JP2008028026A - ダイシング用粘着テープ又はシート、被加工物のダイシング方法、及び被加工物の切断片のピックアップ方法 - Google Patents

ダイシング用粘着テープ又はシート、被加工物のダイシング方法、及び被加工物の切断片のピックアップ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ダイシング時のチッピング、エキスパンド工程時の裂け、ダイシング中の粘着力低下を抑制でき、被加工物の歩留まりがよいダイシング用粘着シートを提供する。
【解決手段】 ダイシング用粘着テープ又はシートは、基材の少なくとも一方の面に平均粒径0.1〜10μmのフィラーを1〜50重量%含有するフィラー層を有し、さらにフィラー層上に粘着剤層を有していることを特徴とする。また、ダイシング用粘着テープ又はシートは、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有しているダイシング用粘着テープ又はシートであって、基材が、一部の層として、平均粒径0.1〜10μmのフィラーを1〜50重量%含有するフィラー含有層を有している積層フィラー基材であることを特徴としていてもよい。粘着剤層は、活性エネルギー線硬化型粘着剤により形成されていることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、ダイシング用粘着テープ又はシート、該ダイシング用粘着テープ又はシートを用いた被加工物のダイシング方法、および被加工物の切断片のピックアップ方法に関する。
従来より、シリコン、ガリウム、砒素などを材料とする半導体ウエハは、大径の状態で製造された後、素子小片に切断分離(ダイシング)され、さらにマウント工程に移される。この際、半導体ウエハは、粘着シートに貼付され保持された状態でダイシング工程、洗浄工程、エキスパンド工程、ピックアップ工程、マウント工程の各工程が施される。前記粘着シートとしては、例えばプラスチックフィルムからなる基材上にアクリル系粘着剤等を塗布し、粘着剤層を形成させたものが用いられている。
前記ダイシング工程においては、回転しながら移動する丸刃(ダイシングブレード)によってウエハの切断が行われるが、その際に半導体ウエハを保持するダイシング用粘着シートの基材内部まで切込みを行うフルカットと呼ばれる切断方式が主流となってきている。
しかし、フルカットで半導体ウエハを切断する際に、ダイシング用粘着シートとして、従来の粘着シートを用いたところ、半導体素子(ウエハ)の裏側面にチッピングと呼ばれる割れ(クラック)が発生する場合があった。近年、ICカードなどの普及に伴って、半導体素子の薄型化が進んでおり、半導体素子のチッピングは、半導体素子の重大な強度低下を招き、その信頼性を著しく低下させるという問題があった。
ダイシング時におけるチッピング発生のメカニズムは、概ね以下の通りであると推察されている。すなわち、フルカットによる切断方式では図3に示すように、粘着シート3の基材11の内部まで丸刃5により切り込みが行われる結果、粘着剤層12または基材(基材フィルム)11が丸刃5によって圧されて回転方向及び進行方向に変形し、その際に図3に示すように丸刃5により切断された粘着剤層12と半導体ウエハ4の界面の微小部分aで剥離が生じ、半導体ウエハ4の端部が宙に浮く形となる結果、丸刃5の回転によって切断中の半導体ウエハ4の切断部に不規則な振動が生じるようになる。その被切断体(被加工物)の不規則な振動によって切断が正常に行われず、チッピングを生じさせるものであると推察される。さらに、丸刃5は、ダイアモンド砥粒及びバインダーから構成されており、このダイアモンド砥粒により半導体ウエハを切断しているが、切断中に粘着剤成分が丸刃に付着し、「目詰まり」と呼ばれるダイアモンド砥粒が露出されなくなり切断性が低下する現象が発生する。このことも、ダイシング時におけるチッピング発生に影響を及ぼしていると推察される。
このような問題を解決する手段として、例えば粘着剤層の厚みが薄く、且つダイシング時における対被切断体(被加工物)の引き剥がし粘着力が強いものとすることにより、これにより変形しやすい粘着剤層の変形とチップ−粘着剤層界面の剥離を抑制又は防止することで、チッピングの発生を抑制又は防止するダイシング用粘着シートが提案されている(特許文献1参照)。これにより、上記チッピング発生のメカニズムのうち不規則な振動によるチッピング発生を防止できている。
また、基材中に砥粒を添加してダイシング時の目詰まりを防止するウエハ貼付用粘着シートが提案されている(特許文献2参照)。しかし、砥粒の量が多い場合には、チップをピックアップする際に必要なエキスパンド工程時に裂けてしまうという問題点があり、さらに、砥粒の量が少ない場合には、目詰まり防止効果が少ないという問題があった。
さらに、粘着剤層中に砥粒を添加してダイシング時の目詰まりを防止するウエハ貼付用粘着シートが提案されている(特許文献3参照)。しかし、砥粒の量が多い場合には、ダイシング中に必要な粘着力が不足するという問題点があり、一方、砥粒の量が少ない場合には、目詰まり防止効果が少ないという問題があった。
特開2003−142433号公報 特開昭63−205382号公報 特開昭63−205383号公報
従って、本発明の目的は、被加工物をダイシングする際に、チッピングの発生を防止することができ、被加工物の歩留まりがよいダイシング用粘着テープ又はシートを提供することにある。
本発明の他の目的は、さらに、フィラーが用いられているダイシング用粘着テープ又はシートであっても、エキスパンド工程時の裂けやダイシング中の粘着力低下の発生を抑制することができるダイシング用粘着テープ又はシートを提供することにある。
本発明の他の目的は、さらにまた、ダイシング用粘着テープ又はシートを用いたダイシング方法及びダイシング用粘着テープ又はシートを用いた被加工物のピックアップ方法を提供することにある。
本発明者らは上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、ダイシング用粘着テープ又はシートにおいて、フィラー層を設けたり、あるいは、基材を積層フィラー基材として、その一部の層としてフィラー含有層を設けると、被加工物をダイシングする際、目詰まりと呼ばれるダイアモンド砥粒が露出されなくなる現象を抑制し、チッピングの発生を抑制または防止することができ、さらに、エキスパンド工程時の裂けやダイシング工程時の粘着力の低下を防ぐことができ、被加工物の歩留まりをよくすることができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、基材の一方の面に平均粒径0.1〜10μmのフィラーを1〜50重量%含有するフィラー層を有し、さらにフィラー層上に粘着剤層を有していることを特徴とするダイシング用粘着テープ又はシートを提供する。
また、本発明は、基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有しているダイシング用粘着テープ又はシートであって、基材が平均粒径0.1〜10μmのフィラーを1〜50重量%含有するフィラー含有層を少なくとも有している積層フィラー基材であることを特徴とするダイシング用粘着テープ又はシートを提供する。
前記ダイシング用粘着テープ又はシートにおいて、被加工物と接する粘着剤層は、活性エネルギー線硬化型粘着剤により形成される粘着剤層が好ましい。
