JP2004091563A - 再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物及び粘着シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー成分(A1)、ラジカル重合性官能基を有し且つエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下のノニオンアニオン系反応性乳化剤(A2)、及びレドックス系重合開始剤(A3)を用いたエマルション重合により得られるアクリルエマルション系重合体(A)と、油溶性架橋剤(B)と、水溶性架橋剤(C)とを含有し、乾燥又は硬化後のガラス転移温度が−50〜0℃、23℃における貯蔵弾性率が2.0×105〜3.0×106Pa、ゲル分率が90重量%以上となることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リードフレームなどの微細加工部品の製造の際に表面保護や破損防止などのために使用される低汚染性の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートおよび該粘着シートの粘着剤層に用いられる再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物に関する。特に、半導体ウエハの裏面研削時やダイシング時に使用される半導体ウエハ加工用粘着シートとして好適に用いられる再剥離用水分散型アクリル系粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リードフレームなどの微細加工部品の製造の際に、該微細加工部品の表面保護や破損防止のために再剥離用粘着シートが使用されている。このような再剥離用粘着シートとしては、微細加工部品と接触する粘着剤層に起因する有機物やパーティクル等により被着体を汚染しない、いわゆる「非汚染タイプ」であることが要求される。そのため、従来、このような用途で用いられる再剥離用粘着シートの粘着剤層を形成する粘着剤としては、溶剤型のアクリル系粘着剤が用いられてきた。しかし、溶剤型アクリル系粘着剤は有機溶媒中で合成され且つ有機溶剤を含有しており、再剥離用粘着シートを製造する際の粘着剤の塗工時に溶剤が揮発するため、環境的に問題があり、水分散型のアクリル系粘着剤への転換が求められている。しかしながら、水分散型アクリル系粘着剤は、乳化剤等を含有しているため、この乳化剤等により被着体の汚染が生じ、溶剤型アクリル系粘着剤に比べ、被着体への低汚染性を達成することは困難であった。
【0003】
また、特に半導体集積回路の加工用途において用いられる半導体ウエハ加工用粘着シートにおいては、この非汚染性又は低汚染性の特性は重要である。半導体集積回路は、通常、高純度シリコン単結晶などをスライスしてウエハとした後、ウエハ表面にIC(integrated circuit)などの所定の回路パターンをエッチング形成して集積回路を組み込み、ついでウエハ裏面を研削機により研削して、ウエハの厚さを100〜600μm程度まで薄くし、最後にダイシングしてチップ化することにより製造されている。ここで、上記研削時には、ウエハ表面に粘着シートを貼り付けて、ウエハの破損を防止したり、研削加工を容易にしている。また、上記ダイシング時には、ウエハ裏面側に粘着シートを貼り付けて、ウエハを接着固定した状態でダイシングし、形成されるチップをフィルム基材側よりニードルで突き上げてピックアップし、ダイパッド上に固定させている。
【0004】
このような目的で用いられる半導体ウエハ加工用粘着シートは、研削加工やダイシング加工中に剥離しない程度の粘着力が必要である一方、研削加工後や、ダイシング後のピックアップ時には容易に剥離でき、また半導体ウエハを破損しない程度の低い粘着力であることが要求され、さらにウエハ表面やウエハ裏面に糊残りを生じず、これらの面を汚染しない又は該汚染が少ないものであることが必要である。特に近年、半導体集積回路の高密度化および高性能化等に伴い、半導体ウエハおよび該半導体ウエハから得られる半導体チップの回路面に対する汚染の管理が厳しくなってきている。そのため、半導体ウエハ加工用粘着シートには従来よりも低汚染性がより一層求められるようになっている。
【0005】
なお、ウエハ表面の汚染物は、ワイヤーボンディングのシェア強度へ影響を与えることが知られている。すなわち、半導体チップを製造する際に行われるワイヤーボンディングにおいて、ボールとパッド間の接着強度が高いことが要求されるが、ウエハ上のアルミニウム表面に付着した有機物やパーティクル等は、金製ワイヤーのアルミニウム表面への接着を阻害する要因となり、アルミニウム表面に多量の汚染物質が付着していると、ワイヤーボンディングのシェア強度が低下するという問題が発生する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、水分散型アクリル系粘着剤組成物であっても、優れた低汚染性を発揮できる再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物及び粘着シートを提供することにある。
本発明の他の目的は、再剥離した際の被着体表面への汚染が少なく、半導体ウエハ加工用粘着シートとして好適な再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討した結果、アクリルエマルション系重合体を調製する際の各成分(モノマー成分、乳化剤、重合開始剤など)の種類や重合条件、架橋剤の種類、及び乾燥又は硬化後の物性値等をコントロールすることにより、従来にない優れた低汚染性を発揮できる再剥離用水分散型アクリル系粘着シートが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー成分(A1)、ラジカル重合性官能基を有し且つエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下のノニオンアニオン系反応性乳化剤(A2)、及びレドックス系重合開始剤(A3)を用いたエマルション重合により得られるアクリルエマルション系重合体(A)と、油溶性架橋剤(B)と、水溶性架橋剤(C)とを含有し、乾燥又は硬化後のガラス転移温度が−50〜0℃、23℃における貯蔵弾性率が2.0×105〜3.0×106Pa、ゲル分率が90重量%以上となることを特徴とする再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物である。
【0009】
本発明は、また、前記再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物による粘着剤層を有することを特徴とする再剥離用水分散型アクリル系粘着シートである。
【0010】
このような再剥離用水分散型アクリル系粘着シートとしては、アルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面に貼付し40℃で24時間保存後に再剥離した際の、前記アルミニウム蒸着面上の炭素原子の増加量が5atomic%以下であることが好ましい。また、4インチミラーウエハのミラー面に貼付し23℃で1時間保存後に再剥離した際の、前記ミラー面上の粒径0.28μm以上のパーティクル数が25個/4インチウエハ以下であることが好ましい。本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、半導体ウエハ加工用粘着シートとして好適に用いることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物は、アクリルエマルション系重合体(A)と、油溶性架橋剤(B)と、水溶性架橋剤(C)とを含有している。すなわち、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物では、樹脂成分の主成分として特定のアクリルエマルション系重合体(A)が用いられており、また架橋剤として油溶性架橋剤(B)および水溶性架橋剤(C)が用いられている。
【0012】
[アクリルエマルション系重合体(A)]
アクリルエマルション系重合体(A)は、前述のように、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー成分(A1)と、ラジカル重合性官能基を有し且つエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下のノニオンアニオン系反応性乳化剤(A2)と、レドックス系重合開始剤(A3)とを用いたエマルション重合により調製されたアクリルエマルション系重合体である。アクリルエマルション系重合体(A)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0013】
