JP2009018234A - カーボンナノコイル製造用触媒およびカーボンナノコイルの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶性が高く、コイル径の小さいカーボンナノコイルを得るため、得られるカーボンナノコイルの比率を制御することができ、高い成長率でカーボンナノコイルを製造することができるカーボンナノコイル製造用触媒およびこれを用いるカーボンナノチューブの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る触媒(カーボンナノコイル製造用触媒)5は、カーボンナノコイル6を製造する触媒であって、鉄を主成分とする薄層5aと、スズを主成分とする薄層5bとが交互に積層蒸着されてなる3層以上の薄層からなり、薄層5aおよび薄層5bの厚さがそれぞれ3nm以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、カーボンナノコイル製造用触媒およびカーボンナノコイルの製造方法に関するものである。
従来カーボンナノ構造物として、カーボンナノチューブおよびカーボンナノコイル等が広く用いられている。特に、カーボンナノコイルは、導電性を有しかつコイル形状であることから高性能な電磁波吸収材料としての利用が期待されるとともに、ナノメートルオーダーの大きさであることから、マイクロマシンのスプリングやアクチュエーターの材料としても注目されている。
カーボンナノチューブの製造方法については、1994年にアメリンクス等により初めて、Fe、Co、Ni等の金属触媒を微小粉末に調製し、この金属触媒の近傍を600℃〜700℃に加熱し、この触媒に接触するようにアセチレン等のガスを流しカーボンナノコイルを生成する方法が非特許文献1において報告されている。
しかし、この方法は、グラファイト構造からなる線状、曲線状、コイル状等の様々な形状のカーボン生成物が生成するものであった。以来、コイル状のカーボン生成物であるカーボンナノコイルの生成率が高く、工業的に利用できる触媒、製造方法等について多くの報告がなされている。
また、カーボンナノ構造物を製造する方法として、炭化水素などの原料ガスを分解して目的物質を成長させる化学的気相成長法(CVD法、Chemical Vapor Deposition)、また上記CVD法の一形態である、触媒を利用して目的物質を成長させる触媒化学的気相成長法(CCVD法、Catalyst Chemical Vapor Deposition)が広く用いられている。
非特許文献2には、シリカ上に鉄またはコバルトが形成された触媒を用いて、アセチレンを原料として、700℃の温度下にて、カーボンナノ構造物を得る方法が開示されている。また、非特許文献3には、アルミナ上に硝酸鉄が形成された触媒を用いて、エチレンを原料として、700℃の温度下にて、カーボンナノチューブを得る方法が開示されている。
さらに、非特許文献4には、炭酸マグネシウムに硝酸鉄を、シリカに鉄を、ゼオライトにニッケルを担持させた触媒をそれぞれ用い、700℃の温度下にて、カーボンナノ構造物を得る方法が開示されている。
S. Amelinckx, et.al., 「A Formation Mechanism for Catalytically grown Helix-Shaped Graphite Nanotubes」, Science 265, p.635-639(1994). A. Fonseca, et. al., 「Synthesis of single-and multi-wall carbon nanotubes over supported catalysts」, Appl. Phys. A 67, p.11-22(1998). Ruiping Gao, et. al., 「Kinetically Controlled Growth of Helical and Zigzag Shapes of Carbon Nanotubes」, J. Phys. Chem.. B 104, p.1227-1234(2000). Jining Xie, et. al., 「Catalytic chemical vapor deposition synthesis and electron microscopy observation of coiled carbon nanotubes」, Smart Mater. Struc. 12, p.744-748(2003).
