JP2006263470A - 固定部材付き皮下注入ポート - Google Patents

Abstract

【課題】周囲創傷が迅速に治癒し、かつ、患者にとって快適で、美容上も受け入れられる埋込式外科用注入ポートを提供する。
【解決手段】埋込式外科用注入ポートは、ボディと、閉じた遠位端と、開口した近位端と、遠位端および近位端の間にある液だめとを有するハウジングを含む。ハウジングは、針を刺し通すことができるセプタムを有する。セプタムは、ハウジングの開口部周りに取り付けられている。注入ポートは、少なくとも１つの固定部材をさらに有し、この固定部材は、注入ポートを組織内に固定するためにハウジングに取り付けられている。固定部材は、非展開状態および展開状態がある部材である。固定部材は、展開状態において、ボディから放射状に広がっている。
【選択図】図５

Description

開示の内容

〔発明の分野〕
本発明は、概して、医療の分野に関し、より具体的には、患者に外科手術的に埋め込まれる医療機器に関するものであり、特に、化学療法や調整可能胃バンド手技に用いられるような埋込式注入ポートまたは導入ポートに関するものである。

〔発明の背景〕
外科医は、例えば、化学療法のためや胃バンドを調整するために、定期的に流体を注入する必要がある患者に皮下注入ポートを埋め込むことを日常的に行っている。注入ポートは柔軟な管からなるカテーテルに接続されていて、流体を患部（鎖骨下静脈、その他）または胃バンドまで送る。現行の注入ポートは、金属製またはプラスチック製の剛性ハウジングを備えている。このハウジングは、直径が約２５ｍｍであり、高さが約１５ｍｍである。剛性ハウジング内に取り付けられた、厚い、シリコン製のセプタム(septum)が、カテーテルとの間で流体を流す内部チャンバーに蓋をしている。外科医は、皮下注射針を使用し、シリコン製セプタムを介してチャンバーに流体を注入する。

このような注入ポートは、病的肥満を治療するために、調整可能な胃バンドとともに使用されることがよくある。調整可能な胃バンドの例は、クズマック(Kuzmak)に付与された米国特許第４，５９２，３３９号、クズマックに付与された第ＲＥ３６１７６号、クズマックに付与された第５，２２６，４２９号、ジャコブソン(Jacobson)に付与された第６，１０２，９２２号、およびヴィンセント(Vincent)に付与された第５，６０１，６０４号に見られる。上記は全て、ここに言及することにより本明細書に組み込まれる。現行の実務では、胃バンドを手術により胃を取り囲むように配置する。これにより、胃は、間に小孔がある２つの部分に分けられる。比較的小さな上部、すなわち嚢と、比較的大きな下部である。胃の小さい分割部分は、事実上、患者の新しい胃になり、患者が満腹を感じるのに必要な食べ物が非常に少なくなる。

胃の周囲に配置されたら、胃バンドの端部が互いにしっかりと留められる。そして、胃壁の一部を胃バンドに折り重ね、その折り畳まれた組織をそこに通した縫合糸で閉じることにより、その胃バンドを所定位置にしっかりと保持する。これにより、胃バンドがするりと抜け、取り囲まれている胃が広がることを防ぐ。胃バンドは、通常、柔軟で、実質的に延びることのない部分を有し、そこに延びることができる膨張可能部分が取り付けられている。膨張可能部分は、注入部位、すなわち注入ポートのようなものとの間で流体が行き来できるようになっている。膨張用の流体を膨張可能部分の内部に注入する、またはそこから除去することで、埋め込んでいる間に、または埋め込んだ後に、小孔の大きさを調整する。小孔を大きくすることにより、患者は満腹感を覚えることなく食べ物をもっと食べることができるが、体重は急には減らない。小孔のサイズを小さくすれば、その逆になる。医師は、定期的に小孔の大きさを調節して、体重減少の速さを調整する。