モノマー成分(A1)は、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマーとしており、必要に応じて前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能な他のモノマー(共重合性モノマー)が含有されていてもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの(メタ)アクリル酸C1−20アルキル(直鎖状又は分岐鎖状のアルキル)エステルなどが挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、目的とする粘着性などに応じて適宜選択することができる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0014】
本発明では、前述のように、前記主モノマーの他に、必要に応じてエマルション粒子の安定化、粘着剤層の支持体(基材)への密着性の向上、また被着体への初期接着性の向上などを目的として、共重合性モノマーを併用することができる。この共重合性モノマーは、全モノマー成分全量(モノマー混合物)中60重量%以下、好ましくは25重量%以下の範囲で、モノマー混合物中の各モノマーの種類に応じて適宜その使用量を選択できる。
【0015】
共重合性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸(アクリル酸、メタクリル酸)、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、カルボキシエチルアクリレート、カルボキシペンチルアクリレート等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、無水イコタン酸等の酸無水物基含有モノマー;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル等の(メタ)アクリル酸脂環式炭化水素エステル;(メタ)アクリル酸フェニル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;スチレン等のスチレン系モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマー;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メチロールプロパン(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル等の窒素原子含有系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどのアルコキシ基含有モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;イソプレン、ブタジエン、イソブチレンなどのオレフィン系モノマー;ビニルエーテルなどのビニルエーテル系モノマーの他、N−ビニルピロリドン、メチルビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリドン、ビニルピリミジン、ビニルピペラジン、ビニルピラジン、ビニルピロール、ビニルイミダゾール、ビニルオキサゾール、ビニルモルホリン等のビニル基含有複素環化合物や、N−ビニルカルボン酸アミド類などが挙げられる。
【0016】
また、共重合性モノマーとして、例えば、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミドなどのマレイミド系モノマー;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミドなどのイタコンイミド系モノマー;N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクルロイル−6−オキシヘキサメチレンスクシンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンスクシンイミドなどのスクシンイミド系モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸などのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコール、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピレングリコールなどのグリコール系アクリルエステルモノマー;(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、フッ素(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリレートなどの複素環、ハロゲン原子又はケイ素原子を含有するアクリル酸エステル系モノマーなども用いることができる。
【0017】
さらにまた、共重合性モノマーとしては、接着剤組成物のゲル分率調整等のために、多官能性モノマーを用いることができる。多官能モノマーとしては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(モノ又はポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレートや、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等の(モノ又はポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モノ又はポリ)アルキレングリコールジ(メタ)アクリレートの他、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。また、多官能性モノマーとして、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなども用いることができる。
【0018】
なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、モノマー成分(A1)の主成分として用いられているので、モノマー成分(A1)全量に対して50重量%以上の割合であることが重要であり、好ましくは60重量%以上、さらに好ましくは70重量%以上である。なお、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有割合の上限は、特に制限されず、例えば、モノマー成分(A1)全量に対して100重量%(好ましくは99重量%、さらに好ましくは98重量%)であってもよい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有割合がモノマー成分(A1)全量に対して50重量%未満であると、良好な剥離力および凝集力を発揮する粘着剤が得られない場合がある。
【0019】
ラジカル重合性官能基を有し且つエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下のノニオンアニオン系反応性乳化剤(A2)(以下「反応性乳化剤(A2)」と称する場合がある)としては、例えば、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下のポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下のノニオンアニオン系反応性乳化剤に、プロペニル基やアリルエーテル基等のラジカル重合性官能基(ラジカル反応性基)が導入された形態を有する(又は該形態に相当する)反応性乳化剤が挙げられる。反応性乳化剤(A2)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0020】
なお、反応性乳化剤(A2)において、ノニオンアニオン系乳化剤とは、非イオン性の親水性基を持つアニオン系反応性乳化剤のことを意味している。従って、反応性乳化剤(A2)には、非イオン性の親水性基(例えば、ポリオキシエチレンやポリオキシプロピレン等のポリオキシアルキレン基など)を有していないアニオン系乳化剤に、アルキレンオキサイド(エチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等)の付加によるポリオキシアルキレン基などの非イオン性の親水性基を有し、且つラジカル重合性官能基を有する反応性乳化剤が含まれる。
【0021】
反応性乳化剤(A2)において、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数は、15以下であることが重要であり、好ましくは13以下、さらに好ましくは10以下である。このような反応性乳化剤(A2)としては、商品名「アデカソープSE−10N」(旭電化工業(株)製;エチレンオキサイドの平均付加モル数10)、商品名「アクアロンHS−10」(第一工業製薬(株)製;(エチレンオキサイドの平均付加モル数10)、商品名「アクアロンHS−05」(第一工業製薬(株)製;エチレンオキサイドの平均付加モル数5)などが市販されている。エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15を超えると、ウエハへの有機物汚染量が増加する場合がある。