しかしながら、上記従来のカーボンナノ構造物の製造方法では、結晶性が高く、コイル径の小さいカーボンナノコイルを効率良く得ることができないという問題点を有している。
具体的には、非特許文献1〜4に開示されたカーボンナノ構造物の製造方法によって、コイル径の小さいカーボンナノコイルを得ようとする場合、得られるカーボン構造物中のコイル径の小さいカーボンナノコイルの成長率は低い値である。さらに、上記の非特許文献1〜4に開示された触媒を用いた製造方法では、得られるコイル径の小さいカーボンナノコイルの比率を制御することが困難であり、また、カーボンナノチューブに対して得られるカーボンナノコイルの成長率は低い。
カーボンナノコイルを電磁波吸収材料などに用いるためには、カーボンナノコイルの長さおよび密度が所定の範囲内であることが製品の品質を一定にするために好ましいため、得られるカーボンナノチューブに対しカーボンナノコイルの比率を制御し、この成長率を向上させることは非常に重要である。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、結晶性が高く、コイル径の小さいカーボンナノコイルを得るため、得られるカーボンナノコイルの比率を制御することができ、高い成長率でカーボンナノコイルを製造することができるカーボンナノコイル製造用触媒およびこれを用いるカーボンナノチューブの製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討した結果、鉄およびスズを用いた触媒の作製にあたり、より鉄原子あるいはクラスターおよびスズ原子あるいはクラスターが混合されたカーボンナノコイル製造用微粒子触媒が製造できれば、よりコイル径の小さいカーボンナノコイルをより効率的に得られるのではないかとの仮説に基づき本発明を創作するに至った。
本発明のカーボンナノコイル製造用触媒は、上記課題を解決するために、カーボンナノコイルを製造する触媒であって、鉄を主成分とする薄層と、スズを主成分とする薄層とが交互に積層蒸着されてなる3層以上の薄層からなり、上記薄層の厚さがそれぞれ3nm以下であることを特徴としている。
上記の発明によれば、3nm以下の薄い厚さである、鉄またはスズを主成分とする薄層が、互いに3層以上積層されているため、鉄およびスズの原子あるいはクラスターが混合し易い構成となっている。このため、加熱過程あるいはCVD過程でFe−Snの合金を作りやすく、しかも薄膜であるので、Fe−Snを含む微粒子を形成しやすいため、得られるカーボンナノチューブに対するカーボンナノコイルの比率を向上させることができ、結晶性が高く、コイル径の小さいカーボンナノコイルを効率良く得ることができる。また、鉄あるいはスズを主成分とする薄層の厚さを調節することによって、得られるコイル径の小さいカーボンナノコイルの比率を制御することもできる。コイル径の小さいカーボンナノコイルとは、具体的には、外直径150nm以下、線径30nm以下の単層、二層あるいは多層カーボンナノコイルを含むものである。また、単層、二層あるいは多層カーボンナノコイルとはコイル状に成長した単層、二層あるいは多層カーボンナノチューブをいう。
本発明のカーボンナノコイル製造用触媒は、上記課題を解決するために、カーボンナノコイルを製造する触媒であって、鉄およびスズが少なくとも共蒸着されてなる薄層を有することを特徴としている。
上記の発明によれば、鉄およびスズが共蒸着されてなるため、上記カーボンナノコイル製造用触媒において、鉄およびスズの原子あるいはクラスターが混合し易い構成となっている。このため、加熱過程あるいはCVD過程でFe−Snの合金を作りやすく、しかも薄膜であるので、Fe−Snを含む微粒子を形成しやすいため、得られるカーボンナノチューブに対するカーボンナノコイルの比率を向上させることができ、結晶性が高く、コイル径の小さいカーボンナノコイルを効率良く得ることができる。また、鉄あるいはスズを主成分とする薄層の厚さを調節することによって、得られるコイル径の小さいカーボンナノコイルの比率を制御することもできる。
また、本発明のカーボンナノコイル製造用触媒は、アークプラズマガンによる蒸着によって上記薄層が形成されていることが好ましい。
アークプラズマガンによれば、非常に薄い膜、例えば、1nm程度の薄膜であっても簡便に形成することができ、アークプラズマガンを用いることにより真空を維持しつつ、積層蒸着された薄膜を容易に作製することができる。また、二台のアークプラズマガンを同時に作動することにより鉄およびスズの共蒸着層を容易に作製することもでき、上記カーボンナノコイル製造用触媒が容易に作製されることができる。
また、本発明のカーボンナノコイル製造用触媒は、上記鉄およびスズの原子数比は、1:10から10:1までの範囲内であることが好ましい。
上記の範囲であることによって、カーボンナノコイルの密度、および、カーボンナノチューブに対するカーボンナノコイルの成長率をより向上させることができる。
また、本発明のカーボンナノコイル製造用触媒は、スズが酸化されていることが好ましい。
これによって、カーボンナノコイル製造用触媒のうち薄層に含まれるスズを融点の高いSn−Oを含む酸化物を形成することができ、加熱過程でのスズ蒸発の防止、カーボンナノコイル製造用触媒におけるスズの含有量が減少し難いカーボンナノコイル製造用触媒を提供できる。
