JP2001341121A - 高硬度シート体の切断方法及びそれに用いる粘着シート - Google Patents

高硬度シート体の切断方法及びそれに用いる粘着シート

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JP2001341121A
JP2001341121A JP2000166864A JP2000166864A JP2001341121A JP 2001341121 A JP2001341121 A JP 2001341121A JP 2000166864 A JP2000166864 A JP 2000166864A JP 2000166864 A JP2000166864 A JP 2000166864A JP 2001341121 A JP2001341121 A JP 2001341121A
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blade
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pressure
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Takashi Sato
孝 佐藤
Torao Hayashi
虎雄 林
Satoshi Asai
聡 浅井
Yukio Sumida
幸雄 隅田
Kenichi Kimura
健一 木村
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Somar Corp
Read Co Ltd
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Somar Corp
Read Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 高硬度シート体を粘着シートに粘着固定化さ
せてそのシート体を切断する方法において、ダイヤモン
ドブレードの長寿命化を達成する。 【解決手段】 粘着シートは、砥粒層と粘着層とをその
順に積層させて形成したものであって、砥粒層は樹脂中
にビッカース硬度が4000以下であり、かつ該高硬度
シート体のビッカース硬度よりも高くかつダイヤモンド
ブレード母体材料の硬度よりも高いビッカース硬度を有
する平均粒径が20〜100μmの砥粒を60〜90w
t%の割合で分散させた構造を有し、一方、ダイヤモン
ドブレードは、ビッカース硬度が100〜2000の母
体材料中に平均粒径が2〜100μmのダイヤモンド微
粒子を1〜50vol%の割合で分散させた構造を有す

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高硬度シート体の
切断方法及びそれに用いる粘着シートに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、高硬度シート体、例えば、積層セ
ラミックコンデンサー等の回路基板に用いるセラミック
シート、ガラス繊維とエポキシ樹脂とからなる積層基
板、セラミック製MR(磁気抵抗性)ヘッド、セラミッ
クを高含有率で含有しているグリーンシート等の高硬度
シート体を、粘着シート上に粘着固定化させた状態で完
全に切断して小片化することは知られている。この場
合、その切断に際しては、ダイヤモンドブレードが一般
的に用いられている。前記のような高硬度シート体をダ
イヤモンドブレードで切断する場合、多数回にわたって
切断を繰返すうちに、そのダイヤモンドブレードの切削
性能が低下するという問題が生じ、ダイヤモンドブレー
ドの目立てや交換が必要になる。これらの操作を頻繁に
行うことは、多くの時間がかかることから、好ましいこ
とではない。ダイヤモンドブレードの寿命を延ばし、そ
の交換回数を少なくするために、高硬度シート体を、砥
粒層とその上面に形成した粘着層とを有する粘着シート
のその粘着層面にあらかじめ粘着させておき、ダイヤモ
ンドブレードにより、そのブレード先端を該粘着シート