【0022】
なお、他の公知乃至慣用の乳化剤(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤;、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤など)を反応性乳化剤(A2)と併用することができる。また、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン系乳化剤や、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーなどのノニオン系乳化剤などの乳化剤に、プロペニル基やアリルエーテル基等のラジカル重合性官能基(ラジカル反応性基)が導入された形態を有する(又は該形態に相当する)反応性乳化剤も反応性乳化剤(A2)と併用することができる。
【0023】
本発明では、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを半導体ウエハ加工用粘着シートとして用いる場合は、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物中の不純物イオンが問題となる場合がある。そのため、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物としては、含まれる不純物イオンが低減又は除去されていることが望ましい。従って、反応性乳化剤(A2)としては、例えば、SO42−イオンの濃度が100μg/g以下であることが望ましい。また、反応性乳化剤(A2)としては、アンモニウム塩型の乳化剤を用いることが望ましい。なお、不純物イオンを低減又は除去する方法としては、例えば、イオン交換樹脂法、膜分離法、アルコールを用いた不純物の沈殿ろ過法などの適宜な方法を用いることができる。
【0024】
反応性乳化剤(A2)の割合としては、モノマー成分(A1)100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは0.5〜3重量部程度である。反応性乳化剤(A2)の配合量がモノマー成分(A1)100重量部に対して5重量部を超えると、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物の凝集力が低下して、被着体への汚染量が増加し、また反応性乳化剤(A2)自身による汚染も生じる場合がある。一方、反応性乳化剤(A2)の割合がモノマー成分(A1)100重量部に対して0.1重量部未満では、安定した乳化が維持できない場合がある。
【0025】
本発明では、ウエハへの有機物汚染量の減少に特に効果があることから、重合開始剤としてレドックス系重合開始剤(A3)を用いている。レドックス系重合開始剤(A3)としては、過酸化物と還元剤との組み合わせによるレドックス系開始剤、例えば、過酸化物とアスコルビン酸との組み合わせ(過酸化水素水とアスコルビン酸との組み合わせ等)、過酸化物と鉄(II)塩との組み合わせ(過酸化水素水と鉄(II)塩との組み合わせ等)、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせによるレドックス系重合開始剤などが挙げられる。
【0026】
なお、レドックス系重合開始剤(A3)以外の重合開始剤、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)などのアゾ系重合開始剤;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物系重合開始剤などを、レドックス系重合開始剤(A3)と併用することも可能である。
【0027】
なお、重合開始剤としてレドックス系重合開始剤(A3)を用いると、ウエハへの有機物汚染量の減少に特に効果があることの理由については明確ではないが、レドックス系重合開始剤(A3)を用いることにより、アクリルエマルション系重合体(A)としては、高分子量のものが得られやすく、しかも低分子量成分の割合が少ないことに起因していると推定される。
【0028】
また、粘着シートにて不純物イオンが問題となる場合には、イオン成分を含まないレドックス系重合開始剤(A3)を用いることが望ましく、この観点から、例えば、レドックス系重合開始剤(A3)としては、過酸化水素水とアスコルビン酸との組み合わせが好適である。なお、重合開始剤としてレドックス系重合開始剤(A3)を用いているため、重合温度は50℃以下、好ましくは30℃以下とすることが望ましい。レドックス系重合開始剤(A3)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0029】
レドックス系重合開始剤(A3)の使用量は、その種類やモノマー成分(A1)の種類などに応じて適宜決定することができ、通常、モノマー成分(A1)100重量部に対して0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.5重量部であることが望ましい。
【0030】
アクリルエマルション系重合体(A)は、前述のように、モノマー成分(A1)、反応性乳化剤(A2)、及びレドックス系重合開始剤(A3)を用いたエマルション重合により得られる。従って、アクリルエマルション系重合体(A)は、エマルションの形態で調製されている。前記エマルション重合方法としては、公知乃至慣用のエマルション重合方法を採用することができる。具体的には、一般的な一括仕込み方法(一括重合方法)、モノマー滴下方法、モノマーエマルジョン滴下方法などを利用したエマルション重合方法が挙げられる。モノマーなどを滴下する場合は、連続的に滴下してもよく、分割して滴下してもよい。なお、重合温度は、レドックス系重合開始剤(A3)の種類などに応じて適宜選択することができ、例えば、5〜100℃の範囲から選択できる。
【0031】
本発明では、アクリルエマルション系重合体(A)の分子量を調整するために、連鎖移動剤を用いてもよい。連鎖移動剤としては、特に制限されず、公知乃至慣用の連鎖移動剤、例えば、ラウリルメルカプタン、グリシジルメルカプタン、メルカプト酢酸、2−メルカプトエタノール、チオグリコール酸、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、2,3−ジメチルカプト−1−プロパノールなどが挙げられる。連鎖移動剤は単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。連鎖移動剤の使用量は、通常、モノマー成分(A1)100重量部に対して0.001〜0.5重量部程度である。
【0032】
本発明では、このようにして得られたアクリルエマルション系重合体(A)に油溶性架橋剤(B)と水溶性架橋剤(C)とをそれぞれ1種類以上配合して、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物を調製している。すなわち、油溶性架橋剤(B)および水溶性架橋剤(C)によりアクリルエマルション系重合体(A)を架橋して硬化することにより、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層を形成している。このように、架橋剤として、油溶性架橋剤(B)と水溶性架橋剤(C)とを用いているので、ウエハ等の被着体への有機物汚染量の減少やパーティクル数の減量に特に効果が発揮される。この理由については明確ではないが、次のように推定している。
【0033】
油溶性架橋剤(B)は、エマルション粒子内部を架橋させており、この架橋により特に粘着剤のゲル分率が効果的に高められる。従って、油溶性架橋剤(B)を用いることにより、ウエハ等の被着体への有機物汚染量やパーティクル数の減少(特に、ウエハ等の被着体への有機物汚染量の減少)が効果的に発揮されると思われる。なお、油溶性架橋剤(B)の添加量は、その分子量、官能基数によってさまざまとすることができ、この油溶性架橋剤(B)の添加量は、ウエハへの有機物汚染量やパーティクル数に関与し、特にウエハへの有機物汚染量に大きく影響を及ぼしている。なお、油溶性架橋剤(B)の添加量が少ない場合、粘着剤のゲル分率が低くなり、ウエハへの有機物汚染量が多くなる。
【0034】
水溶性架橋剤(C)は、主にエマルション粒子表面近傍に存在し、エマルション粒子とエマルション粒子との間を架橋するように働く傾向がある。従って、水溶性架橋剤(C)を用いることにより、エマルション粒子とエマルション粒子との間の結合力が高まり、エマルション粒子(群)によるパーティクル汚染が抑制又は防止されると思われる。なお、エマルション型の粘着剤の乾燥温度が低い場合、エマルション粒子とエマルション粒子との間のポリマー分子はあまり拡散しないため、エマルション粒子とエマルション粒子との間の結合力が低く、粘着シートの剥離時に、エマルション粒子(群)がウエハ等の被着体に転写されパーティクルとなり検出される。しかし、前述のように、水溶性架橋剤(C)の添加はパーティクル数に影響を及ぼすことができるので、該水溶性架橋剤(C)を添加すると、エマルション粒子とエマルション粒子との間の結合力が高まり、エマルション粒子(群)によるパーティクル汚染を効果的に抑制又は防止することができるようになる。
