JP2007036670A - 弾性表面波素子の製造方法、及び弾性表面波素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】
同一のウエハから形成した弾性表面波素子間における共振周波数のばらつきを小さくすることができる弾性表面波素子の製造方法を提供する。
【解決手段】
上記課題を解決するための弾性表面波素子14の製造方法は、圧電基板に、複数の電極指17を備える対を成す櫛型電極18(18a,18b)によって構成されるIDT16を有する電極パターンを形成し、前記櫛型電極18を構成する電極指17の中から一部の電極指17を選択し、前記一部の電極指17以外の電極パターンにフォトレジスト22を塗布し、露出させた前記一部の電極指17をエッチングして電極膜厚を調整することを特徴とするものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、弾性表面波素子の製造方法、及び前記方法によって製造された弾性表面波素子に関する。
近年、電子機器の小型化、高性能化、通信速度の高速化が著しい。これに伴い、通信機器をはじめとする各種電子機器の高周波化が図られている。そして、これらの電子機器には、高周波への対応が比較的容易であり、小型で量産性に優れているところから、弾性表面波(Surface Acoustic Wave)素子を用いたSAW共振器やSAWフィルタなどの弾性表面波デバイスが多用されている。特に、圧電基板として水晶を用いた弾性表面波素子は、温度特性が優れているため、高精度な弾性表面波デバイスを得ることができる。しかし、最近の電子機器の高周波化、高精度化への要求により、より高精度な弾性表面波デバイスの開発が望まれている。そこで、本願出願人は、STカット水晶板を用いた弾性表面波素子よりも、さらに周波数温度特性に優れた、いわゆる面内回転STカット水晶板を用いた弾性表面波素子を開発した(例えば、特許文献1)。図4は、面内回転STカット水晶板を用いた弾性表面波素子の説明図である。
図4において、X軸、Y軸、Z軸は、それぞれ水晶の結晶軸を示しており、X軸がいわゆる電気軸、Y軸がいわゆる機械軸、Z軸がいわゆる光軸である。STカット水晶板10は、オイラー角を(φ,θ,ψ)としたときに、オイラー角が(0°,0°,0°)の水晶Z板12を、X軸回りにθ=113°〜135°回転させ、このときの結晶軸(X,Y’,Z’)に沿って切り出して得られる。そして、面内回転STカット水晶板は、STカット水晶板10を、STカット水晶板10の主表面であるXY’面内で回転させて得た水晶板である。
すなわち、面内回転STカット水晶板は、STカット水晶板10をさらにZ’軸回りにψ=±(40°〜49°)回転させてX軸をX’軸、Y’軸をY”軸とし、軸(X’,Y”,Z’)に沿って切り出した水晶板である。面内回転STカット水晶板からなる弾性表面波素子14は、弾性表面波の伝播方向がX’軸に沿った方向となるように作製される。この面内回転STカット水晶板からなる弾性表面波素子14は、温度変化に対する周波数変化率が小さく、温度特性が極めてよい。
ただし、この面内回転STカット水晶板を用いた弾性表面波素子14は、一対の櫛型電極によって構成されるすだれ状電極(IDT:Interdigital Transducer)16の電極膜厚や電極間ピッチ、電極幅などを同じに形成した場合であっても、面内回転角ψが変わると共振周波数や周波数温度特性などが異なってくる。また、弾性表面波素子は、面内回転STカット水晶板から形成したものばかりでなく、STカット水晶板からなるものや、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなど他の圧電材料からなるものであっても、IDTの電極膜厚や電極幅、電極の形成ピッチなどによって共振周波数や周波数温度特性などが異なってくることが知られている。