本発明は、前記ダイシング用粘着テープ又はシートを用いて被加工物をダイシングすることを特徴とする被加工物のダイシング方法、及び被加工物に、前記ダイシング用粘着テープ又はシートを貼付してダイシングした後、被加工物の切断片をピックアップすることを特徴とする被加工物の切断片のピックアップ方法を提供する。
本発明のダイシング用粘着テープ又はシートによれば、前記構成を有しているので、被加工物をダイシングする際、目詰まりと呼ばれるダイアモンド砥粒が露出されなくなる現象を抑制し、さらに、エキスパンド工程時の裂けやダイシング工程時の粘着力の低下を防ぎ、被加工物の歩留まりをよくすることができる。
[ダイシング用粘着シート]
以下に、本発明を必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。本発明におけるダイシング用粘着テープ又はシート(単に、「ダイシング用粘着シート」と称する場合がある。)は、フィラー層、あるいは、一部の層としてフィラー含有層を有している積層構造の基材(「積層フィラー基材」と称する場合がある。)を少なくとも備えている。このようなダイシング用粘着シートとしては、例えば、図1のような基材の一方の面にフィラー層を介して粘着剤層を有しているダイシング用粘着シート、基材の一方の面にフィラー層を介して粘着剤層を有し、一方、基材の他方の面に粘着剤層を有しているダイシング用粘着シート、図2のような積層フィラー基材の一方の面に粘着剤層を有しているダイシング用粘着シート、積層フィラー基材の両方の面に粘着剤層を有しているダイシング用粘着シートなどが挙げられる。なお、ダイシング用粘着シートは、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
図1及び2は、それぞれ、本発明のダイシング用粘着シートの一例を示す概略断面図である。図1及び2において、1及び2はダイシング用粘着シート、11は基材(基材フィルム)、12は粘着剤層、13はセパレータ(剥離ライナー)、14はフィラー層、15はフィラー含有層、16は樹脂層(ポリマー層)、17は積層フィラー基材である。図1で示されるダイシング用粘着シートは、基材11の一方の面に、フィラー層14を介して粘着剤層12が形成され、さらに、粘着剤層12上にセパレータ13が積層された構成を有している。また、図2で示されるダイシング用粘着シート2は、フィラー含有層16の両方の面に樹脂層15が形成された構成を有する積層フィラー基材17の一方の面に、粘着剤層12が形成され、さらに、粘着剤層12上にセパレータ13が積層された構成を有している。
また、図1及び図2で示されるダイシング用粘着シートでは、セパレータとしてセパレータ13を有しているが、セパレータは任意に用いることができる。セパレータは、粘着剤層の粘着面を保護したり、ラベル加工や粘着剤層を平滑にする観点から、用いられていることが好ましい。また、図1及び図2で示されるダイシング用粘着シートでは、基材又は積層フィラー基材の背面に離型処理を施すことにより、粘着剤層の粘着面を基材の背面により保護してもよい。
ダイシング用粘着シートは、ロール状に巻回された形態を有していてもよく、シート状のものが積層された形態を有していてもよい。なお、ダイシング用粘着シートとしては、半導体ウエハ等の被加工物(被切断体)のダイシング用として用いられる場合、通常、予め所定の形状に切断加工されたものが用いられる。
(基材)
ダイシング用粘着シートにおいて、基材(基材フィルム)としては、特に制限されず、プラスチック製基材、金属製基材、繊維製基材、紙製基材などいずれの基材であってもよいが、プラスチック製基材を好適に用いることができる。プラスチック製基材としては、例えば、プラスチック製フィルム又はシートなどが挙げられる。プラスチック製フィルム又はシートを構成する材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂(低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなど)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体(ランダム共重合体、交互共重合体など)、エチレン−ブテン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、ポリウレタン、ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレートなど)、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテル、ポリエーテルスルホン、ポリスチレン系樹脂(ポリスチレンなど)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂や、これらの樹脂の架橋体などが挙げられる。これらの構成材料は、単独で用いられていてもよく、二種以上が組み合わせられて用いられていてもよい。なお、プラスチック製フィルム又はシートの構成材料は、必要に応じて、官能基が導入されていてもよく、また、機能性モノマーや改質性モノマーがグラフトされていてもよい。
プラスチック製基材の表面には、隣接する層(例えば、粘着剤層など)との密着性や保持性を高めるために、公知乃至慣用の表面処理(例えば、コロナ放電処理、クロム酸処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理等の化学的又は物理的処理や、下塗り剤によるコーティング処理、プライマー処理、マット処理、架橋処理など)が施されていてもよい。
なお、基材としては、基材上に形成された活性エネルギー線硬化型粘着剤層に基材側から活性エネルギー線(X線、紫外線や電子線など)を照射しても、活性エネルギー線硬化型粘着剤層を硬化させることが可能なように、活性エネルギー線を少なくとも部分的に透過する特性を有しているものを好適に用いることができる。
基材は、単層の形態を有していてもよく、積層された形態を有していてもよい。また、基材は、前記樹脂を2種以上ドライブレンドしたブレンド基材であってもよい。さらに、基材中には、必要に応じて、例えば、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の公知の添加剤などが含まれていてもよい。
基材の形成方法としては、特に制限されず、公知乃至慣用の形成方法より適宜選択して採用することができる。例えば、プラスチック製基材の形成方法としては、例えば、カレンダー製膜方法、キャスティング製膜方法、インフレーション押出方法、Tダイ押出方法などが挙げられる。また、プラスチック製基材としては、多層が積層された構成を有している場合、共押出方法、ドライラミネート方法などの積層方法を利用して形成することができる。なお、プラスチック製基材は、無延伸の状態であってもよく、延伸処理により一軸または二軸延伸された状態であってもよい。
基材の厚さとしては、特に制限されず適宜決定することができるが、例えば、40〜300μmであり、好ましくは50〜250μm、さらに好ましくは60〜210μmである。
(粘着剤層)
