JP3651614B2 - 光学異方体の製造方法及びそれに用いる配向膜形成材料 - Google Patents

光学異方体の製造方法及びそれに用いる配向膜形成材料 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光学異方体の製造方法及びそれに用いる配向膜形成材料に関し、更に詳しくは、重合性液晶組成物を重合して成る光学異方体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、液晶ディスプレイ素子の表示品位の向上と軽量化の両立に対する要求から、補償板として内部の分子の配向構造が制御された高分子フィルムが求められている。これに応える技術として、液晶性高分子を用いる方法(特開平3−28822号公報、特開平4−3022号公報、特開平4−55813号公報、特開平5−27235号公報、特開平5−61039号公報に記載)や、2官能液晶性アクリレート化合物又は組成物を用いる方法(特開平3−14029号公報に記載)が知られているが、これらの技術はフィルム内部の分子の配向構造の均一性や、フィルムの耐熱性に問題があった。この問題を解決するために本発明者等は、室温において液晶性を有する重合性液晶組成物とこの組成物を光重合して得られる内部の配向構造が制御された高分子フィルム(光学異方体)を先に提案した。
【0003】
しかしながら、該発明では2枚の基板間に挟持された重合性液晶組成物を光重合させた後に、少なくとも1枚の基板を光学異方体から剥離して光学異方体を製造しており、この際に基板の剥離性が悪く、歩留まりの低下をきたすという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、2枚の基板間に挟持された重合性液晶組成物を光重合させた後に、少なくとも1枚の基板を剥離することによって得られる光学異方体の製造方法において、基板の剥離性の悪さを解消し、光学異方体製造の歩留まりの向上を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決ために鋭意検討した結果、かかる課題が基板上に形成する配向膜に起因するものであって、特にこの配向膜に光学異方体に対する良好な剥離性を付与することによって解決できることを見いだした。
【0006】
即ち、本発明は、(1)第1の基板上に、ポリビニルアルコール及び一般式(I)
【0007】
【化5】
Figure 0003651614
【0008】
(式中、Rは炭素原子数6〜16の2価の有機基を表わす。)で表わされるジヒドロキシ化合物からなる配向層を形成する第1工程、
(2)第2の基板上に配向処理を施す第2工程、
(3)第1の基板の配向層と、第2の基板の配向処理を施した面を対向させて配置した後、これらの基板間に重合性液晶組成物を介在させる第3工程、
(4)光を照射することによって前記重合性液晶組成物を重合させる第4工程、及び
(5)第1の基板を剥離する第5工程
を有することを特徴とする光学異方体の製造方法を提供する。
【0009】
また、これに伴い、本発明の製造方法で使用する、ポリビニルアルコール及び一般式(I)
【0010】
【化6】
Figure 0003651614
【0011】
(式中、Rは炭素原子数6〜16の2価の有機基を表わす)のジヒドロキシ化合物からなる配向膜形成用組成物を提供する。
従来、ポリビニルアルコールは液晶の配向膜として用いられてきたが、本発明の配向膜形成用組成物は、一般式(I)で表わされるジヒドロキシ化合物を含有することを特徴とし、この特徴により、光学異方体に対する良好な剥離性が付与されている。
【0012】
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明の配向膜形成用組成物は、溶媒に溶解させた後、ガラス基板又はプラスチック基板に塗布し、溶媒を乾燥することにより薄膜を基板上に形成せしめ、次いで形成された薄膜にラビング処理を施すことによって、基板に対して液晶の水平な配向を与える配向膜として使用することができる。この配向膜は、均一で安定な配向を与え、且つ光学異方体に対し良好な剥離性が得られるという特徴を有する。良好な剥離性が得られる理由は明かではないが、一般式(I)のジヒドロキシ化合物のガラス基板やプラスチック基板に対する密着性が非常に小さいためであると考えられる。
【0013】
この配向膜形成用組成物に用いるポリビニルアルコールは、液晶の安定な配向を得るため室温において固体であれば、その重合度に関係なく好適に用いることができるが、その重合度は500以上が好ましい。
