JP2009002635A - 熱源機およびその制御方法、並びに、熱源システムおよびその運転方法 - Google Patents

熱源機およびその制御方法、並びに、熱源システムおよびその運転方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 低負荷運転での適正な入口ベーン開度を実現するホットガスバイパス弁の開度制御を備えた熱源機を提供することを目的とする。
【解決手段】 制御部は、外部負荷へ出力される負荷が所定の低負荷範囲となった場合に、当該熱源機の停止および起動を繰り返して制御する低負荷モードと、外部負荷へ出力される負荷が低負荷範囲よりも低い超低負荷範囲であっても運転を継続し、超低負荷範囲の下限値となった場合にターボ冷凍機1を停止する超低負荷モードとを有し、超低負荷モードにおけるホットガスバイパス弁45aの開度は、通常演算開度よりも大きな開度とされた超低負荷用開度とされていることを特徴とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は、例えばターボ冷凍機とされた熱源機およびその制御方法、並びに、熱源システムおよびその運転方法に関するものである。
半導体製造工場の大規模クリーンルームにおける冷水供給等に用いられる冷凍機として、ターボ圧縮機により冷媒を圧縮するターボ冷凍機(大容量熱源機)が多用されている。ターボ圧縮機の冷媒ガス吸込口には、吸込冷媒ガス量の調整を行う入口ベーン(容量制御用のプリローテーションベーン)が設けられている。ターボ冷凍機の制御部は、入口ベーンの角度(開度)を調整することにより、外部負荷に供給する冷水の出口温度を一定に維持する(特許文献1参照)。例えば、外部負荷が要求する冷水温度を7℃(設定冷水出口温度)とした場合、この7℃を保つように制御する。また、冷水出口温度と冷水入口温度との冷水温度差には所定仕様の設定値があるが、この冷水温度差が設定値のときにターボ冷凍機の負荷が100%となるように設計されている。例えば、設定冷水出口温度を7℃とし、100%負荷での冷水温度差を5℃とした場合、100%負荷での冷水入口温度は12℃となる。
実公平5−10186号公報
冬季のように、外気温が低い場合、ターボ冷凍機に要求される負荷が小さくなり、10%を下回ることがある。負荷が10%の場合、冷水温度差は0.5℃(5℃×10%=0.5℃)となる。冷水温度差が0.5℃以下となると、冷水出口温度および冷水入口温度を測定する温度計の精度の限界により、正確な制御が困難となる。例えば、温度計に測温抵抗体(JIS A級)を用いた場合、測温抵抗体の精度が±0.1℃であり、変換器の誤差が±0.1℃である。したがって、一つの温度計には±0.2℃の誤差があり、冷水出口および冷水入口の温度差を計測するには2つの温度計の誤差が重畳されるので、最大で0.4℃の計測誤差が想定される。したがって、ターボ冷凍機の負荷が10%を下回り、冷水温度差が0.5℃を下回る場合には温度計の誤差範囲内での制御となり連続運転による温度制御が困難となるので、圧縮機を一時的に停止し(低負荷停止)、冷水温度の再上昇を確認しながら起動停止を繰り返す低負荷モードでの運転が行われる。しかし、圧縮機の運転が断続的になると、停止後の冷水の温度上昇や再度起動する時の冷水温度のふらつきで冷水温度が大きく変動することになる。そこで、低負荷であっても圧縮機を停止せずに連続的に運転できるターボ冷凍機が要望されている。
また、ターボ冷凍機を含めた熱源システムを新たに建設する場合、完成初期にターボ冷凍機を含めた調整運転が行われる。一般に、冷熱需要が大きい夏場に対応できるように設備導入が行われるので、ターボ冷凍機の設置時期は冬季となる。冬季は、外気温が低く熱源システムの負荷も小さく、10%負荷を大きく下回る場合が多い。これでは、上述のように連続運転ができないので、調整運転ができない。そこで、実際には、調整運転のためにボイラ等を一時的に導入して冷熱負荷を作り出していた。このときに導入されるボイラは調整運転のためだけに用いられるものなので、調整運転が終了した後には撤去される。これでは、ターボ冷凍機の導入コストが嵩んでしまう。したがって、低負荷でも継続して運転でき、別途ボイラを導入することなく調整運転ができるターボ冷凍機が望まれている。
また、冬季は外気が乾燥しているため、クリーンルームへ導入する外気も乾燥しており除湿する必要はない。しかし、通り雨のように一時的に雨が降ると、クリーンルーム導入外気の湿度が急上昇するため除湿する必要が生じる。クリーンルーム内の湿度のふらつきはは、クリーンルーム内で製造している半導体製品などの品質に影響を与えるため安定さえる必要がある。、そこでターボ冷凍機の供給する冷水による除湿運転が行われる。しかし、除湿のために停止しているターボ冷凍機を立ち上げるには所定の時間が必要となるので、通り雨によって引き起こされる湿度上昇に対しては十分に対応することができない。したがって、即座に除湿による冷熱負荷に対応が可能なように低負荷で待機運転ができるターボ冷凍機が望まれている。
以上のように、種々の事情によって低負荷での連続運転がターボ冷凍機に要望されている。しかし、低負荷での運転は、圧縮機の吸込ガス冷媒流量を調整する入口ベーンの開度が過度に小さくなり、適正な制御範囲を下回ってしまう。これに対して、圧縮機からの吐出冷媒の一部を凝縮器および蒸発器からバイパスさせて圧縮機の吸込側に戻すことにより(ホットガスバイパス)、負荷制御を行うことが行われる。ところが、本発明者等が鋭意検討したところ、低負荷に適したホットガスバイパス弁の開度制御設定とすると、負荷が増大して低負荷を越えた通常負荷となった場合にホットガスバイパス弁を開けて制御する必要ない領域でも開となってしまい冷凍機の効率的な運転が損なわれるという問題を見出した。