【0035】
油溶性架橋剤(B)としては、例えば、N,N,N´,N´−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のエポキシ系油溶性架橋剤;トリレンジイソシアネート(ブロック)等のイソシアネート系油溶性架橋剤(ブロックイソシアネート系架橋剤など);商品名「カルボジライトV−01(日精紡(株)製)」等のカルボジイミド系油溶性架橋剤などが挙げられ、特に架橋効率の点でエポキシ系架橋剤が好ましい。油溶性架橋剤(B)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0036】
油溶性架橋剤(B)の割合としては、例えば、アクリルエマルション系重合体(A)100重量部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜4重量部、さらに好ましくは1〜3重量部程度の範囲から選択することができる。
【0037】
水溶性架橋剤(C)としては、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル等のエポキシ系水溶性架橋剤;商品名「エラストロンBN−69(第一工業製薬(株)製)」、商品名「エポクロスWS−500((株)日本触媒製)」等のオキサゾリン系水溶性架橋剤;商品名「ケミタイトPZ−33((株)日本触媒製)」等のアジリジン系水溶性架橋剤、商品名「カルボジライトV−02(日清紡(株)製)」等の親水化処理カルボジイミド系水溶性架橋剤;ヘキサメチロールメラミンなどの活性メチロール、ヘキサメトキシメチルメラミンなどの活性アルコキシメチル等の活性メチロール基や活性アルコキシメチル基を含有する水溶性架橋剤;商品名「オルガチックスAI135(松本製薬工業(株)製)」等の金属キレート系水溶性架橋剤の他、水分散型イソシアネート系水溶性架橋剤、メラミン樹脂系水溶性架橋剤、過酸化物系水溶性架橋剤などが挙げられ、特に架橋効率の点でオキサゾリン系水溶性架橋剤が好ましい。水溶性架橋剤(C)は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0038】
水溶性架橋剤(C)の割合としては、例えば、アクリルエマルション系重合体(A)100重量部に対して0.01〜3重量部、好ましくは0.1〜2重量部、さらに好ましくは0.2〜1重量部程度の範囲から選択することができる。
【0039】
なお、油溶性架橋剤(B)と水溶性架橋剤(C)との割合としては、例えば、前者/後者(重量比)=10/0.01〜0.1/3(好ましくは4/0.1〜0.5/2、さらに好ましくは3/0.1〜1/0.2)程度の範囲から選択することができる。
【0040】
再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物には、必要に応じて、pHを調整するための塩基(アンモニア水など)や酸の他、粘着剤に通常使用される添加剤、例えば、剥離調整剤、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料や染料など)、老化防止剤、界面活性剤などが配合されていてもよい。
【0041】
このような再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物を乾燥又は硬化すると、ガラス転移温度が−50〜0℃、23℃における貯蔵弾性率が2.0×105〜3.0×106Pa、ゲル分率が90重量%以上とすることができる。
【0042】
[再剥離用水分散型アクリル系粘着シート]
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、前記再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物による粘着剤層を有している。すなわち、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、前記再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物により形成され、且つガラス転移温度が−50〜0℃、23℃における貯蔵弾性率が2.0×105〜3.0×106Pa、ゲル分率が90重量%以上である粘着剤層を有している。具体的には、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートとしては、例えば、支持体(基材)と、該支持体上に形成された、前記再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物による粘着剤層とを有する構成などが挙げられる。なお、該再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、被着体に貼着後再剥離することが可能な構成を有している。
【0043】
再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおいて、粘着剤層のガラス転移温度としては、−50〜0℃(好ましくは−30〜−2℃、さらに好ましくは−20〜−5℃)である。また、粘着剤層の貯蔵弾性率(23℃)としては、2.0×105〜3.0×106Pa(好ましくは2.5×105〜1.0×106Pa、さらに好ましくは3.0×105〜8.0×105Pa)である。さらにまた、粘着剤層のゲル分率としては、90重量%以上(好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは98重量%以上)である。なお、これらの物性値は、アクリルエマルション系重合体(A)、油溶性架橋剤(B)および水溶性架橋剤(C)の種類やその割合、粘着剤層を形成する際の硬化条件などにより調整することができ、特にモノマー成分(A1)の種類やその組み合わせにより前記物性値は大きく影響される。従って、モノマー成分(A1)における主モノマーとしての(メタ)アクリル酸アルキルエステルと、該主モノマーと共重合可能な他のモノマー(共重合性モノマー)との組み合わせを選択することにより、形成される粘着剤層の各物性値が上記特定範囲内となるようにすることができる。
【0044】
前記粘着剤層のガラス転移温度が0℃を超える場合や、貯蔵弾性率(23℃)が3.0×106Paを超える場合は、ウエハ等の被着体への接着性が低下する場合があり、一方、ガラス転移温度が−50℃未満である場合や、貯蔵弾性率(23℃)が2.0×105Pa未満の場合は、ウエハ等の被着体への汚染物の転写が増加する場合があって、いずれも好ましくない。特に、前記貯蔵弾性率(23℃)が3.0×106Paを超えると、エマルション粒子間の融着が不十分となる場合があり、ウエハ等の被着体へ転写するパーティクル数が増加する傾向にある。
【0045】
粘着剤層のガラス転移温度は、動的粘弾性測定方法により、動的粘弾性測定装置を用いて、周波数:1Hz、昇温速度:5℃/分、治具:φ7.9mmのパラレルプレート、粘着剤層の厚み:約1.5mmの条件で損失弾性率(G″)を測定し、得られた損失弾性率のピーク点の温度として求めることができる。
【0046】
また、粘着剤層の貯蔵弾性率(23℃)は、動的粘弾性測定方法により、動的粘弾性測定装置を用いて、周波数:1Hz、温度:23℃、治具:φ7.9mmのパラレルプレート、粘着剤層の厚み:約1.5mmの条件で貯蔵弾性率(G´)を測定して求めることができる。
【0047】
なお、粘着剤層のガラス転移温度や貯蔵弾性率を測定する際の動的粘弾性測定装置としては、例えば、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置「ARES」を用いることができる。
【0048】
また、前記ゲル分率が90重量%未満の場合は、ウエハ等の被着体への汚染物の転写が増加する場合がある。なお、粘着剤層のゲル分率の上限は、特に制限されず、100重量%であってもよいが、通常、99重量%である。このような粘着剤層のゲル分率は、約0.1gの試料(粘着剤層)をサンプリングして精秤(浸漬前の重量)し、これを約50mlの酢酸エチル中に室温(20〜25℃程度)で1週間浸漬したのち、溶剤(酢酸エチル)不溶分を取り出し、該溶剤不溶分を130℃で約1時間乾燥した後、秤量(浸漬・乾燥後の重量)して、ゲル分率算出式「ゲル分率(重量%)=[(浸漬・乾燥後の重量)/(浸漬前の重量)]×100」を用いて、算出することができる。
【0049】
