JP2007086673A - 光学素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光照射により配向規制力を発現させることが可能な光配向膜と、液晶性化合物を含んでなる光学機能層を備えた光学素子であって、光配向膜と光学機能層との間の密着性を高めるとともに各層の耐久性を向上させることができる光学素子を提供する。
【解決手段】
少なくとも支持体、光配向膜、及び光学機能層を含む光学素子であって、該光配向膜は、光二量化可能な基を有する化合物を含む光配向膜形成用組成物を用いて形成されたものであり、該光学機能層は、光学機能層形成用組成物を用いて形成されたものであり、該光学機能層形成用組成物は、1種類以上の化合物を含み、何れかの化合物において光二量化可能な基、エチレン性不飽和結合、及び液晶性の何れか1種類以上を有し、且つ、組成物全体として、光二量化可能な基、エチレン性不飽和結合及び液晶性を有する光学素子である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、位相差板や偏光板、ディスプレイ用カラーフィルター等の光学素子に関し、とりわけ、光照射により配向規制力を発現させることが可能な配向膜と、液晶性化合物を含んでなる光学機能層を備えた光学素子に関する。
一般に、液晶は、分子配列の可逆的運動性を利用して、TN(twisted nematic)型やSTN(super twisted nematic)型に代表されるディスプレイ素子等の媒体として用いられる他、その配向性と屈折率異方性とを利用して、位相差板や偏光板、ディスプレイ用カラーフィルター等の光学素子としても用いられている。
ここで、後者の用途に関しては、近年、重合性の液晶材料からなる液晶層を屈折率異方性層として備えた光学素子が数多く提案されている。具体的に例えれば、特許文献1には、特殊な重合性の液晶化合物を用いて作製される、波長選択反射性及び偏光選択反射性の機能を持つ光学素子が示されている。また、特許文献2には、棒状構造を持つ重合性の液晶化合物を用いて作製される複屈折板が示されている。さらに、特許文献3には、円盤状構造を持つ重合性の液晶化合物を用いて作製される光学補償シートが示されている。
ところで、このような光学素子としては、プラスチックフィルム等を支持体とし、その支持体上に配向膜を介して重合性の液晶材料からなる配向性と屈折率異方性を有する光学機能層を積層するものが一般的に用いられている。
ここで、支持体と光学機能層との間に設けられる配向膜は、屈折率異方性を有する光学機能層中の液晶分子の配向方向を規制する配向規制力を有するものである。このような配向膜は、例えば、配向性のあるポリイミドやポリビニルアルコール等のポリマーの層を支持体上に形成した後、当該ポリマーの層に対してラビング処理等の配向処理を施すことにより形成することができる。なお、配向処理としてラビング処理を施す場合には、配向膜の表面に静電気や埃が発生してしまう問題があるので、ラビング処理を施すことなく配向膜に配向規制力を発現させる手法も研究されている。その一つが、光を照射することにより配向膜の表面に配向規制力(異方性)を生成する光配向法である。光配向法に用いられる配向膜は光配向膜と呼ばれている。光配向法はラビング処理と比べて、光学機能層中の液晶のダイレクタ方向を容易に制御できるという利点もある。
なお、このような光配向法には、分子の形状のみを変形させて配向状態を可逆的に変化させる「光異性化」と、分子そのものを変化させる「光反応型」とがある。なお、後者の「光反応型」は、さらに、二量化型、分解型、結合型、及び分解−結合型等に分けられる。
上記において説明したような支持体、光配向膜及び光学機能層からなる光学素子においては、光学素子の各層の光学特性が良好であることはもちろん重要であるが、各層間の密着性や各層の耐久性が良好であることも重要である。後者の問題に関しては、例えば、光学素子を構成する光配向膜と光学機能層との間の密着性が悪いと、光学機能層が光配向膜から剥がれやすくなるという問題がある。
このような問題を解消するために、従来においては次のような手法が提案されている。特許文献4では、支持体と光配向膜の間に2Gpa未満の押し込み弾性率を示す層を配置することにより応力クラックをなくし、光学機能層の密着性を改善する手法が提案されているが、この手法は、光配向膜と光学機能層を直接密着させるものではなく、実用的には不十分である。
特表2002−533742号公報 特開平5−215921号公報 特開平8−338913号公報 特開2004−139084号公報
そこで本発明は、前記した従来技術の問題点を解決し、光照射により配向規制力を発現させることが可能な光配向膜と、液晶性化合物を含んでなる光学機能層を備えた光学素子であって、光配向膜と光学機能層との間の密着性を高めるとともに各層の耐久性を向上させることができる光学素子を提供することを目的とする。