市販されている注入ポートの大部分は、そのポートを組織に縫い付けるために、ハウジングの周囲に間隔をおいて配置された穴を有する。ポートを組織に取り付けることは、ポートがひっくり返ることおよび／または体の中で動いてしまうことを防止するのに役立つ。胃バンド用の注入ポートを埋め込む場合、外科医は、通常、注入ポートを４本の縫合糸を用いて、腹筋肉組織を覆っていて、脂肪層の下にある筋膜に固定する。脂肪層は、肥満患者の場合には数センチの厚みがある。市販されているポートの大部分の場合、セプタムには注入ポートの一方の側からしかアクセスできないので、ひっくり返ると、途中で手術をして、後々の注入のためにポートを正しい向きにする必要がある。

現在、多くの外科医は、患者の苦痛、費用、および回復時間を最小にするために、腹腔鏡手技を用いて胃バンドおよびカテーテルを埋め込んでいる。しかしながら、外科医は、胃バンドおよびカテーテルを一旦埋め込んでから、カテーテルの近位端を腹膜の切開部から外に出し、流体が流せるようにカテーテルを注入ポートに接続し、次に開口手術(open procedure)によって、注入ポートを腹筋肉組織(abdominal musculature)を覆っている筋膜に取り付けることがある。バンドを胃の周りに配置することは、外科手術の困難で重要な部分である。注入ポートの埋め込みは、胃バンドを包括的に成功させるのに、重要性が劣るものではないが、多くの外科医は、手術のこの部分をお決まりの手順とみなしていて、さっさと終わらせたいと願っている。さらに、注入ポートを組織に縫い付けるには、縫合部位に解剖器具(dissecting instruments)および持針器(needle graspers)を入れるのに十分に大きな外科的切開部が必要である。これに伴う創傷と組織の損傷により、患者には術後に大きな痛みがあったり、回復時間が長かったりすることがある。したがって、注入ポートが動くことおよび／またはひっくり返ることを防止するために、縫合糸で組織に取り付ける必要がない皮下埋込式注入ポートが必要である。重要なのは、このような注入ポートを周囲組織に対する損傷を最小限にして軟部組織に配置できることである。このポートでは、周囲創傷が迅速に治癒できなければならず、かつ、患者にとって快適で、美容上も受け入れられるものでなければならない。

〔発明の概要〕
本発明は、埋込式外科用注入ポートであり、ボディと、閉じた遠位端と、開口した近位端と、その遠位端および近位端の間にある液だめとを有するハウジングを含んでいる。ハウジングは、針を刺し通すことができるセプタムを有する。セプタムは、ハウジングの開口部周りに取り付けられている。注入ポートは、少なくとも１つの固定部材をさらに有し、この固定部材は、注入ポートを組織内に固定するために、ハウジングに取り付けられている。固定部材は、非展開状態および展開状態がある部材であり、展開状態では、ボディから放射状に広がっている。

本発明の具体的で、新規な特徴を添付した特許請求の範囲に示した。もっとも、読者は、本発明の構造および操作方法を詳細な説明および以下の図面を参照することにより最もよく理解できるであろう。

〔発明の詳細な説明〕
図面を参照すると、図１および図２は、従来技術による注入ポート２を示している。注入ポート２は、通常、先端を平らに切った円錐形状をしていることがあり、ハウジング１４と、セプタム４と、カテーテル支持部８とを備えている。注入ポート２は、さらにボディ７を備えている。ボディ７は、遠位閉鎖端１３とも呼ばれる底面と、セプタム４を保持する近位開口端５とを有している。ハウジング１４は、通常、生体適合性があり、耐食性がある材料から作られている。セプタム４は、シリコンゴムのようなエラストマー材料から作ることができる。シリコンゴムは、皮下注射針で簡単に刺し通すことができる。ハウジング１４およびセプタム４は、流体を入れて溜めるための液だめ１２を注入ポート２に画定している。カテーテル支持部８は、ハウジング１４を貫通し、流体だめ１２と注入ポート２の外界との間で流体が行き来きるようにしている。フランジ６がハウジング１４から広がっている。このフランジ６には、注入ポート２を患者の組織に縫い付けるための複数の穴１０がある。

