTiとの合計100モル%中、5モル%となるようにした。
実施例1
合成例2で合成したスピネル型マンガン酸化物(2)、黒鉛、PTFE粉末および正極合剤調製用のアルカリ電解液(酸化亜鉛を2.9質量%含有する56質量%水酸化カリウム水溶液)を混合して正極合剤を調製した。なお、この正極合剤中、スピネル型マンガン酸化物(2)100質量部に対して、黒鉛は7.6質量部、PTFE粉末は1.0質量部、アルカリ電解液は4.5質量部であった。
次に、In、BiおよびAlをそれぞれ0.05質量%、0.05質量%および0.005質量%の割合で含有する亜鉛合金粒子、ポリアクリル酸ソーダ、ポリアクリル酸および負極合剤調製用のアルカリ電解液(酸化亜鉛を2.2質量%含有する33.5質量%水酸化カリウム水溶液)を39:0.2:0.2:18の質量比で混合し、ゲル状の負極合剤を調製した。なお、前記亜鉛合金粒子は、平均粒径が109μmで、80メッシュの篩い目を全て通過し、かつ200メッシュの篩い目を通過する亜鉛合金粒子が、全亜鉛合金粒子量に対して20質量%であって、そのかさ密度は2.63g/cmであった。
さらに、外装缶として、表面に無光沢Niメッキを施したキルド鋼板製で、図2に示す形状の単3形アルカリ電池用外装缶1を用意した。この外装缶1は、封口部分10の厚みが0.25mmで、胴部分20の厚みが0.16mmに加工され、また、電池を落下させたときに正極端子1bのへこみを防ぐために、正極端子部分の缶厚を胴部分20より多少厚くしている。この外装缶1を用いて、以下のようにしてアルカリ電池を作製した。
前記正極合剤:約11gを、前記外装缶1に挿入してリング状(中空円筒状)に加圧成形し、内径:9.1mm、外径:13.7mm、高さ:13.9mmの3個の正極合剤成形体が積み重なった状態とした。次に、外装缶1の開口端から高さ方向において3.5mmの位置にグルーブを施し、外装缶1と封口体6との密着性を向上させるために、このグルーブ位置まで外装缶1の内側にピッチを塗布した。
次に、厚みが100μmで目付が30g/mのアセタール化ビニロンとテンセルからなる不織布を三重に重ねて筒状に巻き、底部になる部分を折り曲げてこの部分を熱融着し、一端が閉じられたコップ状のセパレータ3とした。このセパレータ3を、外装缶1内に挿入された正極1の内側に装填し、注入用のアルカリ電解液(酸化亜鉛を2.2質量%含有する33.5質量%水酸化カリウム水溶液)1.35gをセパレータの内側に注入し、さらに、前記負極合剤:5.74gをセパレータ3の内側に充填して負極4とした。このとき、電池系内の水分量の合計は、正極活物質1g当たり0.261gであった。
前記発電要素の充填の後、表面が錫メッキされた真鍮製であり、ナイロン66製の封口体6と組み合わされた負極集電棒5を、負極4の中央部に差し込み、外装缶1の開口端部1aの外側からスピニング方式によりかしめることにより、図2に示す単3形アルカリ電池を作製した。ここで、前記負極集電棒5は、打ち抜き・プレス加工により形成された厚みが0.4mmのニッケルメッキ鋼板製の負極端子板7に、あらかじめ溶接により取り付けられたものを用いた。また、外装缶1の開口端と負極端子板7との間には、短絡防止のために絶縁板8を装着した。以上のようにして実施例1の筒形アルカリ電池を作製した。
実施例2
スピネル型マンガン酸化物(2)に代えて、合成例3で合成したスピネル型マンガン酸化物(3)を用いた以外は、実施例1と同様にして筒形アルカリ電池を作製した。
比較例1
スピネル型マンガン酸化物(2)に代えて、合成例1で合成したスピネル型マンガン酸化物(1)を用いた以外は、実施例1と同様にして筒形アルカリ電池を作製した。
比較例2
スピネル型マンガン酸化物(2)に代えて、合成例4で合成したスピネル型マンガン酸化物(4)を用いた以外は、実施例1と同様にして筒形アルカリ電池を作製した。
比較例3
スピネル型マンガン酸化物(2)に代えて、合成例5で合成したスピネル型マンガン酸化物(5)を用いた以外は、実施例1と同様にして筒形アルカリ電池を作製した。
