JP2006169496A - 再剥離用水分散型アクリル系粘着シートおよびそれに用いる粘着剤組成物 - Google Patents

再剥離用水分散型アクリル系粘着シートおよびそれに用いる粘着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】水系で塗工できる水分散型の粘着剤を実現し、特に半導体ウエハ加工用粘着シートとして好適に用いることができる被着体表面への汚染が少なく、かつウエハ研削時に耐水浸入性が高い再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを提供することを目的とする。
【解決手段】支持体上にアクリルエマルション系重合体を主成分とする粘着剤組成物からなる粘着剤層が設けられ、被着体に貼付後再剥離可能な再剥離用水分散型アクリル系粘着シートであって、前記粘着剤層の引張試験における初期弾性率が0.20〜1.5MPa、最大強度が2.0〜8.0MPa、破断伸びが180〜900%であり、かつ粘着剤層のゲル分率が90%以上である再剥離用水分散型アクリル系粘着シート。
【選択図】 なし

Description

本発明は、半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リードフレームなどの微細加工部品の製造の際に表面保護や破損防止のために使用される低汚染性の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートとそれに用いる粘着剤組成物に関する。特に半導体ウエハの裏面研削時やダイシング時に使用される半導体ウエハ加工用粘着シートとして好適に用いられる再剥離用水分散型アクリル系粘着シートとそれに用いる粘着剤組成物に関する。
従来、半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リードフレームなどの微細加工部品の製造の際に表面保護や破損防止のために再剥離用粘着シート類が使用されている。再剥離用粘着シート類には、被着体が粘着剤組成物に起因する有機物やパーティクル等で汚染されない非汚染タイプであることが要求される。従来このような用途には、溶剤型のアクリル系粘着剤が用いられてきたが、これら溶剤型アクリル系粘着剤は有機溶媒中で合成されるため、塗工時の溶剤の揮発が環境的に問題があり、水分散型のアクリル系粘着剤への転換が図られている。しかしながら水分散型アクリル系粘着剤は、溶剤型のアクリル系粘着剤に比べ、乳化剤を使用するため低汚染性を達成することは困難であった。
また、特に半導体集積回路の加工用途において用いられる半導体ウエハ加工用粘着シートにおいては、この非汚染の特性は重要である。通常、半導体集積回路は、高純度シリコン単結晶などをスライスしてウエハとしたのち、ウエハ表面にICなどの所定の回路パターンをエッチング形成して集積回路を組み込み、ついでウエハ裏面を研削機により研削して、ウエハの厚さを100〜600μm程度まで薄くし、最後にダイシングしてチップ化することにより製造されている。ここで、上記研削時には、ウエハ表面に粘着シートを貼り付けて、ウエハの破損を防止したり、研削加工を容易にしている。また、上記ダイシング時には、ウエハ裏面側に粘着シート類を貼り付けて、ウエハを接着固定した状態でダイシングし、形成されるチップをフィルム基材側よりニードルで突き上げてピックアップし、ダイパット上に固定させている。
このような目的で用いられる半導体ウエハ加工用粘着シートは、研削加工やダイシング加工中に剥離しない程度の粘着力が必要である一方、研削加工後や、ダイシング後のピックアップ時には容易に剥離でき、また半導体ウエハを破損しない程度の低い粘着力であることが要求され、さらにウエハ表面やウエハ裏面に糊残りをを生じず、これらの面を汚染しないものであることが必要である。特に近年、半導体集積回路の高密度化および高性能化等に伴い、半導体ウエハおよびそれらから得られる半導体チップの回路面に対する汚染の管理が厳しくなってきている。そのため、ウエハ加工用粘着フィルムには従来に増してより低汚染性が求められるようになっている。
さらにウエハ表面の汚染物は、ワイヤーボンディングのシェア強度へ影響を与えることが知られている。すなわち、半導体チップを製造する際に行われるワイヤーボンディングにおいては、ボールとパッド間の接着強度が高いことが要求されるが、ウエハ上のアルミ表面に付着した有機物やパーティクルは、金ワイヤーのアルミ表面への接着を阻害する要因となり、アルミ表面に多量の汚染物質が付着すると、ワイヤーボンディングシェア強度が低下するという問題が発生する。
一方、研削するウエハにはパターンやダイシングラインなどの凹凸が存在している。粘着シートはその凹凸のあるウエハパターン表面に貼り付けられる。粘着シートがウエハ表面の凹凸を埋めず隙間が存在していたり、ウエハ表面への接着性が低い場合において、研削時に水が浸入し、ウエハパターン表面を汚染してしまう問題が発生する。
水系で塗工できる水分散型の粘着剤で形成された粘着剤層を有し、特に半導体ウエハ加工用粘着シートとして用いることのできる被着体表面への汚染が少ない再剥離用水分散型アクリル系粘着シートがすでに提案されている(特許文献1参照)。しかし再剥離後の被着体への低汚染性と、ウエハ研削時の高い耐水浸入性を両立し、上記諸問題を同時に解決することは困難であった。すなわち、上記再剥離用水分散型アクリル系粘着シートでは、粘着剤層の弾性率が大きいため、被着体への接着性及び追従性が低下し、ウエハ研削時に充分な耐水浸入性が得られない。
特開2003−82307号公報
本発明は上記問題に鑑み、水系で塗工できる水分散型の粘着剤で形成された接着剤層を有し、特に半導体ウエハ加工用粘着シートとして好適に用いることのできる被着体表面への汚染が少なく、かつウエハ研削時に耐水浸入性が高い再剥離用水分散型アクリル系粘着シート、並びに該再剥離用水分散型アクリル系粘着シートの粘着剤層を形成するために用いることができる粘着剤組成物を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、粘着剤層の引張試験における初期弾性率、最大強度及び破断伸びを特定の範囲とし、且つ粘着剤層のゲル分率を特定値以上にすると、従来通りの被着体表面への低汚染性を保持しつつ、かつウエハ研削時において耐水侵入性が高い再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを得られること、また、そのような粘着剤は、例えば、アクリルエマルション系重合体の重合条件及びその物性値を選ぶことで、あるいは、特定のアクリルエマルション重合体を特定の架橋剤と組み合わせることによって得られる粘着剤組成物により形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、支持体上にアクリルエマルション系重合体を主成分とする粘着剤組成物からなる粘着剤層が設けられ、被着体に貼付後再剥離可能な再剥離用水分散型アクリル系粘着シートであって、前記粘着剤層の引張試験における初期弾性率が0.20〜1.50MPa、最大強度が2.0〜8.0MPa、破断伸びが180〜900%であり、かつ粘着剤層のゲル分率が90%以上であることを特徴とする再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを提供する。
上記再剥離用水分散型粘着シートは、引張速度3m/min時のシリコンウエハへの粘着力が0.8〜5.0N/20mmであり、引張速度300mm/min時のすりガラスへの粘着力が0.25N/50mm以上であるのが好ましい。
本発明はまた、上記再剥離用水分散型アクリル系粘着シートの粘着剤層を形成するための粘着剤組成物であって、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー混合物と、ラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤と、レドックス系重合開始剤によるエマルション重合により得られるアクリルエマルション系重合体を主成分として含み、該重合体のゲル分率が60%以上、ゾル分の重量平均分子量が200万以上であることを特徴とする粘着剤組成物を提供する。ラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤としては、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド平均付加モル数が15以下のノニオンアニオン系反応性乳化剤が好適である。