の砥粒層内に位置するまで降下させることによって完全
切断する方法が提案されている(特公平2−24872
号公報)。しかしながら、この方法においても、そのダ
イヤモンドブレードの寿命の延長効果は未だ充分ではな
く、ダイヤモンドブレードのさらなる長寿命化が要望さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高硬度シー
ト体を粘着シートに粘着固定化させてそのシート体をダ
イヤモンドブレードにより完全切断する方法において、
該ダイヤモンドブレードの長寿命化を達成する方法及び
それに用いる粘着シートを提供することをその課題とす
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、ビッカース硬度が5
00以上の高硬度シート体を小片に切断する方法におい
て、(i)該高硬度シート体を、砥粒層とその上面に形
成した再剥離性粘着層とを有する粘着シートのその粘着
層面に粘着固定化させる粘着工程、(ii)該粘着シート
上に粘着固定化された高硬度シート体を、その表面から
ダイヤモンドブレードにより、該ブレード先端を該粘着
シートの砥粒層内に位置するまで降下させることによっ
て該高硬度シート体を完全に切断する切断工程、からな
り、該粘着シートは、シート基板の片面に砥粒層と粘着
層とをその順に積層させて形成したものであって、該砥
粒層は樹脂中にビッカース硬度が4000以下であり、
かつ該高硬度シート体のビッカース硬度よりも高くかつ
下記ダイヤモンドブレードの母体材料の硬度よりも高い
ビッカース硬度を有する平均粒径が20〜100μmの
砥粒を60〜90wt%の割合で分散させた構造を有
し、一方、該ダイヤモンドブレードは、ビッカース硬度
が100〜2000の母体材料中に平均粒径が2〜10
0μmのダイヤモンド微粒子を1〜60vol%の割合
で分散させた構造を有することを特徴とする高硬度シー
ト体の切断方法が提供される。また、本発明によれば、
前記方法で用いる粘着シートであって、該粘着シート
は、シート基板の片面に砥粒層と再剥離性粘着層とをそ
の順に積層させて形成したものからなり、該砥粒層は樹
脂中にビッカース硬度が2000〜4000の範囲にあ
る平均粒径が20〜100μmの砥粒を60〜90wt
%の割合で分散させた構造を有することを特徴とする粘
着シートが提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の粘着シートは、シート基
板の片面に砥粒層と再剥離性粘着層とをその順に積層し
てなるシートである。シート基板には紙や合成樹脂フィ
ルム等が包含されるが、合成樹脂フィルムが適してい
る。このようなシート基板の具体例としては、ポリオレ
フィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチル
ペンテン等)、ポリ塩化ビニル系、ポリエステル系(ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等)、ポリイミド系、ポリアミド系、ポリウレタン系等
の各種のフィルムを挙げることができる。また、これら
のフィルムが重なった状態になっているもの(共押出し
法、積層法により)や合成樹脂フィルム(単層又は複
層)と金属層との積層フィルムも使用することができ
る。シート基板の厚みは、25〜250μm、好ましく
は50〜125μmである。
【0006】シート基板上に形成する砥粒層は、樹脂中
にビッカース硬度が2000〜4000、好ましくは2
000〜3000の範囲にあり、かつ高硬度シート体の
ビッカース硬度よりも高い、好ましくは500〜150
0程度高いビッカース硬度を有する砥粒を分散させた構
造を有する。前記砥粒としては、例えば、アルミナ(ホ
ワイトモランダム;ビッカース硬度:2300)、シリ
カ(ビッカース硬度:600)、ダイヤモンドパウダー
(ビッカース硬度:7000)、ガラス片(ビッカース
硬度:600)、酸化セリウム(ビッカース硬度:50
0)等が挙げられる。本発明では、それらの砥粒のうち
でも特にアルミナを選定するのがよい。
【0007】前記砥粒層において、その厚さは25〜2