一方、発明者の研究によると、スパッタリング装置などの成膜装置を用いて水晶ウエハに電極用の金属膜(例えば、アルミニウム膜)を成膜した場合、ウエハ内において膜厚分布を有する。この膜厚分布の状態は、成膜装置によって異なっており、例えば、ある成膜装置(図示せず)を使用して成膜した場合に、図5に示したような膜厚分布を示す。すなわち、ウエハ30の中心部32が膜厚の厚い領域、その外側の中間部34が膜厚の薄い領域、ウエハ30の外周部36が中間の膜厚を有する領域となる。この膜厚分布は、成膜条件を一定とした場合に同じような傾向を示す。このため、同一のウエハ30から形成した弾性表面波素子間において共振周波数や周波数温度特性にばらつきを生じ、高精度な弾性表面波素子を形成することが困難となる。
特許文献2は、エッチングなどの成膜後における工程を経ることにより有効膜厚分布が不均一になることを考慮して、ウエハに所定の膜厚分布が得られるように成膜することを提案している。具体的には、特許文献2では、ウエハとターゲットとの距離を変えて成膜厚さを制御している。
特開2003−258601号公報 特開2002−275627号公報
特許文献2に記載の方法は、ウエハを1枚ずつ成膜する枚葉処理においては、膜厚分布を制御することが可能である。しかし、特許文献2に記載の方法は、枚葉処理であるため、多数のウエハに対する成膜処理に多くの時間を必要としてコスト高となる。また、特許文献2に記載の方法は、複数のウエハを成膜装置に搬入し、複数枚のウエハを同時に成膜処理するバッチ処理に対して適用することができない。
本発明は、前記従来技術の欠点を解消し、ウエハの枚葉処理に適用することはもちろん、バッチ処理にも適用することができ、同一のウエハから形成した弾性表面波素子間における共振周波数のばらつきを小さくすることができる弾性表面波素子の製造方法を提供すると共に、当該方法によって製造した弾性表面波素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明に係る弾性表面波素子の製造方法は、圧電基板に形成したすだれ状電極の一部の領域の電極膜を除去し、他の部分に形成された電極膜よりも膜厚を薄くして共振周波数の調整を行うことを特徴とする。
このような方法によれば、電極膜厚の調整を行う部分の広さ(幅)により、調整される周波数のシフト量を変化させることが可能となる。このため、一度の膜厚調整工程にて、同時に複数の弾性表面波素子の周波数調整を個別に行うことが可能となる。よって、同一のウエハから形成する弾性表面波素子間における共振周波数のばらつきを小さくすることができる。
また、上記目的を達成するための本発明に係る弾性表面波素子の製造方法は、具体的には、圧電基板に複数の電極指を備える対を成す櫛型電極によって構成されるすだれ状電極を有する電極パターンを形成し、前記櫛型電極を構成する電極指の中から一部の電極指を選択し、前記一部の電極指以外の電極パターンに保護膜を形成し、露出させた前記一部の電極指をエッチングして電極膜厚を調整することを特徴とすれば良い。
このような方法であれば、上記と同様に、電極膜厚の調整を行う電極指の数により、調整される周波数シフト量を変化させることが可能となる。このため、一度の膜厚調整工程にて、同時に膜厚調整を行う複数の弾性表面波素子の周波数調整を個別に行うことが可能となる。よって、同一のウエハから形成した弾性表面波素子間における共振周波数のばらつきを小さくすることができる。
また、上記のような弾性表面波素子の製造方法では、同一基板上に形成されるすだれ状電極の形成位置と、前記すだれ状電極を含む弾性表面波素子の共振周波数との関係を予め求め、電極形成位置毎に膜厚調整を行う電極指の数を異ならせるようにすると良い。
このような弾性表面波素子の製造方法によれば、弾性表面波素子毎に個別に、膜厚調整を行う電極指の数を選定し、個別に保護膜の形成を行うという作業が不要となる。このため、生産性を向上させることが可能となる。
また、上記のような弾性表面波素子の製造方法では、同一基板上に形成されるすだれ状電極を含む弾性表面波素子の共振周波数を個別に計測し、計測した共振周波数の高低に従って個別に、膜厚調整を行う電極指の数を異ならせるようにしても良い。
このような弾性表面波素子の製造方法によれば、弾性表面波素子毎に個別に周波数シフト量を選択することが可能となる。このため、同一基板上に形成した弾性表面波素子の中での共振周波数のばらつきを非常に小さく抑えることができるようになる。
