JP2006209098A - 光学素子及びその製造方法 - Google Patents

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啓子 田崎
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【課題】屈折率異方性層に配向性を付与する配向性付与層と屈折率異方性層との間での密着性を高めるとともに各層の耐久性を向上させることができる光学素子を提供する。
【解決手段】光学素子10は、透明基材11上に積層された配向性付与層12と、配向性付与層12上に積層された屈折率異方性層13とを備えている。屈折率異方性層13は、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物を硬化(重合)させることにより形成された液晶層からなっている。屈折率異方性層13は、当該屈折率異方性層13のうち配向性付与層12に近い側に位置する部分の硬化度が、配向性付与層12から遠い側に位置する部分の硬化度に比べて大きくなるよう、当該屈折率異方性層13の硬化度が厚さ方向に関して所定の勾配を持って単調に変化している。また、屈折率異方性層13の平均硬化度は90%以上であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、位相差板や偏光板、ディスプレイ用カラーフィルター等の光学素子に係り、とりわけ、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物からなる液晶層を屈折率異方性層として備えた光学素子及びその製造方法に関する。なお、本明細書において「液晶層」という用語は、光学的に液晶の性質を有する層という意味で用い、層の状態としては、液晶相の持つ分子配列を保って固化された固相状態をとるものも含むものとする。
一般に、液晶は、分子配列の可逆的運動性を利用して、TN(twisted nematic)型やSTN(super twisted nematic)型に代表されるディスプレイ素子等の表示媒体として用いられる他、その配向性と屈折率異方性とを利用して、位相差板や偏光板、ディスプレイ用カラーフィルター等の光学素子としても用いられている。
ここで、後者の用途に関しては、近年、重合性の液晶材料からなる液晶層を屈折率異方性層として備えた光学素子が数多く提案されている。具体的には例えば、特許文献1には、特殊な重合性の液晶化合物を用いて作製される、波長選択反射性及び偏光選択反射性の機能を持つ光学素子が記載されている。また、特許文献2には、棒状構造を持つ重合性の液晶化合物を用いて作製される複屈折板が記載されている。さらに、特許文献3及び4には、円盤状構造を持つ重合性の液晶化合物を用いて作製される光学補償シートが記載されている。
ところで、このような光学素子としては、プラスチックフィルム等を支持体とし、その支持体上に配向膜を介して重合性の液晶材料からなる液晶層(屈折率異方性層)を積層するものが一般的に用いられている。
ここで、支持体と屈折率異方性層との間に設けられる配向膜は、屈折率異方性層中の液晶分子の配向方向を規制する配向規制力を有するものである。このような配向膜は、例えば、配向性のあるポリイミドやポリビニルアルコール、ゼラチン等のポリマーの層を支持体上に形成した後、当該ポリマーの層に対してラビング処理等の配向処理を施すことにより形成することができる。なお、配向処理としてラビング処理を施す場合には、配向膜の表面に静電気や埃が発生してしまうので、ラビング処理を施すことなく配向膜に配向規制力を発現させる手法も研究されている。その一つが、任意の偏光状態を持つ光(偏光光)を照射することにより配向膜の表面に配向規制力(異方性)を生成する光配向法である。なお、このような光配向法には、分子の形状のみを変化させて配向状態を可逆的に変化させる「光異性化」と、分子そのものを変化させる「光反応型」とがある。なお、後者の「光反応型」は、さらに、二量化、分解型、結合型及び分解−結合型等に分けられる。
以上に説明したような支持体、配向膜及び屈折率異方性層からなる光学素子においては、光学素子の各層の光学特性が良好であることはもちろん重要であるが、各層間の密着性や各層の耐久性が良好であることも重要である。後者の問題に関しては、例えば、光学素子を構成する配向膜と屈折率異方性層との間の密着性が悪いと、屈折率異方性層が配向膜から剥がれやすくなるという問題がある。また、光学素子を高温高湿下で使用したり保存したりすると、屈折率異方性層に網状のしわが発生してしまうという問題もある。
このような問題を解消するため、従来においては、次のような手法が提案されている。
すなわち、特許文献4では、配向膜の材料として、変性されたポリビニルアルコールを用い、配向膜と屈折率異方性層との界面における化学的な結合により、それらの層間の密着性を改善する手法が提案されている。また、特許文献5では、密着性の低い層間にアンカーコート層を挿入することにより、それらの層間の密着性を向上させる手法が提案されている。さらに、特許文献6では、屈折率異方性層の材料中にモノマーを添加することにより、屈折率異方性層の耐久性を改善する手法が提案されている。具体的には、屈折率異方性層の材料として、反応性メソゲン化合物に対して2個又は3個以上の重合性官能基を持つ非メソゲン化合物を20%以下の量で含有することにより、ガラス転移温度や、熱安定性及び機械的安定性を変える手法が提案されている。
特表2002−533742号公報 特開平5−215921号公報 特開平8−338913号公報 特開平9−152509号公報 特開平10−10320号公報 特表2000−514202号公報
しかしながら、上述した従来の手法のうち、上記特許文献4に記載された手法では、ポリビニルアルコールの変性反応に利用される溶媒の沸点が高く、このような溶媒を含んだままでは塗布液として利用することができないので、ポリビニルアルコールを再沈殿して精製する工程が不可欠となり、製造コストが高くなってしまうという問題がある。また、上記特許文献5に記載された手法では、屈折率異方性層の材料として液晶化合物が用いられる場合に、液晶分子がアンカーコート層上で良好に配向されないという問題がある。さらに、上記特許文献6に記載された手法では、配向処理後に液晶分子の配向状態を固定して屈折率異方性層とするような場合に、液晶分子が配向する際に添加剤が不純物となり、液晶分子の配向が阻害されるので、光学特性が低下してしまう(例えば表示ムラが発生してしまう)という問題がある。