また、圧縮機の電動機や潤滑油などを冷媒によって冷却する方式を採用する場合には、凝縮器と蒸発器の圧力差を利用して冷却冷媒を流すこととしている。しかし、冬季のように外気温が低い場合には、凝縮器内の圧力が所望値まで上がらず、圧縮機内の冷却冷媒系統で適正な圧力バランスを欠く箇所が生じるおそれがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、例えば10%負荷を下回る低負荷であっても連続して運転が可能な熱源機を提供することを目的とする。
また、例えば10%負荷を下回る低負荷にて待機運転ができる熱源機を提供することを目的とする。
また、低負荷運転での適正な入口ベーン開度を実現するホットガスバイパス弁の開度制御を備えた熱源機を提供することを目的とする。
また、凝縮圧力が低下した場合であっても冷却冷媒のバランスを適正に保つ熱源機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の熱源機およびその制御方法、並びに、熱源システムおよびその運転方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる熱源機は、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機の吸込冷媒流量を調整する入口ベーンと、前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
該凝縮器によって凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、該蒸発器によって熱交換された冷水を外部負荷に対して供給する冷水配管と、前記圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸込側との間に設けられ、前記凝縮器および前記蒸発器をバイパスするとともに、ホットガスバイパス弁を備えたホットガスバイパス管と、前記外部負荷へ供給される冷水の温度が設定温度となるように前記入口ベーンを制御する制御部とを備え、該制御部は、前記圧縮機の回転数、冷凍能力、冷媒の凝縮圧力、冷媒の蒸発圧力等から得られる圧縮機の特性に基づいて前記入口ベーンの開度毎に前記ホットガスバイパス弁の開度を通常演算開度として演算する熱源機において、前記制御部は、前記外部負荷へ出力される負荷が所定の低負荷範囲となった場合に、当該圧縮機の停止および起動を繰り返して制御する低負荷モードと、前記外部負荷へ出力される負荷が前記低負荷範囲よりも低い超低負荷範囲であっても運転を継続し、該超低負荷範囲の下限値となった場合に当該熱源機を停止する超低負荷モードとを有し、該超低負荷モードにおける前記ホットガスバイパス弁の開度は、前記通常演算開度よりも大きな開度とされた超低負荷用開度とされていることを特徴とする。
外部負荷が熱源機に対して要求する負荷が低下していき例えば20%〜10%の範囲(低負荷範囲)となると、制御部は圧縮機を一時的に停止し、また一時的に起動する運転を繰り返し、設定冷水出口温度を達成するように制御する。このように、低負荷となった場合に圧縮機の停止起動を繰り返す低負荷モードを設け、低負荷に対応するようにする。
また、外部負荷が熱源機に対して要求する負荷が低負荷範囲よりも低下して例えば10%〜0%(超低負荷範囲)であっても圧縮機の運転を継続し、当該熱源機が導入されている熱源システムが許されている最低基準温度を上回る超低負荷時最低温度を冷水入口温度が下回った場合に熱源機を停止する超低負荷モードを設けている。この超低負荷モードでは、負荷が低負荷範囲を下回っても熱源機を停止させず、冷水入口温度または冷水出口温度が超低負荷時最低温度を下回った場合に初めて熱源機を停止させる。つまり、低負荷となっても熱源機が停止しにくく連続運転が可能なモードが達成される。
一方、ホットガスバイパス管は、圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸込側との間に設けられており、圧縮機から吐出した冷媒の一部を流通させて凝縮器および蒸発器をバイパスさせる。ホットガスバイパス管を流れた冷媒は冷凍仕事を行わない(循環損失となる)ので、ホットガスバイパス管を流れる流量をホットガスバイパス弁によって制御することにより、熱源機の負荷制御が行われる。ホットガスバイパス弁の開度は、凝縮圧力、蒸発圧力、圧縮機の回転数、冷凍能力(冷水入出温度および冷水流量から得られる)から冷媒物性に応じて必要数値を演算し、圧縮機の特性(内部データ)と比較して、必要なホットガスバイパス弁の最小開度(通常演算開度)として演算される。圧縮機の特性は入口ベーンの開度毎で異なるので、入口ベーンの開度毎に通常演算開度が決定される。
本発明では、超低負荷モードにおけるホットガスバイパス弁の開度が、通常演算開度よりも大きな開度(超低負荷用開度)とされているので、通常よりも多くの流量がホットガスバイパス管に流れることになる。これにより、循環損失が大きくなるので、必要な冷凍出力を得ようとして入口ベーンの開度が大きく開くように制御が行われる。入口ベーンは小さな開度であるほど圧縮機吸込冷媒流量の制御幅が大きい、つまり小さな開度領域では吸込冷媒の調整分解能が著しく低下する。したがって、低負荷モードよりも負荷が低く運転の継続が困難な超低負荷モードであっても入口ベーンの適切な制御範囲を維持できるので、超低負荷での熱源機の待機運転を確保することができる。
なお、低負荷モードと超低負荷モードは、択一的に選択できるようにしておいても良く、また、後述するように、低負荷モードと超低負荷モードとを負荷変化に応じて連続的に接続するようにしても良い。