前記した課題を解決するために本発明の光学素子は、少なくとも支持体、光配向膜、及び光学機能層を含む光学素子であって、該光配向膜は、光二量化可能な基を有する化合物を含む光配向膜形成用組成物を用いて形成されたものであり、該光学機能層は、光学機能層形成用組成物を用いて形成されたものであり、該光学機能層形成用組成物は、1種類以上の化合物を含み、何れかの化合物において光二量化可能な基、エチレン性不飽和結合、及び液晶性の何れか1種類以上を有し、且つ、組成物全体として、光二量化可能な基、エチレン性不飽和結合及び液晶性を有することを特徴とする。
本発明によれば、光配向膜形成用組成物と光学機能層形成用組成物が共に、光二量化可能な基を有する化合物を含んでいるため光配向膜と光学機能層の親和性が高く、光配向膜と光学機能層の界面における密着性を向上させることができる。
図1に、本発明の光学素子の基本的な層構成の1例を示す。図1において、1は支持体、2は支持体1上に形成された光配向膜、3は光配向膜2上に形成された光学機能層である。図2に、本発明の光学素子の基本的な層構成のさらに別の1例を示す。図2の光学素子は、図1の光学素子において、支持体1と光配向膜2との間に、バリヤ層4を設けたものである。これらの層構成の光学素子には、位相差板、偏光素子、ディスプレイ用カラーフィルターが挙げられる。
本発明の光学素子において、光配向膜に使用される光配向膜形成用組成物と、光学機能層に使用される光学機能層形成用組成物は、各組成物の種類によって、次の組み合わせが挙げられる。
(1)光配向膜形成用組成物に、光二量化可能な基を有する化合物が含まれ、一方、光学機能層形成用組成物に、一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する液晶性化合物が含まれる。
(2)光配向膜形成用組成物に、光二量化可能な基を有する化合物が含まれ、一方、光学機能層形成用組成物に、一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する化合物、及び、エチレン性不飽和結合を複数有する液晶性化合物が含まれる。
(3)光配向膜形成用組成物に、光二量化可能な基を有する化合物が含まれ、一方、光学機能層形成用組成物に、一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する液晶性化合物、及び、エチレン性不飽和結合を複数有する液晶性化合物が含まれる。
〈光学機能層〉
本発明の光学素子における光学機能層に使用される光学機能層形成用組成物には次の種類が挙げられる。
(1)一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する液晶性化合物を含む光学機能層形成用組成物。
(2)一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する化合物、及び、エチレン性不飽和結合を複数有する液晶性化合物を含む光学機能層形成用組成物。
(3)一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する液晶性化合物、及び、エチレン性不飽和結合を複数有する液晶性化合物を含む光学機能層形成用組成物。
光二量化可能な基としては、シンナメート、クマリン、カルコン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、ウラシル、キノリノン、チミン、マレインイミド、シンナミリデン酢酸、及びその誘導体などが挙げられる。
エチレン性不飽和結合を有する化合物には、アクリレート類、メタクリレート類、ビニルオキシ類、ビニルエステル類、スチレン類、フマル酸エステル類、マイレン酸エステル類等が挙げられる。
本発明に用いられる光学機能層形成用組成物に含まれる液晶性化合物は、ネマチック規則性、スメクチック規則性、又はコレステリック規則性を有していればよく、光学機能層に含まれる液晶として重合性低分子液晶又は高分子液晶のどちらでもよい。本発明に使用される液晶性化合物においては棒状構造及びディスコティック構造を有する液晶分子が好ましい。
エチレン性不飽和結合を有する液晶性化合物には、アクリレート基、メタクリレート基、ビニルオキシ基を有する液晶性化合物があり、例えば、特開2000−98133号公報、特開2002−69450号公報に記載の液晶性化合物が好適に使用できる。
アクリレート基、メタクリレート基、ビニルオキシ基を有する液晶性化合物の一例としては、例えば、下記一般式(1)〜(7)のものが挙げられる。
