JP2007020333A - 液冷型の回転電機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 冷却効率を損なわずに、流路を加工することなく形成し、液冷型と空冷型のハウジングを共通化した、液冷型の回転電機を提供する。
【解決手段】 外周に軸方向と平行の流路61幅を有する帯状の突起部21を有する押出し成形によって得たハウジング2の両端部を、隣接する流路61をつなぐ折返し流路62および冷却液供給室33を設けたエンドブラケット3A,3Bで塞ぎ、その外側を冷却液入口35と冷却液出口(図示せず)を有する外筒1で覆った液冷型の回転電機。
【選択図】 図1
【解決手段】 外周に軸方向と平行の流路61幅を有する帯状の突起部21を有する押出し成形によって得たハウジング2の両端部を、隣接する流路61をつなぐ折返し流路62および冷却液供給室33を設けたエンドブラケット3A,3Bで塞ぎ、その外側を冷却液入口35と冷却液出口(図示せず)を有する外筒1で覆った液冷型の回転電機。
【選択図】 図1
Description
本発明は液冷型の回転電機にかかわり、特にハウジングに形成された流路に冷却液を流して固定子を冷却する回転電機の冷却構造に関する。
近年、回転子に高性能な希土類磁石を使用した同期電動機が登場してからは、誘導電動機に比べて小型で高出力の電動機が製作できるようになった。一方で、小型化によって冷却面積が減少し、空冷による冷却では固定子からの発熱を効率的に吸収することが難しくなり、空冷よりも冷却効率の高い、水や油による液冷却の必要性が高まっている。液冷却の場合はハウジング内に冷却通路を設ける必要があるが、工作機の主軸で使われている液冷のビルトインモータでは、ハウジングの外周に螺旋状の冷却溝を切削加工して冷却通路を形成する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、筒状の2重の壁を有し両者を軸方向に平行なバッフルで接合した外側包囲ケースを用いた電気モータは、既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平9−154257号公報
特開昭62−12350号公報
上記特許文献1の技術は、冷却通路を螺旋状に切削加工して形成しているため、回転電機の直径、長さが大きくなると溝を加工する工数も多くなってしまう問題があった。
また、特許文献2の電機モータでは、2重の壁が軸方向の中心部で厚くなるように構成されていることから鋳造によって作成されると理解できるが、このような形状の製品を鋳造するには複雑な構造の金型が必要となる。
加工の工数を低減するには、冷却通路を含めて鋳造法により一体で成形する方法が考えられるが、型形状が複雑で高価なものになることと、固定子に合わせてハウジングの全長を変更しようとすると、そのたびに鋳物の型が必要になってしまう問題があった。
さらに、液冷の場合はハウジングの円周方向に螺旋状に流路を形成しており、空冷の場合はハウジングの外周に回転軸と平行に放熱フィンを設ける流路を形成しているため、冷媒の流れる方向が異なりハウジングを統一することができなかった。
本発明は、ハウジングを加工することなく流路を形成し、冷却効率を損なわずに冷却を可能にした液冷型の回転電機を提供することを目的とする。
本発明は、ハウジングを加工することなく流路を形成し、液冷型と空冷形のハウジングを共通化した、回転電機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、ハウジングを押出し成形によって形成し、ハウジング外周に軸方向と平行の流路幅を有する帯状の突起部を設ける。また、ハウジングの両端に設けるエンドブラケットに、冷却液供給室と冷却液排出室を配置するとともに冷却液を折り返す折返し流路を形成し、折返し流路とハウジング外周に設けた流路をつないで、全体として固定子外周を冷却する冷却通路を形成し、ハウジングの外側に接して外筒を被せることにより冷却液供給室から冷却液排出室まで連続した冷却液流路を構成する。
本発明は、内部に固定子および回転子を収納するとともに外側表面に軸方向に開放された帯状の仕切り板を有するハウジングを備えた液冷型の回転電機において、前記ハウジングの開放端を折返し流路を備えたエンドブラケットで塞ぐとともに、ハウジングの表面を外筒で覆い冷却液が流れる冷却通路を構成して液冷型の回転電機を構成する。
本発明は、上記液冷型の回転電機において、前記ハウジングを押出し成形により形成することによって、ハウジングを構成する円筒部分と帯状の仕切り板を、軸方向に等しい形状を有するものとした。
また、本発明は、内部に固定子および回転子を収納するとともに外側表面に軸方向に開放された帯状の仕切り板を有するハウジングを備えた回転電機において、前記ハウジングを押出し成形によって形成し、前記ハウジングの開放端をエンドブラケットで塞いで回転電機を構成する。
ハウジングは押出し成形法により、エンドブラケットは鋳造法により容易に流路を形成することができるので、流路を切削加工する必要がない。また、押出し成形法で外周の帯状の突起と共に形成すれば、任意の長さで切り出すことが可能となるので、必要とする機種の固定子の長さに最適なハウジングを製作することができる。