本発明はさらにまた、上記再剥離用水分散型アクリル系粘着シートの粘着剤層を形成するための粘着剤組成物であって、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー混合物と、カルボキシル基又はその塩を含有する乳化剤によるエマルション重合によって得られるアクリルエマルション系重合体を主成分とし、カルボキシル基と反応し得る官能基を有する架橋剤を含む粘着剤組成物を提供する。尚、アクリルエマルション系重合体の重合に際しては、レドックス系重合開始剤を使用することが好ましい。
上記粘着剤組成物には、油溶性架橋剤と水溶性架橋剤がそれぞれ1種類以上配合されており、架橋後の組成物のガラス転移温度が−80〜−20℃となり、ゲル分率が90%以上となることが好ましい。
また本発明は、上記再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを用いた半導体ウエハ加工用粘着シートを提供する。
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、水系で塗工できる水系塗工型の粘着剤層を有する粘着シートであり、被着体表面への汚染が少なく、かつ被着体の凹凸によく追従し、耐水浸入性の向上を発揮するものである。本発明の低汚染性の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、とくに半導体ウエハの裏面研削時やダイシング時に使用される半導体ウエハ加工用粘着シートとして好適に用いることができ、半導体チップの製造時に行われるワイヤーボンディングにおいてアルミ表面と金ワイヤー間で界面破壊することがなく、高いシェア強度を維持させることができる。さらにまた、低汚染性であるという特徴を生かし、使用時または使用終了時に粘着シートの剥離を伴うような各種用途、例えば、各種工業部材、特に半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リードフレームなどの微細加工部品の製造の際に表面保護や破損防止のために使用することができる再剥離用水分散型アクリル系粘着シートとして、幅広く利用することができる。
また、本発明の粘着剤組成物は、上記再剥離用水分散型アクリル系粘着シートの粘着剤層を形成するものとして好適に用いることができる。
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、支持体にアクリルエマルション系重合体を主成分とする粘着剤組成物からなる粘着剤層が設けられ、被着体に貼付後再剥離可能な再剥離用水分散型アクリル系粘着シートであって、前記粘着剤層の引張試験における初期弾性率が0.20〜1.50MPa、最大強度が2.0〜8.0MPa、破断伸びが180〜900%であり、かつ粘着剤層のゲル分率が90%以上であることを特徴とする。
ここで引張試験は、粘着剤層を、断面積0.75mm、長さ30mmの円柱状に形成し、この形成体に対して、23℃×50%RH雰囲気下、引張試験機により、チャック間距離10mm、引張速度50mm/minにて引張試験を行う。初期弾性率は、伸び−応力曲線の初期接線を引き、その接線と試験片が100%すなわち20mmまで伸びた所の交点(伸び=20mmの直線との交点)の応力を求め、単位初期断面積当たりのその応力値を表す。最大強度は、単位初期断面積当たりの伸び−応力曲線における最大応力値をとして表される。破断伸びは、引張試験で、試験片が破断したときの伸びを表し、「破断伸び」%=(「破断時の試験片の長さ」−「初期長さ(10mm)」)÷「初期長さ(10mm)」×100で計算される。
粘着剤層の初期弾性率は0.20〜1.50MPa、好ましくは0.30〜1.0MPaである。初期弾性率が0.20MPa未満であると粘着シートを被着体に貼付後再剥離した際に、粘着シートの粘着剤層の粘着剤が被着体表面に残ってしまう。初期弾性率が1.5MPaより大きいと、例えば粘着シートを半導体ウエハ加工用粘着シートとして用いた場合、パターンウエハ表面の段差への粘着剤の追従性が悪くなりウエハ研削時に研削水がウエハと粘着シート界面に浸入する不具合が発生してしまう。最大強度は2.0〜8.0MPa、好ましくは2.5〜5.0MPaである。最大強度が2.0MPa未満であると、粘着シートをウエハ等被着体から剥離した後、粘着剤がウエハ等被着体表面に残ってしまう。最大強度が8.0MPaより大きいと、パターンウエハ表面の段差への粘着剤の追従性が悪くなり、ウエハ研削時に研削水がウエハと粘着シート界面に浸入する不具合が発生してしまう。破断伸びは180〜900%、好ましくは180〜800%、さらに好ましくは180〜500%で、破断伸びが900%を超えると、粘着シートを被着体に貼付後再剥離した際に粘着シートの粘着剤層の粘着剤が被着体表面に残ってしまい、破断伸びが180%未満であると被着体表面への有機物汚染が増大する場合が多くなる。
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートはさらに、引張速度3m/min時のシリコンウエハへの粘着力が0.8〜5.0N/20mm、引張速度300mm/min時のすりガラスへの粘着力が0.25N/50mm以上であるのが好ましい。ここで、シリコンウエハへの粘着力は以下のようにして測定する。20mm×100mmの粘着テープを、シリコンミラーウエハ面(信越半導体株式会社製、商品名「CZN〈100〉2.5−3.5(4インチ)」)に、23℃雰囲気下2kgローラーを一往復して圧着し、23℃で30分間経過後、その剥離に要する力を測定する(180度剥離、引張速度3m/分、23℃50%RH雰囲気下)。また、すりガラスへの粘着力は以下のようにして測定する。50mm×100mmの粘着テープを、すりガラス(Ra=0.56μm、表面をトルエンで洗浄し、乾燥させたもの)へ23℃雰囲気下2kg ローラーを一往復して圧着し、23℃で30分経過後、その剥離に要する力を測定する(180度剥離、引張速度300m/分、23℃50%RH雰囲気下)。なお、RaはJIS B0601−1994に規定する粗さ形状パラメーターであり、算術平均粗さを表している。Raは粗さ曲面からその平均線の方向に基準長さを抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
引張速度3m/min時のシリコンウエハへの粘着力は0.8〜5.0N/20mm、特に0.9〜3.5N/20mmであるのが好ましい。0.8N/20mm未満では、例えば粘着シートを半導体ウエハ加工用粘着シートとして用いた場合、ウエハ研削時にテープの末端が剥離して研削水がウエハと粘着シート界面に浸入する不具合が発生しやすくなる。5.0N/20mmを超えると、ウエハ研削後粘着シートをウエハから剥離することが困難となる。
引張速度300mm/min時のすりガラスへの粘着力は0.25N/50mm以上、特に0.30N/50mm以上であるのが好ましい。0.25N/50mm未満では、例えば、粘着シートを半導体ウエハ加工用粘着シートとして用いた場合、パターンウエハ表面の段差への粘着剤の追従性が悪くなりウエハ研削時に研削水がウエハと粘着シート界面に進入する不具合が発生することがある。
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおいて、粘着剤層は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー混合物と、ラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤と、レドックス系重合開始剤とを用いたエマルション重合によって得られるエマルション系重合体を主成分として含み、該重合体のゲル分率が60%以上、ゾル分の重量平均分子量が200万以上である粘着剤組成物、又は(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー混合物と、カルボキシル基又はその塩を含有する乳化剤によるエマルション重合によって得られるアクリルエマルション系重合体を主成分とし、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する架橋剤を含む粘着剤組成物により形成することができる。尚、本明細書中において、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー混合物と、ラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤と、レドックス系重合開始剤とを用いたエマルション重合によって得られるエマルション系重合体を主成分として含み、該重合体のゲル分率が60%以上、ゾル分の重量平均分子量が200万以上である粘着剤組成物を「粘着剤組成物(i)」と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー混合物と、カルボキシル基又はその塩を含有する乳化剤によるエマルション重合によって得られるアクリルエマルション系重合体を主成分とし、カルボキシル基と反応しうる官能基を有する架橋剤を含む粘着剤組成物を「粘着剤組成物(ii)」と称する場合がある。