粘着剤層に用いられる粘着剤としては、特に制限されず適宜決定することができるが、例えば公知乃至慣用の粘着剤を適宜に選択して用いることができる。このような粘着剤としては、例えばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル系などの各種感圧型粘着剤が挙げられる。なかでも、被加工物(例えば、半導体ウエハなど)との接着性などの観点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
前記アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの重合体又は必要に応じ凝集力、耐熱性などの改質を目的として(メタ)アクリル酸アルキルエステルに共重合性モノマーを共重合した共重合体が用いられる。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルとはアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステルをいい、本発明の(メタ)とは全て同様の意味である。(メタ)アクリル酸アルキルエステルのアルキルエステルとしては、例えばメチルエステル、エチルエステル、ブチルエステル、2−エチルヘキシルエステル、オクチルエステル、イソノニルエステルなどが挙げられる。中でも、引き剥がし粘着力の点から、ホモポリマーでのガラス転移温度(以下、「Tg」と称する場合がある。)が−25℃以上となるモノマーが主モノマーとして好適である。アクリル系ポリマーは、かかる主モノマーを50重量%以上含有しているものが好ましい。
共重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル(例えば、ヒドロキシエチルエステル、ヒドロキシブチルエステル、ヒドロキシヘキシルエステル等)、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N−ヒドロキシメチルアミド、(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルメタクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート等)、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル等が挙げられる。これらの共重合性モノマーは、1種又は2種以上使用できる。さらに、前記アクリル系ポリマーは、架橋させるため(架橋を目的として)、多官能性モノマーなども、必要に応じて共重合用モノマー成分として含むことができる。
共重合性モノマーの使用量(割合)は、モノマー成分全量に対して40重量%以下であることが好ましい。なお、共重合性モノマーとして、多官能性モノマーが用いられている場合、多官能性モノマーの使用量としては、粘着特性の観点から、モノマー成分全量に対して30重量%以下であることが好ましい。
前記アクリル系ポリマーは、単一モノマー又は2種以上のモノマー混合物を重合に付すことにより得られる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊上重合、懸濁重合等何れの方式で行うこともできる。粘着剤層は、被加工物としての半導体ウエハ等の汚染防止等の点から、低分子物質の含有量が小さいものが好ましい。この点から、アクリル系ポリマーの数平均分子量は、好ましくは30万以上(例えば、30万〜300万)、さらに好ましくは60万〜300万程度である。
前記粘着剤には、ベースポリマーであるアクリル系ポリマー等の数平均分子量を高めるため、架橋剤を適宜に加えることができる。架橋剤としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂、無水化合物、ポリアミン、カルボキシル基含有ポリマーなどが挙げられる。架橋剤を使用する場合、その使用量は引き剥がし粘着力が下がり過ぎないことを考慮し、一般的には、上記ベースポリマー100重量部に対して、0.01〜5重量部程度配合するのが好ましい。また粘着剤層を形成する粘着剤には、必要により、前記成分の他に、従来公知の各種の粘着付与剤、老化防止剤、充填剤、着色剤等の慣用の添加剤を含有させることができる。
粘着剤は、紫外線、電子線などにより硬化して、その粘着力が低下する活性エネルギー線硬化型粘着剤(放射線硬化型粘着剤)が好適に用いられる。半導体ウエハ等の被加工物をダイシング用粘着シートを用いてダイシングする際、丸刃(ダイシングブレード)の回転は半導体ウエハ−粘着剤層界面での剥離を促進するため、粘着剤層の粘着力(引き剥がし粘着力)は大きいほど好ましく、一方、その後のピックアップ工程では、ダイシング後の個片化した半導体チップなどの素子小片をダイシング用粘着シートからピックアップする(剥離させる)必要があるため、粘着剤層の粘着力は小さいほど好ましいためである。特に、被加工物として薄型の半導体などをダイシングする際には、より少ないストレスでチップを剥離(ピックアップ)する必要があるため、粘着剤層に用いる粘着剤として、このような活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。なお、粘着剤として活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いる場合には、ダイシング工程の後に粘着剤層に活性エネルギー線が照射されるため、前記基材(基材フィルム)や下記の積層フィラー基材は十分な活性エネルギー線透過性を有するものが好ましい。
活性エネルギー線硬化型粘着剤としては、炭素−炭素二重結合等の活性エネルギー線硬化性の官能基を有し、且つ粘着性を示すものを特に制限なく使用することができる。活性エネルギー線硬化型粘着剤としては、例えば前述のアクリル系ポリマー等のベースポリマーに、活性エネルギー線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分(これらを「活性エネルギー線硬化性成分」と称する場合がある。)を配合した粘着剤が挙げられる。
活性エネルギー線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分(活性エネルギー線硬化性成分)としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と多価アルコールとのエステル化物;エステルアクリレートオリゴマー;2−プロペニル−ジ−3−ブテニルシアヌレート、トリス(2−メタクリロキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌレート又はイソシアヌレート化合物等が挙げられる。また、活性エネルギー線硬化性成分は、1種を単独で、又は2種以上を混合して用いることができる。
活性エネルギー線硬化性成分の粘度は、特に制限されるものではないが、対シリコンミラーウエハの引き剥がし粘着力を高めるために、25℃における粘度(B型回転粘度計により測定)が5Pa・sec以上(例えば5〜100Pa・sec)、特に10Pa・sec以上(例えば10〜50Pa・sec)以上のものが好ましい。
活性エネルギー線硬化性成分の配合量は、特に制限されるものではないが、対シリコンミラーウエハの引き剥がし粘着力を高めることを考慮すると、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば、30〜150重量部、好ましくは50〜120重量部程度である。