図３は、従来技術による注入ポート２を、外科的な処置をしている間にカテーテル２０に組み付けることができる状態で示している。胃バンドを埋め込むときのような腹腔鏡手技で注入ポート２を使用する場合には、外科医が、腹腔鏡手技の間に、注入ポート２をカテーテル２０に組み付けることが必要なことがある。これは、腹部液だめ(abdominal fluid reservoir)内の胃にアクセスするのに使用できる、標準サイズ（直径１２ｍｍ）の腹腔鏡ポート(laparoscopic port)に通すには、注入ポート２が大きすぎるかもしれない、という理由によることがある。外科医は、カテーテル２０の何もついていない端部に注入ポート２を取り付けることなく、胃バンドおよびカテーテル２０を腹部液だめに入れることができる。外科医は、胃の周りに胃バンドを固定したら、カテーテル２０の何もついていない端部を腹筋層、筋膜層、皮下脂肪層、および皮膚を通して外に出し、注入ポート２をカテーテル２０のその何もついていない端部に取り付ける。次に外科医は、注入ポートを、患者の腹部の望ましい場所において皮下に埋め込む。図３に示すように、カテーテルの部品１６をカテーテル２０の上に嵌め、カテーテル２０を注入ポート２のカテーテル支持部８の上にきつく固定する。さらにカテーテル保護部材１８をカテーテル２０の上に嵌める。カテーテル保護部材１８は、外科医が、後で流体を注入する間、皮下注射針を注入ポート２に入れた際に、過失によりカテーテル２０を穿刺することを防止するのに役立つ。カテーテル２０を注入ポート２に流体が流れるように接続したら、外科医は、複数の縫合糸２２を用いて組織の筋層を覆っている筋膜２６に注入ポート２を取り付ける。通常、外科医は、患者の切開部２４を介して、手が届く範囲が制限された状態で作業をするので、注入ポート２を筋膜２６に縫い付けるのに数分かかる。図４は、切開部２４を閉じる前に、４本の縫合糸２２を使って筋膜２６に取り付けられた注入ポート２を示している。

以下の実施形態には、患者の組織内に配置しやすいように、たたまれた状態、すなわち、非展開状態にすることができ、かつ、患者の組織内に配置したら、長期間固定するために広がった状態、すなわち、展開状態にすることができる注入ポートを説明する。この注入ポートはひっくり返りを妨げるので、流体を入れたり抜いたりするために、セプタムに針を入れることができる。また、この注入ポートには、注入ポートを患者の組織内に固定するために、組織が内部へと成長できる部位がある。さらに、これらの実施形態では、注入ポートを組織に縫い付ける必要がないので、手術時間が短く、縫合に伴う損傷が少ない。

図５、６、７、８、および９は、注入ポートの第１実施形態１００を示している。注入ポート１００にはハウジング１０４があり、このハウジング１０４は、チタン、ステンレススチール、または生体適合性ポリマーなどの硬質材料から作られたボディ１０７を有している。ハウジング１０４は、図１に示した従来技術のハウジング１４と同様な構造からなっていてもよいが、フランジ６はない。複数の固定部材１０２がハウジング１０４に取り付けられている。各固定部材１０２は、部材１０３を有している。この部材１０３は、コイル状の金属ワイヤから作ることができ、好ましくは、コイルばねの製造に使用するような、非腐食性であり、ステンレススチール製、またはチタン合金製のばねワイヤから作る。各固定部材１０２は、トーションバネ１０５を有し、このトーションバネ１０５は、固定部材１０２が、十分に拘束されていない場合に、非展開状態から展開状態に跳ね出しやすいように部材１０３をハウジング１０４に取り付けている。図５は、固定部材１０２が展開状態にある注入ポート１００の側面図であり、図６は、上面図である。図７は、固定部材１０２が非展開状態にある注入ポート１００の側面図であり、図８は、底面図である。外科医は、非展開状態にある固定部材１０２を手術用把持具(surgical grasper)または手袋をした手で保持し、そして注入ポート１００を患者の切開部に配置することができる。注入ポート１００を患者における所望の埋込場所においたら、外科医は、固定部材１０２が展開状態まで動くように、注入ポート１００を放すことができる。外科医は、従来の手術器具を使って注入ポート１００の周りの組織を切開し、固定部材１０２が完全に開くことが容易となるようにしてもよい。

