JP2008007322A - エレベータの終端階減速制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】終端階付近に設置するリミットスイッチの数を低減し、もってメンテナンス作業に費やす労力を軽減し、コストダウンを図ること。
【解決手段】正常動作区間情報出力手段16は、リミットスイッチLS1〜LS4からの乗りかご検出信号、かご位置検出手段15からのかご位置信号を入力し、正常動作区間情報を出力する。異常判別手段17は、かご速度検出手段14、かご位置検出手段15、正常動作区間情報出力手段16、及びリミットスイッチLS1〜LS4からの各信号の入力と、予め設定された速度閾値Va,Vb,Vc等に基づき、「スイッチ異常」又は「速度異常」の有無を判別する。速度制御手段18は、この判別結果に基づき巻上機2に制御信号を出力し、乗りかごの終端階での速度を制御する。
【選択図】図2
【解決手段】正常動作区間情報出力手段16は、リミットスイッチLS1〜LS4からの乗りかご検出信号、かご位置検出手段15からのかご位置信号を入力し、正常動作区間情報を出力する。異常判別手段17は、かご速度検出手段14、かご位置検出手段15、正常動作区間情報出力手段16、及びリミットスイッチLS1〜LS4からの各信号の入力と、予め設定された速度閾値Va,Vb,Vc等に基づき、「スイッチ異常」又は「速度異常」の有無を判別する。速度制御手段18は、この判別結果に基づき巻上機2に制御信号を出力し、乗りかごの終端階での速度を制御する。
【選択図】図2
Description
本発明は、エレベータの終端階減速制御システムに関するものである。
エレベータの乗りかごが出発階から目的階まで走行する場合、目的階付近に設定されている減速開始位置通過後から次第に減速し、その後の着床制御により目的階の着床位置に着床するようになっている。これは、目的階が終端階(最上階又は最下階)である場合、万一何らかの異常により減速区間で充分な減速が行われずに、乗りかごが昇降路の最上部又は最下部に激突してしまうことを避けるためである。
このような事態を回避するため、通常のエレベータシステムでは、減速開始位置から着床位置までの減速区間において乗りかごの過速度を検出した場合には、乗りかごを減速・停止させる終端階減速制御が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された従来のエレベータシステムでは、乗りかごに取り付けた接触板(「着検板」又は「弓」と呼ばれることがある)を、終端階付近に設置された複数のリミットスイッチに順次接触させていくことにより乗りかごの現在位置を検出し、その時のかご速度がリミットスイッチの取付位置毎に設定された過速度閾値を超えた場合に終端階減速制御を行うようにしている。
ところで、上記のリミットスイッチは乗りかご位置検出手段として機能するものであり、接触板と頻繁に接触することから比較的故障し易い機器であると言える。そして、エレベータシステムの円滑且つ安全な運行を確保するためには、リミットスイッチの故障発生を検出した場合には、速やかにこれを修理又は交換するなど適切なメンテナンス作業を行わなければならない。
そして、従来システムでは、リミットスイッチの故障発生の検出を、乗りかごが終端階付近を移動する際に複数のリミットスイッチが順番通りオン信号を出力するか否かをチェックすることにより行っていた。
特開2003−95555号公報
しかし、上記の特許文献1に係る従来システムでは、多数のリミットスイッチを用いているために、リミットスイッチの故障発生に伴うメンテナンス作業に多くの労力を費やすばかりか、コストダウンを阻害する結果となっている。メンテナンス作業に費やす労力の軽減、及びコストダウンを可能にするためにはリミットスイッチの数を低減することが考えられるが、単にリミットスイッチの数を低減するだけでは、制御に必要な乗りかご位置情報を充分に得ることができない。また、リミットスイッチの故障発生の検出についても、従来システムのようなオン信号の出力の順番をチェックする手法では充分な信頼性を確保するのは困難である。