[粘着剤組成物(i)]
粘着剤組成物(i)においてモノマー混合物は、(メタ)アクリル酸のアルキルエステルを主モノマー成分として含む。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸イソデシルなどがあげられる。
モノマー混合物には、上記主モノマーのほかに必要に応じてエマルション粒子の安定化、粘着剤層の基材への密着性の向上、また、被着体への初期接着性の向上などを目的として、共重合性モノマーが含まれていてもよい。この共重合性モノマーは、全モノマー混合物中60重量%以下(例えば0.1〜60重量%)、好ましくは25重量%以下(例えば0.5〜25重量%)の範囲で、各モノマーの種類に応じて適宜その使用量を選択できる。
共重合性モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、クロトン酸等のカルボキシル基含有モノマー、酢酸ビニル等のビニルエステル系モノマー、スチレン等のスチレン系モノマー、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有モノマー、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド等のアミド基含有モノマー、アクリロイルモルホリン等のアミノ基含有モノマーなどがあげられる。
また粘着剤組成物(i)においては、後述する粘着剤組成物のゲル分率を調整するために、アクリルエマルション系重合体を重合する際に多官能モノマーを共重合することができる。多官能モノマーとしては、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等の多官能(メタ)アクリレート類、ジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物などがあげられる。
粘着剤組成物(i)の主成分であるアクリルエマルション系重合体は、上記モノマー混合物に重合開始剤および乳化剤などを加え、通常のエマルション重合法により合成できる。エマルション重合は、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合など任意の方法を用いることができ、その方法は特に限定されるものではない。またその重合は、用いる開始剤の種類等に応じて、例えば5〜100℃程度の範囲内の温度で行うことができる。
粘着剤組成物(i)の主成分であるアクリルエマルション系重合体は、ウエハ等の被着体への有機物汚染量の減少に特に効果があることから、一括重合でかつ低温(例えば50℃以下、好ましくは30℃以下)で重合することが望ましい。このような条件で重合を行うと、高分子量体が得られやすく、低分子量体が少なくなるため、ウエハへの有機物汚染が減少するものと推定される。
粘着剤組成物(i)において、アクリルエマルション系重合体に用いるラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤としては、特に限定されず、ビニル基、プロペニル基、イソプロペニル基、ビニルエーテル基(ビニルオキシ基)、アリルエーテル基(アリルオキシ基)等のラジカル重合性官能基を有する種々の反応性乳化剤から1種又は2種以上を選択して使用できる。それらのなかでも、プロペニル基、アリルエーテル基などの重合性官能基を導入したエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド平均付加モル数が15以下のノニオンアニオン型反応性乳化剤が好ましい。エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15を超えるノニオンアニオン型反応性乳化剤を用いると、ウエハ等の被着体上への汚染物量が増加して好ましくない。また、他の粘着特性を上げるために、前記プロペニル基等の重合性官能基を導入した、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド平均付加モル数15以下のノニオンアニオン型反応性乳化剤とともに、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン系乳化剤、またプロペニル基、アリルエーテル基などの重合性官能基を導入したエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド平均付加モル数が15以下のノニオンアニオン型反応性乳化剤以外の反応性乳化剤などを用いるのも好ましい。
半導体ウエハ加工用粘着シートでは特に不純物イオンが問題となる場合があるため、不純物イオンを取り除き、SO4 2-イオン濃度が100μg/g以下の乳化剤を用いることが望ましい。また、アニオン系の場合、アンモニウム塩乳化剤を用いることが望ましい。乳化剤から不純物を取り除く方法としては、イオン交換樹脂法、膜分離法、アルコールを用いた不純物の沈殿ろ過法など適宜な方法を用いることができる。
粘着剤組成物(i)において、ラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤の配合量は全モノマー混合物100重量部に対して一般には0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部程度である。前記乳化剤の配合量が5重量部を超えると粘着剤の凝集力が低下して被着体への汚染量が増加し、また乳化剤自身による汚染も起こる場合がある。また前記乳化剤の配合量が0.1重量部未満では安定した乳化が維持できない場合があり、いずれも好ましくない。
重合開始剤としては、たとえば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(N,N′−ジメチレンイソブチルアミジン)などのアゾ系、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系や、過酸化水素水とアスコルビン酸、過酸化水素水と鉄(II)塩、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどのレドックス系重合開始剤などがあげられる。
重合開始剤は、ウエハ等被着体への有機物汚染量の減少に特に効果があることから、レドックス系重合開始剤を用いる方が望ましい。この理由については明確でないが、レドックス系重合開始剤を用いることで高分子量体が得られやすく低分子量成分が少ないことに起因しているものと推定される。
また粘着シートにて不純物イオンが問題となる場合には、イオン成分を含まない開始剤を用いることが要求され、たとえば過酸化水素水とアスコルビン酸などの組み合わせが好適に使用される。また、レドックス系重合開始剤を用いる場合は、重合温度は50℃以下、好ましくは30℃以下にすることが望ましい。
これらの重合開始剤は、その種類やアクリルモノマーの種類に応じて、その使用量が決定されるが、通常は、全モノマー混合物100重量部あたり、0.001〜0.1重量部の範囲で使用するのが望ましい。
粘着剤組成物(i)においては、アクリルポリマーの分子量を調整するために連鎖移動剤を用いても良い。連鎖移動剤としては、特に限定されるものではないが、たとえばラウリルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールなどが挙げられ、その目的、用途に応じて1種又は2種以上が用いられる。
さらに、粘着剤組成物(i)の主成分たるアクリルエマルション系重合体は、ゲル分率が60%以上、ゾル分の重量平均分子量が200万以上であるのが好ましい。これら物性値は、用いるモノマーの種類や組み合わせ及びその割合、重合開始剤の種類及び量、連鎖移動剤の種類及び量、反応性乳化剤の種類及び量、重合温度や重合方法等の重合条件などにより調整できる。例えば、重合体のゲル分率は、前記のように、多官能モノマーの種類及び添加量等により調整できる。さらに、重合体のゾル分の重量平均分子量は、重合開始剤の種類や添加量、重合温度等のポリマーの重合の条件により調整できる。前述したように、レドックス系の開始剤を用いて、30℃以下の低温で重合することによって、より高分子のポリマーを得ることができる。また、その時使用する開始剤の添加量も分子量に影響を与える。
上記アクリルエマルション系重合体のゲル分率は60%以上であり、好ましくは65%以上、更に好ましくは70%以上である。ゲル分率が60%以下では、例えば、ウエハへの有機物汚染が多くなってしまう。アクリルエマルション系重合体のゾル分の重量平均分子量は200万以上(例えば200万〜1000万)であり、好ましくは300万以上(例えば、300万〜1000万)であることが望ましい。本発明においてウエハ研削時等における高い耐水浸入性を達成するために初期弾性率を0.20〜1.50MPaの範囲に設定する必要があるが、この範囲においてゾル分の重量平均分子量が200万未満では、有機物汚染が増加してしまう場合がある。優れた低汚染性と耐水浸入性を同時に実現するためにはゾル分の重量平均分子量を200万以上とする必要がある。