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物からなる液晶層を屈折率異方性層として用いる光学素子であって、屈折率異方性層に配向性を付与する配向性付与層と屈折率異方性層との間での密着性を高めるとともに各層の耐久性を向上させることができる光学素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、その第1の解決手段として、透明基材と、前記透明基材上に積層された配向性付与層と、前記配向性付与層上に積層され、前記配向性付与層の配向規制力により配向性が付与された屈折率異方性層とを備え、前記配向性付与層は、光配向法により前記配向規制力を発現させることが可能な配向膜用組成物から形成された配向膜からなり、前記屈折率異方性層は、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物を硬化させることにより形成された液晶層からなり、前記屈折率異方性層のうち前記配向性付与層に近い側に位置する部分の硬化度が、前記配向性付与層から遠い側に位置する部分の硬化度に比べて大きくなるよう、前記屈折率異方性層の硬化度が厚さ方向に関して所定の勾配を持って単調に変化していることを特徴とする光学素子を提供する。
なお、上述した第1の解決手段においては、前記屈折率異方性層の平均硬化度が90%以上であることが好ましい。
また、上述した第1の解決手段において、前記屈折率異方性層を形成するための前記液晶性組成物は、前記重合性の液晶材料として、ネマチック液晶化合物を含むことが好ましい。
さらに、上述した第1の解決手段において、前記配向性付与層を形成するための前記配向膜用組成物は、シンナモイル基を持つポリマーを含むことが好ましい。ここで、前記配向膜用組成物は、前記ポリマーに加えて、一つ以上の官能基を持つモノマー又はオリゴマーを含むことが好ましい。また、前記モノマー又はオリゴマーは、重合性の液晶材料であることが好ましい。さらに、前記配向性付与層中の前記重合性の液晶材料と、前記屈折率異方性層中の前記重合性の液晶材料とが、同一種類の材料であることが好ましい。
本発明は、その第2の解決手段として、光配向法により配向規制力を発現させることが可能な配向膜用組成物から形成された配向膜が配向性付与層として積層された透明基材を準備する工程と、前記透明基材の前記配向性付与層上に、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物を塗布する工程と、前記液晶性組成物のうち前記配向性付与層に隣接しない側の表面近傍の硬化速度を、前記配向性付与層に隣接する側の表面近傍の硬化速度に比べて遅延させながら、当該液晶性組成物を硬化させることにより、前記透明基材の前記配向性付与層上に、その硬化度が厚さ方向に関して所定の勾配を持って単調に変化している液晶層からなる屈折率異方性層を形成する工程とを含むことを特徴とする、光学素子の製造方法を提供する。
なお、上述した第2の解決手段においては、前記屈折率異方性層を形成する工程において、前記液晶性組成物のうち前記配向性付与層に隣接しない側のみを空気雰囲気に曝した状態で当該液晶性組成物に放射線を照射することが好ましい。ここで、前記放射線は紫外線であり、前記液晶性組成物は前記重合性の液晶材料とともに重合開始剤を含むことが好ましい。
本発明の第1の解決手段によれば、屈折率異方性層に配向性を付与する配向性付与層が、光配向法により配向規制力を発現させることが可能な配向膜用組成物から形成された配向膜からなり、かつ、屈折率異方性層が、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物を硬化させることにより形成された液晶層からなり、屈折率異方性層のうち配向性付与層に近い側に位置する部分の硬化度が、配向性付与層から遠い側に位置する部分の硬化度に比べて大きくなるよう、前記屈折率異方性層の硬化度が厚さ方向に関して所定の勾配を持って単調に変化しているので、配向性付与層と屈折率異方性層との間の密着性に優れ、また、各層の耐久性が優れたものとなる。このため、屈折率異方性層が剥がれるという問題を効果的に解消することができる。また、屈折率異方性層の平均硬化度が90%以上であるようにすれば、配向性付与層との間の密着性がより改善され、また、光学素子がロール巻きされる場合でも、透明基材の裏面に屈折率異方性層が張り付くことで起きるブロッキングの問題は生じない。このため、屈折率異方性層が剥がれたり、配向不良に起因してヘイズの上昇やムラの発現等が生じたりする問題をより効果的に解消することができる。
本発明の第2の解決手段によれば、透明基材の配向性付与層上に形成された、配向性が付与された液晶性組成物に対して、液晶性組成物のうち配向性付与層に隣接しない側のみを空気雰囲気に曝した状態で当該液晶性組成物に放射線を照射することにより、液晶性組成物のうち配向性付与層に隣接しない側の表面近傍の硬化速度を、配向性付与層に隣接する側の表面近傍の硬化速度に比べて遅延させながら、当該液晶性組成物を硬化させる。これにより、液晶性組成物において配向性付与層側の部分から空気界面側の部分に向かってじわじわとゆっくり硬化することとなり、配向性付与層側の部分から空気界面側の部分に近づくにつれて未硬化成分が多くなるような硬化勾配が生じる。このため、液晶性組成物中の重合性の液晶材料は、屈折率異方性層を形成する過程で、硬化収縮が極力抑えられた状態で硬化され、液晶性組成物の配向性付与層に対する密着性が維持されるとともに、液晶性組成物内で生じる内部応力が緩和されることとなる。これにより、最終的に製造される光学素子は、配向性付与層と屈折率異方性層との間の密着性に優れ、また、各層の耐久性が優れたものとなる。このため、屈折率異方性層が剥がれたり、配向不良に起因してヘイズの上昇やムラの発現等が生じたりする問題を効果的に解消することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