図９は、注入ポート１００の分解斜視図である。各固定部材１０２は、部材１０３およびトーションバネ１０５を備えており、部材１０３およびトーションバネ１０５は、穴１１０に押し込まれたピン１０８によってハウジング１０４に跳ね出すことができるように取り付けられている。部材１０３の内側の空いているところが、切開された組織の面が治癒してくっつくことを許容し、患者の中で注入ポート１００を固定するのに役立つ。各固定部材１０２が柔軟であり、弾性をもってハウジング１０４に取り付けられているので、患者が、自身の体のその部分を曲げたり、捻ったりしているときに、著しく不快に感じることはない。セプタム１０６は、従来技術に関する図１に示したのと同様の方法でハウジング１０４に組み付けられている。（本明細書で開示する注入ポートの各実施形態は、セプタム、液だめ、およびカテーテル支持部を有し、これらの基本的な構造および機能は、図１について説明した従来の注入ポートと同様である。）

図１０、１１、１２、１３、および１４は、注入ポートの第２実施形態２００を示している。図１０は、展開状態にある注入ポート２００の側面図であり、図１１は、上面図である。図１２は、非展開状態にある注入ポート２００の側面図であり、図１３は、上面図である。図１４は、注入ポート２００の分解斜視図であり、注入ポート２００は、金属製ワイヤから作られた複数の固定部材２０２を有している。各固定部材２０２は、ハウジング２０４に、穴２１０において軸回転可能に取り付けられている一対の端部２０８を有することがある。セプタム２０６は、従来技術についての図１に示したのと同様な方法でハウジング２０４に組み付けられている。この実施形態では、各固定部材２０２がＤ字形状となっていることがある。最初に、外科医は、注入ポート２０２が非展開状態である間に、ハウジング２０４を把持具または手袋をした手で保持することができる。外科医が注入ポート２００を患者の組織の中に押し込むと、固定部材２０２が展開状態に開き、同時に組織に入り込む。したがって、外科医は、注入ポート２００を配置するために、最小限の量だけ組織を切開し、これにより、迅速な治癒が促進され、かつ、感染症の危険が減る。組織が固定部材２０２の周りで治癒する間、皮下脂肪層および皮膚層が注入ポート２００を覆い、保持する。

図１５、１６、１７、１８および１９は、注入ポートの第３実施形態３００を示している。図１５は、展開状態にある注入ポート３００の側面図であり、図１６は、上面図である。図１７は、非展開状態にある注入ポート３００の上面図であり、図１８は、側面図である。図１９は、注入ポート３００の分解斜視図である。注入ポート３００は、ばね用の金属製ワイヤから作られた、複数の固定部材３０２を有する。各固定部材３０２は、前の実施形態のようにＤ字形状を有していてもよいが、トーションバネ３１４を有するようにも形成できる。このトーションバネ３１４は、ピン３１２を穴３１０に入れることで、固定部材３０２が拘束されていないときに展開状態となれるようにハウジング３０４に取り付けられる。外科医は、図１４の注入ポート２００について記載したのと同様な方法で、患者の組織の中に注入ポート３００を配置することができる。セプタム３０６は、図１の従来技術について記載したようにハウジング３０４に組み付けられている。