00μm、好ましくは50〜150μmである。その砥
粒の含有率は60〜90wt%、好ましくは70〜90
%である。その砥粒の平均粒径は20〜100μm、好
ましくは30〜70μmである。20μm未満では、ダ
イヤモンドブレードに対する研磨効果が不十分であり、
一方、100μmを超えてもその研磨効果の格別の向上
は得られず、逆に、製品粘着シートをロール巻するのが
困難になる。また、砥粒の含有率が60wt%未満で
は、タイやモンドブレードに対する砥粒層の目立て効果
が不十分となり、一方、90%を超えると、製品粒状シ
ートをロール巻きするのが困難になる。
【0008】前記砥粒層には、その砥粒をシート基板上
に結着させるために、バインダー樹脂が用いられる。こ
のバインダー樹脂には、熱可塑性樹脂及び硬化性樹脂が
包含される。また、硬化性樹脂には、熱硬化性樹脂及び
光硬化性樹脂等が包含される。これらの樹脂としては、
従来公知の各種のものを用いることができる。本発明で
は、熱可塑性樹脂を用いる場合、その樹脂を含む砥粒層
のガラス転移温度が10〜40℃の範囲にあるものを好
ましく用いる。また、硬化性樹脂を用いる場合、その硬
化樹脂のを含む砥粒層のガラス転移温度が10〜40℃
の範囲にあるものを好ましく用いる。そのガラス転移温
度が10℃未満の場合には粘着層を塗布するまでの間に
ロール状にシートを巻くと、砥粒層がブロッキングしや
すく、製造上支障をきたす。そのガラス転移温度が40
℃より大の場合には、ロール状で粘着シートを製造した
場合に、砥粒層にクラックが生じ易くまた、粘着シート
にカールを生じ易く、粘着シートとして取扱い性の悪い
ものとなる。本発明においては、砥粒層の耐熱性、耐溶
剤性及び作業性等の観点から、熱硬化型のアクリル系樹
脂組成物、ウレタン系樹脂組成物又はエポキシ系樹脂組
成物の使用が好ましい。
【0009】前記砥粒層は、シート基板上に、従来公知
の方法、例えば、砥粒及びバインダー樹脂を含む塗布液
を塗布し、加熱することによって得ることができる。こ
の場合、その塗布液には、レベリング剤、チキソトロピ
ー性付与剤、泡消剤等の公知の補助添加剤を加えてもよ
い。
【0010】本発明では、前記砥粒層の上面に粘着層を
形成する。この場合、その粘着層は、再剥離性を有する
ものである。再剥離性粘接着層とは、その粘着層にセラ
ミック等の材料を粘着させた後に、その粘着層に、熱を
加えたり、紫外線や電子線等を照射することにより、そ
の粘着層の粘着力を低下させ、その粘着層(粘着シー
ト)を材料から剥離させることの可能な粘着層を意味す
る。このような粘着層は従来公知のものである。この場
合、材料から粘着層を剥離させるための強度(剥離強
度:JIS Z 0237の180度引き剥がし法で測
定した剥がし粘着力)は、0.49N/25mm以下で
あるのが好ましい。本発明においては、前記粘着層とし
ては、粘着層に熱発泡剤を含有させたものが好ましい。
この粘着層は、加熱により、その熱発泡剤が発泡して、
粘着層の粘着力を大きく低下させる。粘着層に含有させ
る熱発泡剤の割合は、5〜40wt%である。5%未満
では加熱時に発泡が不十分なため剥離し難い。また40
%より大の場合は粘着層の機能が得られなくなる。熱発
泡剤としては、公知の熱膨張性小球を使用することがで
きる。具体的に示すならば、松本油脂(株)製マイクロ
スフェアーF−1400D、F−50D等である。粘着
層を形成する粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、ウ
レタン系、シリコーン系等の従来公知の各種の粘着剤の
使用が可能である。
【0011】本発明で高硬度シート体を完全切断するの
に用いるダイヤモンドブレードは、低硬度の母体材料中
にダイヤモンド微粒子を分散させた構造のものである。
この場合、その母体材料としては、ビッカース硬度が1
00〜2000、好ましくは200〜600の材料が用
いられる。この母体材料のビッカース硬度は、前記砥粒
のビッカース硬度よりも10〜1500程度低いビッカ
ース硬度に設定するのが好ましい。このような母体材料