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、終端階付近に設置するリミットスイッチの数を低減し、もってメンテナンス作業に費やす労力を軽減し、コストダウンを図ることが可能なエレベータの終端階減速制御システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するための手段として、請求項1記載の発明は、乗りかごに取り付けられた接触板と、昇降路内の終端階着床位置よりも手前の終端階減速領域に配設され、乗りかご接近時における接触板との接触により、乗りかごが終端階減速領域内に位置することを示す乗りかご検出信号を出力する乗りかご検出スイッチと、乗りかごの走行速度を検出するかご速度検出手段と、前記乗りかごの位置を検出するかご位置検出手段と、乗りかご検出スイッチの動作タイミングが正常とされる区間についての情報を出力する正常動作区間情報出力手段と、乗りかご検出スイッチからの検出信号、かご速度検出手段からの検出速度、かご位置検出手段からの検出位置、及び正常動作区間情報出力手段からの正常動作区間情報を入力し、乗りかご検出スイッチが正常動作区間外で動作した場合にスイッチ異常と判別すると共に、検出速度が所定レベル以上である場合に速度異常と判別する異常判別手段と、異常判別手段の判別結果に基づき乗りかごの終端階での速度を制御する速度制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、乗りかご検出スイッチは、終端階着床位置に近い側の第1の乗りかご検出スイッチと、第1の乗りかご検出スイッチよりも所定距離だけ終端階着床位置から離間する側に配設された第2の乗りかご検出スイッチとで構成され、正常動作区間情報出力手段は、第2の乗りかご検出スイッチの乗りかご検出信号を入力した第1の時点から所定距離を上回る距離だけ乗りかごが移動した第2の時点までこの乗りかご検出信号をラッチして出力し、この第2の時点を終点として所定距離だけ第1の時点側に遡及した区間を正常動作区間とする情報を前記速度制御手段に出力するものであり、異常判別手段は、正常動作区間内に第1の乗りかご検出スイッチからの乗りかご検出信号を入力しない場合にスイッチ異常と判別するものである、ことを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、速度制御手段は、異常判別手段が第1の時点における乗りかごの走行速度を速度異常と判別した場合は減速制御を行い、異常判別手段が第1の乗りかご検出スイッチの正常動作を判別した後に速度異常と判別した場合は乗りかごを停止させる、ことを特徴とする。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、速度制御手段は、異常判別手段がスイッチ異常と判別した場合に、スイッチ異常の累積判別回数が所定回数に達したか否かを判別し、達した場合にはスイッチ異常モードでの速度制御を行う、ことを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、速度制御手段は、スイッチ異常の累積判別回数が所定回数に達していない場合に、乗りかご内に乗客が存在しないことを条件に、乗りかご検出スイッチが正常に動作するか否かを点検するための点検運転を行い、この点検運転の結果乗りかご検出スイッチに異常が認められないときは通常運転を再開する、ことを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項2記載の発明において、記接触板の長手方向の長さは、乗りかご移動中に第1及び第2の乗りかご検出スイッチの双方と同時に接触する区間を持つことが可能な長さである、ことを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項2記載の発明において、接触板の長手方向の長さは、乗りかご移動中に第1及び第2の乗りかご検出スイッチの双方と同時に接触する区間を持つことのない長さである、ことを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項4記載の発明において、スイッチ異常モードでの速度制御は、速度レベルを通常運転モードよりも所定レベルだけ低下させるものである、ことを特徴とする。
本発明によれば、終端階付近に設置するリミットスイッチの数を低減することができ、その結果、メンテナンス作業に費やす労力を軽減し、コストダウンを図ることができる。