また、活性エネルギー線硬化型粘着剤としては、ベースポリマーとして、炭素−炭素の二重結合をポリマーの側鎖又は主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いることもできる。このようなベースポリマーとしては、前述のようなアクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。この場合においては、活性エネルギー線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分(活性エネルギー線硬化性成分)を加えなくてもよく、その使用は任意である。
前記活性エネルギー線硬化型粘着剤は、活性エネルギー線を照射した際に、効率よく、重合乃至硬化を行うために、光重合開始剤を含んでいることが好ましい。このような光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系開始剤;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3´−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系開始剤;α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、α−ヒドロキシ−α,α´−ジメチルアセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)−フェニル]−2−モルホリノプロパン−1等の芳香族ケトン系開始剤;ベンジルジメチルケタール等の芳香族ケタール系開始剤;チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ドデシルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン系開始剤、ベンジル等のベンジル系開始剤、ベンゾイン等のベンゾイン系開始剤の他、α−ケトール系化合物(2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなど)、芳香族スルホニルクロリド系化合物(2−ナフタレンスルホニルクロリドなど)、光活性オキシム系化合物(1−フェノン−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシムなど)、カンファーキノン、ハロゲン化ケトン、アシルホスフィノキシド、アシルホスフォナートなどが挙げられる。なお、光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合開始剤の配合量としては、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100重量部に対して、例えば、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部程度である。
このような活性エネルギー線(放射線)としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適である。また、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などは特に制限されず、光重合開始剤を活性化させて、モノマー成分の反応を生じさせることができればよい。
粘着剤層の厚さとしては、特に制限されないが、1〜50μmであることが好ましく、特に3〜20μmであることが好ましい。ダイシング用粘着シートに貼り付けられた被加工物は、ダイシングの際に振動することがあり、この時に振動幅が大きいと、チッピングが発生する場合がある。しかしながら、粘着剤層の厚さを50μm以下とすることにより、被加工物をダイシングする際に発生する振動の振動幅が大きくなり過ぎるのを抑制することができ、その結果、チッピングの低減を効果的に図ることができる。また、粘着剤層の厚さを1μm以上とすることにより、ダイシングの際に被加工物が容易に剥離しない様に、粘着剤層上に貼り付けられた被加工物を確実に保持することが可能となる。特に、粘着剤層の厚さを3〜20μmとすることにより、チッピングの低減をより一層図ることができるとともに、ダイシングの際の被加工物の固定もより一層確実にすることができ、ダイシング不良の発生を効果的に抑制又は防止することができる。なお、粘着剤層は、単層の形態を有していてもよく、積層された形態を有していてもよい。
(セパレータ)
セパレータ(剥離ライナー)は、ラベル加工のため、又は粘着剤を平滑にする目的のため、必要に応じて設けられる。このようなセパレータとしては、特に制限されず、例えば、公知のセパレータの中から適宜選択して用いることができる。セパレータの構成材料(基材の材料)としては、例えば、紙類;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂による合成樹脂フィルムなどが挙げられる。また、セパレータの表面には、粘着剤層からの剥離性を高めるために、必要に応じて、シリコーン処理、長鎖アルキル処理、フッ素処理等の剥離処理(離型処理)が施されていてもよい。さらに、必要に応じて、粘着剤層[特に、活性エネルギー線硬化型粘着剤層]が環境紫外線によって反応するのを防止するために、紫外線防止処理が施されていてもよい。セパレータの厚みは、特に制限されないが、通常、10〜200μm(好ましくは25〜100μm)である。なお、セパレータは、単層の形態を有していてもよく、多層の形態を有していてもよい。
(フィラー層)
フィラー層は、少なくとも層中にフィラーを含有する層である。このようなフィラー層上に粘着剤層を有しているダイシング用粘着シートで被加工物をダイシングすれば、フィラー層に含有されるフィラーで、丸刃に付着した粘着剤層成分をそぎ落とし、目詰まりと呼ばれるダイアモンド砥粒が露出されなくなる現象を抑制することができるため、ダイシング時のチッピング発生を防止することができ、さらに、このようなダイシング用粘着シートでは、フィラー層のみにフィラーが含まれているため、エキスパンド工程時の裂けやダイシング工程時の粘着力の低下も防ぐことができる。
フィラー層に含有されるフィラーとしては、特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタンなどのセラミックス;銀、銅、ステンレスなどの金属;ダイアモンド砥粒;炭素繊維;ガラス;石英ガラスなどが挙げられる。中でも、酸化チタン、ステンレス、ダイヤモンド砥粒、ガラスなどが好適に用いられる。
フィラーの形状は、丸刃に付着した粘着剤層成分をそぎ落とすことができる限り、特に制限されず、例えば、球状、棒状、角柱状、不定形状などが挙げられる。また、針状の形状を有していてもよい。
フィラーの平均粒径は、特に制限されないが、例えば0.1〜10μm、好ましくは0.3〜7μm、さらに好ましくは0.5〜5μmである。なお、フィラーの平均粒径は、フィラーの粒径分布において、ある特定の粒子径より大きいフィラーの重量が、全フィラーの重量の50%をしめる場合の特定の粒子径である50%重量平均粒径を示し、また、粒径(粒子径)は、円相当径で表したものをいう。
