JP2005269545A - 画像読み取り装置、基準部材の異物検知方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 画像読み取り装置は、原稿が搬送される搬送路の一方の側から原稿を照射するLED52と、原稿から反射する反射光を受光するラインセンサ54と、搬送路を挟んでラインセンサ54に対向配置される白基準テープ64とを備えている。LED52による照射光の強さを100%とした場合にラインセンサ54にて白基準テープ64を読み取って得られる100%シェーディングデータSHD100と、LED52による照射光の強さを50%とした場合にラインセンサ54にて白基準テープ64を読み取って得られる50%シェーディングデータSHD50との差分を取り、この差分が予め設定された閾値より低い部位(画素)をごみ付着部位(画素)と判断する。
【選択図】 図2
Description
このような画像読み取り装置では、原稿の搬送経路に直交する方向の位置によって光源から照射される光量にばらつきがあったり、また、経時的に光源の光量が変動したりするといった事態が生じる。このような光量の変動が生じると、例えばハーフトーンの画像が一様に形成された原稿を読み取った場合に、出力される画像信号が光源の光量に応じたばらつきを有する不均一なものとなってしまう。
また、他の目的は、基準部材における異常箇所を検知することにある。
また、本発明によれば、基準部材における異常箇所を検知することができる。
―実施の形態1―
図1は本実施の形態が適用される画像読み取り装置を示した図である。この画像読み取り装置は、積載された原稿束から原稿を順次、搬送する原稿送り装置10、スキャンによって画像を読み込む第2の読み取り部としてのスキャナ装置70、および読み込まれた画像信号を処理する処理装置80に大別される。
図3は、処理装置80を説明するためのブロック図である。本実施の形態が適用される処理装置80は、大きく、センサ(CCDイメージセンサ78およびCIS50)から得られた画像情報を処理する信号処理部81と、原稿送り装置10およびスキャナ装置70を制御する制御部90とを備えている。信号処理部81は、表面(第1面)を読み取るCCDイメージセンサ78および裏面(第2面)を読み取るCIS50のラインセンサ54からの各々の出力に対して所定の画像処理を施している。この信号処理部81は、ラインセンサ54からの出力に対してアナログ信号の処理を行うAFE(Analog Front End)82、アナログ信号をディジタル信号に変換するADC(Analog to Digital Converter)83を有している。但し、これらの機能は、CIS50の内部にて処理されるように構成することもできる。また、信号処理部81は、ディジタル信号に対してシェーディング補正やオフセット補正等の各種処理を施す画像処理回路が2系統、備えられており、表面(第1面)の画像データに対して画像処理を施す第1画像処理回路100、裏面(第2面)の画像データに対して画像処理を施す第2画像処理回路200を備えている。これらの画像処理回路からの出力は、例えばプリンタ等のIOT(Image Output Terminal)や、パーソナルコンピュータ(PC)等のホストシステムへ出力される。
図4は、信号処理部81の構成を更に詳述したブロック図である。第1画像処理回路100は、全体の制御を行う第1CPU101、CCDイメージセンサ78から出力された表面画像データに対してサンプルホールドやオフセット調整、A/D変換等を行うAFE102、また、表裏の画像データを選択して出力するためのセレクタ(SEL)103、CCDイメージセンサ78による白基準板69(図1参照)の読み取りデータを一時的に格納するためのRAM(Random Access Memory)104を備えている。更に、シェーディング補正やライン補間(RGBの位置ずれ補間)等を実行するA集積回路(ASIC-A)110、MTFフィルタや縮拡処理、2値化処理等を実行するB集積回路(ASIC-B)130を備えている。
図10(a),(b)は、図9のステップ102に示した1パスによる片面読み取りモードと、ステップ106に示した1パスによる両面同時読み取りである第2の両面読み取りモードの原稿パスを示した図である。図10(a)に示すように、原稿トレイ11に載置された原稿は、ナジャーロール13、フィードロール14およびリタードロール15、テイクアウェイロール16によって、第1搬送路31に順次、供給される。供給された原稿は、図10(b)に示すように、プラテンロール19の読み取り部およびCIS50の読み取り部を経由して、搬送路切替ゲート42によって第2搬送路32に移動し、排出トレイ40に、順次、排出される。片面読み取りの場合には、プラテンロール19の箇所にて、下方から、図1に示すスキャナ装置70のCCDイメージセンサ78を用いた読み取りがなされる。但し、前述のように、CIS50を用いた片面読み取りも可能である。また、1パスによる両面同時読み取りの場合には、スキャナ装置70のCCDイメージセンサ78を用いて第1面を読み取り、同一搬送時にCIS50を用いて第2面を読み取る。これによって、1回の原稿パスによって両面の原稿読み取りを行うことが可能となる。
