JP2008188564A - 有機混合溶液の分離膜及びその製造方法 - Google Patents

有機混合溶液の分離膜及びその製造方法 Download PDF

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嘉道 清住
Yasuhisa Hasegawa
泰久 長谷川
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多加子 長瀬
Fujio Mizukami
富士夫 水上
Kenji Kimura
賢司 木村
Riichi Nishide
利一 西出
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【課題】MFIゼオライト膜(シリカライト膜)を用いて、分子径の小さなノルマル−ヘプタンが選択的に透過する分子ふるい的透過機構による分離膜を提供する。
【解決手段】多孔質基板上に配したシリカライトの種晶を二次成長させて製膜したゼオライト膜であって、ノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を分離できる機能を持つことを特徴とするゼオライト膜、及び、前記のゼオライト膜の合成方法であって、シリカライトの種晶を多孔質基板に塗布した後、水熱合成法及び/又は水蒸気処理によって種晶を二次成長させてゼオライトに転換する手法により合成することを特徴とするゼオライト膜の製造方法。
【効果】アルミナなどの多孔質基板上に製膜した、ゼオライト膜による浸透気化分離の効率的回収法を提供し、ノルマル炭化水素と芳香族炭化水素の混合溶液から分子ふるい的な分離、すなわち、分子径の小さなノルマル炭化水素の分離を安定的に行うことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機混合溶液の分離膜及びその製造方法に係るものであり、更に詳しくは、ゼオライト膜及びその合成法、有機溶液混合物中のノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を分離できる機能を持つゼオライト膜に関するものである。本発明は、ゼオライトの細孔及び/又は結晶粒界を使った分離手法であり、ノルマル炭化水素(直鎖炭化水素)と芳香族炭化水素を高選択・効率的に分離する機能を持つゼオライト膜を提供するものである。
ゼオライトは、規則的に配列したミクロ孔を有し、一般に、耐熱性が高く、化学的にも安定なものが数多く得られることから、様々な分野で利用されている。このゼオライトの骨格構造は、Siの一部がAlに置換したアルミノシリケートであり、分子オーダー(3−10Å程度)の細孔を有し、立体選択的な吸着作用を持つことよりモレキュラーシーブ(分子ふるい)としての機能を有する。数十種類の天然に産出するゼオライトの他に、これまでに、150種類以上のゼオライトが合成されており、固体酸触媒、分離吸着剤、イオン交換剤等の分野で幅広く用いられている。
このゼオライトは、可塑性に乏しいため、膜化する場合、ほとんどの場合は、水熱合成法、すなわち、大量の水とアルミニウム源、シリカ源、アルカリ金属、アミン類などの有機結晶化調整剤を適宜目的の生成物ゼオライト組成になるように調合し、オートクレーブ等の圧力容器にそれらを封じ込めて、アルミナやムライトなどの多孔質円板やチューブなどの基板を共存させて加熱することにより、それらの基板上にゼオライト膜を合成している。
これまでに、特許文献及び論文等により、MFI、MEL、LTA、ANA、CHA、FAU、SOD、MOR、ERI、BEA、LTL、DDRといったゼオライト膜が合成されており、これらのゼオライト膜は、それぞれのゼオライトの性質(例えば、細孔径・親和性)から分離対象を適宜選択して使用されている。また、ゼオライト種結晶を塗布した後、更に、水熱合成することにより、欠陥のないゼオライト膜を合成しており(例えば、特許文献1)、これらの手法で合成されたゼオライト膜は、気体又は液体混合物からの分離・濃縮などに利用される(例えば、特許文献2)。
近年、ゼオライト膜合成技術の向上により、蒸溜法に代る分離法として実用化された例として、A型ゼオライトの親水性を利用したアルコール水溶液からの水選択透過による、アルコールの濃縮方法(特許文献3)、などがある。このA型ゼオライトは、耐酸性が、他の高シリカ型ゼオライトと比較して劣るため(酸と接触するとその構造が破壊される)、酸性の混合物と水の分離には使用することが困難であるという課題があった。そこで、T型ゼオライト(特許文献4)、モルデナイトやシリカライトなどの高シリカ型ゼオライト膜による分離・濃縮が提案されている。