本発明では、粘着剤層のゲル分率を調整するため、粘着剤層を形成した後(例えば、支持体上に粘着剤層を設けた後)、該粘着剤層に放射線を照射することにより硬化処理を行って、粘着剤層のゲル分率を増大させることもできる。このような放射線としては、活性エネルギー線として、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などを用いることができる。放射線の照射線量は、ゲル分率が90重量%以上となるように適宜調整すればよいが、例えば、電離性放射線の場合は、通常20Mrad以下、好ましくは10Mrad以下であることが好ましく、紫外線の場合は、通常3000mJ/cm2以下であることが望ましい。放射線の照射線量が多すぎると、粘着剤層を形成するための支持体(基材)の劣化が懸念される。
【0050】
なお、放射線として紫外線を照射する場合、使用する紫外線は180〜460nmの波長範囲のものが好ましく、その発生源には、水銀ランプ、メタハライドランプを使用するのが好ましい。また、紫外線を照射して硬化処理する際には、あらかじめ粘着剤組成物中に光反応開始剤(光増感剤)が含まれていることが好ましい。このような光反応開始剤としては、特に制限されず、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ジベンジル、ベンジルジメチルケタールなどが挙げられる。
【0051】
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおいて、粘着剤層の厚さは、特に制限されないが、例えば、5〜100μm、好ましくは10〜40μm程度である。
【0052】
前記粘着剤層は、支持体上に形成することができる。該支持体としては、例えば、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体等の適宜な薄葉体を用いることができる。支持体は、1種または2種以上を組み合わせて使用してもよい。支持体としては、プラスチックのフィルムやシートが好ましい。プラスチックのフィルムやシートの素材(プラスチック材)としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などが挙げられる。
【0053】
支持体の片面または両面には、粘着剤層との密着力の向上等を目的にコロナ処理やプラズマ処理等の物理的処理、下塗り剤等の化学的処理などの適宜な表面処理が施されていてもよい。
【0054】
支持体の厚さとしては、例えば、50〜300μm、好ましくは70〜200μm程度である。
【0055】
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートとしては、前記再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物による粘着剤層を支持体上に設けて、シート状やテープ状などの形態としたものを用いることができる。前記粘着剤層の保護のために、粘着剤層上に剥離フィルムが積層されていてもよい。このような再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、巻回体とすることができ、例えば、剥離フィルム(セパレータ)で粘着剤層を保護した状態でロール状に巻き取られて巻回体となっていてもよい。また、剥離フィルムを用いない場合は、粘着シートの背面にシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル系剥離剤などの剥離処理剤により背面処理を施してもよい。
【0056】
特に、本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを半導体ウエハ加工用粘着シートとして用いる場合には、支持体としてポリエチレンテレフタレート製フィルム、ポリブチレンテレフタレート製フィルム、ポリエチレンナフタレート製フィルムなどのポリエステル系フィルム;2軸延伸ポリプロピレン製フィルム、低密度ポリエチレン製フィルムなどのポリオレフィン系フィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体製フィルム、およびこれらのフィルムを含む多層フィルムなどを用いることが好ましい。特に支持体としてポリオレフィン系フィルムを用いた場合、シリコーン系剥離処理剤を用いなくても巻回体とすることが可能であり、この場合、ウエハ等の被着体へのシリコーン汚染を起こすことがないので、特に好ましい形態といえる。
【0057】
本発明において、前記再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物による粘着剤層を前記支持体上に形成する方法は特に限定されず、従来周知の形成方法(例えば、塗布方法や転写方法など)を用いることができる。
【0058】
なお、支持体としてポリオレフィン系フィルムを用いる場合、粘着剤層を形成する際に高温で乾燥を行うと、支持体の収縮等が起こるため、60〜100℃程度の温度で乾燥を行うことが望ましい。一方、支持体として耐熱性の高いポリエステル系フィルムを用いる場合、130℃程度までの高温で乾燥を行うことが可能である。
【0059】
再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、アルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面に貼付し40℃で24時間保存後に再剥離した際の、前記アルミニウム蒸着面上の炭素原子の増加量が、5atomic%以下であり、また、4インチミラーウエハのミラー面に貼付し23℃で1時間保存後に再剥離した際の、前記ミラー面上の粒径0.28μm以上のパーティクル数が、25個/4インチウエハ以下とすることができる。従って、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、ウエハ等の被着体に貼付した後、再剥離した際の被着体表面への汚染が少ない。
【0060】
具体的には、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートをアルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面に貼付し40℃で24時間保存後に再剥離した際の、前記アルミニウム蒸着面上の炭素原子の増加量としては、5atomic%以下であれば特に制限されないが、4atomic%以下(さらには3atomic%以下)であることが好ましい。
【0061】
本発明では、乳化剤としてエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドが付加された形態を有し且つエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下であり且つラジカル重合性官能基を有するノニオンアニオン系反応性乳化剤(A2)を用いるとともに、重合開始剤としてレドックス系重合開始剤(A3)を用いているので、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートをアルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面に貼付し40℃で24時間保存後に再剥離した際の、前記アルミニウム蒸着面上の炭素原子の増加量を5atomic%以下とすることができる。
【0062】
このようなアルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面上の炭素原子の増加量は、アルミニオウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面に、評価用の粘着シートを貼り合わせた後、40℃で1日(24時間)放置後、前記粘着シートを剥離したものを、アルバックファイ社製のESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)装置を用い、アルミニウム蒸着面に転写した有機物の炭素原子の量(atomic%)を測定し、また、予めシートを貼り付ける前のアルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面上の炭素原子の量(atomic%)を測定し、これらの測定値から、粘着シートを貼付することにより、アルミニウム蒸着面上の炭素原子が増加した量(すなわち、両測定値の差)を算出して評価することができる。
【0063】
なお、アルミニウム蒸着ウエハにおけるアルミニウムには、アルミニウム原子単独物だけでなく、アルミニウム原子を含む化合物(例えば、98.5重量%のアルミニウム原子と、1重量%のケイ素原子と、0.5重量%の銅原子とを含む混合物又は化合物など)が含まれる。
【0064】
また、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを4インチミラーウエハのミラー面に貼付し23℃で1時間保存後に再剥離した際の、前記ミラー面上の粒径0.28μm以上のパーティクル数としては、25個/4インチウエハ以下であれば特に制限されないが、好ましくは20個/4インチウエハ以下であり、更に好ましくは18個/4インチウエハ以下、特に15個/4インチウエハ以下である。
【0065】