まず、図1及び図2により、本発明の一実施の形態に係る光学素子の構成について説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る光学素子10は、透明基材11と、透明基材11上に積層された配向性付与層12と、配向性付与層12上に積層された屈折率異方性層13とを備えている。
このうち、透明基材11は、配向性付与層12及び屈折率異方性層13を支持する支持体であり、ガラス又は透明樹脂フィルム等から形成されている。ここで、透明樹脂フィルムとしては、トリアセテートセルロース(TAC)やジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホンやポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、(メタ)アクロニトリル等の樹脂からなるフィルムを用いることができる。なお、このような透明樹脂フィルムとしては、複屈折性のないトリアセテートセルロース(TAC)からなるフィルムが好適に
用いられる。
なお、透明基材11は、その厚さが25μm〜1000μm程度であることが好ましい。また、透明基材11は、一定の長さを有する連続した長尺フィルムであってもよく、より具体的には、工業的に一般的に用いられる、ロール巻きされた形態で供給される連続フィルムであってもよい。このような長尺フィルムの長さは任意にとることができるが、ロール巻きされた形態であれば、例えば10000m程度の長尺とすることもできる。
配向性付与層12は、屈折率異方性層13に配向性を付与する配向規制力を有する配向膜であり、光配向法により配向規制力を発現させることが可能な配向膜用組成物から形成されている。なお、配向性付与層12は、その厚さが0.01μm〜0.5μm程度とすることが好ましい。ここで、光配向法とは、任意の偏光状態を持つ光(偏光光)を配向膜に照射することにより配向膜の表面に配向規制力(異方性)を発現させる方法である。
ここで、配向性付与層12を形成するための配向膜用組成物としては、ポリマーやカップリング剤等を用いることができる。具体的には、ポリマーの例としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイニミド共重合体、ポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール、ゼラチン、スチレン−ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリカーボネート等のポリマーが挙げられる。また、カップリング剤の例としては、シランカップリング剤等が挙げられる。
なお、このような配向膜用組成物から形成される配向性付与層12に配向規制力を発現させる光配向法には、上述したように、分子の形状のみを変化させて配向状態を可逆的に変化させる「光異性化」と、分子そのものを変化させる「光反応型」とがある。なお、後者の「光反応型」は、さらに、二量化、分解型、結合型及び分解−結合型等に分けられる。このうち、光配向法として一般的に用いられる「二量化」の手法を例に挙げると、この手法では、任意の偏光状態を持つ光(偏光光)が照射されることにより、配向膜の表面でその偏光方向に二量化反応等の化学反応が引き起こされ、配向規制力が発現される。なお、このような「二量化」によって配向規制力が発現されるポリマーの代表的なものとしては、ポリビニルシンナメート(PVCi)が挙げられる。このようなポリビニルシンナメート(PVCi)では、二量化反応によって、例えば偏光紫外線の照射によって偏光光と平行な2つの側鎖の2重結合部分が開き、互いに再結合する。このような「二量化」によって配向規制力が発現されるポリマーとしては、他にも、シンナモイル基やクマリン基、カルコン基を持つポリマーが好適に用いられる(例えば特開平7−138380号公報や特開平10−324690号公報参照)。
なお、上述したような配向膜用組成物には、以上のようなポリマーに加えて、一つ以上の官能基を持つモノマー又はオリゴマーが添加されていてもよい。このようなモノマー又はオリゴマーとしては、アクリレート系やシンナモイル系等の官能基を有する単官能モノマー(例えば、反応性エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン)及び多官能モノマー(例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリエチレン(ポリプロピレン)グリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸EO変性ジアクリレート)や、ビスフェノールフルオレン誘導体(例えば、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノールフルオレンジエポキシアクリレート)等を単体もしくは混合したものとして用いることができる。このようなモノマー又はオリゴマーを配向膜用組成物に添加すると、配向膜用組成物から形成される配向性付与層12の構造が強固な網目構造となるので、配向性付与層12自体の強度が向上する。また、配向性付与層12と屈折率異方性層13との界面近傍において、配向性付与層12中のモノマー又はオリゴマーが、配向性付与層12に隣接する屈折率異方性層13中の分子と架橋するので、配向性付与層12と屈折率異方性層13との間の密着性も向上する。
ここで、上述したモノマー又はオリゴマーの添加量は、配向性付与層12と屈折率異方性層13との間の密着性が十分に向上すれば、光学素子10の光学特性を損なわない範囲で任意に調整することができる。ただし、一般的には固形分(ポリマー)の重量に対して0.01重量%以上でかつ3重量%以下であることが好ましい。これは、0.01重量%以下では、配向性付与層12と屈折率異方性層13との間での密着性の向上の効果が十分に発現しないからである。逆に、3重量%以上では、配向性付与層12と屈折率異方性層13との間での密着性の向上の効果は十分であるが、屈折率異方性層13に十分な配向性を付与することができない可能性がある。すなわち、屈折率異方性層13は、後述するように、液晶分子の配向及びその配向状態の固定のプロセスを経て得られるが、上述したようなモノマー又はオリゴマーは液晶分子の配向時における配向阻害物質となるので、配向不良に起因したヘイズの上昇やムラの発現等を引き起こし、光学機能が損なわれてしまう可能性があるからである。
