JP5881339B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような制御では室内温度が目標温度に到達するまで、圧縮機が継続して運転し続けるため、その間、圧縮機により電力が継続して消費される、という問題点があった。
また、圧縮機停止と同時に絞り装置を閉めるため、冷媒回路の冷媒の流れが止まり、配管内にある高圧の冷媒を空調に利用できない、という問題点があった。
第二の目的は、圧縮機停止時において配管内の冷媒を空調運転に利用することができる空気調和機を得るものである。
(全体構成)
図1は本発明の実施の形態1に係る空気調和機の冷媒回路図である。
図1に示すように、本実施の形態における空気調和機は、室外ユニット10と、室内ユニット20と、この室外ユニット10と室内ユニット20とを接続する液冷媒配管30およびガス冷媒配管40とを備えている。
室外熱交換器3は、例えば伝熱管と多数のフィンにより構成されたフィン&チューブ型熱交換器により構成され、冷房運転時には凝縮器として作用し、暖房運転時には蒸発器として作用する。
室外送風機5は、ファンモータ等により駆動され、モータ回転数を変化させることにより風量を調整し、送風量を調整することが可能になっている。
なお、室内絞り装置6は、本発明における「絞り装置」に相当する。
室内熱交換器7は、例えば伝熱管と多数のフィンにより構成されたフィン&チューブ型熱交換器により構成され、冷房運転時には蒸発器として作用し、暖房運転時には凝縮器として作用する。
室内送風機8は、ファンモータ等により駆動され、モータ回転数を変化させることにより風量を調整し、送風量を調整することが可能になっている。
図2は本発明の実施の形態1に係る空気調和機の制御ブロック図である。
図2において、制御装置100は、室外制御器101と室内制御器102とを備えている。
室外制御器101は室外ユニット10内に配置され、室内制御器102は室内ユニット20内に配置されている。室外制御器101および室内制御器102は、例えばマイクロコンピュータで構成され、相互に通信することで各種データ等を送受信する。
次に、空気調和機の運転動作について説明する。
(冷房運転)
まず、冷房運転の動作について説明する。
四方弁2は、図1の実線方向に接続される。この場合、冷媒の流れは以下のようになる。
圧縮機1を駆動すると、高温、高圧のガス冷媒が圧縮機1から吐出され、四方弁2を介し室外熱交換器3へ流入し、室外熱交換器3で周囲室外空気と熱交換し、凝縮・液化し、高圧低温の冷媒となる。
室外熱交換器3を流出した液冷媒は、過冷却用熱交換器13に入る。過冷却用熱交換器13を出て過冷却バイパス経路16に分岐した冷媒は、過冷却絞り装置12で適度に流量調整され低圧の冷媒となり、室外熱交換器3を流出した冷媒と過冷却用熱交換器13内で熱交換する。これにより、室外熱交換器3を流出した冷媒は、過冷却用熱交換器13を出ると高圧で温度がさらに低い冷媒(過冷却冷媒)となる。過冷却用熱交換器13を流出した一方の低圧冷媒は、アキュムレータ4と四方弁2とを結ぶ配管に至る。
このような冷房運転により、室内温度は徐々に低下して目標温度に近づくこととなる。
上記のような冷房運転においては、圧縮機1から液冷媒配管30まで(高圧側)の配管内には高圧の冷媒が存在している。また、室内絞り装置6から圧縮機1まで(低圧側)の配管内は低圧の冷媒が存在している。
この状態で圧縮機1の運転を停止させた場合、室内絞り装置6の開度を開けることで、高圧側から低圧側へ冷媒が流れる。これにより、圧縮機1を停止した後も、高圧低温の冷媒を室内熱交換器7に流通させて室内空気と熱交換することで、冷媒が蒸発し冷房運転を継続することができる。
このような圧縮機1の停止後における冷房運転の動作について、図3を用いて次に説明する。
図3においては、上段は室内温度と時間との関係を示し、中段は圧縮機1の動作状態と時間との関係を示し、下段は室内絞り装置6の開度と時間との関係を示している。
圧縮機停止時間Tを経過した後、室内絞り装置6の開度を全閉に、空気調和機の冷房運転を停止する。
次に、暖房運転の動作について説明する。
四方弁2は、図1の点線方向に接続される。また、過冷却絞り装置12は全閉である。この場合、冷媒の流れは以下のようになる。