一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、例えば、アクリレート基、メタクリレート基を有する化合物として、下記の一般式(8)〜(9)で表される化合物が挙げられる。
(R1 は水素、又はメチル基を示し、lは0又は1を示す。
Zは、下記の一般式(10)で表される化合物である。
m、uは1/12の整数であり、rは0〜12の整数である。n、p、q、tは0又は1である。Lはnone、−COO−、−OCO−、−N=N−又は−C=C−を示す。R3 〜R7 は水素、
、−O(CH2)v −O−W、又は−O−CO−Wであり、少なくともR3 〜R7 のうち一つは−O(CH2)v −O−W、又は−O−CO−Wである。vは1〜12の整数である。Wは、下記の各式で表される構造から選ばれる。
8 〜R18は水素、ハロゲン、CN基、アルキル基、又はメトキシ基などのアルキルオキシ基、又はそれらをフッ化した基を示し、R19、R20はメチル基、エチル基などのアルキル基、又はそれらをフッ化した基を示す。)
式(8)、(9)で表される一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する化合物のうち、液晶性化合物としては、例えば、4’−シンナモイル−4−ビフェニリロキシエチルアクリレート、4’−シンナモイル−4−ビフェニリロキシヘキシルアクリレート、7−〔4−(6−(メタクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ)ベンゾイルオキシ〕クマリン、4−メトキシ−フェニル 4−〔6−(2−メタクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ〕ベンゾエート、(E)−5−〔4−(2−メトキシカルボニルビニル)ベンゾイルオキシ〕−2−(4−プロピルベンゾイルオキシ)安息香酸11−(2−メタクリロイルオキシ)ウンデシルエステルなどが挙げられる。
光学機能層形成用組成物中の液晶性化合物と非液晶性化合物との質量比は、60/40以上100/0以内であることが好ましい。液晶性化合物と非液晶性化合物の質量比が60/40未満であると液晶性化合物の配向が乱れ、ヘイズが高くなる。
本発明に用いられる光学機能層形成用組成物には、上記成分の他に溶剤、光重合開始剤、さらに、界面活性剤、レベリング剤、重合禁止剤等の添加剤を用いることができる。
光重合開始剤:
本発明に係る光学機能層形成用組成物は光重合開始剤を含む。光重合開始剤は、液晶性化合物、非液晶性化合物の重合性基の種類及び量に合わせて、光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤等の中から適宜選択して用いる。
光ラジカル重合開始剤としては、ベンジル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、ベンジルメチルケタール、ジメチルアミノメチルベンゾエート、2−n−ブトキシエチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3,3’−ジメチル4−メトキシベンゾフェノン、メチロベンゾイルフォーメート、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、1−クロロ−4−プロキシチオキサントン等を挙げることができる。なお、光重合開始剤のほかに、増感剤を本発明の目的が損なわない範囲で添加することもできる。
光カチオン重合開始剤としては、スルホン酸エステル、イミドスルホネート、ジアルキル−4−ヒドロキシスルホニウム塩、アリールスルホン酸−p−ニトロベンジルエステル、シラノール−アルミニウム錯体、(η6 −ベンゼン)(η5 −シクロペンタジエニル)鉄(II)等が例示され、さらに具体的には、ベンゾイントシレート、2,5−ジニトロベンジルトシレート、N−トシフタル酸イミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
光ラジカル重合開始剤としても、光カチオン重合開始剤としても用いられるものとしては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、トリアジン化合物、鉄アレーン錯体等が例示され、更に具体的には、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム等のヨードニウムのクロリド、ブロミド、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム、4−tert−ブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム等のスルホニウムのクロリド、ブロミド、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩等のスルホニウム塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等の2,4,6−置換−1,3,5トリアジン化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このような光重合開始剤の添加量としては、光学機能層形成用組成物中の光重合性成分に対して、一般的には0.01〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは、0.5〜5質量%の範囲で添加することができる。
溶剤:
光学機能層形成用組成物に用いられる溶剤としては、上記液晶性化合物が溶解し、且つ光配向膜の配向性を阻害しなければ特に限定されるものではない。具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;ベンゼン、ヘキサン等の炭化水素類;テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;クロロホルム、ジクロロメタン等のアルキルハライド類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグライム類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;等が挙げられる。
〈光配向膜〉
本発明における光配向膜は、光二量化反応を用いた光配向法により配向規制力を発現させることが可能な配向膜である。本発明の光学素子における光配向膜を形成するのに使用される光配向膜形成用組成物は、基材上或いは基材上に形成されたバリヤ層上に塗布し、光を照射することにより光二量化反応を起こさせて、硬化することにより、配向規制力が生じる。
本発明における光配向膜は、光二量化可能な基を有する化合物を含む光配向膜形成用組成物を用いて形成するものである。
光二量化化合物としては、桂皮酸誘導体、クマリン、カルコン、ベンジリデンフタルイミジン、ベンジリデンアセトフェノン、ジフェニルアセチレン、スチルバゾール、スチリルピリジニウム、ウラシル、キノリノン、マレインイミド又はシンナミリデン酢酸誘導体等を有する化合物を挙げることができ、光二量化可能な基を有するポリマーが好ましい。特に桂皮酸誘導体、クマリン、又はカルコンを側鎖に有する(メタ)アクリル系ポリマー又はマレイミド系ポリマーが好ましく用いられる(例えば、特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報参照)。
本発明で好ましく用いられるポリマー中の光二量化可能な基を含むユニットの例を下記の各式に示す。
(Zは前記一般式(10)で表される化合物である。)
〈支持体〉
支持体の種類は目的とする光学素子の用途に応じて決定されるが、一般的には透明ポリマーフィルム、透明ガラス板等が用いられる。透明とは透過率が80%以上であることを意味する。透明ポリマーフィルムとして一般的には光学的に等方性のポリマーフィルムが用いられ、例としてはトリアセチルセルロースなどのセルロースフィルム、シクロオレフィン系ポリマー、ノルボルネン系ポリマーからなるフィルムが挙げられる。
液晶表示モードの種類によっては、透明支持体としては光学異方性のポリマーフィルムが用いられる場合もある。光学異方性のポリマーフィルムとしてはポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリ(メタ)アクリレート、シクロオレフィン系ポリマー、ノルボルネン系ポリマー、セルロースエステル等が用いられる。光学異方性のポリマーフィルムは延伸処理により得ることが一般的である。光学異方性のセルロースエステルフィルムはレタデーション上昇剤の使用、セルロースアセテートの酸化度の低下、冷却溶解法によるフィルムの製造により得られる。
支持体の厚さは20μm〜500μmであることが好ましい。
支持体と配向膜との密着性を改善するため、支持体に表面処理(例、グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線処理、火炎処理)を実施してもよく、後述するバリヤ層を形成してもよい。
〈バリヤ層〉
バリヤ層は支持体がプラスチックである場合に、支持体に含まれている可塑剤等の物質が光配向膜に侵入して配向性能を乱すのを防ぐために、支持体からの物質の侵入をブロックするためのものである。バリヤ層としては、支持体からの物質の侵入をブロックする点で、紫外線及び/又は電子線硬化性樹脂からなるバリヤ層形成樹脂組成物が紫外線又は電子線照射により硬化された層であることが好ましい。