また、FAU型ゼオライト膜を用いて、トルエン(Tol)とノルマル−ヘプタン(Hep)を分離した例(非特許文献1、分離係数{Tol/Hep}=45、透過流束=0.19 kg/m/h)も報告されている。これは、FAU型ゼオライトの炭化水素に対する親和性によりトルエンを分離しているものであり、分子径の大きなトルエン(約5.8Å)の方が分子径の小さなノルマル−ヘプタン(4.3Å)よりも選択的に透過する分離膜となる。
特開2003−159518号公報 特開2003−144871号公報 特許第3431973号公報 特開2000−42387号公報 M.Tsapatsisら,Journal of Membrane Science,184,209−219(2001)
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、上記の目的に適合するMFIゼオライト膜合成法について鋭意検討した結果、多孔質支持体基板に、あらかじめ水熱合成法により合成したMFI(シリカライト)結晶を種晶として塗布し、その後、多孔質支持体基板ごとオートクレーブ中に移し、水熱合成法により多孔質支持体上の種晶を二次成長させることにより、比較的簡単にMFI(シリカライト)膜を得ることに成功した。すなわち、本発明は、MFI構造を有する膜を多孔質支持体上に製膜したゼオライト膜を提供することを目的とするものである。また、本発明は、MFIゼオライト膜(シリカライト膜)を用いて、分子径の小さなノルマル−ヘプタンが選択的に透過する分子ふるい的透過機構による分離膜を提供することを目的とするものである。
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)多孔質基板上に配したシリカライトの種晶を二次成長させて製膜したゼオライト膜であって、ノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を分離できる機能を持つことを特徴とするゼオライト膜。
(2)多孔質基板が、アルミナ、ムライト、ジルコニア、金属多孔質及び/又は金属酸化物である、前記(1)記載のゼオライト膜。
(3)ゼオライトが、ZSM−5(MFI)構造を有する、前記(1)記載のゼオライト膜。
(4)ノルマルヘプタンとトルエンを分離できる機能を持つ、前記(1)記載のゼオライト膜。
(5)シリカライトの種晶を、水熱合成法及び/又は水蒸気処理によって成長させてゼオライトに転換し、製膜した、前記(1)記載のゼオライト膜。
(6)多孔質基板の表面上にMFI結晶が配されている、前記(1)記載のゼオライト膜。
(7)前記(1)記載のゼオライト膜の合成方法であって、シリカライトの種晶を多孔質基板に塗布した後、水熱合成法及び/又は水蒸気処理によって種晶を二次成長させてゼオライトに転換する手法により合成することを特徴とするゼオライト膜の製造方法。
(8)前記(1)記載のゼオライト膜を用いてノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を浸透気化法により分離することを特徴とする炭化水素の分離方法。
(9)ノルマルヘプタンとトルエンを分離する、前記(8)記載の分離方法。
次に、本発明について更に詳細に説明する。本明細書において、数値範囲の記載は、両端値のみならず、その中に含まれる全ての任意の中間値を含むものとする。本発明は、多孔質基板上に配したシリカライトの種晶を二次成長させて製膜したゼオライト膜であって、ノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を分離できる機能を持つことを特徴とするものである。本発明では、多孔質基板が、アルミナ、ムライト、ジルコニア、金属多孔質及び/又は金属酸化物であること、ゼオライトが、ZSM−5(MFI)構造を有すること、ノルマルヘプタンとトルエンを分離できる機能を持つこと、を好ましい実施の態様としている。
また、本発明では、シリカライトの種晶を、水熱合成法及び/又は水蒸気処理によって成長させてゼオライトに転換し、製膜したこと、多孔質基板の表面上にMFI結晶が配されていること、を好ましい実施の態様としている。
また、本発明は、上記のゼオライト膜の合成方法であって、シリカライトの種晶を多孔質基板に塗布した後、水熱合成法及び/又は水蒸気処理によって種晶を二次成長させてゼオライトに転換する手法により合成することを特徴とするものである。更に、上記のゼオライト膜を用いてノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を浸透気化法により分離すること、ノルマルヘプタンとトルエンを分離すること、を好ましい実施の態様としている。