図1は、本発明の実施形態に係るエレベータの終端階減速制御システムの構成図である。昇降路1内の上部に巻上機2が設置され、この巻上機2にメインロープ3が巻回されている。メインロープ3の一端側は乗りかご4に取り付けられ、他端側はカウンタウェイト5に取り付けられている。また、巻上機2付近には、ガバナロープ7が巻回されたガバナ6が設置されている。ガバナロープ7の一端側は乗りかご4の上部に取り付けられ、ガバナロープ7の他端側はガバナ6及びガバナシーブ8を経由して乗りかご4の下部に取り付けられている。
巻上機2及びガバナ6には、それぞれ速度計9,10が設けられており、これらの検出信号がエレベータ制御装置11に出力されるようになっている。エレベータ制御装置11は、これらの検出信号の入力に基づき巻上機2を速度制御するようになっている。なお、2つの速度計が設けられているのは、一方が故障しても他方を用いることにより運転継続を可能にして信頼性を高めるためである。
乗りかご4の側方には、長手方向の長さが乗りかご4の全長よりも長い接触板12が取り付けられている。これに対し、昇降路1の終端階の側壁13には、接触板12に接触するアクチュエータ部LS1a〜LS4aを有するリミットスイッチLS1〜LS4が配設されている。リミットスイッチLS1〜LS4は、アクチュエータ部LS1a〜LS4aが接触板12と接触したときに、エレベータ制御装置11に対して乗りかご検出信号を出力するようになっている。
リミットスイッチLS1,LS2は、一方の終端階である最上階の終端階減速領域(着床位置よりも手前側)に配設されており、着床位置(図示せず)に近い側に配設されたリミットスイッチLS1が第1の乗りかご検出スイッチとして機能し、このリミットスイッチLS1よりも所定距離だけ着床位置から離間する側に配設されたリミットスイッチLS2が第2の乗りかご検出スイッチとして機能する。同様に、リミットスイッチLS3,LS4は、他方の終端階である最下階の終端階減速領域(着床位置よりも手前側)に配設されており、着床位置(図示せず)に近い側に配設されたリミットスイッチLS4が第1の乗りかご検出スイッチとして機能し、このリミットスイッチLS4よりも所定距離だけ着床位置から離間する側に配設されたリミットスイッチLS3が第2の乗りかご検出スイッチとして機能する。
図2は、図1におけるエレベータ制御装置11の構成を示すブロック図である。この図に示すように、エレベータ制御装置11は、かご速度検出手段14、かご位置検出手段15、正常動作区間情報出力手段16(ラッチ回路等により構成される)、異常判別手段17、及び速度制御手段18を含んで構成されている。
かご速度検出手段14は、速度計9,10からの検出信号の入力に基づき乗りかご4の走行速度を演算し、これを検出速度信号として出力するようになっている。そして、かご位置検出手段15は、このかご速度検出手段14からの検出速度を積分することにより乗りかご4の位置を演算し、これを検出位置信号として出力するようになっている。
正常動作区間情報出力手段16は、リミットスイッチLS1〜LS4からの乗りかご検出信号、かご位置検出手段15からのかご位置信号を入力し、正常動作区間情報を出力するようになっている。
異常判別手段17は、かご速度検出手段14、かご位置検出手段15、正常動作区間情報出力手段16、及びリミットスイッチLS1〜LS4からの各信号の入力と、予め設定された速度閾値Va,Vb,Vc等に基づき、「スイッチ異常」又は「速度異常」の有無を判別するようになっている。速度制御手段18は、この異常判別手段17の判別結果に基づき巻上機2に制御信号を出力し、乗りかご4の終端階での速度を制御するようになっている。
図3は、最上階の減速領域における接触板12とリミットスイッチLS1,LS2との接触・非接触状態を示す説明図である。まず図3(a)に示すように、乗りかご4が下方から上昇してくると、リミットスイッチLS2のアクチュエータ部LS1aのみが接触板12と接触した状態となる。次いで図3(b)に示すように、リミットスイッチLS1,LS2の双方のアクチュエータ部LS1a,LS2aが共に接触板12に接触した状態となる。その後、図3(c)に示すように、アクチュエータ部LS2aが接触板12から離れ、リミットスイッチLS2のアクチュエータ部LS2aのみが接触板12に接触した状態となる。