また、上述したモノマー又はオリゴマーは、重合性の液晶材料であることが好ましい。特に、このような重合性の液晶材料からなるモノマー又はオリゴマーは、屈折率異方性層13中の重合性の液晶材料と同一種類の材料であることが好ましい。これにより、配向性付与層12中のモノマー又はオリゴマーが、配向性付与層12に隣接する屈折率異方性層13中の分子とより架橋しやすくなり、配向性付与層12と屈折率異方性層13との間の密着性をさらに向上させることができる。
さらに、上述したモノマー又はオリゴマーは、透明基材11が長尺フィルムであり、透明基材11上に配向性付与層12が積層された時点でロール巻きされるような場合には、その種類及び添加量を適宜調整し、配向性付与層12が常温で固体に近いものとなるようにすることが好ましい。この場合、モノマー又はオリゴマーの種類としては、高分子量なものを用いることが好ましい。これにより、透明基材11上に配向性付与層12が積層された時点でロール巻きされる場合でも、透明基材11の裏面に配向性付与層12が張り付くことで起きるブロッキングの問題は生じない。
屈折率異方性層13は、位相差板や偏光板、ディスプレイ用カラーフィルター等としての機能を実現する光学機能層であり、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物を硬化(重合)させることにより形成された液晶層からなっている。なお、屈折率異方性層13は、図2に示すように、当該屈折率異方性層13のうち配向性付与層12に近い側に位置する部分の硬化度が、配向性付与層12から遠い側に位置する部分の硬化度に比べて大きくなるよう、当該屈折率異方性層13の硬化度が厚さ方向に関して所定の勾配を持って単調に変化している。ここで、図2中の「表面」は屈折率異方性層13と空気との界面を意味し、同図中の「裏面」は屈折率異方性層13と配向性付与層12との界面を意味する。
また、屈折率異方性層13の平均硬化度は90%以上であることが好ましい。ここで、「単調的な変化」とは、硬化度が厚さ方向に一定の傾向を持って増加または減少していることをいい、直線的な変化に限らず、二次曲線的な変化や指数曲線的な変化等の任意の変化を含む。また、厳密な意味での単調変化(単調増加または単調減少)に限らず、階段状の増加または減少をも含む。また、「平均硬化度」とは、屈折率異方性層13の厚さ方向全体における硬化度の平均値のことである。
なお、屈折率異方性層13の厚さは、所望の光学特性により決定される。
ここで、屈折率異方性層13を形成するための液晶性組成物は、下記のような重合性の液晶材料の他、液晶材料の配向や光学特性に影響を与えない範囲で任意の添加剤(例えば、重合開始剤や可塑剤、界面活性剤、シランカップリング剤)を含むことが好ましい。なお、このような添加剤の添加量は、液晶性組成物中の液晶材料等に応じて適宜調整されるものであるが、一般的には固形分(重合性の液晶材料)の重量に対して0.001重量%以上でかつ10重量%以下であることが好ましい。また、このような液晶性組成物は、配向性付与層12上にそのまま塗布することも可能であるが、粘性を塗布装置に合わせたり、良好な配向状態を得る目的で有機溶剤等の適当な溶媒に溶解させてもよい。
一方、このような液晶性組成物に含まれる重合性の液晶材料としては、ネマチック規則性を有するネマチック液晶化合物が好ましく用いられる。具体的には例えば、特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報、特開2003−287623号公報に記載されているような化合物を適宜用いることができ、より具体的には、下記の化学式(1)〜(10)に示すような化合物を用いることが好ましい。
Figure 2006209098
ただし、本実施の形態で用いられるネマチック液晶化合物としては、ネマチック液晶性を有し、かつ、末端に1個以上の官能基(例えば紫外線硬化性の重合基)を有する液晶化合物であれば、上述したような種類のものに限らず、適宜任意のものを用いることができる。また、上述したような種類のネマチック液晶化合物のうち適宜数種類の材料を混合して用いることもできる。
ここで、このようなネマチック液晶化合物を含む液晶性組成物は、後述するような方法で、配向性付与層12上に塗布され、紫外線等の照射により硬化(重合)される。このようにして最終的に形成される屈折率異方性層13は、図1に示すように、透明基材11に対してネマチック液晶分子が平行に配向した状態で固定された液晶層からなる他、図3に示す屈折率異方性層13Aのように、透明基材11に対してネマチック液晶分子が垂直に配向した状態で固定された液晶層からなっていてもよい。なお、図1に示す屈折率異方性層13の液晶構造はホモジニアス構造(平行配向構造)であり、この構造によりAプレートと称される光学機能層が得られる。これに対し、図3に示す屈折率異方性層13Aの液晶構造はホメオトロピック構造(垂直配向構造)であり、この構造によりポジティブ(+)Cプレートと称される光学機能層が得られる。
一方、液晶性組成物に含まれる重合性の液晶材料としては、上述したような重合性のネマチック液晶化合物と、カイラル剤とを混合したものを用いてもよい(特開2003−287623号公報参照)。なお、カイラル剤は、ネマチック液晶化合物が発現するネマチック規則性に螺旋構造を誘起させる目的で用いられるものであり、この目的が達成される限り、ネマチック液晶化合物との間で溶液状態あるいは溶融状態において相溶し、ネマチック液晶化合物の液晶性を損なうことなく、これに所望の螺旋構造を誘起できるものであれば、任意の種類のものを用いることができる。具体的には例えば、下記の一般式(11)、(12)又は(13)で表されるような、分子内に軸不斉を有する低分子化合物を用いることが好ましい。
Figure 2006209098
Figure 2006209098
Figure 2006209098
上記一般式(11)又は(12)において、R4は水素又はメチル基を示す。Yは上記に示す式(i)〜(xxiv)の任意の一つであるが、中でも、式(i)、(ii)、(iii)、(v)及び(vii)のいずれか一つであることが好ましい。また、アルキレン基の鎖長を示すc及びdは、それぞれ個別に2〜12の範囲で任意の整数をとり得るが、4〜10の範囲であることが好ましく、6〜9の範囲であることがさらに好ましい。c又はdの値が0又は1である上記一般式(11)又は(12)の化合物は、安定性に欠け、加水分解を受けやすく、結晶性も高い。一方、c又はdの値が13以上である化合物は融点(Tm)が低い。これらの化合物では、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料との間の相溶性が低下し、濃度によっては相分離などが起きるおそれがある。なお、このようなカイラル剤は、特に重合性を有する必要はない。しかしながら、カイラル剤が重合性を有している場合には、ネマチック規則性を示す重合性の液晶材料と重合され、コレステリック規則性が安定的に固定化されるので、熱安定性などの面では非常に好ましい。特に、分子の両末端に重合性の官能基があることが、耐熱性の良好な屈折率異方性層13を得る上で好ましい。
この場合には、配向性付与層12上に最終的に形成される屈折率異方性層は、図4に示す屈折率異方性層13Bのように、透明基材11に対してネマチック液晶分子がプラナー配向した螺旋構造の状態(コレステリック規則性を有する状態)で固定された液晶層からなっている。なお、この場合には、屈折率異方性層13Bの液晶構造はコレステリック構造となり、この構造によりネガティブ(−)Cプレートと称される光学機能層が得られる。
なお、配向性付与層12上に最終的に形成される屈折率異方性層は、図5に示す屈折率異方性層13Cのように、図1に示す屈折率異方性層13と、図4に示す屈折率異方性層13Bとを互いに積層したものでもよい。また、これ以外にも、図1、図3及び図4に示す液晶層13,13A,13Bのうちの同種又は異種の2層以上を互いに積層したものでよい。
また、透明基材11と配向性付与層12との間には、図6に示すように、透明基材11に含まれる可塑剤等の溶出をブロックするバリア層(中間層)14を設けるようにしてもよい。なお、バリア層14の材料としては、例えば、紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂、紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂、紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂又は紫外線硬化型エポキシ樹脂等を挙げることができる。紫外線硬化型アクリルウレタン系樹脂は一般に、ポリエステルポリオールにイソシアネートモノマーやプレポリマーを反応させて得られた生成物に、さらに2−ヒドロキシエチルアクリレートや2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂は一般に、ポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレートや2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させたものを挙げることができる。この光反応開始剤としては、ベンゾイン誘導体やオキシムケトン誘導体、ベンゾフェノン誘導体、チオキサントン誘導体等のうちから、1種もしくは2種以上を選択して用いることができる。また、紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。これらの樹脂は通常公知の光増感剤とともに用いられる。
ここで、バリア層14と配向性付与層12との間の密着性を向上させることを考慮するならば、上述したようにして、配向性付与層12を形成するための配向膜用組成物に一つ以上の官能基を持つモノマー又はオリゴマーを添加するとともに、バリア層14の材料としても、配向膜用組成物に添加されるモノマー又はオリゴマーと同一種類のモノマー又はオリゴマーを添加することが好ましい。これにより、上述した場合(配向性付与層12と屈折率異方性層13との間の密着性を向上させる場合)と同様に、バリア層14中のモノマー又はオリゴマーが、バリア層14に隣接する配向性付与層12中の分子と架橋することにより、バリア層14と配向性付与層12との間の密着性を向上させることができる。
なお、バリア層14の代わりに、透明基材11と配向性付与層12との間の密着性を向
上させる接着層等の中間層を設けるようにしてもよい。
次に、図7により、このような構成からなる光学素子10の製造方法について説明する。
まず、透明基材11として、例えば透明樹脂フィルムを準備し(図7(a))、次いで、この透明基材11の一方の表面上にバリア層14を形成する(図7(b))。
なお、透明基材11上に形成されるバリア層14の材料として、例えば紫外線硬化樹脂が用いられる場合であれば、バリア層用組成物が塗布された後に、紫外線等の照射により硬化(重合)される。
次に、透明基材11上に形成されたバリア層14上に、ポリマー及びカップリング剤を含む配向膜用組成物を塗布し、配向膜用組成物の塗膜12′を形成する(図7(c))。
このとき、配向膜用組成物は、有機溶剤に溶解させることで得られた配向膜用組成物溶液の形態で塗工される。なお、塗工方法としては、例えば、スピンコーティングや、バーコーティング、押し出しコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、リバースグラビアコーティング、ダイコーティング等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
その後、このようにしてバリア層14上に形成された配向膜用組成物の塗膜12′に対して熱Hを加えて加熱乾燥処理を施した後、任意の偏光状態を持つ紫外線L1を照射する。これにより、配向膜用組成物の塗膜12′の表面に配向規制力が発現され、配向膜としての配向性付与層12が形成される(図7(d))。