このようなミラーウエハのミラー面上の粒径0.28μm以上のパーティクル数は、クリーンルーム内で、ミラーウエハのミラー面に評価用の粘着シートを貼り合わせた後、23℃、60%RHで1時間放置後、前記粘着シートを剥離したものを、ミラーウエハのミラー面上の粒径0.28μm以上のパーティクル数をレーザー表面検査装置にて測定して評価することができる。
【0066】
なお、通常、ウエハ上の炭素原子の増加量とパーティクル数は同様の増加傾向を示すが、汚染物の種類によっては異なる傾向を示す場合もあり、両方の特性に優れていることが望ましい。
【0067】
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、従来にない低汚染性を発揮できる再剥離型粘着シートであり、特に半導体ウエハ加工用粘着シートとして好適に用いることができるが、その用途はなんら限定されるものではなく、例えば、半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リードフレームなどの微細加工部品の製造の際の表面保護や破損防止、あるいは異物等の除去、マスキングなどにも使用することができる。
【0068】
【発明の効果】
本発明の再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物によれば、前記構成を有しているので、水分散型アクリル系粘着剤組成物であっても、優れた低汚染性を発揮できる。このような再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物を用いて作製された再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、特に半導体ウエハの裏面研削時やダイシング時に使用される半導体ウエハ加工用粘着シートとして好適に用いることができ、半導体チップの製造時に行われるワイヤーボンディングにおいてアルミニウム表面と金製ワイヤーとの間で界面破壊が生じることがなく、高いシェア強度を維持させることができる。さらにまた、低汚染性であるという特徴を生かし、使用時または使用終了時に粘着シートの剥離を伴うような各種用途、たとえば、各種工業部材、特に半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リードフレームなどの微細加工部品の製造に際に表面保護や破損防止などのために使用する再剥離用水分散型アクリル系粘着シートとして、幅広く利用することができる。
【0069】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下において部とあるのは、すべて重量部を意味する。
【0070】
(実施例1)
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた反応容器に、水:180部と、モノマー成分としてのアクリル酸エチル:98部およびアクリル酸:2部と、商品名「アデカソープSE−10N」(旭電化工業(株)製;エーテルサルフェート型の反応性ノニオンアニオン系界面活性剤、エチレンオキサイドの平均付加モル数:10)をアルコール沈殿ろ過法により精製し不純物SO4 2−イオン濃度を560μg/gから70μg/g以下に低減した乳化剤:2部とを乳化機で乳化して得られたエマルジョン溶液を仕込み、撹拌下で1時間窒素置換した。ここに、過酸化水素水(過酸化水素の濃度:30重量%):0.1部を加えた後、アスコルビン酸:0.5部および水:20部からなるアスコルビン酸水溶液を20℃で2時間かけて滴下し、20℃で2時間熟成を行なった。その後、10重量%のアンモニア水で中和して、アクリルエマルション系重合体(「アクリル重合体A」と称する)を調製した。
【0071】
アクリル重合体A:100部に、油溶性架橋剤として1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(商品名「テトラッドC」三菱瓦斯化学(株)製)を2部、および水溶性架橋剤として商品名「エポクロスWS−500」((株)日本触媒製)を0.5部添加して、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤A」と称する)を調製した。
【0072】
アクリル系粘着剤Aを、ポリオレフィンフィルム(厚さ:60μm)の片面に塗工した後、80℃で3分間乾燥させて、厚さ(乾燥後の厚さ):15μmの粘着剤層を形成し、該粘着剤層面に、コロナ放電式で表面酸化処理をしたエチレン−酢酸ビニル共重合体フィルム(厚さ135μm)を貼り合せ、粘着剤層を転写して、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを得た。
【0073】
この実施例1に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は3.7×105Paであり、ゲル分率は99重量%であった。
【0074】
(実施例2)
モノマー成分としてアクリル酸n−ブチル:40部、メタクリル酸n−ブチル:58部およびアクリル酸:2部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアクリルエマルション系重合体(「アクリル重合体B」と称する)を調製した。さらに、このアクリル重合体Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤B」と称する)を調製した。さらにまた、このアクリル系粘着剤Bを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この実施例2に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−19℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は3.4×105Paであり、ゲル分率は98重量%であった。
【0075】
(実施例3)
乳化剤として、商品名「アクアロンHS−10」(第一工業製薬(株)製;反応性ノニオンアニオン系界面活性剤、エチレンオキサイドの平均付加モル数:10)をアルコール沈殿ろ過法により精製し不純物SO4 2−イオン濃度を850μg/gから70μg/g以下に低減した乳化剤:2部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアクリルエマルション系重合体(「アクリル重合体C」と称する)を調製した。さらに、このアクリル重合体Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤C」と称する)を調製した。さらにまた、このアクリル系粘着剤Cを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この実施例3に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は3.7×105Paであり、ゲル分率は98重量%であった。
【0076】
(実施例4)
乳化剤として、商品名「アクアロンHS−05」(第一工業製薬(株)製;反応性ノニオンアニオン系界面活性剤、エチレンオキサイドの平均付加モル数:5)をアルコール沈殿ろ過法により精製し不純物SO4 2−イオン濃度を900μg/gから70μg/g以下に低減した乳化剤:2部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアクリルエマルション系重合体(「アクリル重合体D」と称する)を調製した。さらに、このアクリル重合体Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤D」と称する)を調製した。さらにまた、このアクリル系粘着剤Dを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この実施例4に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は3.7×105Paであり、ゲル分率は98重量%であった。
【0077】
(比較例1)
モノマー成分としてアクリル酸2−エチルヘキシル:98部、アクリル酸:2部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアクリルエマルション系重合体(「アクリル重合体E」と称する)を調製した。さらに、このアクリル重合体Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤E」と称する)を調製した。さらにまた、このアクリル系粘着剤Eを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この比較例1に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−67℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は1.0×105Paであり、ゲル分率は98重量%であった。
【0078】
(比較例2)