【0014】
また、配向膜形成用組成物に用いる一般式(I)で表わされるジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,10−デカンジオール、1,2−ドデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,2−テトラデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,2−ヘキサデカンジオール、1,16−ヘキサデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールを挙げることができる。これらの一般式(I)で表わされるジヒドロキシ化合物は、単独又は複数の化合物を組み合わせて用いることができる。
【0015】
また、配向膜形成用組成物中のポリビニルアルコールの割合は、30〜95重量%の範囲にあることが好ましい。これより小さいと一般式(I)のジヒドロキシ化合物の結晶が析出して良好な配向が得られず、またこれより大きいと良好な剥離性が得られなくなる傾向がある。
【0016】
次に、この配向膜形成用組成物を溶媒に溶解させた後、第1の基板に塗布し、溶媒を乾燥させた後、基板上の膜にラビング処理を施して配向膜を得る方法について詳しく説明する。
【0017】
配向膜形成用組成物を溶解させるための溶媒としては、一般にこの技術分野で極性溶媒として認識されるものであれば、特に制限なく用いることができるが、乾燥の容易さから、水、メタノール、エタノール、又はこれらの混合溶媒が特に好ましい。また配向膜形成用組成物をこれらの溶媒に溶解させた溶液の濃度は、1〜20重量%の範囲が好ましい。このような配向膜形成用組成物の溶液は、ガラス基板やプラスチック基板にロールコーター法、スピンコーター法、印刷法などの方法によって塗布することができる。塗布した後の溶媒の乾燥方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥等の方法を単独又は組み合わせて用いることができる。どのような乾燥方法を用いたとしても、乾燥後は配向膜形成用組成物から成る膜を、80〜150℃の温度でに加熱することが好ましい。この加熱によって一般式(I)のジヒドロキシ化合物がポリビニルアルコールの高分子鎖中に均一に分散し、ジヒドロキシ化合物が析出することのない均一な膜を得ることができる。加熱後は室温に冷却した後、形成された膜をレーヨン布やナイロン布等でラビング処理することにより、均一な配向を与え、且つ光学異方体に対する剥離性の良い配向膜を得ることができる。
【0018】
次に、この配向膜形成用組成物を用いることを特徴とする光学異方体の製造方法を更に詳細に説明する。
本発明の製造方法で用いる2枚の基板のうち第1の基板のみに、前記配向膜形成用組成物からなる配向膜が形成されている場合は、対向する第2の基板としては、基板をそのままラビング処理したもの、あるいは基板上に配向膜を形成した後ラビング処理を施したものを使用することができる。第2の基板上に配向膜を形成する場合には、通常この技術分野で配向膜として認識されているものであれば特に制限なく用いることができ、ポリイミドやポリビニルアルコールによる膜にラビング処理を施すことによって使用することができる。
【0019】
本発明で使用することができる基板は、有機材料、無機材料を問わずに用いることができる。具体的な例を挙げると有機材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリイミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリアリレート、ポリスルホン、セルロース、ポリエーテルエーテルケトン、また無機材料としては例えば、シリコン、ガラス等を挙げることができる。2枚の基板がそれぞれ異なった材料を用いてもよいが、少なくとも一方の基板には、光重合を行うため適当な透明性が与えられていなければならない。またこれらの基板上に電極層を有しているものも使用できるが、この場合には、電極層の上に配向膜を形成した後、ラビング処理することが好ましい。
【0020】
次いで、このような2枚の第1及び第2の基板のラビング処理を施した面を一定の間隔をもって対向させて、この基板間に重合性液晶組成物を挟持させると、この重合性液晶組成物は配向膜によって配向する。この時の基板間の間隔は、得られる光学異方体の厚さになるが、この厚さは0.1〜100ミクロンの範囲が好ましく、特に0.5〜50ミクロンの範囲が好ましい。
【0021】