図12は、スキャナ装置70側すなわちCCDイメージセンサ78におけるシェーディングデータ取得の処理の流れを示すフローチャートである。この処理は、第1画像処理回路100の第1CPU101によって実行される。
この処理では、まず、AFE102においてCCDイメージセンサ78を構成する各センサに対するオフセット補正(CCDオフセット補正)を行う(ステップ201)。次に、第1ミラー76Aが白基準板69の下部に位置するようにフルレートキャリッジ73を移動させる(ステップ202)。なお、ステップ202では、Xeランプ74は消灯させたままである。そして、Xeランプ74を消灯させた状態で、CCDイメージセンサ78による白基準板69の読み取りを行い、黒基準のシェーディングデータを取得する(ステップ203)。そして、取得されたスキャナ装置70側の黒基準のシェーディングデータを第1画像処理回路100のA集積回路110に設けられたシェーディングメモリ121に格納する(ステップ204)。
この処理では、まず、AFE82においてCIS50のラインセンサ54を構成する各センサに対するオフセット補正(CISオフセット補正)を行う(ステップ301)。次に、LED52を消灯させた状態、すなわち、光の強さが0%の状態で、CIS50による白基準テープ64の読み取りを行い、黒基準のシェーディングデータを取得し(ステップ302)、取得されたCIS50側の黒基準のシェーディングデータを第2画像処理回路200のC集積回路210に設けられたシェーディングメモリ221に格納する(ステップ303)。
この処理では、まず、RAM203に格納された100%シェーディングデータSHD100と50%シェーディングデータSHD50とを読み出す(ステップ401)。そして、各画素番号Pi(i=1〜7100)における、100%シェーディングデータSHD100(i)と50%シェーディングデータSHD50(i)との差分Diを求める(ステップ402)。次に、得られた各画素番号Piにおける各差分Di(i=1〜7100)が、予め規定された閾値Thよりも小さいか否かを判断する(ステップ403)。そして、差分Diが閾値Thよりも小さかったものをごみ・汚れ付着画素と判断し、その画素番号Piをごみ・汚れ付着画素番号としてRAM203に格納し(ステップ404)、処理を終了する。
この処理では、まず、RAM203に格納された100%シェーディングデータSHD100を読み出し(ステップ501)、次いで、RAM203に格納されたごみ・汚れ付着画素番号を読み出す(ステップ502)。次に、読み出されたごみ・汚れ付着画素番号の前後5画素をごみ・汚れ付着画素番号に追加し(ステップ503)、さらに、FROM202に格納された工場出荷時の初期シェーディングデータSHDiniより、ステップ503にて決定されたごみ・汚れ付着画素番号に対応するデータを読み出す(ステップ504)。次に、100%シェーディングデータよりごみ・汚れ付着画素番号の手前側10画素分を取り出してその平均値を求め(ステップ505)、得られた平均値を用いてステップ504で読み出したデータの補正を行う(ステップ506)。そして、補正されたデータを用いて、100%シェーディングデータSHD100のごみ・汚れ付着画素番号のデータを補完して(ステップ507)、処理を終了する。
図16(a)は、シェーディングデータ取得時における白基準テープ64の状態を示している。なお、この例では、白基準テープ64の一部にごみGが付着しており、これを読み取った結果に基づいてCIS50用のシェーディングデータを生成するものとする。
図16(b)は、図16(a)に示す白基準テープ64を読み込むことにより、図13に示すステップ305で取得される100%シェーディングデータSHD100を示している。同図において、横軸は画素番号Pである(以下、図16(b),(c)においても同じ)。白基準テープ64にごみGが付着した部位では、ごみGが付着していない部位に比べて、反射光の量が著しく減少する。このため、ごみや汚れの付着部に対応するデータは、他の部位よりも著しく落ち込むことになる。なお、図16(b)では、100%シェーディングデータSHD100が画素方向に対して波打っているが、これは、CIS50においてセルフォックレンズ53を用いているためであり、波打ちの周期は、セルフォックレンズ53に設けられた各レンズのピッチに対応している。