なお本発明において、アクリルエマルション系重合体および粘着シートの粘着剤層のゲル分率は、試料約0.1gをサンプリングして秤量し、これを約50mlの酢酸エチル中に室温で一週間浸漬した後、溶剤不溶分を取り出し、130℃で約1時間乾燥して、秤量することにより、上記ゲル分率(重量%)=[(浸漬・乾燥後の溶剤不溶分の重量)/試料の重量]×100として算出されるものである。
本発明においてアクリルエマルション系重合体のゾル分の重量平均分子量は次の方法より求めることができる。試料0.1gをサンプリングして精秤し、これを約50mlの酢酸エチル中に室温で1週間浸漬したのち、不溶分と、ゾル分が溶解した酢酸エチル溶液を分離する。ゾル分が溶解した酢酸エチル溶液から酢酸エチルを30℃で減圧乾燥し、GPC(ゲル・パーミェーション・クロマトグラフィー)により測定をする。装置:東ソー社製、(製品名)HLC−8120GPC、カラム:東ソー社製、カラム品番:TSKgel GMHR−H(S)×2×2(2カラム連結)、流量:0.5ml/min、注入量:100μl、カラム温度:40℃、溶離液:THF(テトラヒドロフラン)、注入試料濃度:0.1重量%、検出器:示差屈折計。
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出する。
また、粘着剤組成物(i)において、該粘着剤組成物を用いて粘着シートを製造した際の粘着剤層のゲル分率を調整するために、前述したアクリルエマルション系重合体を重合する際に多官能モノマー成分を共重合する方法以外に、架橋剤を添加することもできる。架橋剤としては、多官能のエポキシ系架橋剤やイソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、メラミン樹脂系架橋剤、過酸化物系架橋剤などが挙げられる。ここでいう多官能とは2官能以上のことである。後に詳しく述べるが、架橋剤は、油溶性架橋剤と水溶性架橋剤がそれぞれ1種類以上配合されており、架橋後の粘着剤組成物のガラス転移温度が−80〜−20℃となり、ゲル分率が90%以上となるように調節して配合されているのが好ましい。
[粘着剤組成物(ii)]
粘着剤組成物(ii)の主成分であるアクリルエマルション系重合体の製造に用いるモノマー混合物は、粘着剤組成物(i)と同様のものを使用できる。すなわち、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とし、必要により共重合性モノマーと、多官能モノマーとを含むモノマー混合物が用いられる。
粘着剤組成物(ii)の主成分であるアクリルエマルション系重合体は、上記モノマー成分と、カルボキシル基又はその塩を含有する乳化剤によるエマルション重合によって得られる。
カルボキシル基又はその塩を含有する乳化剤としては、例えばマレイン酸、イタコン酸、フマル酸、スルホコハク酸などのジカルボン酸のハーフエステルやハーフアミド又はこれらの塩が挙げられる。ジカルボン酸のハーフエステルに用いられるアルコールとしては、例えば、炭素数3〜18程度の直鎖又は分岐を有する脂肪族アルコール、炭素数6〜20程度のフェノール類(アルキル置換フェノール類など)などが挙げられる。具体的には例えば、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコールなどの脂肪族飽和アルコール、プロペニルアルコール、ブテニルアルコール、ペンテニルアルコール、ヘキセニルアルコール、ヘプテニルアルコール、オクテニルアルコール、ノネニルアルコール、デセニルアルコール、ウンデセニルアルコール、ドデセニルアルコール、トリデセニルアルコール、テトラデセニルアルコール、ペンタデセニルアルコール、ヘキサデセニルアルコール、へプタデセニルアルコール、オクタデセニルアルコール等の脂肪族不飽和アルコール、2−メチル−2−プロパノール、2−エチルヘキシルアルコール、3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール等の分岐アルコール、ノニルフェノール等のフェノール類が挙げられる。
ジカルボン酸のハーフアミドに用いられるアミンとしては、例えばプロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミン、トリデシルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン、ナフチルエチルアミン、2−エチルヘキシルアミンなどの1級アミン、メチルエチルアミン、メチルプロピルアミン、エチルブチルアミン、メチルヘキシルアミン、エチルオクチルアミン、メチルデシルアミン、メチルドデシルアミン、エチルドデシルアミン、メチルヘキサデシルアミン、エチルオクタデシルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジウンデシルアミン、ジドデシルアミン、ジトリデシルアミン、ジテトラデシルアミン、ジペンタデシルアミン、ジヘキサデシルアミン、ジヘプタデシルアミン、ジオクタデシルアミン、ジナフチルエチルアミン、などの2級アミンなどが挙げられる。
カルボキシル基又はその塩を含有する乳化剤としては、例えばN−アルキルアスパラギン酸など、アミノ基の窒素原子にアルキル基などの疎水基が置換したN−置換アミノ酸又はその塩などを使用してもよい。
カルボキシル基又はその塩を含有する乳化剤は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができ、特に制限されないが、分子内にプロペニル基やアリルオキシ基などの重合性官能基を有する反応性乳化剤(例えばスルホコハク酸モノプロペニルエステルや、スルホコハク酸モノアリルエステルなど)を使用すると、ウエハへの有機汚染を更に低減させることができるため、特に好ましい。具体的には、例えば、日本乳化剤(株)製、商品名「ニューコール293」、「RA5411」、「RA544」などが挙げられる。
乳化剤の配合量は全モノマー混合物100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部程度である。乳化剤の配合量が5重量部を超えると粘着剤の凝集力が低下して被着体への汚染量が増加し、また乳化剤自身による汚染も起こる場合がある。乳化剤の配合量が0.1重量部未満では安定した乳化が維持できない場合があり、何れも好ましくない。
なお、粘着特性の改善などを目的として、上記カルボキシル基又はその塩を含有する乳化剤に加えて、その他の一般的な乳化剤、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどのノニオン系乳化剤などを併用することもできる。このような乳化剤を使用する場合は、ウエハへの有機物汚染量の低減等の本発明の効果を損なわない範囲内で使用すればよい。
粘着剤組成物(ii)の主成分であるアクリルエマルション系重合体は、上述のモノマー混合物及び乳化剤に、重合開始剤を加え、通常のエマルション重合方法を用いて重合することにより得られる。
重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス(N、N′−ジメチレンイソブチルアミジン)などのアゾ系重合開始剤、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤、過酸化水素水とアスコルビン酸、過酸化水素水と鉄(II)塩、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなどのレドックス系重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができ、特に制限されないが、ウエハへの有機物汚染量の減少に特に効果があることからレドックス系重合開始剤を用いるのが望ましい。これは、レドックス系重合開始剤を用いることで、高分子量体が得られやすく、低分子量成分が少なくなることに起因していると推定される。また、粘着シートとした際に不純物イオンが問題となる場合には、イオン成分を含まない重合開始剤を用いることが要求されるため、例えば過酸化水素水とアスコルビン酸などの組み合わせが好適に使用される。
重合開始剤の使用量は、重合開始剤の種類や、モノマー混合物におけるモノマーの種類やその配合量に応じて適宜選択することができるが、通常は、全モノマー混合物100重量部に対して0.001〜0.1重量部の範囲である。