重合は重合性液晶組成物が液晶相を呈する温度で、紫外線又は電子線等を照射して行うが、意図しない熱重合の誘起を避ける意味からも、できるだけ室温に近い温度で光重合させることが好ましい。
【0022】
光重合した後、この重合体から第1の基板を剥離することによって、本発明に係わる光学異方体を製造することができるが、第1の基板を剥離する場合、そのまま機械的に剥離することによって容易に行えるが、その際に光学異方体と基板の両方に対する貧溶媒に侵漬しても良い。
【0023】
また、重合性液晶組成物としては、少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール、フェノール又は芳香族ヒドロキシ化合物のアクリル酸又はメタクリル酸エステルである単官能アクリレート又は単官能メタクリレートを含有し、液晶相を示すことを特徴とする重合性液晶組成物を使用することができる。
【0024】
前記の該単官能アクリレート又は単官能メタクリレートとしては、一般式(II)
【0025】
【化7】
Figure 0003651614
【0026】
(式中、Xは水素原子又はメチル基を表わし、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
【0027】
【化8】
Figure 0003651614
【0028】
を表わし、nは0又は1の整数を表わし、mは1から4の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH2=CHCH2CH2−又は−CH2CH2CH=CH−を表わし、Y3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表わす。)で表わされる化合物であることを特徴とする単官能アクリレート又は単官能メタクリレートを挙げることができる。以下にこのような化合物の代表的なものの例と、その相転移温度を示すが、本発明で使用することができる重合性化合物はこれらの例に限定されるものではない。
【0029】
【化9】
Figure 0003651614
【0030】
【化10】
Figure 0003651614
【0031】
(上記中、シクロヘキサン環はトランスシクロヘキサン環を表わし、また相転移スキームのCは結晶相、Nはネマチック相、Sはスメクチック相、Iは等方性液体相を表わし、数字は相転移温度を表わす。)
また、本発明で使用することができる重合性液晶組成物には、重合性官能基を有していない液晶化合物を、重合性液晶組成物中の総量が10重量%を超えない範囲で添加してもよい。重合性官能基を有していない液晶化合物としては、ネマチック液晶化合物、スメクチック液晶化合物、コレステリック液晶化合物等の通常この技術分野で液晶と認識されるものであれば特に制限なく用いることができる。しかしながら、その添加量が増えるに従い、得られる光学異方体の機械的強度が低下する傾向にあるので、添加量を適宜調整する必要がある。
【0032】
また、重合性官能基を有しておらず、且つ液晶性も示さない化合物も添加することができる。このような化合物としては、通常この技術分野で高分子形成性モノマーあるいは高分子形成性オリゴマーとして認識されるものであればよいが、アクリレート化合物が特に好ましい。
【0033】
これらの液晶化合物又は重合性化合物は適宜選択して組み合わせて添加してもよいが、少なくとも得られる重合性液晶組成物の液晶性が失われないように、各成分の添加量を調整することが必要である。
【0034】
更に、本発明で使用することができる重合性液晶組成物には、その重合反応性を向上させることを目的として、光重合開始剤や増感剤を添加してもよい。ここで、使用することができる光重合開始剤としては、例えば、公知のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類等を挙げることができる。その添加量は、重合性液晶組成物に対して10重量%以下が好ましく、5重量%以下が特に好ましい。
【0035】
本発明で使用することができる重合性液晶組成物には、その保存安定性を向上させるために、安定剤を添加してもよい。ここで使用することができる安定剤としては公知のヒドロキノン、ヒドロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコール等を挙げることができる。その安定剤の添加量は0.05重量%以下が好ましい。
【0036】