紫外線又は電子線硬化性樹脂からなるバリヤ層形成用樹脂組成物は、重合可能なビニル基、アリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、イソプロペニル基、エポキシ基、オキセタン基等の重合性基を二つ以上有するもので、紫外線又は電子線に照射により架橋構造または網目構造を形成するものが好ましい。
これら活性基のうちアクリロイル基、メタクリロイル基またはエポキシ基が重合速度、反応性の面から好ましく多官能モノマーまたはオリゴマーが好ましい。例として、紫外線硬化型のポリオールアクリレート類、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類、ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は通常公知の光重合開始剤とともに使用される。塗布乾燥後に揮発する溶媒成分を除いた紫外線及び/又は電子線硬化性樹脂組成物に含まれる光重合開始剤または光増感剤は該組成物の0.5〜5質量%であることが特に好ましい。
中でも、光配向膜との密着性の点で、紫外線硬化型のポリオールアクリレートが特に好ましい。ポリオールアクリレートの具体例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン(トリ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの等を挙げることができる。
紫外線及び/又は電子線硬化性樹脂が紫外線又は電子線照射により硬化された層の硬化後の膜厚は、0.05μm以上30μm以下が適当で、好ましくは、0.1〜15μmである。乾燥膜厚が厚すぎると光学素子がフィルム上であるときにカールしてしまうことがある。
支持体が未処理のトリアセチルセルロースの場合には、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、または1,6−ヘキサンジオールジアクリレートを少なくとも含む紫外線及び/又は電子線硬化樹脂であることが支持体との密着性の点で好ましい。
〈光学素子の製造方法〉
本発明の光学素子の好ましい製造方法の例を次に説明する。必要な場合に、支持体上にバリヤ層形成用樹脂組成物を塗布し、紫外線又は電子線に照射により架橋構造または網目構造を形成して硬化させる。次に、光配向膜形成用樹脂組成物を塗布して乾燥させ、紫外線、特に、偏光紫外線を照射することにより配向規制力を生じさせた光配向膜を形成する。次いで、光学機能層形成用樹脂組成物を塗布、乾燥し、液晶相形成温度迄加熱した後、紫外線照射又は加熱による重合を行わせて、光配向膜の配向規制力により、液晶分子が配向した光学機能層を形成する。
〔実施例1〕
(バリヤ層の作製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PET−30:商品名、日本化薬社製)40質量部、光重合開始剤イルガキュア184(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)2質量部、メチルエチルケトン29質量部、トルエン58質量部からなる溶液を、トリアセチルセルロースフィルム(FT−T80UZ:商品名、富士写真フィルム社製)上にバーコートし、80℃で3分間乾燥後、UV照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源:Hバルブ)を用いて窒素雰囲気下30mJ/cm2 の紫外線を照射して膜厚1μmのバリヤ層を作製した。
(配向膜の作製)
ポリ〔1−〔2−〔4−〔(E)−2−メトキシカルボニルビニル〕フェノキシ〕エトキシカルボニル〕−1−メチルエチレン〕をシクロペンタノンに溶解し、固形分2%溶液とし、この溶液を前記工程で作製したバリヤ層上にワイヤーバーにて塗工後80℃の温風で2分間加熱乾燥し、乾燥質量0.07g/m2 の膜を得た。そのサンプルに対し、310nmの直線偏光の紫外線を10mJ/cm2 照射した。
(光学機能層の形成)
下記の式(11)に示される重合性液晶性化合物7質量部、下記の式(12)に示される一分子中に光二量化可能な基とアクリロイル基を有する化合物A3質量部、イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.5質量部をメチルエチルケトン/トルエン=1/3混合溶剤に溶解し、固形分10%溶液として、光学機能層作製用溶液を得た。この溶液を前記工程で作製した光配向膜上にワイヤーバーにて塗工し、50℃で1分加熱、さらに95℃で2分間加熱して液晶を配向させた後、UV照射装置(フュージョンUVシステムズジャパン(株)製、光源:Hバルブ)を用いて窒素雰囲気下300mJ/cm2 の紫外線を照射して塗膜を硬化させた。これにより、配向膜上にネマチック液晶層が形成され、最終的に、本実施例1に係る光学素子が製造された。