図4は、リミットスイッチLS1,LS2が出力するLS1,LS2検出信号、及び正常動作区間情報出力手段16が出力するLS1,LS2ラッチ信号の各オン・オフ変化を示すタイムチャートである。この図において、時刻t1〜t4の間はアクチュエータ部LS2aが接触板12に接触するのでLS2検出信号はオンになり、時刻t1から乗りかご4が所定距離(LS1〜LS2間の距離)だけ移動した時点である時刻t2になると、アクチュエータ部LS1aも接触板12に接触するのでLS1検出信号もオンになる。
正常動作区間情報出力手段16は、時刻t1にLS2検出信号を入力すると、この時刻t1(第1の時点)から乗りかご4が上記の所定距離をやや上回るだけの距離を移動した時点である時刻t3(第2の時点)までの間だけLS2ラッチ信号を出力する。そして本実施形態では、この第2の時点を終点として所定距離だけ第1の時点側に遡及した区間T1をリミットスイッチLS1の正常動作区間とし、この正常動作区間内でLS1検出信号がオンにならない場合はスイッチ異常として扱うようにしている。図4の例では、LS1検出信号の立ち上がり時点である時刻t2は、区間T1内に含まれているのでスイッチは正常である。
また、正常動作区間情報出力手段16は、時刻t2にLS1検出信号を入力すると、この時刻t2からLS2検出信号がオフとなるはずの時点である時刻t4をやや過ぎた時刻t5までの間だけLS1ラッチ信号を出力する。そして本実施形態では、時刻t5から時刻t4側に向かって遡及した区間T2をリミットスイッチLS2の正常動作区間とし、この正常動作区間内でLS2検出信号がオフにならない場合はスイッチ異常として扱うようにしている。図4の例では、LS2検出信号の立ち下がり時点である時刻t4は、区間T2内に含まれているのでスイッチは正常である。
このように、図4の例では、LS1検出信号がオンに立ち上がると予測される時刻t2をやや過ぎた時刻t3でLS2ラッチ信号がオフとなり、この時刻t3からT1だけ遡及した区間がリミットスイッチLS1の正常動作(オン動作)区間となっている。また、LS2検出信号がオフに立ち下がると予測される時刻t4をやや過ぎた時刻t5でLS1ラッチ信号がオフとなり、この時刻t5からT2だけ遡及した区間がリミットスイッチLS2の正常動作(オフ動作)区間となっている。正常動作区間情報出力手段16は、これらリミットスイッチLS1,LS2の正常動作区間についての情報をLS1ラッチ信号及びLS2ラッチ信号と共に異常判別手段17に出力している。
なお、正常動作区間T1,T2は、LS2ラッチ信号及びLS1ラッチ信号の立ち下がり時点を基準として遡及する方向に設定されているが、これは立ち下がり時点でLS1検出信号及びLS2検出信号の各オン信号が入力されていなければ直ちにスイッチ異常と判別できるようにするためである。したがって、立ち下がり時点をやや短めにし、所定時間(所定距離)が経過するまでの範囲を正常動作区間と設定することも可能である。
次に、上記のように構成される本実施形態の動作を図5のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、以下の例は、乗りかご4が最上階へ向かって上昇する場合(リミットスイッチLS1,LS2が動作する場合)につき説明したものであり、乗りかご4が最下階へ向かって下降する場合(リミットスイッチLS3,LS4が動作する場合)については同様の動作となるため説明を省略する。
いま、速度制御手段18が巻上機2に制御信号を出力し、乗りかご4が上昇するように走行制御している(ステップ1)。このとき、異常判別手段17及び正常動作区間情報出力手段16は、LS2検出信号がオンとなっているか否かを判別している(ステップ2)。そして、時刻t1にアクチュエータ部LS2aが接触板12と接触して(図3(a)の状態)LS2検出信号がオンになると、異常判別手段17はかご速度検出手段14からの検出速度Vが閾値Vaよりも小さいか否かを判別する(ステップ3)。この判別結果は「YES」となるので、速度制御手段18はそのまま走行制御を継続する(ステップ4)。