また、本発明のカーボンナノコイル製造用触媒は、スズが酸化される温度が、スズの融点未満であることが好ましい。
上記温度範囲にて、スズを酸化することにより、カーボンナノコイル製造用触媒からスズの成分が減少する量を低減できるカーボンナノコイル製造用触媒の提供が可能である。
また、本発明のカーボンナノコイル製造用触媒は、上記鉄およびスズの原子数比は、1:1から4:1までの範囲内であることが好ましい。
上記の範囲であることによって、スズが酸化されているカーボンナノコイル製造用触媒を用いることによって製造されたカーボンナノコイルの密度、および、カーボンナノチューブに対するカーボンナノコイルの成長率をさらに向上させることができる。
また、本発明のカーボンナノコイルの製造方法は、カーボンナノコイル製造用触媒を用いるカーボンナノコイルの製造方法であって、外直径150nm以下、線径30nm以下のカーボンナノコイルを化学的気相成長法により製造する製造方法である。
上記カーボンナノコイル製造用触媒を用いるため、上記のような結晶性が高く、コイル径の小さいカーボンナノコイルを得ることができる。また、スズによるカーボンナノチューブの成長を抑制する効果を好ましく得ることができ、得られるカーボンナノチューブに対するカーボンナノコイルの比率を向上させることができ、効率良くカーボンナノコイルを得ることができる。さらに、鉄あるいはスズを主成分とする薄層の厚さを調節することによって、得られるカーボンナノコイルの比率を制御することもできる。
本発明のカーボンナノコイル製造用触媒は、以上のように、鉄を主成分とする薄層と、スズを主成分とする薄層とが交互に積層蒸着されてなる3層以上の薄層からなり、上記薄層の厚さがそれぞれ3nm以下であるものである。
また、本発明のカーボンナノコイル製造用触媒は、以上のように、鉄およびスズが少なくとも共蒸着されてなる薄層を有するものである。
それゆえ、加熱過程あるいはCVD過程でFe−Snの合金を作りやすく、しかも薄膜であるので、Fe−Snを含む微粒子を形成しやすいため、得られるカーボンナノチューブに対するカーボンナノコイルの比率を向上させることができ、結晶性が高く、コイル径の小さいカーボンナノコイルを効率良く得ることができる。また、鉄あるいはスズを主成分とする薄層の厚みを調節することによって、得られるコイル径の小さいカーボンナノコイルの比率を制御することもできる。
〔実施の形態1〕
<カーボンナノコイル製造装置の構成>
まず、本発明実施の形態にて用いられるカーボンナノコイル製造装置について以下に説明する。まず、「カーボンナノ構造物」とは炭素原子から構成されるナノサイズの物質であり、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブにビーズが形成されたビーズ付カーボンナノチューブ、カーボンナノチューブが多数林立したカーボンナノブラシ、カーボンナノチューブが捩れを有したカーボンナノツイスト、コイル状のカーボンナノコイルなどを含んでいる。本明細書では、これら物質を「カーボンナノ構造物」と総称する。
図1は、カーボンナノコイル製造装置10の構成を示す断面図である。カーボンナノコイル製造装置10の筐体となる反応槽1の周囲には、加熱装置2が設置され、反応槽1の内部には等温領域となる反応室3が形成されている。また、カーボンナノコイル製造部1内へは、原料ガスおよびキャリアガスが矢印方向から供給され、排気される構成となっている。
供給がなされるガスとしては、炭化水素ガスである原料ガスとキャリアガスとが供給される。原料ガスはカーボンナノ構造物を成長させる炭素源ガスで、炭化水素のみならず、窒素含有有機ガス、硫黄含有有機ガスおよびリン含有有機ガス等の有機ガスが広く利用される。この中でも、余分な物質を生成しない意味で炭化水素が好適である。
炭化水素としては、メタン、エタンなどのアルカン化合物、エチレン、ブタジエンなどのアルケン化合物、アセチレンなどのアルキン化合物、ベンゼン、トルエン、スチレンなどのアリール炭化水素、ナフタリン、フェナントレンなどの芳香族炭化水素、シクロプロパン、シクロヘキサンなどのシクロパラフィン化合物などが利用できる。また、2種以上の混合炭化水素ガスでもよく、特に、望ましくは、低分子炭化水素、例えばアセチレン、アリレン、エチレン、ベンゼン、トルエンなどを挙げることができる。
キャリアガスとしては、He、Ne、Ar、N、Hなどのガスを挙げることができ、カーボンナノコイル製造装置10ではHeガスが使用されている。キャリアガスは炭素化合物ガスを搬送するガスであり、炭素化合物ガスが反応により消費されるのに対して、キャリアガスは全く無反応で消耗しないガスが使用される。
加熱装置2は、反応槽1を加熱し、反応室3の温度を一定温度にするための装置である。加熱装置2としては従来公知の加熱装置を用いればよく、例えば、電気炉、赤外線炉、IH加熱器、マントルヒーター、ベルトヒーター、リボンヒーターなどを用いることができる。
反応室3の所定位置には、カーボンナノコイル製造用触媒である触媒5が形成された基板4が配置されている。基板4の材料としては、例えば、石英を含むガラス基板、シリコンウェーハ、サファイア基板などを用いることができる。触媒5については、詳細に後述する。通常用いられる触媒5の種類によって、得られるカーボンナノ構造物におけるカーボンナノチューブに対するカーボンナノコイルの比率は異なるが、この事項についても詳細に後述する。