さらに、本発明の熱源機によれば、前記通常演算開度と前記超低負荷用開度との差が、前記超低負荷範囲の下限値から上限値に行くにつれて小さくなることを特徴とする。
超低負荷範囲の下限値から上限値に行くに従い、負荷が増大する。このように負荷が増大するにつれて、通常演算開度と超低負荷用開度との差を小さくし、超低負荷用開度から通常演算開度に近づくようにした。これにより、超低負荷範囲から低負荷範囲に入った際に、ホットガスバイパス弁の開度が通常演算開度よりも過度に大きな開度に設定され、入口ベーン開度が過剰となることを防止できる。好ましくは、超低負荷範囲から低負荷範囲に接続される際には、通常演算開度と超低負荷用開度との差がゼロとなるように設定する。
さらに、本発明の熱源機によれば、前記通常演算開度に補正係数を乗ずることによって、前記超低負荷用開度が演算されることを特徴とする。
通常演算開度に補正係数を乗ずることによって、簡便な演算で超低負荷開度を得ることができる。
また、補正係数を負荷に応じて変化させることによって、超低負荷範囲の下限値から上限値に行くにつれて超低負荷開度を通常演算開度に近付けることができる。例えば、超低負荷範囲の下限値での補正係数を1.5、上限値での補正係数を1.0としておき、これら下限値と上限値との間の補正係数は負荷に応じて按分すると良い。
さらに、本発明の熱源機によれば、前記制御部によって、前記低負荷モードと前記超低負荷モードとが前記外部負荷へ出力される負荷に応じて連続的に接続されることを特徴とする。
低負荷モードと超低負荷モードとを連続的に接続することにより、超低負荷から負荷が増大しても連続的に熱源機の運転を継続することができる。例えば、負荷0%〜10%を超低負荷モードとし、負荷10%〜20%を低負荷モードとし、負荷20%以上を通常運転モードとすることにより、負荷0%〜100%まで連続して熱源機を運転することができる。
特に、上記の発明のように、通常演算開度と超低負荷用開度との差が、超低負荷範囲の下限値から上限値に行くにつれて小さくなる構成とすれば、低負荷モードと超低負荷モードとを円滑に接続することができる。
さらに、本発明の熱源機によれば、前記圧縮機は、冷媒を圧縮する羽根車を収納する羽根車ケースと、該羽根車ケースに接続されるとともに前記羽根車を回転させるモータを収納するモータケースと、を備え、前記モータケースには、前記凝縮器から冷媒を導く冷媒導入配管と、前記蒸発器へと冷媒を流出させる冷媒流出配管とが接続され、前記モータケース内の各機器は、前記冷媒導入配管、該モータケース及び前記冷媒流出配管を流れる冷媒によって冷却され、前記低負荷モード時及び/又は前記超低負荷モード時に、前記冷媒流出配管から流出する冷媒流量を制限する流量制限手段が設けられていることを特徴とする。
低負荷モード時及び/又は超低負荷モードでは、凝縮器の圧力が低くなる傾向にあり、モータケース内の圧力が低くなる。一方、羽根車を通過する主系統の冷媒は、羽根車によって圧縮されるので一定レベルの圧力を有している。羽根車ケースとモータケースとは接続されておりシールが設けられている。しかし、シール前後の圧力勾配に応じてわずかに冷媒がケース間を流通するので、冷媒導入配管、モータケース及び冷媒流出配管を通過する冷媒冷却ラインと、羽根車を流れる主系統との圧力バランスが設計条件から外れてしまうと、モータケース内の圧力が羽根車ケース内の圧力よりも低くなり、羽根車ケース内の潤滑油がモータケース側に流出するおそれがある。
これに対して、本発明では、冷媒流出配管から流出する冷媒流量を制限することにより、モータケース内の圧力を所定値以上に保つことにより、羽根車ケース側から潤滑油がモータケースに流出する可能性が無くなる。
また、本発明の熱源システムは、上記のいずれかに記載された熱源機を少なくとも1台備えていることを特徴とする。
本発明の熱源機を少なくとも1台備えることにより、この熱源機を超低負荷モードにて運転させることによって待機運転が可能となり、突然の負荷要求に即座に対応することができる。
また、本発明の熱源機の制御方法は、冷媒を圧縮する圧縮機と、該圧縮機の吸込ガス冷媒流量を調整する入口ベーンと、前記圧縮機によって圧縮された冷媒ガスを凝縮させる凝縮器と、 該凝縮器によって凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、該蒸発器によって熱交換された冷水を外部負荷に対して供給する冷水配管と、前記圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸込側との間に設けられ、前記凝縮器および前記蒸発器をバイパスするとともに、ホットガスバイパス弁を備えたホットガスバイパス管と、前記外部負荷へ供給される冷水の温度が設定温度となるように前記入口ベーンを制御する制御部とを備え、該制御部は、前記圧縮機の回転数、冷凍能力、冷媒の凝縮圧力、冷媒の蒸発圧力等から得られる圧縮機の特性に基づいて前記入口ベーンの開度毎に前記ホットガスバイパス弁の開度を通常演算開度として演算する熱源機の制御方法において、前記制御部は、前記外部負荷へ出力される負荷が所定の低負荷範囲となった場合に、当該熱源機の圧縮機の停止および起動を繰り返して制御する低負荷モードと、前記外部負荷へ出力される負荷が前記低負荷範囲よりも低い超低負荷範囲であっても運転を継続し、冷水入口温度または冷水出口温度が超低負荷時最低温度の下限以下となった場合に当該熱源機を停止する超低負荷モードとを有し、該超低負荷モードにおける前記ホットガスバイパス弁の開度は、前記通常演算開度よりも大きな開度とされた超低負荷用開度とされていることを特徴とする。