また、フィラー層におけるフィラーの含有量は、特に制限されないが、例えば1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%、さらに好ましくは5〜30重量%である。
フィラー層において、フィラー以外の成分としては、特に制限されないが、例えば、バインダー、紫外線硬化性のモノマー・オリゴマー混合液、紫外線硬化性の粘着剤などが挙げられ、バインダーを好適に用いることができる。上記のバインダー、紫外線硬化性のモノマー・オリゴマー混合液、紫外線硬化性の粘着剤などは、公知のものから適宜選択して用いることができる。例えば、上記公知のバインダーとしては、ポリエステル樹脂、ポリエチレン、アクリル樹脂などが挙げられる。
フィラー層は、例えば、バインダー中にフィラーを含有させた溶液を塗工すること、フィラーを含有させた紫外線硬化性のモノマー・オリゴマー混合液や紫外線硬化性の粘着剤などを塗工し紫外線を照射すること(UV架橋法)、フィラーが含有されたバインダーを用いた共押出し法などにより、形成される。
フィラー層の厚さは、フィラー層に含有されるフィラーの種類等に応じて適宜設定できるが、例えば、1〜20μm、好ましくは2〜18μm、さらに好ましくは3〜15μmである。なお、フィラー層は、単層の形態を有していてもよく、多層の形態を有していてもよい。
(積層フィラー基材)
積層フィラー基材は、積層構造を有する基材(積層体基材)であって、その一部の層がフィラー含有層である基材である。このような積層フィラー基材が用いられているダイシング用粘着シートで被加工物をダイシングすれば、積層フィラー基材のフィラー含有層に含有されるフィラーで、丸刃に付着した粘着剤層成分をそぎ落とし、目詰まりと呼ばれるダイアモンド砥粒が露出されなくなる現象を抑制することができるため、ダイシング時のチッピング発生を防止することができ、さらに、このような積層フィラー基材を用いたダイシング用粘着シートでは、積層フィラー基材のフィラー含有層のみにフィラーが含まれているため、エキスパンド工程時の裂けやダイシング工程時の粘着力の低下も防ぐことができる。
積層フィラー基材としては、少なくともフィラー含有層を有する限り、その層数は特に制限されない。このような積層フィラー基材としては、例えばフィラー含有層の一方の面に樹脂層(ポリマー層)を有している積層フィラー基材(2層の積層体基材)、図2のようなフィラー含有層15の両方の面に樹脂層(ポリマー層)16を有している積層フィラー基材17(3層の積層体基材)などが挙げられる。また、積層フィラー基材が3層以上の積層構造を有する場合、複数のフィラー含有層を有していてもよい。
また、積層フィラー基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有しているダイシング用粘着シートは、粘着剤層を、積層フィラー基材のフィラー含有層上に有していてもよいし、フィラー含有層以外の層(例えば、樹脂層やポリマー層など)上に有していてもよい。例えば、積層フィラー基材がフィラー含有層の一方の面に樹脂層(ポリマー層)を有している2層構造の積層フィラー基材である場合、粘着剤層を、積層フィラー基材のフィラー含有層側の面上に有していてもよいし、樹脂層(ポリマー層)側の面上に有していてもよい。なお、フィラー含有層の一方の面に樹脂層(ポリマー層)を有している2層構造の積層フィラー基材のフィラー含有層側の面上に粘着剤層を有しているダイシング用粘着シートは、基材の一方の面にフィラー層を有し、さらにフィラー層上に粘着剤層を有しているダイシング用粘着シートと同じ構成を有する。
積層フィラー基材中のフィラー含有層は、少なくとのフィラーを含む層であればよいため、フィラーを含む限り、その層の形態、フィラー以外の成分、厚さ等は特に制限されない。
フィラー含有層に含有されるフィラーとしては、特に限定されないが、例えば、前記フィラー層に含有されるフィラー(例えば、酸化チタン、ステンレス、ダイヤモンド砥粒、ガラスなど)が用いられる。
フィラー含有層に含有されるフィラーの形状は、特に制限されないが、前記フィラー層に含有されるフィラーの形状と同様であり、例えば、球状、棒状、角柱状、不定形状、針状などの形状を有していてもよい。
フィラー含有層に含有されるフィラーの平均粒径は、特に制限されないが、例えば、前記フィラー層に含有されるフィラーの平均粒径と同様であり、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.3〜7μm、さらに好ましくは0.5〜5μmである。なお、フィラー含有層に含有されるフィラーの平均粒径も、前記フィラー層に含有されるフィラーの平均粒径と同様に、50%重量平均粒径を示し、また、粒径(粒子径)は、円相当径で表したものをいう。
フィラー含有層において、フィラー以外の成分としては、特に制限されないが、例えば、前記フィラー層におけるフィラー以外の成分と同様に、バインダー、紫外線硬化性のモノマー・オリゴマー混合液、紫外線硬化性の粘着剤などを用いることができる。中でも、紫外線硬化性の粘着剤(例えば、アクリル系ポリマーをベースポリマーとする紫外線硬化性のアクリル系粘着剤など)を好適に用いることができる。
フィラー含有層の厚さは、フィラー含有層に含有されるフィラーの含有量や種類等に応じて適宜設定できるが、例えば、5〜100μm、好ましくは7〜75μm、さらに好ましくは10〜50μmである。なお、フィラー含有層は、単層の形態を有していてもよく、多層の形態を有していてもよい。
積層フィラー基材中のフィラー含有層の位置としては、被加工物(被切断体)のダイシング時に丸刃がフィラー含有層に届き、フィラー含有層中に含有されるフィラーで丸刃に付着した粘着剤層成分をそぎ落とすことができる限り、特に制限されない。つまり、積層フィラー基材中のフィラー含有層の位置は、丸刃の厚さ(ダイシングブレードの厚さ)等により、ダイシング時に丸刃が達すると想定される範囲を考慮して適宜決定される。
積層フィラー基材中のフィラー含有層の位置としては、シリコンウエハ、ガリウム砒素・炭化ケイ素(SiC)が用いられている加工物などの丸刃の刃厚(厚さ)を厚くする必要がない基板をダイシングする場合、例えば、フィラー含有層の両方の面に樹脂層を有している3層構造の積層フィラー基材(例えば、図2で示されている積層フィラー基材17など)における被加工物に接する粘着剤層側の樹脂層とフィラー含有層との界面の位置で、被加工物に接する粘着剤層側の積層フィラー基材の表面から、1〜50μm(好ましくは2〜45μm、さらに好ましくは、3〜40μm)である。なお、このような被加工物をダイシングの際に用いられる丸刃の厚さは、20〜100μmである。
一方、ガラス基板、樹脂基板などの丸刃の刃厚(厚さ)を厚くする必要がある基板をダイシングする場合、例えば、フィラー含有層の両方の面に樹脂層を有している3層構造の積層フィラー基材における被加工物に接する粘着剤層側の反対側の樹脂層とフィラー含有層との界面の位置で、被加工物に接する粘着剤層側の反対側の積層フィラー基材の表面から、30μm以上(例えば30〜200μm)、好ましくは40μm以上(例えば40〜150μm)、さらに好ましくは50μm以上(例えば50〜120μm)である。なお、このような被加工物をダイシングの際に用いられる丸刃の厚さは、0.1〜0.5mmである。