カーボンナノコイルの長さ、密度などの物性は、平面型ディスプレイの電子銃や複合膜などの用いられる製品に応じて好ましい値が適宜存在するので、好ましい値を特定することは困難である。しかし、得られるカーボンナノコイルの物性を所望の範囲内に制御することは非常に困難であるため、上記物性の制御を容易に行うことができれば、安定した品質にて、カーボンナノコイルを生産することができる。
反応室3の中は加熱装置2によって所定温度に加熱される。加熱温度は原料ガスが触媒により分解される最低温度以上に調節されればよい。従って、触媒の種類と炭素化合物ガスの種類によって加熱温度は適宜調整される。また、使用されるCVDの方法、例えば、熱CVD、プラズマCVDなどの種類に応じても適宜調整される。
反応室3において反応に使用されずに残存した原料ガスおよびキャリアガスは、矢印方向の下流へと移動される。この残存した原料ガスおよびキャリアガスの移動には、図示しないが、矢印方向の下流において減圧装置が備えられている構成とすることができる。減圧装置としては真空ポンプを例示することができる。これによって、反応室3内部側と、減圧装置側とに圧力差を生じさせることができ、残存した原料ガスおよびキャリアガスを反応室3の外部に排出することができるのである。
<カーボンナノコイル製造用触媒>
本実施の形態に係るカーボンナノコイル製造用触媒は、鉄を主成分とする薄層と、スズを主成分とする薄層とが交互に積層蒸着されてなる3層以上の薄層からなり、上記薄層の厚さがそれぞれ3nm以下であるものである。
図2は、触媒5を示すより詳細な断面図である。同図に示すように、触媒5は、鉄を主成分とする薄層5aとスズを主成分とする薄層5bとが互いにされ、8層構造となっている。薄層5aは、鉄を主成分としており、薄層5aに対して鉄が99%以上含まれている。また、薄層5bは、スズを主成分としており、薄層5bに対して、スズが99%以上含まれている。上記のようにスズと鉄の薄積層膜が上記の構成であることによって、加熱過程あるいはCVD過程でFe−Snの合金を作りやすく、しかも薄膜であるので、Fe−Snを含む微粒子を形成しやすいため、結晶性が高く、コイル径の小さいカーボンナノコイルを効率良く得る上で好適である。
上記結晶性が高いとは、一例として、ラマンスペクトルでカーボンナノコイルを測定する場合、グラファイト相(1500cm−1〜1600cm−1付近)を反映するGバンドと欠陥やアモルファス相を反映するDバンド(1300cm−1〜1400cm−1付近)という二つ大きなピークが観測される。そのGバンドとDバンドとのピーク値の比をG/D比という。G/D比が大きければ大きい程、結晶性が高いということができる。CVD法で作製したカーボンナノチューブのG/D比は0.9より大きい。高結晶性のカーボンナノコイルのG/D比も0.9以上である。また、カーボンナノコイルが結晶性を有する場合、試料の電子線回折ではグラファイトの(002)面を示す回折パターンがはっきりと観測される。
また、コイル径の小さいカーボンナノコイルとは、明確に定義することは困難であるが、具体的には、外直径150nm以下、線径30nm以下のカーボンナノコイルを示すものということができる。上記の寸法であれば、カーボンナノチューブと同様、線径が30nm以上になるとカーボンナノコイルを構成するグラフェンの構造が乱れやすくなり、逆にアモルファス構造になる傾向が示される。カーボンナノコイルがアモルファス構造の傾向を示した場合には、結晶性が低下し、導電性などの物性が低下するおそれがある。
触媒5は、同図に示すように8層となっているが、3層以上であればよく、3層に限定されるものではない。層数は多い方がより好ましく例えば本実施の形態のように8層構造であればさらに好ましい。触媒が3層未満、例えば、2層で形成されている場合には、薄層5aおよび薄層5bを形成した後に、鉄の原子あるいはクラスターと、スズの原子あるいはクラスターとが混合し難くなるので、好ましくない。
薄層5aおよび薄層5bのそれぞれの厚さは3nm以下であればよいが、触媒5の触媒活性の観点から、一原子層以上であることが好ましい。
また、薄層5aおよび薄層5bのそれぞれの厚さが2nm以下であれば、より鉄原子あるいはクラスターとスズ原子あるいはクラスターとが混合しやすくなる構成とできるため、より好ましい。
薄層5aおよび薄層5bに含まれる鉄およびスズの原子数比は、主に膜厚を調整することによって調節することができる。上記鉄およびスズの原子数比は、1:10から10:1までの範囲内であることが好ましい。また、後述するように触媒5が酸化されている場合には、上記鉄およびスズの原子数比は、1:5から5:1までの範囲内であることがさらに好ましく、1:1から4:1までの範囲内であることが特に好ましい。上記の範囲であることによって、得られるカーボンナノコイルの密度、および、カーボンナノチューブに対するカーボンナノコイルの成長率をより向上させることができる。