次に、このようにしてバリア層14上に形成された配向性付与層12上に、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物を塗布し、液晶性組成物の塗膜13′を形成する(図7(e))。このとき、液晶性組成物は、有機溶剤に溶解させることで得られた液晶性組成物溶液の形態で塗工される。なお、塗工方法としては、例えば、スピンコーティングや、バーコーティング、押し出しコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、リバースグラビアコーティング、ダイコーティング等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
その後、このようにして配向性付与層12上に形成された液晶性組成物の塗膜13′に対して加熱乾燥処理を施し、配向性付与層12の表面に発現された配向規制力により、液晶性組成物の塗膜13′中の液晶分子の配向方向を規制することにより、配向性が付与された液晶性組成物の塗膜13″を形成する(図7(f))。
そして、このようにして配向性が付与された液晶性組成物の塗膜13″に対して、エネルギー線として紫外線(放射線)L2を照射して、液晶性組成物の塗膜13″を硬化(重合)させ、液晶分子の配向状態を固定する。このとき、液晶性組成物の塗膜13″のうち配向性付与層12に隣接しない側のみを空気雰囲気に曝した状態で当該液晶性組成物の塗膜13″に紫外線L2を照射し、液晶性組成物の塗膜13″のうち配向性付与層12に隣接しない側の表面近傍の硬化速度を、配向性付与層12に隣接する側の表面近傍の硬化速度に比べて遅延させながら、当該液晶性組成物の塗膜13″を硬化させる。すなわち、液晶性組成物の塗膜13″の表面を空気雰囲気に曝した状態で紫外線L2を照射して硬化させると、液晶性組成物の塗膜13″のうち空気界面側の表面は酸素により(メタ)アクリロイル基を含むラジカル重合型化合物等が硬化阻害を受けることとなり、液晶性組成物の塗膜13″の空気界面側の表面近傍が硬化しにくくなる。このため、液晶性組成物の塗膜13″において配向性付与層12側の部分から空気界面側の部分に向かってじわじわとゆっくり硬化することとなり、配向性付与層12側の部分から空気界面側の部分に近づくにつれて未硬化成分が多くなるような硬化勾配が生じる。これにより、配向性付与層12上に、その硬化度が厚さ方向に関して所定の勾配を持って単調に変化している液晶層からなる屈折率異方性層13が形成される(図7(g))。なお、このようにして形成される屈折率異方性層13の硬化度は、配向性付与層12側の近傍で99%程度、空気界面側の近傍で85%程度であることが好ましい。なお、最終的に形成される屈折率異方性層13の平均硬化度は90%以上であることが好ましく、以上のようにして硬化勾配が生じるようなプロセスで屈折率異方性層13を形成した後、再度紫外線を照射して十分に硬化させるようにしてもよい。
なお、このような屈折率異方性層13の硬化状態は、反応性基の残存量を観測することにより求めることができる。また、屈折率異方性層13の硬化度の層内分布を観測するためには、当該層の断面を作製する必要がある。このため、具体的な測定方法においては、まず、屈折率異方性層13を斜め切削法によって切断する。なお、このようにして屈折率異方性層13を斜めに切断すると、それに得られる断面は、通常の断面と異なり、見かけの厚さが大きくなるので、以降の反応性基の残存量を観測する際に、空間分解能を高くすることができる。次に、このようにして屈折率異方性層13の断面が得られた後、反応性基の残存量を観測する。なお、反応性基の残存量を観測する代表的な方法としては、反応性基由来の分子振動を赤外線の吸収で観測する方法と、反応性基の構造に帰属する質量を測定する方法とがある。より具体的には、(1)顕微赤外分光光度計の反射測定法を用いて反応性基に帰属する炭素の二重結合(C=C)の伸縮振動の強度分布を測定する方法や、(2)飛行時間型2次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)を用いて反応性基に起因した質量数でのマッピングを行う方法、(3)X線光電子分光装置を用いて全炭素中の反応性基に起因した信号強度を測定する方法等が挙げられる。なお、このような構造解析手法を用いた測定方法に限らず、微小硬度計やナノインデンターを用いて、屈折率異方性層13の断面の表面硬度を測定する方法によっても、屈折率異方性層13の硬化状態を求めることができる。
なお、本発明においては上記硬化度を%として表すが、上記(1)、(2)および(3)の方法の測定値(信号強度)と硬化度%との関係は次のような基準で求めるものとする。すなわち、上記屈折率異方性層は、上述したように重合性の液晶材料を含む液晶性組成物を塗布することにより液晶性組成物の塗膜を成膜し、これに紫外線を照射することによって形成されるが、上記紫外線照射を行う前の段階の塗膜について上記(1)、(2)および(3)の測定を行った際の各測定値(信号強度)を硬化度0%とし、上記(1)、(2)および(3)における信号強度0を硬化度100%とした。
また、液晶性組成物の塗膜13″のうち配向性付与層12に隣接しない側を曝す雰囲気は空気雰囲気に限られるものではなく、液晶性組成物に含まれる重合性の液晶化合物の種類によっては、水を含む雰囲気に曝してもよい。すなわち、エポキシ基を含むカチオン重合型化合物等は水により硬化阻害を引き起こすので、このような液晶化合物を含む液晶性組成物であれば、上述した空気雰囲気の場合と同様に、配向性付与層12側の部分から雰囲気界面側の部分に近づくにつれて未硬化成分が多くなるような硬化勾配が生じる。
さらに、液晶性組成物の塗膜13″に照射される紫外線L2は、高照度で短時間だけ照射することが好ましく、例えば、100mWの照度で、2秒だけ照射することが好ましい。また、紫外線L2は、100nm〜450nmの範囲の波長を含んだ光であることが好ましく、より好ましくは、250〜400nmの範囲の波長を含んだ光であるとよい。この範囲の波長の光は、一般的な光源により容易に得ることが可能であり、一般的に市販されている重合開始剤を利用すれば、より容易にかつ効率的に紫外線硬化等の化学反応が得られるからである。