上記のような弾性表面波素子の製造方法では、膜厚調整によって弾性表面波素子の共振周波数を合わせ込む基準周波数を定め、前記基準周波数に対して共振周波数が低い弾性表面波素子ほど、基準周波数に共振周波数が近い弾性表面波素子に比べて、多くの電極指を露出して膜厚調整を行うようにすると良い。
このような方法によれば、必要とする周波数シフト量に応じて露出する電極指の数を選択するだけで、容易に共振周波数の合わせ込みを行うことができるようになる。
また、上記目的を達成するための本発明に係る弾性表面波素子の製造方法は、圧電基板に複数の電極指を備える対を成す櫛型電極によって構成されるすだれ状電極を有する電極パターンを形成し、前記櫛型電極を構成する電極指の交差幅の中心から交差方向に対象に予め定めた間隔をあけて、他の部分に形成された電極パターンに保護膜を形成し、露出させた電極指の一部をエッチングして電極膜厚を調整するものであっても良い。
このような方法であっても上記と同様に、電極膜厚の調整を行う部分の広さ(幅)により、調整される周波数シフト量を変化させることが可能となる。このため、一度の膜厚調整工程にて、同時に膜厚調整を行う複数の弾性表面波素子の周波数調整を個別に行うことが可能となる。よって、同一のウエハから形成した弾性表面波素子間における共振周波数のばらつきを小さくすることができる。
また、上記目的を達成するための本発明に係る弾性表面波素子は、上記のいずれかに記載の弾性表面波素子の製造方法を用いて製造されたことを特徴とするものである。
上記製造方法を用いて製造された弾性表面波素子によれば、同一基板から製造される弾性表面波素子間における共振周波数のばらつきを小さく抑えることができ、高精度、高品質な弾性表面波素子とすることができる。
以下、本発明の弾性表面波素子の製造方法及び弾性表面波素子に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。
背景技術において述べたように、圧電基板である円板状の水晶ウエハ30にすだれ状電極(IDT)16を形成するための金属膜、例えばアルミニウム膜を成膜した場合に、ウエハ30内において膜厚分布を生ずる。この膜厚分布の状態は、各成膜装置、すなわち各蒸着装置、各スパッタリング装置によって異なってくる。このために、同一の面内回転STカット水晶ウエハ30から弾性表面波素子14を形成した場合であっても、ウエハ30の位置による膜厚の相違を反映して、形成された弾性表面波素子14の共振周波数や周波数温度特性が異なってくる。
そこで、発明者は、弾性表面波素子14の膜厚調整により共振周波数の合わせ込みを行うという従来技術に基づき鋭意研究をした結果、図1(A)に示すような弾性表面波素子14を構成する電極パターンのうち、すだれ状電極(IDT)16の一部の膜厚を調整することにより弾性表面波素子14の共振周波数をシフトすることができるという結果を得た。
より具体的には、IDT16を構成する対を成す櫛型電極18(18a,18b)の一部である電極指17を隣り合う電極指毎に一組とし、対を成す電極指17の膜厚を調整することによって弾性表面波素子14の共振周波数をシフトするのである。
さらに発明者は、膜厚を調整する電極指17の対数と共振周波数のシフト量とは、図2に示すように略比例関係にあることを調べた。図2に示す関係は、150対の電極指17を備えるIDT16と片側150本の導体ストリップ19を備える反射器20とを有し、共振周波数を約400MHzとする弾性表面波素子14の電極指膜厚を調整することによって得られたデータである。このデータによると、例えば80対の電極指17の膜厚を約1%薄くした場合、共振周波数を約130ppm高めることができるという結果が出ている。また、このような膜厚調整によるQ値の変化は殆ど無いというデータも得ることができた。例えば、上記80対の電極指17の膜厚を1%薄くした場合では、膜厚調整前のQ値が19053であったのに対し、膜厚調整後のQ値は19050という結果であった。
上記研究結果に基づき、同一のウエハ30から弾性表面波素子14を形成する場合、ウエハ30の表面に形成された電極用導電膜の厚さの分布に応じて、膜厚調整を行う電極指対数を異ならせれば、周波数のばらつきを小さくすることができ、高精度な弾性表面波素子14を得ることができる。
IDT16の一部の膜厚を調整するための具体的方法としては、図1(B)〜(D)に示すように弾性表面波素子14を構成する電極パターンに対して、膜厚調整をする部位を露出させ、他の部分を被覆するフォトレジスト等の保護膜22を塗布するのである。そして保護膜22によって膜厚調整部以外を覆われた弾性表面波素子14を形成した圧電基板をエッチング液に浸すなどすることにより、IDT16の所定箇所の膜厚を任意の値に調整するのである。
弾性表面波素子14は、電極膜厚が薄いものの方が共振周波数が高いという傾向にある。このため、例えば1つのウエハ30上に、図5に示すような膜厚分布があるとした場合、膜厚の厚い中心部32に形成された弾性表面波素子14では、図1(D)に示すように、露出する電極指17の対数が多くなるように保護膜22を設ける。一方、電極膜厚の薄い中間部34では、図1(B)に示すように、露出する電極指17の対数が少なくなるように保護膜22を設ける。このような状態でそれぞれ露出した電極指17の電極膜厚を調整することにより、一度のエッチング工程により弾性表面波素子14毎に異なった周波数シフト量を与えることができ、ウエハ30面内の膜厚分布に関わり無く、弾性表面波素子14の周波数のばらつきを小さくすることができる。
このような弾性表面波素子の製造方法を実施する場合、電極パターンを形成した後に、形成した電極パターンに対してフォトレジスト(保護膜)22を塗布して固化させ、露出対象となる部位のフォトレジスト22に対して露光を行い、露光箇所となったフォトレジスト22を除去することとなる。
本発明に係る弾性表面波素子の製造方法を実施する場合、上記露出部を定める露光工程において2つの手法を選択することができる。
第1の手法として例えば、ウエハ30面内における弾性表面波素子14の共振周波数ばらつきが、製造ロット内及び製造ロット間で、似たような傾向があることが予め解っている場合に採用することができるものがある。この手法は、前記ウエハ30面内における弾性表面波素子14の共振周波数のばらつきに合わせて露出する電極指17の対数を調整したウエハ単位のマスクを作成し、このマスクをウエハ30にコンタクトさせて露光を行うというものである。この手法によれば、ウエハに対してマスクをコンタクトさせて一括で露光することができるため、弾性表面波素子の生産性を向上させることができる。
一方第2の手法としては、ウエハ30面内における弾性表面波素子14の共振周波数のばらつきに一定の傾向が無い場合、あるいは高い精度で共振周波数の均一化を図りたい場合等に採用することができるものである。本手法ではまず、ウエハ30面内に形成した弾性表面波素子14全てについて共振周波数を測定する。そして、測定した共振周波数のばらつきに応じて露出する電極指17の対数を調整したマスクを選択し、弾性表面波素子14毎に個別に露光を行うのである。この手法を実施する場合には、縮小投影露光装置を用い、この縮小投影露光装置用のマスク(レチクル)に形成したパターンを用いて選択的に露光を行うと良い。この手法によれば、ウエハ30面内における弾性表面波素子14の共振周波数のばらつきを個別に計測した上で膜厚調整を行う電極指対数を選択するため、同一ウエハ上に形成する弾性表面波素子間の周波数ばらつきを非常に小さくすることができる。なお、上記2つの手法で用いるフォトマスクには、図1(B)から図1(D)に示すフォトレジスト22の形状に合わせたパターンが形成されたものを用いる。
上記のような弾性表面波素子14の製造は、次のようにして行なう。まず、所定のカット角に切り出した圧電基板であるウエハ(実施形態の場合、面内回転STカット水晶ウエハ)30を洗浄し、IDT16と反射器20とを形成するための電極用導電膜を成膜する。電極用導電膜は、例えばアルミニウム(Al)、アルミニウム合金などの金属膜である。導電膜の形成は、真空蒸着装置、スパッタリング装置などの成膜装置を用いた真空蒸着やスパッタリングにより、平均の膜厚が設計値となるように成膜する。導電膜を所定の厚さに成膜したならば、導電膜の上にフォトレジストを塗布して固化させる。