実施例1、2および比較例1〜3の電池に使用したスピネル型マンガン酸化物の構成、以下に示す方法で測定したスピネル型マンガン酸化物のHg/HgO参照電極に対する電位、および以下に示す方法で検証したスピネル型マンガン酸化物の構造(リートベルト法によるS値)を表1に示す。
(スピネル型マンガン酸化物のHg/HgO参照電極に対する電位測定)
スピネル型マンガン酸化物100質量部と、2質量%濃度のCMC溶液10質量部と、水20質量部と、60質量%濃度のPTFEディスパージョン1質量部とを混合してペーストを調製し、このペーストを三次元ニッケル発泡体に充填後、これにニッケル線をスポット溶接した。前記の三次元ニッケル発泡体を、ZnOを2.18質量%含有する32質量%濃度のKOH水溶液(アルカリ電解液)中に浸漬し、Hg/HgOを参照電極として、室温で三次元ニッケル発泡体中のスピネル型マンガン酸化物の電位を測定した。
(スピネル型マンガン酸化物の構造の検証)
リートベルト法による結晶構造解析によりスピネル型マンガン酸化物を以下のように検証した。X線回折における線源にはCuKα線を使用し、スピネル型の結晶構造である空間群Fd3m(No.227)として解析し解析誤差の指標であるS値を確認した。ここで、S値が2未満の場合、本発明におけるスピネル型の結晶構造といえる。なお、実施例1の電池で使用したスピネル型マンガン酸化物(2)、および比較例1の電池で使用したスピネル型マンガン酸化物(1)のX線回折図を図3に示した。
Figure 2009043643
また、実施例1、2および比較例1〜3の筒形アルカリ電池について、下記の各評価を行った。結果を表2に示す。
(放電特性評価)
実施例1、2および比較例1〜3のアルカリ電池について、20℃で50mAの連続放電をそれぞれ行い、終止電圧0.9Vとした場合の放電容量を測定した。表2に示す結果は、比較例1のアルカリ電池の放電容量を100とした場合の、それぞれの電池の放電容量の相対値で示している。
(開路電圧測定)
実施例1、2および比較例1〜3のアルカリ電池について、電池作製後の開路電圧(OCV)を測定した。
(容量維持率の測定)
実施例1、2および比較例1〜3のアルカリ電池について、貯蔵による放電特性の劣化を、貯蔵前後の容量維持率として求めた。
ここで、容量維持率は、次の方法により求めた。実施例1、2および比較例1〜3のアルカリ電池の貯蔵前と、80℃で48時間貯蔵後の電池について、20℃で50mAの連続放電をそれぞれ行い、終止電圧0.9Vとした場合の放電容量を測定した。容量維持率は、前記の各放電時缶から次式により求められる「貯蔵後の放電時間に対する貯蔵前の放電時缶の割合」で評価した。なお、80℃で48時間の貯蔵は、20℃での2年程度の貯蔵を想定している。
容量維持率(%)=100×(貯蔵後の放電時間)/(貯蔵前の放電時間)
Figure 2009043643
表2から明らかなように、実施例1、2の電池は、比較例1〜3の電池に比べて放電容量が大きい。なお、放電容量測定では放電電流を50mAと比較的大きな電流値での放電を行っており、実施例1、2の電池は負荷特性が良好であることも分かる。また、実施例1、2の電池は、開路電圧が、通常の二酸化マンガンを使用した従来公知のアルカリ電池と同等程度の1.7V以下である。しかも、実施例1、2の電池は、比較例1〜3の電池に比べて容量維持率が高く、貯蔵特性にも優れていることが分かる。
本発明のアルカリ電池の一例を示す断面図である。 本発明のアルカリ電池の他の例を示す断面図である。 実施例1のアルカリ電池に用いたスピネル型マンガン酸化物(2)、および比較例1のアルカリ電池に用いたスピネル型マンガン酸化物(1)のX線回折図である。
符号の説明
1 外装缶
2 正極
3 セパレータ
4 負極
5 負極集電棒
6 樹脂製の封口体
7 負極端子板
8 絶縁板
9 金属ワッシャ
63 防爆用の薄肉部