なお、屈折率異方性層13を形成するために液晶性組成物の塗膜13″に照射される放射線として紫外線L2を用いているが、このような放射線としては、上述した重合性の液晶材料を硬化させることができるものであれば任意のものを用いることができ、紫外線以外にも、電子線や、可視光線、赤外線(熱線)等を条件に応じて適宜用いることができる。ただし、プロセスの容易性等の観点からは紫外線であることが好ましい。
このように本実施の形態によれば、屈折率異方性層13に配向性を付与する配向性付与層11が、光配向法により配向規制力を発現させることが可能な配向膜用組成物から形成された配向膜からなり、かつ、屈折率異方性層13が、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物を硬化させることにより形成された液晶層からなり、屈折率異方性層13のうち配向性付与層12に近い側に位置する部分の硬化度が、配向性付与層12から遠い側に位置する部分の硬化度に比べて大きくなるよう、屈折率異方性層13の硬化度が厚さ方向に関して所定の勾配を持って単調に変化しているので、配向性付与層12と屈折率異方性層13との間の密着性に優れ、また、各層の耐久性が優れたものとなる。このため、屈折率異方性層13が剥がれるという問題を効果的に解消することができる。
特に、本実施の形態によれば、透明基材11の配向性付与層12上に形成された、配向性が付与された液晶性組成物の塗膜13″に対して、液晶性組成物の塗膜13″のうち配向性付与層12に隣接しない側のみを空気雰囲気に曝した状態で当該液晶性組成物の塗膜13″に紫外線L2を照射し、液晶性組成物の塗膜13″のうち配向性付与層12に隣接しない側の表面近傍の硬化速度を、配向性付与層12に隣接する側の表面近傍の硬化速度に比べて遅延させながら、当該液晶性組成物の塗膜13″を硬化させる。これにより、液晶性組成物の塗膜13″において配向性付与層12側の部分から空気界面側の部分に向かってじわじわとゆっくり硬化することとなり、配向性付与層12側の部分から空気界面側の部分に近づくにつれて未硬化成分が多くなるような硬化勾配が生じる。このため、液晶性組成物の塗膜13″中の重合性の液晶材料は、屈折率異方性層13を形成する過程で、硬化収縮が極力抑えられた状態で硬化され、液晶性組成物の塗膜13″の配向性付与層12に対する密着性が維持されるとともに、液晶性組成物の塗膜13″内で生じる内部応力が緩和されることとなる。これにより、最終的に製造される光学素子10は、配向性付与層12と屈折率異方性層13との間の密着性に優れ、また、各層の耐久性が優れたものとなる。このため、屈折率異方性層13が剥がれるという問題を効果的に解消することができる。
また、本実施の形態によれば、最終的に製造される光学素子10の屈折率異方性層13の平均硬化度が90%以上であるようにすれば、配向性付与層12との間の密着性がより改善され、また、光学素子10がロール巻きされる場合でも、透明基材11の裏面に屈折率異方性層13が張り付くことで起きるブロッキングの問題は生じない。このため、屈折率異方性層13が剥がれたり、配向不良に起因してヘイズの上昇やムラの発現等が生じたりする問題をより効果的に解消することができる。
次に、上述した実施の形態の具体的実施例について述べる。
(実施例1)
まず、シンナモイル基を持つポリマーを含有する配向膜用組成物(2.0重量部)にシクロヘキサノン(98重量部)を加えて溶解させ、配向膜用組成物溶液を得た。そして、この溶液を、透明基材としてのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム(厚さ80μm)上にワイヤーバーコーターにより塗工した後、80℃の温風で2分間乾燥し、厚さ0.1μmの塗膜を得た。この塗膜に偏光紫外線を10mJ/cmで照射し、表面に配向規制力が発現された配向膜を形成した。
次に、上記化学式(1)に示す重合性ネマチック液晶化合物を含む液晶性組成物をトルエン溶液に20質量%の比率で溶解させ、さらに、重合開始剤(イルガキュアー907(商品名)、チバスペシャルティケミカルズ社製)を添加し、液晶性組成物溶液を得た。そして、この溶液を、前記工程で作製された配向膜上にワイヤーバーコーターにより塗工し、乾燥させて、厚さ1μmの塗膜を得た。次いで、この塗膜を85℃で2分間加熱し、配向膜の表面に発現された配向規制力により塗膜中の液晶分子を配向させた。その後、高圧水銀灯を用いて空気雰囲気下で300mJの紫外線を照射して、塗膜を硬化させ、液晶分子の配向状態を固定した。これにより、配向膜上にネマチック液晶層が形成され、最終的に、実施例1に係る光学素子が製造された。
(実施例2)
まず、上記実施例1と同様の方法により、透明基材としてのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に配向膜を形成した。
次に、上記化学式(1)に示す重合性ネマチック液晶化合物を含む液晶性組成物をトルエン溶液に20質量%の比率で溶解させ、さらに、重合開始剤(イルガキュアー907(商品名)、チバスペシャルティケミカルズ社製)を添加し、液晶性組成物溶液を得た。そして、この溶液を、前記工程で作製された配向膜上にワイヤーバーコーターにより塗工し、乾燥させて、厚さ1μmの塗膜を得た。次いで、この塗膜を85℃で2分間加熱し、配向膜の表面に発現された配向規制力により塗膜中の液晶分子を配向させた。その後、高圧水銀灯を用いて空気雰囲気下で100mJの紫外線を照射して、塗膜を硬化させ、液晶分子の配向状態を固定した。これにより、配向膜上にネマチック液晶層が形成され、最終的に、実施例2に係る光学素子が製造された。
(比較例)
まず、上記実施例1と同様の方法により、透明基材としてのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に配向膜を形成した。
次に、上記化学式(1)に示す重合性ネマチック液晶化合物を含む液晶性組成物をトルエン溶液に20質量%の比率で溶解させ、さらに、重合開始剤(イルガキュアー907(商品名)、チバスペシャルティケミカルズ社製)を添加し、液晶性組成物溶液を得た。そして、この溶液を、前記工程で作製された配向膜上にワイヤーバーコーターにより塗工し、乾燥させて、厚さ1μmの塗膜を得た。次いで、この塗膜を85℃で2分間加熱し、配向膜の表面に発現された配向規制力により塗膜中の液晶分子を配向させた。その後、高圧水銀灯を用いて窒素雰囲気下で100mJの紫外線を照射して、塗膜を硬化させ、液晶分子の配向状態を固定した。これにより、配向膜上にネマチック液晶層が形成され、最終的に、比較例に係る光学素子が製造された。