アクリルエマルション系重合体の重合に際しては、分子量の調節を目的として連鎖移動剤を使用してもよい。連鎖移動剤としては例えば、ラウリルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメルカプト−1−プロパノールなどが挙げられる。連鎖移動剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
エマルション重合は、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合など任意の方法を用いることができ、特に制限されない。また、重合温度は、5〜100℃程度の範囲内で、用いる重合開始剤の種類等に応じて任意の温度で行うことができ特に制限されないが、ウエハへの有機物汚染量の減少に特に効果があることから、一括重合により低温(例えば50℃以下、特に30℃以下)で重合を行うのが好ましい。とりわけ、重合開始剤として過酸化水素水とアスコルビン酸を使用し、一括重合により低温(50℃以下、特に30℃以下)で重合を行うことが好ましい。
粘着剤組成物(ii)は、上述のアクリルエマルション重合体に、カルボキシル基と反応しうる架橋剤を配合して得られる。
カルボキシル基と反応しうる官能基を含む架橋剤としては、例えば多官能のエポキシ系架橋剤やイソシアネート系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤などが挙げられる。ここで、多官能性とは2官能性以上のことである。これらの架橋剤は、アクリル系共重合体の組成や分子量などに応じて、粘着剤層のゲル分率が前記範囲内となる使用割合で、その一種又は二種以上が用いられる。具体的にはエポキシ系架橋剤としては、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルなどが、オキサゾリン系架橋剤としては商品名『エポクロスWS−500』((株)日本触媒製)などが、アジリジン系架橋剤としては、商品名『ケミタイトPZ−33』((株)日本触媒製)などが、ブロックイソシアネート系架橋剤としてはトリレンジイソシアネート(ブロック)、商品名『エラストロンBN−69』(第一工業製薬(株)製)などが、カルボジイミド系架橋剤としては商品名『カルボジライトV−01』(日清紡(株)製)、商品名『カルボジライトV−02』(日清紡(株)製)などが挙げられる。また、他の架橋剤、例えば過酸化物系架橋剤などを使用してもよい。
なお、粘着剤組成物(ii)において架橋剤は、アクリルエマルション系重合体を合成した後、これに添加してもよいが、アクリルエマルション系重合体を重合する際に、その一部又は全部をモノマー混合物に配合して重合を行ってもよい。
粘着剤組成物(i)又は(ii)において使用する架橋剤は、ウエハへの有機物汚染量の減少やパーティクルの減量に特に効果があることから、油溶性架橋剤と水溶性架橋剤をそれぞれ1種類以上用いる方が望ましい。この理由については明確ではないが、次のごとく推定している。油溶性架橋剤は架橋後にはエマルション粒子内部を架橋させており、特に粘着剤を高ゲル分率にするのに効果的である。油溶性架橋剤の添加量は、その分子量、官能基数によって様々となってくる。油溶性架橋剤の添加量は、ウエハ等の被着体への有機物汚染量に大きく影響を及ぼす。油溶性架橋剤の添加量が少ない場合、架橋後の粘着剤のゲル分が低くなり、ウエハ等被着体への有機物汚染量が多くなる。水溶性架橋剤は、主にエマルション粒子表面近傍に存在する。その為、粒子と粒子の間を架橋するように働く傾向がある。水溶性架橋剤の添加はパーティクル数に影響を及ぼす場合がある。エマルション粘着剤の乾燥温度が低い場合、粒子と粒子の間のポリマー分子はあまり拡散しない。よって、粒子と粒子の間の結合力が低い。このため、テープ剥離時に、エマルション粒子(群)が被着体に転写されパーティクルとなり検出される。そこで、水溶性架橋剤を添加すると、粒子と粒子の間の結合力が高まり、エマルション粒子(群)によるパーティクル汚染は見られなくなる。
油溶性架橋剤としては、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルなどのエポキシ系、トリレンジイソシアネート(ブロック)などのブロックイソシアネート系、商品名『カルボジライトV−01』(日清紡(株)製)などの油溶性カルボジイミド系などが挙げられ、特に架橋効率の点でエポキシ系架橋剤がより好ましい。
水溶性架橋剤としてはポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテルなどのエポキシ系、商品名『エラストロンBN−69』(第一工業製薬(株)製)などの水分散型イソシアネート系、商品名『エポクロスWS−500』((株)日本触媒製)などのオキサゾリン系、商品名『ケミタイトPZ−33』((株)日本触媒製)などのアジリジン系、商品名『カルボジライトV−02』(日清紡(株)製)などの親水化処理カルボジイミド系、ヘキサメチロールメラミンなどの活性メチロール、ヘキサメトキシメチルメラミンなどの活性アルコキシメチル、商品名『オルガチックスA1135』(松本製薬工業(株)製)などの金属キレートなどが挙げられる。
上述のようにして得られた粘着剤組成物(i)又は(ii)を適宜な方法により支持体上に塗布し、乾燥させることにより粘着剤層を形成し、本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートが得られるが、粘着剤層の粘着剤組成物のゲル分率を調整するため、支持体に粘着剤層を設けた後、これに放射線を照射して硬化処理し、粘着剤層のゲル分率を増大させることもできる。放射線には、活性エネルギー線として、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが用いられる。放射線の照射線量は、ゲル分率が90%以上になるよう調整すればよいが、電離性放射線は通常20Mrad以下、好ましくは10Mrad以下、紫外線は通常3000mJ/cm2以下とするのがよい。照射量が多すぎると、基材の劣化が懸念される。
なお、紫外線を照射する場合、使用する紫外線は180〜460nmの波長範囲のものが好ましく、その発生源には、水銀ランプ、メタハライドランプを使用するのが好ましい。また、紫外線を照射して硬化処理する際には、あらかじめ粘着剤組成物に光反応開始剤(光増感剤)を含ませておくのがよい。光反応開始剤としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ジベンジル、ベンジルジメチルケタールなどを挙げることができる。
粘着剤組成物(i)に架橋剤を配合した粘着剤組成物の架橋後のゲル分率、又は粘着剤組成物(ii)の架橋後のゲル分率は90%以上、好ましくは95%以上(通常99%以下)に調整されることが望ましい。ゲル分率が90%未満では、被着体への汚染物の転写が増加する場合がある。ゲル分率は、粘着剤の架橋度合いを表しており、90%未満であると架橋度が小さいため、低分子量成分などが被着体表面に転写するなどの不具合を生じる。
また、上記架橋後の粘着剤組成物のガラス転移温度は、−80〜−20℃であり、好ましくは−75〜−30℃である。ガラス転移温度が−20℃より高くなると、例えば、パターンウエハ表面への追従性が悪くなりウエハ研削時に研削水がウエハと粘着テープ界面に浸入する不具合が発生してしまう。この架橋後の組成物のガラス転移温度は、例えば、アクリルエマルション系重合体を調製する際に、主モノマーとして用いる(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、該主モノマーと共重合可能な他のモノマーとの組み合わせ及びその割合を選択することによっても調整できる。
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、例えば、上記粘着剤組成物(i)又は粘着剤組成物(ii)を支持体上に塗布、乾燥し、必要に応じて放射線を照射して、粘着剤層を形成することにより製造できる。該粘着シートはテープ状の形態であってもよい。なお、粘着剤層の保護のためにその上に剥離フィルムを積層しておくのが望ましい。粘着剤層の厚さは、一般には5〜100μm、好ましくは10〜40μm程度である。
粘着剤層の初期弾性率は、0.20〜1.50MPa、最大強度は2.0〜8.0MPa、破断伸びは180〜900%であり、ゲル分率は90%以上である。これらの物性値は、粘着剤層の粘着剤組成物の主成分であるアクリルエマルション系重合体の物性値や、用いる架橋剤の種類及び量、並びに放射線照射処理の有無やその照射条件などにより調整できる。例えば、粘着剤層の初期弾性率、最大強度及び破断伸びは、粘着剤層を形成する粘着剤組成物の主成分であるアクリルエマルション系重合体のガラス転移温度やゾル分の重量平均分子量等により調整できる。また、粘着剤層のゲル分率は、粘着剤層を形成する粘着剤組成物の主成分であるアクリルエマルション系重合体の架橋前のゲル分率、さらに架橋剤の種類及び量並びに放射線照射処理の有無やその照射条件を選択することにより調整できる。