本発明にいて、多孔質支持体としては、アルミナ、ムライト、ジルコニア、ステンレススチールやアルミニウムを代表とする金属あるいは合金製の多孔質支持体、陽極酸化膜多孔質支持体などが例示される。好ましくは、平均細孔径が0.1〜10ミクロンを有する多孔質支持体が用いられる。例えば、(株)ニッカトーのPMチューブ(管状支持体)、F(平板円盤状又は角板形状)などがあげられる。これらの支持体の表面処理の方法としては、水洗い、超音波洗浄などが良く、好ましくは、水による1〜10分の超音波洗浄により、支持体表面の洗浄を行う方法が例示される。
本発明においては、膜の合成は、水熱合成法により前述の多孔質支持体にゼオライトを製膜することで行われる。その際に、シリカライトの種晶を多孔質支持体に擦り込んだ後、再度水熱合成あるいは水蒸気処理により、種晶を成長させて強固な連続膜にすることが可能である。この場合、シリカライト結晶が支持体表面に配されていれば良い。この水熱合成には、適当な容器、例えば、耐圧容器が使用される。
上記シリカライトの種晶は、シリカ原料を含む水溶液を用いて水熱合成法やドライゲルコンバージョン、固相合成法などにより二次成長させ、各種支持体上に結晶成長の際のオーバーグロース(双晶現象)を利用して、ピンホールや欠陥のない連続膜とするためのものである。その結晶の大きさは、通常50nm〜数十μmのシリカライト(MFI)構造を有していることとして定義される。このシリカライト結晶は、例えば、通常の水熱合成法により、シリカ源、アルカリ源、結晶化調整剤(TPAカチオン)及び水からなる原料溶液を耐圧容器中で加熱することにより調製される。本発明において、多孔質基板上に上記シリカライト種晶を配する方法としては、シリカライトの種晶を擦り込む方法、種晶を水などの分散液に分散させておき、分散液中に多孔質支持体を浸漬させたり、Dip−coat又はSpin−coatする方法などが例示される。
次に、上記水熱合成の条件は、TPABr、TPAOHなどのTPAカチオン原料及びNaOH、コロイダルシリカ(触媒化成Cataloid−SI30、SiO=30%、NaO<0.5%)やテトラエトキシシラン(TEOS)などのシリカ源及び水を用いて、Na:SiO:TPA:HO=0.05〜0.3:1:0.05〜0.3:80〜3000のモル比となるように混合調製した二次成長液を用いる。また、水蒸気処理は、シリケートゲル中にTPAカチオンを含有させたゲルを乾燥させた後、水蒸気を作用させることでゼオライト化させる方法が例示される。これらの水熱合成あるいは水蒸気処理により、種晶を成長させて製膜する。
本発明では、ZSM−5(MFI)構造を有するゼイライト膜が形成される。本発明のゼオライト膜は、ノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を分離できる機能を有しており、該ゼオライト膜を用いて、浸透気化法により、これらの炭化水素を分離することができる。ノルマル炭化水素としては、ガソリン成分中に存在するノルマルヘプタン、ノルマルペンタン、ノルマルブタンなどが、また、芳香族炭化水素としては、ガソリン成分中でオクタン価の比較的高いトルエンをはじめとして、エチルベンゼン、シキロへキサン、キシレン(オルト・メタ・パラ)などが例示される。
上述のように合成したシリカライト膜を管状支持体上に製膜した場合は、その片端をシール(例えば、トールシール、ニラコ(株)製)で封止し、もう一方を浸透気化性能測定装置のSUS配管にシールで接続する。図1に、浸透気化性能測定装置の一例を示す。平板状の支持体に製膜した場合は、図2のようなSUS製のセルを用いて配管に接続する。膜の部分を有機混合溶液に浸液して、同時に配管を通じて支持体内部、もしくはセル上部を真空に引くことにより、膜を透過することによって分離された物質は、気化し、図3のように、回収用コールドトラップに液化して、回収される。
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)本発明により、ZSM−5(MFI)構造を有するゼイライト膜を多孔質基板上に製膜したゼオライト膜を提供することができる。
(2)上記ゼオライト膜を用いて、ノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を分離することができる。
(3)本発明により、多孔質基板上にゼオライト膜を合成するゼオライト膜の合成方法を提供することができる。