(評価結果)
実施例1、実施例2および比較例に係る各光学素子に関し、ネマチック液晶層の硬化度を測定した。硬化度はネマチック液晶層を斜め切削法によって切断し、得られた断面について、顕微赤外分光光度計の反射測定法を用いて反応性基に帰属する炭素の二重結合(C=C)の伸縮振動の強度分布を測定することによって求めた。その結果を下記表1に示す。
下記表1に示すように、実施例1に係る光学素子では平均硬化度が98%で、かつ、硬化度に勾配があった。また、実施例2に係る光学素子では硬化度に勾配はあったが、平均硬化度は85%と実施例1よりも低かった。
一方、比較例1に係る光学素子では平均硬化度が98%ではあったが、硬化度に勾配がなかった。
また、実施例1、実施例2および比較例に係る各光学素子に関し、目視により液晶分子の配向性を評価した結果を下記表1に示す。下記表1から明らかなように、実施例1及び比較例に係る光学素子では、液晶分子の配向状態が均一であった。また、比較例に係る光学素子をロール状にして放置していたところ、ネマチック液晶層がTACフィルムの裏面に張り付いてブロッキングが生じ、また、液晶分子の配向状態も乱れていた。
さらに、実施例1、実施例2および比較例に係る各光学素子に関し、密着性を評価するための試験として、JIS5400に準拠して碁盤目テープ剥離試験を行った。具体的には、セロテープ(登録商標)(CT24、ニチバン(株)製)を用い、指の腹でフィルムに密着させた後に剥離した。判定は、100マスのうちで剥離しないマス目の数に基づいて行い、ネマチック液晶層が全く剥離しない場合を100/100、完全に剥離する場合を0/100とした。その結果を下記表1に示す。下記表1から明らかなように比較例に係る光学素子では、密着性が良好ではなかった。
Figure 2006209098
本発明の一実施の形態に係る光学素子の概略を示す断面図。 図1に示す光学素子の屈折率異方性層における硬化度の層内分布を示す概略図。 図1及び図2に示す光学素子の一変形例の概略を示す断面図。 図1及び図2に示す光学素子の他の変形例の概略を示す断面図。 図1及び図2に示す光学素子のさらに他の変形例の概略を示す断面図。 図1及び図2に示す光学素子のさらに他の変形例の概略を示す断面図。 本発明の一実施の形態に係る光学素子の製造方法を説明するための工程図。
符号の説明
10 光学素子
11 透明基材
12 配向性付与層
12′ 配向膜用組成物の塗膜
13,13A,13B,13C 屈折率異方性層
13′,13″ 液晶性組成物の塗膜
14 バリア層(中間層)
L1 紫外線(配向膜形成用の偏光光)
L2 紫外線(液晶層硬化用のエネルギー線)
H 熱

Claims (10)

  1. 透明基材と、
    前記透明基材上に積層された配向性付与層と、
    前記配向性付与層上に積層され、前記配向性付与層の配向規制力により配向性が付与された屈折率異方性層とを備え、
    前記配向性付与層は、光配向法により前記配向規制力を発現させることが可能な配向膜用組成物から形成された配向膜からなり、
    前記屈折率異方性層は、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物を硬化させることにより形成された液晶層からなり、前記屈折率異方性層のうち前記配向性付与層に近い側に位置する部分の硬化度が、前記配向性付与層から遠い側に位置する部分の硬化度に比べて大きくなるよう、前記屈折率異方性層の硬化度が厚さ方向に関して所定の勾配を持って単調に変化していることを特徴とする光学素子。
  2. 前記屈折率異方性層の平均硬化度が90%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記屈折率異方性層を形成するための前記液晶性組成物は、前記重合性の液晶材料として、ネマチック液晶化合物を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記配向性付与層を形成するための前記配向膜用組成物は、シンナモイル基を持つポリマーを含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
  5. 前記配向膜用組成物は、前記ポリマーに加えて、一つ以上の官能基を持つモノマー又はオリゴマーを含むことを特徴とする、請求項4に記載の光学素子。
  6. 前記モノマー又はオリゴマーは、重合性の液晶材料であることを特徴とする、請求項5に記載の光学素子。
  7. 前記配向性付与層中の前記重合性の液晶材料と、前記屈折率異方性層中の前記重合性の液晶材料とが、同一種類の材料であることを特徴とする、請求項6に記載の光学素子。
  8. 光配向法により配向規制力を発現させることが可能な配向膜用組成物から形成された配向膜が配向性付与層として積層された透明基材を準備する工程と、
    前記透明基材の前記配向性付与層上に、重合性の液晶材料を含む液晶性組成物を塗布する工程と、
    前記液晶性組成物のうち前記配向性付与層に隣接しない側の表面近傍の硬化速度を、前記配向性付与層に隣接する側の表面近傍の硬化速度に比べて遅延させながら、当該液晶性組成物を硬化させることにより、前記透明基材の前記配向性付与層上に、その硬化度が厚さ方向に関して所定の勾配を持って単調に変化している液晶層からなる屈折率異方性層を形成する工程とを含むことを特徴とする、光学素子の製造方法。
  9. 前記屈折率異方性層を形成する工程において、前記液晶性組成物のうち前記配向性付与層に隣接しない側のみを空気雰囲気に曝した状態で当該液晶性組成物に放射線を照射することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 前記放射線は紫外線であり、前記液晶性組成物は前記重合性の液晶材料とともに重合開始剤を含むことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
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