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、引張速度3m/min時のシリコンウエハへの粘着力が0.8〜5.0N/20mmであり、引張速度300mm/min時のすりガラスへの粘着力が0.25N/50mm以上であることが好ましい。これら粘着力は、上記粘着剤組成物(i)又は粘着剤組成物(ii)を使用して、主成分であるアクリルエマルション系重合体を構成するモノマーの種類やその配合量、又は用いる架橋剤の種類や量、放射線処理の有無やその処理条件を選択することなどにより調整できる。
支持体としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリイミド系樹脂などのプラスチックフィルムや、金属箔などが用いられる。これらの支持体は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよく、また片面または両面に粘着剤層の密着力の向上等を目的に、コロナ処理やプラズマ処理等の物理的処理、下塗り剤等の化学的処理など適宜な表面処理を施したものであってもよい。また、支持体と粘着剤層の間に、研削時のウエハ破損防止などの為に応力を緩和するような中間層を設けてもよい。この中間層の厚さとしては、例えば50〜300μm、好ましくは70〜200μm程度であるのがよい。
また、本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは巻回体とすることができ、剥離フィルムで粘着剤層を保護した状態でロール状に巻き取ることができる。また剥離フィルムを用いない場合、粘着シートの背面にはシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル系剥離剤などの剥離処理剤により背面処理を施してもかまわない。
このようにして得られる再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、これまでにない低汚染性かつ、高耐水浸入性の再剥離型粘着シートであって、特に半導体ウエハ加工用粘着シートとして好適に用いることができるが、その用途は何ら限定されるものではなく、半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リードフレームなどの微細加工部品の製造の際の表面保護や破損防止、あるいは異物等の除去、マスキング等にも使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。なお以下において部とあるのは、すべて重量部を意味するものである。
(試験評価)
実施例、比較例で得た粘着シートについて、以下の試験を行った。試験結果を表2に示す。
(シリコンウエハへの粘着力)
20mm×100mmの粘着シートを、シリコンミラーウエハ面(信越半導体株式会社製、商品名「CZN〈100〉2.5−3.5(4インチ)」)に、23℃雰囲気下2kgローラーを一往復させ圧着し、23℃で30分間経過後、その剥離に要する力を測定した(180度剥離、引張速度3m/分、23℃50%RH雰囲気下)。
(すりガラスへの粘着力)
50mm×100mmの粘着シートを、すりガラス(Ra=0.56μm、表面をトルエンで洗浄し、乾燥させたもの)へ23℃雰囲気下2kg ローラーを一往復させ圧着し、23℃で30分経過後、その剥離に要する力を測定する(180度剥離、引張速度3m/分、23℃50%RH雰囲気下)。なお、RaはJIS B0601−1994に規定する粗さ形状パラメーターであり、算術平均粗さを表している。Raは粗さ曲面からその平均線の方向に基準長さを抜き取り、この抜き取り部分の平均線から測定曲線までの偏差の絶対値を合計し、平均した値である。
(ガラス転移温度)
レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置[商品名『ARES』]を用いて、サンプル厚さ約1.5mmで、φ7.9mmパラレルプレートの治具を用い、周波数1Hz、昇温速度5℃/分にて測定し、得られた損失弾性率のピーク点の温度をガラス転移温度とした。
(初期弾性率・最大強度・破断伸び)
断面積0.75mm、長さ30mmの円柱状の粘着剤を作成し、23℃×50%RH雰囲気下、引張試験機により、チャック間距離10mm、引張速度50mm/minにて引張試験を行う。初期弾性率は、伸び−応力曲線の初期接線を引き、その接線と試験片が100%すなわち20mmまで伸びた所の交点(伸び=20mmの直線との交点)の応力を求め、単位初期断面積当たりのその応力値として表される。最大強度は、単位初期断面積当たりの伸び−応力曲線における最大応力値を表す。破断伸びは、引張試験で、試験片が破断したときの伸びを表し、「破断伸び」%=(「破断時の試験片の長さ」−「初期長さ(10mm)」)÷「初期長さ(10mm)」×100で計算される。
(ゲル分率)
アクリルエマルション系重合体及び粘着シートの粘着剤のゲル分率は、試料0.1gをサンプリングして精秤し、これを約50mlの酢酸エチル中に室温で一週間浸漬したのち、溶剤不溶分を取り出し、130℃で約1時間乾燥して、秤量することにより、「上記ゲル分率(重量%)」=[(浸漬・乾燥後の重量)÷試料の重量]×100として算出される。なお、アクリルエマルション系重合体のゲル分率の測定では、エマルションを蒸発乾燥して得られる固形分を試料として用いた。
(ゾル分重量平均分子量)
試料0.1gをサンプリングして精秤し、これを約50mlの酢酸エチル中に室温で1週間浸漬したのち、不溶分とゾル分が溶解した酢酸エチル溶液を分離する。ゾル分が溶解した酢酸エチル溶液から酢酸エチルを30℃で減圧乾燥し、GPC(ゲル・パーミェーション・クロマトグラフィー)により測定をした。なお、試料として、エマルションを蒸発乾燥して得られる固形分を用いた。
装置:東ソー社製、(製品名)HLC−8120GPC、カラム:東ソー社製、カラム品番:TSKgel GMHHR−H(S)×2(2カラム連結)、流量:0.5ml/min、注入量:100μl、カラム温度:40℃、溶離液:THF(テトラヒドロフラン)、注入試料濃度:0.1重量%、検出器:示差屈折計。
なお、重量平均分子量はポリスチレン換算により算出した。
(対ウエハ有機物汚染)
粘着シート片をアルミ蒸着ウエハ(12〜13atomic%)に、テープ貼り合わせ機[商品名『DR8500−II』(日東精機(株)製)]にて貼り付け(貼り付け圧力:0.25MPa、貼り付け速度2.4m/min)、40℃中に1日放置後、シート片をテープ剥離機[商品名『HR8500−II』(日東精機(株)製)]にて剥離し(剥離速度8m/min、剥離角度180度)、ウエハ上に転写した有機物をESCA[商品名『mode15400』(アルバックファイ社製)]を用いて測定した。全く粘着シートを貼り付けていないウエハも同様に分析し、検出された炭素原子のatomic%の増加量により有機物の転写量を評価した。
(糊残り性)
PIウエハ上に、厚み20μm、幅2mmのテープを貼り付け、高さ20μmの段差を作る。段差と垂直方向に、幅20mmの粘着シート片を2kgの圧着荷重で貼り付ける。そのサンプルを60℃で1日保存後、23℃雰囲気下で2時間保存し冷却をする。その後粘着シート片を剥離角度180度、引張速度300mm/minにて剥離する。剥離後、PIウエハ表面の状態を、光学顕微鏡を用いて観察し、糊残りが見られたものを『×』、見られなかったものを『○』とし評価を行った。
(パーティクル数)
クリーンルーム内でセパレーターを剥離してその粘着剤層を介して粘着シート片を4インチミラーウエハーに接着して23℃で1時間放置した後、粘着シート片を剥離速度12m/min、剥離角度180度で剥離し、ミラーウエハ面における0.28μm以上のパーティクル数をレーザー表面検査装置[商品名『LS−5000』(日立電子エンジニアリング(株)製)]にて評価した。
(耐水浸入性)
高さ7μm、エッジリンス幅3.5mmにポリイミドでコーティングされた8インチウエハを、幅90μm、高さ7μmのストリートを10mm間隔でXY方向に作成し、碁盤目上にストリートラインがあるサンプルウエハを作製した。このウエハに、テープ貼り合わせ機[商品名『DR8500−II』(日東精機(株)製)]にて粘着シート片を貼り付け(貼り付け圧力:0.25MPa、貼り付け速度2.4m/min)、23℃中に1時間放置後、ウエハ裏面研削機[商品名『8460』(DISCO社製)]にてウエハ裏面を表1記載の条件で、厚み730μmから250μmまで研削後、粘着シート片をテープ剥離機[商品名『HR8500−II』(日東精機 (株)製)]にて剥離する(剥離速度8m/min、剥離角度180度)。ウエハストリートおよびその周辺に水浸入した跡を光学顕微鏡で観察し、水浸入した面積比率を出す。水浸入が見られたものを『×』、見られなかったものを『○』とし評価を行った。