図２０は、注入ポートの第４実施形態４００の上面図であり、図２１は、側面図である。注入ポート４００は、ハウジング４０４に取り付けられた複数の固定部材４０２を有している。固定部材４０２は、柔軟なワイヤ、例えば、当該技術においてニチノールとしても知られている、超弾性ニッケル−チタン記憶合金などから作られる。外科医は、注入ポートを患者の組織の中に配置する間、固定部材を非展開状態で保持し、次に手術器具または指先を使って、固定部材４０２を展開状態に丁寧に配置することができる。図２０は、体の離れたところに流体を送るためのカテーテル４２０をも仮想線で示している。

図２２は、注入ポートの第５実施形態５００の上面図、図２３は側面図であり、この注入ポート５００は、ハウジング５０４に取り付けられた固定部材５０２を有する。固定部材５０２は、支持部材５０８を備えている。この支持部材５０８は、円形ウェビング(circular webbing)５０６に取り付け、その周囲を形成することができる柔軟な金属製ワイヤまたはプラスチック製のひもから作ることができる。ウェビング５０６は、Prolene（登録商標、Ethicon, Inc.)のような生体適合性のある高分子メッシュ材料であって、生体適合性のある接着剤でハウジング５０４に取り付ける材料から作ることができる。ウェビング５０６は、組織を迅速に内部成長させ、治癒させる領域を与え、かつ、注入ポート５００を体に快適に固定するための領域を与えるものである。

図２４は、注入ポートの第６実施形態６００の上面図であり、図２５は、側面図である。注入ポート６００は、複数の固定部材６０２を有する。固定部材６０２は、ハウジング６０４に取り付けられていて、通常は放射方向に広がっている。各固定部材６０２は、超弾性ニッケルチタン合金のような、柔軟性のある金属製ワイヤ材から作られており、カールした先端部６０６を有する。

図２６は、注入ポートの第７実施形態７００の上面図であり、図２７は、側面図である。注入ポート７００は、ハウジング７０４に取り付けられた固定部材７０２を有する。固定部材７０２には、柔軟で、星形のウェビング７０６があり、このウェビング７０６は、複数の支持部材７０８が放射状に延びた状態で、ポリエチレンなどのプラスチックから射出成形することができる。ハウジング７０４の環状溝７０５が固定部材７０２を保持している。

図２８は、固定部材８０２を有する注入ポートの第８実施形態８００の側面断面図であり、図２９は、上面図である。この実施形態では、外科医または医療助手が、外科的な処置を行っている間に（ただし、体に配置する前に）、従来技術による注入ポート２を固定部材８０２と組み立てることができる。固定部材８０２は、ポリエチレンのような、柔軟で生体適合のあるプラスチックから、固定部材８０２の周縁を画定する支持部材８０８と一体成形されたウェビング８０６を有している。これも固定部材８０２に成形されている保持用縁部８１０が、ハウジング１４のフランジ６にスナップ止めされ、フランジ６を保持する。したがって、特定の埋込式医療装置についてくる従来の注入ポートを固定部材８０２といっしょに使って、注入ポートを組織に縫い付ける必要を回避することが外科医にとって可能になりうる。

外科医は、本発明による注入ポートを患者の組織に、縫い付ける必要なく、埋め込むことができる。外科医は、患者の皮膚および皮下脂肪層に外科的に切開することができる。胃バンドを埋め込む場合、このような切開は、通常、患者の腹部において行うことができる。外科医は、外科的切開部内の組織を切開して、皮下脂肪層と筋膜組織の間にカテーテルと注入ポートのための空間を作る。外科医は、従来の切開用手術器具および／または指先を使用することができる。外科医は、図１の従来技術について説明したような部品を用いて注入ポートをカテーテルに接続する。外科医は、注入ポートを非展開状態で保持し、次に注入ポートとカテーテルを切開部に通して配置する。外科医は、注入ポートを筋膜組織上の最終位置へと操作しながら、注入ポートが展開状態に変化することを許容する。最後に、外科医または医療助手は、皮膚および皮下脂肪層を注入ポートおよびカテーテルの上で閉じる。この方法には、固定部材を組織に縫い付けるというステップがさらに含まれることもある。