図16(d)は、図14に示すステップ402で求められる100%シェーディングデータSHD100と50%シェーディングデータSHD50との差分Dを示している。同図より、ごみや汚れの付着部位では、ごみや汚れが付着していない部位と比べて差分Dが著しく小さくなっていることがわかる。本発明者の実験によれば、LED52の光の強さを100%から50%に半減させた場合に、白基準テープ64の白基準面(ごみが付着していない面)からの反射光量は略半分近くまで減少するのに対し、白基準テープ64のごみ・汚れ付着面からの反射光量については、多少は減少するものの、白基準面側と比べて減少の度合いは小さくなることが判明している。この理由は、ごみや汚れの付着部位では、ごみによる吸収や散乱によってラインセンサ54へと反射する反射光量が減少しているため、照射する光の強さを大きく変化させた場合にも、反射する光量がそれほど影響を受けないことに起因するものと考えられる。したがって、差分Dが小さい部位については、ごみGが付着した領域であると判断することができ、本実施の形態では、図14に示すステップ403において、差分Diが閾値Thよりも小さいか否かを判断して、ごみ・汚れ付着部位であるか否かを決定している。
図17(b)は、図15に示すステップ501で読み出される100%シェーディングデータSHD100のうち、ごみ・汚れ付着画素の近傍を拡大したものである。なお、このステップ403では、図16(b)に示す100%シェーディングデータSHD100が読み出される。また、図15に示すステップ502では、ごみ・汚れ付着画素番号(この例では画素番号Pa〜Pb)が読み出される。ここで、図16(b)を参照すると、確かに、画素番号Pa〜Pbの領域では、100%シェーディングデータSHD100が落ち込みを見せているが、実際には、画素番号Pa〜Pbの周辺画素を含む画素番号Pc〜Pdにおいて100%シェーディングデータに異常が生じていることがわかる。そこで、本実施の形態では、図15に示すステップ503において、ごみ・汚れ付着画素番号Paよりも前側5画素およびごみ・汚れ付着画素番号Pbよりも後ろ側5画素をごみ・汚れ付着画素番号に追加している。ここで、ごみ・汚れ付着画素番号として追加する画素数を5画素としているのは、発明者の実験結果に基づくものである。
これにより、本実施の形態に係るCIS50では、読み取られた画像データに対してより正確なシェーディング補正を行うことが可能となり、白基準テープ64にごみや汚れが付着することに伴う画像データにおける筋の発生を防止することができる。
本実施の形態は、実施の形態1と略同様であるが、CIS50側の光源として、LEDに代えてXeランプを用いるようにしたものである。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様のものについては、実施の形態1と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
図18は、本実施の形態に係るCIS50を説明するための図である。本実施の形態では、上述したように、CIS50の光源としてXeランプ56が設けられている。また、Xeランプ56は一つだけ設けられており、他方にはXeランプ56からの照射光を反射して原稿側に照射するためのミラー57が装着されている。ここでXeランプ56はLEDと異なり、照射される光の強さの調整が非常に困難であるため、実施の形態1で説明した手法を用いてごみ・汚れ付着部位を検知することが難しい。そこで、本実施の形態では、Xeランプ56から照射される光の強さは一定に保持し、シェーディングデータの取得するための読み取り時間(測定時間)を異ならせて二つのシェーディングデータを取得することで、白基準テープ64におけるごみ・汚れ付着部位の検知を行っている。
この処理では、まず、AFE82においてCIS50のラインセンサ54を構成する各センサに対するオフセット補正(CISオフセット補正)を行う(ステップ601)。次に、Xeランプ56を消灯させた状態、すなわち、光の強さが0%の状態で、CIS50による白基準テープ64の読み取りを行い、黒基準のシェーディングデータを取得し(ステップ602)、取得されたCIS50側の黒基準のシェーディングデータを第2画像処理回路200のC集積回路210に設けられたシェーディングメモリ221に格納する(ステップ603)。