本発明で使用することができる重合性液晶組成物には、光学異方体中にねじれネマチック配向、又はコレステリック配向の螺旋構造を導入する目的で、光学活性化合物を添加してもよい。ここで使用することができる光学活性化合物は、それ自体が液晶性を示す必要はなく、また重合性官能基を有していても、有していなくてもよい。またそのねじれの向きは使用する目的によって適宜選択することができる。そのような光学活性化合物としては、例えば、光学活性基としてコレステリル基を有するペラルゴン酸コレステロール、ステアリン酸コレステロール、光学活性基として2−メチルブチル基を有する「CB−15」、「C−15」(以上、BDH社製)、「S1082」(メルク社製)、「CM−19」、「CM−20」、「CM」(以上、チッソ社製)、光学活性基として1−メチルヘプチル基を有する「S−811」(メルク社製)、「CM−21」、「CM−22」(以上、チッソ社製)を挙げることができる。この光学活性化合物の好ましい添加量は、製造する光学異方体の用途による。カイラルネマチック配向又はコレステリック配向の螺旋構造を導入し、例えば液晶表示素子の視角補償板として用いる場合には、コレステリック構造に由来する選択反射光の波長が可視光領域からはずれるように、螺旋構造のピッチ(P)を0.25ミクロン以下もしくは0.5ミクロン以上になるように調整するのが好ましく、例えば特定波長の反射板として用いる場合には、選択反射光の波長が可視光領域にあるように螺旋構造のピッチ(P)を0.25〜0.5ミクロンになるように調整するのが好ましい。
【0037】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に具体的に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(参考例)
式(a)
【0038】
【化11】
Figure 0003651614
【0039】
の化合物50重量部及び式(d)
【0040】
【化12】
Figure 0003651614
【0041】
の化合物50重量部からなる重合性液晶組成物(A)を調製した。得られた組成物は室温でネマチック相を示し、ネマチック相から等方性液体相への転移温度は47℃であった。また25℃におけるne(異常光屈折率)は1.65であり、no(常光屈折率)は1.52であった。重合性液晶組成物(A)99重量部に光重合開始剤1重量部から成る重合性液晶組成物(B)を得た。
【0042】
(実施例1)
3.0gのポリビニルアルコール(重合度約500)と3.0gの1,8−オクタンジオールを水100gとエタノール100gからなる混合溶媒に溶解させて液晶配向処理剤用組成物の溶液を作製した。この溶液をガラス基板上にスピンコートした。このスピンコートで溶媒はほとんど乾燥した。この時のガラス基板上には1,8−オクタンジオールの析出がみられ、均一な膜が得られていなかった。次に、このガラス基板を110℃で10分間加熱した後に室温まで冷却し、1,8−オクタンジオールの析出のない均一な膜を得た。これをラビング処理して配向膜を得た。このようにして配向膜を形成したガラス基板(i)を作製した。次にガラス基板上にポリイミド配向処理剤「AL−1254」(日本合成ゴム社製)をスピンコートした後に、180℃で80分間保ちガラス基板上にポリイミド膜を形成した。このポリイミド膜をラビング処理して、ポリイミド配向膜を形成したガラス基板(ii)を作製した。ガラス基板(i)とガラス基板(ii)をラビング処理した面を対向させ、この基板間に参考例で調製した重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この時のガラス基板間の間隔は8ミクロンに、互いのラビング方向のなす角度は180度になるように設定した。2枚のガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物を、2枚の偏光板の間において観察したところ、均一な1軸配向(ホモジニアス配向)が得られていることが確かめられた。この重合性液晶組成物に、室温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて、160mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合させて硬化させた。光重合させた後に、この重合体を挟持する基板を、2枚の偏光板の間において観察したところ、光重合前の均一な1軸配向(ホモジニアス配向)が固定化されており、均一性に優れた光学異方体が得られていることが確かめられた。この光学異方体から、ガラス基板(i)を機械的な力を加えて剥離してガラス基板(ii)に担持された光学異方体を得た。この時、ガラス基板(i)は容易に剥離でき、ガラス基板(i)に光学異方体は全く付着していなかった。また剥離の際に光学異方体への傷やひび等のダメージも全く観察されなかった。このようにして10枚の光学異方体を作製したが、10枚とも再現性よく剥離が容易に行え、傷やひび等の全くない光学異方体を得ることができた。また得られた光学異方体は、120℃の温度に保っても均一な配向状態は維持されており耐熱性も何ら問題がなかった。