(4)本発明は、ノルマルヘプタン等のノルマル炭化水素とトルエン等の芳香族炭化水素を分離することを可能とする炭化水素の分離方法を提供することができる。
(5)ガソリン成分中のオクタン価の低いノルマル炭化水素とオクタン価の高い芳香族炭化水素を分離することにより、自動車内燃機関中に一時的に高オクタン価の成分を供給するための装置を提供できる。
(6)ガソリン成分中のオクタン価の低いノルマル炭化水素とオクタン価の高い芳香族炭化水素を分離することにより、自動車内燃機関中にノッキングを起こしにくい装置を提供できる。
次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例等によって何ら限定されるものではない。
(1)膜合成
TPABr、NaOH、コロイダルシリカ(触媒化成Cataloid−SI30、 SiO 30%、NaO<0.5%)、蒸留水を、Na:SiO:TPA:HO=−0.1:1:0.1:160のモル比に混合して、150℃で24時間、温風式オーブン内で静置して水熱処理して、シリカライトナノ結晶を得た。
このシリカライトナノ結晶を種晶として25g/L水溶液中に分散した後、ムライトチューブ(ニッカトー(株)製、PMチューブ、Al=65%、SiO=33%、平均細孔径1.8ミクロン、かさ密度1.70g/cc、気孔率44.7%、外径10ミリ、内径3ミリ、長さ80ミリ)を分散液に浸して、10分間、超音波洗浄器内にてチューブの表面や内部の細孔に結晶を付着させた。
これを60℃で乾燥した後、ムライトチューブをSUS製のオートクレーブ(内容積120cc)内にテフロン(登録商標)製の治具に固定して縦方向に設置した。前述の種晶を合成した原料溶液をこのオートクレーブ内に移し、150℃で24時間、温風式オーブン内で静置して水熱処理した。なお、ムライトチューブの外側のみにシリカライトを被覆するために、ムライトチューブの両端をテフロン(登録商標)テープで閉じた。水熱処理後、オートクレーブ中の生成物を濾過し、イオン交換水にてpHが9.0以下になるまで洗浄した。
水熱処理後、オートクレーブを水冷した後、シリカライトで被覆されたムライトチューブを取り出し、十分に水洗した。次に、60℃で24時間、乾燥した。乾燥後のチューブを炉内部にて500℃で20時間加熱して、ゼオライト孔内部に残存するアルキルアンモニウム成分を除去した。
このようにして合成したシリカライト膜チューブの片端をシール(例えば、トールシール、ニラコ(株)製)で封止し、もう一方の側から0.2MPaの圧力で空気を送り込み、シリカライト膜部位を水の中に浸して、空気によるリーク試験を行ったところ、乾燥後の膜では、空気が透過しなかった。図1に、チューブ破断面のSEM像を示す。このチューブ破断面のSEM像によると、このシリカライト膜厚は、20μm前後であった。
(2)膜の浸透気化法によるノルマル/アロマ分離特性
この合成シリカライト膜チューブをSUSセルに固定した後、セルにヘプタン/トルエン=50/50vol%混合液を流通式により供給し、チューブ内部を真空に引いた際に気化してくる成分を、液体窒素にて急冷して再び液体として捕集した。この捕集した液体をGC−FIDにて分析したところ、99.7vol%以上がヘプタンであった。この時の透過流束(Q)=0.030kg/m・h、分離係数(Heptane/Toluen)=446であった。
シリカライトナノ結晶を5g/L水溶液中に分散した後、実施例1と同一条件で水熱処理を行った。その結果、実施例1と同様に、シリカライト膜の生成を確認した。SEM観察によるこのシリカライト膜厚は、やはり20μm前後であった。膜の浸透気化法によるノルマル/アロマ分離特性を実施例1と同様に調べたところ、捕集した液体は97vol%以上がヘプタンであった。この時の透過流束(Q)=0.027kg/m・h、分離係数(Heptane/Toluen)=47であった。
実施例1のシリカライト膜チューブにおいて、ムライトチューブの代わりにNOKチューブを用い、実施例1と同様にシリカライト膜を調製した。SEM観察によるこのシリカライト膜厚は、8μm前後であった。浸透気化法によるノルマル/アロマ分離特性を実施例1と同様に調べたところ、この時の透過流束(Q)=0.009kg/m・h、分離係数(Heptane/Toluen)=2.74、とヘプタン選択性を示した。
実施例3のシリカライト膜チューブにおいて、Si/Al=50となるように原料液を調製した。SEM観察によるこのシリカライト膜厚は、20μm前後であった。浸透気化法によるノルマル/アロマ分離特性を実施例1と同様に調べたところ、この時の透過流束(Q)=0.017kg/m・h、分離係数(Heptane/Toluen)=1.66、とヘプタン選択性を示した。