時刻t2にアクチュエータ部LS1aも接触板12と接触して(図3(b)の状態)LS1検出信号がオンになると、異常判別手段17はこの時刻t2が正常動作区間T1に入っているか否かを判別する(ステップ5)。この判別結果は「YES」となるので、異常判別手段17は、次に、検出速度Vが閾値Vbよりも小さいか否かを判別する(ステップ6)。この判別結果も「YES」となるので、速度制御手段18はそのまま走行制御を継続する(ステップ7)。
時刻t4にアクチュエータ部LS2aが接触板12から離れて(図3(c)の状態)LS2検出信号がオフになると、異常判別手段17はこの時刻t4が正常動作区間T2に入っているか否かを判別する(ステップ8)。この判別結果は「YES」となるので、異常判別手段17は、次に、検出速度Vが閾値Vcよりも小さいか否かを判別する(ステッ9)。この判別結果も「YES」となるので、速度制御手段18はそのまま走行制御を継続し(ステップ10)、その後に着床制御を行って(ステップ11)、終端階減速制御を終了する。
上記の過程において、ステップ3での判別結果が「NO」の場合、つまり検出速度Vが閾値Va以上となった場合、異常判別手段17は速度異常と判別する。速度制御手段18は、この判別結果を受けて減速制御を行い(ステップ12)、かご速度を所定レベルまで低下させ、その後に着床制御を行う(ステップ11)。
一方、ステップ6,9での判別結果が「NO」の場合、つまり検出速度Vが閾値Vb,Vc以上となった場合も、異常判別手段17は同様に速度異常と判別する。しかし、この場合、速度制御手段18はステップ12のような減速制御を行うのではなく、直ちに運転を停止する(ステップ14,16)。これは、ステップ6,9での判別時点では乗りかご4が最上階の天井部に非常に接近しているため、ステップ3での判別時点よりも危険の度合いが大きなためである。そして、この後エレベータの管理者又は保守係員の点検により安全が確認された後に乗りかご4は運転が再開されることになる。
また、ステップ5,8での判別結果が「NO」の場合、つまり正常動作区間T1内にLS1検出信号がオンにならない場合や正常動作区間T2内にLS2検出信号がオフにならない場合、異常判別手段17はスイッチ異常と判別する。速度制御手段18は、この判別結果を受けてスイッチ異常モードで運転を行い(ステップ13,15)、その後に着床制御を行なって(ステップ11)乗りかご4内の乗客を最上階に降ろすようにする。このスイッチ異常モードでの運転とは、通常運転よりも設定レベルだけ速度を低下させて乗りかご4を走行制御するものである。このように、スイッチ異常と判別しても運転を継続するのは、リミットスイッチLS1,LS2が異常になったとしても直ちにエレベータ運転に支障をきたすわけではないからである。
図6は、上記のスイッチ異常モードでの運転が行われた後の速度制御手段18及び異常判別手段17の処理内容を示すフローチャートである。速度制御手段18は、まず、自己のメモリを参照し、異常判別手段17がスイッチ異常と判別した累積回数が予め設定されている設定回数以上であるか否かを判別する(ステップ111)。設定回数に達していない場合、速度制御手段18はスイッチ点検のための運転を実施する(ステップ114)。すなわち、速度制御手段18は乗りかご4を最上階から最下階へ向けて一定速度で移動させ、異常判別手段17はその時のLS1,LS2検出信号及びLS1,LS2ラッチ信号のオンオフ変化に異常がないか否かにつき判別する(ステップ113)。なお、点検運転は、荷重検出等により乗りかご4内に乗客が存在しないことが確認されない限り実施されないようになっており、また、点検運転実施中は各階床での乗場呼びは無効とされるようになっている。
点検運転の結果、異常判別手段17が異常なしと判別した場合、速度制御手段18は自己のメモリにセットされていたスイッチ異常の判別回数をリセットした後、通常運転を再開する。
一方、ステップ111での判別結果が「NO」の場合、つまり、異常判別手段17がスイッチ異常と判別した累積回数が設定回数以上となった場合、速度制御手段18は、通常運転よりも低速で運転を継続すると共に、スイッチ異常が発生していることをエレベータ制御装置11内の表示部(図示せず)に表示したり、監視センター等に報知する(ステップ115)。監視センター等では、この報知に基づき保守係員を現場に派遣してスイッチ異常を修復させるようにする。