Claims (9)

  1. 少なくともスピネル型マンガン酸化物を正極活物質として有するアルカリ電池用正極であって、
    前記スピネル型マンガン酸化物は、Hg/HgO参照電極に対する電位が0.26〜0.34Vであり、
    全正極活物質中における前記スピネル型マンガン酸化物の含有量が、30質量%以上であることを特徴とするアルカリ電池用正極。
  2. 全正極活物質中におけるスピネル型マンガン酸化物の含有量が、60質量%以上である請求項1に記載のアルカリ電池用正極。
  3. 正極活物質として、電解二酸化マンガンを更に含有するものである請求項1または2に記載のアルカリ電池用正極。
  4. スピネル型マンガン酸化物の電位が、Hg/HgO参照電極に対して0.27V以上である請求項1〜3のいずれかに記載のアルカリ電池用正極。
  5. スピネル型マンガン酸化物の電位が、Hg/HgO参照電極に対して0.28V以上である請求項4に記載のアルカリ電池用正極。
  6. スピネル型マンガン酸化物の電位が、Hg/HgO参照電極に対して0.32V以下である請求項1〜5のいずれかに記載のアルカリ電池用正極。
  7. スピネル型マンガン酸化物は、Cuを含有するものである請求項1〜6のいずれかに記載のアルカリ電池用正極。
  8. スピネル型マンガン酸化物は、Hg/HgO参照電極に対する電位が0.34Vを超えるスピネル型マンガン酸化物を、180〜220℃で15〜25時間熱処理してなるものである請求項1〜6のいずれかに記載のアルカリ電池用正極。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載のアルカリ電池用正極を有することを特徴とするアルカリ電池。
JP2007209316A 2007-08-10 2007-08-10 アルカリ電池用正極およびアルカリ電池 Active JP5235060B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007209316A JP5235060B2 (ja) 2007-08-10 2007-08-10 アルカリ電池用正極およびアルカリ電池
US12/188,036 US8153298B2 (en) 2007-08-10 2008-08-07 Positive electrode for alkaline battery and alkaline battery using the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007209316A JP5235060B2 (ja) 2007-08-10 2007-08-10 アルカリ電池用正極およびアルカリ電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009043643A true JP2009043643A (ja) 2009-02-26
JP5235060B2 JP5235060B2 (ja) 2013-07-10

Family

ID=40363231

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007209316A Active JP5235060B2 (ja) 2007-08-10 2007-08-10 アルカリ電池用正極およびアルカリ電池

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8153298B2 (ja)
JP (1) JP5235060B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015135724A (ja) * 2014-01-16 2015-07-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 アルカリ電池及びその製造方法

Families Citing this family (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20110219607A1 (en) * 2010-03-12 2011-09-15 Nanjundaswamy Kirakodu S Cathode active materials and method of making thereof
US8298706B2 (en) * 2010-03-12 2012-10-30 The Gillette Company Primary alkaline battery
US20110223477A1 (en) * 2010-03-12 2011-09-15 Nelson Jennifer A Alkaline battery including lambda-manganese dioxide and method of making thereof
US8303840B2 (en) * 2010-03-12 2012-11-06 The Gillette Company Acid-treated manganese dioxide and methods of making thereof
US9570741B2 (en) 2012-03-21 2017-02-14 Duracell U.S. Operations, Inc. Metal-doped nickel oxide active materials
US9028564B2 (en) 2012-03-21 2015-05-12 The Gillette Company Methods of making metal-doped nickel oxide active materials
US8703336B2 (en) 2012-03-21 2014-04-22 The Gillette Company Metal-doped nickel oxide active materials
US9793542B2 (en) 2014-03-28 2017-10-17 Duracell U.S. Operations, Inc. Beta-delithiated layered nickel oxide electrochemically active cathode material and a battery including said material
JP7105802B2 (ja) 2017-05-09 2022-07-25 デュラセル、ユーエス、オペレーションズ、インコーポレーテッド ベータ脱リチウム化層状酸化ニッケルの電気化学的に活性なカソード材料を含む電池