実施例4のシリカライト膜チューブにおいて、500℃焼成の後、1mMの塩化カルシウム溶液にて半日イオン交換を行った。SEM観察によるこのシリカライト膜厚は、20μm前後であった。浸透気化法によるノルマル/アロマ分離特性を実施例1と同様に調べたところ、この時の透過流束(Q)=0.007kg/m・h、分離係数(Heptane/Toluen)=3.74、とヘプタン選択性を示した。
実施例4のシリカライト膜チューブにおいて、550℃焼成の後、1mMの塩化カルシウム溶液にて半日イオン交換を行った。SEM観察によるこのシリカライト膜厚は、20μm前後であった。浸透気化法によるノルマル/アロマ分離特性を実施例1と同様に調べたところ、この時の透過流束(Q)=0.007kg/m・h、分離係数(Heptane/Toluen)=3.74、とヘプタン選択性を示した。
比較例1
実施例4のシリカライト膜チューブにおいて、550℃焼成の後、1mMの塩化リチウム溶液にて半日イオン交換を行った。SEM観察によるこのシリカライト膜厚は、20μm前後であった。浸透気化法によるノルマル/アロマ分離特性を実施例1と同様に調べたところ、この時の透過流束(Q)=0.09kg/m・h、分離係数(Heptane/Toluen)=1.07、と殆ど選択性を示さなかった。
比較例2
実施例1のシリカライト膜チューブにおいて、ノルマル/アロマ分離特性を浸透気化法の代わりに加圧によって調べようと試みたところ、0.6Mpa加圧下においても、膜内部に浸透してくる液成分は得られなかった。
比較例3
実施例1において、シリカライトの代わりにフォージャサイト膜を作製し、ノルマル/アロマ分離特性を実施例1と同様に調べたところ、この時の透過流束(Q)=1.45 kg/m・h、分離係数(Heptane/Toluen)=0.66、とトルエン選択性が認められた。
以上詳述したように、本発明は、有機混合溶液の分離膜及びその製造方法に係るものであり、本発明により、ZSM−5(MFI)構造を有するゼイライト膜を多孔質基板上に製膜したゼオライト膜を提供することができる。また、上記ゼオライト膜を用いて、ノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を分離することができる。更に、本発明のゼオライト膜は、例えば、ガソリン燃料成分中ノッキングを起こしやすいヘプタンを除去することによってオクタン価を上げるための精製などに用いることが可能である他、廃油などから遊離した直鎖脂肪酸類の分離回収にも用いられるものとして有用である。
本発明の浸透気化分離における透過物の回収装置(バッチ式浸透気化性能測定装置)の全体概略図である。 本発明の浸透気化分離における透過物の回収装置の平膜用セル部分の概略図である。 本発明の浸透気化分離における透過物の(コールドトラップによる透過物の回収測定)回収装置のトラップ部の概略図である。

Claims (9)

  1. 多孔質基板上に配したシリカライトの種晶を二次成長させて製膜したゼオライト膜であって、ノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を分離できる機能を持つことを特徴とするゼオライト膜。
  2. 多孔質基板が、アルミナ、ムライト、ジルコニア、金属多孔質及び/又は金属酸化物である、請求項1記載のゼオライト膜。
  3. ゼオライトが、ZSM−5(MFI)構造を有する、請求項1記載のゼオライト膜。
  4. ノルマルヘプタンとトルエンを分離できる機能を持つ、請求項1記載のゼオライト膜。
  5. シリカライトの種晶を、水熱合成法及び/又は水蒸気処理によって成長させてゼオライトに転換し、製膜した、請求項1記載のゼオライト膜。
  6. 多孔質基板の表面上にMFI結晶が配されている、請求項1記載のゼオライト膜。
  7. 請求項1記載のゼオライト膜の合成方法であって、シリカライトの種晶を多孔質基板に塗布した後、水熱合成法及び/又は水蒸気処理によって種晶を二次成長させてゼオライトに転換する手法により合成することを特徴とするゼオライト膜の製造方法。
  8. 請求項1記載のゼオライト膜を用いてノルマル炭化水素と芳香族炭化水素を浸透気化法により分離することを特徴とする炭化水素の分離方法。
  9. ノルマルヘプタンとトルエンを分離する、請求項8記載の分離方法。
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