積層フィラー基材中の樹脂層(ポリマー層)としては、例えば前記基材(基材フィルム)として好適に用いられるプラスチック製フィルム又はシートを構成する材料としての樹脂から形成される樹脂層(樹脂フィルム)が挙げられる。中でも、ポリオレフィン系樹脂(低密度ポリエチレン、直鎖状ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ランダム共重合ポリプロピレン、ブロック共重合ポリプロピレン、ホモポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテンなど)や、(メタ)アクリル系共重合体、(メタ)アクリル系モノマー−オレフィン共重合体などの樹脂から形成される樹脂層(樹脂フィルム)を好適に用いることができる。
樹脂層の構成材料としての樹脂は、単独で用いられていてもよく、二種以上が組み合わせられて用いられていてもよい。また、樹脂は、必要に応じて、官能基が導入されていてもよく、さらに、機能性モノマーや改質性モノマーがグラフトされていてもよい。さらにまた、樹脂には、必要に応じて、例えば、充填剤、難燃剤、老化防止剤、帯電防止剤、軟化剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤等の公知の添加剤などが添加されていてもよい。
樹脂層の厚さは、積層フィラー基材において、フィラー含有層がダイシング時に丸刃が達すると想定される範囲に位置するように、適宜調整される。例えば、フィラー含有層の両方の面に樹脂層を有している3層構造の積層フィラー基材(厚さ:140μm)において、フィラー含有層(厚さ:20μm)と被加工物に接する粘着剤層側の樹脂層との界面を、粘着剤層側の積層フィラー基材の表面から20μmで位置するようにする場合、樹脂層の厚さは、20μmと100μmとに調整される。
積層フィラー基材は、例えば、多層共押出法やドライラミネートなどの公知の方法を用いて作製(製膜)される。具体的には、図2で示されている積層フィラー基材17のようなフィラー含有層の両方の面に樹脂層を有している3層構造の積層フィラー基材を作製する場合、例えば樹脂フィルム上にフィラーを含有する公知の熱溶融性バインダー層を設けて、別の樹脂フィルムでこの設けたバインダー層を熱ラミネートすることにより作製する方法や、樹脂フィルム上にフィラーを含有する公知の粘着剤組成物を塗布・乾燥させ、必要に応じて紫外線等の活性エネルギー線の照射を行い、フィラーを含有する粘着剤層を設けて、別の樹脂フィルムでこの設けた粘着剤層をラミネートすることにより作製する方法などを用いることにより、作製される。
積層フィラー基材の厚さは、特に制限されないが、通常40〜300μmであり、好ましくは50〜250μm、さらに好ましくは60〜210μmである。なお、積層フィラー基材は、多層の形態を有しているが、フィラー含有層を有している限り、その層の数は特に制限されない。
なお、積層フィラー基材としては、積層フィラー基材上に形成された活性エネルギー線硬化型粘着剤層に積層フィラー基材側から活性エネルギー線(X線、紫外線や電子線など)を照射しても、活性エネルギー線硬化型粘着剤層を硬化させることが可能なように、活性エネルギー線を少なくとも部分的に透過する特性を有しているものを好適に用いることができる。
図1のような基材の一方の面にフィラー層を介して粘着剤層を有しているダイシング用粘着シートは、例えば、基材(基材フィルム)上に前記フィラー層の形成方法を用いてフィラー層を形成させ、該フィラー層上に粘着剤組成物を塗布し乾燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)、粘着剤層を形成させ、必要に応じて粘着剤層表面にセパレータを貼り合わせることにより、作製される。また、基材(基材フィルム)上に前記フィラー層の形成方法を用いてフィラー層を形成させ、該フィラー層上に、セパレータ上に粘着剤組成物を塗布し乾燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)粘着剤層を形成させたものを、フィラー層と粘着剤層とが接する形態で貼り合わせることにより、作製されてもよい。
また、図2のような積層フィラー基材の一方の面に粘着剤層を有しているダイシング用粘着シートは、例えば、前記作製方法により作製された積層フィラー基材の被加工物と接する粘着剤層を設ける側の面に、粘着剤組成物を塗布し乾燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)、粘着剤層を形成させ、必要に応じて粘着剤層表面にセパレータを貼り合わせることにより、作製される。また、前記作製方法により作製された積層フィラー基材の被加工物と接する粘着剤層が設けられる側の面に、セパレータ上に粘着剤組成物を塗布し乾燥させて(必要に応じて加熱架橋させて)粘着剤層を形成させたものを、粘着剤層が接する形態で貼り合わせることにより、作製されてもよい。
本発明のダイシング用粘着シートは、被加工物をダイシングする際、目詰まりと呼ばれるダイアモンド砥粒が露出されなくなる現象を抑制し、さらに、エキスパンド工程時の裂けやダイシング工程時の粘着力の低下を防ぐことができ、被加工物の歩留まりをよくすることができる。
また、本発明のダイシング用粘着シートは、半導体ウエハ等の被加工物を素子小片にダイシング(切断分離)する際に、該被加工物を固定するために用いられてもよい。従って、本発明のダイシング用粘着シートは、半導体ウエハダイシング用粘着シートとして特に有用である。また、本発明のダイシング用粘着シートは、シリコン半導体ダイシング用粘着シート、化合物半導体ウエハダイシング用粘着シート、半導体パッケージダイシング用粘着シート、ガラスダイシング用粘着シートなどとして使用することができる。
さらに、本発明のダイシング用粘着シートにおいて、被加工物に接する粘着剤層として活性エネルギー線硬化型粘着剤組成物により形成される粘着剤層を用いれば、活性化エネルギー線の照射により、その粘着剤層を硬化させて、粘着力を低下させることができるため、薄型の被加工物(例えば、厚さが100μm未満の薄く脆弱な半導体ウエハなど)であっても、ダイシング後、活性エネルギー線を照射することにより、その素子小片(チップ)を容易にピックアップさせる(剥離させる)ことができる。
[被加工物のダイシング方法]
本発明における被加工物のダイシング方法では、被加工物に、前記ダイシング用粘着シートを貼付してダイシングしている。このように、本発明の被加工物のダイシング方法は、被加工物にダイシング用粘着シートを貼付するためのマウント工程と、マウント工程の後、被加工物をダイシング(切断分離)するためのダイシング工程とが少なくとも行われている。ダイシング工程は、マウント工程の後に行われることが重要であり、例えば、マウント工程の後に連続して又は短期間のうちに行われてもよく、マウント工程の後に長期間経過した後に行われてもよい。なお、マウント工程とダイシング工程との間には、必要に応じて他の工程(例えば、洗浄工程など)が行われていてもよい。