外部負荷が熱源機に対して要求する負荷が低下していき例えば20%〜10%の範囲(低負荷範囲)となると、制御部は圧縮機を一時的に停止し、また一時的に起動する運転を繰り返し、設定冷水出口温度を達成するように制御する。このように、低負荷となった場合に圧縮機の停止起動を繰り返す低負荷モードを設け、低負荷に対応するようにする。
また、外部負荷が熱源機に対して要求する負荷が低負荷範囲よりも低下して例えば10%〜0%(超低負荷範囲)であっても熱源機の運転を継続し、超低負荷範囲の冷水入口温度または冷水出口温度が超低負荷時最低温度となった場合に熱源機を停止する超低負荷モードを設けている。この超低負荷モードでは、負荷が低負荷範囲を下回っても圧縮機を停止させず、冷水入口温度または冷水出口温度が超低負荷時最低温の下限値となった場合に初めて熱源機を停止させる。つまり、低負荷となっても熱源機が停止しにくく連続運転が可能なモードが達成される。
一方、ホットガスバイパス管は、圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸込側との間に設けられており、圧縮機から吐出した冷媒の一部を流通させて凝縮器および蒸発器をバイパスさせる。ホットガスバイパス管を流れた冷媒は冷凍仕事を行わない(循環損失となる)ので、ホットガスバイパス管を流れる流量をホットガスバイパス弁によって制御することにより、熱源機の負荷制御が行われる。ホットガスバイパス弁の開度は、凝縮圧力、蒸発圧力、圧縮機の回転数、冷凍能力(冷水入出温度および冷水流量から得られる)から冷媒物性に応じて必要数値を演算し、圧縮機の特性(内部データ)と比較して、必要なホットガスバイパス弁の最小開度(通常演算開度)として演算される。圧縮機の特性は入口ベーンの開度毎で異なるので、入口ベーンの開度毎に通常演算開度が決定される。
本発明では、超低負荷モードにおけるホットガスバイパス弁の開度が、通常演算開度よりも大きな開度(超低負荷用開度)とされているので、通常よりも多くの流量がホットガスバイパス管に流れることになる。これにより、循環損失が大きくなるので、必要な冷凍出力を得ようとして入口ベーンの開度が大きく開くように制御が行われる。したがって、低負荷モードよりも負荷が低く運転の継続が困難な超低負荷モードであっても入口ベーンの適切な制御範囲を維持できるので、超低負荷での熱源機の待機運転を確保することができる。
なお、低負荷モードと超低負荷モードは、択一的に選択できるようにしておいても良く、また、後述するように、低負荷モードと超低負荷モードとを負荷変化に応じて連続的に接続するようにしても良い。
また、本発明の熱源機システムの運転方法は、熱源システムに冷水を供給する熱源機の運転方法であって、熱源システムに負荷が生じていない状態において、熱源システムの発生が予想される負荷に対応するために待機運転が前記超低負荷モードにて可能とされていることを特徴とする。
待機運転としたターボ冷凍機によって発生する負荷への対応を行うこととしたので、停止しているターボ冷凍機を起動する場合に比べて大幅に時間を短縮することができ、即座に負荷対応を開始することができる。また、超低負荷モードにて待機運転をさせているので、消費電力を可及的に少なくすることができる。
本発明によれば、以下の作用効果を奏する。
外部負荷が熱源機に対して要求する負荷が低負荷範囲よりも低下した超低負荷範囲であっても熱源機の運転を継続し、冷水入口温度または冷水出口温度が超低負荷時最低温度となった場合に熱源機を停止する超低負荷モードを設けたので、低負荷となっても熱源機が停止しにくい連続運転を可能とすることができる。また、冬季における熱源機導入時の調整運転であっても、低負荷モードによって停止してしまう負荷よりも大きな冷熱負荷を与えるためのボイラ等を別途設置する必要がなく、冬季における低負荷のままで調整運転が可能となる。
また、超低負荷モードにおけるホットガスバイパス弁の開度が、通常演算開度よりも大きな開度(超低負荷用開度)とされているので、低負荷モードよりも負荷が低く運転の継続が困難な超低負荷モードであっても入口ベーンの適切な制御範囲を維持できる。
また、低負荷モード時及び/又は超低負荷モード時に、モータケースに接続された冷媒流出配管から流出する冷媒流量を制限することとしたので、モータケース内の圧力を所定値以上に保つことにより、羽根車ケースからモータケースを経由して蒸発器へ潤滑油が流出すること防止できる。
また、待機運転としたターボ冷凍機によって発生する負荷への対応を行うこととしたので、即座に負荷対応を開始することができる。また、超低負荷モードにて待機運転をさせているので、消費電力を可及的に少なくすることができる。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
図1には、本発明のターボ冷凍機(熱源機)1の概略構成が示されている。
図1に示されているように、ターボ冷凍機1は、冷媒を圧縮するターボ式の圧縮機3と、圧縮機3により圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器5と、凝縮器5によって凝縮された液冷媒を膨張させる膨張弁7と、膨張弁7によって膨張させられた冷媒を蒸発させる蒸発器9とを備えている。
圧縮機3は、遠心羽根車を備えたターボ式の遠心圧縮機とされ、電動モータによって回転駆動される。電動モータの回転数はインバータ制御によって可変とされている。
圧縮機3の冷媒吸込口には、吸込冷媒の流量を調整する入口ベーン12が設けられている。この入口ベーン12の開度は、ターボ冷凍機1の制御部によって制御される。
凝縮器5は、シェル・アンド・チューブ式の熱交換器とされている。凝縮器5には、冷却水還配管5aおよび冷却水往配管5bが接続されている。冷却水還配管5aから凝縮器5内に流れ込んだ冷却水とシェル内の冷媒とが熱交換を行い、冷媒から凝縮熱を除去する。冷却水配管5a,5bは、外部に設置された冷却塔(図示せず)に接続されている。