また、ステップ113での判別結果が「NO」の場合、つまり、異常判別手段17がスイッチ異常と判別した累積回数は設定回数に達していないけれども、点検運転の結果異常有りと判別した場合も、速度制御手段18は同様に低速で運転を継続し、スイッチ異常を報知するようにする。
以上のように、上記実施形態では、最上階及び最下階の減速領域に設けるリミットスイッチの数を各2個ずつに低減しているので、メンテナンス作業に費やす労力が軽減されると共にコストダウンを図ることも可能になっている。また、スイッチ異常が発生した場合に、発生した回数が設定回数以上であれば低速で運転を継続し、一方、設定回数に達していなければ点検運転を実施し、異常が認められれば通常運転を再開するようにしているので、安全を確保しつつ利用者に対するサービスの低下を極力抑制することができる。
更に、速度異常が発生した場合にも、直ちに運転停止するのではなく、異常判別のタイミングによっては減速制御も行うようにしているので、やはり安全を確保しつつ利用者に対するサービスの低下を極力抑制することが可能になっている。
図7は、本発明の他の実施形態の要部構成を示す説明図である。上述した実施形態における接触板12は、図1又は図3に示したように、長手方向の長さが乗りかご4よりも長く、乗りかご4の上昇中にリミットスイッチLS1,LS2の双方と同時に接触する区間(図4の時刻t2〜t4の区間)を持つことが可能なものであった。これに対し、この実施形態では接触板12を、長手方向の長さが短い2つの接触板12A,12Bに分割している。したがって、この実施形態では、接触板12A又は接触板12Bのいずれについても、リミットスイッチLS1,LS2の双方と同時に接触する区間を持つことはない。
図8は、リミットスイッチLS1,LS2が出力するLS1,LS2検出信号、及び正常動作区間情報出力手段16が出力するLS2ラッチ信号の各オン・オフ変化を示すタイムチャートである。図4ではLS1ラッチ信号が用いられていたが、図8ではLS2検出信号がオンとなっているのは時刻t1〜t2の短い区間であるため、LS1ラッチ信号は用いる必要がなく省略されている。但し、LS2ラッチ信号がオンとなる区間は、図4の場合と同じ長さであり、時刻t1(第1の時点)〜時刻t4(第2の時点)の区間である。
そして、時刻t3にLS1検出信号がオンに立ち上がるが、この時刻t3は正常動作区間T1内に入っており、リミットスイッチLS1は正常に動作していると判別される。
図7及び図8に係る他の実施形態の動作は、図5のフローチャートとほぼ同様であるため(但し、ステップ8〜10、ステップ15,16は削除される)、説明を省略する。
1:昇降路
2:巻上機
3:メインロープ
4:乗りかご
5:カウンタウェイト
6:ガバナ
7ガバナロープ
8:ガバナシーブ
9:速度計
10:速度計
11:エレベータ制御装置
12,12A,12B:接触板
13:側壁
14:かご速度検出手段
15:かご位置検出手段
16:正常動作区間情報出力手段
17:異常判別手段
18:速度制御手段
LS1:リミットスイッチ(第1の乗りかご検出スイッチ)
LS2:リミットスイッチ(第2の乗りかご検出スイッチ)
LS3:リミットスイッチ(第2の乗りかご検出スイッチ)
LS4:リミットスイッチ(第1の乗りかご検出スイッチ)
LS1a〜LS4a:アクチュエータ部
2:巻上機
3:メインロープ
4:乗りかご
5:カウンタウェイト
6:ガバナ
7ガバナロープ
8:ガバナシーブ
9:速度計
10:速度計
11:エレベータ制御装置
12,12A,12B:接触板
13:側壁
14:かご速度検出手段
15:かご位置検出手段
16:正常動作区間情報出力手段
17:異常判別手段
18:速度制御手段
LS1:リミットスイッチ(第1の乗りかご検出スイッチ)
LS2:リミットスイッチ(第2の乗りかご検出スイッチ)
LS3:リミットスイッチ(第2の乗りかご検出スイッチ)
LS4:リミットスイッチ(第1の乗りかご検出スイッチ)
LS1a〜LS4a:アクチュエータ部
Claims (8)
- 乗りかごに取り付けられた接触板と、
昇降路内の終端階着床位置よりも手前の終端階減速領域に配設され、乗りかご接近時における前記接触板との接触により、乗りかごが終端階減速領域内に位置することを示す乗りかご検出信号を出力する乗りかご検出スイッチと、
前記乗りかごの走行速度を検出するかご速度検出手段と、
前記前記乗りかごの位置を検出するかご位置検出手段と、