触媒5を製造する方法としては、気相法として、物理的気相蒸着法(PVD法、Physical Vapor Deposition)と化学的気相蒸着法(CVD法、Chemical Vapor Deposition)が利用できる。CVD法は化学的気相成長法とも呼ばれる。
PVD法としては、真空蒸着、電子ビーム蒸着、レーザーアブレーション、分子線エピタキシ(MBE、Molecular Beam Epitaxy)、反応性蒸着、イオンプレーティング、クラスタイオンビーム、グロー放電スパッタリング、イオンビームスパッタリング、反応性スパッタリングなどがある。MBE法でも、有機金属原料(MO、Metal Organic)を用いたMOMBEや、化学線エピタキシ(CBE、Chemical Beam Epitaxy)、ガスソースエピタキシ(GSE、Gas Source Epitaxy)が利用できる。
CVD法としては、熱CVD、有機金属CVD(MOCVD)、RFプラズマCVD、ECRプラズマCVD、光CVD、レーザーCVD、水銀増感法などがある。
この中でも特に、アークプラズマガンを用いて触媒5を形成することが好ましい。アークプラズマガンによる蒸着によって上記薄層が形成されていることよって、高真空中非常に良質な薄い膜、例えば、1nm程度の薄膜を簡便に形成することができ、積層蒸着された薄膜を容易に作製することができるからである。
触媒5にはスズが含まれているが、スズは融点が約232℃と低く、カーボンナノコイルを得る際の温度条件下において、気化してしまうおそれがある。このため、触媒5はアニール処理等がなされ、スズが酸化されていることが好ましい。これによって、触媒5のうち薄層5bに含まれるスズを融点の高いSn−Oを含む酸化物を形成することができ、加熱過程でのスズ蒸発の防止、触媒5におけるスズの含有量が減少することを抑制することができる。その結果、触媒5の活性が低下することを抑制することができるという効果を得ることができる。また、触媒5に含まれるスズを酸化させる温度としては、スズが気化することを抑制できるよう、スズの融点未満であることが好ましい。これにより、酸化時において触媒5からスズの成分が減少する量を低減することができる。
<カーボンナノ構造物の製造方法>
次に本実施の形態に係るカーボンナノ構造物の製造方法について説明する。本製造方法を実施するための装置としては特に限定されるものではないが、例えば、カーボンナノコイル製造装置10を用いることができる。
本実施の形態に係るカーボンナノコイルの製造方法では、上述した本実施の形態に係るカーボンナノコイル製造用触媒が用いられる。カーボンナノコイルの製造方法は、カーボンナノコイル製造用触媒が用いられていればよく、公知のカーボンナノ構造物の製造方法を採用することができる。一例として、触媒を加熱する加熱工程と、原料ガスおよびキャリアガスを供給し、原料ガスを触媒に接触させることによって、カーボンナノ構造物を成長させる成長工程とを含んでいる製造方法を挙げることができる。なお、これらはカーボンナノ構造の製造がバッチ反応であっても、連続的に製造を行う場合であっても用いられることができる。
<加熱工程>
加熱工程では、原料ガスが触媒によって分解される最低限の温度以上に触媒を加熱する。カーボンナノコイル製造装置10を用いる場合、反応室3の内部が加熱装置2によって加熱されることによって触媒5を加熱する。加熱温度は、触媒の種類と原料ガスの種類とによって適宜調節すればよいが、一例として、600℃以上に設定することができる。
<成長工程>
成長工程では、原料ガスおよびキャリアガスを触媒に供給し、カーボンナノ構造物の成長を行う。具体的には、供給された原料ガスは、加熱された触媒の表面に接触することによって分解される。これによって分解生成された炭素原子が触媒表面に堆積されカーボンナノ構造物が形成される。
成長工程における反応室内の圧力としては、採用する反応条件によって適宜調節されるが、例えば、大気圧にて反応を行うことができる。また、反応時間については、反応条件、および、所望のカンーボンナノコイルの長さなどに応じて適宜変更すればよい。
カーボンナノコイル製造装置10を用いる場合、原料ガスおよびキャリアガスを供給し、反応室3にて触媒5と原料ガスとを接触させることによって、カーボンナノコイル6を成長させることができる。
〔実施の形態2〕
本発明に係る他の実施の形態について図3に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
<カーボンナノ製造用触媒>
本実施の形態においては、カーボンナノコイル製造用触媒の構成が異なるものの、図1に示すカーボンナノコイル製造装置10、実施の形態1におけるカーボンナノコイルの製造方法を採用することができる。
図3は、基板4に担持された触媒5cを示す断面図である。本実施の形態に係る触媒5cは、図2に示す触媒5とは異なり、積層構造ではなく、鉄およびスズが少なくとも共蒸着されてなる薄層を有する。薄層の成分としては鉄およびスズが、原子数比1:10から10:1までの範囲内における比率となっている。また、薄層の全体量に対し、鉄およびスズが99%以上含まれている。
触媒5cの厚さについては特に限定されるものではないが、触媒活性の観点から、0.5nm以上10nm以下であることが好ましい。