膨張弁7は、凝縮器5と蒸発器9との間に設けられており、凝縮器5から供給される液冷媒を絞ることによって等エンタルピー膨張させるものである。
膨張弁7の開度は、ターボ冷凍機1の制御部によって制御されるようになっている。
蒸発器9は、シェル・アンド・チューブ式の熱交換器とされている。蒸発器9には、冷水還配管34および冷水往配管35が接続されている。冷却水還配管34から蒸発器9内に流れ込んだ冷水とシェル内の冷媒とが熱交換を行い、冷媒が冷水から蒸発熱を奪うことによって冷水を冷却する。冷却された冷水は、冷水往配管35を介して外部負荷(図示せず))へと送られ、外部負荷に対して冷熱を供給する。
冷水還配管34の下流側には蒸発器9流入直前の冷水入口温度TE0を計測する複数の冷水入口温度センサ40が、冷水往配管35の上流側には蒸発器9流出直後の冷水出口温度TE’を計測する複数の冷水出口温度センサ42が、それぞれ設けられている。温度センサとしては、JIS A級の測温抵抗体を用いることが好ましい。一般に、冷水入口温度TE0は12℃に、冷水出口温度TE’は7℃に設定される。
圧縮機3の吐出側と圧縮機3の吸込側との間には、ホットガスバイパス管45が設けられている。ホットガスバイパス管45には、冷媒流量を調整するためのホットガスバイパス弁45aが設けられている。このホットガスバイパス弁45aによって流量が調整された高温高圧の吐出冷媒が、凝縮器5及び蒸発器9をバイパスして圧縮機3の吸込側へと導かれるようになっている。ホットガスバイパス弁45aの開度は、ターボ冷凍機1の制御部によって調整される。
次に、上記構成のターボ冷凍機1の動作について説明する。
圧縮機3は、電動モータによって駆動され、所定周波数で回転させられる。入口ベーン12は、制御部によって、設定温度(例えば、冷水出口温度7℃)を達成するようにその開度が調整される。
また、圧縮機3から吐出された高温高圧のガス冷媒は、その一部がホットガスバイパス管45を通りホットガスバイパス弁45aで冷媒流量が調整された後、圧縮機3へと導かれるようになっている。
蒸発器9から吸い込まれた低圧ガス冷媒は、圧縮機3によって圧縮され、高圧ガス冷媒となる。圧縮機3から吐出された高圧ガス冷媒は、凝縮器5へと導かれる、
凝縮器5において、冷却塔から冷却水配管5a,5bを介して導かれる冷却水によって高圧のガス冷媒は略等圧に冷却され、高圧の液冷媒となる。高圧の液冷媒は、膨張弁7へと導かれ、この膨張弁7によって等エンタルピー膨張させられる。このように膨張させられた冷媒は、蒸発器9において蒸発し、伝熱管37内を流れる冷水から熱を奪う。これにより、冷水還配管34から12℃で流入した冷水は、7℃まで冷却され、冷水往配管35を介して外部負荷側に返送される。このとき、冷水出口温度および冷水入口温度は、それぞれ温度センサ40,42によって計測される。
蒸発器9において蒸発した低圧ガス冷媒は、圧縮機3へと導かれ、再び圧縮される。
入口ベーン12は、冷水出口温度が設定温度となるように、制御部によってその開度が制御される。
ホットガスバイパス弁45aの開度は、現在の圧縮機3の特性に基づいて、必要な最小開度(通常演算開度)が演算される。圧縮機3の特性は、制御部の内部データとして格納されており、冷媒物性に応じて、凝縮圧力、蒸発圧力、圧縮機の回転数、冷凍能力等をパラメータとして予め得られている。冷凍能力は、冷水入出温度および冷水流量から得られる。圧縮機3の特性は入口ベーン12の開度毎で異なるので、入口ベーン12の開度毎に通常演算開度が決定される。
次に、冬季のような低負荷時におけるターボ冷凍機1の運転方法について説明する。
ターボ冷凍機1は、低負荷モードおよび超低負荷モードを備えている。
低負荷モードは、外部負荷へ出力される負荷が所定の低負荷範囲となった場合に、ターボ冷凍機の停止および起動を繰り返して制御するものである。具体的には、定格負荷の10〜20%の低負荷範囲にて行われる。
超低負荷モードは、外部負荷へ出力される負荷が低負荷範囲よりも低い超低負荷範囲であっても運転を継続し、超低負荷範囲の下限値となった場合にターボ冷凍機を停止するものである。具体的には、冷水入口温度が超低負荷時最低温度(超低負荷範囲の下限値)まで連続して運転することができるモードである。
ターボ冷凍機1の制御部には、低負荷モードと超低負荷モードとを切り替える物理的なスイッチが設けられている。このスイッチは、オペレータによって切り替えられる。このスイッチの設定により、低負荷時であっても停止させたくない場合は超低負荷モードを選択し、低負荷時に停止させたい場合は低負荷モードを選択する。また、待機運転を行わせる場合には、超低負荷モードを選択しておく。なお、物理的なスイッチに代えて、ターボ冷凍機1を含むシステムを統合制御する中央制御室からの信号による遠隔操作によって切り替えることとしても良い。
図2には、超低負荷モードと低負荷モードとの間の連続運転が可能とされたターボ冷凍機1の運転方法を示すフローチャートが示されている。
ターボ冷凍機1を起動すると、先ず、ステップS0にて、標準運転中における負荷が10%以上であるかを判断する。この判断は、外部負荷からの情報を得た上で、ターボ冷凍機1の制御部にて行われる。
標準運転中における負荷が10%以上である場合には、ステップS10へと進み、通常低負荷すなわち低負荷モードを備えた運転に入る。
ステップS11にて、所定の起動インターロックに該当するか否かを判断する。起動ウインターロックに該当する場合には、アラーム停止を行う(S12)。
起動インターロックに該当しない場合は、所定の起動シーケンスを行い(S13)、電動機を起動し(S14)、通常運転を行う(S14)。