前記乗りかご検出スイッチの動作タイミングが正常とされる区間についての情報を出力する正常動作区間情報出力手段と、
前記乗りかご検出スイッチからの検出信号、前記かご速度検出手段からの検出速度、前記かご位置検出手段からの検出位置、及び前記正常動作区間情報出力手段からの正常動作区間情報を入力し、前記乗りかご検出スイッチが正常動作区間外で動作した場合にスイッチ異常と判別すると共に、前記検出速度が所定レベル以上である場合に速度異常と判別する異常判別手段と、
前記異常判別手段の判別結果に基づき前記乗りかごの終端階での速度を制御する速度制御手段と、
を備えたことを特徴とするエレベータの終端階減速制御システム。 - 前記乗りかご検出スイッチは、前記終端階着床位置に近い側の第1の乗りかご検出スイッチと、前記第1の乗りかご検出スイッチよりも所定距離だけ前記終端階着床位置から離間する側に配設された第2の乗りかご検出スイッチとで構成され、
前記正常動作区間情報出力手段は、前記第2の乗りかご検出スイッチの乗りかご検出信号を入力した第1の時点から前記所定距離を上回る距離だけ乗りかごが移動した第2の時点までこの乗りかご検出信号をラッチして出力し、この第2の時点を終点として所定距離だけ第1の時点側に遡及した区間を正常動作区間とする情報を前記速度制御手段に出力するものであり、
前記異常判別手段は、前記正常動作区間内に前記第1の乗りかご検出スイッチからの乗りかご検出信号を入力しない場合に前記スイッチ異常と判別するものである、
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの終端階減速制御システム。 - 前記速度制御手段は、前記異常判別手段が前記第1の時点における乗りかごの走行速度を速度異常と判別した場合は減速制御を行い、前記異常判別手段が前記第1の乗りかご検出スイッチの正常動作を判別した後に速度異常と判別した場合は前記乗りかごを停止させる、
ことを特徴とする請求項2記載のエレベータの終端階減速制御システム。 - 前記速度制御手段は、前記異常判別手段がスイッチ異常と判別した場合に、スイッチ異常の累積判別回数が所定回数に達したか否かを判別し、達した場合にはスイッチ異常モードでの速度制御を行う、
ことを特徴とする請求項1記載のエレベータの終端階減速制御システム。 - 前記速度制御手段は、前記スイッチ異常の累積判別回数が所定回数に達していない場合に、乗りかご内に乗客が存在しないことを条件に、前記乗りかご検出スイッチが正常に動作するか否かを点検するための点検運転を行い、この点検運転の結果乗りかご検出スイッチに異常が認められないときは通常運転を再開する、
ことを特徴とする請求項4記載のエレベータの終端階減速制御システム。 - 前記接触板の長手方向の長さは、乗りかご移動中に前記第1及び第2の乗りかご検出スイッチの双方と同時に接触する区間を持つことが可能な長さである、
ことを特徴とする請求項2記載のエレベータの終端階減速制御システム。 - 前記接触板の長手方向の長さは、乗りかご移動中に前記第1及び第2の乗りかご検出スイッチの双方と同時に接触する区間を持つことのない長さである、
ことを特徴とする請求項2記載のエレベータの終端階減速制御システム。 - 前記スイッチ異常モードでの速度制御は、速度レベルを通常運転モードよりも所定レベルだけ低下させるものである、
ことを特徴とする請求項4記載のエレベータの終端階減速制御システム。
Priority Applications (1)
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JP2006182217A JP2008007322A (ja) | 2006-06-30 | 2006-06-30 | エレベータの終端階減速制御システム |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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2006
- 2006-06-30 JP JP2006182217A patent/JP2008007322A/ja active Pending
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