には、金属や金属化合物(酸化物等)が包含される。そ
の具体例としては、銅や、ブロンズ、コバルト、電気メ
ッキニッケル等が挙げられる。前記母体材料中に分散さ
せるダイヤモンド微粒子の平均粒径は、2〜100μ
m、好ましくは3〜20μmである。その平均粒径が前
記範囲の上限よりも大きくても前記範囲の下限より小さ
くても、粘着シートの効果が出にくい等の問題が生じ
る。ダイヤモンドブレード中に含まれるダイヤモンド微
粒子の割合は、1〜60vol%、好ましくは5〜50
vol%である。ダイヤモンド微粒子の割合が前記範囲
より多くなると、ダイヤモンド微粒子を保持する力が弱
まり微粒子が脱落する等の問題が生じ、一方、前記範囲
より少なくなると、ダイヤモンドブレードの摩耗が大き
くなる等の問題が生じる。
【0012】前記ダイヤモンドブレードの製造方法は特
に制約されず、従来公知の各種の方法、例えば、ダイヤ
モンド微粒子と母体材料粒子との混合物を成形し、加圧
焼結する焼結法や、金属基板上にダイヤモンド微粒子を
存在させて母体金属を電気めっきにより結合させて、そ
のダイヤモンド微粒子をめっき金属(母体金属)で固定
化させる電鋳法等がある。前記電鋳法においては、所定
厚さのダイヤモンドブレードを得るためには、その金属
めっき面にダイヤモンド微粒子の存在下で母体金属を電
気めっきする工程を繰返し行えばよい。
【0013】本発明において、高硬度シート体を切断す
るのに用いる切断材料は、その外周端部がダイヤモンド
ブレード(切削刃)に形成されている回転体からなる。
この回転体の全体構造も特に制約されず、回転体の外周
端部がダイヤモンドブレードに形成されていればよく、
従来公知の構造、例えば、ステンレスチール等の円盤の
外周端部にダイヤモンドブレードを配設した構造のもの
や、全体が母体材料中にダイヤモンド微粒子を分散させ
た構造の円盤状成形体からなり、その外周端部をブレー
ド(刃先部)に形成したもの等がある。
【0014】本発明で被切断体として用いる高硬度シー
ト体には、ビッカース硬度が500以上、特に700以
上のものが包含される。そのビッカース硬度の上限値
は、通常、3000程度である。前記高硬度シート体に
は、セラミックシート体、セラミックを含むシート体等
がある。このような高硬度シート体には、例えば、薄層
セラミックコンデンサー等の回路基板に用いるセラミッ
クシート、ガラス繊維とエポキシ樹脂からなる積層基
板、セラミック製MR(磁気抵抗性)ヘッド、セラミッ
クを高含有率で含有しているグリーンシート等が包含さ
れる。高硬度シート体において、通常、その厚さは0.
5〜3mm、その縦の長さは50〜150mm、その横
の長さは50〜300mm程度である。
【0015】本発明により高硬度シート体を完全切断
(フルカッティング)するには、先ず、高硬度シート体
を、粘着シートのその再剥離性粘着層面に粘着固定化さ
せる(粘着工程)。このような粘着工程は、従来公知の
方法で実施することができる。次に、その粘着シート上
に粘着固定化された高硬度シート体を、その表面からダ
イヤモンドブレードにより完全切断する(切断工程)。
この場合、そのダイヤモンドブレードの先端を、粘着シ
ートの砥粒層内の位置まで降下させる。これにより、ダ
イヤモンドブレード先端は、その砥粒層内の砥粒により
研磨される。前記のようにして、高硬度シートの小片化
物が粘着シートに粘着されている切断製品が得られる
が、このものは、後続の処理工程に送られ、適宜の処理
を受けた後、その粘着シートの再剥離性を利用して、小
片化物を粘着シートから剥離させる。
【0016】図1にダイヤモンドブレードにより高硬度
シート体を切断する場合の説明状態図を示す。図1にお
いて、1はダイヤモンドブレード、2はブレード支持
体、11は高硬度シート体、15は粘着シート、12は
再剥離性粘着層、13は砥粒層、14はシート基板を示
す。ブレード支持体2の下端面からブレード1の先端ま
での長さLは、ブレードの長さを示す。このブレード長
さは、使用前のブレード長さで、下記式で表される。 10×T≦L≦30×T (1) 前記式中、Lはブレード長さを示し、Tはブレードの厚