その後、弾性表面波素子14の電極パターンの形状に合わせて形成されたフォトマスクを用いてフォトレジストを露光する。
フォトレジストの露光を行なったのち、フォトレジストを現像してパターニングし、電極パターンに対応した部分のフォトレジストを残す。その後、パターニングしたフォトレジストをマスクとして電極用導電膜をエッチングし、ウエハ30にIDT16および反射器20を有する弾性表面波素子14を形成する。
ウエハ30上に弾性表面波素子14を形成した後、上述のように、電極パターン上に膜厚調整用のフォトレジスト22を塗布して固化させる。その後、上記2つの手法として述べたように、ウエハ30上の弾性表面波素子14の形成部位、あるいは予め測定した弾性表面波素子14の共振周波数に応じて、膜厚調整を行う電極指対数を定めたフォトマスクを用いて、膜厚調整を行う部位の電極指17を覆うフォトレジスト22を露光する。その後、現像工程を経て露光部に塗布されたフォトレジスト22を除去し、膜厚調整を行う電極指17を露出させる。
電極膜厚の調整を行う部位を露出させた後、ウエハ30ごとエッチング液に浸し、露出部に形成した電極の膜厚調整を行う。
そして、膜厚調整を終了したウエハ30は、ダイシング工程に搬送され、弾性表面波素子14として個片化される。
本実施形態では、電極パターンと共振周波数との関係、及び膜厚調整を行うIDT16対数と周波数シフト量との関係に基づいて、ウエハ30上に形成した弾性表面波素子14の位置、又は形成した弾性表面波素子14の共振周波数に応じて膜厚調整を行うIDT16の対数を定めたことにより、同一ウエハ面内に形成した弾性表面波素子14の共振周波数のばらつきを小さくすることができ、高精度、高品質な弾性表面波素子14を製造することができる。
本実施形態では、周波数シフト量を定めるのに、膜厚調整を行うIDT16の対数、及び調整する電極膜の膜厚を用いているため、周波数シフト量の微調整を容易に行うことができる。このため、縮小投影露光を採用する場合には、同一ウエハ30上に形成する弾性表面波素子14の共振周波数のばらつきを極小さな範囲に抑えることが可能となる。なお、本実施形態では主に、露出する電極指数の選択にあたり、隣り合う電極指ごとに対として選択する旨記載したが、必ずしも対ごとに選択する必要は無い、また、本実施形態では、露出する電極指17はIDT16の中心から両端にかけて数(幅)を調整していくように図示したが、周波数調整を行う上では、必ずしもIDT16の中心を基点とする必要は無い。
また、上記実施形態においては、膜厚調整を行うIDT16の対数について、一対から三対の場合までの3つのパターンしか例示しなかったが、膜厚調整を行うIDT16の対数は、IDT16全体の対数に応じて定めるようにすれば良く、さらに複数のパターンの中から任意に選択するようにしても良い。
上記実施形態では、電極パターンに保護膜を形成する上で、IDTの一部を露出させて露出部分の膜厚調整を行うということに関し、露出部位は電極指17の数を変えることによって変化させ、これにより周波数シフト量を調整する旨記載した。しかし、図3に示すような露出パターンであっても、本発明の一部とみなすことができる。すなわち、櫛型電極18(18a,18b)を構成する電極指17の交差幅の中心を基点として、前記電極指17の交差方向に対象に、露出部位の幅を定めるのである。このような実施形態であっても、上記実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
なお、これらの実施形態は、本発明を実施するうえでの一部の態様であり、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態においては、圧電基板(ウエハ30)が面内回転STカット水晶板である場合について説明したが、圧電基板はこれに限定されず、電極パターンの膜厚が弾性表面波の周波数に影響を与えるすべての圧電基板に対して適用することができる。さらに、上記実施形態においては、一対の反射器の間に1つIDTを設けた共振子用の弾性表面波素子について説明したが、本発明は、反射器の間に複数のIDTが設けてあるフィルタ用の弾性表面波素子やトランスバーサル型の弾性表面波素子の製造にも適用することができる。