上記発明を他の種類の埋込式バンドに同じように適用できることは、当業者には容易に分かるであろう。例えば、バンドは便失禁の治療に使用される。このようなバンドの１つは、米国特許第６、４６１、２９２号に記載されている。米国特許第６、４６１、２９２号は、ここに言及することにより本明細書に組み込む。バンドは、尿失禁を治療するのにも使用できる。このようなバンドの１つは、米国特許出願２００３／０１０５３８５号に開示されており、米国特許出願２００３／０１０５３８５号は、ここに参照することにより本明細書に組み込む。バンドは、胸やけおよび／または酸逆流を治療するのにも使用できる。このようなバンドの１つは、米国特許第６、４７０、８９２号に記載されており、米国特許第６、４７０、８９２号は、ここに言及することにより本明細書に組み込む。バンドは、インポテンツを治療するのにも使用することができる。このようなバンドの１つは、米国特許出願２００３／０１１４７２９号に開示されており、米国特許出願２００３／０１１４７２９号は、ここに参照することにより本明細書に組み込む。

本発明の好ましい実施形態を本明細書で示し、説明したが、このような実施形態が例に過ぎないことは当業者にとって明らかであろう。当業者は、非常に多くの変形、変更、および置換を本発明から逸脱することなく思いつくであろう。例えば、当業者には明らかであろうが、本明細書の開示内容は、ロボット支援手術に同じように応用できる。さらに、当然のことながら、上述した各構造には機能があり、このような構造は、その機能を行う手段ということができる。よって、添付した特許請求の範囲の趣旨および範囲によってのみ本発明が限定されることが意図されている。

〔実施の態様〕
好ましい実施態様は、以下の通りである。
(１） 埋込式外科用注入ポートにおいて、
ａ．ボディと、閉じた遠位端と、開口した近位端と、前記遠位端および前記近位端の間にある液だめとを有するハウジングと、
ｂ．前記ハウジングの前記開口した近位端に保持されており、針を刺し通すことができるセプタムと、
ｃ．前記注入ポートを組織に固定するために前記ハウジングに取り付けられた少なくとも１つの固定部材であって、非展開状態および展開状態がある部材を有する固定部材と、
を備え、
前記固定部材が前記ボディから放射状に広がっている、
注入ポート。
(２） 実施態様１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材には可撓性がある、注入ポート。
(３） 実施態様１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材は、弾性があり、ゆるめてあって拘束力をかけていないと、前記展開状態になるように、前記ハウジングに取り付けられている、注入ポート。
(４） 実施態様１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材が軸回転可能に前記ハウジングに取り付けられている、注入ポート。
(５） 実施態様１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材が、少なくとも部分的に金属製ワイヤからなる、注入ポート。

(６） 実施態様１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材が、少なくとも部分的に生体適合性ポリマーからなる、注入ポート。
(７） 実施態様１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材が、内部に組織が成長できるようになっている、柔軟なウェビングを備え、前記ウェビングは、前記ハウジングに取り付けられた柔軟な支持部材に取り付けられている、注入ポート。
(８） 実施態様１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材を前記ハウジングに着脱可能に取り付けることができる、注入ポート。
(９） 実施態様１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材は、外科医が前記注入ポートを所定位置に押し込み、かつ、前記注入ポートが前記非展開状態から前記展開状態に変化したときに、組織に入り込む手段を有する、注入ポート。
(１０） 実施態様１記載の注入ポートにおいて、
前記ハウジングに取り付けられた少なくとも３つの固定部材を有する、注入ポート。