ハウジング外周の帯状の突起は軸方向に平行に設けているので、回転電機の後方に取付けられた冷却ファンによって、軸方向と平行にハウジング外周に空気を流す、空冷全閉形の回転電機のハウジングにも使用でき、ハウジングを共通化することができる。
以下、本発明にかかる回転電機について、図示の実施の形態により詳細に説明する。図1は、本発明を液冷型の誘導電動機に適用した場合の一実施形態の断面図である。図1に示す液冷型の電動機は、両端をエンドブラケット3A,3Bで塞がれたハウジング2の中に固定子4を備え、この固定子4の中に回転子5が回転可能に保持されている。
ハウジング2は、略円筒形に作られ、外側に軸方向に平行に形成した仕切り板21を設けて冷却液を通すための流路61が設けてある。ハウジング2の一方の端部にはエンドブラケット3Aが、他方の端部にはエンドブラケット3Bが液密に設けてあり、これらに回転軸51が、それぞれの転がり軸受52A、52Bにより回転可能に保持されている。
ハウジング2とエンドブラケット3A,3Bの外周に、全体を覆う円筒形の外筒1が被せてあり、Oリング71A,71Bでシールされている。一方、ハウジング2とエンドブラケット3A,3Bの接触面にOリング72A,72Bが設けてあり、ハウジングから冷却液が漏れないようにしてある。
円筒形状のハウジング2の外側表面には、軸方向に平行に延びる帯状の仕切り板21が放射状に多数枚設けられている。仕切り板21の高さは、外筒1の内側の表面に接して、流路61を形成する高さとされる。
図2は、ハウジング2とエンドブラケット3A,3Bを展開して外側から見た図であり、図3は図2のA−A線での断面図である。図2に、冷却液の流れる様子を矢印で示している。エンドブラケット3A,3Bには、ハウジング2の端部内表面を受ける段部と外筒1の端部内表面を受ける段部が設けられる。さらに、エンドブラケット3A,3Bの円周表面のうちハウジング側には、図示のような折り返し仕切り板31が設けられ、折返し流路62が形成される。
折返し流路62は、ハウジング2の表面に隣接する流路61をつなぐ流路であり、さらに、例えば、エンドブラケット3Aには折返し流路62を閉じる仕切り板32が設けられ冷却液供給室33および冷却液排出室34を形成する。この冷却液供給室33には、外筒1に設けた冷却液入口35から冷却液が供給され、冷却液排出室34の上の外筒1に設けた冷却液出口38から冷却液が排出される。
冷却液は、冷却液入口35から入って流路61、62に沿ってハウジング2の外周を一周し、冷却液出口36から排出される。ハウジング2には仕切り板21が図3に示すように外側に向けて放射状に設けられており、エンドブラケット3A、3Bの仕切り板31は軸方向に重ならないよう交互にずらして配置されて、冷却液流路を形成するための折返し流路62となり、ハウジング2、エンドブラケット3A,3B,外筒1の部品を組み合わせることで全体の冷却液流路が完成する。
ハウジング2は、例えば、アルミニウムを用いて押出し成形法によって形成することができ、このとき帯状の仕切り板21を一体に形成する。押出し成形した素材を所望の長さに切断することによって、異なる大きさのハウジングを得ることができる。このハウジング2は、空冷型回転電機のハウジングと共通化することにより、空冷型の回転電機にも用いることができる。この場合も帯状の仕切り板を一体に形成する。一方、エンドブラケット3A,3Bは鋳造法によって作成すれば、仕切り板31,32、折返し流路62を一体に形成することができる。
以上のように、本発明によれば、ハウジング2は、アルミニウムを用いて押出し成形法により、エンドブラケット3A,3Bは、鋳造法により容易に流路を形成することができるので、流路を切削加工する必要がなくなる。また、押出し成形法でハウジング外周の帯状の仕切り板21をハウジング成形時に一体に形成すれば、仕切り板21を有するハウジングを任意の長さで切り出すことが可能となるので、必要とする機種の固定子の長さに最適なハウジングを製作することができる。
本発明に用いるハウジング2は、ハウジング外周の帯状の仕切り板21を軸方向に平行に設けているので、回転電機の後方に取付けられた冷却ファンによって、軸方向と平行にハウジング外周に空気を流す、空冷全閉型の回転電機のハウジングにも使用することができる。
図4を用いて、本発明の他の実施例である空冷全閉型の回転電機の構成を説明する。図4においては、回転軸51の反出力側に冷却ファン8を設けた点に特徴を有している。図4では、図1と同様な構成要素には、同一符号を付しておりその説明を省略する。この実施例では、エンドブラケット3´A,3´Bには、冷却液供給室33、冷却液排出室34、折返し流路62が省略され、外筒1´を支持固定する支持部(図示を省略)が設けられている。さらに、外筒1´はエンドブラケット3´A側に外筒底部11を有し、外筒底部11の中心部に外筒底部開口12が設けられている。
回転軸51に取り付けた冷却ファン8が回転すると、ファンが配置された室が減圧となり、外筒1´の図示右側から冷却空気が吸い込まれ、外筒1´とハウジング2との間に形成された流路61を通過して外筒底部開口12から排出される。流路61を流れる冷却空気は、ハウジング2の表面および仕切り板21から熱を奪って、外部に排出する。
このように、本発明に用いるハウジング2は、液冷型回転電機および空冷型回転電機のいずれにも用いることができる。