(密着性の評価)
JIS−K−5400に準拠した碁盤目試験を行った。具体的にはネマチック液晶層塗布面上に1mm間隔で縦、横に11本の切れ目をいれ、1mm角の碁盤目を100個つくった。この上にセロハンテープを貼り付け、90度の角度で素早く剥がした。剥がれずに残った碁盤目は80個であり、密着性が優れていた。
(ヘイズの評価)
本光学素子はディスプレイに使用するため、ヘイズ値が低いことが要求される。ヘイズ値は、液晶層の配向性が悪い場合に高くなる傾向がある。濁度計NDH2000(商品名、日本電色工業(株)製)にてヘイズ値を測定したところ、ヘイズ値0.4%と良好であった。
〔実施例2〕
前記式(11)に示される重合性液晶性化合物5質量部、前記式(12)に示される一分子中に光二量化可能な基とアクリロイル基を有する化合物A5質量部、イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.5質量部をメチルエチルケトン/トルエン=1/3混合溶剤に溶解し、固形分10%溶液を光学機能層作製用溶液とすること以外は前記実施例1と同様にして光学素子を作製し、密着性・ヘイズを評価した。剥がれずに残った碁盤目は95個と密着性は良好であったが、ヘイズ値は2%と高かった。
〔実施例3〕
前記式(11)に示される重合性液晶性化合物7質量部、下記の式(13)に示される一分子中に光二量化可能な基とアクリロイル基を有する化合物B3質量部、イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.5質量部をメチルエチルケトン/トルエン=1/3混合溶剤に溶解し、固形分10%溶液を光学機能層作製用溶液とすること以外は前記実施例1と同様にして光学素子を作製し、密着性・ヘイズを評価した。剥がれずに残った碁盤目は80個と密着性は良好であり、ヘイズ値も0.4%と良好であった。
〔比較例1〕
前記式(11)に示される重合性液晶性化合物10質量部、イルガキュア907(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社製)0.5質量部をメチルエチルケトン/トルエン=1/3混合溶剤に溶解し、固形分10%溶液を光学機能層作製用溶液とすること以外は前記実施例1と同様にして光学素子を作製し、密着性・ヘイズを評価した。剥がれずに残った碁盤目は0個であり密着性が悪かった。ヘイズ値は0.3%と良好であった。
本発明の光学素子は、光配向膜と光学機能層との密着性に優れるため、耐久性に優れる。本発明の光学素子は、例えば、位相差板、偏光子、ディスプレイ用のカラーフィルター等に有用である。
本発明の光学素子の基本的な層構成の1例を示す図である。 本発明の光学素子の基本的な層構成のさらに別の1例を示す図である。
符号の説明
1 支持体
2 光配向膜
3 光学機能層
4 バリヤ層

Claims (5)

  1. 少なくとも支持体、光配向膜、及び光学機能層を含む光学素子であって、
    該光配向膜は、光二量化可能な基を有する化合物を含む光配向膜形成用組成物を用いて形成されたものであり、
    該光学機能層は、光学機能層形成用組成物を用いて形成されたものであり、該光学機能層形成用組成物は、1種類以上の化合物を含み、何れかの化合物において光二量化可能な基、エチレン性不飽和結合、及び液晶性の何れか1種類以上を有し、且つ、組成物全体として、光二量化可能な基、エチレン性不飽和結合及び液晶性を有することを特徴とする光学素子。
  2. 前記光学機能層形成用組成物が、一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する液晶性化合物を含む請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記光学機能層形成用組成物が、一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する化合物、及び、エチレン性不飽和結合を複数有する液晶性化合物を含む請求項1に記載の光学素子。
  4. 前記一分子中に光二量化可能な基とエチレン性不飽和結合を有する化合物がさらに液晶性である請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記支持体と光配向膜の間にバリヤ層を含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載の光学素子。
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