さらに、実施の形態1,2では、基準部材として白基準テープ64を用いた例について説明を行ったが、これに限られるものではなく、他の色の基準部材であってもよい。
Claims (16)
- 原稿を照射する光源と、
前記原稿から反射する反射光を受光するセンサと、
前記センサにて読み取られる基準部材と、
第1の読み取り条件に前記光源または前記センサを設定し前記基準部材を読み取って得られた第1の読み取りデータと、当該第1の読み取り条件とは異なる第2の読み取り条件に当該光源または当該センサを設定し当該基準部材を読み取って得られた第2の読み取りデータとを用いて、当該第1の読み取りデータまたは当該第2の読み取りデータにおける異常部位を検知する異常部位検知部と
を含む画像読み取り装置。 - 前記異常部位検知部は、前記異常部位として前記基準部材にごみまたは汚れが付着した部位を検知することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
- 前記第1の読み取り条件と前記第2の読み取り条件とでは、前記光源による照射光の強さが異なることを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
- 前記光源はLED(Light Emitting Diode)であることを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
- 前記第1の読み取り条件と前記第2の読み取り条件とでは、前記センサによる測定時間の長さが異なることを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
- 前記光源はXe(キセノン)ランプであることを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
- 前記異常部位検知部は、前記第1の読み取りデータと前記第2の読み取りデータとの差が閾値よりも小さい部位を前記異常部位として検知することを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
- 前記第1の読み取りデータは、前記光源の照射光の強さを原稿を読み取る際の条件に設定して取得されたものであることを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
- 前記異常部位検知部にて検知された前記第1の読み取りデータまたは前記第2の読み取りデータにおける前記異常部位のデータを補完する補完部をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の画像読み取り装置。
- 原稿を照射する光源と、
前記原稿から反射する反射光を受光するセンサと、
前記センサにて読み取られる基準部材と、
前記光源および前記センサを用いて異なる読み取り条件にて前記基準部材の同一位置を複数回読み取った結果に基づいて、当該基準部材における異常箇所を検知する異常箇所検知部と
を含む画像読み取り装置。 - 前記異常箇所検知部にて設定される前記異なる読み取り条件は、前記センサによる読み取り時間は同じで、前記光源による照射光の強さが異なることを特徴とする請求項10記載の画像読み取り装置。
- 前記異常箇所検知部にて設定される前記異なる読み取り条件は、前記光源による照射光の強さは同じで、前記センサによる読み取り時間の長さが異なることを特徴とする請求項10記載の画像読み取り装置。
- 第1の読み取り条件にて基準部材を読み取って第1の読み取りデータを取得するステップと、
前記第1の読み取り条件とは異なる第2の読み取り条件にて前記基準部材を読み取って第2の読み取りデータを取得するステップと、
前記第1の読み取りデータと前記第2の読み取りデータとを用いて、前記基準部材に対する異物の付着を検知するステップと
を含む基準部材の異物検知方法。 - 前記基準部材に対する異物の付着を検知するステップでは、前記第1の読み取りデータと前記第2の読み取りデータとの差が予め定められた閾値より小さいか否かに基づいて、異物の付着を判断することを特徴とする請求項13記載の基準部材の異物検知方法。
- 前記第1の読み取り条件および前記第2の読み取り条件は、光源による照射光の強さが異なることを特徴とする請求項13記載の基準部材の異物検知方法。
- 前記第1の読み取り条件および前記第2の読み取り条件は、センサによる読み取り時間が異なることを特徴とする請求項13記載の基準部材の異物検知方法。
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