1,1´:外筒
11:外筒底部
12:外筒底部開口
2:ハウジング
21:ハウジングの仕切り板
3:エンドブラケット
31:エンドブラケットの仕切り板
32:エンドブラケットの仕切り板
33:冷却液供給室
34:冷却液排出室
35:冷却液入口
36:冷却液出口
4:固定子
5:回転子
51:回転軸
52:軸受
61:流路
62:折返し流路
71:外筒のOリング
72:ハウジングのOリング
8:冷却ファン
11:外筒底部
12:外筒底部開口
2:ハウジング
21:ハウジングの仕切り板
3:エンドブラケット
31:エンドブラケットの仕切り板
32:エンドブラケットの仕切り板
33:冷却液供給室
34:冷却液排出室
35:冷却液入口
36:冷却液出口
4:固定子
5:回転子
51:回転軸
52:軸受
61:流路
62:折返し流路
71:外筒のOリング
72:ハウジングのOリング
8:冷却ファン
Claims (4)
- 内部に固定子および回転子を収納するとともに外側表面に軸方向に開放された帯状の仕切り板を有するハウジングを備えた液冷型の回転電機において、
前記ハウジングを押出し成形によって形成し、
前記ハウジングの開放端をエンドブラケットで塞いだ
ことを特徴とする液冷型の回転電機。 - 内部に固定子および回転子を収納するとともに外側表面に軸方向に開放された帯状の仕切り板を有するハウジングを備えた液冷型の回転電機において、
前記ハウジングを押出し成形によって形成し、
前記ハウジングの開放端を折返し流路を備えたエンドブラケットで塞ぐとともに、ハウジングの表面を外筒で覆い冷却液が流れる冷却通路を構成する
ことを特徴とする液冷型の回転電機。 - 請求項2に記載の液冷型の回転電機において、
前記ハウジングを構成する円筒部分と帯状の仕切り板が、軸方向に等しい形状を有する
ことを特徴とする液冷型の回転電機。 - 内部に固定子および回転子を収納するとともに外側表面に軸方向に開放された帯状の仕切り板を有するハウジングを備えた空冷型の回転電機において、
前記ハウジングを押出し成形によって形成し、
前記ハウジングの開放端をエンドブラケットで塞ぐとともに、回転軸の反出力軸側に冷却ファンを取り付け、ハウジングの表面を外筒で覆い冷却気体が流れる冷却通路を構成する
ことを特徴とする空冷型の回転電機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005200347A JP2007020333A (ja) | 2005-07-08 | 2005-07-08 | 液冷型の回転電機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005200347A JP2007020333A (ja) | 2005-07-08 | 2005-07-08 | 液冷型の回転電機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2007020333A true JP2007020333A (ja) | 2007-01-25 |
Family
ID=37756968
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005200347A Pending JP2007020333A (ja) | 2005-07-08 | 2005-07-08 | 液冷型の回転電機 |
Country Status (1)
Country | Link |
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Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010268667A (ja) * | 2009-05-18 | 2010-11-25 | Fanuc Ltd | 電動機冷却ジャケット |
JP2011036122A (ja) * | 2009-07-29 | 2011-02-17 | Joy Ride Technology Co Ltd | 熱伝導結合部材を備えているモータ組み立て品 |
JP2012100524A (ja) * | 2010-11-04 | 2012-05-24 | Siemens Ag | ステータハウジングセグメントのための溶接されたマニホールド |
CN103748769A (zh) * | 2011-08-18 | 2014-04-23 | 雷米科技有限责任公司 | 电机冷却 |
CN104184241A (zh) * | 2014-09-03 | 2014-12-03 | 东方电气(乐山)新能源设备有限公司 | 一种轻型电动汽车电机机座 |
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JP7447943B2 (ja) | 2022-07-27 | 2024-03-12 | 株式会社明電舎 | 回転機における冷却液流路のシール構造 |
-
2005
- 2005-07-08 JP JP2005200347A patent/JP2007020333A/ja active Pending
Cited By (8)
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