圧縮機1を駆動すると、高温、高圧のガス冷媒が圧縮機1から吐出され、四方弁2を介してガス冷媒配管40を導通し、室内熱交換器7へ流入する。室内熱交換器7へ流入した高温の冷媒は、室内熱交換器7で周囲室内温度と熱交換し、凝縮・液化して暖房を行う。室内熱交換器7を流出した冷媒は室内絞り装置6で低圧に絞られ、低圧二相状態または液相状態となり、液冷媒配管30を導通し、過冷却用熱交換器13を通り室外熱交換器3へ流入する。室外熱交換器3に流入した冷媒は、室外熱交換器3で周囲室外空気と熱交換して蒸発・気化する。室外熱交換器3を流出した冷媒は、四方弁2、アキュムレータ4を介し圧縮機1に吸入される。なお、過冷却絞り装置12は全閉であり流れがなく、過冷却用熱交換器13で熱交換はない。
このような暖房運転により、室内温度は徐々に上昇して目標温度に近づくこととなる。
上記のような暖房運転においては、圧縮機1から室内絞り装置6まで(高圧側)の配管内は高圧の冷媒が存在している。また、室内絞り装置6から圧縮機1の吸入側まで(低圧側)の配管内には低圧の冷媒が存在している。
この状態で圧縮機1の運転を停止させた場合、室内絞り装置6の開度を開けることで、高圧側から低圧側へ冷媒が流れる。これにより、圧縮機1を停止した後も、高圧高温の冷媒を、室内熱交換器7に流通させて室内空気と熱交換することで、冷媒が凝縮し暖房運転を継続することができる。
このような圧縮機1の停止後における暖房運転の動作について、図4を用いて次に説明する。
図4においては、上段は室内温度と時間との関係を示し、中段は圧縮機1の動作状態と時間との関係を示し、下段は室内絞り装置6の開度と時間との関係を示している。
圧縮機停止時間Tを経過した後、室内絞り装置6の開度を全閉に、空気調和機の暖房運転を停止する。
図5は本発明の実施の形態1に係る制御装置の動作を示すフローチャートである。
以下、図5の各ステップに基づき、説明する。
所定時間経過していればSTEP2へ進み、時間tを0に戻す。
STEP3では、冷媒回路の高圧側の冷媒配管内の冷媒量を算出する。この冷媒量M[kg]は、以下により求める。
ρ=f(Ph,Th)
ここで、Vは高圧側冷媒配管の容積である。
ρは冷媒密度[kg/m3]であり、高圧側冷媒圧力Ph[Pa]と、高圧側冷媒温度Th[℃]とから、冷媒種類に応じた関数により算出できる。
つまり、冷房運転時においては、高圧側冷媒配管の容積Vは液冷媒配管30の容積となり、高圧側冷媒温度Thは液配管温度センサ15の計測値となる。
また、暖房運転時においては、高圧側冷媒配管の容積Vはガス冷媒配管40の容積となり、高圧側冷媒温度Thは室内ガス管温度センサ17の計測値となる。
また、冷房・暖房運転の何れも、高圧側冷媒圧力Phは高圧圧力センサ14の計測値となる。
なお、ここでは、液冷媒配管30またはガス冷媒配管40の容積により冷媒量Mを求めるが、室外ユニット10内および室内ユニット20内の冷媒配管や熱交換器内に溜まる冷媒等を加味して、冷媒量Mを求めても良い。
なお、圧縮機停止時間Tは、本発明における「停止可能時間」に相当する。
G=f(cv,ρ,ΔP)
ここで、Gは室内熱交換器7を流通する冷媒流量[kg/h]である。
cv値は、室内絞り装置6の開度(パルス数)の関数(cv=f(パルス数))で算出される。
ΔPは、室内絞り装置6の上流側と下流側との圧力差[Pa]であり、高圧圧力センサ14の計測値と低圧圧力センサ19の計測値との差分により求まる。
なお、室内絞り装置6の開度を変更するようにしても良い。このように、圧縮機停止時間Tにおいて室内絞り装置6の開度を変更することで、室内熱交換器7を流れる冷媒流量Gが変化するため、圧縮機停止時間Tを変化させることができる。
室内絞り装置6の開度S2を1400パルス(固定)にすると、冷媒流量Gは例えば460kg/hとなる。
この冷媒流量G(460kg/h)で、室外熱交換器3から液冷媒配管30までの冷媒量M(約2.7kg)が流れる時間(圧縮機停止時間T)は、上記算出式から約21秒となる。つまり、圧縮機1の運転が停止状態でも約21秒間は空調運転が継続することが可能である。