なお、上記実施形態ではいずれも、共振周波数の合わせ込みを行うためにIDTを構成する電極の膜厚を調整する旨で記載したが、IDTを構成する電極の一部の膜厚を調整することにより弾性表面波素子の周波数温度特性などを調整する場合にも利用することができる。
電極指の膜厚調整を行う際の具体例を示す図である。 膜厚の調整を行う電極指対数とそれによりシフトする周波数量との関係を示すグラフである。 電極指の膜厚調整を行う際の他の例を示す図である。 面内回転STカット水晶板からなる弾性表面波素子を説明する図である。 圧電基板に形成した電極用導電膜の膜厚分布の一例を説明する図である。
符号の説明
10………STカット水晶板、14………弾性表面波素子、16………すだれ状電極(IDT)、17………電極指、18(18a,18b)………櫛型電極、19………導体ストリップ、20………反射器、22………フォトレジスト(保護膜)、30………ウエハ。

Claims (7)

  1. 圧電基板に形成したすだれ状電極の一部の領域の電極膜を除去し、
    他の部分に形成された電極膜よりも膜厚を薄くして共振周波数の調整を行うことを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
  2. 圧電基板に複数の電極指を備える対を成す櫛型電極によって構成されるすだれ状電極を有する電極パターンを形成し、
    前記櫛型電極を構成する電極指の中から一部の電極指を選択し、
    前記一部の電極指以外の電極パターンに保護膜を形成し、
    露出させた前記一部の電極指をエッチングして電極膜厚を調整することを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
  3. 請求項2に記載の弾性表面波素子の製造方法は、同一基板上に形成されるすだれ状電極の形成位置と、前記すだれ状電極を含む弾性表面波素子の共振周波数との関係を予め求め、
    電極形成位置毎に膜厚調整を行う電極指の数を異ならせることを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
  4. 請求項2に記載の弾性表面波素子の製造方法は、同一基板上に形成されるすだれ状電極を含む弾性表面波素子の共振周波数を個別に計測し、
    計測した共振周波数の高低に従って個別に、膜厚調整を行う電極指の数を異ならせることを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
  5. 膜厚調整によって弾性表面波素子の共振周波数を合わせ込む基準周波数を定め、
    前記基準周波数に対して共振周波数が低い弾性表面波素子ほど、基準周波数に共振周波数が近い弾性表面波素子に比べて、多くの電極指を露出して膜厚調整を行うことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の弾性表面波素子。
  6. 圧電基板に複数の電極指を備える対を成す櫛型電極によって構成されるすだれ状電極を有する電極パターンを形成し、
    前記櫛型電極を構成する電極指の交差幅の中心から交差方向に対象に予め定めた間隔をあけて、他の部分に形成された電極パターンに保護膜を形成し、
    露出させた電極指の一部をエッチングして電極膜厚を調整することを特徴とする弾性表面波素子の製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の弾性表面波素子の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする弾性表面波素子。
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