マウント工程は、被加工物にダイシング用粘着シートを貼付するために行う。マウント工程では、通常、半導体ウエハ等の被加工物と、ダイシング用粘着シートとを、被加工物と、粘着剤層の粘着面とが接触する形態で重ね合わせ、圧着ロールを用いた押圧手段などの公知の押圧手段により押圧しながら、被加工物と、ダイシング用粘着シートとの貼り付けを行う。また、加圧可能な容器(例えば、オートクレーブなど)中で、被加工物と、ダイシング用粘着シートとを、前記と同様の形態で重ね合わせ、容器内を加圧することにより、被加工物と、ダイシング用粘着シートとを貼り付けてもよい。また、減圧チャンバー(真空チャンバー)内で、前記と同様にして貼り付けることもできる。なお、貼り付けの際の貼り付け温度としては、何ら限定されないが、20〜80℃であることが好ましい。
ダイシング工程は、ダイシング用粘着シートに貼り付けられている被加工物(半導体ウエハなど)を、ダイシングにより個片化して、被加工物の切断片(半導体チップなど)を製造するために行う。ダイシング工程では、ダイシング用粘着シートに貼り付けられた被加工物のダイシングを、常法に従って行う。なお、被加工物が半導体ウエハである場合、ダイシングは、通常、半導体ウエハの回路面側から行われる。このようなダイシング工程は、通常、ブレードを高速回転させ、半導体ウエハ等の被加工物を所定のサイズに切断して行われる。また、このダイシング工程では、ダイシング用粘着シートまで切り込みを行うフルカットと称される切断方式などを採用することができる。ダイシング装置としては、特に限定されず、従来公知のものから適宜選択して用いることができる。
被加工物としては、例えば、半導体ウエハ、シリコン半導体、半導体パッケージ、ガラスや、セラミックスなどが挙げられる。
本発明の被加工物のダイシング方法を用いれば、ダイシングする際に、ダイシング用粘着シートのフィラー層あるいはフィラー含有層に含有されるフィラーで丸刃(ダイシングブレード)に付着した粘着剤層成分をそぎ落とすことができるため、目詰まりと呼ばれるダイアモンド砥粒が露出されなくなる現象を抑制することができ、ダイシング時のチッピング発生を防止することができ、また、ダイシング工程時の粘着力の低下を防ぐことができる。
[被加工物の切断片のピックアップ方法]
本発明における被加工物の切断片のピックアップ方法では、被加工物に、前記ダイシング用粘着シートを貼付してダイシングした後、切断片をピックアップしている。このように、本発明における被加工物の切断片のピックアップ方法では、被加工物に前記ダイシング用粘着シートを貼付するためのマウント工程と、マウント工程の後、被加工物をダイシング(切断分離)するためのダイシング工程と、ダイシング工程の後、被加工物の切断片をピックアップするためのピックアップ工程とが少なくとも行われている。
マウント工程とダイシング工程は、上記と同様に行われる。また、ピックアップ工程は、ダイシング工程の後に行われることが重要であり、例えば、ダイシング工程の後に連続して又は短期間のうちに行われてもよく、ダイシング工程の後に長期間経過した後に行われてもよい。なお、ダイシング工程とピックアップ工程との間には、必要に応じて他の工程(例えば、エキスパンド工程や洗浄工程など)が行われていてもよい。
なお、エキスパンド工程では、被加工物に貼付するダイシング用粘着シートとして前記ダイシング用粘着シートが用いられているため、裂けの発生を抑制することができる。
ピックアップ工程は、前記ダイシング用粘着シートに貼り付けられている被加工物の切断片を、前記ダイシング用粘着シートから剥離させて、ピックアップするために行う。すなわち、ピックアップ工程では、前記ダイシング用粘着シート上に貼り付けられている状態の被加工物の切断片(半導体チップなど)のピックアップを行う。この際、ピックアップ方法としては、特に限定されず、例えば、従来公知の種々のピックアップ方法を採用することができる。例えば、個々の切断片を、ダイシング用粘着シート側からニードルによって突き上げ、突き上げられた切断片をピックアップ装置にてピックアップする方法などが挙げられる。
前記ダイシング用粘着シートの粘着剤層に用いられる粘着剤として活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いた場合、活性エネルギー線の照射後に、ピックアップ工程が行われることが重要である。活性エネルギー線を照射することで粘着剤層を硬化させて、その粘着力を低下させることができ、前記ダイシング用粘着シートから、被加工物を、容易に剥離させることができるためである。なお、活性エネルギー線の照射は、予めピックアップ工程前に行われていてもよく、また、ピックアップ工程中に行われていてもよい。
粘着剤層に用いられる粘着剤として活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いた前記ダイシング用粘着シートを用いれば、活性エネルギー線の照射により粘着剤層の粘着力を低下させることができるため、被加工物として、例えば、厚さが100μm未満の薄く脆弱な半導体ウエハを用いる場合、粘着剤層に用いられる粘着剤として活性エネルギー線硬化型粘着剤を用いた前記ダイシング用粘着シートを用いれば、所定のサイズにダイシングして個片化した半導体チップを容易にピックアップすることができる。従って、歩留まりを有効に向上させることができる。
なお、活性エネルギー線としては、前記と同様であり、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられ、特に、紫外線が好適である。また、活性エネルギー線の照射エネルギー、照射時間、照射方法などは特に制限されず、適宜必要に応じて設定することができる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
(基材フィルムの作製例)
厚さ70μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの片面に、コロナ処理を施すことにより、基材フィルムを作製した。
(セパレータ)
セパレータは、片面がシリコーン系離型処理された、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「MRN38」三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製)を用いた。
(活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤組成物の調製例)
アクリル酸メチル(ホモポリマーでのTg=8℃):60重量部、アクリル酸ブチル(ホモポリマーでのTg=−54℃):30重量部 、アクリル酸(ホモポリマーでのTg=106℃):10重量部を、酢酸エチル中で常法により共重合させて、アクリル系共重合体(重量平均分子量:80万)を含む溶液(「アクリル系共重合体含有溶液」と称する場合がある。)を得た。次に、このアクリル系共重合体含有溶液に、ペンタエリスリトールトリアクリレートとジイソシアネートとを反応させて得られた活性エネルギー線硬化型オリゴマー(25℃での粘度:10Pa・sec):60重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):3重量部、ポリイソシアネート化合物(商品名「コロネートL」:日本ポリウレタン工業株式会社製):2重量部を均一に混合して、活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤組成物を調製した。
(フィラー層組成物の調製例1)
ポリエステル樹脂(商品名「バイロン」:東洋紡績株式会社製):100重量部のトルエン溶液に、平均粒径2.5μmのガラス粒子:10重量部を均一に混合し、フィラー層組成物(「フィラー層組成物(A)」と称する場合がある。)を調製した。