さを示す。ブレード厚さTは、通常0.01〜0.5m
m、好ましくは0.05〜0.2mm程度である。使用
前のブレード1におけるそのブレード支持体2の下端か
らの長さβは、非有効ブレード長さを示す。一方、その
高硬度シート体11の上面からブレード支持体下端まで
の長さから非有効ブレード長さβを除いたブレード長さ
αは、有効ブレード長さを示す。非有効ブレード長さβ
は、液体ノズル先端から冷却媒体(冷却水等)を噴出さ
せ、ブレードに衝突させてブレードを冷却させるのに要
するブレード長さである。このブレード長さβは、通
常、0.1〜1mm程度である。有効ブレード長さα
は、ブレードの使用によりブレードがその先端から摩耗
し、短かくなっていくときに、その摩耗の許容される長
さである。ブレードにおいて、この有効ブレード長さα
が消失されると、そのブレードの交換が必要とされる。
従って、この有効ブレード長さαによってブレードの寿
命は決定される。
【0017】この有功ブレード長さαは、次式により表
される。 α=L−[β+T(11)+T(15)] (2) 前記式中、βは非有効ブレード長さ、T(11)は高硬度シ
ート体の厚さ、T(15)は粘着シートの厚さを示す。有効
ブレード長さαは、短くなると、ブレードの寿命も短く
なるので、できるだけ長くすることが好ましいが、余り
長くすると、ブレードが曲がりやすくなるため、高硬度
シート体を高精度で切断することができなくなる。本発
明によるブレードは、前記のように、ビッカース硬度が
100〜2000でその平均粒径が2〜100μmのダ
イヤモンド微粒子を1〜60vol%の割合で分散させ
た構造を有するように設計されており、一方、粘着シー
トの砥粒層は高ビッカース硬度の砥粒を多量含有するよ
うに設計されていて、ブレード先端はその砥粒層により
効果的に砥磨されることから、ブレードの切削性能は、
高硬度シート体を切断する回数に関係なく、常に高い性
能に保持される。前記ブレード有効長さαは、本発明の
場合、ブレードの切削性能が常に高い性能に保持されて
いることから、高硬度シート体を円滑に切断することが
できる。その結果、ブレードには、曲げ応力が生じにく
いことから、有効ブレード長さαを長くすることがで
き、寿命の延長されたブレードを得ることができる。本
発明の場合、その有効ブレード長さαは、ブレード厚さ
Tの20〜30倍に設定することができる。
【0018】前記のようにして高硬度シート体を完全切
断する場合には、高硬度シート体を高精度で切断するこ
とができ、かつダイヤモンドブレードの寿命を著しく延
長させることが可能となる。即ち、本発明の場合、ダイ
ヤモンドブレードは、前記のように、硬度の低い母体材
料中にダイヤモンド微粒子を分散させた構造のものであ
り、また、粘着シートの砥粒層は、硬度の高い砥粒を高
含有率で分散させた構造のものであることから、ダイヤ
モンドブレード先端を粘着シートの砥粒層内の位置まで
降下させて高硬度シート体を完全切断するときには、そ
のダイヤモンドブレードの先端面は、その砥粒層の砥粒
により強く研磨される。この砥粒による研磨により、ダ
イヤモンドブレードを構成し、ダイヤモンド微粒子のバ
インダーとして作用していた低硬度の母体材料が摩耗除
去される。そして、この低硬度の母体材料がそのブレー
ド先端面から除去されると、母体材料中に分散(埋没)
していたダイヤモンド微粒子も、そのブレード先端面か
ら除去される。その結果、そのダイヤモンドブレード先
端面には、新しいダイヤモンド微粒子が露出して、ダイ
ヤモンドブレードの良好な切削性能が保持される。この
ようにして、ダイヤモンドブレードの先端面は、常に切
削性能の高い水準に保持されることから、ブレードを降
下させて高硬度シート体を切断する際に、その切断を円
滑に行うことができる。即ち、この切断においては、ブ
レードに対して、実質上、ブレードを垂直に降下させる
応力のみが加わり、ブレードに曲げ応力は実質上発生し
ない。従って、有効ブレード長さαを長くしても、切断
に際してのそのブレードの曲がりを防止することがで
き、ブレードの寿命を大きく延長させることができる。
なお、ブレードの摩耗量は、1万回の切断回数で約0.