通常運転を行っている間は、ステップS16にて、冷水入口温度が軽負荷温度未満か否かを判断する。この軽負荷温度は、低負荷範囲に対応する冷水入口温度が選定され、例えば負荷10%に対応する冷水入口温度が選定される。
ステップS16にて、冷水入口温度が軽負荷温度未満であると判断されると、軽負荷停止となり、圧縮機3が停止される(S17)。その後、冷水入口温度が復帰温度以上となった場合に、ステップS11へと戻り、圧縮機3が再起動される。
このように、低負荷モードでは、停止起動を繰り返すことにより、低負荷での運転を行う。
一方、ステップS0にて、標準運転中における負荷が10%未満である場合には、ステップS20へと進み超低負荷モードを備えた運転に入る。
ステップS21にて、所定の起動インターロックに該当するか否かを判断する。超低負荷モードでは、低負荷モードとは異なり、起動インターロックとして冷却水温度25℃以上という項目が含まれている。これは、冷却水温度が25℃以上の場合には、一定以上の負荷がターボ冷凍機1に要求されていると考えられるので、このような場合には超低負荷モードを行わないようにする。なお、冷却水温度の閾値である25℃は、他の温度を用いてもよく、任意に変更できるものである。
起動インターロックに該当する場合には、アラーム停止を行う(S22)。起動インターロックに該当しない場合は、所定の起動シーケンスを行い(S23)、電動機を起動し(S24)、通常運転を行う(S24)。
通常運転を行っている間は、ステップS26にて、冷水入口温度または冷水出口温度が停止温度未満か否かを判断する。この停止温度は、当該熱源機が導入されている熱源システムが許されている最低基準温度を上回る温度が選定される。
ステップS26にて、冷水入口温度または冷水出口温度が軽負荷温度未満であると判断されると、軽負荷停止となり、圧縮機3が停止される(S27)。その後、冷水入口温度が復帰温度以上となった場合に、ステップS21へと戻り、圧縮機3が再起動される。
このように、超低負荷モードでは、超低負荷範囲の下限値に対応する停止温度まで連続してターボ冷凍機が運転されることになる。
上述した低負荷モードと超低負荷モードは、相互に移行することができる。例えば、待機運転を行うために超低負荷モードで起動したターボ冷凍機1の負荷が増大し、負荷が10%を超える時点で、低負荷モードへと移行するようにする。この移行は、制御部によって自動的に行っても良いし、オペレータによって行っても良い。もちろん、低負荷モードにて起動したターボ冷凍機1の負荷が減少した場合に、超低負荷モードへと移行することもできる。
[低負荷時におけるホットガスバイパス弁制御]
図3には、ホットガスバイパス弁の制御方法が示されている。同図において、横軸はターボ冷凍機1の負荷を示す。負荷10%未満を超低負荷範囲とし、負荷10%以上20%未満を低負荷範囲とする。
同図に示されているように、負荷が20%を下回り低下して行くにつれて、入口ベーン開度は小さくなる。これに伴い、ホットガスバイパス弁(HGBP弁)開度は、20%を下回ったあたりから徐々に大きくなるように制御される。この領域のホットガスバイパス弁開度は、上述した通常演算開度とされる。
負荷が10%を下回り、超低負荷範囲に入ると、ホットガスバイパス弁開度を通常演算開度よりも大きくした超低負荷用開度とする。この超低負荷用開度は、同図に示すように、通常演算開度に乗ずる補正係数を設定することによって行う。すなわち、低負荷範囲では補正係数を1.0としておき、超低負荷範囲で、負荷10%から0%に下がるにつれて漸次増加させ、負荷0%にて1.5となるように設定しておく。換言すると、負荷が1%程度から増大するにつれて、超低負荷用開度が通常演算開度に近づくように設定されている。
超低負荷範囲におけるホットガスバイパス弁開度は、入口ベーン開度が40%を超えないように設定することが好ましい。但し、過渡状態では、入口ベーン開度が40%を超えて閾値となる80%をも上回る場合があるので、入口ベーン開度の40%〜80%の差分に対応する風量を減じるために、この差分に相当するホットガスバイパス量を得られるようにホットガスバイパス弁の開度を減ずるカウンター制御を備えておくことが好ましい。このホットガスバイパス弁による開度補正時間は、弁操作量到達所要時間に、入口ベーン開度80%から40%までの動作時間を加えた時間となる。この開度補正時間経過後に、ホットガスバイパス弁開度をカウンター制御前の開度に戻す。なお、開度補正時間の調整用として、保持時間を変数として持つようにしても良い。
このように、超低負荷範囲では、ホットガスバイパス弁開度を通常演算開度よりも大きくしているので、低負荷領域よりも多くの流量がホットガスバイパス管45に流れることになる。これにより、循環損失が大きくなるので、必要な冷凍出力を得ようとして入口ベーン12の開度が大きく開くように制御が行われる。したがって、低負荷モードよりも負荷が低く運転の継続が困難な超低負荷モードであっても入口ベーン12の適切な制御範囲を維持できる。
また、超低負荷範囲の下限値から上限値に行くに従い、すなわち負荷が増大するにつれて、通常演算開度と超低負荷用開度との差を小さくし、超低負荷用開度から通常演算開度に近づくようにした。これにより、超低負荷範囲から低負荷範囲に入った際に、ホットガスバイパス弁45aの開度が通常演算開度よりも過度に大きな開度に設定され、入口ベーン開度が過剰となることを防止できる。
[圧縮機の冷媒冷却システム]
図4には、圧縮機3の冷媒冷却を行うシステムが示されている。
圧縮機3は、冷媒を圧縮する羽根車を収納する羽根車ケース3aと、羽根車ケース3aに接続されるとともに羽根車を回転させるモータを収納するモータケース3bとを備えている。
モータケース3bには、凝縮器から冷媒を導く冷媒導入配管13と、蒸発器へと冷媒を流出させる冷媒流出配管15とが接続されている。