(１１） 埋込式外科用注入ポートにおいて、
ａ．ボディと、閉じた遠位端と、開口した近位端と、前記遠位端および前記近位端の間にある液だめとを有するハウジングと、
ｂ．前記ハウジングの前記開口した近位端に保持されており、針を刺し通すことができるセプタムと、
ｃ．前記注入ポートを組織内に固定するために前記ハウジングに取り付けられた少なくとも１つの固定部材であって、非展開状態および展開状態がある部材を有する固定部材と、
を備え、
前記固定部材が前記ボディから放射状に、前記ハウジングの前記閉じた遠位端と同一平面上で広がる、
注入ポート。
(１２） 実施態様１１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材には可撓性がある、注入ポート。
(１３） 実施態様１１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材は、弾性があり、ゆるめてあって拘束力をかけていないと、前記展開状態になるように、前記ハウジングに取り付けられている、注入ポート。
(１４） 実施態様１１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材が軸回転可能に前記ハウジングに取り付けられている、注入ポート。
(１５） 実施態様１１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材が、少なくとも部分的に金属製ワイヤからなる、注入ポート。

(１６） 実施態様１１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材が、少なくとも部分的に生体適合性ポリマーからなる、注入ポート。
(１７） 実施態様１１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材が、内部に組織が成長できるようになっている、柔軟なウェビングを備え、前記ウェビングは、前記ハウジングに取り付けられた柔軟な支持部材に取り付けられている、注入ポート。
(１８） 実施態様１１記載の注入ポートにおいて、
前記固定部材を前記ハウジングに着脱可能に取り付けることができる、注入ポート。
（１９）埋込式外科用注入ポートにおいて、
ａ．ボディと、閉じた遠位端と、開口した近位端と、前記遠位端および前記近位端の間にある液だめとを有するハウジングと、
ｂ．前記開口部周りで前記ハウジングに取り付けられ、針を刺し通すことができるセプタムと、
ｃ．前記注入ポートを組織内に固定するために前記ハウジングに取り付けられた少なくとも１つの固定部材であって、非展開状態および展開状態がある部材を有し、前記ボディから放射状に、前記ハウジングの前記閉じた遠位端と同一平面上で広がる固定部材と、
ｄ．外科医が前記注入ポートを所定位置に押し込み、かつ、前記注入ポートが前記非展開状態から前記展開状態に変化したときに、前記少なくとも１つの固定部材が組織に入り込むようにする手段と、
を備える注入ポート。
(２０） 実施態様１９記載の注入ポートにおいて、
前記ハウジングに取り付けられた少なくとも３つの固定部材を有する、注入ポート。

従来技術による注入ポート２の側面図である。 従来技術による注入ポート２の上面図である。 組み立てて、体の切開部２４を通して埋め込むためにほぼ一直線に配列した注入ポート２、コネクター１６、フェルール１８、およびカテーテル２０の斜視図である。 カテーテル２０に組み付けられ、組織層２６に取り付けられている注入ポート２の斜視図である。 放射方向に広がることができる固定部材１０２を有する注入ポートの第１実施形態１００の側面図であり、展開状態を示している。 展開状態にある注入ポート１００の上面図である。 注入ポート１００の側面図であり、非展開状態を示している。 注入ポート１００の上面図であり、非展開状態を示している。 注入ポート１００の部品の分解斜視図である。 注入ポートの第２実施形態２００の側面図であり、展開状態を示している。 展開状態にある注入ポート２００の上面図である。 非展開状態にある注入ポート２００の側面図である。 非展開状態にある注入ポート２００の上面図である。 注入ポート２００の分解斜視図である。 注入ポートの第３実施形態３００の側面図であり、展開状態を示している。 展開状態にある注入ポート３００の上面図である。 非展開状態にある注入ポート３００の上面図である。 非展開状態にある注入ポート３００の側面図である。 注入ポート３００の分解斜視図である。 注入ポートの第４実施形態４００の上面図であり、展開状態を示している。 展開状態にある注入ポート４００の側面図である。 注入ポートの第５実施形態５００の上面図である。 注入ポート５００の側面図である。 注入ポートの第６実施形態６００の上面図である。 注入ポート６００の側面図である。 注入ポートの第７実施形態７００の上面図である。 注入ポート７００の側面図である。 注入ポートの第８実施形態８００の側面図である。 注入ポート８００の上面図である。