モノマー成分としてメタクリル酸2−エチルヘキシル:98部、アクリル酸:2部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアクリルエマルション系重合体(「アクリル重合体F」と称する)を調製した。さらに、このアクリル重合体Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤F」と称する)を調製した。さらにまた、このアクリル系粘着剤Fを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この比較例2に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は4℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は1.1×107Paであり、ゲル分率は98重量%であった。
【0079】
(比較例3)
実施例1と同様にして得られたアクリル重合体A:100重量部に、油溶性架橋剤として1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(商品名「テトラッドC」三菱瓦斯化学(株)製)を0.1部、および水溶性架橋剤として商品名「エポクロスWS−500」((株)日本触媒製)を0.5部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤G」と称する)を調製した。さらに、このアクリル系粘着剤Gを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この比較例3に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は3.7×107Paであり、ゲル分率は86重量%であった。
【0080】
(比較例4)
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた反応容器に、水:180部と、モノマー成分としてのアクリル酸エチル:98部およびアクリル酸:2部と、商品名「アデカソープSE−10N」(旭電化工業(株)製;エーテルサルフェート型の反応性ノニオンアニオン系界面活性剤、エチレンオキサイドの平均付加モル数:10)をアルコール沈殿ろ過法により精製し不純物SO4 2−イオン濃度を560μg/gから70μg/g以下に低減した乳化剤:2部とを乳化機で乳化して得られたエマルジョン溶液を仕込み、撹拌下で1時間窒素置換した。ここに、2,2´−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチル−プロピオンアミジン](商品名「VF−057」;和光純薬(株)製):0.03部および水3部からなる水溶液を添加し、58℃で5時間重合を行った。その後、10重量%のアンモニア水で中和して、アクリルエマルション系重合体(「アクリル重合体H」と称する)を調製した。
【0081】
さらに、このアクリル重合体Hを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤H」と称する)を調製した。さらにまた、このアクリル系粘着剤Hを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この比較例4に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は3.7×105Paであり、ゲル分率は98重量%であった。
【0082】
(比較例5)
冷却管、窒素導入管、温度計、撹拌装置を備えた反応容器に、水:180部と、モノマー成分としてのアクリル酸エチル:98部およびアクリル酸:2部と、商品名「アデカソープSE−10N」(旭電化工業(株)製;エーテルサルフェート型の反応性ノニオンアニオン系界面活性剤、エチレンオキサイドの平均付加モル数:10)をアルコール沈殿ろ過法により精製し不純物SO4 2−イオン濃度を560μg/gから70μg/g以下に低減した乳化剤:2部とを乳化機で乳化して得られたエマルジョン溶液を仕込み、撹拌下で1時間窒素置換した。ここに、過硫酸アンモニウム:0.03部および水3部からなる水溶液を添加し、72℃で5時間重合を行った。その後、10重量%のアンモニア水で中和して、アクリルエマルション系重合体(「アクリル重合体I」と称する)を調製した。
【0083】
さらに、このアクリル重合体Iを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤I」と称する)を調製した。さらにまた、このアクリル系粘着剤Iを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この比較例5に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は3.7×105Paであり、ゲル分率は98重量%であった。
【0084】
(比較例6)
乳化剤として、商品名「アクアロンHS−20」(第一工業製薬(株)製;反応性ノニオンアニオン系界面活性剤、エチレンオキサイドの平均付加モル数:20)をアルコール沈殿ろ過法により精製し不純物SO4 2−イオン濃度を900μg/gから70μg/g以下に低減した乳化剤:2部を用いたこと以外は、実施例1と同様にしてアクリルエマルション系重合体(「アクリル重合体J」と称する)を調製した。さらに、このアクリル重合体Jを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤J」と称する)を調製した。さらにまた、このアクリル系粘着剤Jを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この比較例6に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は3.7×105Paであり、ゲル分率は98重量%であった。
【0085】
(比較例7)
実施例1と同様にして得られたアクリル重合体A:100重量部に、油溶性架橋剤として1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン(商品名「テトラッドC」三菱瓦斯化学(株)製)を2部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤K」と称する)を調製した。すなわち、アクリル系粘着剤Kの調製に際しては、水溶性架橋剤が用いられていない。さらに、このアクリル系粘着剤Kを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この比較例7に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は3.7×105Paであり、ゲル分率は98重量%であった。
【0086】
(比較例8)
実施例1と同様にして得られたアクリル重合体A:100重量部に、水溶性架橋剤として商品名「エポクロスWS−500」((株)日本触媒製)を5部添加したこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着剤(「アクリル系粘着剤L」と称する)を調製した。すなわち、アクリル系粘着剤Lの調製に際しては、油溶性架橋剤が用いられていない。さらに、このアクリル系粘着剤Lを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを作製した。この比較例8に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートにおける粘着剤層の、ガラス転移温度は−12℃であり、貯蔵弾性率(23℃)は3.7×105Paであり、ゲル分率は90重量%であった。
【0087】
(評価)
各実施例および各比較例により得られた再剥離用水分散型アクリル系粘着シートについて、以下の各測定方法又は評価方法により、粘着剤層のガラス転移温度、貯蔵弾性率およびゲル分率を測定し、また、対ウエハ汚染性を評価した。評価結果は、表1又は2に示した。
【0088】
(粘着剤層のガラス転移温度の測定方法)
各実施例および各比較例に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートで用いられている各粘着剤層を形成する各アクリル系粘着剤(アクリル系粘着剤A〜アクリル系粘着剤L)を、ポリオレフィンフィルム上に塗工して、80℃で3分間乾燥させて、厚さ(乾燥後の厚さ):約1.5mmの粘着剤層を作製した。この各粘着剤層(厚さ:約1.5mm)について、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置:商品名「ARES」を用いて、φ7.9mmパラレルプレートの治具を用い、周波数1Hz、昇温速度5℃/分にて損失弾性率を測定し、得られた損失弾性率のピーク点の温度をガラス転移温度とした。
【0089】
(粘着剤層の貯蔵弾性率の測定方法)