モータケース3b内のモータ等の各機器は、冷媒導入配管13、モータケース3b内、そして冷媒流出配管15を流れる冷媒によって冷却されるようになっている。
また、冷媒流出配管15には、流量調整バルブ(流量制限手段)17が設けられている。この流量調整バルブ17は、完全締め切りとはせずに、100%〜50%の範囲で開度調整ができるようになっている。流量調整バルブ17は、制御部によって、モータケース3b内の圧力が低下したときに開度が小さくなるように制御される。
上記構成の圧縮機3の冷媒冷却システムは、以下のように動作する。
通常運転では、凝縮圧力と蒸発圧力との差圧が十分に確保されているので、流量調整バルブ17を全開として運転する。これにより、凝縮器から導かれる液冷媒によって、モータケース3b内の各機器が冷却される。
一方、低負荷モードや超低負荷モードでは、冬季のように外気温が低いときに実施されるので、凝縮器の圧力が低くなる傾向にあり、モータケース3b内の圧力が低くなる。一方、羽根車を通過する主系統の冷媒は、羽根車によって圧縮されるので一定レベルの圧力を有している。羽根車ケース3aとモータケース3bとは接続されておりシールが設けられている。しかし、シール前後の圧力勾配に応じてわずかに冷媒がケース間を流通するので、冷媒導入配管13、モータケース3b及び冷媒流出配管15を通過する冷媒冷却ラインと、羽根車を流れる主系統との圧力バランスが設計条件から外れてしまうと、モータケース3b内の圧力が羽根車ケース3a内の圧力よりも低くなり、羽根車ケース3a側から潤滑油がモータケース3bに流出する恐れがある。このような場合には、流量調整バルブ17を閉める方向に制御することにより、羽根車ケース3a側から潤滑油がモータケース3bに流出する可能性がなくなる。
なお、図5に示すように、冷媒流出配管15a,15bを並行に2本設けて、一方の冷媒流出配管15bに流量調整バルブ17を設けることとしても良い。この場合、流量調整バルブ17の開度は、全開(100%)から全閉(0%)までとする。モータケース3b内の圧力が低くなった場合には、流量調整バルブ17を全閉として、他方の冷媒流出配管15aから冷媒を流すようにする。
[待機運転]
本実施形態のターボ冷凍機を複数台備えた熱源システムでは、以下のような運転が可能となる。
このような熱源システムは、工場内の製造設備に必要な冷水を供給するターボ冷凍機と、工場内の空調を行う空調用ターボ冷凍機とを備えている。
工場内の製造設備に必要な冷水を供給するターボ冷凍機については、所定の負荷が見込まれるので、低負荷モードが選択された状態で運転される。一方、空調用ターボ冷凍機については、冬季の場合には冷房負荷がないので、超低負荷モードが選択され、待機運転とされる。そして、通り雨のように一時的に湿度が上昇した場合に、待機運転としたターボ冷凍機の負荷を増大させることによって除湿が行われる。
本実施形態にかかるターボ冷凍機1によれば、以下の作用効果を奏する。
外部負荷が熱源機に対して要求する負荷が低負荷範囲よりも低下して超低負荷範囲であってもターボ冷凍機1の運転を継続し、超低負荷範囲の下限値となった場合にターボ冷凍機1を停止する超低負荷モードを設けることとしたので、低負荷となっても停止させずにターボ冷凍機を連続して運転させることができる。
また、超低負荷モードにおけるホットガスバイパス弁45aの開度を、通常演算開度よりも大きな開度としたので、低負荷モードよりも負荷が低く運転の継続が困難な超低負荷モードであっても入口ベーン12の適切な制御範囲を維持でき、超低負荷での熱源機の連続運転を確保することができる。
また、待機運転としたターボ冷凍機によって除湿を行うこととしたので、停止しているターボ冷凍機を起動する場合に比べて大幅に時間を短縮することができ、即座に除湿を開始することができる。また、超低負荷モードにて待機運転をさせているので、消費電力を可及的に少なくすることができる。
なお、本実施形態では、低負荷モードと超低負荷モードとを連続的に切り替えることができる構成について説明したが、低負荷モードと超低負荷モードとをそれぞれ単独の運転モードとして扱う運転としても良い。具体的には、図6に示すように、盤内スイッチまたは中央制御室からの遠方信号によってモード選択を行い(S01)、相互のモード間の以降を禁止することとしても良い。なお、各モードでの運転については図2と同様なのでその説明は省略する。
また、本実施形態では、冷凍運転を専ら行うターボ冷凍機1について説明したが、ヒートポンプ運転を備えたヒートポンプ式ターボ冷凍機であっても本発明を適用することができる。
また、熱源機としては、ターボ冷凍機を例として説明したが、他の形式の熱源機でも良く、例えばスクリューチラーであっても良い。
本発明の一実施形態にかかるターボ冷凍機を示した概略図である。 超低負荷モードと低負荷モードとの間の連続運転が可能とされたターボ冷凍機の運転方法を示すフローチャートである。 ホットガスバイパス弁の制御方法を示したグラフである。 圧縮機の冷媒冷却システムを示した概略図である。 図4の変形例を示した概略図である。 図2の変形例を示したターボ冷凍機の運転方法を示すフローチャートである。
符号の説明
1 ターボ冷凍機(熱源機)
3 圧縮機
5 凝縮器
7 膨張弁
9 蒸発器
34 冷水還配管
35 冷水往配管
40 冷水入口温度センサ
42 冷水出口温度センサ
45 ホットガスバイパス管
45a ホットガスバイパス弁

Claims (9)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    該圧縮機の吸込冷媒流量を調整する入口ベーンと、