1〜1mm程度であり、本発明の場合、1つの新しいブ
レードで、通常、2万回以上の切断を行うことができ
る。
【0019】
【実施例】以下本発明を実施例により説明するが、本発
明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0020】実施例1 熱硬化性アクリルポリオール(水酸基価18:固形)を
有機溶剤中に50wt%の含有率となるように溶解して
なる溶液100重量部に対し、ビッカース硬度が200
0でその平均粒径が30μmのアルミナ150重量部を
混合分散し、それにイソシアネート系硬化剤(NCO含
有率13モル%:固形)を有機溶剤中に75wt%の含
有率となるように溶解してなる溶液を、NCO含有量と
前記アクリルポリオールとが当量となるように配合し、
砥粒層形成塗布液を調製した。この塗布液を、厚さ50
μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム
(以下、第1のPETフィルムという)上に、ロールコ
ーターにより乾燥後の砥粒層厚さが100μmになるよ
うに塗布、加熱乾燥し、砥粒層が形成されたフィルムを
作り、これを径6インチの芯材にロール状に巻き取っ
た。このフィルム上に形成された砥粒層は、硬化樹脂中
に砥粒を75wt%(対砥粒層)分散させた構造を有
し、そのガラス転移温度はTMA針入モード法(JIS
K 7196に準拠した試験法)により測定したとこ
ろ32℃であった。ロール状に巻き取ったものからフィ
ルムを巻き出す過程において、砥粒層塗膜のブロッキン
グ及びクラックは見られなかった。
【0021】アクリル系粘着剤(その大部分が重量平均
分子量390000のn−ブチルアクリレート:液状)
を有機溶剤中に45wt%の含有率となるように溶解し
てなる溶液100重量部に、熱膨張性小球(平均粒径1
5μm:松本油脂社製 マイクロスフィアーF−50
D)11.3重量部、TDI(トリレンジイソシアネー
ト)系架橋剤(NCO含有率13モル%:固形)を有機
溶剤中に45wt%の含有率となるように溶解してなる
溶液5.0重量部を添加し、再剥離性粘着層形成塗布液
を調製した。この塗布液を表面にシリコーン処理が施さ
れたPETフィルム(以下、第2のPETフィルムとい
う)上にロールコーターにより乾燥後の粘着層厚さが5
0μmになるように塗布、加熱乾燥して粘着層を有する
フィルムを作り、そのフィルムの粘着層上面に、前記砥
粒層が形成されたフィルムのロール状物からフィルムを
巻き出しながらフィルムの砥粒層面を張合わせ、この張
合わせフィルムを径6インチの芯材にロール状に巻き取
った。得られたフィルムは4層構造を有する。即ち、第
1のPETフィルムの上に、砥粒層、再剥離性粘着層、
第2のPETフィルムがこの順序に積層された構造を有
する。なお、前記砥粒層が形成されたフィルムのロール
状物からフィルムを巻き出す工程においては、砥粒層に
基づくブロッキング及びクラックの問題は起こらず円滑
にフィルムを巻き出すことができた。
【0022】次に、切断装置の台座に、シート状の前記
4層構造物をセットし、その最上部に位置している第2
のPETフィルムを剥がし、再剥離性粘着層を露出させ
て粘着シートした。次いで、シート状のガラス布にエポ
キシ樹脂組成物を含浸させ、熱硬化させた後、表面に銅
箔層を設けてなるビッカーズ硬度800のシート状の積
層板(厚さ1mm、幅500mm、長さ500mm)
を、前記粘着シートの粘着層の上に押圧固定し、ダイヤ
モンドブレードにより、その先端を粘着シートの砥粒層
内に位置するまで降下させることによって完全に切断し
た。ダイヤモンドブレードとしては、ビッカース硬度が
400の銅合金中に平均粒径が30μmのダイヤモンド
微粒子(ビッカース硬度:7000以上)を25vol
%の割合で分散させた構造のものを用いた。このブレー
ドを円盤形の台金(外径2インチ、厚さ0.1mm)の
外周端部に取付けて切断部材とした。この切断部材にお
けるブレードの詳細は以下の通りである。 ブレードの長さL :2mm ブレードの厚みT :0.1mm 有効ブレード長さα :0.68mm 非有効ブレード長さβ:0.1mm
【0023】前記切断条件は、円盤状切断部材の回転
数:3万回/分、積層板面に沿った方向へのダイヤモン
ドブレードの送り速度:60mm/sec、ブレードの
粘着層上面から切り込み深さ:100μmとした。
【0024】前記のように、積層板100枚を次々に切
断したところ、いずれの積層板も円滑に切断することが
できた。この場合、そのブレードは、長さ0.05mm
が摩耗により消失した。一方、有効ブレード長さは0.