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006036360A2 (en) * 2004-09-28 2006-04-06 The Gillette Company Battery cathodes

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4312930A (en) * 1978-09-29 1982-01-26 Union Carbide Corporation MnO2 Derived from LiMn2 O4
US4507371A (en) * 1982-06-02 1985-03-26 South African Inventions Development Corporation Solid state cell wherein an anode, solid electrolyte and cathode each comprise a cubic-close-packed framework structure
US4604336A (en) * 1984-06-29 1986-08-05 Union Carbide Corporation Manganese dioxide and process for the production thereof
JPH0746607B2 (ja) * 1987-01-29 1995-05-17 三洋電機株式会社 非水系二次電池
JP2001307746A (ja) 2000-04-20 2001-11-02 Hitachi Maxell Ltd アルカリ電池
US6783893B2 (en) * 2001-11-19 2004-08-31 The Gillette Company Alkaline battery
JP3873760B2 (ja) * 2002-02-07 2007-01-24 松下電器産業株式会社 アルカリ電池
US7045252B2 (en) * 2002-08-08 2006-05-16 The Gillette Company Alkaline battery including lambda-manganese dioxide
US20040248007A1 (en) * 2003-06-09 2004-12-09 Hiromi Tamakoshi Positive electrode for alkaline battery and alkaline battery using the same
US20060183019A1 (en) * 2005-02-15 2006-08-17 Rovcal, Inc. Adhesive for use in an electrochemical cell
US7771873B2 (en) * 2005-07-12 2010-08-10 Panasonic Corporation Alkaline battery
JP2007048737A (ja) 2005-07-12 2007-02-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ電池
JP2007026896A (ja) 2005-07-15 2007-02-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ電池
JP2007123149A (ja) 2005-10-31 2007-05-17 Matsushita Electric Ind Co Ltd アルカリ電池
EP1892780A3 (en) * 2006-08-23 2010-11-10 Rovcal, Inc. Copper-manganese mixed oxide cathode material for use in alkaline cells having high capacity

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006036360A2 (en) * 2004-09-28 2006-04-06 The Gillette Company Battery cathodes

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015135724A (ja) * 2014-01-16 2015-07-27 パナソニックIpマネジメント株式会社 アルカリ電池及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5235060B2 (ja) 2013-07-10
US8153298B2 (en) 2012-04-10
US20090047578A1 (en) 2009-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5235060B2 (ja) アルカリ電池用正極およびアルカリ電池
US5462821A (en) Gallium based active material for the negative electrode, a negative electrode using the same, and batteries using said negative electrode
JP5240897B2 (ja) アルカリ電池
JP4425100B2 (ja) アルカリ電池
JP4827501B2 (ja) アルカリ電池
US20230138630A1 (en) Nickelate cathode materials
JP4156004B2 (ja) アルカリ電池
JP2003017077A (ja) 密閉型アルカリ亜鉛一次電池
JP2010153287A (ja) アルカリ電池
CN1176508C (zh) 碱性蓄电池以及用于碱性蓄电池的正极
JP2010010012A (ja) アルカリ電池
JP2009043417A (ja) 筒形アルカリ電池
CN109983601A (zh) 非水电解质二次电池用正极及非水电解质二次电池
JP2002093413A (ja) 電 池
JP2018037359A (ja) アルカリ電池
JP5019634B2 (ja) アルカリ電池
JP2009043461A (ja) アルカリ電池
US11611072B2 (en) Coating on nickelate cathode materials
JP2004139909A (ja) 密閉型ニッケル亜鉛一次電池
Gbadamasi et al. Zinc Batteries: Basics, Materials Functions, and Applications
JP2001313069A (ja) ニツケル水素蓄電池
JP3968248B2 (ja) アルミニウム電池
JP5116249B2 (ja) アルカリ蓄電池用正極
JP4327586B2 (ja) アルミニウム一次電池
JP3942253B2 (ja) ニッケル電極活物質およびこれを用いた非焼結式ニッケル電極ならびにこの非焼結式ニッケル電極を用いたアルカリ蓄電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100416

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20110519

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20110526

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130107

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130325

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130325

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5235060

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160405

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250