Claims (12)

1. 埋込式外科用注入ポートにおいて、
   ａ．ボディと、閉じた遠位端と、開口した近位端と、前記遠位端および前記近位端の間にある液だめとを有するハウジングと、
   ｂ．前記ハウジングの前記開口した近位端に保持されており、針を刺し通すことができるセプタムと、
   ｃ．前記注入ポートを組織に固定するために前記ハウジングに取り付けられた少なくとも１つの固定部材であって、非展開状態および展開状態がある部材を有する固定部材と、
   を備え、
   前記固定部材が前記ボディから放射状に広がっている、
   注入ポート。
2. 請求項１記載の注入ポートにおいて、
   前記固定部材には可撓性がある、注入ポート。
3. 請求項１記載の注入ポートにおいて、
   前記固定部材は、弾性があり、ゆるめてあって拘束力をかけていないと、前記展開状態になるように、前記ハウジングに取り付けられている、注入ポート。
4. 請求項１記載の注入ポートにおいて、
   前記固定部材が軸回転可能に前記ハウジングに取り付けられている、注入ポート。
5. 請求項１記載の注入ポートにおいて、
   前記固定部材が、少なくとも部分的に金属製ワイヤからなる、注入ポート。
6. 請求項１記載の注入ポートにおいて、
   前記固定部材が、少なくとも部分的に生体適合性ポリマーからなる、注入ポート。
7. 請求項１記載の注入ポートにおいて、
   前記固定部材が、内部に組織が成長できるようになっている、柔軟なウェビングを備え、前記ウェビングは、前記ハウジングに取り付けられた柔軟な支持部材に取り付けられている、注入ポート。
8. 請求項１記載の注入ポートにおいて、
   前記固定部材を前記ハウジングに着脱可能に取り付けることができる、注入ポート。
9. 請求項１記載の注入ポートにおいて、
   前記固定部材は、外科医が前記注入ポートを所定位置に押し込み、かつ、前記注入ポートが前記非展開状態から前記展開状態に変化したときに、組織に入り込む手段を有する、注入ポート。
10. 請求項１記載の注入ポートにおいて、
    前記ハウジングに取り付けられた少なくとも３つの固定部材を有する、注入ポート。
11. 埋込式外科用注入ポートにおいて、
    ａ．ボディと、閉じた遠位端と、開口した近位端と、前記遠位端および前記近位端の間にある液だめとを有するハウジングと、
    ｂ．前記ハウジングの前記開口した近位端に保持されており、針を刺し通すことができるセプタムと、
    ｃ．前記注入ポートを組織内に固定するために前記ハウジングに取り付けられた少なくとも１つの固定部材であって、非展開状態および展開状態がある部材を有する固定部材と、
    を備え、
    前記固定部材が前記ボディから放射状に、前記ハウジングの前記閉じた遠位端と同一平面上で広がる、
    注入ポート。
12. 埋込式外科用注入ポートにおいて、
    ａ．ボディと、閉じた遠位端と、開口した近位端と、前記遠位端および前記近位端の間にある液だめとを有するハウジングと、
    ｂ．前記開口部周りで前記ハウジングに取り付けられ、針を刺し通すことができるセプタムと、
    ｃ．前記注入ポートを組織内に固定するために前記ハウジングに取り付けられた少なくとも１つの固定部材であって、非展開状態および展開状態がある部材を有し、前記ボディから放射状に、前記ハウジングの前記閉じた遠位端と同一平面上で広がる固定部材と、
    ｄ．外科医が前記注入ポートを所定位置に押し込み、かつ、前記注入ポートが前記非展開状態から前記展開状態に変化したときに、前記少なくとも１つの固定部材が組織に入り込むようにする手段と、
    を備える注入ポート。
    

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