上記のように触媒5cが共蒸着されてなることによって、得られるカーボンナノコイルの比率を制御することができ、高い成長率でカーボンナノコイルを製造することができる。これは、触媒5が共蒸着によって形成されているため、触媒5cに含まれる鉄原子あるいはクラスターおよびスズ原子あるいはクラスターを均一な状態で混合させることができるからであると考えられる。
なお、鉄およびスズの原子数の好ましい比率および触媒5cのうちスズが酸化されていることによって、スズが気化することを抑制できる点については、実施の形態1で説明した通りである。また、触媒を製造する方法として、アークプラズマガンを用いることが好ましい点についても同様である。
触媒5cに含まれる鉄およびスズの原子数比は、蒸着レートと時間あるいは放電回数等を調整することによって調節することができる。上記鉄およびスズの原子数比は、1:10から10:1までの範囲内であることが好ましい。また、触媒5cが酸化されている場合、上記鉄およびスズの原子数比は、1:1から4:1までの範囲内であることがさらに好ましい。上記の範囲であることによって、得られるカーボンナノコイルの密度、および、カーボンナノチューブに対するカーボンナノコイルの成長率をより向上させることができる。触媒5cを用いて従来公知のカーボンナノコイルの製造方法を用いてカーボンナノコイルを製造することができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に、上述したカーボンナノコイル製造用触媒を用いてカーボンナノコイルを製造した実施例について説明する。カーボンナノコイル製造用触媒は、アークプラズマガン APG−1000(ULVAC株式会社製)を用いて作製した。また、得られたカーボンナノコイル(カーボンナノ構造物)は、走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S−4300)を用いて撮影し、カーボンナノコイル径およびコイル線径は、走査型電子顕微鏡(SEM)(Hitachi S−4300)を用いることによって計測し、また、密度は、精密天秤を用いることによって測定し、換算することができる。
〔実施例1〕
図2に示す8層に積層蒸着された触媒5を用いた。触媒5の形成はアークプラズマガンを用いて行い、鉄を主成分とする薄層5aの厚さはそれぞれ1nm、スズを主成分とする薄層5bはそれぞれ2nmである。
カーボンナノコイル製造装置10に触媒5を設置し、反応室3内部の温度を加熱装置2によって700℃に上昇させた。その後、流量が30cc/分(sccm):230cc/分(sccm)のアセチレンおよびヘリウムを反応室3に供給した。その状態で成長反応を10分行い、反応室3を空冷し、カーボンナノコイルIaを得た。
得られたカーボンナノコイルIaのSEM写真を図5に示す。得られたカーボンナノコイルIの密度は3.00×10本/cmであった。
〔比較例1〕
実施例1において、触媒として、図4に示す2層に積層蒸着された触媒50を用いた。触媒の形成はアークプラズマガンを用いて行い、鉄を主成分とする薄層50aの厚さは4nm、スズを主成分とする薄層50bは8nmである。
触媒50を用いた以外の条件については実施例1と同様に行った。得られたカーボンナノコイルIIのSEM写真を図6に示す。得られたカーボンナノコイルIIの密度は2.32×10本/cmであった。
実施例1において得られたカーボンナノコイルIaは、カーボンナノコイルIIに比べ、密度が30%高い値を示した。実施例1と比較例1との結果から、カーボンナノコイル製造用触媒としては、触媒5のように8層構造である方が、鉄およびスズの原子あるいはクラスターが混合しやすいため、カーボンナノコイルの製造に有利であることが分かる。
〔実施例2〕
実施例2においては、触媒5を構成する薄層5aおよび薄層5bの比率を変化させた触媒15、触媒25を作製した。触媒15および触媒25は触媒5と同様に8層構造であり、薄層5aおよび薄層5bは互いに積層されてなっている。
触媒15は、触媒5の鉄を主成分とする薄層5aとスズを主成分とする薄層5bの膜厚はそれぞれ0.5nmおよび2nmである。原子数比としては、鉄:スズは約1:2の比率となっている。一方、触媒25は、薄層5aおよび薄層5bの膜厚は、それぞれ0.25nmおよび2nmである。原子数比としては、鉄:スズは約1:4の比率となっている。
触媒5、触媒15、触媒25を用い、触媒を変更した以外は実施例1と同条件でカーボンナノコイルを製造した。得られたカーボンナノコイルIa、Ib、IcのSEM写真を図7に示す。同図中において、CNCとはカーボンナノチューブの略称であり、CNTとはカーボンナノコイルの略称である。同図に示すように、鉄に対するスズの原子数比が増加するに従い、カーボンナノチューブの密度が低下することが分かる。
また、鉄に対するスズの原子数比が増加するに従い、カーボンナノチューブに対するカーボンナノコイルの比率は増加する傾向が確認された。これは、余分なSnがカーボンナノチューブの成長を抑制することができるためであると考えられる。
〔実施例3〕
実施例3においては、カーボンナノコイル製造用触媒を酸化させ、カーボンナノコイルの製造を行った。触媒としては、実施例2にて作製した触媒25を用いた。まず、触媒25に対し、マッフル炉を用いて、空気中120℃、12時間かけアニール処理を施した。