つまり、通常運転時間は、室内温度が目標温度となるまで圧縮機1の運転を継続したと仮定した場合の、現時点からの運転時間である。この通常運転時間は、例えば、現在の運転能力の空調を継続した場合に、室内温度が目標温度に達するまでの時間を推定することで求めることができる。なお、運転能力は圧縮機1の回転数、室内絞り装置6の開度、室内送風機8の送風量などから算出できる。
なお、通常運転時間の算出方法はこれに限るものではない。例えば、室内温度の変化率から温度下降(上昇)の傾斜を求め、目標温度に達するまでの時間を推定しても良い。
STEP7では、STEP6で求めた圧縮機運転時間の経過を判断する。圧縮機運転時間を経過したとき、STEP8へ進み、圧縮機1の運転を停止させる。
STEP10では、圧縮機1の停止からの経過時間が、圧縮機停止時間Tを経過していいるか判断する。
圧縮機停止時間Tを経過したとき、STEP11へ進み、室内絞り装置6を全閉に設定し、空調運転を停止する。
このため、圧縮機1の運転時間を短くすることができ、消費電力を削減することができる。また、圧縮機1の停止時において高圧側の冷媒配管内の冷媒を空調運転に利用することができる。
また、圧縮機1の停止時に室内絞り装置6を開けることで、液封の恐れがなくなる。
このため、室内温度が目標温度に到達する前に圧縮機1を停止させても、圧縮機停止時間Tの間、冷房、暖房運転を継続させ、空調運転を行うことができる。よって、圧縮機1の運転時間を短くすることができ、消費電力を削減することができる。
Claims (5)
- 圧縮機と室外熱交換器とを有する室外ユニットと、絞り装置と室内熱交換器とを有する室内ユニットとが、2本の冷媒配管を介して接続されることにより構成され、冷媒を循環させる冷媒回路と、
前記室内熱交換器が前記冷媒と熱交換する室内空気の温度を検出する室内温度センサと、
前記室内空気の温度が目標温度となるように、前記圧縮機の動作および前記絞り装置の開度を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
前記2本の冷媒配管のうち高圧側の冷媒配管内の冷媒量と、前記絞り装置に設定する開度とに基づき、高圧側の冷媒配管内の冷媒が前記室内熱交換器に流通する時間である停止可能時間を求め、
前記室内空気の温度が目標温度となる前に、前記停止可能時間の間、前記圧縮機の運転を停止し、前記絞り装置の開度を全閉より大きい開度に設定し、
前記2本の冷媒配管のうち高圧側の冷媒配管内の冷媒を前記室内熱交換器に流通させて、該冷媒と室内空気とを熱交換させて空調運転を行う
ことを特徴とする空気調和機。 - 前記制御装置は、
前記室内空気の温度と前記目標温度との温度差とに基づき、前記圧縮機が運転状態において前記室内空気の温度が前記目標温度に達するまでの時間である通常運転時間を求め、
前記圧縮機の運転時間が、前記通常運転時間から前記停止可能時間を減算した時間を経過したとき、前記圧縮機の運転を停止させる
ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。 - 前記制御装置は、
前記室内空気の温度と前記目標温度との温度差とに基づき、前記圧縮機が運転状態において前記室内空気の温度が前記目標温度に達する時刻を求め、
前記時刻から前記停止可能時間を減算した時刻となったとき、前記圧縮機の運転を停止させる
ことを特徴とする請求項1記載の空気調和機。 - 前記制御装置は、
前記圧縮機の運転時における高圧側の冷媒圧力および冷媒温度と、前記冷媒配管の容積とに基づき、前記2本の冷媒配管のうち高圧側の冷媒配管内の冷媒量を求め、
前記絞り装置に設定する開度に基づき、該絞り装置を流通する冷媒流量を求め、
前記冷媒量と前記冷媒流量とに基づき、前記停止可能時間を求める
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の空気調和機。 - 前記制御装置は、
前記室内空気の温度が目標温度となる前に前記圧縮機の運転を停止したとき、
前記絞り装置の開度を、前記圧縮機の運転状態における開度より大きい開度に設定する
ことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の空気調和機。
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