(フィラー層組成物の調製例2)
ポリエステル樹脂(商品名「バイロン」:東洋紡績株式会社製):100重量部のトルエン溶液に、平均粒径2.5μmのガラス粒子:20重量部を均一に混合し、フィラー層組成物(「フィラー層組成物(B)」と称する場合がある。)を調製した。
(積層フィラー基材の作製例)
厚さ100μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの片面に、コロナ処理を施すことにより、樹脂フィルム(「樹脂フィルム(A)」と称する場合がある。)を作製し、また、厚さ20μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムの両面に、コロナ処理を施すことにより、樹脂フィルム(「樹脂フィルム(B)」と称する場合がある。)を作製した。
アクリル酸ブチル(ホモポリマーでのTg=−54℃):95重量部 、アクリル酸(ホモポリマーでのTg=106℃):5重量部を、酢酸エチル中で常法により共重合させて、アクリル系共重合体(重量平均分子量:40万)を含む溶液に、平均粒径2.5μmのガラス粒子:20重量部を均一に混合し、フィラー含有層組成物を調製した。
樹脂フィルム(A)のコロナ処理が施された面に、上記フィラー含有層組成物を乾燥後の厚さが20μmとなるように塗布し乾燥させてフィラー含有層を形成させ、該フィラー含有層上に、樹脂フィルム(B)をラミネートすることのより、積層フィラー基材を作製した。
(実施例1)
フィラー層組成物(A)を上記基材フィルムのコロナ処理が施された面に乾燥後の厚さが10μmとなるように塗布し乾燥させてフィラー層を形成させた。次に、フィラー層上に、上記活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤組成物を、加熱・架橋処理後の厚さが5μmとなるように塗布し、活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤組成物層を形成させ、加熱・架橋処理(温度:80℃、時間:10分間)を行い、活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤層を形成させた。そして、活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤層表面に、上記セパレータを、離型処理された面が接する形態で貼り合わせ、ダイシング用粘着シートを作製した。
(実施例2)
フィラー層組成物(A)の代わりに、フィラー層組成物(B)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ダイシング用粘着シートを作製した。
(実施例3)
上記積層フィラー基材の樹脂フィルム(B)側の面に、上記活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤組成物を、加熱・架橋処理後の厚さが5μmとなるように塗布し、活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤組成物層を形成させ、加熱・架橋処理(温度:80℃、時間:10分間)を行い、活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤層を形成させた。そして、活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤層表面に、上記セパレータを、離型処理された面が接する形態で貼り合わせ、ダイシング用粘着シートを作製した。
(比較例1)
フィラー層組成物(A)の代わりに、上記活性エネルギー線硬化型アクリル系粘着剤組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてダイシング用粘着シートを作製した。
(評価)
実施例1〜3及び比較例1について、下記の(チッピング評価)、(歩留まり)により、評価した。その結果を、表1に示した。
(チッピング評価)
実施例及び比較例のダイシング用粘着シートに、裏面が研磨(#2000仕上げ)された厚さ150μmの8インチウエハをマウントした後、以下の条件で、23℃(室温)でダイシングした。ダイシング後、シート裏面から紫外線を照射(500mJ/cm2)し、エキスパンド工程を行い、次いで任意の半導体チップ50個をピックアップ(剥離)した後、半導体チップ側面のチッピングのチップ厚み方向の深さを光学顕微鏡(200倍)で観察し、その大きさ毎にチッピング数(個数)をカウントした。
(歩留まり)
チッピング評価の任意の半導体チップ50個のチップについて、チッピングサイズ50μm〜以上でないものの割合を歩留まり(%)とした。
<ダイシング条件>
ダイサー:DISCO社製、DFD−651
ブレード:DISCO社製、27HECC
ブレード回転数:40000rpm
ダイシング速度:120mm/sec
ダイシング深さ:30μm
カットモード:ダウンカット
ダイシングサイズ:2.5×2.5mm
Figure 2008028026
実施例1〜3のダイシング用粘着シートでは、チッピングサイズ50μm〜の発生がなく、歩留まりが良好であることが確認された。
また、実施例1〜3のダイシング用粘着シートでは、エキスパンド工程時に裂けが発生することはなく、さらに、ダイシング中に、粘着力が低下し、8インチウエハが剥離することもなかった。
本発明のダイシング用粘着シートの一例を示す概略断面図である。 本発明のダイシング用粘着シートの他の例を示す概略断面図である。 チッピングの発生メカニズムの説明図である。
符号の説明
1 ダイシング用粘着シート
2 ダイシング用粘着シート
3 ダイシング用粘着シート
4 半導体ウエハ
5 丸刃(ダイシングブレード)
11 基材(基材フィルム)
12 粘着剤層
13 セパレータ(剥離ライナー)
14 フィラー層
15 フィラー含有層
16 樹脂層(ポリマー層)
17 積層フィラー基材

Claims (5)

  1. 基材の少なくとも一方の面に平均粒径0.1〜10μmのフィラーを1〜50重量%含有するフィラー層を有し、さらにフィラー層上に粘着剤層を有していることを特徴とするダイシング用粘着テープ又はシート。
  2. 基材の少なくとも一方の面に粘着剤層を有しているダイシング用粘着テープ又はシートであって、基材が、一部の層として、平均粒径0.1〜10μmのフィラーを1〜50重量%含有するフィラー含有層を有している積層フィラー基材であることを特徴とするダイシング用粘着テープ又はシート。
  3. 粘着剤層が、活性エネルギー線硬化型粘着剤により形成される粘着剤層である請求項1又は2記載のダイシング用粘着テープ又はシート。
  4. 被加工物に、請求項1〜3何れかの項に記載のダイシング用粘着テープ又はシートを貼付して被加工物をダイシングすることを特徴とする被加工物のダイシング方法。
  5. 被加工物に、請求項1〜3何れかの項に記載のダイシング用粘着テープ又はシートを貼付してダイシングした後、被加工物の切断片をピックアップすることを特徴とする被加工物の切断片のピックアップ方法。
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