【0043】
(実施例2)
実施例1で得たガラス基板(i)とガラス基板(ii)をラビング処理した面を対向させ、この基板間に参考例で調製した重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この時のガラス基板間の間隔は8ミクロンに、お互いのラビング方向のなす角度は85度になるように設定した。2枚のガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物を、2枚の偏光板の間において観察したところ、均一なねじれネマチック配向が得られていることが確かめられた。この重合性液晶組成物に、室温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて、160mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合させて硬化させた。光重合させた後に、この重合体を挟持する基板を、2枚の偏光板の間において観察したところ、光重合前の均一なねじれネマチック配向が固定化されており、均一性に優れた光学異方体が得られていることが確かめられた。この光学異方体から、ガラス基板(i)を機械的な力を加えて剥離してガラス基板(ii)に担持された光学異方体を得た。この時、ガラス基板(i)は容易に剥離でき、ガラス基板(i)に光学異方体は全く付着していなかった。また剥離の際に光学異方体への傷やひび等のダメージも全く観察されなかった。このようにして10枚の光学異方体を作製したが、10枚とも再現性よく剥離が容易に行え、傷やひび等の全くない光学異方体を得ることができた。また得られた光学異方体は、120℃の温度に保っても均一な配向状態は維持されており耐熱性も何ら問題がなかった。
【0044】
(比較例1)
3.0gのポリビニルアルコールを100gの水に溶解して溶液を調製した。この溶液をガラス基板にスピンコートした後、ガラス基板を110℃に10分間加熱した。このガラス基板を室温まで冷却後、ラビング処理をしてポリビニルアルコール配向膜を形成したガラス基板(iii)を得た。ガラス基板(iii)と実施例1で作製したガラス基板(ii)をラビング処理した面を対向させ、この基板間に参考例で調製した重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この時のガラス基板間の間隔は8ミクロンに、お互いのラビング方向のなす角度は180度になるように設定した。2枚のガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物を、2枚の偏光板の間において観察したところ、均一な1軸配向(ホモジニアス配向)が得られていることが確かめられた。この重合性液晶組成物に、室温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて、160mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合させて硬化させた。光重合させた後に、この重合体を挟持する基板を、2枚の偏光板の間において観察したところ、光重合前の均一な1軸配向(ホモジニアス配向)が固定化されており、均一性に優れた光学異方体が得られていることが確かめられた。この光学異方体から、ガラス基板(iii)を機械的な力を加えて剥離してガラス基板(ii)に担持された光学異方体を得ようとしたところ、剥離性が悪く、ガラス基板(iii)にも光学異方体が付着した。また剥離の際に光学異方体への傷やひび等のダメージが観察された。このようにして10枚の光学異方体を作製したが、耐熱性は問題なかったものの、8枚の光学異方体に傷やひび等のダメージが観察され、製造の歩留まりが悪かった。
【0045】
(比較例2)