    前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    該凝縮器によって凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、
    該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    該蒸発器によって熱交換された冷水を外部負荷に対して供給する冷水配管と、
    前記圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸込側との間に設けられ、前記凝縮器および前記蒸発器をバイパスするとともに、ホットガスバイパス弁を備えたホットガスバイパス管と、
    前記外部負荷へ供給される冷水の温度が設定温度となるように前記入口ベーンを制御する制御部とを備え、
    該制御部は、前記圧縮機の回転数、冷凍能力、冷媒の凝縮圧力、冷媒の蒸発圧力等から得られる圧縮機の特性に基づいて前記入口ベーンの開度毎に前記ホットガスバイパス弁の開度を通常演算開度として演算する熱源機において、
    前記制御部は、前記外部負荷へ出力される負荷が所定の低負荷範囲となった場合に、当該圧縮機の停止および起動を繰り返して制御する低負荷モードと、前記外部負荷へ出力される負荷が前記低負荷範囲よりも低い超低負荷範囲であっても運転を継続し、該超低負荷範囲の下限値となった場合に当該熱源機を停止する超低負荷モードとを有し、
    該超低負荷モードにおける前記ホットガスバイパス弁の開度は、前記通常演算開度よりも大きな開度とされた超低負荷用開度とされていることを特徴とする熱源機。
  2. 前記通常演算開度と前記超低負荷用開度との差が、前記超低負荷範囲の下限値から上限値に行くにつれて小さくなることを特徴とする請求項1記載の熱源機。
  3. 前記通常演算開度に補正係数を乗ずることによって、前記超低負荷用開度が演算されることを特徴とする請求項1又は2記載の熱源機。
  4. 前記制御部によって、前記低負荷モードと前記超低負荷モードとが前記外部負荷へ出力される負荷に応じて連続的に接続されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の熱源機。
  5. 前記超低負荷範囲は、計測される冷水入口温度が冷水出口温度を下回る状態を含み、当該熱源機が導入される熱源システムが許容する最低基準温度を考慮して設定された最低基準温度を上回る超低負荷時最低温度を下回ったときを超低負荷時の停止温度とすることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の熱源機。
  6. 前記圧縮機は、冷媒を圧縮する羽根車を収納する羽根車ケースと、該羽根車ケースに接続されるとともに前記羽根車を回転させるモータを収納するモータケースと、を備え、
    前記モータケースには、前記凝縮器から冷媒を導く冷媒導入配管と、前記蒸発器へと冷媒を流出させる冷媒流出配管とが接続され、
    前記モータケース内の各機器は、前記冷媒導入配管、該モータケース及び前記冷媒流出配管を流れる冷媒によって冷却され、
    前記低負荷モード時及び/又は前記超低負荷モード時に、前記冷媒流出配管から流出する冷媒流量を制限する流量制限手段が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の熱源機。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載された熱源機を少なくとも1台備えていることを特徴とする熱源システム。
  8. 冷媒を圧縮する圧縮機と、
    該圧縮機の吸込冷媒流量を調整する入口ベーンと、
    前記圧縮機によって圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、
    該凝縮器によって凝縮された冷媒を膨張させる膨張弁と、
    該膨張弁によって膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器と、
    該蒸発器によって熱交換された冷水を外部負荷に対して供給する冷水配管と、
    前記圧縮機の冷媒吐出側と冷媒吸込側との間に設けられ、前記凝縮器および前記蒸発器をバイパスするとともに、ホットガスバイパス弁を備えたホットガスバイパス管と、
    前記外部負荷へ供給される冷水の温度が設定温度となるように前記入口ベーンを制御する制御部とを備え、
    該制御部は、前記圧縮機の回転数、冷凍能力、冷媒の凝縮圧力、冷媒の蒸発圧力等から得られる圧縮機の特性に基づいて前記入口ベーンの開度毎に前記ホットガスバイパス弁の開度を通常演算開度として演算する熱源機の制御方法において、
    前記制御部は、前記外部負荷へ出力される負荷が所定の低負荷範囲となった場合に、当該熱源機の停止および起動を繰り返して制御する低負荷モードと、前記外部負荷へ出力される負荷が前記低負荷範囲よりも低い超低負荷範囲であっても運転を継続し、該超低負荷範囲の下限値となった場合に当該熱源機を停止する超低負荷モードとを有し、
    該超低負荷モードにおける前記ホットガスバイパス弁の開度は、前記通常演算開度よりも大きな開度とされた超低負荷用開度とされていることを特徴とする熱源機の制御方法。
  9. 熱源システムに冷水を供給する熱源機の運転方法であって、
    熱源システムに負荷が生じていない状態において、熱源システムの発生が予想される負荷に対応するために待機運転が前記超低負荷モードにて可能とされていることを特徴とする熱源システムの運転方法。
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