アニール処理を施していない触媒25と、アニール処理を施した触媒25とをそれぞれ用いて、触媒を変更した以外は、実施例1の条件にてカーボンナノコイルの製造を行った。得られた、カーボンナノコイルIIIaのSEM写真を図8に、カーボンナノコイルIIIbのSEM写真を図9にそれぞれ示す。
図8および図9を比較すると、カーボンナノコイルIIIbの方がよりカーボンナノコイルが多く生成していることが明白である。触媒25にアニール処理を施した場合、図8に示すように、カーボンナノチューブの成長はほとんど観測されなかった。このことから、スズが酸化し、安定な酸化スズとなることによって、スズの気化を抑制することができ、カーボンナノチューブの成長を効率よく抑制することができたと推察される。
〔実施例4〕
実施例4では、反応経過におけるカーボンナノコイルの成長過程を観察した。カーボンナノコイル製造用触媒としては、触媒5において薄層5aおよび薄層5bを共に2nmとした触媒35を用いた。触媒35における鉄:スズの原子数比率は約2:1である。さらに、この触媒35に酸化を施すため、実施例3と同様の条件にてアニール処理を行った。なお、触媒35の基板としては、二酸化ケイ素を用いた。
カーボンナノコイルの製造条件としては、触媒35に原料ガスであるアセチレンを30cc/分(sccm)、ヘリウムを230cc/分の流量にて供給した。その後、原料ガスを700℃に加熱した。原料ガスを700℃に昇温させた反応開始から1分後、3分後、15分後に成長したカーボンナノコイルのSEM写真をそれぞれ、図10〜図13に示した。
図10における図(a)〜図(c)は、反応開始から1分後のカーボンナノコイルをそれぞれ示している。図(c)は、図(a)、(b)よりも200倍の倍率で撮影した写真である。これらの図から、コイル径約20nm〜60nmのカーボンナノコイルが成長していることがわかる。
図11における図(a)〜(c)は、反応開始から3分後のカーボンナノコイルを示している。図(a)〜(c)に示すように、カーボンナノコイルは成長し、その長さが約1μm以上となっていることが観測された。また、カーボンナノコイルの直径は約20nmであった。このように、反応開始1分後よりも、カーボンナノコイルが成長したことが観測された。
図12における図(a)〜(c)は、反応開始から15分後のカーボンナノコイルを示している。これらの図からブラシ状のカーボンナノコイルを含むカーボンナノチューブが成長していることが分かる。図(a)は成長したブラシ状のカーボンナノチューブをピンセットで引き取ってから基板上に残ったカーボンナノコイルを拡大したSEM写真である。図(a)に示すように、カーボンナノコイルが約7μmの長さに成長したことが観察された。また、図(b)は図(a)に示したブラシ状のカーボンナノコイルの先端部を撮影したSEM写真である。反応開始15分後には、図(c)に示すように、多数のカーボンナノコイルが成長したことが明確に観測された。
図13における図(a)〜(c)は、図12における反応開始15分後において観察されたカーボンナノコイルを示すSEM写真である。図(a)に示すカーボンナノコイルのうち矢印A1は底部を示しており、矢印A2は先端部を示している。図(b)は、図(a)における矢印A1が示すカーボンナノコイルの底部を詳細に示す図である。また、(図(c)は、図(a)における矢印A1が示すカーボンナノコイルの先端部を詳細に示す図である。図(b)における矢印Bで示すカーボンナノコイルの底部と、図(c)における矢印Cで示す同基板上他のところにあるカーボンナノコイルの底部とは共に直径が約50nmの触媒粒子が存在し、カーボンナノコイルの底部において、順次アセチレンの分解が行われることによってカーボンナノコイルが成長すると予想される。
〔実施例5〕
実施例5では、カーボンナノコイル製造用触媒として、図3に示す共蒸着された触媒5cを用いて、カーボンナノコイルの製造を行った。本実施例で用いる触媒5は、蒸着の量を膜厚に換算した場合、その鉄およびスズの比率を、それぞれ2nm、4nm、8nmと変更し、アークプラズマガンを用いて作製した。その後、作製した触媒に対し、マッフル炉を用いて、150℃、12時間かけアニール処理を施し、触媒を酸化させた。アニール処理における温度は、スズの融点よりも低い値に設定されている。なお、基板4としては、二酸化ケイ素膜をつけたシリコン基板を用いた。
上記の触媒5cを用いた以外は、実施例4と同様の条件にてカーボンナノコイルの製造を行った。それぞれの触媒を用いて得られたカーボンナノチューブのSEM写真を図14に示した。
同図に示すSEM写真中は、触媒5cにおいて、換算膜厚で鉄およびスズの膜厚を2nm、4nm、8nmにそれぞれ調整した場合に得られたカーボンナノ構造物を示している。各写真を観察したところ、何れの場合にも、カーボンナノチューブの成長は抑制されており、カーボンナノコイルを効率良く製造できることが判明した。
中でも、触媒5cにおいて、換算膜厚で鉄を4nmおよびスズを2nm、鉄を2nmおよびスズを4nm、鉄を2nmおよびスズを8nmとした場合、好ましくカーボンナノコイルを得ることができると判明した。また、鉄が4nmおよびスズが8nmの場合(鉄:スズの原子数比は約2:1の比率である)には、より好ましく、鉄を4nmおよびスズを4nmとした場合には、特に好ましくカーボンナノコイルを製造できることが同図に示すSEM写真から理解できる。