Figure 2006169496
(実施例1)
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた反応容器に、水180部、アクリル酸2−エチルヘキシル90部、メタクリル酸メチル8部、アクリル酸2部およびエーテルサルフェート型の反応性ノニオンアニオン系界面活性剤である商品名『アデカソープSE−10N』(エチレンオキサイド平均付加モル数10)(旭電化工業(株)製)をアルコール沈殿ろ過により精製し、不純物SO4 2-イオン濃度を560μg/gから70μg/g以下とした乳化剤2部を乳化機で乳化し得られたエマルションを仕込み、撹拌下1時間窒素置換した。以降、重合中の内浴温度は25℃に制御した。ここに、過酸化水素水(30重量%含有)0.1部を加えた後、アスコルビン酸0.05部および水10部からなるアスコルビン酸水溶液を0.5部添加し重合を開始させた。重合開始から5時間後から、残りのアスコルビン酸水溶液を2時間かけて滴下し、さらに2時間反応を熟成し完了した。その後、10重量%のアンモニア水で中和してアクリル重合体Aを含むエマルションを調製した。アクリル重合体Aのゲル分率は64%、ゾル分の重量平均分子量は390万であった。
前記エマルションに、該エマルションの固形分100部に対して、油溶性架橋剤として1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン[商品名『テトラッドC』(三菱瓦斯化学(株)製)]を2部、水溶性架橋剤として商品名『エポクロスWS−500』((株)日本触媒製)を0.5部添加してなるアクリル粘着剤を、ポリオレフィンフィルム(厚さ60μm)の片面に塗工し、100℃×3minで乾燥させ、厚さ15μmの粘着剤層を形成し、粘着剤層面に、コロナ放電式で表面酸化処理をしたエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム(厚さ135μm)を貼り合わせ、粘着剤層を転写し粘着シートを得た。
粘着剤層の、ガラス転移温度は−60℃、初期弾性率は0.62MPa、最大強度は2.7MPa、破断伸びは185%、ゲル分率は98%であった。また、粘着シートのシリコンウエハへの粘着力は1.63N/20mm、すりガラスへの粘着力は0.30N/50mmであった。
(実施例2)
モノマー組成をアクリル酸n−ブチル96部、メタクリル酸メチル2部、アクリル酸2部とした以外は実施例1と同様の処方にてアクリル重合体Bを含むエマルションを調製した。アクリル重合体Bのゲル分率は70%、ゾル分の重量平均分子量は430万であった。続いて、実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。粘着剤層の、ガラス転移温度は−51℃、初期弾性率は0.89MPa、最大強度は2.9MPa、破断伸びは190%、ゲル分率は98%であった。また、粘着シートのシリコンウエハへの粘着力は0.98N/20mm、すりガラスへの粘着力は0.27N/50mmであった。
(実施例3)
乳化剤として、商品名『アデカソープSE−10N』(旭電化工業(株)製)の代わりに、反応性ノニオンアニオン系界面活性剤である商品名『アクアロンHS−10』(第一工業製薬(株)製)(エチレンオキサイド平均付加モル数10)を2部とした以外は、実施例1と同様の処方にてアクリル重合体Cを含むエマルションを調製した。アクリル重合体Cのゲル分率は65%、ゾル分の重量平均分子量は380万であった。続いて、実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。粘着剤層の、ガラス転移温度は−60℃、初期弾性率は0.60MPa、最大強度は2.7MPa、破断伸びは195%、ゲル分率は98%であった。また、粘着シートのシリコンウエハへの粘着力は1.60N/20mm、すりガラスへの粘着力は0.31N/mmであった。
(実施例4)
モノマー組成をアクリル酸2−エチルエチルヘキシル65部、メタクリル酸n−ブチル33部、アクリル酸2部とした以外は、実施例1と同様の処方にてアクリル重合体Dを含むエマルションを調製した。アクリル重合体Dのゲル分率は75%、ゾル分の重量平均分子量は400万であった。続いて、実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。粘着剤層のガラス転移温度は−49℃、初期弾性率は0.75MPa、最大強度は2.01MPa、破断伸びは205%、ゲル分率は98%であった。また、粘着シートのシリコンウエハへの粘着力は1.06N/20mm、すりガラスへの粘着力は0.43N/50mmであった。
(実施例5)
乳化剤として、エーテルサルフェート型の反応性ノニオンアニオン系界面活性剤の代わりに、カルボキシル基を含む乳化剤である商品名『ニューコール293』(日本乳化剤(株)製;モノアルキルスルホコハク酸ナトリウム)2部を使用した以外は、実施例1と同様の処方にてアクリル重合体Eを含むエマルションを調製し、さらに実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。粘着剤層の、ガラス転移温度は−60℃、初期弾性率は0.61MPa、最大強度は2.5MPa、破断伸びは205%、ゲル分率は97%であった。
(実施例6)
モノマーをアクリル酸n−ブチル96部、メタクリル酸メチル2部、アクリル酸2部とした以外は、実施例5と同様の処方にてアクリル重合体Fを含むエマルションを調製し、さらに実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。粘着剤層の、ガラス転移温度は−51℃、初期弾性率は0.88MPa、最大強度は3.1MPa、破断伸びは220%、ゲル分率は98%であった。
(比較例1)
モノマー組成をアクリル酸エチル98部、アクリル酸2部とした以外は、実施例1と同様の処方にてアクリル重合体Gを含むエマルションを調製した。アクリル重合体Eのゲル分率は72%、ゾル分の重量平均分子量は420万であった。続いて、実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃、初期弾性率は2.23MPa、最大強度は8.6MPa、破断伸びは160%、ゲル分率は99%であった。また、粘着シートのシリコンウエハへの粘着力は0.71N/20mm、すりガラスへの粘着力は0.06N/50mmであった。
(比較例2)
油溶性架橋剤として1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン[商品名『テトラッドC』(三菱瓦斯化学(株)製)]を0.1部添加、水溶性架橋剤として 商品名『エポクロスWS−500』((株)日本触媒製)を0.5部添加した以外は実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。粘着剤層の、ガラス転移温度は−60℃、初期弾性率は0.53MPa、最大強度は2.2MPa、破断伸びは900%、ゲル分率は82%であった。また、粘着シートのシリコンウエハへの粘着力は2.11N/20mm、すりガラスへの粘着力は0.40N/50mmであった。
(比較例3)
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた反応容器に、水180部、アクリル酸2−エチルヘキシル90部、メタクリル酸メチル8部、アクリル酸2部およびエーテルサルフェート型の反応性ノニオンアニオン系界面活性剤である商品名『アデカソープSE−10N』(旭電化工業(株)製)をアルコール沈殿ろ過により精製し、SO4 2-イオン濃度を560μg/gから70μg/g以下とした乳化剤2部を乳化機で乳化して得られたエマルションを仕込み、撹拌下1時間窒素置換した。ここに、2,2′−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン][商品名『VA−057』(和光純薬(株)製)]0.03部および水3部からなる水溶液を添加し、58℃で5時間重合を行った。その後、10重量%のアンモニア水で中和してアクリル重合体Hを含むエマルションを調製した。アクリル重合体Hのゲル分率は60%、ゾル分の重量平均分子量は115万であった。続いて、実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。
粘着剤層の、ガラス転移温度は−60℃、初期弾性率は0.60MPa、最大強度は2.5MPa、破断伸びは170%、ゲル分率は95%であった。また、粘着シートのシリコンウエハへの粘着力は1.58N/20mm、すりガラスへの粘着力は0.31N/50mmであった。