68mmであることから、前記ブレードは、前記積層板
を1200枚切断することが可能のものである。小片に
切断後、粘着シートを、150℃にて10秒の熱処理を
行うことにより、小片を糊残りがなく、容易に粘着層か
ら剥離させることができた。なお、前記軟化温度は、J
IS K 7196に準拠して測定されたものである。
この場合、測定用圧子としては、1.0±0.05mm
の長さ10mmの円柱を用いる。測定に際しての昇温速
度は10℃/分であり、圧子に対する圧力は5gfであ
る。また、ビッカース硬度は、JIS G 0202の
微小硬さ試験法により測定されたものである。
【0025】実施例2 実施例1において、粘着シートの砥粒層中の砥粒含有率
を60wt%とした粘着シートを作り、この粘着シート
を用いた以外は同様にして実験を行った。その結果、こ
の場合にも、100枚の積層板を円滑に切断することが
でき、その有効ブレード長さαが消失するまで積層板を
円滑に切断し得ることが確認された。
【0026】比較例1 実施例1において、粘着シートの砥粒層中の砥粒含有率
を50wt%とした粘着シートを作り、この粘着シート
を用いた以外は同様にして実験を行った。その結果、こ
の場合には、300枚の積層板を切断すると、そのブレ
ードの先端に樹脂による目詰まりを生じ、ブレードの切
削性能の大きな低下が見られた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、延長された寿命を有す
るタイヤモンドブレードにより、高硬度シート体を円滑
にしかも高精度で完全切断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により高硬度シート体をダイヤモンドブ
レードにより完全切断する場合の説明状態図を示す。
【符号の説明】
1 ダイヤモンドブレード 2 ブレード支持体 11 高硬度シート体 12 再剥離性粘着層 13 砥粒層 14 シート基板 15 粘着シート
フロントページの続き (72)発明者 林 虎雄 東京都中央区銀座四丁目11番2号 ソマー ル株式会社内 (72)発明者 浅井 聡 東京都中央区銀座四丁目11番2号 ソマー ル株式会社内 (72)発明者 隅田 幸雄 宮城県亘理郡亘理町逢隈牛袋字舘内144− 7 株式会社リード内 (72)発明者 木村 健一 宮城県亘理郡亘理町逢隈牛袋字舘内144− 7 株式会社リード内 Fターム(参考) 3C069 AA01 BA04 CA03 EA03 4J004 AA03 CA04 CA05 CA06 CC02 CE01 DB04 FA05 FA08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビッカース硬度が500以上の高硬度シ
    ート体を小片に切断する方法において、(i)該高硬度
    シート体を、砥粒層とその上面に形成した再剥離性粘着
    層とを有する粘着シートのその粘着層面に粘着固定化さ
    せる粘着工程、(ii)該粘着シート上に粘着固定化され
    た高硬度シート体を、その表面からダイヤモンドブレー
    ドにより、該ブレード先端を該粘着シートの砥粒層内に
    位置するまで降下させることによって該高硬度シート体
    を完全に切断する切断工程、からなり、該粘着シート
    は、シート基板の片面に砥粒層と粘着層とをその順に積
    層させて形成したものであって、該砥粒層は樹脂中にビ
    ッカース硬度が4000以下であり、かつ該高硬度シー
    ト体のビッカース硬度よりも高くかつ下記ダイヤモンド
    ブレードの母体材料の硬度よりも高いビッカース硬度を
    有する平均粒径が20〜100μmの砥粒を60〜90
    wt%の割合で分散させた構造を有し、一方、該ダイヤ
    モンドブレードは、ビッカース硬度が100〜2000
    の母体材料中に平均粒径が2〜100μmのダイヤモン
    ド微粒子を1〜60vol%の割合で分散させた構造を
    有することを特徴とする高硬度シート体の切断方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法で用いる粘着シートであ
    って、該粘着シートは、シート基板の片面に砥粒層と再
    剥離性粘着層とをその順に積層させて形成したものから
    なり、該砥粒層は樹脂中にビッカース硬度が2000〜
    4000の範囲にある平均粒径が20〜100μmの砥
    粒を60〜90wt%の割合で分散させた構造を有する
    ことを特徴とする粘着シート。
  3. 【請求項3】 該砥粒層のガラス転移温度が10〜40
    ℃である請求項2の粘着シート。
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