各実施例および各比較例に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートで用いられている各粘着剤層を形成する各アクリル系粘着剤(アクリル系粘着剤A〜アクリル系粘着剤L)を、ポリオレフィンフィルム上に塗工して、80℃で3分間乾燥させて、厚さ(乾燥後の厚さ):約1.5mmの粘着剤層を作製した。この各粘着剤層(厚さ:約1.5mm)について、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置:商品名「ARES」を用いて、φ7.9mmパラレルプレートの治具を用い、周波数1Hz、温度23℃にて貯蔵弾性率を測定した。
【0090】
(粘着剤層のゲル分率の測定方法)
各実施例および各比較例に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートで用いられている各粘着剤層を形成する各アクリル系粘着剤(アクリル系粘着剤A〜アクリル系粘着剤L)を、ポリオレフィンフィルム上に塗工して、80℃で3分間乾燥させて、厚さ(乾燥後の厚さ):約1.5mmの粘着剤層を作製した。この各粘着剤層を約0.1gサンプリングして精秤(浸漬前の重量)し、これを約50mlの酢酸エチル中に室温(20〜25℃程度)で1週間浸漬したのち、溶剤(酢酸エチル)不溶分を取り出し、該溶剤不溶分を130℃で約1時間乾燥した後、秤量(浸漬・乾燥後の重量)して、ゲル分率算出式「ゲル分率(重量%)=[(浸漬・乾燥後の重量)/(浸漬前の重量)]×100」を用いて、ゲル分率(重量%)を算出した。
【0091】
(対ウエハ汚染性の評価方法)
アルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面に貼付し再剥離した際の、前記アルミニウム蒸着面上の炭素原子の増加量(atomic%)[「対ウエハ有機物汚染増加量」と称する場合がある]と、4インチミラーウエハのミラー面に貼付し再剥離した際の、前記ミラー面上の粒径0.28μm以上のパーティクル数(個/4インチウエハ)[「パーティクル汚染数」と称する場合がある]とにより、下記の基準で対ウエハ汚染性を評価した。
評価基準
○:対ウエハ有機物汚染増加量が5(atomic%)以下、且つパーティクル汚染数が25(個/4インチウエハ)以下である。
×:対ウエハ有機物汚染増加量が5(atomic%)を超えているか、又はパーティクル汚染数が25(個/4インチウエハ)を超えている。
【0092】
アルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面に貼付し再剥離した際の、前記アルミニウム蒸着面上の炭素原子の増加量(atomic%)は、次のようにして測定した。
各実施例および各比較例に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートから試験片を切り取った。該試験片を、アルミニウム蒸着ウエハ[(有)エス・エヌ・ケイ製のシリコンウエハ上に、98.5重量%のアルミニウム原子−1重量%のケイ素原子−0.5重量%の銅原子の混合物を厚み0.1mmとなるように蒸着した物;該アルミニウム蒸着ウエハ(ブランク)の炭素原子量は12〜13atomic%である]のアルミニウム蒸着面に、日東精機(株)社製のテープ貼り合せ機「DR8500」を用いて貼付け(貼り付け圧力:2MPa、貼り付け速度:12m/分)、その後、40℃中で1日間放置した。前記放置後、日東精機(株)社製のテープ剥離機「HR8500」を用いて、アルミニウム蒸着ウエハから試験片を剥離し(剥離速度:12m/分、剥離角度:180°)した。前記剥離後、アルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面に転写した有機物としての炭素原子の量を、アルバックファイ社製のESCA装置「model5400」を用いて測定した。なお、測定条件は、光電子取出角が45°、X線源がマグネシウム(Mg)、光電子出力が300W、測定面積が1.1mmφである。
そして、再剥離用水分散型アクリル系粘着シートの貼付によって、検出された炭素原子の増加量(atomic%)により、有機物の転写量を評価した。なお、前記と同様の測定条件で、予め再剥離用水分散型アクリル系粘着シートを全く貼り付けていないアルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面についても分析して、ブランクの状態でのアルミニウム蒸着ウエハの炭素原子量も測定した。
【0093】
また、4インチミラーウエハのミラー面に貼付し再剥離した際の、前記ミラー面上の粒径0.28μm以上のパーティクル数(個/4インチウエハ)は、次のようにして測定した。
各実施例および各比較例に係る再剥離用水分散型アクリル系粘着シートから試験片を切り取った。クリーンルーム内で前記試験片からポリオレフィンフィルム(セパレータ)を剥離した後、該試験片をその粘着剤層を介して4インチミラーウエハのミラー面(信越半導体株式会社製のシリコンウエハ「CZ−N POLISHED WAFER(4インチ)」のミラー面)に接着して、23℃で1時間放置した。前記放置後、ミラーウエハから試験片を剥離速度12m/分、剥離角度180°で剥離し、ミラーウエハのミラー面における粒径0.28μm以上のパーティクル数を、日立電子エンジニアリング(株)社製のレーザー表面検査装置「LS−5000」を用いて測定した。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】
表1及び2より明らかなように、実施例の再剥離用水分散型アクリル系粘着シートは、対ウエハ有機物汚染増加量が5atomic%以下で、且つ、パーティクル汚染数も25個/4インチウエハ以下であり、被着体表面への汚染が少ない再剥離用水分散型アクリル系粘着シートであることが分かる。
【0097】
これに対し、比較例1では、粘着剤層のガラス転移温度が−50℃よりも低く且つ貯蔵弾性率が2.0×105よりも低いため、対ウエハ有機物汚染増加量が多くなっている。比較例2では、粘着剤層のガラス転移温度が0℃よりも高く且つ貯蔵弾性率が3.0×106よりも高いため、パーティクル汚染数が極めて多くなっている。比較例3では、粘着剤層のゲル分率が90%よりも低いため、パーティクル汚染数が多くなっている。従って、これらの比較例1〜3では、全体として被着体への汚染性が悪いと言える。
【0098】
また、比較例4では、重合開始剤としてアゾ系重合開始剤が用いられており、比較例5では、重合開始剤として過硫酸塩が用いられており、比較例6では、エチレンオキサイドの付加平均モル数が20の反応性乳化剤が用いられているので、対ウエハ有機物汚染増加量が多くなっており、これらの比較例4〜6では、全体として被着体への汚染性が悪いと言える。
【0099】
さらにまた、比較例7では、水溶性架橋剤を使用せず油溶性架橋剤のみを使用しているので、一方、比較例8では、油溶性架橋剤を使用せず水溶性架橋剤のみを使用しているので、パーティクル汚染数が多くなっており、全体として被着体への汚染性が悪いと言える。
Claims (5)
- (メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマー成分(A1)、ラジカル重合性官能基を有し且つエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドの平均付加モル数が15以下のノニオンアニオン系反応性乳化剤(A2)、及びレドックス系重合開始剤(A3)を用いたエマルション重合により得られるアクリルエマルション系重合体(A)と、油溶性架橋剤(B)と、水溶性架橋剤(C)とを含有し、乾燥又は硬化後のガラス転移温度が−50〜0℃、23℃における貯蔵弾性率が2.0×105〜3.0×106Pa、ゲル分率が90重量%以上となることを特徴とする再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物。
- 請求項1記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着剤組成物による粘着剤層を有することを特徴とする再剥離用水分散型アクリル系粘着シート。
- アルミニウム蒸着ウエハのアルミニウム蒸着面に貼付し40℃で24時間保存後に再剥離した際の、前記アルミニウム蒸着面上の炭素原子の増加量が5atomic%以下である請求項2記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着シート。
- 4インチミラーウエハのミラー面に貼付し23℃で1時間保存後に再剥離した際の、前記ミラー面上の粒径0.28μm以上のパーティクル数が25個/4インチウエハ以下である請求項2又は3記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着シート。
- 半導体ウエハ加工用粘着シートである請求項2〜4のいずれかの項に記載の再剥離用水分散型アクリル系粘着シート。
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