触媒5cにおいて換算膜厚で鉄が4nm、スズを4nmとした場合に得られたカーボンナノコイルの透過型電子顕微鏡(TEM)写真を図15および図16に示す。図15中、図(a)の破線部分を詳細に示した図が図(b)に該当する。また、図16中、図(a)の両破線部分を詳細に示した図が図(b)および図(c)に該当する。特に図15および16中の破線部分を詳細に示した図を観察した結果、得られたカーボンナノコイルは、中空形状であり、10〜20の層グラフェンから形成されている多層型のカーボンナノコイルであることが判明した。これは、結晶性が高く、コイル径の小さいカーボンナノコイルであった。
本発明によれば、得られるカーボンナノコイルの比率を制御することができ、高い成長率で高結晶を持つコイル径の小さいカーボンナノコイルを製造することができる。このため、カーボンナノ構造物を製造する分野において広く利用することができる。さらに、カーボンナノ構造物が材料として用いられるハードディスク用ヘッドの材料、電子エミッタ、ナノ電子デバイスの電極材料、配線材料、高性能複合樹脂、電磁波吸収材、水素吸蔵体などの各分野での利用が可能である。
本実施の形態に係るカーボンナノコイル製造装置の構成を示す断面図である。 本実施の形態に係る蒸着積層されたカーボンナノコイル製造用触媒の構成を示す断面図である。 本発明におけるカーボンナノコイル製造用触媒のさらに他の実施の形態を示す断面図である。 2層に積層蒸着されたカーボンナノコイル製造用触媒を示す断面図である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのSEM写真である。 比較例において得られたカーボンナノコイルのSEM写真である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのSEM写真である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのSEM写真である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのSEM写真である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのSEM写真である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのSEM写真である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのSEM写真である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのSEM写真である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのSEM写真である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのTEM写真である。 本実施例において得られたカーボンナノコイルのTEM写真である。
符号の説明
1 反応槽
2 加熱装置
3 反応室
4 基板
5・5c 触媒
5a・5b 薄層
6 カーボンナノコイル
10 カーボンナノコイル製造装置

Claims (8)

  1. カーボンナノコイルを製造する触媒であって、
    鉄を主成分とする薄層と、スズを主成分とする薄層とが交互に積層蒸着されてなる3層以上の薄層からなり、
    上記薄層の厚さがそれぞれ3nm以下であることを特徴とするカーボンナノコイル製造用触媒。
  2. カーボンナノコイルを製造する触媒であって、
    鉄およびスズが少なくとも共蒸着されてなる薄層を有することを特徴とするカーボンナノコイル製造用触媒。
  3. アークプラズマガンによる蒸着によって上記薄層が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のカーボンナノコイル製造用触媒。
  4. 上記鉄およびスズの原子数比は、1:10から10:1までの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のカーボンナノコイル製造用触媒。
  5. スズが酸化されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のカーボンナノコイル製造用触媒。
  6. スズが酸化される温度が、スズの融点未満であることを特徴とする請求項5に記載のカーボンナノコイル製造用触媒。
  7. 上記鉄およびスズの原子数比は、1:1から4:1までの範囲内であることを特徴とする請求項5に記載のカーボンナノコイル製造用触媒。
  8. 請求項1〜7の何れか1項に記載のカーボンナノコイル製造用触媒を用いるカーボンナノコイルの製造方法であって、
    外直径150nm以下、線径30nm以下のカーボンナノコイルを化学的気相成長法により製造することを特徴とするカーボンナノコイルの製造方法。
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