(比較例4)
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた反応容器に、水180部、アクリル酸2−エチルヘキシル90部、メタクリル酸メチル8部、アクリル酸2部およびエーテルサルフェート型の反応性ノニオンアニオン系界面活性剤である商品名『アデカソープSE−10N』(旭電化工業(株)製)をアルコール沈殿ろ過により精製し、SO4 2-イオン濃度を560μg/gから70μg/g以下とした乳化剤2部を乳化機で乳化して得られたエマルションを仕込み、撹拌下1時間窒素置換した。ここに、過硫酸アンモニウム0.03部および水3部からなる水溶液を添加し、72℃で5時間重合を行った。その後、10重量%のアンモニア水で中和してアクリル重合体Iをを含むエマルションを調製した。アクリル重合体Iのゲル分率は55%、ゾル分の重量平均分子量は63万であった。続いて、実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。
粘着剤層の、ガラス転移温度は−60℃、初期弾性率は0.60MPa、最大強度は2.2MPa、破断伸びは160%、ゲル分率は94%であった。また、粘着シートのシリコンウエハへの粘着力は1.55N/20mm、すりガラスへの粘着力は0.31N/50mmであった。
(比較例5)
油溶性架橋剤を添加せず、水溶性架橋剤として商品名『エポクロスWS−500』((株)日本触媒製)を2.5部添加した以外は実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。 粘着剤層の、ガラス転移温度は−60℃、初期弾性率は0.51MPa、最大強度は1.9MPa、破断伸びは900%、ゲル分率は75%であった また、粘着シートのシリコンウエハへの粘着力は2.30N/20mm、すりガラスへの粘着力は0.51N/50mmであった。
(比較例6)
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた反応容器に、水180部、アクリル酸2−エチルヘキシル90部、メタクリル酸メチル8部、アクリル酸2部およびエーテルサルフェート型の反応性ノニオンアニオン系界面活性剤である商品名『アデカソープSE−10N』(旭電化工業(株)製)(エチレンオキサイド平均付加モル数10)をアルコール沈殿ろ過により精製し、SO4 2-イオン濃度を560μg/gから70μg/g以下とした乳化剤2部を乳化機で乳化して得られたエマルションを仕込み、撹拌下1時間窒素置換した。 以降、重合中の内浴温度は30℃に制御した。ここに、過酸化水素水(30重量%含有)0.5部を加えた後、アスコルビン酸1.5部および水20部からなるアスコルビン酸水溶液を30℃で2時間かけて滴下し、30℃で2時間熟成を行った。その後、10重量%のアンモニア水で中和してアクリル重合体Jを含むエマルションを調製した。アクリル重合体Jのゲル分率は61%、ゾル分の重量平均分子量は150万であった。続いて、実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。粘着剤層の、ガラス転移温度は−60℃、初期弾性率は0.61MPa、最大強度は2.5MPa、破断伸びは175%、ゲル分率は97%であった。また、粘着シートのシリコンウエハへの粘着力は1.50N/20mm、すりガラスへの粘着力は0.30N/50mmであった。
(比較例7)
モノマーをアクリル酸エチル98部、アクリル酸2部とした以外は実施例5と同様の処方にてアクリル重合体Kを含むエマルションを調製した。続いて、アクリル重合体Kを含むエマルションを用いて実施例1と同様の処方にて粘着テープを作製した。粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃、初期弾性率は2.23MPa、最大強度は8.6MPa、破断伸びは160%、ゲル分率は99%であった。
(比較例8)
実施例5と同様の処方にて得られたアクリル重合体Eを含むエマルションを用い、架橋剤として1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン[商品名『テトラッドC』(三菱瓦斯化学(株)製)]を0.1部、商品名『エポクロスWS−500』((株)日本触媒製)を0.5部添加した以外は実施例1と同様の処方にて粘着シートを作製した。粘着剤層のガラス転移温度は−60℃、初期弾性率は0.53MPa、最大強度は2.0MPa,破断伸びは950%、ゲル分率は80%であった。
Figure 2006169496
表2の結果から明らかなように、実施例の粘着シートは対ウエハ有機物汚染増加量が5atomic%以下、パーティクル数も25個/4インチウエハ以下であり、被着体表面への汚染が少なく、また糊残り性や耐水浸入性が良好である再剥離用水分散型アクリル系粘着シートであることがわかる。これに対し、粘着剤層のガラス転移温度が高く、初期弾性率が高い比較例1、7では耐水浸入性が低く、また粘着剤層のゲル分率が低い比較例2、8では被着体への汚染物、パーティクル数が多く、糊残り性も悪い。また、アクリル重合体のゾル分の重量平均分子量が低く、粘着剤層の破断伸びの低い比較例3や比較例4では、被着体汚染が多くなっている。また、油溶性架橋剤を使用せず、水溶性架橋剤のみを使用し、粘着剤層のゲル分率の低い比較例5では被着体への汚染物が多く、パーティクル数が多く、糊残り性も悪くなっている。また、レドックス系重合開始剤を使用しているものの、アクリル重合体のゾル分の重量平均分子量が低く、粘着剤層の破断伸びの低い比較例6では、被着体への汚染物が多くなっている。

Claims (8)

  1. 支持体上にアクリルエマルション系重合体を主成分とする粘着剤組成物からなる粘着剤層が設けられ、被着体に貼付後再剥離可能な再剥離用水分散型アクリル系粘着シートであって、前記粘着剤層の引張試験における初期弾性率が0.20〜1.50MPa、最大強度が2.0〜8.0MPa、破断伸びが180〜900%であり、且つ粘着剤層のゲル分率が90%以上であることを特徴とする再剥離用水分散型アクリル系粘着シート。
  2. 引張速度3m/min時のシリコンウエハへの粘着力が0.8〜5.0N/20mmであり、引張速度300mm/min時のすりガラスへの粘着力が0.25N/50mm以上である、請求項1記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着シート。
  3. 請求項1又は2記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートの粘着剤層を形成するための粘着剤組成物であって、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー混合物と、ラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤と、レドックス系重合開始剤によるエマルション重合によって得られるアクリルエマルション系重合体を主成分として含み、該重合体のゲル分率が60%以上、ゾル分の重量平均分子量が200万以上であることを特徴とする粘着剤組成物。
  4. ラジカル重合性官能基を含む反応性乳化剤が、エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド平均付加モル数15以下のノニオンアニオン系反応性乳化剤である請求項3記載の粘着剤組成物。
  5. 請求項1又は2記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートの粘着剤層を形成するための粘着剤組成物であって、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー混合物と、カルボキシル基又はその塩を含有する乳化剤によるエマルション重合によって得られるアクリルエマルション系重合体を主成分とし、カルボキシル基と反応し得る官能基を有する架橋剤を含む粘着剤組成物。
  6. アクリルエマルション系重合体が、レドックス系重合開始剤によるエマルション重合によって得られるアクリルエマルション系重合体である請求項5記載の粘着剤組成物。
  7. 架橋剤として油溶性架橋剤と水溶性架橋剤がそれぞれ1種類以上配合されており、架橋後の組成物のガラス転移温度が−80〜−20℃となり、ゲル分率が90%以上となる請求項3〜6の何れかの項に記載の粘着剤組成物。
  8. 請求項1又は2記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを用いた半導体ウエハ加工用粘着シート。
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