比較例1で作製したガラス基板(iii)と実施例1で作製したガラス基板(ii)をラビング処理した面を対向させ、この基板間に参考例で調製した重合性液晶組成物(B)を挟持させた。この時のガラス基板間の間隔は8ミクロン、互いのラビング方向のなす角度は85度になるように設定した。2枚のガラス基板間に挟持された重合性液晶組成物を、2枚の偏光板の間において観察したところ、均一なねじれネマチック配向が得られていることが確かめられた。この重合性液晶組成物に、室温において紫外線ランプ(UVP社製、UVGL−25)を用いて、160mJ/cm2の光量の紫外線を照射して、重合性液晶組成物を光重合させて硬化させた。光重合させた後に、この硬化物を、2枚の直交する偏光板の間において観察したところ、光重合前の均一なねじれネマチック配向が固定化されており、均一性に優れた光学異方体が得られていることが確かめられた。この光学異方体から、ガラス基板(iii)を機械的な力を加えて剥離してガラス基板(ii)に担持された光学異方体を得ようとしたところ、剥離性が悪く、ガラス基板(iii)にも光学異方体が付着した。また剥離の際に光学異方体への傷やひび等のダメージが観察された。このようにして10枚の光学異方体を作製したが、耐熱性は問題なかったものの、9枚の光学異方体に傷やひび等のダメージが観察され、製造の歩留まりが悪かった。
【0046】
【発明の効果】
本発明の配向膜形成用組成物は、液晶の良好な配向を与え、且つ重合性液晶組成物を重合して成る光学異方体と基板の剥離特性を改善できる。従って、この配向膜形成用組成物を用いた光学異方体の製造方法によって、これまで問題となっていた剥離による歩留まりの低下を改善することができ、均一で耐熱性に優れた光学異方体を、再現性良く、容易に製造することができる。

Claims (7)

  1. (1)第1の基板上に、ポリビニルアルコール及び一般式(I)
    Figure 0003651614
    (式中、Rは炭素原子数6〜16の2価の有機基を表わす。)で表わされるジヒドロキシ化合物からなる配向層を形成する第1工程、
    (2)第2の基板上に配向処理を施す第2工程、
    (3)第1の基板の配向層と、第2の基板の配向処理を施した面を対向させて配置した後、これらの基板間に重合性液晶組成物を介在させる第3工程、
    (4)光を照射することによって前記重合性液晶組成物を重合させる第4工程、及び
    (5)第1の基板を剥離する第5工程
    を有することを特徴とする光学異方体の製造方法。
  2. 第1工程において、ポリビニルアルコール及び一般式(I)で表わされるジヒドロキシ化合物からなる配向膜形成用組成物を第1の基板上に塗布した後、加熱処理することによって配向層を形成することを特徴とする請求項1記載の光学異方体の製造方法。
  3. 第2工程において、第2の基板上に配向膜を形成した後、ラビング処理を施すことを特徴とする請求項1又は2記載の光学異方体の製造方法。
  4. 重合性液晶組成物が、少なくとも2つの6員環を有する液晶性骨格を部分構造として有する環状アルコール、フェノール又は芳香族ヒドロキシ化合物のアクリル酸又はメタクリル酸エステルである単官能アクリレート又は単官能メタクリレートを含有し、液晶相を示すことを特徴とする請求項1、2又は3記載の光学異方体の製造方法。
  5. 単官能アクリレート又は単官能メタクリレートが、一般式(II)
    Figure 0003651614
    (式中、Xは水素原子又はメチル基を表わし、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
    Figure 0003651614
    を表わし、nは0又は1の整数を表わし、mは1から4の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH24−、−CH2CH2CH2O−、−OCH2CH2CH2−、−CH2=CHCH2CH2−又は−CH2CH2CH=CH−を表わし、Y3は水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基、アルコキシ基、アルケニル基又はアルケニルオキシ基を表わす。)で表わされる化合物であることを特徴とする請求項4記載の光学異方体の製造方法。
  6. 一般式(I)において、6員環A、B及びCはそれぞれ独立的に、
    Figure 0003651614
    を表わし、mは1又は2の整数を表わし、Y1及びY2はそれぞれ独立的に、単結合又は−C≡C−を表わし、Y3はハロゲン原子、シアノ基、炭素原子数1〜20のアルキル基又はアルコキシ基を表わすことを特徴とする請求項5記載の光学異方体の製造方法。
  7. ポリビニルアルコール及び請求項1記載の一般式(I)で表わされるジヒドロキシ化合物からなる配向膜形成用組成物。
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